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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228444(P2017-228444A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】電界放射装置および改質処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01J 35/06 20060101AFI20171201BHJP
   H01J 1/304 20060101ALI20171201BHJP
   H05G 1/00 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   H01J35/06 A
   H01J1/30 F
   H05G1/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-124149(P2016-124149)
(22)【出願日】2016年6月23日
(11)【特許番号】特許第6206546号(P6206546)
(45)【特許公報発行日】2017年10月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大造
(72)【発明者】
【氏名】畠中 道大
【テーマコード(参考)】
4C092
5C227
【Fターム(参考)】
4C092AA01
4C092AB19
4C092BD09
4C092BD15
5C227AA20
5C227FF31
5C227FF59
(57)【要約】
【課題】エミッタの電界放射を抑制しながらガード電極等の改質処理を行うことができ、電界放射装置の特性の向上に貢献する。
【解決手段】真空室1においてエミッタ3およびターゲット7を互いに対向して配置し、エミッタ3の電子発生部31の外周側には、ガード電極5を備える。エミッタ3は、真空室1の両端方向に移動自在な移動体40を有したエミッタ支持部4により、当該両端方向に対し移動自在に支持する。ガード電極5の改質処理は、エミッタ支持部4を操作し、エミッタ3を無放電位置に移動して、電子発生部31の電界放射を抑制した状態にし、ガード電極5に電圧を印加し放電を繰り返して行う。改質処理の後は、再びエミッタ支持部4を操作し、エミッタ3を放電位置に移動し、移動規制部6により移動体40の真空室1の他端側への移動を規制した状態で、電子発生部31の電界放射を可能な状態にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の絶縁体の両端側が封止されて当該絶縁体の内壁側に真空室が形成された真空容器と、
真空室の一端側に位置し、当該真空室の他端側に対向する電子発生部を有したエミッタと、
エミッタの電子発生部の外周側に位置しているガード電極と、
真空室の他端側に位置し、エミッタの電子発生部に対向して設けられたターゲットと、
両端方向に移動自在な移動体を有し、当該移動体を介してエミッタを真空室の両端方向に対し移動自在に支持する可動自在なエミッタ支持部と、
移動体の両端方向の移動のうち真空室の他端側への移動を規制する移動規制部と、を備え、
エミッタ支持部の可動により、エミッタの電子発生部とターゲットとの間の距離が変化し、
移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動が規制された状態で、エミッタの電子発生部が電界放射することを特徴とする電界放射装置。
【請求項2】
移動規制部は、
移動体の外周側から真空室の横断方向外側に突出した突出部と、
突出部よりも真空室の他端側の位置であって両端方向において当該突出部と交叉している位置に設けられた交叉部と、を備え、
突出部と交叉部とが当接して、移動体の真空室の他端側への移動が規制されることを特徴とする請求項1記載の電界放射装置。
【請求項3】
ガード電極は、真空室の両端方向に延在した筒状であり、一端が真空容器に支持され、
交叉部は、ガード電極の筒状内周側から真空室の横断方向内側に突出して形成されていることを特徴とする請求項2記載の電界放射装置。
【請求項4】
移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動が規制された状態で、ガード電極のターゲット側とエミッタの電子発生部との距離が最短となることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項5】
移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動が規制された状態で、ガード電極のターゲット側が、エミッタの電子発生部と接触することを特徴とする請求項4記載の電界放射装置。
【請求項6】
ガード電極のターゲット側に、小径部が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の電界放射装置。
【請求項7】
ガード電極のターゲット側に、真空室の横断方向に延出して当該真空室の両端方向においてエミッタの電子発生部の周縁部と交叉する縁部が形成されていることを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項8】
真空室の両端方向に伸縮自在なベローズを有し、そのベローズの一端側がエミッタ支持部に支持され、他端側が真空容器に支持されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項9】
移動体は、エミッタの電子発生部の反対側において両端方向に延在した形状であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項10】
真空室のエミッタとターゲットとの間に、グリッド電極が設けられていることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかに記載の電界放射装置の改質処理方法であって、
エミッタ支持部の操作によりエミッタの電子発生部とガード電極との両者を互いに離反した状態で、ガード電極に電圧を印加して、真空室内の少なくともガード電極を改質処理することを特徴とする電界放射装置の改質処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線装置,電子管,照明装置等の種々の機器に適用される電界放射装置および改質処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線装置,電子管,照明装置等の種々の機器に適用される電界放射装置の一例としては、真空容器の真空室において互いに対向した方向に位置(所定距離隔てて位置)するエミッタ(炭素等を用いてなる電子源)とターゲットとの間に電圧印加し、エミッタの電界放射(電子を発生させて放出)によって電子線を放出し、その放出した電子線をターゲットに衝突させて所望の機能(例えばX線装置の場合はX線の外部放出による透視分解能)を発揮する構成が知られている。
【0003】
また、例えば、エミッタとターゲットとの間にグリッド電極等を介在させて3極管構造としたり、エミッタの電子発生部(ターゲットに対向する側に位置し電子を発生する部位)の表面を曲面状にしたり、エミッタと同電位のガード電極を当該エミッタの外周側に配置する等により、エミッタから放出される電子線の分散を抑制することが検討されている(例えば特許文献1,2)。
【0004】
前述のような電圧印加により、エミッタの電子発生部のみから電子を発生させて電子線を放出することが望ましいが、真空室内に不要な微小突起や汚れ等が存在していると、意図しない閃絡現象を起こし易くなり、耐電圧性等が得られず、所望の機能を発揮できなくなる虞がある。
【0005】
例えば真空室内のガード電極等(ターゲット,グリッド電極,ガード電極等;以下、単にガード電極等と適宜称する)において、局部的な電界集中を起こし易い部位が形成(例えば加工において形成された微小突起等)されている場合、ガス成分(例えば真空容器内に残存するガス成分)を吸着している場合、電子を発生させ易い元素が含まれている場合(適用する材料中に含まれている場合)等が挙げられる。このような場合、例えばガード電極にも電子発生部が形成され、電子の発生量が不安定になり、電子線が分散し易くなり、例えばX線装置の場合にはX線等の焦点はずれ等を起こす虞もある。
【0006】
そこで、閃絡現象の抑制を図る手法(電子の発生量を安定化させる手法)として、例えばガード電極等に電圧(高電圧等)を印加(例えばガード電極とグリッド電極に印加)し放電を繰り返す電圧放電コンディショニング処理(改質(再生);以下、単に改質処理と適宜称する)を施す手法が検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−150253公報
【特許文献2】特開2011−8998公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述のような改質処理の電圧を単にガード電極等に印加すると、エミッタの電界放射(例えば改質処理が行われる前に電界放射)も起こり易く、当該ガード電極等が十分に改質処理されない虞がある。
【0009】
本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなされたものであって、エミッタの電界放射を抑制しながらガード電極等の改質処理を行うことができ、電界放射装置の特性の向上に貢献可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る電界放射装置,改質処理方法は、前記の課題を解決できるものである。電界放射装置の一態様は、筒状の絶縁体の両端側が封止されて当該絶縁体の内壁側に真空室が形成された真空容器と、真空室の一端側に位置し、当該真空室の他端側に対向する電子発生部を有したエミッタと、エミッタの電子発生部の外周側に位置しているガード電極と、真空室の他端側に位置し、エミッタの電子発生部に対向して設けられたターゲットと、両端方向に移動自在な移動体を有し、当該移動体を介してエミッタを真空室の両端方向に対し移動自在に支持する可動自在なエミッタ支持部と、移動体の両端方向の移動のうち真空室の他端側への移動を規制する移動規制部と、を備え、エミッタ支持部の可動により、エミッタの電子発生部とターゲットとの間の距離が変化し、移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動が規制された状態で、エミッタの電子発生部が電界放射することを特徴とする。
【0011】
また、移動規制部は、移動体の外周側から真空室の横断方向外側に突出した突出部と、突出部よりも真空室の他端側の位置であって両端方向において当該突出部と交叉している位置に設けられた交叉部と、を備え、突出部と交叉部とが当接して、移動体の真空室の他端側への移動が規制されるものでも良い。
【0012】
また、ガード電極は、真空室の両端方向に延在した筒状であり、一端が真空容器に支持され、交叉部は、ガード電極の筒状内周側(の中央部)から真空室の横断方向内側に突出して形成されているものでも良い。
【0013】
また、移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動が規制された状態で、ガード電極のターゲット側とエミッタの電子発生部との距離が最短となるものでも良い。
【0014】
また、ガード電極のターゲット側に、小径部が形成されているものでも良い。また、ガード電極のターゲット側に、真空室の横断方向に延出して当該真空室の両端方向においてエミッタの電子発生部の周縁部と交叉する縁部が形成されているものでも良い。
【0015】
また、真空室の両端方向に伸縮自在なベローズを有し、そのベローズの一端側がエミッタ支持部に支持され、他端側が真空容器に支持されているものでも良い。また、移動体は、エミッタの電子発生部の反対側において両端方向に延在した形状であっても良い。また、真空室のエミッタとターゲットとの間に、グリッド電極が設けられているものでも良い。
【0016】
前述の電界放射装置の改質処理方法の一態様としては、エミッタ支持部の操作によりエミッタの電子発生部とガード電極との両者を互いに離反した状態で、ガード電極に電圧を印加して、真空室内の少なくともガード電極を改質処理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
以上示したように本発明によれば、エミッタの電界放射を抑制しながらガード電極等の改質処理を行うことができ、電界放射装置の特性の向上に貢献可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態の電界放射装置の一例を示す概略説明図(真空室1両端方向に縦断した断面図(放電位置))。
図2】本実施形態の電界放射装置の一例を示す概略説明図(真空室1両端方向に縦断した断面図(無放電位置))。
図3】本実施形態の電界放射装置のガード電極5の一例を示す概略説明図(図1の一部の拡大図で縁部52の替わりに小径部51を有した図)。
図4】移動規制部6を持たない電界放射装置の一例を示す概略説明図(真空室1両端方向に縦断した断面図(放電位置))。
図5】移動規制部6を持たない電界放射装置の一例を示す概略説明図(真空室1両端方向に縦断した断面図(無放電位置))。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態における電界放射装置は、絶縁体の両端側が封止されて形成された真空室において、単に、互いに対向して位置するエミッタおよびターゲットを備えたり、エミッタの電子発生部の外周側にガード電極を備えた構成とするのではなく、真空室の両端方向(以下、単に両端方向と適宜称する)に移動自在な移動体を介してエミッタを当該両端方向に対し移動自在に支持する可動自在なエミッタ支持部を備え、そのエミッタ支持部の可動によりエミッタの電子発生部とターゲットとの間の距離を変化できるように構成したものである。また、移動体の両端方向の移動のうち真空室の他端側(ターゲット側)への移動を規制する移動規制部を備えたものであり、当該移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動を規制した状態(以下、単に移動規制状態と適宜称する)で、エミッタの電子発生部が電界放射するように構成したものである。
【0020】
従来、ガード電極等を改質処理する手法としては、前述のようにガード電極等に対し単に高電圧を印加する手法の他に、ガード電極等を真空雰囲気下で放置し吸着ガスを取り除く手法が知られている。この手法は、例えば、真空容器に大口径排気管を設けて電界放射装置(以下、従来装置と称する)を構成し、その大口径排気管を介して当該真空室を高温真空状態にすることにより、当該真空室のガード電極等の吸着ガスを放出し、その後、当該真空室を大気雰囲気下に戻し大口径排気管を介して当該真空室内にエミッタ等を配置し、当該真空室を封止し再度真空状態にする手法である。
【0021】
しかしながら、前述のような大口径排気管を設けた真空容器において、真空室の高温真空状態を長時間保つことは困難であり、再度真空状態にするまでの間にガスがガード電極等に再吸着する虞もあり、ガード電極等に形成された粗い表面については改質(滑らかに)することができない。また、大口径排気管により、真空容器が大型化し、製造工数の増加や製品コストの上昇を招くことも考えられる。
【0022】
一方、本実施形態のような電界放射装置の構成によれば、前述の従来手法を適用しなくてもガード電極等の改質処理を行うことが可能となる。当該改質処理を行う場合、エミッタ支持部を操作して、エミッタを放電位置(電界放射する位置)から無放電位置(放電電界以下)に移動(電子発生部とターゲットとの間の距離を長くする方向に移動)させることにより、エミッタの電界放射を抑制した状態(例えば後述の図2に示すように、エミッタの電子発生部とガード電極との両者を互いに離反した状態(両者間に隙間を形成))にし、その状態でガード電極等に電圧を印加して改質処理を行うことができ、例えばガード電極等の表面が溶解平滑化されることになる。これにより、所望の耐電圧を得ることが可能となる。また、前述のように電界放射を抑制した状態であれば、改質処理の際にエミッタに対しては負荷が掛からないようにすることができる。
【0023】
したがって、本実施形態の改質処理によれば、例えばガード電極等の表面に微小突起等が存在していても、その表面を滑らかにすることが可能となる。また、ガス成分(例えば真空容器内に残存するガス成分)を吸着している場合には、当該吸着ガスが放出されることになる。さらに、電子を発生させ易い元素が含まれている場合には、前記の溶解平滑化により、当該元素をガード電極等の内部に留めることができ、当該元素に起因する電子発生を抑制することが可能となる。そして、電界放射装置においては、電子の発生量が安定し易くなる。
【0024】
前述のようにガード電極等を改質処理した後は、再びエミッタ支持部を操作し、エミッタを無放電位置から放電位置に移動(電子発生部とターゲットとの間の距離を短くする方向に移動)させることにより、エミッタの電子発生部とガード電極との間の距離を最短の状態(エミッタの電子発生部とガード電極とが近接または接触した状態)にすることができる。そして、エミッタ(電子発生部)の電界放射が可能な状態となり、電界放射装置の所望の機能を発揮(X線装置の場合はX線照射等)できることになる。
【0025】
また、エミッタが放電位置に位置している場合、エミッタ支持部の移動体が移動規制部によって移動規制状態、すなわちエミッタ支持部の可動(一端側方向の可動)が抑制された状態となり、エミッタにおいては放電位置を越えてターゲット側に移動しないように抑制された状態となる。したがって、本実施形態によれば、エミッタの放電位置を、移動体が移動規制状態となる位置に設定することにより、エミッタ支持部の操作によりエミッタの電子発生部とターゲットとの間の距離を変化させる場合に、放電位置(またはガード電極)に対するエミッタの位置決めが容易となる。
【0026】
ここで、前述のような移動規制部を持たない装置、例えば図4図5に示すように単にエミッタ支持部4等を備え、エミッタ3の電子発生部31の周縁部31aと交叉する縁部52等がガード電極5に形成されている装置10Aに着目すると、当該エミッタ支持部4を操作し図4に示すようにエミッタ3が放電位置に移動してガード電極5と接触(図4では交叉するように接触)した場合、その接触面には真空室1の真空圧力が掛かることが考えられる。この真空圧力により、接触面に掛かる接触圧力が大きくなってしまう場合には、当該エミッタ3(電子発生部31等)やガード電極5(縁部52等)には応力が発生し易く、各々の形状が変形したり、電界放射装置の所望の特性を保持できなくなることが考えられる。
【0027】
一方、本実施形態に係る電界放射装置(例えば後述のX線装置10)は、前述のようにエミッタの放電位置を移動体の移動規制状態となる位置に設定することができる構成であるため、たとえ放電位置のエミッタがガード電極と接触する構成であっても、当該接触圧力を低く抑えることができ、当該エミッタやガード電極の形状等の変形を防止し、電界放射装置の所望の特性を保持することが可能となる。
【0028】
本実施形態の電界放射装置は、前述のようにエミッタを両端方向に対して移動自在に支持するエミッタ支持部や、エミッタ支持部の移動体の移動を規制する移動規制部等を備え、エミッタの電子発生部とターゲットとの間の距離を変化できる構成であれば、例えば各種分野の技術常識を適宜適用する等により、多彩な変更が可能なものであって、その一例として以下に示すものが挙げられる。
【0029】
≪電界放射装置の実施例1≫
図1図2の符号10は、本実施形態の電界放射装置を適用したX線装置の一例を示すものである。なお、図4図5と同様のものについては、それぞれ同一に符号を用いる等により、詳細な説明を適宜省略する。X線装置10においては、筒状の絶縁体2の一端側の開口21と他端側の開口22とが、それぞれエミッタユニット30とターゲットユニット70とにより封止(例えば蝋付けして封止)されて、絶縁体2の内壁側に真空室1を有した真空容器11が構成されている。エミッタユニット30(後述のエミッタ3)とターゲットユニット70(後述のターゲット7)との間には、当該真空室1の横断方向(両端方向に対して交差する方向;以下、単に横断方向と適宜称する)に延在するグリッド電極8が設けられている。
【0030】
絶縁体2は、例えばセラミック等の絶縁材料を用いて成り、エミッタユニット30(後述のエミッタ3)とターゲットユニット70(後述のターゲット7)とを互いに絶縁し、内部に真空室1を形成できるものであれば、種々の形態を適用することができる。例えば、図示するように同心状に配置された2つの円筒状の絶縁部材2a,2bの両者間にグリッド電極8(例えば後述の引出端子82)を介在させた状態で、当該両者を蝋付け等により互いに組み付けて構成されたものが挙げられる。
【0031】
エミッタユニット30は、ターゲットユニット70(後述するターゲット7)に対向する部位に電子発生部31を有したエミッタ3と、両端方向に移動自在な移動体40を有し当該移動体40を介してエミッタ3を真空室1の両端方向に対し移動自在に支持する可動自在なエミッタ支持部4と、エミッタ3の電子発生部31の外周側に位置しているガード電極5と、移動体40の両端方向の移動のうち他端側(後述するターゲット7側)への移動を規制する移動規制部6と、を備えている。
【0032】
エミッタ3においては、前述のように電子発生部31を有し、電圧印加により電子発生部31から電子を発生し、図示するように電子線L1を放出できるもの(放射体)であれば、種々の形態を適用することが可能である。具体例としては、例えば炭素等(カーボンナノチューブ等)の材料を用いてなるものであって、図示するように塊状に成形された、または薄膜状に蒸着させたエミッタ3を適用することが挙げられる。電子発生部31においては、ターゲットユニット70(後述するターゲット7)に対向する側の表面を凹状(曲面状)にして、電子線L1を集束し易くすることが好ましい。
【0033】
エミッタ支持部4においては、両端方向に移動自在な移動体40を備えたものであって、移動体40を介して、前述のようにエミッタ3を両端方向に対して移動自在に支持できるものであれば、種々の形態を適用することが可能である。具体例としては、ガード電極5の内側において両端方向に延在した柱状で当該柱状一端側(開口21側)にフランジ部41が形成され他端側(開口22側)にてエミッタ3を支持(例えば、エミッタ3における電子発生部31の反対側を、かしめや溶着等により固着して支持)する移動体40と、両端方向に伸縮自在で真空容器11に支持(例えば図示するようにガード電極5を介して絶縁体2に支持)されたベローズ42と、を備えた構成が挙げられる。また、移動体40においては、後述の移動規制部6を構成する要素の一部である突出部60が、当該移動体40の外周側から横断方向外側に突出するように形成された構成であっても良い。
【0034】
このように移動体40,ベローズ42を備えたエミッタ支持部4の場合、ベローズ42の伸縮により移動体40が両端方向に移動し、その結果、エミッタ3も両端方向に移動することになる。また、エミッタ支持部4は、種々の材料を適用して構成することができ、特に限定されるものではないが、例えばステンレス(SUS材等)や銅等のように導電性の金属材料を用いたものが挙げられる。
【0035】
ベローズ42は、前述のように両端方向に伸縮自在なものであれば、種々の形態を適用することが可能であり、例えば薄板状金属材料等を適宜加工して成形されたものが挙げられる。具体例としては、図示するように、移動体40の外周側を包囲するように両端方向に延在する蛇腹状筒壁43を有した構成が挙げられる。
【0036】
また、図中のベローズ42の支持構成の場合、一端側が移動体40のフランジ部41に蝋付け等により取り付けられ、他端側がガード電極5の内側(図中では後述の段差部53)に蝋付け等により取り付けられて、真空室1と大気側(真空容器11外周側)とを区分し当該真空室1を気密に保持できる構成となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、ベローズ42の一端側がエミッタ支持部4に支持(例えば移動体40やフランジ部41に支持)され、他端側が真空容器11に支持(例えばガード電極5の内側や後述のフランジ部50に支持)され、前述のように両端方向に伸縮自在であって、真空室1と大気側(真空容器11外周側)とを区分し当該真空室1を気密に保持できる構成(真空容器11の一部を形成する構成)であれば、種々の形態を適用することが可能である。
【0037】
ガード電極5においては、前述のようにエミッタ3の電子発生部31の外周側に位置するように設けられたものであって、エミッタ支持部4の可動によって移動するエミッタ3の電子発生部31が接離し、当該ガード電極5とエミッタ3との間の距離が最短となった状態(近接または接触した状態;例えば図1に示す状態)の場合に、当該エミッタ3から放出される電子線L1の分散を抑制できるものであれば、種々の形態を適用することが可能である。
【0038】
ガード電極5の具体例としては、例えばステンレス等(SUS材等)の材料を用いてなり、エミッタ3の外周側で真空室1の両端方向に延在した筒状で、両端方向の一端側に形成されたフランジ部50を介して絶縁体2の開口21の端面21aに支持され、当該両端方向の他端側(すなわち後述のターゲット7側)がエミッタ3と接離する構成が挙げられる。
【0039】
このガード電極5のエミッタ3と接離する構成は、特に限定されるものではない。例えば図3に示すように両端方向の他端側に小径部51を形成した構成であっても良いが、図1図2に示したように、真空室1の横断方向内側に延出し当該真空室1の両端方向においてエミッタ3の電子発生部31の周縁部31aと交叉する縁部52が形成された構成も挙げられる。また、小径部51および縁部52の両方を形成した構成(図示省略)も挙げられる。
【0040】
このような接離構成のガード電極5を備えた場合、エミッタ支持部4の可動により、エミッタ3が当該ガード電極5の内側(筒状内壁側)において両端方向に移動し、エミッタ3の電子発生部31が小径部51あるいは縁部52に接離することになる。また、縁部52を備えた構成の場合には、当該ガード電極5にエミッタ3が近接または接触する場合に、電子発生部31の周縁部31aが、縁部52よって覆われて保護されることになる。
【0041】
図中のガード電極5の場合、一端側から他端側に近づくに連れて階段状に縮径された形状により、当該ガード電極5の内側に段差部53が形成されている。このような段差部53に前記ベローズ42の他端側を取り付けることにより、当該取付作業が容易となり、その取付構造も安定したものとなる。なお、図中のガード電極5の内側においては、段差部53の他に、後述の移動規制部6を構成する要素の一部である交叉部61が、当該ガード電極5の内側から横断方向内側に突出するように形成(突出部60と交叉するように形成)されている。
【0042】
また、図中のガード電極5のように一端側から他端側に近づくに連れて縮径された形状によれば、エミッタ3の電子発生部31が、小径部51あるいは縁部52に向かって案内されながら、ガード電極5の内側を移動することにもなる。また、図中のガード電極5のように、当該ガード電極5の内側にベローズ42を収容できる構成であれば、そのベローズ42に対する真空容器11の外周側からの衝撃等を抑制(ベローズ42を保護し損傷等を抑制)することが可能となる。さらに、X線装置10の小型化にも貢献できる。
【0043】
また、エミッタ3の電子発生部31の周縁部31aの見かけ上の曲率半径を大きくなるようにし、電子発生部31(特に周縁部31a)で起こり得る局部的な電界集中を抑制したり、その電子発生部31から他の部位に対する閃絡を抑制できる形状とすることが挙げられる。例えば、図示するガード電極5のように、両端方向の他端側に凸の曲面部51aを有した形状が挙げられる。
【0044】
なお、図中のガード電極5の場合、外周側にゲッター54が溶接等により取り付けられているが、そのゲッター54の取付位置や材質等は特に限定されるものではない。
【0045】
移動規制部6においては、前述のように移動体40の両端方向の移動のうち他端側への移動を規制でき、当該移動体40が移動規制状態となる位置を、エミッタの放電位置となる位置に設定できる構成であれば、種々の形態を適用することが可能である。
【0046】
図中の移動規制部6のように真空室1内側に形成した構成の具体例としては、移動体40の外周側に形成(図中ではエミッタ3とフランジ部41との間に形成)され当該外周側から横断方向外側に突出したフランジ状の突出部60と、ガード電極5の筒状内周側に形成(図中では縁部52と段差部53との間に形成)され当該筒状内周側から横断方向内側に突出した段差状の交叉部61と、を備えたものであって、交叉部61が、突出部60よりも真空室1の他端側の位置であって両端方向において当該突出部60と交叉している位置に形成された構成が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0047】
例えば、突出部60を、フランジ部41の外周側から横断方向外側に突出するように形成し、交叉部61を、フランジ部50の内側から横断方向内側に突出するように形成(突出部60よりも真空室1の他端側の位置に形成)して、移動規制部6を真空室1外側に構成(図示省略)した場合であっても、それら突出部60,交叉部61が互いに交叉して当接し移動体40が移動規制状態となり、その移動規制状態となる位置がエミッタ3の放電位置となる位置に設定できる構成であれば良い。
【0048】
また、突出部60と交叉部61とが当接する場合にエミッタ3が放電位置となるように構成するには、突出部60,交叉部61が形成される位置を適宜設定することが挙げられる。例えば、図中のような突出部60,交叉部61の場合、突出部60とエミッタ3の電子発生部31との間における両端方向の距離が、交叉部61と縁部52との間における両端方向の距離以下となるように、突出部60,交叉部61が形成される位置を適宜設定することが挙げられる。
【0049】
次に、ターゲットユニット70は、エミッタ3の電子発生部31に対向するターゲット7と、絶縁体2の開口22の端面22aに支持されるフランジ部70aと、を備えている。
【0050】
ターゲット7においては、エミッタ3の電子発生部31から放出された電子線L1が衝突し、図示するようにX線L2等を放出できるものであれば、種々の形態を適用することが可能である。図中のターゲット7においては、エミッタの電子発生部31に対向する部位に、電子線L1に対して所定角度で傾斜する交差方向に延在した傾斜面71が形成されている。この傾斜面71に電子線L1が衝突することにより、X線L2は、電子線L1の照射方向から折曲した方向(例えば図示するように真空室1の横断面方向)に、照射されることになる。
【0051】
グリッド電極8においては、前述のようにエミッタ3とターゲット7との間に介在し、当該グリッド電極8を通過する電子線L1を適宜制御できるものであれば、種々の形態のものを適用することが可能である。例えば図示するように、真空室1の横断方向に延在し電子線L1が通過する通過孔81aを有した電極部(例えばメッシュ状の電極部)81と、絶縁体2を貫通(真空室1横断方向に貫通)する引出端子82と、を備えた構成が挙げられる。
【0052】
以上示したように構成されたX線装置10によれば、エミッタ支持部4を適宜操作することにより、エミッタ3の電子発生部31とターゲット7との間の距離を変化させることができる。例えば図2に示したように当該電子発生部31が放電位置から無放電位置に移動し電界放射を抑制された状態であれば、ガード電極5,ターゲット7,グリッド電極8等において所望の改質処理が可能となる。また、例えば前述の大口径排気管を設けた従来装置と比較すると、小型化することが容易であり、製造工数の低減や製品コストの低減を図ることも可能となる。
【0053】
≪X線装置10のガード電極等の改質処理の一例≫
前述のX線装置10のガード電極5等を改質処理する場合、まず、エミッタ支持部4を操作して、図2に示すようにエミッタ3を開口21側に移動(無放電位置に移動)し、電子発生部31の電界放射を抑制した状態にする。この場合、エミッタ3の電子発生部31とガード電極5の縁部52(なお、図3の場合は小径部51)との両者は、互いに離反(エミッタ3を無放電位置(放電電界以下)に移動)した状態となる。この図2に示すような状態であれば、例えばガード電極5とグリッド電極8(引出端子82等)との間や、ターゲット7とグリッド電極8との間などに所望の改質時電圧を適宜印加することにより、ガード電極5等において放電が繰り返され、当該ガード電極5等が改質処理(例えばガード電極5の表面が溶解平滑化)されることになる。
【0054】
前述の改質処理の後は、再びエミッタ支持部4を操作し、図1に示すようにエミッタ3を開口22側に移動(放電位置に移動)し、電子発生部31の電界放射が可能な状態にする。この場合、エミッタ3の電子発生部31とガード電極5の縁部52との両者が近接または接触することにより、当該両者間の距離が最短となり、エミッタ3から放出される電子線L1の分散を抑制できる状態となる。また、移動規制部6において突出部60および交叉部61が互いに交叉して当接し、移動体40が移動規制状態となるため、エミッタ支持部4の可動(一端側方向の可動)が抑制された状態となり、エミッタ3においては放電位置を越えてターゲット側に移動しないように抑制された状態となる。さらに、電子発生部31と縁部52との両者が接触する場合であっても、移動規制部6により、当該接触圧力は低く抑えられることとなる。
【0055】
この図1に示すような状態(移動規制状態)で、エミッタ3の電子発生部31とガード電極5とが互いに同電位で、例えばエミッタ3とターゲット7との間に所望の電圧を印加することにより、エミッタ3の電子発生部31から電子が発生して電子線L1が放出され、その電子線L1がターゲット7に衝突することにより、そのターゲット7からX線L2が放出される。
【0056】
以上示したような改質処理により、X線装置10においてガード電極5からの閃絡現象(電子の発生)を抑制することができ、当該X線装置10の電子発生量を安定させることができる。また、電子線L1を集束形電子束とすることができ、X線L2の焦点も収束し易くなり、高い透視分解能を得ること可能となる。
【0057】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変更等が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変更等が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0058】
例えば、本発明の電界放射装置は、電子線のターゲットへの衝突等により熱を発生する場合には、冷却機能を用いて当該電界放射装置を冷却できる構成としても良い。冷却機能は、空冷,水冷,油冷等の種々の方式のものを適用することが挙げられる。当該油冷方式の冷却機能の場合には、例えば所定容器内の冷却用油中に電界放射装置を浸漬させた構成が挙げられ、また、当該浸漬状態において冷却用油の脱泡処理(真空ポンプ等を用いた処理)等を適宜行うことも挙げられる。
【0059】
真空容器の真空室を気密(高真空等)に保持するには、当該真空容器を構成する各要素(絶縁体,エミッタユニット,ターゲットユニット等)は一体蝋付けする手法が挙げられるが、当該真空室を気密(高真空等)に保持できるものであれば、種々の手法を適用することが可能である。
【0060】
エミッタ支持部においては、例えば真空室の真空圧力が作用することになるが、当該各支持部に係る操作を適宜実施することによりエミッタを真空室の両端方向に対し移動自在に支持でき、移動規制部によって移動体が移動規制状態になるものであれば、種々の態様を適用することが可能である。
【0061】
例えば、エミッタ支持部を操作して、エミッタが所望位置(放電位置等)に移動した場合に節度感(クリック感)が得られる構成であれば、当該エミッタ支持部の操作時に所望位置を把握することが容易になったり、当該エミッタ支持部の操作性が向上する等、種々貢献することが可能となる。
【0062】
また、前述のように所望位置に位置した状態のエミッタを適宜固定できる固定手段を備えた構成であれば、例えば意に反する外部からの力(前述の油冷方式の冷却機能を備えた構成の場合には、冷却用油の脱泡処理時に支持部に対して作用し得る真空ポンプの吸引力等)が作用したとしても、当該エミッタが所望位置から移動することを抑制でき、電界放射装置による電界放射やガード電極等の改質処理をそれぞれ適確に実現できるように貢献可能となる。この固定手段は、特に限定されるものではなく、種々の態様のものを適用することが可能であるが、前述のX線装置10を例にして説明すると、エミッタ支持部4の両端方向の移動を螺子止め等により固定することが可能なストッパーが挙げられる。
【符号の説明】
【0063】
1…真空室
10…X線装置
11…真空容器
2…絶縁体
3…エミッタ
31…電子発生部
31a…周縁部
4…エミッタ支持部
40…移動体
42…ベローズ
5…ガード電極
51…小径部
52…縁部
6…移動規制部
60…突出部
61…交叉部
7…ターゲット
8…グリッド電極
9…ターゲット支持部
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2017年7月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の絶縁体の両端側が封止されて当該絶縁体の内壁側に真空室が形成された真空容器と、
真空室の一端側に位置し、当該真空室の他端側に対向する電子発生部を有したエミッタと、
エミッタの電子発生部の外周側に位置しているガード電極と、
真空室の他端側に位置し、エミッタの電子発生部に対向して設けられたターゲットと、
両端方向に移動自在な移動体を有し、当該移動体を介してエミッタを真空室の両端方向に対し移動自在に支持する可動自在なエミッタ支持部と、
移動体の両端方向の移動のうち真空室の他端側への移動を規制する移動規制部と、を備え、
エミッタ支持部の可動により、エミッタの電子発生部とターゲットとの間の距離が変化し、
移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動が規制された状態で、エミッタの電子発生部が電界放射し、
移動規制部は、
移動体の外周側から真空室の横断方向外側に突出した突出部と、
突出部よりも真空室の他端側の位置であって両端方向において当該突出部と交叉している位置に設けられた交叉部と、を備え、
突出部と交叉部とが当接して、移動体の真空室の他端側への移動が規制されることを特徴とする電界放射装置。
【請求項2】
ガード電極は、真空室の両端方向に延在した筒状であり、一端が真空容器に支持され、
交叉部は、ガード電極の筒状内周側から真空室の横断方向内側に突出して形成されていることを特徴とする請求項記載の電界放射装置。
【請求項3】
移動規制部、ガード電極のターゲット側とエミッタの電子発生部との距離が最短であ状態において、移動体の真空室の他端側への移動を規制することを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項4】
移動規制部により移動体の真空室の他端側への移動が規制された状態で、ガード電極のターゲット側が、エミッタの電子発生部と接触することを特徴とする請求項記載の電界放射装置。
【請求項5】
ガード電極のターゲット側に、小径部が形成されていることを特徴とする請求項またはに記載の電界放射装置。
【請求項6】
ガード電極のターゲット側に、真空室の横断方向に延出して当該真空室の両端方向においてエミッタの電子発生部の周縁部と交叉する縁部が形成されていることを特徴とする請求項の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項7】
真空室の両端方向に伸縮自在なベローズを有し、そのベローズの一端側がエミッタ支持部に支持され、他端側が真空容器に支持されていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項8】
移動体は、エミッタの電子発生部の反対側において両端方向に延在した形状であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項9】
真空室のエミッタとターゲットとの間に、グリッド電極が設けられていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の電界放射装置。
【請求項10】
請求項1〜の何れかに記載の電界放射装置の改質処理方法であって、
エミッタ支持部の操作によりエミッタの電子発生部とガード電極との両者を互いに離反した状態で、ガード電極に電圧を印加して、真空室内の少なくともガード電極を改質処理することを特徴とする電界放射装置の改質処理方法。