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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-227841(P2017-227841A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/16 20060101AFI20171201BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   G03G15/16
   B65H5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-125742(P2016-125742)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】松本 充博
(72)【発明者】
【氏名】長森 由貴
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 光介
【テーマコード(参考)】
2H200
3F101
【Fターム(参考)】
2H200GA03
2H200GA06
2H200GA07
2H200GA23
2H200GA33
2H200GA44
2H200GB22
2H200HA02
2H200HB12
2H200JA02
2H200JA08
2H200JA21
2H200JB17
2H200JB40
2H200JC03
3F101AB03
3F101AB06
3F101AB09
3F101AB15
(57)【要約】
【課題】余剰の付着抑制剤が付着したままの媒体が使用される場合に比べて、画質低下を抑制すること。
【解決手段】像保持体(B)上のトナー像を粘着層を有する連続する媒体(S)に転写する転写部(T2)と、転写部(T2)よりも媒体(S)の搬送方向の上流側に配置された媒体の供給部(U2)であって、粘着層が像保持体(B)に付着することを抑制する付着抑制剤が媒体(S)の幅方向端部に付着し且つ余剰の付着抑制剤が取り除かれた媒体(S)を転写部(T2)に供給する媒体の供給部(U2)と、を備えたことを特徴とする画像形成装置(U)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体と、
前記像保持体上のトナー像を、粘着層を有する連続する媒体に転写する転写部と、
前記転写部よりも媒体の搬送方向の上流側に配置された媒体の供給部であって、前記粘着層が前記像保持体に付着することを抑制する付着抑制剤が前記媒体の幅方向端部に付着し且つ余剰の前記付着抑制剤が取り除かれた前記媒体を前記転写部に供給する媒体の供給部と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記転写部よりも媒体の搬送方向の上流側に配置され、前記媒体の幅方向の端部に接触して、余剰の付着抑制剤を除去する余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記媒体に振動を付与して余剰の付着抑制剤を除去する前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記媒体の端部に接触する複数の毛を有する刷毛状の前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記媒体の端部に接触する多孔質体により構成された前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記媒体の端部に接触する板状体により構成された前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記余剰除去部材よりも媒体の搬送方向の上流側に配置され、前記媒体の幅方向の端部に、前記付着抑制剤を供給する抑制剤の供給部と、
を備えたことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連続媒体を使用する画像形成装置に関して、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1としての特開2015−11047号公報には、ラベル紙(5)の幅方向の両端で露出する粘着層が中間転写ベルト(21)や搬送ロール(59)に付着することを抑制するために、転写領域よりも上流側に粉体供給装置(70)を配置して、ラベル紙(5)の両端に、透明トナーや白色トナー、シリカ、ZnSt、PTFE、酸化セリウム等の粉体(付着抑制剤)を供給する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−11047号公報(「0058」〜「0068」、図5図7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、余剰の付着抑制剤が付着したままの媒体が使用される場合に比べて、画質低下を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
像保持体と、
前記像保持体上のトナー像を、粘着層を有する連続する媒体に転写する転写部と、
前記転写部よりも媒体の搬送方向の上流側に配置された媒体の供給部であって、前記粘着層が前記像保持体に付着することを抑制する付着抑制剤が前記媒体の幅方向端部に付着し且つ余剰の前記付着抑制剤が取り除かれた前記媒体を前記転写部に供給する媒体の供給部と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記転写部よりも媒体の搬送方向の上流側に配置され、前記媒体の幅方向の端部に接触して、余剰の付着抑制剤を除去する余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記媒体に振動を付与して余剰の付着抑制剤を除去する前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記媒体の端部に接触する複数の毛を有する刷毛状の前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記媒体の端部に接触する多孔質体により構成された前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記媒体の端部に接触する板状体により構成された前記余剰除去部材、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記余剰除去部材よりも媒体の搬送方向の上流側に配置され、前記媒体の幅方向の端部に、前記付着抑制剤を供給する抑制剤の供給部と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、余剰の付着抑制剤が付着したままの媒体が使用される場合に比べて、画質低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、媒体に接触する余剰除去部材が余剰の付着抑制剤を除去することができる。
請求項3に記載の発明によれば、振動で余剰の付着抑制剤を除去することができる。
請求項4に記載の発明によれば、刷毛状の抑制除去部材で付着抑制剤を取り除くことができる。
請求項5に記載の発明によれば、多孔質体の抑制除去部材で付着抑制剤を取り除くことができる。
請求項6に記載の発明によれば、板状体の抑制除去部材で付着抑制剤を取り除くことができる。
請求項7に記載の発明によれば、抑制剤の供給部で供給された付着抑制剤を、下流側の抑制除去部材で除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。
図3図3は実施例1の連続紙の説明図である。
図4図4は実施例1の粉体供給装置の説明図であり、図4Aは連続紙の幅方向の位置の説明図、図4Bは粉体供給装置の要部説明図である。
図5図5は実施例1の余剰除去装置の説明図である。
図6図6は実施例1の後処理装置の説明図である。
図7図7は実施例1の裁断装置の説明図である。
図8図8は実施例2の余剰除去部の説明図である。
図9図9は実施例3の余剰除去部の説明図である。
図10図10は実施例4の余剰除去部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例としての実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0015】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の画像形成装置の要部説明図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、記録部の一例であって、画像形成部の一例としてのプリンタ本体U1を有する。プリンタ本体U1は、プリンタUの制御を行う制御部Cを有する。制御部Cは、情報の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータCOMと電気的に接続されている。制御部Cは、パーソナルコンピュータCOMから送信された画像情報を処理可能である。制御部Cは、プリンタ本体U1の書込回路DLに電気的に接続されている。書込回路DLは、潜像の形成装置の一例であって、露光装置の一例としてのLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkに電気的に接続されている。
【0016】
実施例1のLEDヘッドLHy,LHm,LHc,LHkは、Y,M,C,Kの各色に対応して配置されている。なお、実施例1のLEDヘッドLHy〜LHkは、発光素子の一例としてのLEDが画像の幅方向に沿って線状に配列されたLEDアレイにより構成されている。LEDヘッドLHy〜LHkは、入力された信号に応じて、LEDが発光可能に構成されている。すなわち、LEDヘッドLHy〜LHkは、入力された信号に応じた書込光を出力可能に構成されている。
【0017】
図1において、各LEDヘッドLHy〜LHkの上方には、像保持体の一例としての感光体PRy,PRm,PRc,PRkが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各LEDヘッドLHy〜LHkとが対向する領域により、書込領域Q1y,Q1m,Q1c,Q1kが構成されている。
各感光体PRy,PRm,PRc,PRkの回転方向に対して、LEDヘッドLHy〜LHkの上流側には、帯電器の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkが配置されている。実施例1の帯電ロールCRy〜CRkは、感光体PRy〜PRkに接触して従動回転可能に支持されている。
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、LEDヘッドLHy〜LHkの下流側には、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各現像装置Gy〜Gkとが対向する領域により、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kが構成されている。
【0018】
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、現像装置Gy〜Gkの下流側には、1次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kが配置されている。各感光体PRy〜PRkと各1次転写ロールT1y〜T1kとが対向する領域により、1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kが構成されている。
感光体PRy〜PRkの回転方向に対して、1次転写ロールT1y〜T1kの下流側には、像保持体の清掃器の一例としての感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLkが配置されている。
【0019】
前記Y色の感光体PRy、帯電ロールCRy、LEDヘッドLHy、現像装置Gy、1次転写ロールT1y、感光体クリーナCLyにより、可視像の一例としてのトナー像を形成する実施例1のY色の可視像の形成装置の一例としてのY色の作像部Uyが構成されている。同様に、各感光体PRm,PRc,PRk、帯電ロールCRm,CRc,CRk、LEDヘッドLHm,LHc,LHk、現像装置Gm,Gc,Gk、1次転写ロールT1m,T1c,T1k、感光体クリーナCLm,CLc,CLkにより、前記M,C,K色の作像部Um,Uc,Ukが構成されている。
【0020】
前記感光体PRy〜PRkの上方には、中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持体の一例であって、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBを有する。中間転写ベルトBは、無端帯状の部材により構成されている。
実施例1の中間転写ベルトBは、張架部材の一例としてのテンションロールRtと、片寄りを補正する部材の一例としてのウォーキングロールRwと、従動部材の一例としてのアイドラロールRfと、2次転写領域の対向部材の一例であって、駆動部材の一例としてのバックアップロールT2aと、1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kと、により回転可能に支持されている。
【0021】
前記中間転写ベルトBを挟んでバックアップロールT2aに対向する位置には、2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されている。実施例1では、バックアップロールT2aには電源回路Eからトナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加され、2次転写ロールT2bは接地される。バックアップロールT2aおよび2次転写ロールT2bにより、転写部の一例としての実施例1の2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとが接触する領域により2次転写領域Q4が構成されている。
中間転写ベルトBの回転方向に対して、2次転写領域Q4の下流側には、中間転写体の清掃器の一例として、ベルトクリーナCLbが配置されている。
前記1次転写ロールT1y〜T1k、中間転写ベルトBおよび2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1+T2+Bが構成されている。
【0022】
図3は実施例1の連続紙の説明図である。
図1において、作像部Uy〜Ukの下方には、媒体の供給部の一例としての給紙装置U2が配置されている。給紙装置U2は、連続する媒体の一例としての連続紙Sがロール状に巻き取られた給紙部材U2aを有する。図3において、実施例1の連続紙Sは、表面に画像が転写される台紙S1と、台紙S1の裏面に塗布された接着剤S2と、接着剤S2が貼り付けられた剥離紙S3と、を有するいわゆるロール状のラベル紙が使用されている。すなわち、実施例1の連続紙Sは、中間層に、粘着層の一例としての接着剤S2の層を有する。
【0023】
給紙部材U2aは、回転可能に支持されている。給紙部材U2aの左方には、張力付与装置の一例としてのテンション付与部U2bが配置されている。テンション付与部U2bは、連続紙Sを支持する支持部材の一例としての2つの従動ロールU2cを有する。従動ロールU2cの間には、張力付与部材の一例としてのテンションロールU2dが配置されている。テンションロールU2dは、連続紙Sに接触し、且つ、上下方向に移動可能に支持されている。テンションロールU2dは、重力で連続紙Sを下方に押して、連続紙Sに張力を付与して、連続紙Sにシワが発生することを防止している。
【0024】
給紙装置U2からの連続紙Sは、プリンタ本体U1の2次転写領域Q4に向けて延びる。連続紙Sの搬送方向に対して、2次転写領域Q4の上流側には、抑制剤の供給部の一例としての粉体供給装置Fkが配置されている。
2次転写ロールT2bに対して、連続紙Sの搬送方向の下流側には、定着部の一例としての定着装置Fが配置されている。定着装置Fは、加熱部材の一例としての加熱ロールFhと、加圧部材の一例としての加圧ロールFpとを有する。加熱ロールFhの内部には、熱源の一例としてのヒータが収容されている。
定着装置Fの下流側には、案内部材の一例としてのガイドロールRbが回転可能に支持されている。
【0025】
ガイドロールRbの下流側には、後処理装置U6が配置されている。後処理装置U6は、除去部の一例としての裁断装置U6aを有する。裁断装置U6aは、連続紙Sの幅方向の端部を切断、裁断する。
裁断装置U6aの下流側には、貼り合せ部の一例としてのラミネート装置U6bが配置されている。ラミネート装置U6bは、連続紙Sの表面に保護材の一例としてのラミネート材を貼り合わせる。
【0026】
後処理装置U6の下流側には、案内部材の一例としてのガイドロールRbが配置されている。
ガイドロールRbの下流側には、回収部材の一例としての巻取りロールU4aが配置されている。巻取りロールU4aは、連続紙Sが巻き取られている。なお、巻取りロールU4aは、図示しない駆動源の一例としてのモータにより駆動される。
【0027】
(画像形成動作の説明)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、パーソナルコンピュータCOMから画像情報を受信すると、印刷動作が開始される。制御部Cは、受信した画像情報に基いて、潜像形成用のイエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの画像情報を生成する。制御部Cは、生成した画像情報をプリンタ本体U1の書込回路DLに出力する。なお、制御部Cは、画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、黒Kのみの画像情報を書込回路DLに出力する。
書込回路DLは、入力された画像情報に応じた制御信号を、LEDヘッドLHy〜LHkに出力する。LEDヘッドLHy〜LHkは、制御信号に応じた書込光を出力する。
【0028】
各感光体PRy〜PRkは、画像形成が開始されると回転駆動する。帯電ロールCRy〜CRkには、電源回路Eから帯電電圧が印加される。したがって、感光体PRy〜PRkの表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより帯電される。帯電された感光体PRy〜PRkは、書込領域Q1y〜Q1kにおいて、LEDヘッドLHy〜LHkからの書込光により、表面に静電潜像が形成される。感光体PRy〜PRkの静電潜像は、現像領域Q2y〜Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkにより可視像の一例としてのトナー像に現像される。
【0029】
現像されたトナー像は、中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて、1次転写ロールT1y〜T1kには、電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。したがって、各感光体PRy〜PRk上のトナー像は、1次転写ロールT1y〜T1kにより、中間転写ベルトBに転写される。なお、多色のトナー像の場合、上流側の1次転写領域で中間転写ベルトBに転写されたトナー像に重ねて、下流側のトナー像が転写される。
1次転写後の感光体PRy〜PRkの残留物、付着物は、感光体クリーナCLy〜CLkにより清掃される。清掃された感光体PRy〜PRk表面は、帯電ロールCRy〜CRkにより再帯電される。
1次転写領域Q3y〜Q3kで1次転写ロールT1y〜T1kにより中間転写ベルトB上に転写された単色または多色のトナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
【0030】
連続紙Sは、2次転写領域Q4や定着装置F、巻取りロールU4aの搬送力を受けて下流側に搬送される。
粉体供給装置Fkは、2次転写領域Q4の上流側において、連続紙Sの幅方向の両端部に、粉体を付着させて、接着剤S2がプリンタUの内部の部材に付着することを防止する。
バックアップロールT2aには、電源回路Eによりトナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。したがって、2次転写領域Q4を通過する連続紙Sに対して、中間転写ベルトB上のトナー像が転写される。
【0031】
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、表面に付着した付着物等がベルトクリーナCLbにより清掃される。
前記トナー像が2次転写された連続紙Sは、定着領域Q5を通過する際に、トナー像が加熱定着される。
画像が定着された連続紙Sは、後処理装置U6に搬送される。後処理装置U6では、裁断装置U6aで、連続紙Sは、幅方向の端部が裁断される。よって、連続紙Sから、粉体が付着した端部が除去される。裁断装置U6aを通過した連続紙Sは、ラミネート装置U6bに搬送される。ラミネート装置U6bで、連続紙Sには、表面にラミネート材が貼り合わされる。
後処理装置U6を通過した連続紙Sは、巻取りロールU4aに巻き取られる。
【0032】
(粉体供給装置Fkの説明)
図4は実施例1の粉体供給装置の説明図であり、図4Aは連続紙の幅方向の位置の説明図、図4Bは粉体供給装置の要部説明図である。
図4Aにおいて、実施例1の抑制剤の供給部の一例として粉体供給装置Fkは、連続紙Sの幅方向の両端部に配置されている。図4Bにおいて、実施例1の粉体供給装置Fkは、付着抑制剤の一例としての粉体を収容する収容部1を有する。収容部1には、供給部材の一例としての回転ブラシ2が支持されている。回転ブラシ2は、多数の導電性の毛を有する円筒状の刷毛状に形成されている。また、回転ブラシ2は、図示しない駆動源で回転駆動される。また、連続紙Sを挟んで回転ブラシ2の反対側には、支持部材の一例としての回転ロール3が回転可能に支持されている。
【0033】
前記回転ブラシ2には、粉体の帯電極性とは逆極性の電圧が印加される。なお、実施例1の粉体としては、例えば、透明トナーや白色トナー等のトナー自体、シリカ等の無機材料、ZnSt:ステアリン酸亜鉛やPTFE:ポリテトラフルオロエチレン等の潤滑剤、現像剤に含有される酸化セリウム等の研磨剤などを使用可能である。
したがって、実施例1の粉体供給装置Fkでは、連続紙Sの左右両端部の付着範囲L1の領域に粉体が供給される。
【0034】
図5は実施例1の余剰除去装置の説明図である。
図5において、実施例1の余剰除去装置6は、媒体の搬送方向に対して、粉体供給装置Fkの下流側且つ2次転写領域Q4の上流側に配置されている。余剰供給装置6は、上流側搬送ロール7aを有する。上流側搬送ロール7aの下流側には、下流側搬送ロール7bが配置されている。各搬送ロール7a,7bは、連続紙Sを挟んだ状態で、連続紙Sの搬送に伴って回転する。
搬送ロール7a,7bの間には、余剰除去部材の一例としての加振部材8が配置されている。加振部材8は、連続紙Sの表面に接触可能なプランジャ8aを有する。プランジャ8aは、連続紙Sの表面に接触、離間する方向に移動可能に構成されている。
なお、実施例1では、加振部材8は、粉体供給装置Fkに対応して、連続紙Sの幅方向の両端に配置されているが、これに限定されない。連続紙Sが加振可能な任意の位置に任意の個数配置可能であり、中央部に1つのみ配置したり、幅方向の片側の端部に1つ配置したり、幅方向にそって複数配置したり等、設計や仕様、使用する粉体や接着剤S2の種類等に応じて任意の変更が可能である。
【0035】
(後処理装置U6の説明)
図6は実施例1の後処理装置の説明図である。
図7は実施例1の裁断装置の説明図である。
図6図7において、実施例1の後処理装置U6の裁断装置U6aは、切断部材の一例としての回転カッター11を有する。回転カッター11は、図示しない駆動源の一例としてのモータから駆動が伝達されて回転する。図7において、回転カッター11は、連続紙Sの幅方向に延びる搬送部の一例としてのローラ部12を有する。ローラ部12は、連続紙Sの表面に接触する。
【0036】
ローラ部12の両端部には、切断部材の本体の一例としてのカッター本体13が支持されている。カッター本体13には、円板の外周に連続紙Sを切断する刃が形成されている。なお、カッター本体13はローラ部12に比べて連続紙Sの厚さ分だけ大径に形成されている。また、カッター本体13は、粉体供給装置Fkで粉体が供給される付着範囲L1よりも内側の予め設定された位置に配置されている。
図7において、連続紙Sを挟んで回転カッター11の反対側には、支持部材の一例としての回転ロール14が配置されている。回転ロール14は連続紙Sの下面に接触した状態で従動回転する。
【0037】
ラミネート装置U6bでは、連続紙Sの表面に保護材の一例としてのラミネート材が巻かれているラミネート供給ロール21を有する。ラミネート材21aには、連続紙Sに貼り合わせる際の接着剤が塗られ、剥離紙21bが貼り合わされた状態で、ラミネート供給ロール21に巻き取られている。ラミネート供給ロール21の右方には、剥離紙21bを巻き取る巻き取り部材の一例としての第1のカス取りロール22が配置されている。第1のカス取りロール22は、駆動源の一例としての図示しないモータにより駆動される。
【0038】
ラミネート供給ロール21の下方には、案内部材の一例としてのガイドロール23が配置されている。ガイドロール23は、剥離紙21bが剥離されたラミネート材21aを案内する。
ガイドロール23の下方には、貼り合せ部材の一例としての貼り合せロール24が配置されている。貼り合わせロール24は、駆動源の一例としての図示しないモータにより駆動される。貼り合わせロール24は、連続紙Sと、ラミネート材21aとを挟んで貼り合わせながら、下流側に搬送する。
【0039】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、連続紙Sとして、接着剤S2を有するラベル紙が使用されている。粉体供給装置Fkが設けられていない構成では、2次転写領域Q4や定着領域Q5で連続紙Sが挟まれた場合に、接着剤S2が幅方向の端部からはみ出て、中間転写ベルトBや定着装置F等に付着する場合がある。これに対して、実施例1では、粉体供給装置Fkで連続紙Sの端部に粉体を付着させて、接着剤S2がはみ出しても、粉体が接着剤S2の表面を覆って、接着剤S2がプリンタUの内部の部材に直接付着することを防止している。
【0040】
ここで、粉体が連続紙Sに過剰に付着した状態で2次転写領域Q4や定着領域Q5に搬送されると、粉体が中間転写ベルトBや感光体PRy〜PRk、定着装置Fに付着する恐れがある。中間転写ベルトB等に付着した粉体は、中間転写ベルトB等の表面に膜状に固着する現象、いわゆる、フィルミングを引き起こす場合がある。フィルミングが発生すると、連続紙S上に、筋状の画質欠陥が発生する恐れがある。
これに対して、実施例1では、粉体供給装置Fkの下流側に配置された余剰除去装置6において、余剰な粉体が除去される。実施例1の余剰除去装置6では、加振部材8で連続紙Sが加振され、振動で余分、余剰な粉体が連続紙Sから脱落する。よって、余剰除去装置6が設けられない場合に比べて、連続紙Sに粉体が過剰に付着した状態で、2次転写領域Q4や定着領域Q5を通過することが低減される。したがって、中間転写ベルトB等に粉体が付着することが抑制される。よって、フィルミングや筋状の画質欠陥が低減される。
【0041】
なお、実施例1では、加振部材8の上流側および下流側において、連続紙Sが搬送ロール7a,7bで挟まれている。したがって、加振部材8で連続紙Sが振動しても、搬送ロール7a,7bよりも外側(上流側および下流側)に、連続紙Sの振動が伝搬しにくくなっている。よって、搬送ロール7a,7bを有しない場合に比べて、2次転写領域Q4において、連続紙Sが振動して転写不良が発生することが抑制されている。
【0042】
定着後の連続紙Sは、後処理装置U6に送られる。ここで、粉体が付着した連続紙Sに対して、ラミネート材21aを貼り合せようとすると、連続紙Sの表面の粉体が、ラミネート材21aを貼り合せた場合に気泡を発生させる恐れがある。すなわち、ラミネート不良が発生する恐れがある。
これに対して、実施例1では、定着装置Fの下流側において、ラミネート装置U6bの上流側に、除去部の一例としての裁断装置U6aが配置されている。そして、裁断装置U6aは、連続紙Sの粉体が付着している部位を裁断して、連続紙Sから粉体を除去する。よって、ラミネート装置U6bでラミネート材21aが貼り合わされる際のラミネート不良の発生が低減される。
【0043】
なお、実施例1の裁断装置U6aでは、切断部材として、回転する回転カッター11が使用されているがこれに限定されない。例えば、固定のナイフ状の切断部材のように、回転しない切断部材を使用することも可能である。
【実施例2】
【0044】
図8は実施例2の余剰除去部の説明図である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0045】
図8において、実施例2のプリンタUでは、実施例1の余剰除去装置6に替えて、余剰除去装置40を有する。実施例2の余剰除去装置40は、余剰除去部材の一例としてのブラシロール41を有する。実施例2では、ブラシロール41は、連続紙Sを挟んで一対配置されている。ブラシロール41は、複数の毛を有する刷毛状の部材が円筒状に構成されている。また、ブラシロール41には、除去部材の一例としてのフリッカ42が接触して配置されている。
【0046】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2のプリンタUでは、連続紙Sに付着した余剰の粉体は、余剰除去装置40のブラシロール41で除去される。したがって、実施例1と同様に、中間転写ベルトB等におけるフィルミングや画質欠陥が抑制される。
また、ブラシロール41に付着した粉体は、フリッカ42で弾き飛ばされる。したがって、ブラシロール41の経時的な余剰粉体の除去能力が維持される。
【実施例3】
【0047】
図9は実施例3の余剰除去部の説明図である。
次に本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例3は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
【0048】
図9において、実施例3のプリンタUでは、実施例1の余剰除去装置6に替えて、余剰除去装置50を有する。実施例3の余剰除去装置50は、余剰除去部材の一例としての回転ロール51を有する。実施例3では、回転ロール51は、連続紙Sを挟んで一対配置されている。回転ロール51は、多孔質体の一例としての発泡ウレタンが回転軸に巻きつけられて構成されている。また、回転ロール51は、両端部が枠体の一例としての可動フレーム52に回転可能に支持されている。可動フレーム52には、板状の歯車部材の一例としてのラック53が支持されている。ラック53には、歯車部材の一例としてのピニオンギア54が噛み合っている。ピニオンギア54は、駆動源の一例としてのモータ56から駆動が伝達可能に構成されている。
【0049】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3のプリンタUでは、連続紙Sに付着した余剰の粉体は、余剰除去装置50の回転ロール51で除去される。したがって、実施例1と同様に、中間転写ベルトB等におけるフィルミングや画質欠陥が抑制される。また、実施例3では、プリンタUの累積駆動時間が予め設定された時間以上になると、モータ56が駆動して、回転ロール51が幅方向に移動する。したがって、回転ロール51において、粉体が付着して汚れた面が、連続紙Sの端部に対応する位置からずれて、汚れの少ない面で余剰の現像剤の除去が行われる。したがって、モータ56やピニオンギア54、ラック53を有しない構成に比べて、回転ロール51の余剰粉体の除去能力が維持される。
【実施例4】
【0050】
図10は実施例4の余剰除去部の説明図である。
次に本発明の実施例4の説明をするが、この実施例4の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例4は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
図10において、実施例4のプリンタUでは、実施例1の余剰除去装置6に替えて、余剰除去部材の一例としての除去ブレード61を有する。実施例4の除去ブレード61は、連続紙Sの搬送方向の下流側に行くに連れて、幅方向外側に傾斜して配置されている。
【0051】
(実施例4の作用)
前記構成を備えた実施例4のプリンタUでは、連続紙Sに付着した余剰の粉体は、除去ブレード61で除去される。したがって、実施例1と同様に、中間転写ベルトB等におけるフィルミングや画質欠陥が抑制される。
また、実施例4では、除去ブレード61が連続紙Sの搬送方向の下流側に行くに連れて、幅方向外側に傾斜している。したがって、除去ブレード61で除去された粉体は、連続紙Sの搬送にともなって、幅方向の外側に流されやすい。すなわち、除去ブレード61で除去された粉体は、連続紙Sの幅方向の端部の位置に滞留しにくい。よって、除去ブレード61が傾斜していない場合に比べて、除去された粉体が連続紙Sに再付着することが抑制される。
【0052】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H08)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタUを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
【0053】
(H02)前記実施例において、プリンタUとして、4色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、3色以下または5色以上の多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H03)前記実施例において、テンション付与部U2bは設けることが望ましいが、別の方法で連続紙Sの弛みやシワの発生が抑制されるのであれば、設けないようにすることも可能である。
【0054】
(H04)前記実施例において、後処理装置として、ラミネート装置U6bのみを有する構成を例示したがこれに限定されない。例えば、折り線を形成したり、孔を形成したり、ラベルの部分をカットしたり、等、任意の後処理装置を接続することが可能である。
(H05)前記実施例において、加振部材8やブラシロール41、回転ロール51、除去ブレード61のいずれかを設置する構成を例示したがこれに限定されない。例えば、2つ以上の余剰除去部材を連続紙Sの搬送方向に並べて配置することも可能である。
【0055】
(H06)前記実施例において、粉体供給装置Fkを設ける構成を例示したが、これに限定されない。給紙装置U2にセットされる前に粉体が予め付与されている連続紙Sを使用する場合には、粉体供給装置Fkを省略して、余剰除去装置6,40,50,61のみを配置する構成とすることも可能である。なお、粉体が予め付与されている連続紙Sが巻き取られたロールを、ハンマー等の余剰除去部材で作業者が叩いて余剰の付着抑制剤を取り除いて給紙装置U2にセットして使用する構成とすることも可能である。
(H07)前記実施例において、粉体供給装置Fkや余剰除去装置6,40,50,61の位置は、実施例に例示した位置に限定されない。例えば、2次転写領域Q4の上流側であれば任意の位置に配置可能であり、プリンタ本体U1の内部ではなく、給紙装置U2に設けることも可能である。したがって、給紙装置U2において、テンション付与部U2bの下流側や、テンション付与部U2bの上流側に配置することも可能である。
【0056】
(H08)前記実施例において、余剰除去部材として、加振部材8やブラシロール41、回転ロール51、除去ブレード51を例示したが、これに限定されない。例えば、加振部材8に変えて、ハンマー状(槌状)やロッド状(棒状)の部材とすることも可能である。また、ブラシや多孔質に変えて、ゴム等の樹脂や布、繊維等とすることも可能である。さらに、ブレード状(板状)に変えて、ブロック(固まり状)に変更することも可能である。
【符号の説明】
【0057】
8,41,51,61…余剰除去部材、
B…像保持体、
Fk…抑制剤の供給部、
S…媒体、
T2…転写部、
U…画像形成装置、
U2…媒体の供給部。
図1
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図3
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