【解決手段】1又は2以上のソケット側コンタクトを囲って、収容凹部の内面に固定され、収容凹部に収容されるプラグ接続部のプラグ側コンタクトが露出する露出面に弾性接触する弾性シール部材を備え、収容凹部内で接続位置までスライドさせたプラグ接続部のプラグ側コンタクトと対応するソケット側コンタクトの接触部とが弾性接触する接触空間を、収容凹部の内面と弾性シール部材とプラグ接続部の露出面とで囲い、密閉する
一面に1又は2以上のプラグ側コンタクトが露出する相手側のプラグ接続部を、前記プラグ側コンタクトの露出面に沿ってスライド自在に収容する収容凹部が凹設されたハウジングと、
前記収容凹部内でプラグ接続部の前記露出面に対向する前記収容凹部の内面の接続領域を挿通して前記ハウジングに固定される1又は2以上のソケット側コンタクトとを備え、
前記収容凹部内で接続位置までスライドさせたプラグ接続部の露出面に露出する前記プラグ側コンタクトに、前記接続領域から前記収容凹部内に突出する対応する前記ソケット側コンタクトの接触部を接触させるソケットであって、
前記接続領域に固定された1又は2以上の前記ソケット側コンタクトを囲って、前記収容凹部の前記内面に固定され、前記収容凹部に収容されるプラグ接続部の前記露出面に弾性接触する弾性シール部材を備え、
前記収容凹部内で前記接続位置までスライドさせたプラグ接続部の前記プラグ側コンタクトと対応する前記ソケット側コンタクトの接触部とが弾性接触する接触空間を、前記収容凹部の前記内面と前記弾性シール部材とプラグ接続部の前記露出面とで囲い、密閉することを特徴とするソケット。
前記収容凹部の内面の前記接続領域からハウジングの外面に貫通してハウジングに固定されるソケット側コンタクトの脚部と、ハウジングとの隙間が封止材により封止されることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のソケット。
前記収容凹部に挿入されるプラグ接続部に臨む弾性シール部材の前面に、プラグ接続部の挿入方向に沿ってプラグ接続部の前記露出面側に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のソケット。
前記収容凹部内で前記内面に対向する対向面は、導電性の金属板を折り曲げてなる金属カバーであることを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれか1項に記載のソケット。
【背景技術】
【0002】
従来、収容凹部内に収容した相手側のプラグ接続部の一面に露出するプラグ側コンタクトへ、収容凹部内に露出させたソケット側コンタクトの接触部を接触させてプラグ接続部と電気接続するソケットは、塵埃や風雨に晒される屋外や水滴が付着する風呂、台所などの劣悪な環境で使用されることが想定される場合に、プラグ側コンタクトとソケット側コンタクトとが接触する接触空間に外部から水滴や塵埃等が侵入して接触不良などが生じないように、外部から接触空間を密閉したソケットが知られている(特許文献1)。
【0003】
以下、この外部から接触空間を密閉する特許文献1に記載のソケット100を
図24、
図25を用いて説明する。ソケット100は、角筒状のハウジング本体101aと、角筒状のハウジング本体101aの角筒孔を仕切る仕切板101cと、仕切板101cから挿入する相手側のプラグ接続部に向かう前方に水平方向に突設された舌片部101bとからなる絶縁ハウジング101と、絶縁ハウジング101に互いに絶縁して固定される複数のソケット側コンタクト102、102・・とから構成されている。
【0004】
各ソケット側コンタクト102は、舌片部101bと仕切板101cとを絶縁合成樹脂で一体成形する際にインサート成形して仕切板101cを貫通する状態で一体成形され、一端側の接触部102aが舌片部101bの平面側に露出し、プリント配線基板のパターンに半田付けされる脚部102cが仕切板101cの底面側にクランク状に突出してハウジング101に固定されている。
【0005】
長方形状の仕切板101cは、ハウジング本体101aの角筒孔に嵌合する輪郭の形状となっていて、仕切板101cの平面に突設された係止突起103をハウジング本体101aの平面の後方に穿設された係止孔104へ係止させることにより、仕切板101cがハウジング本体101aの後方の開口を覆ってハウジング本体101aに固定される。また、
図24に示すように、長方形状の仕切板101の外周面の全周にOリング105が設けられ、ハウジング本体101aの角筒孔の内壁面とその内側に固定される仕切板101cとの間にOリング105が密着して介在し、ハウジング本体101aと仕切板101cの外周面とが隙間なく密閉される。
【0006】
仕切板101cでハウジング本体101aの角筒孔の後方の開口を覆うことにより、
図25に示すように、絶縁ハウジング101に相手側のプラグ接続部を前方から挿入して収容する収容凹部106が形成され、収容凹部106内に各ソケット側コンタクト102の接触部102aを平面に臨ませた舌片部101bが水平面に沿って突出する。
【0007】
各ソケット側コンタクト102の接触部102aが臨む収容凹部106は、前方の開口106aを除いて外部と隙間なく密閉されるので、開口106aから相手側のプラグ接続部を挿入して収容凹部106内に収容した状態では、プラグ接続部のプラグ側コンタクト(図示せず)とソケット側コンタクト102の接触部102aが接触する接触空間は外部から密閉され、接触空間に水滴や塵埃が入り込まない。
【0008】
しかしながら完全に密閉された収容凹部106へ周囲に隙間のないプラグ接続部を挿入しようとすると、収容凹部106内の空気が外部へ逃げず、高い内圧となってプラグ接続部の挿入を妨げる。そこで、プラグ接続部を挿入する際に、収容凹部106の空気を外部へ逃がす隙間を設ける必要があり、特許文献2に記載のソケットでは、プラグ接続部を収容凹部の最奥まで挿入させた状態で、プラグ接続部の外周面若しくは収容凹部の内壁面の相互の隙間を覆うシール部材を介在させて、接触空間を密閉している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献1、2に記載の従来のソケットは、開口を残した収容凹部の全体を密閉構造とし、更に収容凹部に挿入されるプラグ接続部と収容凹部の内壁面との間に隙間が生じる場合には、その間にもシール部材を配置する必要があり、接触空間を密閉する構造が大がかりで複雑なものとなる。
【0011】
更に、プラグ接続部を収容凹部内の接続位置で位置決めするために、収容凹部にプラグ接続部の係合突起と係合する係合孔を穿設する必要があり、係合孔を設けたまま収容凹部の内方を密閉させるには係合孔を封止する特殊な工夫が必要となった。
【0012】
更に、収容凹部を開口を残して完全に密閉した構造では、プラグ接続部を収容しない状態で外部から開口を通して収容凹部に侵入した水滴や塵埃を排出できず、プラグ接続部を収容した際に接触空間に残り、これがプラグ側コンタクトとソケット側コンタクト間の接続不良の原因となっていた。
【0013】
更に、完全に密閉した収容凹部にプラグ接続部を挿入する場合には、プラグ接続部と収容凹部の間に収容凹部を外部へ連通する通路を形成しておく必要があり、この通路を通して水滴や塵埃が侵入しないような別のシール部材を設ける必要があった。
【0014】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、小規模な簡単な構造で接触空間を密閉するソケットを提供することを目的とする。
【0015】
また、収容凹部に水滴や塵埃が残っていても、プラグ側コンタクトとソケット側コンタクト間に介在せず、接触信頼性が得られるソケットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的を達成するため、請求項1のソケットは、一面に1又は2以上のプラグ側コンタクトが露出する相手側のプラグ接続部を、プラグ側コンタクトの露出面に沿ってスライド自在に収容する収容凹部が凹設されたハウジングと、 収容凹部内でプラグ接続部の露出面に対向する収容凹部の内面の接続領域を挿通してハウジングに固定される1又は2以上のソケット側コンタクトとを備え、収容凹部内で接続位置までスライドさせたプラグ接続部の露出面に露出するプラグ側コンタクトに、接続領域から収容凹部内に突出する対応するソケット側コンタクトの接触部を接触させるソケットであって、
接続領域に固定された1又は2以上のソケット側コンタクトを囲って、収容凹部の内面に固定され、収容凹部に収容されるプラグ接続部の露出面に弾性接触する弾性シール部材を備え、収容凹部内で接続位置までスライドさせたプラグ接続部のプラグ側コンタクトと対応するソケット側コンタクトの接触部とが弾性接触する接触空間を、収容凹部の内面と弾性シール部材とプラグ接続部の露出面とで囲い、密閉することを特徴とする。
【0017】
プラグ接続部のプラグ側コンタクトは、その露出面に沿って収容凹部内をスライドし、露出面に対向する収容凹部の内面の接続領域から突出する対応するソケット側コンタクトに摺動接触する。プラグ接続部が接続位置までスライドすると、プラグ側コンタクトと対応するソケット側コンタクトの接触部とが弾性接触し、その接触空間は、収容凹部の内面と弾性シール部材とプラグ接続部の露出面とで囲われ、外部から密閉される。
【0018】
請求項2のソケットは、弾性シール部材が、それぞれ接続領域に固定された1又は2以上のソケット側コンタクトを囲う複数のリング枠部材を積層して形成され、いずれかのリング枠部材は、リング枠部材で囲われる内側に接続領域を覆う絶縁プレートを有し、絶縁プレートに、接続領域から収容凹部内に突出する1又は2以上のソケット側コンタクトをそれぞれ挿通させる1又は2以上の案内孔が穿設されていることを特徴とする。
【0019】
接続領域に固定された1又は2以上のソケット側コンタクトは、それぞれ絶縁プレートの案内孔を挿通して収容凹部内に突出するので、収容凹部内でスライドするプラグ接続凹部の露出面に摺動接触しても、ソケット側コンタクト間が互いに接触することなく、接触部は、対応するプラグ側コンタクトの移動軌跡に臨む。
【0020】
請求項3のソケットは、収容凹部の内面の前記接続領域からハウジングの外面に貫通してハウジングに固定されるソケット側コンタクトの脚部と、ハウジングとの隙間が封止材により封止されることを特徴とする。
【0021】
ソケット側コンタクトの脚部が貫通するハウジングと脚部の隙間が、封止材により封止されるので、接触空間がより完全に外部から密閉される。
【0022】
請求項4のソケットは、収容凹部への挿入方向に沿って板状に形成されたプラグ接続部の平面若しくは底面のいずれかの面を露出面とし、収容凹部は、挿入方向に沿って挿入されるプラグ接続部を、露出面と平行に接続位置まで案内して収容し、収容凹部内の接続位置まで挿入させたプラグ接続部のプラグ側コンタクトと対応するソケット側コンタクトの接触部とが接触する接触空間を、収容凹部の内面と弾性シール部材とプラグ接続部の露出面とで囲い、密閉することを特徴とする。
【0023】
プラグ接続部のプラグ側コンタクトは、板状に形成されたプラグ接続部の平面若しくは底面に沿って収容凹部内に挿入され、プラグ接続部の平面若しくは底面に対向する収容凹部の内頂面若しくは内底面に固定される弾性シール部材を圧縮しながら乗り越えて、接続領域から突出する対応するソケット側コンタクトに摺動接触する。プラグ接続部が接続位置まで挿入すると、プラグ側コンタクトと対応するソケット側コンタクトの接触部とが弾性接触し、その接触空間は、収容凹部の内頂面若しくは内底面と弾性シール部材とプラグ接続部の平面若しくは底面とで囲われ、外部から密閉される。
【0024】
請求項5のソケットは、収容凹部に挿入されるプラグ接続部に臨む弾性シール部材の前面に、プラグ接続部の挿入方向に沿ってプラグ接続部の前記露出面側に傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0025】
収容凹部の内面に沿って挿入されるプラグ接続部の先端は、傾斜面に当接し、弾性シール部材を内面側へ押し込みながら、弾性シール部材を乗り越えて収容凹部内に挿入される。
【0026】
請求項6のソケットは、収容凹部内で前記内面に対向する対向面は、導電性の金属板を折り曲げてなる金属カバーであることを特徴とする。
【0027】
収容凹部の対向面が金属カバーで形成されるので、収容凹部が形成されるハウジングに所定の強度が得られ、金属カバーを接地することにより、金属カバーで覆われる収容凹部の対向面でコンタクト間が接触する接触空間が外部から遮蔽される。
【0028】
請求項7のソケットは、プラグ接続部は、円筒形の外側面に鍔部を突設し、底面を露出面とする円筒体で形成し、ハウジングに、内底面を露出面に対向する内面とする円形底面部と、円形底面部の周囲に起立する円筒状の周壁部とから、プラグ接続部をその中心軸周りで回動自在に案内して収容する円筒収容凹部と、円筒収容凹部内で接続位置まで回動させたプラグ接続部の鍔部の平面側で円筒収容凹部内に突出するカバーとを形成し、円筒収容凹部内の接続位置まで回転させたプラグ接続部のプラグ側コンタクトと対応するソケット側コンタクトの接触部とが接触する接触空間を、円筒収容凹部の内底面と弾性シール部材とプラグ接続部の露出面とで囲い、密閉することを特徴とする。
【0029】
円筒体のプラグ接続部の底面に露出するプラグ側コンタクトは、円筒収容凹部の内底面に沿って中心軸周りにスライドし、接続領域から突出する対応するソケット側コンタクトに摺動接触する。プラグ接続部を接続位置まで回転すると、鍔部の平面側に突出するカバーによって、プラグ接続部の平面側への移動が規制され、ソケット側コンタクトの接触部は、プラグ接続部の底面に露出するプラグ側コンタクトに弾性接触する。ソケット側コンタクトの接触部とプラグ側コンタクトが弾性接触する接触空間は、円筒収容凹部の内底面と弾性シール部材とプラグ接続部の底面とで囲われ、外部から密閉される。
【0030】
請求項8のソケットは、カバーは、導電性の金属板を折り曲げてなる金属カバーであることを特徴とする。
【0031】
鍔部の平面側を覆うカバーが金属カバーで形成されるので、円筒状の周壁部の中心軸周りの一部から円筒収容凹部内に突出するカバーに所定の強度が得られる。
【発明の効果】
【0032】
請求項1の発明によれば、収容凹部に収容されるプラグ接続部の露出面を利用して、プラグ側コンタクトとソケット側コンタクトの接触部が接触する接触空間を密閉するので、収容凹部の内面に弾性シール部材を設けるだけの簡単な構成で、接触空間への水滴や塵埃の侵入を防止でき、劣悪な雰囲気中でプラグ接続部をソケットに接続しても、コンタクトの接触面の腐食がすすまず、接触不良が生じにくい。
【0033】
また、収容凹部の全体を密閉するこなく、一部にプラグ接続部と係合する係合孔等の貫通孔や隙間を設けて、収容凹部内でプラグ接続部をスライド自在としても、プラグ側コンタクトとソケット側コンタクトの接触部が接触する接触空間を外部から密閉することができる。
【0034】
更に、収容凹部を密閉構造で形成せずに、隙間を形成することにより、プラグ接続部を収容していない間に侵入する水滴や塵埃を隙間から排出することができ、絶縁物がプラグ側コンタクトとソケット側コンタクトの接触部の間に介在して接続不良が生じることがない。
【0035】
請求項2の発明よれば、1又は2以上のソケット側コンタクトが収容凹部内でスライドするプラグ接続凹部の露出面に摺動接触しても案内孔内に位置決めされて互いが接触することがなく、接触位置で、各接触部が対応するプラグ側コンタクトに確実に弾性接触する。
【0036】
請求項3の発明によれば、ソケット側コンタクトをハウジングにインサート成形する来なく、ソケット側コンタクトの脚部とハウジングと脚部の隙間が封止材により封止されるので、接触空間をより完全に外部から密閉できる。
【0037】
請求項4の発明よれば、収容凹部に収容されるプラグ接続部の平面若しくは底面を利用して、プラグ側コンタクトとソケット側コンタクトの接触部が接触する接触空間を密閉するので、収容凹部の内底面若しくは内頂面に弾性シール部材を設けるだけの簡単な構成で、接触空間への水滴や塵埃の侵入を防止できる。
【0038】
また、収容凹部の全体を密閉するこないので、収容凹部の一部にプラグ接続部と係合する係合孔等の貫通孔や隙間を設けて、収容凹部にプラグ接続部を挿抜自在とすることができる。
【0039】
更に、収容凹部にプラグ接続部を収容していない間に侵入する水滴や塵埃を排出する隙間を形成することができ、これらの絶縁物がプラグ側コンタクトとソケット側コンタクトの接触部の間に介在して接続不良が生じることがない。
【0040】
請求項5の発明によれば、プラグ接続部が弾性シール部材を乗り越えて収容凹部に挿入される際に、弾性シール部材を弾性シール部材が固定される底面側に押圧する力が作用するので、弾性シール部材が底面から剥離しない。
【0041】
請求項6の発明よれば、ハウジングに所定の強度が得られ、金属カバーを接地することにより、収容凹部の対向面側から接触空間に侵入するノイズを遮蔽できる。
【0042】
請求項7の発明によれば、円筒収容凹部に収容されるプラグ接続部の底面を利用して、プラグ側コンタクトとソケット側コンタクトの接触部が接触する接触空間を密閉するので、円筒収容凹部の内底面に弾性シール部材を設けるだけの簡単な構成で、接触空間への水滴や塵埃の侵入を防止できる。
【0043】
また、円筒収容凹部の全体を密閉するこないので、円筒収容凹部の一部にプラグ接続部と係合する係合孔等の貫通孔や隙間を設けて、円筒収容凹部にプラグ接続部を挿抜自在とすることができる。
【0044】
更に、円筒収容凹部にプラグ接続部を収容していない間に侵入する水滴や塵埃を排出する隙間を形成することができ、これらの絶縁物がプラグ側コンタクトとソケット側コンタクトの接触部の間に介在して接続不良が生じることがない。
【0045】
請求項8の発明よれば、円筒状の周壁部の中心軸周りの一部から円筒収容凹部内に突出するカバーに所定の強度が得られ、金属カバーを接地することにより、金属カバーで覆われる方向から円筒収容凹部内に侵入するノイズを遮蔽できる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本発明の第1実施の形態に係るソケット1に接続する相手側の光学電子部品2の斜視図である。
【
図5】金属カバー11を除いたソケット1の斜視図である。
【
図6】金属カバー11と矩形リングシール14と上弾性リング枠部12を除いたソケット1の斜視図である。
【
図8】プラグ接続部6の挿入方向に沿った
図3のA−A線で切断した縦断面図である。
【
図9】上方から部品受け領域16Aに光学電子部品2を載置した状態を示すソケット1の斜視図である。
【
図10】
図9を、プラグ接続部6の挿入方向に沿って切断した縦断面図である。
【
図11】光学電子部品2のプラグ接続部6を接続位置まで挿入した状態を示すソケット1の斜視図である。
【
図12】
図11を、プラグ接続部6の挿入方向に沿って切断した縦断面図である。
【
図14】本発明の第2実施の形態に係るソケット40に接続する相手側の光学電子部品30の斜視図である。
【
図15】内部構造を省略した光学電子部品30の平面図である。
【
図17】本発明の第2実施の形態に係るソケット40の斜視図である。
【
図18】
図19のC−C線に沿って切断したソケット40の横断面図である。
【
図19】
図18のB−B線に沿って切断したソケット40の縦断面図である。
【
図20】一体の絶縁リング49及び絶縁プレート51と円形リングシール42を除いたソケット40の斜視図である。
【
図21】上方から円筒収容凹部43に光学電子部品30を収容した状態を示すソケット40の斜視図である。
【
図23】光学電子部品30のプラグ接続部32を接続位置まで回転させた状態を示すソケット40の斜視図である。
【
図24】光学電子部品と接続する従来のソケット100の仕切板101cの(a)は、斜め前方からみた斜視図、(b)は、斜め後方からみた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の第1実施の形態に係るソケット1を
図1乃至
図13を用いて説明する。
ソケット1は、
図12に示すように、ハウジング10に形成された収容凹部19に光学電子部品2のプラグ接続部6を挿入し、収容凹部19内に突出させるソケット側コンタクト(以下、コンタクトという)17をプラグ接続部6の底面に臨むプラグ側コンタクト(以下、導電パッドという)7へ接触させて光学電子部品2と電気接続するもので、以下の説明では、
図12において、左方向を後方、挿入方向となる右方向を前方、上下方向を上下方向、図示する紙面に直交する方向を左右方向として説明する。
【0048】
ソケット1に接続する光学電子部品2は、CCD、CMOSセンサー等の光電変換素子とその受光光路に配設するフィルター、レンズ等の光学部品を絶縁ケース3内に内蔵したモジュールであり、
図1、
図2に示すように、絶縁ケース3は、円筒体の底面に長方形のプレートが一体に形成された形状で、長方形のプレートの前方の鍔部が収容凹部19内に挿入されるプラグ接続部6となっている。
【0049】
プラグ接続部6の底面には、
図2に示すように、光電変換素子に接続する多数の導電パッド7、7・・がそれぞれ前後方向に沿って露出し、このうち、左右両側の導電パッド7は、その前端は、他の導電パッド7よりわずかに前方に露出する接続検知用導電パッド7a、7aとなっている。また、長方形のプレートの左右の側面には、プラグ接続部6がソケット1の収容凹部19内の接続位置まで挿入された際に、ソケット1側の後述する一組の係合片15、15と係合する係合凹部6a、6aが凹設されている。
【0050】
ソケット1は、合成樹脂で形成されたベースハウジング16と、ベースハウジング16の前方の上方を覆う金属カバー11と、ベースハウジング16を挿通して固定される多数のコンタクト17、17・・とを備え、ベースハウジング16と金属カバー11とで、プリント配線基板120に実装されるソケット1のハウジング10が構成される。ベースハウジング16は、
図6に示すように、扁平な矩形板状に形成され、左右の側辺に沿って、その間に光学電子部品2のプラグ接続部6を前後方向に沿ってスライド自在に案内するガイド壁18、18が立設されている。ベースハウジング16の前方には、その両側のガイド壁18、18と、その平面の上方を覆う金属カバー11とでプラグ接続部6を前後方向に沿って挿抜自在に収容する収容凹部19が形成される。
【0051】
収容凹部19には、多数の導電パッド7、7・・が露出する露出面を底面とする姿勢でプラグ接続部6が前後方向に挿抜自在に収容され、プラグ接続部6を収容凹部19内の
図12に示す接続位置まで挿入した状態で、プラグ接続部6の底面(露出面)に対向する収容凹部19の内底面を、前述の多数のコンタクト17が挿通する接続領域16Bとしている。また、接続領域16Bに連続するベースハウジング16の後方の平面は、上方から光学電子部品2のプラグ接続部6を載置する部品受け領域16Aとなっていて、プラグ接続部6を収容凹部19との間で連続して前後方向にスライド自在としている。
【0052】
図7に示すように、ベースハウジング16の接続領域16Bは、その後方の部品受け領域16Aより薄肉に形成され、その中央に多数のコンタクト17を支持する突条20が左右方向を長手方向として上方に向けて突設されることにより、その周囲が矩形状のシール取付凹部21となっている。
【0053】
シール取付凹部21には、それぞれ下方から下弾性リング枠部13、上弾性リング枠部12及び矩形リングシール14の各リング枠部材を積層してなる弾性シール部材8が配置されている。弾性シール部材8の各リング枠部材は、いずれも合成ゴムから形成され、このうち上弾性リング枠部12の後方の平面は、前方に向かって上方に傾斜する傾斜面12aとなっている。プラグ接続部6を収容凹部19へ挿入する際に、挿入方向に沿って前方にスライドするプラグ接続部6の前端がこの傾斜面12aに当接し、上弾性枠部12は下弾性リング枠部13を圧縮しながら下方に押し下げられる。
【0054】
また、上弾性リング枠部12のリング枠で囲われる内側は、上弾性リング枠部12と一体に成形される絶縁プレート9で覆われている。絶縁プレート9は、多数のコンタクト17を収容凹部19内に突出させる接続領域16Bの突条20に対向し、多数のコンタクト17が突出する部位にそれぞれ対応する部位に、前後方向に細長な多数の案内スリット9aが穿設されている。これにより、多数の各コンタクト17は、それぞれ対応する案内スリット9aを挿通し、互いに接触しないように左右方向に位置決めされると共に、その自由端側の接触部17aがプラグ接続部6の対応する導電パッド7の移動軌跡に沿って前後方向に揺動するように案内される。
【0055】
上弾性リング枠部12の平面には、絶縁プレート9の全ての案内スリット9aを囲う細長長方形の角溝12bが凹設され、
図13に示すように、この角溝12bに、同形状のリング状に形成された矩形リングシール14の下部を圧入して、矩形リングシール14が固定されている。矩形リングシール14は、横長長方形の下部が上弾性リング枠部12に埋設され、半円形の断面の上部が、上弾性リング枠部12の平面から上方に露出し、矩形リングシール14で囲われる内側から、全てのコンタクト17の接触部17aが収容凹部19内に突出する。
【0056】
収容凹部19内で鉛直方向の矩形リングシール14と金属カバー11の内頂面との間隔は、プラグ接続部6の厚さよりわずかに短く、従って、プラグ接続部6は、下弾性リング枠部13、上弾性リング枠部12及び矩形リングシール14を圧縮しながら収容凹部19の前方へ挿入される。また、前方から収容凹部19に挿入されるプラグ接続部6が接続位置を越えて収容凹部19から突き出ないように、ベースハウジング16の前端には、左右のガイド壁18、18の前端から内側に向けて一組のストッパー壁24、24が連設されている。
【0057】
収容凹部19の上面を構成する金属カバー11には、それぞれ左右のガイド壁18、18を上方から覆う一組の腕部11a、11aが後方に向けて一体に連設されている。一組の腕部11a、11aは、細幅のガイド壁18、18が容易に変形しないように補強するとともに、その前後の位置でベースハウジング16の底面に沿って外側に折り曲げられた接地脚部11b、11bをプリント配線基板120の図示しない接地パターンへ半田接続し、ソケット1をプリント配線基板120の平面上に強固に固定する。更に、各腕部11a、11aの後方の内側には、上方に向かって一組の係合片15、15が一体に片持ち支持されている。一組の係合片15、15は、プラグ接続部6を収容凹部19内の接続位置まで挿入したときに、その係合凹部6aに陥入する位置に突出し、係合凹部6aに係合することによって、プラグ接続部6の導電パッド7と対応するコンタクト17の接触部17aとが接触する接続位置でプラグ接続部6が位置決めされる。
【0058】
多数のコンタクト17は、ベースハウジング16の突条20に左右方向に一定の絶縁間隔を隔てて固定され、
図8に示すように、突条20の平面から上方斜め前方に折り返された接触部17aは、上述の通り、絶縁プレート9の案内スリット9aと矩形リングシール14を挿通して収容凹部19内に臨んでいる。多数のコンタクト17の各接触部17aは、それぞれ収容凹部19内でプラグ接続部6とともに前後方向にスライドする対応する導電パッド7の移動軌跡に突出し、接続位置で位置決めされたプラグ接続部6の底面に露出する対応する導電パッド7に弾性接触する。
【0059】
このソケット1は、
図8に示すように、ベースハウジング16の底面に垂設されたボス25をプリント配線基板120の位置決め孔に挿通させてプリント配線基板120の平面上に位置決めされ、位置決めされた状態で各コンタクト17の突条20から下方に突出する脚部17bは、プリント配線基板120のスルーホールを挿通し、その周囲に形成された図示しない対応する信号パターンに半田接続されるるとともに、上述した金属カバー11の各接地脚部11bは、接地パターンに半田接続される。また、ベースハウジング16の底面の各コンタクト17の脚部17bが突出する部位には、コンタクト17の脚部17bの周囲とベースハウジング16との間に密着する密閉シール26が弾装され、突条20と脚部17bとの隙間を密閉している。
【0060】
プリント配線基板120上に実装されたソケット1へ光学電子部品2を接続する際には、
図9、
図10に示すように、導電パッド7が底面に露出するプラグ接続部6側を前方とした姿勢で光学電子部品2をソケット1の部品受け領域16A上に上方から載置し、その後、左右両側のガイド壁18に沿ってプラグ接続部6を前方へスライドして、収容凹部19へ挿入する。
【0061】
プラグ接続部6を収容凹部19内で前方へスライドさせると、プラグ接続部6の前端が傾斜面12aに当接して,上弾性リング枠部12を押し下げ、更に、矩形リングシール14を乗り越えて、
図11乃至
図13に示す接続位置まで挿入すると、一対の係合片15、15がプラグ接続部6の係合凹部6aに係合し、プラグ接続部6が前後方向に対して位置決めされる。ここでは、全てのコンタクト17の接触部17aが、収容凹部19の前後方向の同一の位置に臨むので、接続位置までプラグ接続部6をスライドさせる直前に両側の一対の接続検知用導電パッド7a、7aが対応するコンタクト17の接触部17aに先に電気接続し、続いて、残る全ての導電パッド7に対応するコンタクト17の接触部17aが下方から弾性接触し、相互に電気接続する。従って、光学電子部品2をソケット1へ着脱するタイミングを、一対の接続検知用導電パッド7a、7aと対応するコンタクト17の接触部17aが電気接続することから検知できる。
【0062】
このプラグ接続部6の接続位置においては、上弾性リング枠部12、下弾性リング枠部13及び矩形リングシール14が圧縮変形することによって収容凹部19に挿入されるプラグ接続部6を矩形リングシール14と金属カバー11との間で挟持し、プラグ接続部6の底面に矩形リングシール14が弾性接触して密着する。その結果、全ての導電パッド7と対応するコンタクト17の接触部17aとが接触する接触空間は、プラグ接続部6の底面(露出面)と、上弾性リング枠部12、下弾性リング枠部13及び矩形リングシール14からなる弾性シール部材8と、ベースハウジング16の平面とで囲われ、外部から密閉される。
【0063】
また、コンタクト17の脚部17bとベースハウジング16との隙間も密閉シール26で遮断されるので、ハウジング10の底面側から水や塵埃が収容凹部19内に侵入することもない。
【0064】
ソケット1に接続する光学電子部品2のプラグ接続部6を収容凹部19から抜き出す場合には、係合凹部6aに係合する係合片15の弾性に抗して、接続位置にあるプラグ接続部6を後方へ引き出し、係合凹部6aと係合片15との係合を解き、プラグ接続部6を部品受け領域16Aまで後方へ移動させた後、上方へ引き上げて抜き出す。
【0065】
このように、ソケット1に対して光学電子部品2を容易に着脱でき、用途に応じて種々の異なる光学電子部品2を交換できる。また、プラグ接続部6がソケット1に接続されていない間は、弾性シール部材8の上方がプラグ接続部6で覆われないので、上述の接触空間に水や塵埃が侵入したとしても、弾性シール部材8の開口から排出できる。
【0066】
上述の第1実施の形態に係るソケット1は、収容凹部19をプラグ接続部6が直線上の前後方向にスライドするものであるが、ソケット40の円筒収容凹部43の中心軸周りにプラグ接続部31が回転してスライドする場合にも本発明を適用できる。以下、
図14乃至
図23を用いて、この本発明の第2実施の形態に係るソケット40について説明する。
【0067】
ソケット40に接続する光学電子部品30は、絶縁性合成樹脂からなる有底円筒体の絶縁ケースを有するプラグ接続部31内に光電変換素子や光学部品(いずれも図示省略)を収容したモジュールで、プラグ接続部31の底面に前記光電変換素子などに接続するプラグ側コンタクトである12個の導電パッド35が、
図16に示すように、2列平行に臨んでいる。
【0068】
プラグ接続部31の円筒形の外側面の下端には、円筒の中心軸周りの180度間隔で1対の鍔部34、34が水平方向に突設されている。鍔部34の外側面は、後述するソケット40の円筒周壁部46aの湾曲する内壁面とほぼ同一の曲率の湾曲面で形成され、これによりプラグ接続部31は、円筒周壁部46aの中心軸周りで回動自在に案内される。各鍔部34の湾曲する外側面の中央には、円筒周壁部46aの内壁面に突設された係合突起44(
図18参照)が係合する係合凹部34aが凹設されている。係合突起44が係合凹部34aに係合することにより、上記中心軸周りに回動可能なプラグ接続部31の回転を、所定の回転位置である接続位置で位置決めする。
【0069】
図20に示すように、ソケット40は、合成樹脂製の円板状の円形底面板45と、円形底面板45の円形の周囲から上方に起立する円筒状の金属ケース46とからなるハウジング50と、円形底面板45を挿通して固定される多数のソケット側コンタクト(以下、コンタクトという)47とを備え、円形底面板45と金属ケース46とで構成されるハウジング50の内側に、上方から光学電子部品30のプラグ接続部31を回転自在に収容する円筒収容凹部43が形成される。
【0070】
円筒収容凹部43内の円形底面板45の平面は、導電パッド35が露出するプラグ接続部31の底面に鉛直方向で対向する接続領域45Aとなり、プラグ接続部31が接続位置にある回転位置で、12個の導電パッド35、35・・にそれぞれ対向する接続領域45Aの各位置に、円形底面板45を貫通して12本のコンタクト47が一定の絶縁間隔を隔てて固定されている。この接続領域45Aに植設された多数のコンタクト47を囲って円形底面板45の平面上に、
図19に示すように、下方から円筒弾性シール41、絶縁リング49及び円形リングシール42の各リング枠部材を積層してなる弾性シール部材52が配置されている。
【0071】
このうち、絶縁リング49は、本実施の形態では、リングの内側の開口を覆う絶縁プレート51と絶縁合成樹脂で一体に形成され、弾性変形しない。絶縁プレート51は、多数のコンタクト47を円筒収容凹部43内に突出させる接続領域45Aに対向し、多数のコンタクト47がそれぞれ突出する部位に、円形の案内孔51aが穿設されている。これにより、多数の各コンタクト47は、それぞれ対応する案内孔51aを挿通し、互いに接触しないように鉛直方向に沿って起立し、絶縁リング49が円筒収容凹部43内に収容されるプラグ接続部31により下方に押し下げられると、相対的にコンタクト47の後述する接触ピン47aが貫通孔49aから上方に突出する。
【0072】
絶縁リング49の平面には、全ての案内孔51aを囲う円形の角溝が凹設され、この角溝に、円形リングシール42の下部を圧入して、円形リングシール42を固定している。円形リングシール42は、横長長方形断面の下部が絶縁リング49に埋設され、半円形断面の上部が、絶縁リング49の平面から上方に露出し、円形リングシール42で囲われる内側に、全てのコンタクト47の接触ピン47aが円筒収容凹部43内に突出している。
【0073】
図19に示すように、各コンタクト47は、円形底面板45を貫通して固定されるコンタクト本体47bと、上方に付勢され、コンタクト本体47bに対して上方に抜け止めされた状態で上下動自在に取り付けられる接触ピン47aとからなり、外力を受けない状態で接触ピン47aは、絶縁プレート51の案内孔51aを貫通して円筒収容凹部43内に臨んでいる。これにより、全てのコンタクト47の各接触ピン47aは、それぞれ円筒収容凹部43内でプラグ接続部31の中心軸周りで回転する導電パッド35の移動軌跡に突出し、接続位置まで回転させたプラグ接続部31の底面に露出する対応する導電パッド35に下方から弾性接触する。
【0074】
円形底面板45を貫通して下方に突出するコンタクト本体47bの部位は、プリント配線基板120の対応する信号パターンに半田接続される脚部となっていて、その周囲と円形底面板45との間には密閉シール48が弾装され、脚部が貫通する円形底面板45の隙間が密閉されている。
【0075】
図17に示すように、金属ケース46の円筒周壁部46aの上端には、円筒周壁部46aの中心軸周りで90度の間隔を隔てて、一対の扇形カバー片46b、46bが円筒収容凹部43の内方に向かって突設されている。一対の扇形カバー片46b、46b間の内径は、プラグ接続部31の1対の鍔部34、34間の外径より短く、また、自由状態の円形リングシール42と扇形カバー片46bの間の鉛直方向の間隔は、プラグ接続部31の底面から鍔部34の平面までの高さより短く、これにより、一対の扇形カバー片46b、46b、円筒周壁部46a及び弾性シール部材52とで、光学電子部品30のプラグ接続部31をソケット40の円筒収容凹部43へ連結するバヨネット連結機構が構成される。
【0076】
すなわち、プラグ接続部31を、一対の扇形カバー片46b、46bと鍔部34が干渉しない回転位置で円筒収容凹部43内に下降させると、プラグ接続部31の底面が接触ピン47aを下降させた後に、円形リングシール42を下方へ押し込み、弾性シール部材52の円筒弾性シール41と円形リングシール42を圧縮変形する。その状態で鍔部34が扇形カバー片46bの鉛直方向の下方となる位置までプラグ接続部31を中心軸周りで回転させると、弾性シール部材52の弾性で上方に付勢される鍔部34が扇形カバー片46bの下面に当接し、プラグ接続部31は、その底面に円形リングシール42が弾性接触する状態で円筒収容凹部43に連結される。
【0077】
鍔部34の係合凹部34aに係合する一対の係合突起44、44は、それぞれ
図17、
図18に示すように、中心軸周りで扇形カバー片46bの中間位置となる円筒周壁部46aの部位に金属板を内方に打ち出して形成され、これにより鍔部34が扇形カバー片46bの底面の中央に当接する回転位置を、プラグ接続部31を回転方向に対して位置決めする接続位置としている。この接続位置で、円筒収容凹部43内に突出する各コンタクト47の接触ピン47aは、プラグ接続部31の底面に露出する対応する導電パッド7に弾性接触する。
【0078】
このソケット40は、
図19に示すように、円形底面板45から下方に突出する各コンタクト47の脚部を、プリント配線基板120のスルーホールを挿通させて、その周囲に形成された図示しない対応する信号パターンに半田付けするとともに、金属ケース46の円筒周壁部46aの下端の4カ所の位置から水平面に沿って外側に折り曲げられた接地脚部46c、46cをプリント配線基板120の図示しない接地パターンへ半田接続し、プリント配線基板120に実装する。
【0079】
ソケット40へ光学電子部品30を接続する際には、
図21、
図22に示すように、鍔部34が扇形カバー片46bと重ならない回転位置の姿勢としたプラグ接続部31の底面で接触ピン47aと弾性シール部材52を押し下げて圧縮させながら、円筒収容凹部43の中心軸周りに係合突起44と係合凹部34aが係合する接続位置まで回転する。
【0080】
プラグ接続部31の接続位置では、円筒収容凹部43から上方へ抜け止めされた状態で中心軸周りの回転も規制され、底面に露出する12個の導電パッド35、35・・にそれぞれ案内孔51aから上方に突出する12本のコンタクト47の接触ピン47aが弾性接触し、コンタクト47を介して光学電子部品30がプリント配線基板120に電気接続される。この接続位置では、導電パッド35が露出する部位を囲うプラグ接続部31の底面に圧縮変形された円形リングシール42が弾性接触して密着し、導電パッド35とコンタクト47の接触ピン47aが接触する接触空間は、プラグ接続部31の底面と、円形リングシール42、絶縁リング49及び円筒弾性シール41とからなる弾性シール部材52と、円形底面板45の平面とで囲われ、外部から密閉される。
【0081】
ソケット40に接続するプラグ接続部31を円筒収容凹部43から抜き出す場合には、係合凹部34aに係合する係合突起44の弾性に抗して、接続位置にあるプラグ接続部31を、鍔部34が扇形カバー片46bと重ならない位置まで回転し、円筒収容凹部43からプラグ接続部31を引き上げる。このように、ソケット40に対して光学電子部品30を容易に着脱でき、用途に応じて種々の異なる光学電子部品30を容易に交換できる。
【0082】
上述の各実施の形態では、弾性シール部材8、52を、複数のリング枠部材を重ねて構成しているが、単一の弾性体からなるリング枠部材で構成してもよい。
【0083】
また、弾性シール部材は、全体で弾性を有するものであれば、上述の第2実施の形態に係る絶縁リング52のように、複数のリング枠部材のうちの一部が、剛体で形成されるものであってもよい。
【0084】
また、収容凹部が凹設されるハウジングは、複数のソケット側コンタクト間が短絡しなければ、金属板を折り曲げ加工してハウジングの一部としてもよい。
【0085】
また、コンタクトがハウジングにインサート成形され、コンタクトとコンタクトが挿通する間に隙間が生じなければ、その間を封止材により封止する必要はない。