特開2017-228575(P2017-228575A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228575(P2017-228575A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20140101AFI20171201BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   H01L25/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-121839(P2016-121839)
(22)【出願日】2016年6月20日
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩史
(57)【要約】
【課題】ノイズの影響を受けにくい半導体モジュールを提供する。
【解決手段】ベースプレート50と、配線パターン60〜64と、半導体チップ70,71と、検出素子72と、半導体チップ用引出端子90〜94とを備える。半導体チップ用引出端子90〜94は、ベースプレート50に対し立設され、検出素子72の電極に電気的に接続された配線パターン63,64がベースプレート50の端部まで検出素子用引出端子として延設されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板の上面に絶縁層を形成してなるベースプレートと、
前記ベースプレートの絶縁層上に形成された配線パターンと、
前記ベースプレートに、電極が前記配線パターンに電気的に接続された状態で実装された半導体チップと、
前記ベースプレートに、電極が前記配線パターンに電気的に接続された状態で実装された検出素子と、
前記半導体チップの電極に電気的に接続された半導体チップ用引出端子と、
を備え、
前記半導体チップ用引出端子は、前記ベースプレートに対し立設され、
前記検出素子の電極に電気的に接続された前記配線パターンが前記ベースプレートの端部まで検出素子用引出端子として延設されてなることを特徴とする半導体モジュール。
【請求項2】
前記検出素子が前記ベースプレートの辺または隅に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
内方に前記半導体チップおよび前記検出素子が位置する状態で前記ベースプレートに配置された樹脂製枠体を備え、
前記検出素子用引出端子として延設された前記配線パターンは、前記樹脂製枠体を貫通していることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記検出素子は電流検出素子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記半導体チップ用引出端子に接続される基板が重なって配置され、
前記検出素子用引出端子として延設された前記配線パターンに接続されるコントローラが、前記検出素子用引出端子として延設された前記配線パターンの端部に隣接して配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インバータ装置等の電力変換装置を構成するパワースイッチング素子及び配線をモジュール化することが行われており、さらに、各アーム等を流れる電流の検出用の素子も含めてモジュール化することが行われている。この場合、一般的に電流検出用素子の端子を含めた各端子を同じ方向に揃えて延設している(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−98425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、電流検出用素子の端子を含めた各端子を同じ方向に揃えて延設すると、電流検出用素子の端子は他の端子からノイズを受けないように配置する必要もあり、例えば、ノイズを受けないように電流検出用素子の端子を他の端子から離して配置すると大型化を招いてしまう。
【0005】
本発明の目的は、ノイズの影響を受けにくい半導体モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、金属板の上面に絶縁層を形成してなるベースプレートと、前記ベースプレートの絶縁層上に形成された配線パターンと、前記ベースプレートに、電極が前記配線パターンに電気的に接続された状態で実装された半導体チップと、前記ベースプレートに、電極が前記配線パターンに電気的に接続された状態で実装された検出素子と、前記半導体チップの電極に電気的に接続された半導体チップ用引出端子と、を備え、前記半導体チップ用引出端子は、前記ベースプレートに対し立設され、前記検出素子の電極に電気的に接続された前記配線パターンが前記ベースプレートの端部まで検出素子用引出端子として延設されてなることを要旨とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、半導体チップ用引出端子がベースプレートに対し立設されるとともに、検出素子の電極に電気的に接続された配線パターンがベースプレートの端部まで検出素子用引出端子として延設されているので、検出素子の信号を他の信号と並走せずに取り出せるため、ノイズの影響を受けにくくなる。
【0008】
請求項2に記載のように、請求項1に記載の半導体モジュールにおいて、前記検出素子が前記ベースプレートの辺または隅に配置されているとよい。
請求項3に記載のように、請求項1または2に記載の半導体モジュールにおいて、内方に前記半導体チップおよび前記検出素子が位置する状態で前記ベースプレートに配置された樹脂製枠体を備え、前記検出素子用引出端子として延設された前記配線パターンは、前記樹脂製枠体を貫通しているとよい。
【0009】
請求項4に記載のように、請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体モジュールにおいて、前記検出素子は電流検出素子であるとよい。
請求項5に記載のように、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体モジュールにおいて、前記半導体チップ用引出端子に接続される基板が重なって配置され、前記検出素子用引出端子として延設された前記配線パターンに接続されるコントローラが、前記検出素子用引出端子として延設された前記配線パターンの端部に隣接して配置されるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ノイズの影響を受けにくくできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態におけるインバータ装置の部品配置を示す斜視図。
図2】インバータ装置の電気的構成を示す回路図。
図3】(a)は半導体モジュールの平面図、(b)は(a)のA−A線での縦断面図、(c)は(a)のB−B線での縦断面図。
図4】(a)は基板と樹脂製枠体が無い状態での半導体モジュールの平面図、(b)は半導体モジュールの正面図、(c)は半導体モジュールの右側面図。
図5】(a)は基板と樹脂製枠体と端子が無い状態での半導体モジュールの平面図、(b)は半導体モジュールの正面図、(c)は半導体モジュールの右側面図。
図6】(a)は基板と樹脂製枠体と端子と素子が無い状態での半導体モジュールの平面図、(b)は半導体モジュールの正面図、(c)は半導体モジュールの右側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をインバータ装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態のインバータ装置は、モータへ3相交流電力を供給する3相インバータ装置であり、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換する。図1に示すように、インバータ装置10は、半導体モジュール20とドライブ回路30とコントローラ40を備えている。コントローラ40とドライブ回路30はバスラインで接続されている。
【0013】
図2に示すように、インバータ装置10は正極母線Lpと負極母線Lnを有する。正極母線Lpはバッテリの正極に接続され、負極母線Lnはバッテリの負極に接続される。インバータ装置10は、6つのスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6を備えている。各スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6にはパワーMOSFETが使用されている。
【0014】
正極母線Lpと負極母線Lnとの間において、U相の上アーム用スイッチング素子Q1と下アーム用スイッチング素子Q2が直列に接続されている。両スイッチング素子Q1,Q2の中間点がモータのU相端子に接続される。正極母線Lpと負極母線Lnとの間において、V相の上アーム用スイッチング素子Q3と下アーム用スイッチング素子Q4が直列に接続されている。両スイッチング素子Q3,Q4の中間点がモータのV相端子に接続される。正極母線Lpと負極母線Lnとの間において、W相の上アーム用スイッチング素子Q5と下アーム用スイッチング素子Q6が直列に接続されている。両スイッチング素子Q5,Q6の中間点がモータのW相端子に接続される。
【0015】
インバータ装置10は、3つのシャント抵抗Ru,Rv,Rwを備えている。U相の下アーム用スイッチング素子Q2のソース電極と負極母線Lnとの間にはシャント抵抗Ruが接続されている。V相の下アーム用スイッチング素子Q4のソース電極と負極母線Lnとの間にはシャント抵抗Rvが接続されている。W相の下アーム用スイッチング素子Q6のソース電極と負極母線Lnとの間にはシャント抵抗Rwが接続されている。シャント抵抗Ru,Rv,Rwの両端電圧を測定することによりシャント抵抗Ru,Rv,Rwを流れる電流を検出することができる。
【0016】
スイッチング素子Q1〜Q6、シャント抵抗Ru,Rv,Rw及びこれらを継ぐ配線がモジュール化され、半導体モジュール20を構成している。
ドライブ回路30は、半導体モジュール20のゲート用接続端子G1,G2,G3,G4,G5,G6と接続されている。コントローラ40はドライブ回路30と接続されている。コントローラ40はドライブ回路30に駆動信号を出力する。この駆動信号によりドライブ回路30はスイッチング素子Q1〜Q6のゲート電極にパルス状の電圧を印加してスイッチング素子Q1〜Q6をオン・オフする。
【0017】
コントローラ40は、半導体モジュール20の電流検出用モニタ端子S1,S2,S3,S4,S5,S6と接続されている。コントローラ40はシャント抵抗Ruの両端電圧を測定してシャント抵抗Ruに流れるU相電流を検知する。コントローラ40はシャント抵抗Rvの両端電圧を測定してシャント抵抗Rvに流れるV相電流を検知する。コントローラ40はシャント抵抗Rwの両端電圧を測定してシャント抵抗Rwに流れるW相電流を検知する。このように検知された電流値によりフィードバック制御が行われる。また、検知された電流値によりスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6等の良否検査が行われる。
【0018】
図3(a),(b),(c)には半導体モジュール20を示す。ここで、図2における破線で囲った部分のみを図3(a),(b),(c)において示している。つまり、図2におけるU相、V相、W相のうち、U相のスイッチング素子Q1,Q2およびシャント抵抗Ruの配置部分について示し、V相およびW相のスイッチング素子Q3,Q4,Q5.Q6およびシャント抵抗Rv,Rwの配置部分については省略している。
【0019】
なお、図面において、水平面を、直交するX,Y方向で規定するとともに、上下方向をZ方向で規定している。
図3(a),(b),(c)に示すように、半導体モジュール20は立方体形状をなし、半導体モジュール20の上面にはドライブ回路30を構成するドライブ基板31が配置されている。ドライブ基板31には各種の電子部品が搭載されている。半導体モジュール20の上面から、図2におけるゲート用接続端子G1,G2を構成する半導体チップ用引出端子93,94が突出している。半導体モジュール20の一側面から、図2における電流検出用モニタ端子S1,S2を構成する検出素子用引出端子としての配線パターン63,64が突出している。
【0020】
半導体モジュール20は、図6(a),(b),(c)に示すように、金属板51の上面に絶縁層52を形成してなるベースプレート50と、ベースプレート50の絶縁層52上に形成された配線パターン60,61,62,63,64を備えている。金属板51は長方形状をなし、所定の厚みを有する。絶縁層52が金属板51の上面全域にわたりコーティングされている。
【0021】
配線パターン60,61,62,63,64は金属製(例えば銅製、アルミ製等)である。絶縁層52の上に配線パターン60,61,62,63,64が延設されている。
配線パターン60は、図2における正極母線Lpを構成し、X方向に延設されている。配線パターン62は、図2における負極母線Lnを構成し、X方向に延設されている。配線パターン60と配線パターン62とはY方向において離間して配置されている。
【0022】
配線パターン61は、図2におけるスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間の配線L3を構成し、長方形をなし、配線パターン60に接近した位置に配置されている。
【0023】
配線パターン63は、図2におけるスイッチング素子Q2とシャント抵抗Ruとの間の配線L4を構成するとともにシャント抵抗Ruの一端と電流検出用モニタ端子S1との間の配線L1を構成している。配線パターン63は、直線的に延びる帯板形をなし、配線パターン63の一端部は配線パターン61に接近した位置に配置され、他端側がY方向に延びている。
【0024】
配線パターン64は、図2におけるシャント抵抗Ruの他端と電流検出用モニタ端子S2との間の配線L2を構成している。配線パターン64は、直線的に延びる帯板形をなし、配線パターン64は、配線パターン62の端部から連続する状態でY方向に延びている。配線パターン63と配線パターン64とは互いに接近した位置に配置されている。
【0025】
なお、半導体モジュール20のベースプレート50は、図示しないヒートシンク(放熱板)の上面に配置される。
半導体モジュール20は、図5(a),(b),(c)に示すように、半導体チップ70,71と、検出素子72を備える。半導体チップ70は、図2のスイッチング素子Q1を構成している。半導体チップ70は、縦型MOSFETであって、下面にドレイン電極74が形成され、上面にソース電極(パッド)73およびゲート電極(パッド)75が形成されている。半導体チップ71は、図2のスイッチング素子Q2を構成している。半導体チップ71は、縦型MOSFETであって、下面にドレイン電極77が形成され、上面にソース電極(パッド)76およびゲート電極(パッド)78が形成されている。検出素子72は、電流検出素子であり、図2のシャント抵抗Ruを構成している。検出素子72は、下面における一方の端部に電極79が、他方の端部に電極80が形成されている。
【0026】
半導体チップ70は、ベースプレート50に、下面のドレイン電極74が配線パターン60に、はんだ付けにより電気的に接続された状態で実装されている。半導体チップ71は、ベースプレート50に、下面のドレイン電極77が配線パターン61に、はんだ付けにより電気的に接続された状態で実装されている。半導体チップ70のソース電極73と配線パターン61とは導電板81により電気的に接続されている。詳しくは、導電板81は金属の帯板を2箇所にわたり屈曲形成することにより構成され、導電板81の一端が半導体チップ70のソース電極73に、はんだ付けされるとともに、他端が配線パターン61に、はんだ付けされている。半導体チップ71のソース電極76と配線パターン63とは導電板82により電気的に接続されている。詳しくは、導電板82は金属の帯板を2箇所にわたり屈曲形成することにより構成され、導電板82の一端が半導体チップ71のソース電極76に、はんだ付けされるとともに、他端が配線パターン63に、はんだ付けされている。導電板81は、図2におけるスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間の配線L3を構成している。導電板82は、図2におけるスイッチング素子Q2とシャント抵抗Ruとの間の配線L4を構成している。
【0027】
検出素子72がベースプレート50の辺または隅に配置されている。検出素子72は、ベースプレート50に、下面の一方の電極79が配線パターン63に、はんだ付けされるとともに下面の他方の電極80が配線パターン62に、はんだ付けされることにより電気的に接続された状態で実装されている。このようにして、検出素子72はベースプレート50に電極79,80が配線パターン62,63に電気的に接続された状態で実装されている。配線パターン62から配線パターン64が分岐し、配線パターン63と配線パターン64はY方向に互いに平行に延びている。
【0028】
半導体モジュール20は、図4(a),(b),(c)に示すように、半導体チップ70のソース電極73、ドレイン電極74、ゲート電極75、半導体チップ71のソース電極76、ドレイン電極77、ゲート電極78に電気的に接続された半導体チップ用引出端子90,91,92,93,94を備える。
【0029】
詳しくは、配線パターン60には半導体チップ用引出端子90が立設され、半導体チップ用引出端子90の下端が配線パターン60に、はんだ付けされている(半導体チップ70のドレイン電極74と電気的に接続されている)。配線パターン62には半導体チップ用引出端子91が立設され、半導体チップ用引出端子91の下端が配線パターン62に、はんだ付けされている(半導体チップ71のソース電極76と検出素子72を介して電気的に接続されている)。配線パターン61には半導体チップ用引出端子92が立設され、半導体チップ用引出端子92の下端が配線パターン61に、はんだ付けされている(半導体チップ70のソース電極73及び半導体チップ71のドレイン電極77と電気的に接続されている)。半導体チップ70のゲート電極75には半導体チップ用引出端子93が立設され、半導体チップ用引出端子93の下端が半導体チップ70のゲート電極75に、はんだ付けされている(半導体チップ70のゲート電極75と電気的に接続されている)。半導体チップ71のゲート電極78には半導体チップ用引出端子94が立設され、半導体チップ用引出端子94の下端が半導体チップ71のゲート電極78に、はんだ付けされている(半導体チップ71のゲート電極78と電気的に接続されている)。
【0030】
このようにして、半導体チップ用引出端子90,91,92,93,94は、ベースプレート50に対し立設されている。
検出素子72の電極79,80に電気的に接続された配線パターン63,64が、Y方向に延び、ベースプレート50の端部まで検出素子用引出端子として延設されている。
【0031】
半導体モジュール20は、図3(a),(b),(c)に示すように、ハウジングとしての樹脂製枠体53を備える。樹脂製枠体53は四角枠状をなすとともに、上部は平板部53aで覆われている。樹脂製枠体53は、内方に半導体チップ70,71および検出素子72が位置する状態でベースプレート50に配置されている。上下方向に延びる半導体チップ用引出端子90,91,92,93,94は、樹脂製枠体53において水平方向に延在する平板部53aを貫通する状態で樹脂製枠体53に一体形成されている(インサート成形されている)。
【0032】
Y方向に延びる検出素子用引出端子として延設された配線パターン63,64は、樹脂製枠体53を貫通しており、配線パターン63,64は樹脂製枠体53の外壁面から外部に突出している。
【0033】
このようにして半導体モジュール20は、半導体チップ用引出端子90,91,92,93,94の先端部および配線パターン63,64の先端部が露出する状態で、樹脂製枠体53により半導体チップ70,71、検出素子72、配線材が覆われている。また、インバータ装置などでパワーモジュールを構成するときにボンディングワイヤを用いずに配線パターンや導電板を用いて接続することにより(ダイレクトリードボンディング構造とすることにより)寄生素子を削減することができる。
【0034】
図3(a),(b),(c)に示すように、樹脂製枠体53の上面にはドライブ回路の基板31が配置されている。半導体チップ用引出端子93,94に基板31が電気的に接続されている。半導体チップ用引出端子93,94に接続される基板31が重なって配置されている。検出素子用引出端子として延設された配線パターン63,64に接続されるコントローラ40が、検出素子用引出端子として延設された配線パターン63,64の端部に隣接して配置されている。コントローラ40は、配線パターン63,64を介して検出素子72に電気的に接続されている。
【0035】
なお、図3(a),(b),(c)ではU相における半導体チップ用引出端子93,94について示しているが、V相及びW相についても同様な構成をなし、図2のゲート用接続端子G3,G4,G5,G6を構成する半導体チップ用引出端子が半導体モジュール20の上面から突出して基板31と接続されている。また、図3ではU相における検出素子用引出端子としての配線パターン63,64を示しているが、V相及びW相についても同様な構成をなし、検出素子用引出端子としての配線パターンが半導体モジュール20の一側面から突出してコントローラ40と接続されている。
【0036】
次に、作用について説明する。
インバータ装置10は、スイッチング素子Q1〜Q6がオン・オフ制御されてバッテリから供給される直流電力が交流電力に変換されてモータへ3相交流電力を供給する。このとき、電流がモニタされてフィードバック制御が行われる。
【0037】
半導体モジュール20にはスイッチング素子Q1〜Q6を構成する半導体チップ(パワーMOSFET)が配置され、樹脂製枠体53の内方において配線パターン60,61,63で接続されている。電流検出用の素子72から延びる端子を上部に引き出さずに、配線パターン63,64を樹脂製枠体53の外方まで引き出して電流の測定が行われる。このように電流検出用の素子72から延びる端子を取り出すことで、電流検出用の素子72から延びる端子以外の他の取り出し配線と並走せずに端子を外部に取り出せる。
【0038】
その結果、電流検出用の素子72から延びる配線においては他の配線でのノイズの影響を受けにくい。
また、電流検出用の素子72から延びる端子を半導体モジュール20の上部に引き出さないため、半導体モジュール20の上部に基板31を配置する際に、基板31の面積も有効活用できる。
【0039】
また、電流検出用の素子72がベースプレート50(樹脂製枠体53)の辺の近く又は隅の近くに配置されており、電流検出用の素子72から延びる配線の取り回しを最短にすることができる。
【0040】
よって、電流フィードバック時や検査時にノイズなどの影響を軽減して半導体モジュール20の内部の電流を測定する。具体的にはシャント抵抗Ru,Rv,Rwの両端での信号が半導体モジュール20の側面(横)から出力され、正極端子、負極端子、ゲート端子は半導体モジュール20の上部に取り出される。
【0041】
このようにして、半導体モジュール20は素子や配線が樹脂製枠体53内に配置されるためモジュールの全体での動作や電流Itotal(図2参照)の確認は可能であるが、U相、V相、W相の3つの個別の回路での各電流Iu,Iv,Iw(図2参照)の測定が難しくなる。このため、個別回路ごとに電流の測定を実施する場合は、あらかじめ電流検出素子を内蔵し、電圧を外部に引き出して、測定を実施する必要がある。このように電流モニタを行うとモニタ数が増加すると、配線数も増加し、半導体モジュール20内に配線が増加するため、取り出しの電極が増加してしまう。また、モニタ用の取り出し電極はパワーラインの端子(電極)からノイズを受けないように配置する必要もあるので小型化の妨げとなる。
【0042】
本実施形態では、電流センサ信号を他の信号と並走せずに取り出せるため、クロストークといったノイズの影響を受けにくくなる。また、半導体モジュール20の上部へ基板31を配置する際の基板の有効活用が可能となる。
【0043】
なお、U相、V相、W相の3相出力ラインはノイズ源になるとともにゲート信号ラインも周波数の高いパルス信号が送られるのでノイズ源になる。よって、電流検出信号ラインにおいて、3相出力ラインおよびゲート信号ラインに起因するクロストーク(カップリング)によりノイズを受けやすいが、これを回避することができ、精度よく電流を測定することができる。
【0044】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)半導体モジュール20の構成として、ベースプレート50と、配線パターン60〜64と、半導体チップ70,71と、検出素子72と、半導体チップ用引出端子90〜94とを備える。半導体チップ用引出端子90〜94は、ベースプレート50に対し立設され、検出素子72の電極に電気的に接続された配線パターン63,64がベースプレート50の端部まで検出素子用引出端子として延設されている。
【0045】
よって、検出素子72の信号を他の信号と並走せずに取り出せるため、ノイズの影響を受けにくくなる。これにより精度よく電流測定を行うことができる。
(2)検出素子72がベースプレート50の辺または隅に配置されているので、検出素子72の配線を短くできる。
【0046】
(3)内方に半導体チップ70,71および検出素子72が位置する状態でベースプレート50に配置された樹脂製枠体53を備え、検出素子用引出端子として延設された配線パターン63,64は、樹脂製枠体53を貫通しているので、実用的である。
【0047】
(4)検出素子72は、電流検出素子であるので、容易に電流を検出することができる。
(5)半導体モジュール20には、半導体チップ用引出端子に接続される基板31が重なって配置され、検出素子用引出端子として延設された配線パターン63,64に接続されるコントローラ40が、検出素子用引出端子として延設された配線パターン63,64の端部に隣接して配置されているので、小型化を図ることができる。
【0048】
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
・半導体チップ用引出端子は、半導体チップの電極(パッド)から直接延設されていても(直接立設されていても)、半導体チップの電極(パッド)から導電板等を介して配線パターンに接続され、配線パターンから延設されていても(立設されていても)よい。要は、半導体チップ用引出端子は、半導体チップの電極に電気的に接続されていればよい。
【0049】
・電流検出素子は、シャント抵抗で構成したが、他の素子、例えばホール素子で構成してもよい。
・検出素子は電流検出素子であったが、これに限らない。例えば、検出素子は、電圧検出素子であってもよい。
【0050】
・インバータ装置に適用したが、これに限らない。例えば、DC/DCコンバータ、PFC(力率改善回路)等に適用してもよい。
【符号の説明】
【0051】
20…半導体モジュール、31…基板、40…コントローラ、50…ベースプレート、51…金属板、52…絶縁層、53…樹脂製枠体、60〜64…配線パターン、70,71…半導体チップ、72…検出素子、74,76…電極、90〜94…半導体チップ用引出端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6