特開2017-228364(P2017-228364A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228364(P2017-228364A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/652 20140101AFI20171201BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20171201BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20171201BHJP
   H01M 10/6555 20140101ALI20171201BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20171201BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20171201BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20171201BHJP
【FI】
   H01M10/652
   H01M10/617
   H01M2/10 E
   H01M10/6555
   H01M10/647
   H01M10/613
   H01M10/6554
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-121852(P2016-121852)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】酒井 崇
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】秋山 泰有
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH08
5H031KK01
5H040AA28
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040CC20
5H040CC25
5H040CC34
5H040CC59
5H040JJ03
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】電池セルの放熱性のばらつきを抑制可能な電池パックを提供する。
【解決手段】電池パック1は、筐体2と、電池モジュール3と、電池モジュール3と筐体2との間に配置された複数の熱伝導部材4と、を備え、電池モジュール3は、複数の電池セル9を含む積層体6と、電池セル9のそれぞれに設けられ、電池セル9と筐体2とを熱的に接続するための複数の伝熱面23aと、積層体6を拘束するエンドプレート7と、積層体6と共に拘束される弾性部材8と、を有し、熱伝導部材4は、伝熱面23aのそれぞれと筐体2とに接触するように伝熱面23aと筐体2との間に配置されており、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に近い領域R1の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に遠い領域R2の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積よりも大きい。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容された電池モジュールと、
前記電池モジュールと前記筐体との間に配置された複数の熱伝導部材と、
を備え、
前記電池モジュールは、第1方向に沿って互いに積層された複数の電池セルを含む積層体と、前記電池セルのそれぞれに設けられ、前記電池セルと前記筐体とを熱的に接続するための複数の伝熱面と、前記積層体を拘束する拘束部材と、前記拘束部材によって前記積層体と共に拘束される弾性部材と、を有し、
前記熱伝導部材は、前記伝熱面のそれぞれと前記筐体とに接触するように前記伝熱面と前記筐体との間に配置されており、
前記複数の伝熱面のうち前記弾性部材に相対的に近い領域の前記伝熱面と前記熱伝導部材との接触面積は、前記複数の伝熱面のうち前記弾性部材に相対的に遠い領域の前記伝熱面と前記熱伝導部材との接触面積よりも大きい、電池パック。
【請求項2】
前記領域は、1つの前記伝熱面のみを含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記領域は、複数の前記伝熱面を含む、請求項1に記載の電池パック。
【請求項4】
前記伝熱面と前記熱伝導部材との接触面積は、前記第1方向における前記熱伝導部材の大きさによって規定される、請求項1〜3の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記伝熱面と前記熱伝導部材との接触面積は、前記第1方向に交差する第2方向における前記熱伝導部材の大きさによって規定される、請求項1〜4の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池パックは、前記熱伝導部材のそれぞれと前記筐体との間に配置された複数の摺動部材を更に備え、
前記摺動部材の大きさは、前記熱伝導部材の大きさに対応している、請求項1〜5の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記拘束部材は、前記積層体の前記第1方向の両端側から前記積層体を拘束し、
前記弾性部材は、前記積層体の前記第1方向の一端側において前記拘束部材と前記積層体との間に配置されている、請求項1〜6の何れか一項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には電池パックが記載されている。この電池パックは、複数の積層型電池セルと、各積層型電池セルに当接して配置された複数の位置決めプレートと、複数の積層型電池セル及び複数の位置決めプレートを積層方向に付勢する付勢部と、複数の積層型電池セル、複数の位置決めプレート、及び付勢部を格納する筐体と、を備えている。位置決めプレートの折り曲げ部(放熱部)と筐体との間には、熱伝導シートが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−175078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような電池パックにおいては、付勢部として、例えば、ゴムなどの弾性部材を用いることが考えられる。その場合、電池セルの弾性部材に対する相対的な位置に応じて電池セルの放熱性が異なる。例えば、弾性部材に近い位置にある電池セルの放熱性は、弾性部材から遠い位置にある電池セルの放熱性よりも低い。したがって、電池セルの温度にばらつきが生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、電池セルの放熱性のばらつきを抑制可能な電池パックを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る電池パックは、筐体と、筐体内に収容された電池モジュールと、電池モジュールと筐体との間に配置された複数の熱伝導部材と、を備え、電池モジュールは、第1方向に沿って互いに積層された複数の電池セルを含む積層体と、電池セルのそれぞれに設けられ、電池セルと筐体とを熱的に接続するための複数の伝熱面と、積層体を拘束する拘束部材と、拘束部材によって積層体と共に拘束される弾性部材と、を有し、熱伝導部材は、伝熱面のそれぞれと筐体とに接触するように伝熱面と筐体との間に配置されており、複数の伝熱面のうち弾性部材に相対的に近い領域の伝熱面と熱伝導部材との接触面積は、複数の伝熱面のうち弾性部材に相対的に遠い領域の伝熱面と熱伝導部材との接触面積よりも大きい。
【0007】
この電池パックにおいては、熱伝導部材は、電池セルに設けられた伝熱面のそれぞれと筐体とに接触するように伝熱面と筐体との間に配置されている。これにより、各電池セルにおいて発生した熱を、熱伝導部材を介して筐体に放熱することができる。特に、この電池パックにおいては、複数の伝熱面のうち弾性部材に相対的に近い領域の伝熱面と熱伝導部材との接触面積は、複数の伝熱面のうち弾性部材に相対的に遠い領域の伝熱面と熱伝導部材との接触面積よりも大きい。このように、放熱性が比較的低くなりやすい弾性部材に相対的に近い領域における伝熱面と熱伝導部材との接触面積を相対的に大きくすることにより、電池セルの放熱性のばらつきを抑制することが可能である。
【0008】
本発明に係る電池パックでは、領域は、1つの伝熱面のみを含んでもよい。この構成によれば、それぞれの電池セルにおける伝熱面と熱伝導部材との接触面積が互いに異なる。したがって、伝熱面と熱伝導部材との接触面積をそれぞれの電池セルの位置に適した大きさにすることができ、電池セルの放熱性のばらつきを確実に抑制することが可能である。
【0009】
本発明に係る電池パックでは、領域は、複数の伝熱面を含んでもよい。この構成によれば、同一の領域内に位置する電池セルにおける伝熱面と熱伝導部材との接触面積が実質的に同じである。したがって、部品の種類を減らすことができ、製造コストの低減が可能である。
【0010】
本発明に係る電池パックでは、伝熱面と熱伝導部材との接触面積は、第1方向における熱伝導部材の大きさによって規定されてもよい。この構成によれば、第1方向における熱伝導部材の大きさによって伝熱面と熱伝導部材との接触面積を規定することができる。
【0011】
本発明に係る電池パックでは、伝熱面と熱伝導部材との接触面積は、第1方向に交差する第2方向における熱伝導部材の大きさによって規定されてもよい。この構成によれば、第2方向における熱伝導部材の大きさによって伝熱面と熱伝導部材との接触面積を規定することができる。
【0012】
本発明に係る電池パックは、熱伝導部材のそれぞれと筐体との間に配置された複数の摺動部材を更に備え、摺動部材の大きさは、熱伝導部材の大きさに対応していてもよい。この構成によれば、例えば電池セルが膨張した場合、熱伝導部材が筐体に対して第1方向に相対的に摺動可能である。したがって、例えば電池セルが膨張した場合であっても、伝熱面と熱伝導部材との接触面積が一定に保たれ、電池セルの放熱性のばらつきを抑制することが可能である。
【0013】
本発明に係る電池パックでは、拘束部材は、積層体の第1方向の両端側から積層体を拘束し、弾性部材は、積層体の第1方向の一端側において拘束部材と積層体との間に配置されてもよい。このように、弾性部材が第1方向の一端側において拘束部材と積層体との間に配置されている場合でも、電池セルの放熱性のばらつきを抑制することが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電池セルの放熱性のばらつきを抑制可能な電池パックが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る電池パックを示す斜視図である。
図2図1に示された電池モジュールを示す斜視図である。
図3図2に示された電池ユニットの分解斜視図である。
図4図1に示された電池パックの部分的な断面図である。
図5】変形例に係る電池パックの部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して電池パックの一実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分同士に対しては互いに同一の符号を付し、図面の説明において重複する説明を省略する場合がある。また、以下の図面には、X軸、Y軸、及びZ軸からなる直交座標系を示す場合がある。
【0017】
図1は、本実施形態に係る電池パックを示す斜視図である。図1に示されるように、本実施形態の電池パック1は、箱状の筐体2と、複数(例えば4つ)の電池モジュール3と、を備えている。電池モジュール3は、筐体2の内部に収容されている。電池モジュール3は、例えば、複数のボルトB(図4参照)などの固定部材によって筐体2の内壁面2Sに固定されている。筐体2は、例えば、鉄又はアルミなどの金属により形成されている。
【0018】
図2は、電池モジュールを示す斜視図である。図3は、図2に示された電池ユニットの分解斜視図である。図2,3に示されるように、電池モジュール3は、第1方向(X軸方向)に沿って互いに積層された複数(例えば7つ)の電池ユニット5を含む積層体6と、積層体6の第1方向における両端側に配置された一対のエンドプレート(拘束部材)7と、積層体6の第1方向における一端側においてエンドプレート7と積層体6との間に配置された弾性部材8と、を有している。電池ユニット5は、電池セル9を含む。すなわち、積層体6は、第1方向に沿って互いに積層された複数の電池セル9を含む。電池ユニット5は、電池セル9を保持するセルホルダ10と、電池セル9と接触するように配置された伝熱プレート11と、を有している。
【0019】
電池セル9は、例えば、直方体状のケース12と、ケース12に収容された電極組立体(不図示)と、を含むリチウムイオン二次電池である。電極組立体は、複数の正極シート(不図示)及び複数の負極シート(不図示)と、正極シートと負極シートとの間に配置されたセパレータ(不図示)と、を含む。正極シート及び負極シートは、セパレータを介して交互に積層されている。
【0020】
ケース12は、第3方向(Y軸方向)に交差する一対の側面12a,12bと、第1方向に交差する一対の側面12c,12dと、第2方向(Z軸方向)に交差する上面12e及び下面12fと、を含む。第2方向は、第1方向に交差する方向であり、第3方向は、第1方向及び第2方向に交差する方向である。ケース12の上面12eには、正極端子13及び負極端子14が絶縁リング15を介して取り付けられている。正極端子13は正極シートと電気的に接続され、負極端子14は負極シートと電気的に接続されている。
【0021】
セルホルダ10は、例えば樹脂によって形成された枠状の部材である。セルホルダ10は、電池セル9が載置される底壁部16と、底壁部16の両端から立設され、第2方向において電池セル9を挟む一対の側壁部17a,17bと、側壁部17a,17bを連結する連結部18と、を含む。
【0022】
セルホルダ10においては、底壁部16、側壁部17a,17b、及び連結部18によって、電池セル9が嵌め合わされる直方体状の空間が画成されている。この空間に電池セル9が嵌め合わされたとき、底壁部16は、ケース12の下面12fに対向する。また、側壁部17a,17bは、それぞれ、ケース12の側面12a,12bに対向する。さらに、連結部18は、ケース12の側面12dに対向する。
【0023】
連結部18の両端部の上部には、電池セル9の正極端子13及び負極端子14の一部を囲う端子収容部19が設けられている。連結部18における端子収容部19よりも第2方向内側の上部には、ボルトガイド部20が設けられている。ボルトガイド部20には、第1方向に延在する貫通孔20aが設けられている。また、底壁部16の両端部の下部には、ボルトガイド部21が設けられている。ボルトガイド部21には、第1方向に延在する貫通孔21aが設けられている。貫通孔20a及び貫通孔21aのそれぞれには、後述するボルト24の軸部が挿通される。
【0024】
伝熱プレート11は、矩形板状の本体部22と、本体部22から第1方向に沿って伸びる矩形板状の延在部23と、を含む。伝熱プレート11は、本体部22及び延在部23によってL字型に形成されている。本体部22は、電池セル9(ケース12)の側面12dに接触している。延在部23は、セルホルダ10の側壁部17aを介して側面12a上に配置されている。延在部23の側面12a側の面と反対側の面は、筐体2に熱的に接続される。したがって、伝熱プレート11は、電池セル9と筐体2とを熱的に接続する。すなわち、延在部23の側面12a側の面と反対側の面は、電池セル9のそれぞれに設けられ、電池セル9と筐体2とを熱的に接続する伝熱面23aである。
【0025】
エンドプレート7は、積層体6の第1方向における両端側から積層体6を拘束する。エンドプレート7は、矩形板状の拘束部7pと矩形板状の固定部7rとによって、L字板状に形成されている。拘束部7pは、積層体6及び弾性部材8を挟んだ状態においてボルト24及びナット25等の締結部材により互いに締結される。より具体的には、ボルト24は、電池セル9を保持するセルホルダ10の貫通孔20a,21a及びエンドプレート7に設けられた貫通孔に挿通される。ナット25は、エンドプレート7同士を互いに締め付けるように、ボルト24の端部に螺合される。これにより、エンドプレート7は、積層体6及び弾性部材8に拘束加重を付加する。すなわち、弾性部材8は、積層体6と共にエンドプレート7によって拘束される。弾性部材8は、例えば電池セル9が膨張した場合に、電池セル9の膨張を吸収するように圧縮される。弾性部材8は、例えばゴムなどによって構成されている。
【0026】
固定部7rは、筐体2の内壁面2Sに接触した状態において、挿通孔7aにボルトBが挿通されることにより筐体2に締結される。これにより、固定部7rは、電池モジュール3を筐体2に固定する。
【0027】
図4は、図1に示された電池パックの部分的な断面図である。図4に示されるように、電池パック1は、電池モジュール3と筐体2との間に配置された複数(電池セル9の数と同数であり、例えば7つ)の熱伝導部材4をさらに備えている。熱伝導部材4は、伝熱プレート11の伝熱面23aと筐体2の内壁面2Sとに接触するように伝熱面23aと筐体2との間に配置されている。また、熱伝導部材4と筐体2の内壁面2Sとの間にはスリップシート(摺動部材)27が配置されている。したがって、熱伝導部材4は、スリップシート27を介して内壁面2Sに接触している。熱伝導部材4及びスリップシート27は電池セル9ごとに配置されている。これにより、電池セル9において発生した熱は、伝熱プレート11の伝熱面23a、熱伝導部材4、及びスリップシート27を介して筐体2に放熱される。
【0028】
熱伝導部材4は、例えば、シリコン、アクリル、又はウレタンなどの粘着性を有する材料によって形成されている。なお、熱伝導部材4は粘着性を有していなくてもよく、例えば両面テープなどを用いて伝熱プレート11及び/又はスリップシート27に接合されてもよい。
【0029】
スリップシート27は、熱伝導部材4を筐体2に対して相対的に移動可能とする。熱伝導部材4とスリップシート27とが接合され、且つ、スリップシート27が筐体2に接合されていない場合には、熱伝導部材4は、スリップシート27ごと摺動することにより筐体2に対して移動可能となる。スリップシート27が筐体2に接合され、且つ、熱伝導部材4がスリップシート27に接合されていない場合には、熱伝導部材4は、スリップシート27上において摺動することにより筐体2に対して移動可能となる。スリップシート27は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱伝導性を有し、且つ、摩擦係数が低い樹脂材料によって形成されている。なお、スリップシート27には、熱伝導性フィラーが含まれていてもよい。
【0030】
ここで、熱伝導部材4同士を比較すると、第1方向における熱伝導部材4の寸法は、弾性部材8との間の距離が近い熱伝導部材4ほど大きくなっている。また、熱伝導部材4同士を比較すると、第2方向における熱伝導部材4の寸法は、弾性部材8との間の距離に依らずに一定である。また、伝熱面23aの寸法も一定である。したがって、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に近い領域R1の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的遠い領域R2の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積よりも大きくなっている。また、スリップシート27の大きさと熱伝導部材4の大きさとは対応しており、実質的に同じ大きさである。なお、領域R1,R2は説明のために規定した仮想的な領域であり、本実施形態においては、領域R1,R2のそれぞれは、1つの伝熱面23aのみを含んでいる。
【0031】
以上説明したように、電池パック1においては、熱伝導部材4は、電池セル9に設けられた伝熱面23aのそれぞれと筐体2とに接触するように伝熱面23aと筐体2との間に配置されている。これにより、各電池セル9において発生した熱を、熱伝導部材4を介して筐体2に放熱することができる。ここで、積層体6の第1方向における他方側の電池セル9においては、伝熱面23a及び熱伝導部材4を介した筐体2への放熱に加えて、エンドプレート7を介した筐体2への放熱が可能である。一方、積層体6の第1方向における一方側の電池セル9においては、エンドプレート7との間に少なくとも弾性部材8が介在している。このため、当該一方側の電池セル9にあっては、エンドプレート7を介した筐体2への放熱が困難である。このため、相対的に弾性部材8に近い電池セル9ほど、放熱性が低下する傾向がある。
【0032】
これに対して、電池パック1においては、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に近い領域R1の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に遠い領域R2の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積よりも大きい。このように、放熱性が比較的低くなりやすい弾性部材8に相対的に近い領域R1における伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を、相対的に大きくすることにより、上記のような電池セル9の放熱性のばらつきを抑制することが可能である。
【0033】
特に、電池パック1においては、領域R1,R2のそれぞれは、1つの伝熱面23aのみを含んでいる。これにより、それぞれの電池セル9における伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積が互いに異なっている。したがって、伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積をそれぞれの電池セル9の位置に適した大きさにすることができ、電池セル9の放熱性のばらつきを確実に抑制することが可能である。
【0034】
また、電池パック1では、伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は、第1方向における熱伝導部材4の大きさによって規定されている。これにより、第1方向における熱伝導部材4の大きさによって伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を規定することができる。また、電池セル9の第1方向における寸法は、第2方向の寸法よりも小さい。故に、伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を第1方向における熱伝導部材4の大きさによって規定することにより、電池セル9内における温度のばらつきを抑制することができる。
【0035】
また、電池パック1は、熱伝導部材4のそれぞれと筐体2との間に配置された複数のスリップシート(摺動部材)27を更に備え、スリップシート27の大きさは、熱伝導部材4の大きさに対応している。これにより、例えば電池セル9が膨張した場合、熱伝導部材4が筐体2に対して第1方向に相対的に摺動可能である。したがって、例えば電池セル9が膨張した場合であっても、伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積が一定に保たれ、電池セル9の放熱性のばらつきを抑制することが可能である。
【0036】
なお、電池パック1では、エンドプレート(拘束部材)7は、積層体6の第1方向の両端側から積層体6を拘束し、弾性部材8は、積層体6の第1方向の一端側においてエンドプレート7と積層体6との間に配置されている。このように弾性部材8が配置されていることにより、電池セル9が膨張した場合に、電池セル9の膨張によって生じる位置ずれを一方向(X軸正方向)に限定することができる。そして、電池パック1によれば、このように弾性部材8が第1方向の一端側においてエンドプレート7と積層体6との間に配置されている場合でも、電池セル9の放熱性のばらつきを抑制することが可能である。
【0037】
次に、図5を参照して、電池パック1の変形例について説明する。図5は、変形例に係る電池パックの部分的な断面図である。図5に示されるように、本変形例に係る電池パック100が電池パック1と相違する点は、領域R1,R2が複数の伝熱面23aを含んでいる点である。電池パック100においては、領域R1,R2のそれぞれは、2つの伝熱面23aを含んでおり、同一の領域(領域R1,R2)に含まれる伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は同じである。また、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に近い領域R1の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に遠い領域R2の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積よりも大きくなっている。なお、ここで同一の領域に含まれる伝熱面23aと熱伝導部材との接触面積が「同じ」とは、実質的に同一であることを示しており、製造誤差などに起因する微差は許容されるものとする。
【0038】
また、領域R1,R2が複数の伝熱面を含む場合、同一の領域内に含まれる伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は同じでなくてもよい。この場合、同一の領域内における伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積の大きさの順番は特に限定されない。例えば、領域R1,R2のそれぞれが3つの伝熱面23aを含んでおり、領域R1に含まれる伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を弾性部材8に相対的に近い側から順にS11,S12,S13とし、領域R2に含まれる伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を弾性部材8に相対的に近い側から順にS21,S22,S23とした場合、それぞれの接触面積の大小関係は、S11>S12<S13、S21>S22<S23であってもよい。ただし、弾性部材8に相対的に近い領域R1に含まれる伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は、弾性部材8に相対的に遠い領域R2に含まれる何れの伝熱面23aにおける接触面積よりも大きいものとする。すなわち、接触面積S11,S12,S13のそれぞれは、接触面積S21,S22,S23の何れよりも大きい。なお、領域R1,R2の設定方法(領域を設定する位置及び領域に含まれる伝熱面23aの数など)は、図示の態様に限定されず任意である。例えば、同一の領域に含まれる伝熱面23aの数は2つに限定されず、更に多くの伝熱面を含んでいてもよい。また、領域R1及び領域R2に含まれる伝熱面23aの数は互いに異なっていてもよい。
【0039】
このように構成された電池パック100においては、電池パック1と同様に、放熱性が比較的低くなりやすい弾性部材8に相対的に近い領域R1における伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を相対的に大きくしている。これにより、電池セル9の放熱性のばらつきを抑制することが可能である。また、電池パック100においては、1つの領域R1,R2は複数の伝熱面23aを含んでおり、同一の領域R1,R2内に位置する電池セル9における伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は実質的に同じである。したがって、部品(例えば熱伝導部材4)の種類を減らすことができ、製造コストの低減が可能である。
【0040】
以上の実施形態は、本発明に係る電池パックの一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る電池パックは、上述した電池パック1,100に限定されることなく種々の変形態様を採用可能である。例えば、電池パック1及び電池パック100においては、伝熱プレート11に伝熱面23aが設けられているが、伝熱面23aは電池セル9の側面であってもよい。この場合、電池パック1及び電池パック100は伝熱プレート11を備えていなくてもよい。
【0041】
また、電池パック1及び電池パック100においては、第1方向における熱伝導部材4の大きさを変化させることによって伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を変化させているが、伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積は、第2方向における熱伝導部材4の大きさによって規定されてもよい。この構成によれば、第2方向における熱伝導部材の大きさによって伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を規定することができる。また、電池セル9の第2方向における寸法は第1方向における寸法よりも大きいので、広い範囲で伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を調整することができる。なお、第1方向における熱伝導部材4の大きさ及び第2方向における熱伝導部材4の大きさの両方を変化させることによって、伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を変化させてもよい。
【0042】
また、電池パック1及び電池パック100においては、弾性部材8は第1方向の一端側においてエンドプレート7と積層体6との間に配置されているが、弾性部材8は第1方向の両端側においてエンドプレート7と積層体6との間に配置されていてもよい。この場合、2つの弾性部材8によって電池セル9の膨張が吸収されるので、電池セル9の膨張による位置ずれを低減することができる。なお、弾性部材8はエンドプレート7と積層体6との間ではなく、電池セル9(電池ユニット5)同士の間に配置されていてもよい。いずれの場合にも、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的に近い領域R1の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積を、複数の伝熱面23aのうち弾性部材8に相対的遠い領域R2の伝熱面23aと熱伝導部材4との接触面積よりも大きくすることにより、電池セル9の放熱性のばらつきを抑制可能である。
【0043】
また、電池パック1及び電池パック100においては、スリップシート27は筐体2の内壁面2Sに接合されていてもよい。この場合、スリップシート27は各々の熱伝導部材4に対応した複数のシートではなく、複数の熱伝導部材4に一括して接触可能な一枚のシートであってもよい。なお、電池パック1及び電池パック100は、スリップシート27を備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1…電池パック、2…筐体、2S…内壁面、3…電池モジュール、4…熱伝導部材、5…電池ユニット、6…積層体、7…エンドプレート(拘束部材)、8…弾性部材、9…電池セル、10…セルホルダ、11…伝熱プレート、12…ケース、13…正極端子、14…負極端子、15…絶縁リング、16…底壁部、17a,17b…側壁部、18…連結部、19…端子収容部、20,21…ボルトガイド部、20a,21a…貫通孔、22…本体部、23…延在部、23a…伝熱面、24…ボルト、25…ナット、27…スリップシート(摺動部材)、100…電池パック、R1,R2…領域。
図1
図2
図3
図4
図5