【解決手段】ユーザの一以上の機器のログ情報を収集し、各サービスプロバイダに対応した各機器のログ情報の提供状況を表す表示画面データであって、少なくとも1つの機器に含まれる一の機器、一の機器に対応する一のサービスプロバイダ、および、一の機器から出力されるログ情報の一の種別を組として構成し、組単位でログ情報の提供の可否を選択可能な欄を表示させる情報を含む表示画面データを、収集したログ情報に基づいて生成し、サーバ装置にアクセスした表示端末にネットワークを介して表示画面データを提供し、表示端末から、一の組についてのログ情報の提供に関する可否の選択が行われたことを示す情報を受信し、組についてのログ情報の提供を拒否する選択が行われたと判断した場合には、拒否する選択が行われた組についてログ情報の提供を停止する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.本開示の基礎となった知見
まず初めに、本開示の基礎となった知見を説明する。
【0013】
家電機器のログ情報を収集してサービスプロバイダに提供するシステム(以下、「情報管理システム」または「サービス提供システム」と呼ぶことがある。)において収集した各種のログ情報は、ユーザのプライバシーに関連する情報であるため、その取扱いは厳重に行う必要がある。ログ情報は、無断で収集することはできず、収集およびサービスプロバイダに提供するためには、個別にユーザの許諾が必要であると考えられる。
【0014】
この際、ユーザによっては、例えば、サービスプロバイダAには家電機器のログ情報を提供しても良いが、サービスプロバイダBには提供したくないなど、サービスプロバイダ毎に提供可否を設定したいと考えることが想定される。また、例えば、テレビのログ情報はサービスプロバイダに提供しても良いが、冷蔵庫のログ情報は提供したくないなど、家電機器毎にログ情報の提供可否を設定したいと考えるユーザも想定される。あるいは、例えば、テレビのON/OFFに関するログ情報はサービスプロバイダへ提供しても良いが、どの番組を視聴したかと言う視聴履歴に関するログ情報は提供したくないなど、ログ情報の種別毎に提供可否を設定したいと考えるユーザも想定される。
【0015】
従って、家電機器、提供するログ情報の種別、および、提供先であるサービスプロバイダのそれぞれについて、個別に提供可否を設定することができれば、ユーザの意向に沿ったログ情報の提供が可能になると考えられる。
【0016】
一方で、上記のように個別に提供可否を設定すると、その都度、家電機器、またはログ情報を収集するシステムにおけるサーバにおいて設定変更の処理が行われるため、処理回数の増加によって家電機器またはサーバの負荷が増大する恐れがある。
【0017】
そこで、本開示の実施形態では、家電機器から収集したログ情報を管理する情報管理システムにおいて、ログ情報の提供先であるサービスプロバイダ、家電機器、および提供するログ情報の種別が組として管理される。具体的には、この組単位でログ情報をサービスプロバイダに提供拒否するか否かを選択可能な欄を含み、各家電機器のログ情報の提供状況を表した表示画面データを、情報管理システムにアクセスした表示端末に提供する。即ち、一の家電機器に対応するログ情報の一の種別について一のサービスプロバイダに提供することを拒否するか否かを示す情報を、表示端末にて前記組単位で選択させる。
【0018】
これにより、ログ情報の提供の可否を選択する際に、各サービスプロバイダ、各家電機器、および、提供するログ情報の各種別について、それぞれ個別に指定して情報管理システムにおけるサーバへ通知する必要がなく、組単位で一括して通知を行うことができる。このため、情報管理システムのサーバおよび表示端末における処理頻度が軽減されるとともに、情報管理システムと表示端末とを繋ぐネットワークおよび情報管理システムにおけるサーバの処理負荷も低減できる。
【0019】
2.実施形態の概要
以下、本開示の実施形態の概要を説明する。
【0020】
本開示の一態様に係る情報管理方法は、家電機器のログ情報を収集し、前記ログ情報に基づく情報をサービスプロバイダのコンピュータに提供する情報管理システムにおける情報管理方法であって、(1)ネットワークを介して、ユーザの一以上の家電機器のログ情報を収集し、(2)各サービスプロバイダに対応した各家電機器のログ情報の提供状況を表す表示画面データであって、前記一以上の家電機器に含まれる一の家電機器、前記一の家電機器に対応する一のサービスプロバイダ、および、前記一の家電機器から出力されるログ情報の一の種別を組として構成し、前記組単位で前記ログ情報の提供の可否を選択可能な欄を表示させる情報を含む表示画面データを生成し、(3)前記情報管理システムへのアクセスに応じて、前記アクセスを行った表示端末にネットワークを介して前記表示画面データを提供し、(4)前記ネットワークを介して前記表示端末から、前記表示画面データに基づく表示画面において、一のサービスプロバイダに対応する一の家電機器の一の種別のログ情報の提供に関する可否の選択が前記組単位で行われたことを示す情報を受信し、(5)前記一のサービスプロバイダに対応する前記一の家電機器の前記一の種別のログ情報の提供を拒否する選択が前記組単位で行われたと判断した場合には、前記拒否する選択が行われた組についてログ情報の提供を停止する。
【0021】
上記態様において、前記表示画面データは、前記組単位でのログ情報の提供状況を示す情報を含んでいてもよい。
【0022】
上記態様において、前記一のサービスプロバイダに対応する前記一の家電機器の前記一の種別のログ情報の提供を拒否する選択が前記組単位で行われたと判断した場合には、前記拒否する選択が行われた組についてはログ情報の提供を行わないことを示す表示形式で表示されるように前記表示画面データを再生成して前記ネットワークを介して前記表示端末に提供してもよい。
【0023】
本開示の他の態様に係る情報管理方法は、家電機器のログ情報を収集し、前記ログ情報に基づく情報をサービスプロバイダのコンピュータに提供する情報管理システムにおける情報管理方法であって、(1)ネットワークを介して、ユーザの一以上の家電機器のログ情報を収集し、(2)各サービスプロバイダに対応する各家電機器のログ情報の提供状況を表す表示画面データであって、前記一以上の家電機器に含まれる一の家電機器、前記一の家電機器に対応する一のサービスプロバイダ、および、前記一の家電機器から出力されるログ情報の一の種別を組として構成し、前記組単位でのログ情報の提供状況、および前記組単位で前記ログ情報の提供の可否を選択可能な欄を表示させる情報を含む表示画面データを生成し、(3)前記情報管理システムへのアクセスに応じて、前記アクセスを行った表示端末にネットワークを介して前記表示画面データを提供し、(4)前記ネットワークを介して前記表示端末から、前記表示画面データに基づく表示画面において、一のサービスプロバイダに対応する一の家電機器の一の種別のログ情報の提供に関する可否の選択が前記組単位で行われたことを示す情報を受信し、(5)前記一のサービスプロバイダに対応する前記一の家電機器の前記一の種別のログ情報の提供を拒否する選択が前記組単位で行われたと判断した場合において、前記拒否する選択が行われた組についてログ情報の提供が開始されていないと判断した場合には、前記組についてはログ情報の提供を行わないことを示す第1表示形式で表示されるように、前記表示画面データを再生成して前記ネットワークを介して前記表示端末に提供し、前記拒否する選択が行われた組について、ログ情報の提供が既に行われていると判断した場合には、前記組について設定されたログ情報の提供期間の末日までは前記ログ情報を提供することを示す、前記第1表現形式とは異なる第2表示形式で表示されるように、前記表示画面データを再生成して前記ネットワークを介して前記表示端末に提供する。
【0024】
上記態様において、前記拒否する選択が行われた組について、ログ情報の提供が既に行われていると判断した場合において、前記組について設定された前記提供期間の末日以降は、前記組についてのログ情報の提供を停止してもよい。
【0025】
上記態様において、前記提供期間の末日の経過を判断すると、前記組について前記ログ情報を提供しないことを示す、前記第2表示形式とは異なる第3表示形式で表示されるように、前記表示画面データを再生成して前記ネットワークを介して前記表示端末に提供してもよい。
【0026】
上記態様において、前記第1表示形式と前記第3表示形式とは同一の表示形式であってもよい。
【0027】
上記態様において、現在の日付を示す日付情報および前記組についての前記提供期間が開始する日付を示す提供開始日情報を管理し、前記日付情報と前記提供開始日情報とを比較し、前記日付情報の示す日付が、前記提供開始日情報の示す日付より前である場合に、前記組についてのログ情報の提供が開始されていないと判断してもよい。
【0028】
上記態様において、前記日付情報および前記提供開始日情報は、時刻を示す情報を含んでいてもよい。
【0029】
上記態様において、前記日付情報の示す日付と、前記提供開始日情報の示す日付とが同一である場合において、前記日付情報の示す時刻が、前記提供開始日情報の示す時刻よりも前である場合に、前記組についてのログ情報の提供が開始されていないと判断してもよい。
【0030】
上記態様において、現在の日付を示す日付情報および前記組についての前記提供期間の末日を示す提供終了日情報を管理し、前記日付情報と前記提供終了日情報とを比較し、前記組についてのログ情報の提供が開始した後において、前記日付情報の示す日付が、前記提供終了日情報の示す日付より前である場合に、前記組についてのログ情報が提供されていると判断してもよい。
【0031】
上記態様において、前記日付情報および前記提供終了日情報は、時刻を示す情報を含んでいてもよい。
【0032】
上記態様において、前記日付情報の示す日付と、前記提供終了日情報の示す日付とが同一である場合において、前記日付情報の示す時刻が、前記提供終了日情報の示す時刻よりも前である場合に、前記組についてのログ情報が提供されていると判断してもよい。
【0033】
上記態様において、前記表示画面データは、前記組単位で前記ログ情報の提供の拒否を選択可能な欄と、許可を選択可能な欄とを含み、前記拒否する選択が行われた組についてログ情報の提供を停止した後、前記組について、ログ情報の提供を許可する選択が行われたことを示す情報を受信した場合、前記組についてのログ情報の提供を再開してもよい。
【0034】
本開示の他の態様に係る情報管理方法は、家電機器のログ情報を収集し、前記ログ情報に基づく情報をサービスプロバイダのコンピュータに提供する情報管理システムにおける情報管理方法であって、(1)ネットワークを介して、ユーザの一以上の家電機器のログ情報を収集し、(2)各サービスプロバイダに対応する各家電機器のログ情報の提供状況を表す表示画面データであって、前記一以上の家電機器に含まれる一の家電機器、前記一の家電機器に対応する一のサービスプロバイダ、および、前記一の家電機器から出力されるログ情報の一の種別を組として構成し、前記組単位で前記ログ情報の提供の可否を選択可能な欄を表示させる情報を含む表示画面データを生成し、(3)前記情報管理システムへのアクセスに応じて、前記アクセスを行った表示端末にネットワークを介して前記表示画面データを提供し、(4)前記ネットワークを介して前記表示端末から、前記表示画面データに基づく表示画面において、一のサービスプロバイダに対応する一の家電機器の一の種別のログ情報の提供に関する可否の選択が前記組単位で行われたことを示す情報を受信し、(5)前記一のサービスプロバイダに対応する前記一の家電機器の前記一の種別のログ情報の提供を許可する選択が前記組単位で行われたと判断した場合には、前記許可する選択が行われた組についてのログ情報の提供を開始する。
【0035】
上記態様において、前記一のサービスプロバイダに対応する前記一の家電機器の前記一の種別のログ情報の提供を許可する選択が前記組単位で行われたと判断し、前記許可する選択が行われた組についてのログ情報の提供開始時期が指定されたと判断した場合には、前記指定された提供開始時期から前記ログ情報の提供を開始してもよい。
【0036】
上記態様において、前記表示画面データは、前記組単位でのログ情報の提供状況を示す情報を含んでいてもよい。
【0037】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の実施形態を、より具体的に説明する。
【0038】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示の技術を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、例えば出願時における独立形式の請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることも出来る。
【0039】
3.用語の定義
本願明細書では、以下のように用語を定義する。
【0040】
家電機器:熱源・光源・動力源に電力を用いる機器をいう。典型的には家庭で利用されるが、業務用の利用もあり得る。家電機器の例としては、例えば、冷蔵庫、空調機、掃除機、空気清浄器、テレビ、録画再生装置(レコーダー)、オーディオ再生装置、照明、ドライヤー、電気調理器具などがあり得る。
【0041】
移動体通信機器:通信線路に接続されていない通信機器をいう。個人ユーザ向けであるものに限らず、業務用に利用されるものも含む。具体的には、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、PHS、ノートPC、モバイルルータなど、無線通信可能な機器である。
【0042】
ログ情報:家電機器が行った処理、動作、ユーザが家電機器について行った操作などに関する記録をいう。ログ情報は、家電機器の運転状況または動作日時を示す情報のような、家電機器から取得が可能な種々の情報を含み得る。ログ情報の例としては、テレビの視聴履歴、レコーダーの録画予約情報、洗濯機の運転日時・洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時・開閉回数などが挙げられる。ログ情報は、動作履歴に関する情報に限らず、例えば冷蔵庫の内部写真やユーザの性別といった家電機器に関連付けることのできる動作履歴以外の情報であってよい。
【0043】
移動体通信機器ログ情報:移動体通信機器が行った処理もしくは通信に関する記録、または移動体通信機器の移動情報に関する記録をいう。移動体通信機器が、例えば、スマートフォンのような機器である場合は、ユーザが機器を用いて実行したアプリケーションの処理に関する記録、閲覧したWEBページの情報、通話記録などである。また、移動体通信機器がGPS(Global Positioning System)に接続可能である場合には、GPSを用いた移動体通信機器の位置情報の遷移記録も移動体通信機器ログ情報に含まれる。
【0044】
ユーザ:サービス提供システムの利用者、具体的には、サービス提供システムを利用して、提供したログ情報に基づくサービスを受けたり、ログ情報の提供に関する種々の設定を行う者をいう。そのような設定の中には、ユーザが家電機器のログ情報の利用を許可するサービス事業者を選択する操作が含まれ得る。一般家庭では、例えばサービス提供システムを契約している世帯主がユーザであり得る。業務用途では、サービス提供システムを契約している会社、法人、自然人がユーザであり得る。一般家庭では、ユーザが、ログ情報を提供する家電機器の所有者であり、家族(ユーザを含む)がその家電機器を利用する者である。ユーザと、家電機器を利用する者とは、同一である場合と異なる場合とがある。本開示の実施形態では、説明の便宜のため、ユーザと、家電機器を利用する者とは同じであるものとしている。
【0045】
表示データまたは表示画面データ:ディスプレイに表示させるための任意のデータをいう。データ形式は特定のものに限定されず、例えば、XML(Exchangeable Markup Language)形式のデータ、テキストデータ、画像データなどであり得る。「表示データ」は、既存のデータ形式に準拠していない数値データであってもよい。表示端末がその数値データを受け取って表示される対象であるユーザインターフェースを構築する場合には、その数値データは「表示データ」または「表示画面データ」と言える。
【0046】
表示端末:情報をディスプレイに表示させる機能を有する情報機器をいう。ディスプレイを内蔵する機器の他、外付けのディスプレイに情報を表示させる機器であってもよい。表示端末は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、ノートパソコン、デスクトップパソコン、専用表示端末などであり得る。上記の他、例えばディスプレイを搭載する家電機器(冷蔵庫、洗濯機、テレビなど)を表示端末として使用することもできる。そのような家電機器は、ログ情報を出力するだけでなく、本開示におけるログ情報の提供可否の選択動作を行うこともできる。このように、表示端末は必ずしも携帯情報端末である必要はない。
【0047】
クラウドサーバまたはサーバ装置:表示端末にネットワークを介して通信できるように接続され、ログ情報の提供可否の選択動作をユーザが行うために必要な情報を表示端末に提供するコンピュータまたは記録媒体をいう。典型的には、汎用のコンピュータと、上記の動作を行うソフトウェア(コンピュータプログラム)との組み合わせによって実現され得る。
【0048】
ネットワーク:電気通信回線によって構成されるネットワークを意味する。インターネット、専用回線、LAN(Local Area Network)などを含む。複数種類のネットワークの組み合わせであってもよく、有線、無線の別を問わない。
【0049】
4.実施形態1
4.1.構成
4.1.1.全体構成
図1は、本開示の実施形態1におけるサービス提供システムの全体像を示す図である。このサービス提供システムは、サーバ装置200と、表示端末300と、少なくとも1つの家電機器400と、ホームゲートウェイ500と、サービスプロバイダのコンピュータ600とを備えている。以下の説明では、簡単のため、ホームゲートウェイ500を「ゲートウェイ500」と称し、サービスプロバイダのコンピュータ600を「サービスプロバイダ600」と称することがある。
【0050】
サーバ装置200は、例えばデータセンタやサービス提供会社の建物内に設置されたサーバコンピュータである。サーバ装置200は、ユーザが保有する表示端末300およびユーザの家庭または事業所内に設置されたゲートウェイ500と、ネットワーク(NW)を介して通信できるように構成されている。サーバ装置200はまた、サービスプロバイダ600および管理データベース700にも通信可能に接続されている。
【0051】
サーバ装置200は、本サービスを提供するために必要な情報の管理を行う。サーバ装置200は、ネットワークおよびホームゲートウェイ500を介して、家電機器400のID情報およびログ情報を収集し、必要な加工を行った上でそれらの情報をサービスプロバイダ600のコンピュータに提供する。サーバ装置200はまた、ユーザの表示端末300を用いた要求に応じて、ログ情報の提供状況の確認および提供可否の設定を行うための表示画面をネットワークを介して表示端末300に提供する。ユーザが当該表示画面においてログ情報の提供可否に関する設定を行うと、サーバ装置200は、その設定情報を管理データベース700に格納された管理情報に記録する。
【0052】
表示端末300は、例えばユーザが保有するスマートフォン、タブレット端末、携帯電話、ノートPC、デスクトップPCといった情報端末である。表示端末300は、サーバ装置200が提供する専用のウェブサイトにログインするなどの方法により、表示画面データを取得すると、当該表示画面データに基づく表示画面を内蔵または外付けのディスプレイに表示させる。これにより、ユーザによるログ情報の提供可否の設定が可能となる。
【0053】
家電機器400およびホームゲートウェイ500は、ユーザの家庭または事業所内に設置される。ホームゲートウェイ500は、家電機器400からID情報およびログ情報を収集し、定期的に、またはサーバ装置200からの要求に応じて当該情報をサーバ装置200に送信する。なお、ゲートウェイを介さずに家電機器400からサーバ装置200に直接ログ情報を送信してもよい。
【0054】
サービスプロバイダ600は、サーバ装置200から家電機器400のログ情報の提供を受け、当該ログ情報に基づく様々なサービスを当該ユーザに提供する。そのようなサービスには、例えば、機器の保守に関するサービスや新製品に関する情報の提供などがあり得る。サービスプロバイダ600は、管理データベース800にユーザ毎のサービス提供に関する情報を登録することにより、ユーザに応じたサービスを提供する。
【0055】
以下、各構成要素の構成を具体的に説明する。
【0056】
4.1.2. サーバ装置200の構成
図2Aは、サーバ装置200のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置200は、処理回路280と、通信回路290とを備えている。処理回路280は、CPU270と、プログラム250を格納したメモリ260とを有している。これらの構成要素は、バスで接続されており、相互にデータを授受することが可能である。処理回路280は、管理データベース700に接続されており、管理データベース700に格納された管理情報の取得や編集を行うことができる。なお、本実施形態では、管理データベース700は、サーバ装置200の外部の要素であるが、サーバ装置200の内部の要素であってもよい。
【0057】
通信回路290は、ネットワークを介して他の通信機器(例えば表示端末300、ゲートウェイ500、サービスプロバイダ600)と通信を行う回路である。通信回路290は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信を行う。
【0058】
CPU270は、サーバ装置200の動作を制御する。CPU270は、メモリ260に展開されたコンピュータプログラム250に記述された命令群を実行する。これにより、CPU270は種々の機能を実現することができる。コンピュータプログラム250には、サーバ装置200が後述する動作を実現するための命令群が記述されている。
【0059】
上述のコンピュータプログラム250は、CD−ROM等の記録媒体に記録されて製品として市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され得る。
図2Aに示すハードウェアを備えた機器(例えばPC)は、当該コンピュータプログラム250を読み込むことにより、本実施形態によるサーバ装置200として機能し得る。
【0060】
なお、CPU270、コンピュータプログラム250を格納したメモリ260は、1つの半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP(Digital Signal Processor)等のハードウェアとして実現されてもよい。そのようなDSPは、1つの集積回路で上述のコンピュータプログラム250を実行するCPU270によって行われる全ての処理を実現することができる。
図2Aに示すCPU270およびメモリ260に代えて、そのようなDSPを処理回路280として用いてもよい。
【0061】
次に、
図2Bを参照しながら、処理回路280によって実現される機能的な構成を説明する。
【0062】
図2Bは、サーバ装置200の機能的な構成を示すブロック図である。
図2Bと共通する構成要素には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
図2Bには、処理回路280によって実現される6つの機能ブロックが記載されている。具体的には、制御部281、日付情報比較部282、管理情報保持部283、表示データ生成部284、判断部285、更新部286である。ソフトウェアを実行したCPU270は、ある時点では、例えば日付情報管理部282として機能し、異なる他の時点では、例えば更新部284として機能する。このように、CPU270は、6つの機能ブロックのいずれの機能も有する。なお、これらの6つの構成ブロックのうち、少なくとも1つが、DSPなどの専用の処理を行うハードウェアによって実現されてもよい。
【0063】
制御部281は、サーバ装置200の構成要素全体を制御することによって、ログ情報の収集、加工、サービス事業者への提供、および表示端末300に表示画面データを提供するために必要な各種の処理を実行する。
【0064】
日付情報比較部282は、現在の日付を示す日付情報と、ログ情報の組ごとの提供期間が開始する日付を示す提供開始日情報と、組ごとの提供期間の末日を示す提供終了日情報とを取得し、これらの情報に基づき、ログ情報の提供状態を判断する。具体的には、日付情報比較部282は、後述する管理情報保持部283によって管理データベース700から取得された管理情報における提供開始日情報および提供終了日情報と、不図示のリアルタイムクロック等の計時回路から取得した現在の日付情報とを比較する。そして、日付情報の示す日付が、提供開始日情報の示す日付よりも前である場合には、その組についてはログ情報の提供が開始されていないと判断する。また、提供開始後、日付情報の示す日付が、提供終了日情報の示す日付よりも前である場合には、その組についてのログ情報の提供がなされていると判断する。これらの判断の結果は、表示データ生成部286が生成する表示画面データに反映される。
【0065】
管理情報保持部283は、ログ情報の提供状況を管理する管理情報を管理データベース700から取得して一時的に保持する。管理情報は、後述するように、各ユーザについて、家電機器、提供先企業、提供するログ種別を含む組ごとの提供状況を示す情報である。管理情報は、管理データベース700に格納されたユーザや企業などの情報に基づいて生成される。
【0066】
表示データ生成部284は、管理情報保持部283によって取得された管理情報および日付情報比較部282によって取得された日付に関する情報に基づいて、表示画面データを生成する。表示画面データは、一の家電機器、一の家電機器に対応する一のサービスプロバイダ、および、一の家電機器から出力されるログ情報の一の種別を組として構成し、組単位でログ情報の提供の可否を選択可能な欄を表示させる情報を含んでいる。生成された表示画面データは、制御部281および通信回路290を経て、表示端末300に提供される。
【0067】
判断部285は、表示端末300から、表示画面データに基づく表示画面において、一のサービスプロバイダに対応する一の家電機器の一の種別のログ情報の提供に関する可否の選択が組単位で行われたことを示す情報が送られてきたとき、その選択が拒否を示すか、許可を示すかを判断する。そして、判断結果に応じてログ情報の提供を停止するか、開始するかを決定する。
【0068】
更新部286は、判断部285による判断結果に応じて、管理情報を更新する。例えば、ある組について、ログ情報の提供の設定が「許可」から「拒否」へ変更された場合、または「拒否」から「許可」へ変更された場合、管理情報の該当箇所の情報を更新する。この更新に伴い、制御部281は、サービスプロバイダ600への設定変更を示す情報の通知、および表示画面データの更新を、それぞれ通信回路290および表示データ生成部284に実行させる。制御部281は、更新部286によって更新された管理情報を、管理データベース700に記録する。
【0069】
4.1.3.表示端末300の構成
次に、表示端末300の構成および機能を説明する。
【0070】
図3Aは、表示端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。表示端末300は、ユーザインターフェース310、ディスプレイ320、処理回路340、および通信回路350を備えている。処理回路340は、CPU341と、プログラム343を格納したメモリ342とを有している。
【0071】
ユーザインターフェース310は、ユーザからの入力を受け付けるデバイスであり、例えばタッチスクリーン、ハードウェアボタン、キーボード、もしくはマウス、またはこれらの組み合わせであり得る。ディスプレイ320は、処理回路340からの指令に応じて、要求された画像を表示するデバイスである。ディスプレイ320は、例えば液晶や有機ELによって実現され得る。ディスプレイ320としてタッチスクリーンを採用する場合、ディスプレイ320は、ユーザインターフェース310の機能も兼ねることになる。
【0072】
通信回路350は、ネットワークを介して他の通信機器(例えばサーバ装置200における通信回路290)と通信する回路である。通信回路350は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信を行う。
【0073】
CPU341は、表示端末300の動作を制御する。CPU341は、メモリ342に展開されたコンピュータプログラム343に記述された命令群を実行する。これにより、CPU341は種々の機能を実現することができる。コンピュータプログラム343には、表示端末300が後述する動作を実現するための命令群が記述されている。
【0074】
上述のコンピュータプログラム343は、CD−ROM等の記録媒体に記録されて製品として市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され得る。表示端末300がスマートフォンやタブレット端末である場合、コンピュータプログラム343は、アプリとして販売または無償で提供され得る。これらの機器の他、
図3Aに示すハードウェアを備えた機器(例えばPC)は、当該コンピュータプログラム343を読み込むことにより、本実施形態による表示端末300として機能し得る。
【0075】
なお、CPU341、コンピュータプログラム343を格納したメモリ342は、1つの半導体回路にコンピュータプログラムを組み込んだDSP(Digital Signal Processor)等のハードウェアとして実現されてもよい。そのようなDSPは、1つの集積回路で上述のコンピュータプログラム343を実行するCPU341によって行われる全ての処理を実現することができる。
図3Aに示すCPU341およびメモリ342に代えて、そのようなDSPを処理回路340として用いてもよい。
【0076】
次に、
図3Bを参照しながら、処理回路340によって実現される機能的な構成を説明する。
【0077】
図3Bは、表示端末300の機能的な構成を示すブロック図である。
図3Aと共通する構成要素には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
図3Bには、処理回路340によって実現される3つの機能ブロックが記載されている。具体的には、制御部346、表示画面生成部347、送信データ生成部348である。ソフトウェアを実行したCPU341は、ある時点では、例えば表示画面生成部347として機能し、異なる他の時点では、例えば送信データ生成部348として機能する、というように、3つの機能ブロックのいずれの機能も有する。なお、これらの3つの構成ブロックのうち、少なくとも1つが、DSPなどの専用の処理を行うハードウェアによって実現されてもよい。
【0078】
表示画面生成部347は、ディスプレイ320に表示させる画像を生成する。送信データ生成部348は、通信回路350を介してネットワークに送信するデータを生成する。制御部346は、表示端末300の各構成要素を制御することによって、ログ情報を提供する家電機器や提供先のサービス事業者の決定に必要な各種の処理を実行する。
【0079】
4.1.4.家電機器400およびホームゲートウェイ500の構成
次に、家電機器400およびゲートウェイ500の構成を説明する。
【0080】
図4は、家電機器400の構成を示すブロック図である。家電機器400は、処理回路410と、通信回路420とを備えている。
図4には示されていないが、処理回路410は、CPUと、プログラムを格納したメモリとの組み合わせによって実現され得る。あるいは、以下の動作を実現するように構成された専用のハードウェアによって実現されていてもよい。家電機器400は、図示される構成要素以外にも、その機器に要求される機能を実現するための構成要素も含み得る。
【0081】
通信回路420は、ネットワークを介して他の通信機器(例えばゲートウェイ500や、不図示のルータ、スイッチングハブなど)と通信を行う回路である。通信回路420は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信を行う。通信回路420は、処理回路410によって生成されたログ情報やID情報をゲートウェイ500に送信する。
【0082】
図4には、処理回路410によって実現される3つの機能ブロックが記載されている。具体的には、制御部411、機器ID保持部(メモリ)412、ログ情報生成部413である。制御部411は、家電機器400全体の動作を制御する。例えば、ログ情報の生成をログ情報生成部413に指示したり、ログ情報の送信を通信回路420に指示する。機器ID保持部412は、その家電機器を識別するID情報を保持する。ログ情報生成部410は、動作履歴に関する情報や、ユーザの属性、設置場所の情報といったログ情報を生成する。ログ情報には機器に応じて様々な種類があり得る。本実施形態では、ログ情報の種類は特定のものに限定されない。
【0083】
ログ情報生成部413によって生成されたログ情報の送信のタイミングは任意に定めてよい。例えば、制御部411は、ログ情報を、機器ID保持部412などのメモリにある程度蓄積してから送信してもよいし、家電機器400の状態が変化する度に逐一送信してもよい。
【0084】
図5は、ゲートウェイ500の構成を示すブロック図である。ゲートウェイ500は、処理回路510と、通信回路520とを備えている。
図5には示されていないが、処理回路510は、CPUと、プログラムを格納したメモリとの組み合わせによって実現され得る。あるいは、以下の動作を実現するように構成された専用のハードウェアによって実現されていてもよい。
【0085】
通信回路520は、ネットワークを介して他の通信機器(例えば家電機器400やサーバ装置200)と通信を行う回路である。通信回路520は、例えばイーサネット(登録商標)規格に準拠した通信を行う。通信回路520は、処理回路510から送られたログ情報やID情報をサーバ装置200に送信する。
【0086】
図5には、処理回路510によって実現される3つの機能ブロックが記載されている。具体的には、制御部511、ゲートウェイID保持部512、ログ情報保持部513である。制御部511は、ゲートウェイ500全体の動作を制御する。例えば、ログ情報の収集および送信のタイミングを決定し、通信回路520に送受信の指示を出す。ゲートウェイID保持部512は、そのゲートウェイを識別するゲートウェイIDを格納するメモリである。ゲートウェイIDによってその家庭または事業所が特定されるため、ゲートウェイIDはユーザを識別する情報とも言える。ゲートウェイID以外に個々のユーザを識別するID情報を管理してもよい。ログ情報保持部513は、家電機器400から送られてきたログ情報を蓄積するメモリである。家電機器400が複数存在する場合、各機器のログ情報を、まとめて蓄積する。蓄積されたログ情報は、例えばサーバ装置200からの要求に応じて、あるいは、予め設定された日時にネットワークを介してサーバ装置200に送信され得る。
【0087】
4.1.5.データ構成
続いて、本実施形態における各種のデータの構成例を説明する。
【0088】
図6は、家電機器400が生成するログ情報の例を示す図である。この例におけるログ情報は、機器IDと、家電種別情報と、家電履歴情報とを含む。機器IDは、家電機器400を一意に特定する情報であり、同一の家電種別であっても機器が異なれば異なる値が付与される。家電種別情報は、例えば、照明、テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫といった機器の種別を示す情報である。家電履歴情報は、その機器の動作履歴などのログ情報の内容を示す情報であり、その形式が、予め定められている。家電履歴情報は、例えば、ある動作が行われた日時と、その動作の内容とを示す情報であり得る。
図6に示す例では、日時の情報として、西暦、月、日、時、分、秒をそれぞれ示す複数の数値がコロン(:)で区切られた形式が採用されている。また、日時の情報に続いて、動作を示す情報(照明における「ON」操作ログ、テレビにおける「ドラマ」などのジャンルを示す情報やタイトルなどの番組の視聴に関する情報、エアコンにおける「ON」、「20℃」、「強」などの操作・設定ログ)が続いている。ログ情報の形式は、上記のものに限定されず、任意に定めてよい。このようなログ情報が、各家電機器からゲートウェイ500に送信される。なお、ゲートウェイ500を設けない場合、上記のようなログ情報が直接サーバ装置200に送信される。
【0089】
図7は、ゲートウェイ500におけるログ情報保持部513に格納されるデータ構成例を示す図である。図示されるように、ゲートウェイ500は、ゲートウェイIDごとに、機器ID、家電種別情報、および家電履歴情報を管理する。ゲートウェイ500は、このようなデータを、サーバ装置200に送信する。
【0090】
図8は、管理データベース700に格納された、ユーザの機器に関する情報を管理するテーブルを示している。このテーブルは、ユーザ(または設置場所)を識別するゲートウェイIDと、ログ情報を提供する家電機器の機器IDと、その家電種別とを表している。このテーブルは、例えばサーバ装置200がログ情報を収集する度に自動的に更新され得る。あるいは、手動で作成・更新できるようにしてもよい。
【0091】
図9は、管理データベース700に格納された、サービスプロバイダ(提供先企業)と、ログ情報を収集する対象の家電機器(家電種別)と、ログ情報の種別(提供ログ種別)と、利用目的の情報とを管理するテーブルを示している。このテーブルは、サーバ装置200によって作成される。
【0092】
図10は、管理データベース700に格納される管理情報のテーブル構成を示している。この例における管理情報は、ゲートウェイID、機器ID、ログ提供可否、ログ提供状況、提供先企業、家電種別、提供ログ種別、利用目的、提供終了日、提供開始日の情報を含む。サーバ装置200は、管理データベース700に格納された上記2つのテーブルを組み合わせることによってこのような管理情報を生成する。管理情報は、ユーザごとの家電機器と、当該家電機器に対応するサービスプロバイダと、ログ情報の種別とを組とし、組毎の提供可否が管理されるように構成されていれば、その形式はどのようなものでもよい。サーバ装置200は、このような管理情報に基づいて表示端末300に送信する表示画面データを生成する。
【0093】
4.2.動作
4.2.1.全体の動作の概要
続いて、本実施における情報管理システムの動作を説明する。
【0094】
図11は、本システムの全体の動作の概要を示すシーケンス図である。ここでは、ログ情報の収集および提供の動作の後、ログ情報の提供可否の選択が行われた場合を想定している。
【0095】
まず、ステップS100において、家電機器400は、ゲートウェイ500にログ情報を送信する。ログ情報は、例えば複数の家電機器400から複数回に亘ってゲートウェイ500に送信され得る。続くステップS110において、ゲートウェイ500は、収集したログ情報をまとめてサーバ装置200に送信する。この送信は、例えば1日に1回であったり、1週間に1回といった所定の頻度で行われ得る。あるいは、サーバ装置200からのログ情報の要求が行われた時点で行われてもよい。また、操作ログに応じて、瞬時にサービスを提供するために、ログの発生時点で都度送信が行われてもよい。次のステップS120において、サーバ装置200は、収集したログ情報をサービスプロバイダ600に提供する。
図11では、1つのサービスプロバイダ600のみを例示しているが、ログ情報の提供を受けるサービスプロバイダが複数存在する場合、それらのサービスプロバイダに必要なログ情報を送信する。この際、サーバ装置200は、どのログ情報をどのサービスプロバイダに送信するかを、
図10に示す管理情報に基づいて決定する。ステップS100〜S120の動作は、定期的に行われてもよいし、不定期に行われてもよい。
【0096】
図11に示す例では、その後、ステップS200において、ログ情報の提供可否の設定変更の動作が行われる。ステップS200では、表示端末300およびサーバ装置200が、ログ情報の提供可否の設定を変更するために必要な動作を行う。具体的には、ユーザによる表示端末300を用いたアクセスに応じて、サーバ装置200は、設定変更のための表示画面データを表示端末300に送信する。その表示画面データに基づいて表示される画面により、ユーザは、家電機器、サービスプロバイダ、およびログ情報の種別によって定まる組の単位で、ログ情報の提供可否の選択を行う。サーバ装置200は、組単位の提供可否の選択内容を示す情報を表示端末300から受けると、設定変更処理を行い、表示画面データを再生成して表示端末300に送信する。
【0097】
ログ情報の提供可否の設定の変更が完了すると、サーバ装置200は、ログ情報をサービスプロバイダ600に送信する際、ステップS300において、ログ情報の提供が許可されているか否かを組毎に判定する。許可された組については、サービスプロバイダ600にログ情報を提供し、許可されていない組については、サービスプロバイダ600にログ情報の提供を行わない。
【0098】
以下、
図11のステップS200における動作の詳細を説明する。
【0099】
図12は、ステップS200におけるログ情報の提供可否設定を変更する動作の詳細を示すシーケンス図である。まず、表示端末300は、ユーザの操作により、サーバ装置200にアクセスする(ステップS201)。ここで、「アクセス」とは、サーバ装置200に表示画面データを要求することを意味する。サーバ装置200にアクセスすることを、「情報管理システムにアクセスする」と呼ぶこともある。サーバ装置200へのアクセスは、例えば、サーバ装置200が提供する専用のWebページにユーザがログインすることによって行われ得る。サーバ装置200は、表示端末300からの要求を受けると、管理情報に基づいて表示画面データを生成する(ステップS202)。なお、サーバ装置200は、表示画面データをステップS201よりも前に予め生成していてもよい。サーバ装置200は、当該表示画面データを表示端末300に送信する(ステップS203)。表示端末300は、当該表示画面データに基づく表示画面をディスプレイに表示させる。
【0100】
図13は、ここで表示される表示画面の例を示す図である。この表示画面は、サービスプロバイダ(提供先企業)、家電機器(家電種別)、およびログ情報の種別(提供ログ種別)によって構成される組毎の提供状況を示す情報を含んでいる。提供状況には、例えば、提供中、効力発生待ち、提供停止中といった区分の情報や、新規提供開始日、提供終了日、提供再開日といった日付情報を含む。この表示画面は、さらに、組毎にログ情報の提供の可否をユーザが選択可能な欄(「提供拒否」欄および「提供再開」欄)を含む。これらの欄は、チェックボックスの形式で表示されており、ログ情報を提供中の組については「提供拒否」を選択でき、提供停止中の組については「提供再開」を選択できるように構成されている。なお、「提供拒否」または「提供再開」のいずれかの選択が行われたものの、まだその効力が発生していない組については、「効力発生待ち」というステータスになり、「提供拒否」および「提供再開」のいずれも選択可能な状態になっている。
【0101】
表示画面の構成は
図13に示すものとは異なっていてもよい。例えば、
図13に示されている情報の一部のみが表示されるようにしてもよい。また、一部の項目について、ユーザの選択によって表示/非表示を切り替えられるようにしてもよい。表示画面は、一の家電機器、当該家電機器に対応する一のサービスプロバイダ、および当該家電機器から出力されるログ情報の一の種別を組として構成し、組単位でログ情報の提供の可否を選択可能な欄を含むものである限り、その構成は任意に設計してよい。
【0102】
このような表示画面により、ユーザは、ログ情報の提供可否の設定を変更することができる。設定の変更は、「提供拒否」または「提供再開」の欄のチェックボックスにチェックを入れ、更新ボタン130を押下することによって実現する。この動作により、表示端末300は、ログ情報提供の可否の設定が組毎に変更されたことを示す情報をサーバ装置200に送信する(ステップS205)。
【0103】
当該情報を受けると、サーバ装置200は、設定が変更された組毎に、拒否または許可のいずれの選択が行われたかを判定する(ステップS206)。拒否の選択が行われた組については、サービスプロバイダへのログ情報の提供を停止する処理を行う(ステップS207)。具体的には、
図10に示す管理情報を更新し、設定の変更をサービスプロバイダに通知する。その後、サーバ装置200は、当該組について、ログ情報を提供しないことを示す表示画面データを再生成する(ステップS208)。
【0104】
一方、ステップS206において、許可の選択が行われた組については、サービスプロバイダへのログ情報の提供を開始する処理を行う(ステップS209)。具体的には、
図10に示す管理情報を更新し、設定の変更をサービスプロバイダに通知する。その後、サーバ装置200は、該当する組について、ログ情報を提供することを示す表示画面データを再生成する(ステップS210)。
【0105】
次に、サーバ装置200は、再生成した表示画面データを表示端末300に送信(再提供)する(ステップS211)。これにより、表示端末300は、当該表示画面データに基づく表示画面をディスプレイに表示させる。ここで表示される画面は、例えば、提供可否の選択が行われた組について、区分が「効力発生待ち」に変更され、「提供終了日」または「提供再開日」の欄に日付が追加されたものである。
【0106】
4.2.2.提供を拒否する場合の動作の例
次に、ログ情報の提供可否を変更する動作のうち、特に提供可否を「可」から「否」に変更する場合の動作の例を説明する。
【0107】
図14は、ログ情報の提供を拒否する選択が行われたとき、ログ情報が提供されているか否かを判定し、判定結果によって異なる表示形式の表示データを生成する動作の例を示すシーケンス図である。ステップS201からS203までの動作は
図12における対応する動作と同一である。この例では、表示端末300は、ユーザの操作に応答して、特定の組についてのログ情報の提供を拒否する選択を行う(ステップS220)。そして、当該組について、ログ情報の提供を拒否する旨を示す情報を送信する(ステップS221)。
【0108】
サーバ装置200は、その情報を受けると、当該組について、現時点でログ情報が提供される状態になっているか否かを判定する(ステップS222)。ログ情報が提供される状態になっていない場合、引き続き提供しないことを示す表示画面データを再生成する(ステップS223)。この表示画面データに基づく当該組についての表示形式を、「第1表示形式」と呼ぶ。一方、当該組について、ログ情報が提供される状態になっていることを判定した場合、サーバ装置200は、提供期間の末日を示す表示画面データを再生成する(ステップS224)。この表示画面データに基づく当該組についての表示形式を、「第2表示形式」と呼ぶ。その後、サーバ装置200は、表示端末300に表示画面データを送信(再提供)する(ステップS225)。
【0109】
図15は、
図14においてステップS224の処理が行われた後、表示端末300が再度サーバ装置200にアクセスした場合の動作例を示すシーケンス図である。まず、表示端末300は、サーバ装置200にアクセスし、表示画面データを要求する(ステップS241)。サーバ装置は、現在の日が当該組に設定されたログ情報の提供期間の末日を経過しているか否かを判定する(ステップS242)。ログ情報の提供期間の末日を経過していると判定した場合、サーバ装置200は、提供期間の末日を経過していることを示す表示画面データを生成する(ステップS243)。この表示画面データに基づく当該組についての表示形式を、「第3表示形式」と呼ぶ。一方、ログ情報の提供期間の末日を経過していないと判定した場合、サーバ装置200は、提供期間の末日を示す表示画面データを再生成する(ステップS244)。この表示画面データに基づく当該組についての表示形式は、上述の第2表示形式である。言い換えれば、このとき、当該組についての表示形式は変化しない。サーバ装置200は、その後、表示画面データを表示端末300に送信(再提供)する(ステップS245)。
【0110】
図16は、
図14におけるステップS222の処理の詳細を示すフローチャートである。
図16に示す例では、サーバ装置200はまず、拒否の選択がなされた組ごとに提供開始日の情報を取得する(ステップS401)。提供開始日の情報は、その組についてのログ情報の提供を許可された時(例えばサービス申込時や再開設定時)に設定された、ログ情報提供の始期を定める日付情報である。ログ情報の提供の開始日は、申込時や再開設定時よりも後の日に設定されることが一般的であるため、ログ情報の提供を許可したものの、提供開始日前にやはり拒否したいと考えるユーザも想定される。このため、サーバ装置200は、拒否の設定がなされた時点でログ情報の提供が開始しているか否かを判定するため、組毎に提供開始日情報を取得する。サーバ装置200は、現在の日付が提供開始日よりも前であるか否かを判定する(ステップS402)。ここでYesと判定した場合、サーバ装置200は、ログ情報の提供がまだ開始されていないと判断する(ステップS403)。一方、ステップS402においてNoと判定した場合、ログ情報の提供が既に開始されていると判断する(ステップS404)。
【0111】
図17は、
図14におけるステップS222の処理の他の例を示すフローチャートである。
図17に示す例では、サーバ装置200は、拒否の選択がなされた組ごとに提供終了日の情報を取得する(ステップS501)。次に、現在の日付が提供終了日よりも後であるか否かを判定する(ステップS502)。ここでYesと判定した場合、サーバ装置200は、ログ情報の提供が終了していると判断する(ステップS503)。一方、ステップS502においてNoと判定した場合、ログ情報の提供がまだ終了していないと判断する(ステップS504)。
【0112】
サーバ装置200は、
図16に示す処理および
図17に示す処理の少なくとも一方を行うことにより、ログ情報の提供状態を判断することができる。なお、本実施形態ではサーバ装置200自身が日付の比較によってログ情報の提供状態を判断しているが、このような例に限定されない。例えば、他の装置に同様の判断および管理情報の更新をさせ、サーバ装置200は、更新された管理情報のログ提供状況の情報に基づいて提供状態を判断してもよい。
【0113】
4.2.3.管理情報の変化
次に、以上の動作によって管理情報の内容が具体的にどのように変化するかを説明する。
【0114】
図18は、管理情報に含まれる1組の情報の変化の様子を示している。ここでは、「提供先企業:L社、家電種別:照明、提供ログ種別:点灯時間」の組のみを例示し、他の組については省略されている。この組について、ログ情報の提供可否の設定が更新される前(
図18(1))は、ログ提供可否が「可」に、ログ提供状況が「提供中」に設定されている。ここで、ユーザの操作によって当該組のログ情報の提供可否が「否」に変更されると、サーバ装置200は、管理情報のログ提供可否を、「否」に変更し、提供終了日の欄にログ情報の提供を終了する日付の情報を追加する(
図18(2))。ここで提供終了日は、例えば1週間後の日付であったり、月末の日付であったり、今後1週間のうち、サービスプロバイダが定めた曜日の日付であり得る。提供終了日が経過するまでは、ログ提供状況は、「提供中」のままである。提供終了日が経過すると、サーバ装置200は、ログ提供状況を「提供停止」に変更し、提供終了日の情報を削除する。
【0115】
このように、ユーザによる設定の変更の操作に応じて管理情報は更新される。これにより、管理情報を参照して生成される表示画面データも変更される。ユーザは、表示画面を参照することによって現在の組毎のステータスを確認することができる。
【0116】
上記の例では、ログ提供可否を「可」から「否」に変更する場合を想定したが、逆に、「否」から「可」に変更する場合も、同様の考え方で管理情報の内容が更新される。この場合、提供終了日の代わりに提供再開日の欄が利用される。
【0117】
なお、提供終了日および提供再開日という概念を設けず、直ちに提供を終了または再開するようにシステムが設計されていてもよい。その場合、サーバ装置200は、管理情報を、例えば
図18(1)の状態から直ちに
図18(3)の状態に変化させる。
【0118】
4.2.4.表示画面の変化
続いて、
図19から
図21を参照しながら、上記動作に伴う表示画面の変化について、さらに詳細に説明する。なお、これらの図中において、1つの組を囲む太い枠線は、わかり易さのために付されており、実際の画面では必ずしも表示されない。また、説明が複雑になるのを避けるため、着目する組以外のステータスに変化はないものとする。
【0119】
図19は、
図13に示す例において、最上段の組(提供先企業:L、家電種別:照明、提供ログ種別:点灯時間)の「提供拒否」にチェックを入れ、更新ボタン130を押下した直後の表示画面を示している。このとき、表示端末300は、サーバ装置200に設定変更に関する情報を送信した後、サーバ装置200からの応答を待っている状態である。この状態では、当該組について、区分が「申告中」に変化し、通信中であることをユーザが確認できるようになっている。
【0120】
図20は、サーバ装置200における管理情報の更新処理が完了し、サーバ装置200からの応答が返ってきた後の表示画面を示している。この状態では、設定が変更された組は、「効力発生待ち」の区分の行に移動するとともに、提供終了日の欄に日付が追加されている。さらに、提供再開のためのチェックボックスが追加されている。ユーザがこのチェックボックスにチェックを入れることにより、ログ情報の提供を再開することができる。以後、提供終了日まで、当該組についてはこの状態が維持される。この表示形式は、上記の「第2表示形式」に相当する。
【0121】
図21は、上記の例において、提供終了日経過後の状態を示している。この状態では、当該組は、「提供停止中」の区分の行に移動しており、提供終了日の欄が「済み(終了日2013.3.15)」に変化している。以後、当該組については、ユーザがログ情報の提供を再開する操作をするまでは、この状態が維持される。この表示形式は、上記の「第3表示形式」に相当する。
【0122】
4.3.効果等
以上のように、本実施形態の情報管理方法によれば、ログ情報の提供可否を組毎に管理できる。サーバ装置200は、一のサービスプロバイダ600に対応する一の家電機器400の一の種別のログ情報の提供を拒否する選択が組単位で行われたと判断した場合には、拒否する選択が行われた組についてログ情報の提供を停止する。
【0123】
これにより、ユーザがログ情報の提供拒否を選択する際に、サービスプロバイダ600、家電機器400、ログ情報の種別について、それぞれ個別に指定する必要がなく、組単位で一括して選択できる。これにより、サーバ装置200および表示端末300における処理頻度が軽減されるとともに、ネットワークおよびサーバ装置200の処理負荷を低減できる。また、ユーザが、サービスプロバイダ600、家電機器400、ログ情報の種別の各々について、個別に提供拒否の選択を行う際の煩わしさを回避することができる。
【0124】
また、サーバ装置200は、ログ情報の提供を拒否する選択が組単位で行われたと判断した場合において、拒否の選択が行われた組についてログ情報の提供が開始されていないと判断した場合には、当該組についてはログ情報の提供を行わないことを示す第1表示形式で表示されるように、表示画面データを再生成して表示端末300に提供する。一方、拒否する選択が行われた組について、ログ情報の提供が既に行われていると判断した場合には、当該組について設定されたログ情報の提供期間の末日まではログ情報を提供することを示す第2表示形式で表示されるように、表示画面データを再生成して表示端末300に提供する。
【0125】
これにより、ログ情報の提供が既に開始されている場合に、拒否の選択がされた時点でログ情報の停止が完了したと誤認することによる誤操作を防止できる。例えば、組単位で提供の拒否が選択された一のサービスプロバイダ600、一の家電機器400、および一の種別のログ情報が表示画面上では提供拒否状態として表示されているが、実際には提供期間の末日まではログ情報の提供が継続していることをユーザに認識させることができる。
【0126】
5.実施形態2
次に、
図22から
図26を参照しながら、本開示の実施形態2を説明する。本実施形態では、実施形態1における動作に加えて、ログ情報の提供を一旦拒否した後、再開することができる。本実施形態におけるシステムの構成については、実施形態1と同一である。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明し、共通する事項についての説明は省略する。
【0127】
図22は、本実施形態における動作を示すシーケンス図である。本実施形態では、サーバ装置200は、ログ情報の提供を拒否する選択が完了した後、ログ情報が提供されているか否かを判定し、判定結果によって異なる表示形式の表示データを生成する。ステップS201からS203までの動作は
図12および
図14における対応する動作と同一であるため、説明を省略する。
【0128】
本実施形態では、表示端末300は、ユーザの操作に応答して、特定の組についてのログ情報の提供を許可する選択を行う(ステップS620)。そして、当該組について、ログ情報の提供を許可する旨を示す情報を送信する(ステップS621)。
【0129】
サーバ装置200は、その情報を受けると、当該組について、現時点でログ情報が提供される状態になっているか否かを判定する(ステップS622)。ログ情報が提供される状態になっていない場合、提供期間の開始日(再開日)を示す表示画面データを再生成する(ステップS623)。一方、当該組について、ログ情報が提供される状態になっていることを判定した場合、サーバ装置200は、ログ情報の提供の継続を示す表示画面データを再生成する(ステップS624)。その後、サーバ装置200は、表示端末300に表示画面データを送信(再提供)する(ステップS625)。
【0130】
図23は、
図22においてステップS623の処理が行われた後、表示端末300が再度サーバ装置200にアクセスした場合の動作例を示すシーケンス図である。まず、表示端末300は、サーバ装置200にアクセスし、表示画面データを要求する(ステップS741)。サーバ装置200は、現在の日が当該組に設定されたログ情報の提供期間の開始日を経過しているか否かを判定する(ステップS742)。ログ情報の提供期間の開始日を経過していると判定した場合、サーバ装置200は、提供期間の開始日を経過していることを示す表示画面データを生成する(ステップS743)。一方、ログ情報の提供期間の開始日を経過していないと判定した場合、サーバ装置200は、提供期間の開始日を示す表示画面データを再生成する(ステップS744)。サーバ装置200は、その後、表示画面データを表示端末300に送信(再提供)する(ステップS745)。
【0131】
なお、
図22のステップS622におけるログ情報が提供されているか否かの判定処理の方法は、
図16および
図17を参照しながら説明した方法と同じであるため、説明を省略する。
【0132】
次に、以上の動作によって管理情報の内容が具体的にどのように変化するかを説明する。
【0133】
図24は、管理情報に含まれる1組の情報の変化の様子を示している。ここでも、「提供先企業:L社、家電種別:照明、提供ログ種別:点灯時間」の組のみを例示し、他の組については記載を省略する。この組について、ログ情報の提供可否の設定が更新される前(
図24(1))は、ログ提供可否が「否」に、ログ提供状況が「提供停止中」に設定されている。ここで、ユーザの操作によって当該組のログ情報の提供可否が「可」に変更されると、サーバ装置200は、管理情報のログ提供可否を、「可」に変更し、提供再開日の欄にログ情報の提供を開始する日付の情報を追加する(
図24(2))。ここで提供再開日は、例えば1週間後の日付であったり、月始の日付であったり、今後1週間のうち、サービスプロバイダが定めた曜日の日付であり得る。提供再開日が経過するまでは、ログ提供状況は、「提供停止中」のままである。提供再開日が経過すると、サーバ装置200は、ログ提供状況を「提供中」に変更し、提供再開日の情報を削除する。
【0134】
続いて、
図25から
図27を参照しながら、上記動作に伴う表示画面の変化について説明する。
【0135】
図25は、
図21に示す例において、ログ情報の提供の拒否の処理が完了した組(提供先企業:L、家電種別:照明、提供ログ種別:点灯時間)の「提供再開」の欄にチェックを入れ、更新ボタン130を押下した直後の表示画面を示している。このとき、表示端末300は、サーバ装置200に設定変更に関する情報を送信した後、サーバ装置200からの応答を待っている状態である。この状態では、当該組について、区分が「申告中」に変化する。
【0136】
図26は、サーバ装置200における管理情報の更新処理が完了し、サーバ装置200からの応答が返ってきた後の表示画面を示している。この状態では、設定が変更された当該組は、「効力発生待ち」の区分に変化するとともに、提供再開日の欄に日付が追加されている。さらに、提供拒否のためのチェックボックスが追加されている。ユーザがこのチェックボックスにチェックを入れることにより、ログ情報の提供を再度拒否することができる。以後、提供再開日まで、当該組についてはこの状態が維持される。
【0137】
なお、この状態で再度ユーザが提供拒否を選択し、更新ボタンを押下すると、当該組については、ログ情報の提供を行わないことを示す「第1表示形式」で表示されることになる。第1表示形式は、
図21における当該組に適用されている第3表示形式と同一の表示形式であり得るが、異なっていてもよい。
【0138】
図27は、上記の例において、提供再開日経過後の状態を示している。この状態では、当該組は、「提供中」の区分の行に移動しており、提供再開日の欄が「済み(再開日2013.6.15)」に変化している。以後、当該組については、ユーザがログ情報の提供を拒否する操作をするまでは、この状態が維持される。
【0139】
以上のように、本実施形態によれば、ログ情報の提供を拒否した組について、提供を再開させることができる。また、提供の再開の操作を行った後、提供再開日までは拒否に戻すこともできる。組毎の提供状態および提供再開日などの情報を一見して把握できるため、例えばログ情報の提供がまだ再開していないにも関わらず再開が開始済みであると誤認することによる誤操作を回避できる。
【0140】
6.サービス提供システムの他の例
以下、本開示の技術を適用できるサービス提供システムの他の例を説明する。
【0141】
図28Aは、サービス提供システムの全体像を示す図である。このサービス提供システムは、ユーザグループ100、データセンタ運営会社110、およびサービスプロバイダ120のそれぞれに設けられた複数の情報機器を備える。
【0142】
ユーザグループ100は、例えば企業、団体、家庭等であり、その規模を問わない。ユーザグループ100は、機器Aおよび機器Bを含む複数の家電機器101と、ホームゲートウェイ102とを備える。複数の家電機器101は、いずれも通信機能を有しており、他の機器との間でデータの送受信が可能である。複数の家電機器101は、インターネットに直接接続するための構成および機能を有する機器、およびそのような構成および機能を有しない機器を含み得る。前者に該当する機器は、例えばスマートフォン、タブレット端末、専用表示端末、パーソナルコンピュータ(PC)またはテレビであり得る。後者に該当する機器は、例えば照明、洗濯機、または冷蔵庫であり得る。このように、ホームゲートウェイ102を介することによってインターネットに接続可能になる機器が存在していてもよい。ユーザグループ100内の複数の家電機器101は、1以上のユーザ10によって使用される。なお、ユーザ10は説明の便宜のために記載されており、サービス提供システムに含まれない。
【0143】
ホームゲートウェイ102は、複数の家電機器101の各々から、機器の動作に関するログ情報を受信し、そのログ情報をクラウドサーバ111に送信する。ホームゲートウェイ102は、ログ情報を蓄積し、蓄積したログ情報を、例えば1日に1回、クラウドサーバ111に提供する。
【0144】
なお、
図28Aでは、1つのホームゲートウェイ102が記載されているが、これは一例である。ホームゲートウェイは複数存在してもよい。複数のホームゲートウェイが存在する場合には、例えば外部のネットワークと接続されるホームゲートウェイ(親ホームゲートウェイ)に、他のホームゲートウェイ(子ホームゲートウェイ)が接続されていればよい。子ホームゲートウェイは、例えば複数の機器101のうちの一つまたは複数からログ情報を受信して蓄積し、親ホームゲートウェイを通してサーバにログ情報をアップロードする。または子ホームゲートウェイは、親ホームゲートウェイを介して複数の機器101のうちの一つまたは複数を操作する信号を出力してもよい。
【0145】
データセンタ運営会社110は、クラウドサーバ111を備える。クラウドサーバ111は、例えばインターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。クラウドサーバ111は、主に通常のデータベース管理ツール等の、既存の一般的な技術で取り扱うことが困難な大量のデータ群(いわゆる「ビッグデータ」)等を管理する。データセンタ運営会社110は、データ管理、クラウドサーバ111の管理、およびそれらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社110が行っている役務の詳細は後述する。
【0146】
データセンタ運営会社110は、データ管理やクラウドサーバ111の運営のみを行っている会社に限らない。
図28Bおよび
図28Cは、データセンタ運営会社110の変形例を示す。
図28Bは、データセンタ運営会社110として機能する機器メーカを示す。複数の機器110に含まれる機器を開発・製造している機器メーカが、併せてデータ管理やクラウドサーバ111の管理等を行っている場合は、その機器メーカがデータセンタ運営会社110に該当する。また、
図28Cは、共同で1つのクラウドサーバ111を管理する複数の会社を示す。このように、データセンタ運営会社110は一つの会社に限られない。機器メーカおよび他の管理会社が共同もしくは分担してデータ管理やクラウドサーバ111の運営を行っている場合は、両者がデータセンタ運営会社110に該当する。なお、共同または分担してデータの管理またはクラウドサーバ111の管理を行っているとしても、機器メーカおよび管理会社の一方のみがデータセンタ運営会社110として機能していてもよい。また、データセンタ運営会社110がサービスプロバイダの機能を有していてもよい。
【0147】
上述したクラウドサーバ111は、ハードウェアのコンピュータのみならず、クラウドサーバ111に必要とされる機能がプログラムされたソフトウェアとしても実現され得る。
【0148】
サービスプロバイダ120は、サーバ121を保有している。ここで言うサーバ121とは、データまたはそのデータに基づくサービスを提供する機能を有するコンピュータや記録媒体を意味する限り、その規模は問わない。例えば、個人用PCを用いてデータの提供が行われ得るという点からすると、個人用PCそれ自体、または個人用PC内のメモリ等もまた「サーバ」に含まれ得る。また、サービスプロバイダ120がサーバ121を保有していない場合もある。
【0149】
なお、上記のサービス提供システムにおいてホームゲートウェイ102は必須ではない。例えば、クラウドサーバ111が全てのデータ管理を行っている場合は、ホームゲートウェイ102は不要である。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続するための構成および機能を有しており、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器が存在しない場合にも、ホームゲートウェイ102は省略されてもよい。ログ情報は、インターネットを介して複数の家電機器101から直接クラウドサーバ111に提供されてもよい。
【0150】
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。
【0151】
まず、ユーザグループ100の機器Aまたは機器Bは、各々のログ情報をデータセンタ運営会社110のクラウドサーバ111に送信する。クラウドサーバ111は、機器Aまたは機器Bから送られてきたログ情報を受信して蓄積する(
図28Aの矢印(a))。
【0152】
次に、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111は、集積したログ情報を一定の単位でサービスプロバイダ120に提供する。ここで、「一定の単位」とは、データセンタ運営会社が蓄積した情報を整理してサービスプロバイダ120に提供することが出来る単位でもよいし、サービスプロバイダ120が要求する単位でもよい。なお、一定の単位と記載したが、ログ情報の提供は一定の単位で行われなくてもよい。状況に応じて提供するログ情報の量が変化する場合もあり得る。ログ情報は、必要に応じてサービスプロバイダ120が保有するサーバ121に保存される(
図28Aの矢印(b))。
【0153】
サービスプロバイダ120は、ログ情報を、ユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。情報が提供されるユーザは、複数の家電機器101を使用または所有するユーザ10でもよいし、外部のユーザ20でもよい。ユーザへのサービスの提供方法については、例えば、サービスプロバイダ120から直接ユーザ10、20へ提供されてもよい(
図28Aの矢印(e)、(f))。また、例えば、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111を再度経由して、ユーザ10に提供されてもよい(
図28Aの矢印(c)、(d))。また、データセンタ運営会社110のクラウドサーバ111がログ情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ120のコンピュータに提供してもよい。
【0154】
なお、ユーザ10とユーザ20とは、別でも同一でもよい。また、複数の家電機器101、クラウドサーバ110、およびサーバ121の全てが同一の国に設置されている必要はない。例えば、複数の家電機器101の各々が日本に設置され、クラウドサーバ111およびサーバ121が米国に設置されていてもよい。あるいは、その逆であってもよい。ユーザ10の操作(制御)によってクラウドサーバ111およびサーバ121の少なくとも一方が分析結果等を提供し、ユーザがPC等の表示端末を利用してその分析結果を確認できる場合には、ユーザはその国においてそのシステムの恩恵を受けていると言える。そのシステムは実質的には1つの国に設置されていることと何ら変わりはない。
【0155】
なお、ログ情報の収集(
図28Aの矢印(a)、(b))、および情報の提供(
図28Aの矢印(c)、(d)、(e)、(f))において、個々のユ―ザ10を特定する情報が含まれていると、情報が悪用される可能性がある。そのため、ログ情報には氏名などの個々のユ―ザ10を特定する情報を含めないという運用も考えられる。個々のユーザ10を特定する情報を含める場合には、個人情報の漏洩を防ぐため、送信元の機器は、その情報を暗号化して送信してもよい。
【0156】
7.サービス提供システムを実現するためのクラウドサービスの類型
上述の実施の形態において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現され得る。なお、クラウドサービスの類型はこれらに限られるものでない。
【0157】
7.1.サービスの類型1:自社データセンタ型クラウドサービス
図29は、サービスの類型1(自社データセンタ型クラウドサービス)を利用したシステムが提供するサービスの全体像を示す。本類型では、サービスプロバイダ120がユーザグループ100から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する。本類型では、サービスプロバイダ120が、データセンタ運営会社の機能を有している。すなわち、サービスプロバイダ120が、ビッグデータを管理するクラウドサーバ203を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
【0158】
本類型では、サービスプロバイダ120は、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営および管理している。また、サービスプロバイダ120は、オペレーティングシステム(OS)202およびアプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS202およびアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
【0159】
7.2.サービスの類型2:IaaS利用型クラウドサービス
図30は、サービスの類型2(IaaS利用型クラウドサービス)におけるシステムが提供するサービスの全体像を示す。ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(Infrastructure as a Service)の略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0160】
本類型では、データセンタ運営会社110が、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営および管理している。また、サービスプロバイダ120は、OS202およびアプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、サービスプロバイダ120が管理するOS202およびアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
【0161】
7.3.サービスの類型3:PaaS利用型クラウドサービス
図31は、サービスの類型3(PaaS利用型クラウドサービス)を利用したシステムが提供するサービスの全体像を示す。ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(Platform as a Service)の略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0162】
本類型では、データセンタ運営会社110は、OS202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営および管理している。また、サービスプロバイダ120は、アプリケーション201を管理する。サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS202およびサービスプロバイダ120が管理するアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
【0163】
7.4.サービスの類型4:SaaS利用型クラウドサービス
図32は、サービスの類型4(SaaS利用型クラウドサービス)を利用したシステムが提供するサービスの全体像を示す。ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(Software as a Service)の略である。SaaS利用型クラウドサービスは、例えば、データセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社または個人などの利用者がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
【0164】
本類型では、データセンタ運営会社110は、アプリケーション201を管理し、OS202を管理し、データセンタ(クラウドサーバ)203を運営および管理している。また、サービスプロバイダ120は、データセンタ運営会社110が管理するOS202およびアプリケーション201を用いてサービスを提供する(矢印204)。
【0165】
以上、いずれのクラウドサービスの類型においても、サービスプロバイダ120がサービスを提供する。また、例えば、サービスプロバイダまたはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーションまたはビックデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、第三者に外注させてもよい。