特開2017-228547(P2017-228547A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228547(P2017-228547A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20171201BHJP
【FI】
   H05B37/02 L
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-196205(P2017-196205)
(22)【出願日】2017年10月6日
(62)【分割の表示】特願2013-76108(P2013-76108)の分割
【原出願日】2013年4月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】濱 武史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智尚
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA03
3K273QA07
3K273RA13
3K273RA17
3K273SA02
3K273SA37
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA08
3K273TA15
3K273TA78
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】物の色の見え方が変化することを抑制する。
【解決手段】照明装置10は、発光部110、反射光測定部120、及び発光制御部130を備えている。発光部110は照明装置10の光源であり、照明領域20を照らす。反射光測定部120は、照明領域20に配置された被照射物30からの反射光を測定する。発光制御部130は、反射光測定部120の測定結果を用いて、照明領域20における発光部110による光と外光との合成光のスペクトルが基準を満たすように、発光部110を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明領域を照らす発光部と、
前記照明領域に配置された被照射物からの反射光を測定する反射光測定部と、
前記反射光測定部の測定結果を用いて、前記照明領域における前記発光部による光と外光との合成光のスペクトルが基準を満たすように、前記発光部を制御する発光制御部と、
を備える照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置の用途の一つに、照明装置がある。照明装置の制御に関する技術としては、例えば特許文献1,2に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1に記載の技術は、屋外における色温度や照度に基づいて、屋内の照明装置を制御するものである。また、特許文献2に記載の技術は、日にちを用いて昼光のレベルを推定し、推定した昼光のレベルに基づいて照明装置を制御することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−206391号公報
【特許文献2】特表平10−500534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
物の色の見え方は、その物に照射する光によって変化する。通常、物を照らす光は、自然光と照明装置からの光の合成光となっている。このため、物を照らす光のスペクトルは一定ではなく、そのため、物の色の見え方は変化してしまう。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、物の色の見え方が変化することを抑制できる照明装置を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、照明領域を照らす発光部と、
前記照明領域に配置された被照射物からの反射光を測定する反射光測定部と、
前記反射光測定部の測定結果を用いて、前記照明領域における前記発光部による光と外光との合成光のスペクトルが基準を満たすように、前記発光部を制御する発光制御部と、
を備える照明装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る照明装置の機能構成を示す図である。
図2】実施例1に係る照明装置の機能構成を示す図である。
図3】実施例2に係る照明装置の機能構成を示す図である。
図4】実施例3に係る照明装置の機能構成を示す図である。
図5】実施例3に係る照明装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0010】
なお、以下に示す説明において、照明装置10の各構成要素は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。照明装置10の各構成要素は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0011】
図1は、実施形態に係る照明装置10の機能構成を示す図である。照明装置10は、発光部110、反射光測定部120、及び発光制御部130を備えている。発光部110は照明装置10の光源であり、照明領域20を照らす。反射光測定部120は、照明領域20に配置された被照射物30からの反射光を測定する。発光制御部130は、反射光測定部120の測定結果を用いて、照明領域20における発光部110による光と外光との合成光のスペクトルが基準を満たすように、発光部110を制御する。
【0012】
ここで発光部110は、例えば有機EL(Organic Electroluminescence)素子及びLED(Lignt Emitting Diode)の少なくとも一方を有している。ただし発光部110は、スペクトルを調整できるものであれば、他の発光体を有していても良い。
【0013】
また、上記した合成光のスペクトルが満たすべき基準は、所望するスペクトルを再現するために必要な指標であり、その値はある程度の幅を持っている。この指標は、例えば、予め定められた複数の波長別の強度の範囲、又はこれらの相対比である。ただし、スペクトルが実質的に再現できるのであれば、他の指標が基準として用いられても良い。
【0014】
本実施形態によれば、発光制御部130は、照明領域20における発光部110による光と外光との合成光のスペクトルが基準スペクトルとなるように、発光部110に供給する電流値を制御する。このため、照明領域20に配置された物の見え方が外光によって変化することを抑制できる。
【0015】
これにより、例えばデザイナーが生地などの色を調整する場合に、場所や時間によらず生地の色を正確に認識することができる。また、装飾物が外、室内、ショウルーム等に場所を変えた時にどのように見えるか、調整時に確認することができる。
【実施例】
【0016】
図2は、実施例1に係る照明装置10の機能構成を示す図である。本実施形態に係る照明装置10は、発光部110が複数種類の発光領域112を有している点を除いて、実施形態に係る照明装置10と同様の構成である。
【0017】
複数種類の発光領域112は、発光スペクトルが互いに異なる。例えば発光領域112のそれぞれが有機EL素子を有している場合、これらの有機EL素子は、例えば有機層の構造が互いに異なっている。また発光領域112のそれぞれがLEDを有している場合、これらのLEDは、例えば発光層の構造が互いに異なっている。複数の発光領域112は、例えば、赤色、緑色、及び青色の発光領域である。ただし、発光領域112は、他の色の発光領域を有していても良い。また少なくとも一つの発光領域112は、他の発光領域112と同一の色に分類されるがスペクトルのピーク位置が少し異なっていてもよい。
【0018】
そして発光制御部130は、複数の発光領域112の発光強度を互いに独立して制御することにより、発光部110のスペクトルを調節する。
【0019】
また、被照射物30は、例えば白色や銀色など、外光を反射しやすい色になっている。そして反射光測定部120は、被照射物30からの反射光のうち、予め定められた複数の波長それぞれにおける強度を測定する。そして、発光制御部130は、これら複数の波長別の強度を用いて、複数の発光領域112の発光強度を制御する。
【0020】
ここで、発光制御部130は、波長別に、反射光測定部120による測定結果と予め定められた基準値との差分を算出し、これら波長別の差分を埋めるように、発光領域112の発光強度を定めても良い。この場合、発光制御部130は、発光領域112のそれぞれについて、電流量と波長別の強度の関係を示すデータを記憶している。そしてこのデータを用いて、発光領域112の発光強度(すなわち供給する電流値)を定める。
【0021】
本実施例によっても、実施形態と同様の効果を得ることができる。また、複数種類の発光領域112は、発光スペクトルが互いに異なっている。このため、発光制御部130は、複数の発光領域112の発光強度を互いに独立して制御することにより、発光部110のスペクトルを容易に調節することができる。
【0022】
(実施例2)
図3は、実施例2に係る照明装置10の機能構成を示す図である。本実施例に係る照明装置10は、モード記憶部132及び入力部140を有している点を除いて、実施例1に係る照明装置10と同様の構成である。
【0023】
本実施例において、照明領域20における発光部110からの光と外光との合成光のスペクトルの基準は、複数設定されている。具体的には、これらの基準には、例えば、太陽光(自然光)を再現するための基準、蛍光灯からの光を再現するための基準、及び白熱電球からの光を再現するための基準などがある。
【0024】
そしてモード記憶部132は、これら複数の基準を示すデータ(例えば複数の波長の間の強度比、又は複数の波長それぞれの強度の絶対値)を、基準別に記憶している。そして照明装置10のユーザは、入力部140に、照明装置10が用いるべき基準を示す情報を入力する。発光制御部130は、入力部140から入力された情報に従って、モード記憶部132から一つの基準を示すデータを読み出し、読み出したデータに従って発光部110の発光領域112を制御する。
【0025】
本実施例によっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、モード記憶部132は複数の基準を記憶しており、発光制御部130は、これらの基準のうちの一つを満たすように、発光部110を制御する。従って、照明装置10は複数種類の光源からの光を、高い精度で再現することができる。
【0026】
(実施例3)
図4は、実施例3に係る照明装置10の機能構成を示す図である。本実施形態に係る照明装置10は、以下の点を除いて実施形態又は実施例1,2に係る照明装置10と同様の構成である。本図は、実施例2と同様の場合を示している。
【0027】
本実施例において、被照射物30としては複数の色標が用いられる。これら複数の色標の色は、互いに異なる。ここで用いられる色標の色としては、例えば赤色、緑色、青色、黄色、及びマゼンダ等があるが、これらの色に限定されない。また色表の色の数も特に限定はない。
【0028】
そして発光制御部130は、色標別の反射光の強度に従って発光部110を制御する。例えば色標別に強度の基準値が定められており、発光制御部130は、色標別に、反射光測定部120による測定結果と上記した基準値との差分を算出する。そして発光制御部130は、これら波長別の差分を埋めるように、発光領域112の発光強度を定める。この場合、発光制御部130は、発光領域112のそれぞれについて、電流量と波長別の強度の関係を示すデータを記憶している。そしてこのデータを用いて、発光領域112の発光強度(すなわち供給する電流値)を定める。
【0029】
また入力部140は、複数の色標入力部142を有している。色標入力部142は複数の色標のそれぞれに対応して設けられている。そしてユーザによって色標入力部142が選択されると、その色標入力部142に対応した色標を示す色標情報が発光制御部130に出力される。発光制御部130は、この色標情報に基づいて、反射光測定部120が検出している反射光がどの色標に対応しているかを認識する。
【0030】
図5は、本実施例における照明装置10の動作を示すフローチャートである。まずユーザは、照明領域20に被照射物30としての色標を配置する。そしてユーザは、照明領域20に配置した色標に対応する色標入力部142を選択する。色標入力部142は、発光制御部130に色標情報を出力する。これにより、照明装置10の発光制御部130には色標情報が入力される(ステップS10)。
【0031】
そして反射光測定部120は、被照射物30からの反射光を測定する(ステップS20)。発光制御部130は、反射光測定部120による測定結果を、色標入力部142から受信した色標情報に対応付けて記憶する。
【0032】
ユーザ及び照明装置10は、全ての色標に対して反射光の測定が終わるまで(ステップS30:No)、ステップS10,S20に示した処理を行う。
【0033】
そして発光制御部130は、モード記憶部132から基準を読み出す(ステップS40)。どの基準を読み出すかを示す情報は、入力部140を介してユーザから入力される。そして発光制御部130は、発光部110の発光条件(例えば発光領域112別の電流量)を算出する(ステップS50)。
【0034】
本実施例によっても、実施形態又は実施例1,2と同様の効果が得られる。また、複数の色標を用いて所望する光源からの光を再現するため、光源の再現性は高くなる。
【0035】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0036】
10 照明装置
20 照明領域
30 被照射物
110 発光部
112 発光領域
120 反射光測定部
130 発光制御部
132 モード記憶部
140 入力部
142 色標入力部
図1
図2
図3
図4
図5