【実施例】
【0016】
  図2は、実施例1に係る照明装置10の機能構成を示す図である。本実施形態に係る照明装置10は、発光部110が複数種類の発光領域112を有している点を除いて、実施形態に係る照明装置10と同様の構成である。
【0017】
  複数種類の発光領域112は、発光スペクトルが互いに異なる。例えば発光領域112のそれぞれが有機EL素子を有している場合、これらの有機EL素子は、例えば有機層の構造が互いに異なっている。また発光領域112のそれぞれがLEDを有している場合、これらのLEDは、例えば発光層の構造が互いに異なっている。複数の発光領域112は、例えば、赤色、緑色、及び青色の発光領域である。ただし、発光領域112は、他の色の発光領域を有していても良い。また少なくとも一つの発光領域112は、他の発光領域112と同一の色に分類されるがスペクトルのピーク位置が少し異なっていてもよい。
【0018】
  そして発光制御部130は、複数の発光領域112の発光強度を互いに独立して制御することにより、発光部110のスペクトルを調節する。
【0019】
  また、被照射物30は、例えば白色や銀色など、外光を反射しやすい色になっている。そして反射光測定部120は、被照射物30からの反射光のうち、予め定められた複数の波長それぞれにおける強度を測定する。そして、発光制御部130は、これら複数の波長別の強度を用いて、複数の発光領域112の発光強度を制御する。
【0020】
  ここで、発光制御部130は、波長別に、反射光測定部120による測定結果と予め定められた基準値との差分を算出し、これら波長別の差分を埋めるように、発光領域112の発光強度を定めても良い。この場合、発光制御部130は、発光領域112のそれぞれについて、電流量と波長別の強度の関係を示すデータを記憶している。そしてこのデータを用いて、発光領域112の発光強度(すなわち供給する電流値)を定める。
【0021】
  本実施例によっても、実施形態と同様の効果を得ることができる。また、複数種類の発光領域112は、発光スペクトルが互いに異なっている。このため、発光制御部130は、複数の発光領域112の発光強度を互いに独立して制御することにより、発光部110のスペクトルを容易に調節することができる。
【0022】
(実施例2)
  
図3は、実施例2に係る照明装置10の機能構成を示す図である。本実施例に係る照明装置10は、モード記憶部132及び入力部140を有している点を除いて、実施例1に係る照明装置10と同様の構成である。
【0023】
  本実施例において、照明領域20における発光部110からの光と外光との合成光のスペクトルの基準は、複数設定されている。具体的には、これらの基準には、例えば、太陽光(自然光)を再現するための基準、蛍光灯からの光を再現するための基準、及び白熱電球からの光を再現するための基準などがある。
【0024】
  そしてモード記憶部132は、これら複数の基準を示すデータ(例えば複数の波長の間の強度比、又は複数の波長それぞれの強度の絶対値)を、基準別に記憶している。そして照明装置10のユーザは、入力部140に、照明装置10が用いるべき基準を示す情報を入力する。発光制御部130は、入力部140から入力された情報に従って、モード記憶部132から一つの基準を示すデータを読み出し、読み出したデータに従って発光部110の発光領域112を制御する。
【0025】
  本実施例によっても、実施例1と同様の効果を得ることができる。また、モード記憶部132は複数の基準を記憶しており、発光制御部130は、これらの基準のうちの一つを満たすように、発光部110を制御する。従って、照明装置10は複数種類の光源からの光を、高い精度で再現することができる。
【0026】
(実施例3)
  
図4は、実施例3に係る照明装置10の機能構成を示す図である。本実施形態に係る照明装置10は、以下の点を除いて実施形態又は実施例1,2に係る照明装置10と同様の構成である。本図は、実施例2と同様の場合を示している。
【0027】
  本実施例において、被照射物30としては複数の色標が用いられる。これら複数の色標の色は、互いに異なる。ここで用いられる色標の色としては、例えば赤色、緑色、青色、黄色、及びマゼンダ等があるが、これらの色に限定されない。また色表の色の数も特に限定はない。
【0028】
  そして発光制御部130は、色標別の反射光の強度に従って発光部110を制御する。例えば色標別に強度の基準値が定められており、発光制御部130は、色標別に、反射光測定部120による測定結果と上記した基準値との差分を算出する。そして発光制御部130は、これら波長別の差分を埋めるように、発光領域112の発光強度を定める。この場合、発光制御部130は、発光領域112のそれぞれについて、電流量と波長別の強度の関係を示すデータを記憶している。そしてこのデータを用いて、発光領域112の発光強度(すなわち供給する電流値)を定める。
【0029】
  また入力部140は、複数の色標入力部142を有している。色標入力部142は複数の色標のそれぞれに対応して設けられている。そしてユーザによって色標入力部142が選択されると、その色標入力部142に対応した色標を示す色標情報が発光制御部130に出力される。発光制御部130は、この色標情報に基づいて、反射光測定部120が検出している反射光がどの色標に対応しているかを認識する。
【0030】
  図5は、本実施例における照明装置10の動作を示すフローチャートである。まずユーザは、照明領域20に被照射物30としての色標を配置する。そしてユーザは、照明領域20に配置した色標に対応する色標入力部142を選択する。色標入力部142は、発光制御部130に色標情報を出力する。これにより、照明装置10の発光制御部130には色標情報が入力される(ステップS10)。
【0031】
  そして反射光測定部120は、被照射物30からの反射光を測定する(ステップS20)。発光制御部130は、反射光測定部120による測定結果を、色標入力部142から受信した色標情報に対応付けて記憶する。
【0032】
  ユーザ及び照明装置10は、全ての色標に対して反射光の測定が終わるまで(ステップS30:No)、ステップS10,S20に示した処理を行う。
【0033】
  そして発光制御部130は、モード記憶部132から基準を読み出す(ステップS40)。どの基準を読み出すかを示す情報は、入力部140を介してユーザから入力される。そして発光制御部130は、発光部110の発光条件(例えば発光領域112別の電流量)を算出する(ステップS50)。
【0034】
  本実施例によっても、実施形態又は実施例1,2と同様の効果が得られる。また、複数の色標を用いて所望する光源からの光を再現するため、光源の再現性は高くなる。
【0035】
  以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。