【解決手段】制御装置40は、温度検出部34の検出結果が第1の温度閾値以下の場合に、燃料電池12のアノードに燃料の供給を開始するように燃料ポンプ16を制御すると共に、燃料電池のカソードに酸化剤の供給を開始するようにブロワを制御する第1の制御を行い、前記第1の制御が開始された後または同時に、ラジエータ30に向けて送風するようにラジエータ冷却ファン32を制御し、温度検出部の検出結果が第1の温度閾値に対して相対的に大きい第2の温度閾値以上の場合に、燃料電池のアノードへの燃料の供給を停止するように燃料ポンプを制御すると共に、燃料電池のカソードへの酸化剤の供給を停止するようにブロワを制御する第2の制御を行う。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施形態に係る燃料電池システム10の概略構成を示す図である。この図に示すように、燃料電池システム10は、燃料電池12と、燃料タンク14と、燃料ポンプ16と、ブロワ18と、凝縮器20と、水タンク22と、水ポンプ23と、外部燃料タンク24と、外部燃料ポンプ26と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32と、温度検出部34と、制御装置40とを備えている。この燃料電池システム10において、燃料電池12と、燃料タンク14と、燃料ポンプ16と、ブロワ18と、凝縮器20と、水タンク22と、水ポンプ23と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32と、温度検出部34と、制御装置40とは装置筐体11に収容され、外部燃料タンク24と、外部燃料ポンプ26とは装置筐体11の外部に設置されている。以下の説明において、
図1で示した燃料電池システム10が備える各構成をシステム機器とも称する。
図1において、配管(流路)は実線で表示し、信号線は破線で表示した。
【0018】
燃料電池12は、ダイレクトメタノール型の燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)である発電セル121が積層された発電装置であり、家庭・産業用の電源等として用いられる。この燃料電池12は、積層された複数の発電セル121と、複数の発電セル121をその積層方向に挟む一対の集電体122と、発電セル121および一対の集電体122を発電セル121の積層方向に挟む一対のエンドプレート123とを備えている。
【0019】
燃料電池12は、燃料供給口12Aと、空気供給口12Bと、燃料排出口12Cと、空気排出口12Dとを備えている。燃料供給口12Aは、燃料ポンプ16を介して燃料タンク14に連通されている。また、空気供給口12Bは、ブロワ18を介してシステム外部に連通されている。また、燃料排出口12Cは、燃料タンク14に連通されている。さらに、空気排出口12Dは、凝縮器20を介して水タンク22に連通されている。
【0020】
燃料タンク14には、数重量%に希釈化されたメタノール水溶液(MeOH)から成る燃料が貯蔵されている。システムが起動されると、燃料ポンプ16により、燃料が燃料タンク14から燃料供給口12Aを通してアノード(燃料極)に供給され、ブロワ18により、外部の空気が空気供給口12Bを通してカソード(空気極)に供給される。燃料ポンプ16の作動及び停止は、制御装置40からの制御信号に基づいて制御される。ブロワ18の作動及び停止は、制御装置40からの制御信号に基づいて制御される。
【0021】
アノードでは、下記(2)式で示すように、触媒による酸化反応により二酸化炭素、水素イオン、及び電子が生成される。アノードで生成された電子が外部の回路を通ることで、ユーザ側の電子機器等の外部負荷に電力が供給される。一方、アノードで生成された水素イオンは、高分子電解質膜を経過してカソードに移動する。カソードでは、下記(3)式で示すように、触媒による酸素の還元反応により水が生成される。
CH
3OH+H
2O→CO
2+6H
++6e
− ・・・(2)
3/2O
2+6H
++6e
−→3H
2O ・・・(3)
【0022】
燃料電池12のアノードで生じた未反応のメタノール及び二酸化炭素は、燃料排出口12Cから排出されて燃料タンク14に戻される。燃料タンク14に戻されたメタノールは、燃料タンク14に留まり、一方、燃料タンク14に戻された二酸化炭素は、システム外部に放出される。燃料電池12のカソードで生じたカソード生成物に含まれる水蒸気は、空気排出口12Dから排出され、凝縮器20において液化される。凝縮器20で生じた水は、水タンク22に供給される。
【0023】
凝縮器20は、燃料電池12のカソード(空気排出口12D)から排出されたカソード生成物と熱交換する熱交換器である。凝縮器20は、冷媒である冷却水を循環させる循環路21を含んでいる。
【0024】
ラジエータ30は、凝縮器20の放熱を行う機能を有する。このラジエータ30は、凝縮器20の循環路21上に設けられており、循環路21を介して、凝縮器20に対して低温の冷却水を供給することができる。また、ラジエータ30は、循環路21を介して、凝縮器20においてカソード生成物と熱交換した高温の冷却水を受け取ることができる。
【0025】
ラジエータ30による凝縮器20の放熱は、ラジエータ30と凝縮器20の間を冷却水が循環することで以下のように行われる。すなわち、ラジエータ30から凝縮器20に対して低温の冷却水が供給されると、低温の冷却水は、凝縮器20において、カソード生成物と熱交換する。このとき、低温の冷却水は、凝縮器20において、カソード生成物から熱を奪って高温の冷却水となる。この高温の冷却水は、循環路21を介してラジエータ30に戻される。ラジエータ30に戻された高温の冷却水は、ラジエータ30においてラジエータ冷却ファン32からの送風を受けて放熱される。これにより、低温の冷却水が生成される。生成された低温の冷却水は、再度凝縮器20に送られる。
【0026】
なお、凝縮器20やラジエータ30の能力にもよるが、低温の冷却水の温度は、例えば、30℃〜40℃の範囲内で設定することができる。また、高温の冷却水の温度は、例えば、50℃〜60℃の範囲内で設定することができる。
【0027】
なお、ラジエータ30は、装置筐体11の吸排気口11Aに面して配されている。また、ラジエータ30は、後述するラジエータ冷却ファン32に対して吸排気口11Aと反対側において、燃料電池12に面して配されている。また、燃料電池12と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32とは、平面視において同一直線上に配置されている。また、装置筐体11において、ラジエータ冷却ファン32に対して吸排気口11Aと反対側には、吸排気口11Bが設けられている。なお、吸排気口11Aには、メッシュ11Cが設けられている。また、吸排気口11Bには、防塵用フィルタ11Dが設けられている。
【0028】
ラジエータ冷却ファン32は、ラジエータ30と装置筐体11の吸排気口11Aとの間に、ラジエータ30のコア面及び吸排気口11Aに面して配置されている。本実施形態のラジエータ冷却ファン32は、プロペラ型の軸流ファンである。ラジエータ冷却ファン32の種類は、特に上述に限定されない。
【0029】
本実施形態のラジエータ冷却ファン32は、正逆回転可能な送風機であり、ラジエータ30に向けた第1の送風W1と、第1の送風W1の送風方向とは逆方向に向けて送風する第2の送風W2とを切り替えることができる。ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1は、装置筐体11の外部から内部に向けた送風である。第1の送風W1により、外部の空気が吸排気口11Aを通じて装置筐体11の内部に取り込まれ、吸排気口11Bから装置筐体11の外部に排出される。第1の送風W1により、装置筐体11内の空気が撹拌される。ラジエータ冷却ファン32による第2の送風W2は、装置筐体11の内部から外部に向けた送風である。第2の送風W2により、外部の空気が吸排気口11Bから装置筐体11の内部に取り込まれ、吸排気口11Aを通じて装置筐体11の外部に排出される。これにより、ラジエータ30が冷却される。
【0030】
詳細は後述するが、燃料電池システム10の運転モードが発電モードに設定されている場合、ラジエータ冷却ファン32は、第2の送風W2を行う。一方、燃料電池システム10の運転モードが凍結防止モードに設定されている場合、ラジエータ冷却ファン32は、第1の送風W1を行う。ラジエータ冷却ファン32の送風方向の切り替えは、制御装置40により行う。
【0031】
ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1の供給量は、ラジエータ冷却ファン32のオン・オフのデューティー比Dに基づいて調整できる。デューティー比Dは、下記(4)式で表される。
D=Ton/(Ton+Toff) … (4)
但し、上記(4)式において、Tonは、第1の送風W1においてラジエータ冷却ファン32がオンする時間であり、Toffは、第1の送風W1においてラジエータ冷却ファン32がオフする時間である。
【0032】
なお、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1の供給量は、駆動モータの回転数を制御することで、調整してもよい。
【0033】
水タンク22は、水を収容しており、水ポンプ23を介して燃料タンク14に連通されている。水タンク22は、燃料タンク14に並設されており、燃料タンク14と直接接触している。外部燃料タンク24は、高濃度のメタノール水溶液を収容しており、外部燃料ポンプ26を介して燃料タンク14に連通されている。外部燃料タンク24内の高濃度のメタノール水溶液が、外部燃料ポンプ26により燃料タンク14に供給されると共に、水タンク22内の水が、水ポンプ23により燃料タンク14に供給されることにより、数重量%の濃度に希釈化されたメタノール水溶液が、燃料タンク14に収容される。
【0034】
温度検出部34は、装置筐体11の内部の温度を検出する機能を有する。温度検出部34による検出結果は、制御装置40に検出信号として送出される。この温度検出部34は、
図1及び
図2に示すように、第1の温度センサ341と、第2の温度センサ342と、第3の温度センサ343と、を含んでいる。
【0035】
第1の温度センサ341は、燃料電池12に設けられている。第1の温度センサ341は、燃料電池12の温度を検出する機能を有する。第1の温度センサ341による検出結果は、制御装置40に検出信号として送出される。このような第1の温度センサ341としては、たとえば、サーミスタや熱電対等を用いることができる。
【0036】
第2の温度センサ342は、燃料タンク14に設けられている。第2の温度センサ342は、燃料タンク14内に貯蔵される燃料の温度を検出する機能を有する。第2の温度センサ342の検出結果は制御装置40に制御信号として送出される。このような第2の温度センサ342としては、たとえば、第1の温度センサ341と同様のセンサを用いることができる。
【0037】
第3の温度センサ343は、水タンク22に設けられている。第3の温度センサ343は、水タンク22内に貯蔵される水の温度を検出する機能を有する。第3の温度センサ343の検出結果は制御装置40に制御信号として送出される。このような第3の温度センサ343としては、たとえば、第1の温度センサ341と同様のセンサを用いることができる。
【0038】
各種センサ類からの制御信号は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェース等を含んで構成されるマイクロコンピュータからなる制御装置40に入力される。制御装置40は、センサ類からの制御信号に基づいて各種ポンプやブロワの動作、及び、ラジエータ冷却ファン32の動作を制御している。
【0039】
制御装置40は、燃料電池システム10の運転モードとして、発電モードと待機モードを設定できる。発電モードは、燃料電池システム10が負荷(不図示)に対して電力を供給するモードである。燃料電池システム10の運転モードが発電モードに設定されている場合、制御装置40は、燃料ポンプ16及びブロワ18を作動させ、燃料電池12に燃料及び酸化剤を供給する。これにより、燃料電池12が発電し、負荷に電力が供給される。待機モードは、燃料電池システム10の電源はONとなっているが、燃料電池システム10が負荷に対して電力の供給を停止しているモードである。燃料電池システム10の運転モードが待機モードに設定されている場合、制御装置40は、燃料ポンプ16及びブロワ18を停止させる。燃料電池システム10が接続される負荷に対しては、例えば、燃料電池システム10の外部の商用電源等から電力が供給される。
【0040】
ここで、燃料電池システム10を屋外に設置する場合、燃料電池システム10は、外気温の影響を受けやすい。特に、寒冷地の屋外に燃料電池システム10を設置する場合、外気温が氷点下となって装置筐体11内のシステム機器が凍結し、燃料電池システム10の不良の原因となる。たとえば、燃料電池システム10内の水循環系(水タンク22、水ポンプ23、及びこれらに接続される配管)内の水が凍結すると、水の体積膨張によって水循環系の破壊が生じるおそれがある。また、凍結状態のまま水ポンプ23などの電動機器を作動させると、当該電動機器に過電流が流れて故障の原因となる。また、制御装置40を構成するリレーやコンバータ等の回路素子も凍結によって短絡が生じるなどして故障するおそれがある。また、燃料電池12の内部が凍結すると、触媒層に不可逆的な破壊が生じて、燃料電池12の発電特性が悪化するおそれがある。
【0041】
燃料電池システム10の運転モードとして、発電モードが設定されている場合、燃料電池12が発電に伴い発熱するので、装置筐体11の内部のシステム機器が凍結するおそれは低い。一方、燃料電池システム10の運転モードとして、待機モードが設定されている場合、燃料電池12は発電を行っておらず発熱しないため、外気温の影響を受けて装置筐体11の内部のシステム機器が凍結するおそれがある。
【0042】
本実施形態の制御装置40は、燃料電池システム10の運転モードが待機モードに設定されている場合に、装置筐体11内のシステム機器の凍結を防止するため、装置筐体11の内部の温度に応じて、燃料電池12を作動させ、装置筐体11内を昇温する凍結防止モードを実行する。なお、各種運転モードの切り替えは、制御装置40により行われる。
【0043】
本実施形態の凍結防止モードは、
図3に示す制御ルーチンによって実行される。
【0044】
以下の処理は、制御装置40内にインストールされた燃料電池システム10の制御プログラムによって実行される。本実施形態に係る燃料電池システム10の制御は、装置筐体11の内部の温度tを検出する温度検出部34からの検出結果に基づいて、装置筐体11の内部を昇温するか否かの判定を行うものである。この燃料電池12の作動は、燃料電池12から電力を取り出すことを目的とするものではなく、待機モードもしくは凍結防止モードにおいて燃料電池12を発熱させて装置筐体11の内部を昇温することを目的とする。この際に、装置筐体11の内部の温度tが第1の温度閾値Tc1以下の場合に、燃料電池12の作動を開始する判定を行い、さらに、燃料電池12の作動を開始した後又は同時に、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を行う。これによって、装置筐体11の内部が撹拌され、装置筐体11の内部は全域に亘ってムラなく昇温される。
【0045】
なお、
図4に示すタイムチャートにおいて、「第1の温度センサの検出値」の欄、「第2の温度センサの検出値」の欄、及び「第3の温度センサの検出値」の欄は、図中上側を高温側とし、図中下側を低温側とする。
【0046】
図3に示す制御ルーチンでは、まず、ステップST1において、燃料電池システム10の電源をONにする。次に、ステップST2では、燃料電池システム10の運転モードを待機モードに設定する。なお、本実施形態では、ステップST1及びステップST2は、それぞれ段階を踏んで順に行っているが、特にこれに限定されず、ステップST1及びステップST2を同時に行ってもよい。
【0047】
次に、ステップST3では、温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視を行う。この温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視の開始のタイミングは、燃料電池システム10の運転モードが待機モードに設定されている間であれば、特に限定されない。たとえば、温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視は、燃料電池システム10の運転モードがステップST2において待機モードに設定されたときと同時に開始してもよいし、燃料電池システム10の運転モードがステップST2において待機モードに設定された後に開始してもよい。また、温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視は、常時行ってもよいし、一定の間隔を空けて断続的に行ってもよい。
【0048】
ここで、上述のとおり燃料電池システム10の運転モードが待機モードに設定されている場合、燃料電池12は発電しない。このため、燃料電池システム10の装置筐体11の内部の温度tは、外気に曝されて徐々に低下する(
図4参照)。温度検出部34は、このような装置筐体11の内部の温度tの変化を監視している。
【0049】
次に、ステップST4では、制御装置40は、ステップST3において温度検出部34が検出した結果である装置筐体11の内部の温度tと、第1の温度閾値Tc1とを比較し、温度tが第1の温度閾値Tc1以下であるか否かを判断する。本実施形態では、装置筐体11の内部の温度tとしては、第1の温度センサ341により検出された温度T1を用いる。第1の温度閾値Tc1は、制御装置40が燃料電池システム10の運転モードを待機モードから凍結防止モードに移行するか否かを判定するために用いられる。第1の温度閾値Tc1は、制御装置40に予め保存されている。第1の温度閾値Tc1は、水が凍結する温度よりも高い温度で設定されていることが好ましく、特に限定されないが例えば、3℃〜5℃の範囲内で設定される。ステップST4において、温度t(温度T1)が第1の温度閾値Tc1以下の場合に、ステップST5に進む。ステップST5では、燃料電池システム10の運転モードが、待機モードから凍結防止モードに移行される。ステップST4において、温度t(温度T1)が第1の温度閾値Tc1より大きい場合、ステップST4を繰り返す。なお、
図4のタイムチャートにおけるtm0が、燃料電池システム10の運転モードとして、待機モードから凍結防止モードに移行した時に相当する。
【0050】
なお、装置筐体11の内部の温度tとして、温度T1と、第2の温度センサ342により検出された温度T2と、第3の温度センサ343により検出された温度T3とを併用してもよい。この場合、制御装置40は、温度T1、温度T2、及び温度T3少なくとも一つが第1の温度閾値Tc1以下の場合に、ステップST5に進む。
【0051】
ここで、装置筐体11の内部の温度tとして、温度T1、温度T2、及び温度T3を併用する場合、第1の温度閾値Tc1は、
図4に示すように、温度T1に対応して設定された温度閾値Tc11と、温度T2に対応して設定された温度閾値Tc12と、温度T3に対応して設定された温度閾値Tc13と、を含んでいてもよい。これらの温度閾値Tc11、Tc12、Tc13は、相互に異なる値でもよいし、同一の値でもよい。
【0052】
ステップST5では、制御装置40は、システム機器の凍結を防止するため、装置筐体11の内部を昇温する判定を行う。このステップST5では、制御装置40は、燃料電池システム10の運転モードを凍結防止モードに設定する。制御装置40は、燃料ポンプ16及びブロワ18に対してこれらを作動させる制御信号を出力する。これにより、燃料ポンプ16が燃料電池12のアノードに対して燃料の供給を開始すると共に、ブロワ18が燃料電池12のカソードに対して空気の供給を開始する第1の制御が行われる。なお、消費電力低減の観点から、凍結防止モードにおける燃料ポンプ16による燃料の供給量及びブロワ18による空気の供給量は、発電モードにおける燃料ポンプ16による燃料の供給量及びブロワ18による空気の供給量に対して相対的に小さいことが好ましい。
【0053】
制御装置40により第1の制御が行われることで、燃料電池12が発電し発熱する。燃料電池12のアノードからは、高温のアノード生成物が排出され、燃料タンク14に送られる。高温のアノード生成物が燃料タンク14に送られて、燃料タンク14が昇温する。燃料タンク12のカソードからは、高温のカソード生成物が排出される。カソード生成物が含まれる水蒸気は、凝縮器20において高温の水に変換された後、水タンク22に送られる。この高温の水が水タンク22に送られて、水タンク22が昇温する。このように、ステップST5では、装置筐体11の内部のシステム機器の一部が昇温する。なお、凝縮器20においてカソード生成物から奪われた熱(高温の冷却水)は、循環路21を介してラジエータ30に移送される。
【0054】
燃料タンク14と水タンク22とは、相互に直接接触している。このため、燃料タンク14と水タンク22との間で、熱の授受が生じる。水タンク22は、大量の水を収容しており、比較的凍結し易い。この場合、燃料タンク14から水タンク22に向けて熱が移動することで、水タンク22が熱されて、水タンク22の凍結を抑制することができる。
【0055】
ステップST6では、温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視を行う。本実施形態では、この温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視は、制御装置40による第1の制御が開始された後に開始する。この温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視は、常時行ってもよいし、一定の間隔を空けて断続的に行ってもよい。
【0056】
ステップST7では、制御装置40は、ステップST6において温度検出部34が検出した結果である装置筐体11の内部の温度tと、第3の温度閾値Tc3とを比較し、温度tが第3の温度閾値Tc3以上であるか否かを判断する。本実施形態では、装置筐体11の内部の温度tとしては、温度T1を用いる。第3の温度閾値Tc3は、制御装置40がラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を開始するか否かを判定するために用いられる。第3の温度閾値Tc3は、制御装置40に予め保存されている。第3の温度閾値Tc3は、第1の温度閾値Tc1に対して相対的に大きく、後述する第2の温度閾値Tc2に対して相対的に小さい。第3の温度閾値Tc3は、特に限定されないが例えば、10℃〜20℃の範囲内で設定される。ステップST7において、温度t(温度T1)が第3の温度閾値Tc3以上の場合に、ステップST8に進む。ステップST7において、温度t(温度T1)が第3の温度閾値Tc3未満の場合、ステップST7を繰り返す。
【0057】
このように、制御装置40は、温度tが第3の温度閾値Tc3未満の場合に、第1の送風W1を停止状態にするようにラジエータ冷却ファン32を制御しており、温度tが第3の温度閾値Tc3以上となるまで、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を行わない。ここで、仮に温度tが第3の温度閾値Tc3以上となる前に第1の送風W1を行った場合、燃料電池12が十分に発熱する前に、ラジエータ冷却ファン32により装置筐体11の内部に外気が取り込まれ、装置筐体11の内部のシステム機器が冷却されて凍結するおそれがある。しかし、温度tが第3の温度閾値Tc3以上になるまで第1の送風W1を停止していれば、上述したシステム機器の凍結を抑制できる。なお、
図4のタイムチャートにおけるtm1が、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1が開始された時に相当する。
【0058】
なお、ステップST4と同様、ステップST7においても、装置筐体11の内部の温度tとして、温度T1と、温度T2と、温度T3とを併用してもよい。この場合、制御装置40は、温度T1、温度T2、及び温度T3少なくとも一つが第3の温度閾値Tc3以上の場合に、制御装置40は、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を開始する。
【0059】
ここで、装置筐体11の内部の温度tとして、温度T1、温度T2、及び温度T3を併用する場合、第3の温度閾値Tc3は、
図4に示すように、温度T1に対応して設定された温度閾値Tc31と、温度T2に対応して設定された温度閾値Tc32と、温度T3に対応して設定された温度閾値Tc33と、を含んでいてもよい。これらの温度閾値Tc31、Tc32、Tc33は、相互に異なる値でもよいし、同一の値でもよい。
【0060】
ステップST8では、制御装置40は、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を開始する。本実施形態では、ラジエータ冷却ファン32は、ラジエータ30のコアに面して配置されており、装置筐体11の外部から取り込んだ空気をラジエータ30に向けて吹き付ける。ラジエータ30には、凝縮器20においてカソード生成物から奪った熱(高温の冷却水)が移送されている。このため、ラジエータ冷却ファン32がラジエータ30に向けて空気を吹き付けると、ラジエータ30に移送された高温の冷却水と吹き付けられた空気とが熱交換して、ラジエータ30を通過した空気が温風W3として装置筐体11の内部に導入される。これにより、温風W3が装置筐体11の内部を撹拌して、装置筐体11の内部がムラなく昇温する。
【0061】
この場合、長時間回転させたり、ファンの回転数を上げたりする事などによって、ラジエータ冷却ファン32により、装置筐体11の内部に外気を取り込みすぎると、ラジエータ30を通過した温風W3が外気によって冷却されるため、高温な状態を十分に保てないまま装置筐体11の内部に送られてしまい、システム機器が凍結するおそれがある。ここで、燃料電池システム10の運転モードが発電モードに設定されている場合、第2の送風W2の供給量は、燃料電池12から発生する熱等の排気やラジエータ30を冷却する観点から比較的多量に設定される必要がある。しかし、凍結防止モードにおいては、第1の送風W1の供給量を第2の送風W2の供給量と同程度以上とすると、装置筐体11の内部に外気が過剰に取り込まれ、装置筐体11の内部が過冷されてしまうおそれがある。
【0062】
従って、本実施形態では、装置筐体11の内部が過冷されるのを抑制する観点から、凍結防止モード時に設定する第1の送風W1の供給量は、発電モード時に設定する第2の送風W2の供給量に対して相対的に小さくなっている事が好ましい。制御装置40は、第1の送風W1の供給量が第2の送風W2の供給量に対して相対的に小さくなるようにラジエータ冷却ファン32を制御している。
【0063】
また、制御装置40は、デューティー比Dに基づいて、第1の送風W1を行うようにラジエータ冷却ファン32を制御するが、このとき、制御装置40は、下記(5)式を満たすように、ラジエータ冷却ファン32を作動させる事が好ましい。
Ton<Toff … (5)
【0064】
上記のデューティー比Dに基づいた制御により、ラジエータ冷却ファン32のオン・オフを繰り返し交互に切り替えることで、装置筐体11の外部からの外気の取り込み量を低減できる。特に、上記(5)式を満たすようにラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1をすることで、装置筐体11の外部からの外気の取り込み量をより確実に低減できる。上記(5)式を満たす場合、第1の送風W1の供給量は、第2の送風W2の供給量に対して、多くとも半分以下となる。
【0065】
ステップST9では、温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視を行う。本実施形態では、この温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視は、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1が開始された後に開始する。この温度検出部34による装置筐体11の内部の温度tの監視は、常時行ってもよいし、一定の間隔を空けて断続的に行ってもよい。
【0066】
ステップST10では、制御装置40は、ステップST9において温度検出部34が検出した結果である装置筐体11の内部の温度tと、第2の温度閾値Tc2とを比較し、温度tが第2の温度閾値Tc2以下であるか否かを判断する。本実施形態では、装置筐体11の内部の温度tとしては、温度T1を用いる。第2の温度閾値Tc2は、制御装置40が燃料電池システム10の運転モードとして、凍結防止モードを終了して待機モードに移行するか否かを判定するために用いられる。第2の温度閾値Tc2は、制御装置40に予め保存されている。第2の温度閾値Tc2は、第1の温度閾値Tc1よりも大きい。第2の温度閾値Tc2は、燃料電池12においてクロスオーバー現象が促進される温度よりも低い温度で設定されていることが好ましく、特に限定されないが例えば、40℃〜50℃の範囲内で設定される。ステップST10において、温度t(温度T1)が第2の温度閾値Tc2以上の場合、制御装置40は、燃料電池システム10の運転モードとして、凍結防止モードを終了して待機モードに移行する。すなわち、制御装置40は、燃料電池12のアノードに対して燃料の供給を停止するように燃料ポンプ16を制御すると共に、燃料電池12のカソードに対して空気の供給を停止するようにブロワ18を制御する第2の制御を行う。なお、本実施形態では、制御装置40は、第2の制御を行うことと同時に、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を停止している。この場合、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1の停止は、制御装置40による第2の制御の実行の前に行ってもよいし、制御装置40による第2の制御の実行の後に行ってもよい。
【0067】
ステップST10において、温度t(温度T1)が第2の温度閾値Tc2よりも小さい場合、ステップST10を繰り返す。この場合、制御装置40は、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を継続する。
【0068】
なお、ステップST4と同様、ステップST10においても、装置筐体11の内部の温度tとして、温度T1と、温度T2と、温度T3とを併用してもよい。この場合、制御装置40は、温度T1、温度T2、及び温度T3少なくとも一つが第2の温度閾値Tc2以上の場合に、制御装置40は、燃料電池システム10の運転モードとして、凍結防止モードを終了して待機モードに移行する。
【0069】
ここで、装置筐体11の内部の温度tとして、温度T1、温度T2、及び温度T3を併用する場合、第2の温度閾値Tc2は、
図4に示すように、温度T1に対応して設定された温度閾値Tc21と、温度T2に対応して設定された温度閾値Tc22と、温度T3に対応して設定された温度閾値Tc23と、を含んでいてもよい。これらの温度閾値Tc21、Tc22、Tc23は、相互に異なる値でもよいし、同一の値でもよい。
【0070】
なお、制御装置40は、燃料電池システム10の運転モードが凍結防止モードに設定されている場合に、外部から燃料電池システム10の運転モードを発電モードに設定する指令が入力されたら、凍結防止モードを終了して、燃料電池システム10の運転モードを発電モードに移行する様に制御する仕様としてもよい。
図4のタイムチャートにおけるtm2が、燃料電池システム10の運転モードとして、凍結防止モードから待機モードに移行した時に相当する。
【0071】
本発明の燃料電池システム10は、以下の効果を奏する。
【0072】
本実施形態では、温度検出部34の検出結果が第1の温度閾値Tc1以下の場合、装置筐体11の内部のシステム機器の凍結を防止する目的として、燃料電池12に対して、燃料ポンプ16が燃料を供給すると共に、ブロワ18が空気を供給する。これにより、燃料電池12が発電し発熱する。本実施形態では、燃料電池12で生じた熱を利用して、装置筐体11の内部を昇温する。このとき、燃料電池12に対する燃料及び空気の供給が開始された後、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を行う。ラジエータ30には、凝縮器20でカソード生成物から奪った熱(高温の冷却水)が移送されており、ラジエータ冷却ファン32がラジエータ30に向けて空気を吹き付けると、ラジエータ30に移送された高温の冷却水と吹き付けられた空気とが熱交換して、ラジエータ30を通過した空気が温風W3として装置筐体11の内部に導入される。これにより、温風W3が装置筐体11の内部を撹拌して、装置筐体11の内部がムラなく昇温する。この結果、装置筐体11の内部のシステム機器の凍結を抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態では、燃料電池12と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32とが、
図1中左側から右側(装置筐体11の内側から外側)に向かって順に並べられ、燃料電池12と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32とが平面視において同一直線上に配置されている。この場合、ラジエータ冷却ファン32から供給される風は、ラジエータ30を通過して温風W3となり燃料電池12に吹き付けられる。このように、本実施形態では、燃料電池12と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32とが平面視において同一直線上に配置されている事から、温風W3がより一層燃料電池12に当たり易くなっている。結果として、特に燃料電池12の凍結防止をより一層抑制することができる。
【0074】
また、本実施形態の燃料電池システム10は、ヒータを備えていないので、燃料電池システム10の小型化を図ることができる。
【0075】
また、本実施形態では、第1の送風W1の供給量は、第2の送風W2の供給量に対して相対的に小さい。これにより、ラジエータ30において十分加熱されないままの空気が装置筐体11の内部に供給されるのを抑制することができ、装置筐体11の内部の温度を高く保つことができる。また、燃料電池12が発熱する際において、装置筐体11の外部から外気を取り込むことで起こり得る装置筐体11内の昇温効果の低下を抑制できる。この結果、装置筐体11の内部のシステム機器の凍結を抑制することができる。
【0076】
また、本実施形態では、ラジエータ冷却ファン32は、デューティー比Dに基づいて、第1の送風W1をするように制御されている。このように、ラジエータ冷却ファン32のオン・オフを繰り返し交互に切り替えることで、第1の送風W1の供給量を低減できる。また、本実施形態では、上記(5)式を満たすようにラジエータ冷却ファン32を制御している。これにより、第1の送風W1の供給量をより確実に低減できる。また、燃料電池12が発熱する際において、装置筐体11の外部から外気を取り込むことで起こり得る装置筐体11内の昇温効果の低下を抑制できる。この結果、装置筐体11の内部のシステム機器の凍結を抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、水タンク22は、燃料タンク14と直接接触するように配置されている。このため、燃料タンク14と水タンク22との間で、熱の授受が生じる。水タンク22は、大量の水を収容しており、比較的凍結し易い。この場合、燃料タンク14から水タンク22に向けて熱が移動することで、水タンク22が熱されて、水タンク22の凍結を抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態では、温度検出部34は、燃料電池12の温度を検出する第1の温度センサ341、燃料タンク14の温度を検出する第2の温度センサ342、及び水タンク22の温度を検出する第3の温度センサ343のうち少なくとも一つを含んでいる。燃料電池12、燃料タンク14、及び水タンク22は、水を多く収容しているため、比較的凍結し易いが、上記の温度センサにより監視することで、これらの凍結をより確実に抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、温度検出部34により検出された温度tが第3の温度閾値未満の場合に、ラジエータ冷却ファン32による第1の送風W1を停止状態にしている。これにより、燃料電池12が十分に発熱する前に、ラジエータ冷却ファン32により装置筐体11の内部に外気を取り込まれるのを防止することができる。また、燃料電池12が発熱する際において、装置筐体11の外部から外気を取り込むことで起こり得る装置筐体11内の昇温効果の低下を抑制できる。この結果、装置筐体11の内部のシステム機器の凍結を抑制することができる。
【0080】
本実施形態における「燃料電池システム10」が本発明における「燃料電池システム」の一例に相当し、本実施形態における「燃料電池12」が本発明における「燃料電池」の一例に相当し、本実施形態における「装置筐体11」が本発明における「収容体」の一例に相当し、本実施形態における「燃料タンク14」が本発明における「燃料タンク」の一例に相当し、本実施形態における「燃料ポンプ16」が本発明における「第1の供給手段」の一例に相当し、本実施形態における「ブロワ18」が本発明における「第2の供給手段」の一例に相当し、本実施形態における「凝縮器20」が本発明における「熱交換手段」の一例に相当し、本実施形態における「水タンク22」が本発明における「水タンク」の一例に相当し、本実施形態における「ラジエータ30」が本発明における「放熱手段」の一例に相当し、本実施形態における「ラジエータ冷却ファン32」が本発明における「送風手段」の一例に相当し、本実施形態における「温度検出部34」が本発明における「温度検出手段」の一例に相当し、本実施形態における「第1の温度センサ341」が本発明における「第1の温度センサ」の一例に相当し、本実施形態における「第2の温度センサ342」が本発明における「第2の温度センサ」の一例に相当し、本実施形態における「第3の温度センサ343」が本発明における「第3の温度センサ」の一例に相当し、本実施形態における「制御装置40」が本発明における「制御手段」の一例に相当し、本実施形態における「第1の温度閾値Tc1」が本発明における「第1の閾値」の一例に相当し、本実施形態における「第2の温度閾値Tc2」が本発明における「第2の閾値」の一例に相当し、本実施形態における「第3の温度閾値Tc3」が本発明における「第3の閾値」の一例に相当する。
【0081】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0082】
例えば、上述の実施形態に係る燃料電池システム10は、ダイレクトメタノール型の燃料電池12であるが、特にこれに限定されない。たとえば、燃料電池12は、燃料を水素とする固体高分子型の燃料電池等の他の燃料電池としてもよい。
【0083】
また、例えば、
図1においては、燃料電池12と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32とが
図1中左側から右側(装置筐体11の内側から外側)に向かって順に並べられ、燃料電池12と、ラジエータ30と、ラジエータ冷却ファン32とは、それぞれが平面視において同一直線上に配置されているが、特にこれに限定されず、特に図示しないが、燃料電池12と、ラジエータ冷却ファン32と、ラジエータ30とを、装置筐体11の内側から外側に向かって順に並べてもよい。本構成では、平面視において、燃料電池12とラジエータ冷却ファン32とが同一直線上に配置され、燃料電池12とラジエータ冷却ファン32とは、互いに対向している。この場合、ラジエータ冷却ファン32が燃料電池12に向けて送風を行うことで、ラジエータ冷却ファン32により送られる風が直接燃料電池12に吹き付けられる。これにより、燃料電池12で生じた熱が装置筐体11の内部を循環し、装置筐体11の内部を全体に亘ってムラなく昇温することができる。この結果、装置筐体11の内部のシステム機器の凍結を抑制することができる。
【0084】
また、例えば、平面視において、
図1で示されるラジエータ30及びラジエータ冷却ファン32を、
図1に示す位置とは異なる位置に配置し、ラジエータ冷却ファン32とは異なる送風機を、
図1においてラジエータ30及びラジエータ冷却ファン32が位置する部分に配置してもよい。この場合においても、上記の送風機が燃料電池12に向けて送風を行うことで、上記の送風機により送られる風が直接燃料電池12に吹き付けられる。これにより、燃料電池12で生じた熱が上記の風によって装置筐体11の内部を循環することによって、装置筐体11の内部を全体に亘ってムラなく昇温することができる。この結果、装置筐体11の内部のシステム機器の凍結を抑制することができる。
【0085】
また、上述の実施形態に係る燃料電池システム10では、ラジエータ冷却ファン32を送風手段としたが、ラジエータ30もしくは燃料電池12に向けて送風できる送風機であればこれには限定されず、例えば、装置筐体11の内部を換気する換気ファンを送風手段としてもよい。