特開2017-228476(P2017-228476A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特開2017-228476蓄電デバイス、蓄電モジュール、及び蓄電デバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228476(P2017-228476A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】蓄電デバイス、蓄電モジュール、及び蓄電デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/04 20060101AFI20171201BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20171201BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALI20171201BHJP
【FI】
   H01M10/04 Z
   H01M2/02 K
   H01M10/0585
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-125244(P2016-125244)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐太郎
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H028AA07
5H028BB01
5H028CC02
5H028CC11
5H029AJ11
5H029AK03
5H029AK07
5H029AK08
5H029AL03
5H029AL07
5H029AL08
5H029AM03
5H029AM05
5H029AM07
5H029BJ04
5H029BJ12
5H029CJ05
5H029DJ04
5H029EJ12
(57)【要約】
【課題】封止の信頼性が高い蓄電デバイスを提供する。
【解決手段】蓄電デバイス10は、折り返し部35で二つ折りにされ、折返し部を除く他の周縁部34で接合された外装フィルム31を有する外装体30と、外装体に収容された電極積層体20と、を備える蓄電デバイス10であって、外装体に収容された介在部材60をさらに備え、介在部材は、外装体の折り返し部に配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り返し部で二つ折りにされ、前記折り返し部を除く他の周縁部で接合された外装フィルムを有する外装体と、前記外装体に収容された電極積層体と、を備える蓄電デバイスであって、
前記外装体に収容された介在部材をさらに備え、
前記介在部材は、前記外装体の前記折り返し部に配置されている蓄電デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の蓄電デバイスであって、
前記介在部材は、断面視において、前記介在部材の外側に向かって湾曲する円弧部を含み、
前記介在部材は、前記円弧部において前記外装体と接触している蓄電デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載の蓄電デバイスであって、
前記介在部材は、円柱形状を有する蓄電デバイス。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の少なくとも2つの前記蓄電デバイスを備える蓄電モジュールであって、
一方の前記蓄電デバイス及び他方の前記蓄電デバイスは、互いに直列又は並列に接続されている蓄電モジュール。
【請求項5】
外装フィルム、電極積層体、及び介在部材を準備する第1の工程と、
前記外装フィルム上に前記電極積層体及び前記介在部材を配置する第2の工程と、
前記電極積層体及び前記介在部材を挟んだ状態で、前記外装フィルムを二つ折りにする第3の工程と、
前記外装フィルムの二つ折りにされた部分を除く他の周縁を接合する第4の工程と、を備え、
前記第2の工程は、前記外装フィルムが二つ折りにされた部分に接して前記介在部材を配置することを含む蓄電デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイス、複数の蓄電デバイスを備えた蓄電モジュール、及び蓄電デバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラミネートフィルムを用いたラミネート型の蓄電デバイスとして、一枚のシートを二つ折りにして3辺を熱溶着したフィルムケースを用いたものが知られている(たとえば、特許文献1(段落番号0022)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−198988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の蓄電デバイスを真空封止する場合、フィルムケースの内部が減圧されることにより、ラミネートフィルムを二つ折りにした部分に鋭角な屈曲が生じて強い応力がかかり、フィルムケースの耐久性が低下するなどして、封止の信頼性が損なわれるおそれがある、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、封止の信頼性が高い蓄電デバイス、それを備えた蓄電モジュール、及び蓄電デバイスの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係る蓄電デバイスは、折り返し部で二つ折りにされ、前記折り返し部を除く他の周縁部で接合された外装フィルムを有する外装体と、前記外装体に収容された電極積層体と、を備える蓄電デバイスであって、前記外装体に収容された介在部材をさらに備え、前記介在部材は、前記外装体の前記折り返し部に配置されている蓄電デバイスである。
【0007】
[2]上記発明において、前記介在部材は、断面視において、前記介在部材の外側に向かって湾曲する円弧部を含み、前記介在部材は、前記円弧部において前記外装体と接触していてもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記介在部材は、円柱形状を有してもよい。
【0009】
[4]本発明に係る蓄電モジュールは、少なくとも2つの上記蓄電デバイスを備え、一方の前記蓄電デバイス及び他方の前記蓄電デバイスは、互いに直列又は並列に接続されている蓄電モジュールである。
【0010】
[5]本発明に係る蓄電デバイスの製造方法は、外装フィルム、電極積層体、及び介在部材を準備する第1の工程と、前記外装フィルム上に前記電極積層体及び前記介在部材を配置する第2の工程と、前記電極積層体及び前記介在部材を挟んだ状態で、前記外装フィルムを二つ折りにする第3の工程と、前記外装フィルムの二つ折りにされた部分を除く他の周縁を接合する第4の工程と、を備え、前記第2の工程は、前記外装フィルムが二つ折りにされた部分に接して前記介在部材を配置することを含む蓄電デバイスの製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、折り返し部において外装フィルムの屈曲が緩やかとなり、外装フィルムにかかる応力が緩和される。これにより、外装体の耐久性が低下するのを抑え、高い封止の信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスを示す斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る電極積層体を示す斜視図である。
図3図3は、本発明の一実施の形態に係る外装フィルムが展開された外装体を上方から視た図である。
図4図4は、図1のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの内部を上方から視た図である。
図6図6は、本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの製造方法を示す工程図である。
図7図7(A)〜図7(C)は、本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの製造方法を説明するための断面図である。
図8図8は、本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの製造方法のうち封止工程を説明するための斜視図である。
図9図9は、比較例に係る蓄電デバイスを示す断面図である。
図10図10は、本発明の一実施の形態に係る蓄電モジュールの等価回路図である。
図11図11は、本発明の他の実施の形態に係る蓄電デバイスを示す断面図である。
図12図12は、本発明の他の実施の形態に係る蓄電デバイスを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスを示す斜視図、図2は本発明の一実施の形態に係る電極積層体を示す斜視図、図3は本発明の一実施の形態に係る外装フィルムが展開された外装体を上方から視た図、図4図1のIV-IV線に沿った断面図、図5は本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの内部を上方から視た図である。
【0015】
図1に示す蓄電デバイス10は、ラミネート型のリチウムイオンキャパシタであり、特に限定されないが、寸法が長さ80mm、幅60mm程度の小型セルに分類される蓄電デバイスである。この蓄電デバイス10は、図1及び図4に示すように、電極積層体20と、外装体30と、正極端子40と、負極端子50と、介在部材60と、を備えている。
【0016】
図2に示す電極積層体20は、矩形状の外形を有する、厚さ2〜3mm程度の扁平状とされた発電要素である。この電極積層体20は、複数の矩形状の正極板21と、複数の矩形状の負極板22と、正極板21及び負極板22の間に介在する複数の矩形状のセパレータ23と、矩形状のリチウム極24と、を備えている。正極板21と負極板22は、セパレータ23を介して交互に積層されている。
【0017】
正極板21の短辺からは、正極端子40に向けて延びる延長部211が延出している。延長部211は、複数の正極板21のそれぞれから延出している。複数の延長部211は、相互に重ねられた状態で溶接等により接合されている。なお、図4の延長部211においては、複数の延長部211を省略して一の延長部のみ図示している。
【0018】
負極板22からは、負極端子50に向けて延びる延長部221が延出している。延長部221は、延長部211が延出する正極端21の短辺と同じ側に位置する負極板22の短辺から延出している。延長部221は、複数の負極板22のそれぞれから延出している。複数の延長部221は、相互に重ねられた状態で溶接等により接合されている。
【0019】
セパレータ23には電解液が含浸されている。電解液は、通常液体であってセパレータ23に含浸されるが、漏液を防止するためにゲル状又は固体状にして用いてもよく、この場合には、セパレータ23を省略してもよい。
【0020】
電解液は、外装体30の内部に充填されている。この電解液としては、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液を用いる。リチウム塩としては、特に限定されないが例えば、LiPF、LiBF、LiFSI、LiTFSIを用いることができるが、低抵抗であることを考慮して、LiPFを用いることが好ましい。非プロトン性有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどのカーボネートを用いることができる。また、これら非プロトン性有機溶媒の二種以上を混合した混合液を用いてもよい。
【0021】
リチウム極24は、セパレータ23を介して最下段の負極板22に積層されている。リチウム極24からは、負極端子50に向けて延びる延長部241が延出している。延長部241は、延長部211が延出する正極板21の短辺と同じ側に位置するリチウム極24の短辺から延出している。延長部241は、延長部221に重ねられた状態で溶接等により接合されている。リチウム極24は、負極板22と電気的に接続されており、負極活物質にリチウムを担持させることが可能となっている。なお、リチウム極24の配置は、特に上述に限定されない。
【0022】
正極板21としては、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属箔に複数の貫通孔を設けた導電性多孔体の表面に、マンガン酸リチウム等のリチウム遷移金属化合物や、黒鉛や活性炭等の炭素材料からなる正極活物質層が形成されたものを用いる。また、負極板22としては、銅、ステンレス、ニッケル等の金属箔に複数の貫通孔を設けた導電性多孔体の表面に、マンガン酸リチウム等のリチウム遷移金属化合物や、黒鉛や活性炭等の炭素材料からなる負極活物質層が形成されたものを用いる。また、セパレータ23としては、セルロース、ポリエチレンなどから構成された、電解液、正極活物質、負極活物質等に対して耐久性があり、連通孔を有するが電子伝導性のない多孔体(不織布や微多孔膜)を用いる。リチウム極24としては、アルミニウム、銅等の金属箔に複数の貫通孔を設けた導電性多孔体の表面に、少なくともリチウムを含有し、リチウムイオンを供給することのできるリチウム供給源が形成されたものを用いる。
【0023】
外装体30は、屈曲可能な程度の可撓性を有する矩形状の外装フィルム31を有している。外装フィルム31は、図4の拡大図に示すように、外装体30の内側から外側に向かって第1の樹脂フィルム31B、金属箔31A、及び第2の樹脂フィルム31Cがこの順で積層されている。金属箔31Aは、アルミニウム等から構成されている。金属箔31Aの内面に積層された第1の樹脂フィルム31Bは、耐電解液性及び熱融着性に優れたポリプロピレン等の樹脂材料から構成されている。一方、金属箔31Aの外面に積層された第2の樹脂フィルム31Cは、電気絶縁性、耐応力性または耐候性等の少なくともいずれかの性能に優れた樹脂材料から構成されている。
【0024】
外装体30は、図1図3及び図4に示すように、矩形状の外装フィルム31を折り返し部35(後述)で二つ折りにして、折り返し部35を除く他の周縁部34を封止することで構成される矩形状の外装体である。外装体30は、電極積層体20の一方の主面を覆う上側部分32と、電極積層体20の他方の主面を覆う下側部分33と、を有している。
【0025】
上側部分32は、平面視において、シボリ加工等により形成された矩形状の凹部321を上側部分32の中央に有している。凹部321の周囲には、平面視において、凹部321の4辺のうち折り返し部35に対応する1辺を除く他の3辺から、当該凹部321の3辺に対して外装体30の外側に向けて直交する方向に向かって拡がるフランジ部322が形成されている。
【0026】
下側部分33は、平面視において、シボリ加工等により形成された矩形状の凹部331を下側部分33の中央に有している。凹部331の周囲には、平面視において、凹部331の4辺のうち折り返し部35に対応する1辺を除く他の3辺から、当該凹部331の3辺に対して外装体30の外側に向けて直交する方向に向かって拡がるフランジ部332が形成されている。
【0027】
図4に示すように、凹部321と凹部331とは、電極積層体20の積層方向に対して上下に重なり合っており、これにより、電極積層体20及び介在部材60を収容可能な空間が形成されている。本実施形態では、二つ折りにされた外装フィルム31の間に電極積層体20及び介在部材60が配されて、凹部321及び凹部331により形成された空間に電極積層体20及び介在部材60が収容されている。
【0028】
外装体30の周縁部34は、図1及び図3に示すように、上側部分32と下側部分33とが、電極積層体20の積層方向に対して互いに上下に重なり合う様に、外装フィルム31が二つ折りにされることで形成された折り返し部35と、折り返し部35を除く他の周縁部で二つ折りにされた外装フィルム31同士、すなわち、上側部分32のフランジ部322と下側部分33のフランジ部332とを相互に接合することで形成された封止部36とを含んでいる。
【0029】
折り返し部35は、図3に示すように、展開した状態の外装フィルム31の長辺の中心部分に対応している。折り返し部35では、図4に示すように、外装フィルム31における上側部分32および下側部分33のうち、いずれか一方が他方の対しておおよそ180°屈曲している。
【0030】
封止部36は、図1図3、及び図4に示すように、フランジ部322とフランジ部332とが上下に重なり合った状態で、熱溶着等により接合されることで形成されている。封止部36は、二つ折りにされた外装フィルム31同士の間の開口を封止している。これにより、外装体30の内部が密閉されている。
【0031】
封止部36は、折り返し部35と対向する短辺封止部361と、一対の長辺封止部362,363とを含んでいる。折り返し部35と短辺封止部361とが、外装体30の一対の短辺に対応している。一対の長辺封止部362,363が、外装体30の一対の長辺に対応している。短辺封止部361には、正極端子40と負極端子50が配置されている。
【0032】
正極端子40は、外装体30の内側から外側に延びる板状の部材である。正極端子40の一端は、短辺封止部361から外装体30の外部に露出している。正極端子40の他端は、外装体30の内部に位置しており、正極板21の延長部211が溶接等により接合されている。正極端子40と短辺封止部361との間には、封止樹脂41が介在している。
【0033】
負極端子50は、外装体30の内側から外側に延びる板状の部材である。負極端子50は、正極端子40と離間して配されている。負極端子50の一端は、短辺封止部361から外装体30の外部に露出している。負極端子50の他端は、外装体30の外部に位置しており、負極板22の延長部221及びリチウム極24の延長部241が溶接等により接合されている。負極端子50と短辺封止部361との間には、封止樹脂51が介在している。
【0034】
正極端子40は、アルミニウムを主成分とする金属、すなわちアルミニウム又はアルミニウム合金からなる基材から構成されている。なお、基材の表面にニッケル又は錫等のめっき処理層や、クラッド処理されたニッケル層等が形成されていてもよい。負極端子50は、銅を主成分とする金属、すなわち銅又は銅合金からなる基材から構成されている。なお、基材の酸化を防止するために、負極端子50の表面にニッケル又は錫等のめっき処理層や、クラッド処理されたニッケル層等が形成されていてもよい。正極端子40及び負極端子50の外形形状や厚さは、蓄電デバイス10の仕様に応じて適宜選択することができる。
【0035】
なお、正極端子40及び負極端子50は、封止部36から外装体30の内部から外部に向けて延出するのであれば、短辺封止部361に限らず、長辺封止部362,363から延出していてもよい。
【0036】
介在部材60は、折り返し部35における屈曲の程度を緩やかにするために設けられている。介在部材60は、外装体30の短手方向に延在する半円柱形状を有する単一の棒状部材である。介在部材60は、図4及び図5に示すように、二つ折りにされた外装フィルム31の間に介在しており、二つ折りにされた外装フィルム31の間に挟まれた状態で、折り返し部35に配置されている。介在部材60は、上側部分32と下側部分33の両方と接している。
【0037】
介在部材60は、外装体30に固定されることなく外装体30に収容されているが、本実施形態では、蓄電デバイス10が真空封止されることで、外装フィルム31と介在部材60とが密接して、介在部材60が外装体30に固定された状態となる。この場合、介在部材60と電極積層体20とは相互に接触しており、介在部材60が電極積層体20に押されることで、介在部材60が外装体30に固定される。なお、介在部材60は、外装体30に接着手段等を用いて固定されていてもよい。また、介在部材60は、外装体30に収容された状態で、電極積層体20と離間して配されていてもよい。
【0038】
図4に示すように、介在部材60の延在方向に対する断面視(以下、単に断面視と称する。)において、介在部材60は半円形状を有している。すなわち、介在部材60の延在方向に対して直交する方向に沿って示す断面形状が半円形状を有している。介在部材60は、断面視において、介在部材60の外側に向かって湾曲する円弧部61を含んでいる。円弧部61は、折り返し部35に対向している。介在部材60は、円弧部61において、外装体30と接触している。折り返し部35では、円弧部61に沿って外装フィルム31が屈曲することで、外装フィルム31の鋭角な屈曲が抑えられ、屈曲による応力が緩和される。介在部材60は、断面視において、電極積層体20の厚さ方向に延在する直状部62を含んでいる。直状部62は、電極積層体20の側部に対向している。
【0039】
介在部材60による外装フィルム31の鋭角な屈曲を抑制する観点から、介在部材60の高さ(電極積層体20の厚さ方向の長さ)は、電極積層体20の厚さの0.5倍以上であることが好ましい。また、蓄電デバイス10の小型化を図る観点から、介在部材60の高さは、電極積層体20の厚さ以下であることが好ましい。外装フィルムの鋭角な屈曲を抑制すると共に、蓄電デバイス10の小型化を図る観点から、介在部材60の高さは、電極積層体20の厚さと実質的に一致していることが好ましい。
【0040】
介在部材60の両端63,64は、図5に示すように、半円形状の略平坦な面とされている。ここで、長辺封止部362,363は、介在部材60の側方まで形成されている。介在部材60の一端63は、長辺封止部362に干渉することなく、長辺封止部362の近傍に配されている。介在部材60の他端64は、長辺封止部363に干渉することなく、長辺封止部363の近傍に配されている。
【0041】
介在部材60の一端63は、図5に示すように、外装フィルム31を展開して、蓄電デバイス10の内部を上方から視た場合に、電極積層体20の一方の側部よりも長辺封止部362の側に食み出している。介在部材60の他端64は、外装フィルム31を展開して、蓄電デバイス10の内部を上方から視た場合に、電極積層体20の他方の側部よりも長辺封止部363の側に食み出している。結果として、介在部材60の延在方向の長さ(電極積層体20の短手方向の長さ)は、一対の長辺封止部362,362の間の長さよりも小さく、電極積層体20の幅よりも大きくなっている。
【0042】
介在部材60を構成する材料としては、電解液等に対して耐久性がある材料を用いる。具体的には、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド等の樹脂材料や、アルミニウム、銅等の金属材料を用いることができる。電極積層体20における短絡の発生を予防する観点から、介在部材60を構成する材料は、電気絶縁性を有していることが好ましい。この場合、上記の樹脂材料を用いることができ、特に、ポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0043】
なお、上述では、介在部材60は、長辺封止部362,363の間に亘って延びる単一の棒状部材として構成されているが、特にこれに限定されず、介在部材60は、折り返し部35に配置されていれば、複数の部材により構成されていてもよい。この場合、介在部材は、複数の部材を折り返し部35に沿って並べて配置することで構成される。この場合、隣り合う部材同士の間隔は、極力小さくすることが好ましい。また、介在部材60の形状については棒状部材に限らず、例えば、球状等種々の形状の部材を採用することができる。
【0044】
次に、本実施形態の蓄電デバイス10の製造方法について、図6図7(A)〜図7(C)、図8を参照しながら、詳細に説明する。
【0045】
図6は本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの製造方法を示す工程図、図7(A)〜図7(C)は本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの製造方法を説明するための断面図、図8は本発明の一実施の形態に係る蓄電デバイスの製造方法のうち封止工程を説明するための斜視図である。
【0046】
本実施形態の蓄電デバイス10の製造方法は、図6に示すように、準備工程S1と、配置工程S2と、折り返し工程S3と、封止工程S4と、を備えている。
【0047】
準備工程S1では、外装フィルム31と、電極積層体20と、介在部材60とを準備する。ここで、電極積層体20は、以下のように製造される。まず、正極板21、負極板22、及びセパレータ23を所定の形状に切断する。そして、セパレータ23、負極板22、セパレータ23、正極板21、セパレータ23の順にこれらを積層する。そして、複数の正極板21の延長部211同士を集合させ、延長部211を正極端子40に溶接等により接合する。また、複数の負極板22の延長部221同士を集合させ、延長部221を負極端子50に溶接等により接合する。
【0048】
次に、配置工程S2では、図7(A)に示すように、外装フィルム31上に電極積層体20と介在部材60とを配置する。この配置工程S2では、介在部材60を外装フィルム31が二つ折りにされる部分に接して配置する。本実施形態では、外装フィルム31の長辺の中央部分を二つ折りにする。この場合、介在部材60は、外装フィルム31の長辺の中央部分と円弧部61の頂点部分とが一致するように、外装フィルム31の長辺の略中央に沿わされて配置される。電極積層体20は、介在部材60に並べて配置する。電極積層体20と介在部材60とは、接触していてもよいし、離間していてもよい。なお、電極積層体20を外装フィルム31上に配置する際、正極端子40及び負極端子50は、外装フィルム31の短辺から導出させる。
【0049】
次に、折り返し工程S3では、図7(B)に示すように、外装フィルム31を、外装フィルム31の長辺の中央部分で二つ折りにする。電極積層体20と介在部材60とは、二つ折りにされた外装フィルム31の間(具体的には、外装フィルム31における上側部分32と下側部分33との間)に挟まれた状態となる。外装フィルム31を二つ折りにする際、外装フィルム31は、介在部材60の円弧部61に沿って屈曲した状態となる。
【0050】
次に、封止工程S4では、図7(C)に示すように、二つ折りにされた外装フィルム31同士の間の開口を封止する。この封止工程S4では、まず、図8に示すように、外装フィルム31を二つ折りにした部分と、正極端子40及び負極端子50が導出される外装フィルム31の短辺を除く外装フィルム31の2辺の長辺を熱融着等により接合して、外装フィルム31を袋状にする。なお、図8においては、2辺の長辺の接合された部分を実線のハッチングにより表示した。
【0051】
そして、二つ折りにされて袋状に形成された外装フィルム31のうち、外装フィルム31の短辺同士が離間して形成された開口から電解液を注入する。電解液の注入は、真空中で行ってもよいし、大気中で行ってもよい。電解液の充填が完了したら、正極端子40及び負極端子50が導出される外装フィルム31の短辺を熱融着等により接合する。この場合、外装フィルム31の短辺は、真空環境下で接合して開口を封止する、いわゆる真空封止を行う。以上により、蓄電デバイス10を得ることができる。なお、電解液充填時における上記の外装フィルム31の構成については、特に上述に限定されず、外装フィルム31の上側部分32と下側部分33において互いに対向した短辺同士および互いに対向した2つの長辺のうち1つの長辺同士を接合して、残りの1つの長辺同士を離間して開口させた構成としてもよい。
【0052】
本実施形態の蓄電デバイス10は、以下の効果を奏する。
【0053】
図9は、比較例に係る蓄電デバイス100の断面図である。この比較例に係る蓄電デバイス100は、二つ折りにされ、二つ折りにされた1辺を除く他の3辺が接合された外装フィルム310を有する矩形状の外装体300に電極積層体200が収容されている。
【0054】
蓄電デバイス100は、外装体300の2辺の長辺を封止して外装フィルム310を袋状にし、封止していない1辺から外装体300の内部に電解液を注入した後、残余の1辺を封止することで製造される。この場合、外装体300の残余の1辺の封止としては、真空封止を行う。
【0055】
蓄電デバイス100を真空封止すると、外装体300の内圧が外装体300の外部の圧力(すなわち、大気圧)に比べて低圧となる。このため、外装体300に大気圧が作用すると、外装フィルム310を折り返した部分が電極積層体200の外形に沿うように変形して撓みが生じる。そして、大気圧が作用して、外装フィルム310の撓んだ部分が潰れて、鋭角な屈曲が生じてしまう。このため、外装フィルム310を折り返した部分に強い応力がかかり、外装フィルム310に亀裂が生じて外装体300の耐久性が低下するなどして、電解液の漏れや外装体300内部への外気の流入が生じるおそれがある。このように、従来の蓄電デバイス100では、外装体300の耐久性の低下により蓄電デバイス10の耐久性が低下して、封止の信頼性が損なわれるおそれがある。
【0056】
これに対し、本実施形態では、介在部材60を外装体30の折り返し部35に配置している。この場合、介在部材60が折り返し部35と電極積層体20との間の隙間を埋めているので、蓄電デバイス10に大気圧が作用しても外装フィルム31が変形し難く撓みが生じ難い。また、外装フィルム31は、外装体30の内側から介在部材60により支持されている。このため、折り返し部35において外装フィルム31に鋭角な屈曲が生じ難い。これにより、折り返し部35において外装フィルム31の屈曲が緩やかとなり、外装フィルム31にかかる応力が緩和される。この結果、外装体30の耐久性が低下するのを抑えられ、蓄電デバイス10の耐久性が低下するのを抑制することができる。延いては、蓄電デバイス10において、高い封止の信頼性を得ることができる。
【0057】
また、本実施形態では、介在部材60は、断面視において、介在部材60の外側に向かって湾曲する円弧部61を含んでいる。そして、介在部材60は、円弧部61において外装体30と接触している。このため、折り返し部35では、円弧部61に沿って外装フィルム31が屈曲するので、外装フィルム31の鋭角な屈曲が抑えられ、屈曲による応力が緩和される。これにより、外装体30の耐久性が低下するのを抑えられ、蓄電デバイス10の耐久性が低下するのを抑制することができる。延いては、蓄電デバイス10において、高い封止の信頼性を得ることができる。
【0058】
また、本実施形態では、介在部材60は、半円柱形状を有している。このため、円弧部61では、折り返し部35での屈曲による応力の緩和を他の形状と比べ、より一層図る一方、折り返し部35での屈曲による応力の緩和に寄与しない部分を電極積層体20の側部に沿う直状に形成することで、外装体30の内部の介在部材60と電極積層体20との間に余分な空間が生じるのを抑えることができる。これにより、蓄電デバイス10の小型化を図ることができる。
【0059】
本実施形態における「蓄電デバイス10」が本発明における「蓄電デバイス」の一例に相当し、本実施形態における「電極積層体20」が本発明における「電極積層体」の一例に相当し、本実施形態における「外装体30」が本発明における「外装体」の一例に相当し、本実施形態における「外装フィルム31」が本発明における「外装フィルム」の一例に相当し、本実施形態における「折り返し部35」が本発明における「折り返し部」の一例に相当し、本実施形態における「封止部36」が本発明における「折り返し部を除く他の周縁部」の一例に相当し、本実施形態における「介在部材60」が本発明における「介在部材」の一例に相当し、本実施形態における「円弧部61」が本発明における「円弧部」の一例に相当する。
【0060】
また、本実施形態における「準備工程S1」が本発明における「第1の工程」の一例に相当し、本実施形態における「配置工程S2」が本発明における「第2の工程」の一例に相当し、本実施形態における「折り返し工程S3」が本発明における「第3の工程」の一例に相当し、本実施形態における「封止工程S4」が本発明における「第4の工程」の一例に相当する。
【0061】
以上に説明した蓄電デバイス10の外形形状(大きさや厚さ)、容量、出力電圧等の仕様は、用途に応じて適宜設定される。また、複数の蓄電デバイス10を電気的に直列接続することで出力電圧を調整することができ、複数の蓄電デバイス10を電気的に並列接続することで、蓄電容量を調整することができる。
【0062】
複数の蓄電デバイス10から構成される蓄電モジュール1の一例について、図10を参照しながら説明する。図10は本発明の一実施の形態に係る蓄電モジュールの等価回路図である。
【0063】
本実施形態における蓄電モジュール1は、図10に示すように、相互に積層された複数の蓄電デバイス10を備えている。これらの蓄電デバイス10は、下段の蓄電デバイス10の正極端子40が上段の蓄電デバイス10の負極端子50に対向するように積層されている。複数の蓄電デバイス10は、蓄電モジュール1の四隅に形成された貫通孔にボルト(不図示)を挿通して締結することで、固定されている。
【0064】
また、下段の蓄電デバイス10の正極端子40と、上段の蓄電デバイス10の負極端子50とが直接接続されている。そして、複数の蓄電デバイス10のうち最上段の蓄電デバイス10の正極端子40が、蓄電モジュール1の正極入出力端子5を構成している。一方、複数の蓄電デバイス10のうち最下段の蓄電デバイス10の負極端子50が、蓄電モジュール1の負極入出力端子6を構成している。
【0065】
この蓄電モジュール1においても、外装体30の折り返し部35に介在部材60が配置されていることで、折り返し部35において外装フィルム31の屈曲が緩やかとなり、外装フィルム31にかかる応力が緩和される。これにより、外装体30の耐久性が低下するのを抑え、高い封止の信頼性を得ることができる。
【0066】
特に図示しないが、複数の蓄電デバイス10を電気的に並列接続する場合、相互に積層された複数の蓄電デバイス10の正極端子40同士が直接接続されている。また、相互に積層された複数の蓄電デバイス10の負極端子50同士が直接接続されている。相互に直接接続された複数の正極端子40が、蓄電モジュール1の正極入出力端子5を構成している。一方、相互に直接接続された複数の負極端子50が、蓄電モジュール1の負極入出力端子6を構成している。
【0067】
本実施形態における「蓄電モジュール1」が本発明における「蓄電モジュール」の一例に相当する。
【0068】
なお、上述の実施形態では、介在部材60は、半円柱形状を有しているが、介在部材60の形状は、特にこれに限定されない。
【0069】
図11は本発明の他の実施の形態に係る蓄電デバイスを示す断面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
【0070】
この実施形態では、介在部材60Bは、断面視において、真円の断面の円柱形状を有している。換言すると、介在部材60Bは、断面視において、当該介在部材60Bの全周に亘り円弧部61Bを含んでいる。この実施形態では、図4の構造等と比べて、介在部材60Bの加工が容易となるので、蓄電デバイス10Bの製造コストを低減することができる。また、介在部材60Bを外装体30に収容する際に、介在部材60Bの向きを考慮する必要がないため、蓄電デバイス10Bの製造が容易となる。
【0071】
また、この実施形態では、外装体30と円弧部61Bとの当接位置を精度よく保ちながら蓄電デバイス10Bを作製しやすい。このため、外装体30と円弧部61Bとの当接位置精度がより一層向上した蓄電デバイス10Bが得られる。したがって、折り返し部35での屈曲による応力をより一層緩和可能な蓄電デバイス10Bが得られる。
【0072】
図12は本発明の他の実施の形態に係る蓄電デバイスを示す断面図である。なお、上述の実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略して、上述の実施形態においてした説明を援用する。
【0073】
この実施形態では、介在部材60Cは二等辺三角形の断面の角柱形状を有している。介在部材60Cは、断面視において、折り返し部35に対向する鈍角の角部65を含んでいる。角部65は、図12中右側を向いている。ここで、角部65の角度は、例えば、角部65が外装フィルム31を突き破ることを抑制する効果および外装フィルム31にかかる応力を緩和する効果をバランスよく得る観点から、10°以上180°未満であれば好ましく、90°以上180°未満であることがより好ましく、120°以上180°未満であることがさらに好ましい。また、角部65は、R形状を有することが好ましい。
【0074】
この実施形態では、外装フィルム31が介在部材60Cに沿って鈍角に屈曲するので、外装フィルム31にかかる応力が緩和される。これにより、外装体30の耐久性が低下するのを抑え、高い封止の信頼性を得ることができる。
【0075】
なお、図9に示す介在部材60Cに限定されず例えば、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形の断面の角柱形状であってもよい。
【0076】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上述の実施形態では、リチウムイオンキャパシタを例に挙げて本発明を説明したが、本発明は、リチウムイオン電池や電気二重層コンデンサ等の他の蓄電デバイス及び蓄電モジュールにも適用できる。
【符号の説明】
【0077】
1…蓄電モジュール
10,10B,10C…蓄電デバイス
20…電極積層体
21…正極板
211…延長部
22…負極板
221…延長部
23…セパレータ
24…リチウム極
241…延長部
30…外装体
31…外装フィルム
31A…金属箔
31B…第1の樹脂フィルム
31C…第2の樹脂フィルム
32…上側部分
321…凹部
322…フランジ部
33…下側部分
331…凹部
332…フランジ部
34…周縁部
35…折り返し部
36…封止部
361…短辺封止部
362,363…長辺封止部
40…正極端子
41…封止樹脂
50…負極端子
51…封止樹脂
60,60B,60C…介在部材
61,61B…円弧部
62…直状部
63,64…端部
65…角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12