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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228659(P2017-228659A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20171201BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   H01L21/60 311Q
   H05K1/18 L
   H05K1/18 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-123869(P2016-123869)
(22)【出願日】2016年6月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(72)【発明者】
【氏名】谷 直樹
【テーマコード(参考)】
5E336
5F044
【Fターム(参考)】
5E336AA04
5E336AA12
5E336BB02
5E336BB15
5E336CC31
5E336CC55
5E336DD22
5E336DD38
5E336EE03
5E336GG14
5E336GG30
5F044KK01
5F044LL01
5F044LL17
(57)【要約】
【課題】半導体素子の接続端子と回路基板に設けられた配線とを電気的に接続するはんだでクラックが発生することを防ぐことができる半導体装置を提供することを課題とする。
【解決手段】半導体装置100は、半導体素子1と、回路基板2と、金属配線3A〜3Fと、膨張部材5を備える。回路基板2は、上面21と、上面21に対向する下面22とを有する。金属配線3A〜3Fは、上面21及び下面22の少なくとも一方に形成される。半導体素子1において、少なくとも2つの接続端子が、回路基板2の上面21に対向するように配置された端子形成面13に形成される。膨張部材5は、半導体素子1の端子形成面13に固定され、半導体素子1の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有し、少なくとも2つの接続端子のうち互いに隣り合う2つの接続端子よりも大きいサイズを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面とを有する回路基板と、
前記第1の面及び前記第2の面の少なくとも一方に形成される少なくとも2つの金属配線と、
前記第1の面に対向するように配置された端子形成面において、少なくとも2つの接続端子が形成されている半導体素子と、
前記少なくとも2つの接続端子の各々と前記少なくとも2つの金属配線の各々とを電気的に接続するはんだと、
前記半導体素子の前記端子形成面に固定され、前記半導体素子の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有し、前記少なくとも2つの接続端子のうち互いに隣り合う2つの接続端子の間隔よりも大きいサイズを有する膨張部材と、
を備える半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記膨張部材が、10〜33×10−6(1/K)の範囲内の線膨張係数を有する半導体装置。
【請求項3】
請求項2に記載の半導体装置であって、
前記膨張部材は、前記端子形成面に形成された前記少なくとも2つの接続端子を囲む環状形状を有する半導体装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体装置であって、
前記膨張部材において前記第1の面に対向する面は、前記第1の面と接触し、
前記膨張部材は、前記回路基板と相対的に移動可能である半導体装置。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記膨張部材は、前記金属配線の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有し、
前記膨張部材において前記第1の面に対向する面は、前記第1の面に接触する接触面と、前記第1の面に接触しない非接触面とを有する半導体装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体装置であって、さらに、
前記第1の面と前記非接触面との間に挿入され、前記膨張部材の線膨張係数よりも小さい線膨張係数を有する挿入部材、
を備える半導体装置。
【請求項7】
請求項5に記載の半導体装置であって、
前記膨張部材は、前記端子形成面と対向する面に固定され、
前記挿入部材が前記第1の面と前記非接触面との間に配置される半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板上に実装された半導体素子を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の高機能化に伴って、半導体素子に設けられる接続端子の数が増加する傾向にある。一方で、半導体素子の小型化も求められている。このため、複数の接続端子を狭い領域に効率よく設けるために、フリップチップ構造が半導体素子に採用されている。フリップチップ構造は、例えば、半導体素子の底面に複数の接続端子がアレイ状に配列された構造を有する。
【0003】
しかし、フリップチップ構造を有する半導体素子を回路基板上に実装した場合、回路基板と半導体素子とを接続するはんだにおいて、クラックが発生することがある。
【0004】
半導体素子や、半導体素子の周辺に設置された熱源で発生する熱によって、回路基板及び半導体素子が膨張する。回路基板の線膨張係数が、半導体素子の線膨張係数よりも大きいため、回路基板は、半導体素子よりも大きく膨張する。このようにして生じる回路基板と半導体素子との膨張差によって、半導体素子において反りが発生する。半導体素子の反りは、半導体素子の接続端子と回路基板に形成された配線とを電気的に接続するはんだにおいて発生するクラックの原因となる。クラックは、半導体素子が設けられた半導体装置の故障の原因となるため、クラックの発生を防ぐ対策を取らなければならない。
【0005】
特許文献1には、フリップチップ構造を有するLSI(Large-Scale Integration)と、LSIが実装される回路基板との接続構造が開示されている。特許文献1では、LSIの接続端子は、LSIの底面の中心領域(電気的接続端子領域)においてアレイ状に配置される。電気的接続端子領域の周囲に、LSIと回路基板との機械的な接合を補強する領域(機械的接続補強端子領域)が形成される。回路基板とLSIの機械的接続補強端子領域との間を、はんだボールを用いてリフローすることにより、回路基板とLSIの機械的接続補強端子領域とを機械的に接続するはんだがアレイ状に配置される。これにより、LSIと回路基板との接合が補強されるため、LSIの反りが抑制される。半導体素子と回路基板に設けられた配線との電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−22034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、半導体素子の接続端子と回路基板に設けられた配線とを電気的に接続するはんだでクラックが発生することを防ぐことができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施の形態に係る半導体装置は、第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを有する回路基板と、第1の面及び第2の面の少なくとも一方に形成される少なくとも2つの金属配線と、第1の面に対向するように配置された端子形成面において、少なくとも2つの接続端子が形成されている半導体素子と、少なくとも2つの接続端子の各々と少なくとも2つの金属配線の各々とを電気的に接続するはんだと、半導体素子の端子形成面に固定され、半導体素子の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有し、少なくとも2つの接続端子のうち互いに隣り合う2つの接続端子の間隔よりも大きいサイズを有する膨張部材と、を備える。
【0009】
好ましくは、上記の半導体装置において、膨張部材が、10〜33×10−6(1/K)の範囲内の線膨張係数を有する。
【0010】
好ましくは、上記の半導体装置において、膨張部材は、端子形成面に形成された少なくとも2つの接続端子を囲む環状形状を有する。
【0011】
好ましくは、上記の半導体装置において、膨張部材において第1の面に対向する面は、第1の面と接触し、膨張部材は、回路基板と相対的に移動可能である。
【0012】
好ましくは、上記の半導体装置において、膨張部材は、金属配線の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有し、膨張部材において第1の面に対向する面は、第1の面に接触する接触面と、第1の面に接触しない非接触面とを有する。
【0013】
好ましくは、上記の半導体装置は、さらに、第1の面と非接触面との間に挿入され、膨張部材の線膨張係数よりも小さい線膨張係数を有する挿入部材、を備える。
【0014】
好ましくは、上記の半導体装置において、膨張部材は、端子形成面と対向する面に固定され、挿入部材が第1の面と非接触面との間に配置される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る半導体装置において、膨張部材は、半導体素子の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有し、半導体素子の端子形成面に固定される。膨張部材のサイズは、互いに隣り合う2つの接続端子の間隔よりも大きい。膨張部材の膨張により発生する応力が、半導体素子のうち、互いに隣り合う2つの接続端子の間の部分に伝わるため、本発明に係る半導体装置は、接続端子とはんだとの接続面に生じる剪断応力を小さくすることができる。従って、本発明に係る半導体装置は、接続端子とはんだとの接続面でクラックが発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す側面断面図である。
図2図1に示す回路基板の底面図である。
図3図1に示す半導体素子の底面図である。
図4図1に示す半導体装置で発生する応力を説明する図である。
図5図1に示す半導体装置で発生する応力を説明する図である。
図6図1に示す膨張部材で発生する応力を模式的に示す図である。
図7図1に示す膨張部材の変形例を示す図である。
図8図1に示す半導体装置の変形例の側面断面図である。
図9】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の構成を示す側面断面図である。
図10図9に示す回路基板の平面図である。
図11図9に示す半導体装置で発生する応力を説明する図である。
図12図9に示す半導体装置の変形例の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置100の構成を示す側面断面図である。図2は、図1に示す回路基板2の底面図である。図3は、図1に示す半導体素子1の底面図である。
【0019】
以下の説明において、図1における横方向をx軸、図1における縦方向をy軸、図1における紙面奥行き方向をz軸と定義する。なお、説明の便宜上、y軸方向を上下方向と呼び、半導体素子1から見て回路基板2の位置する方向を下方向と呼ぶ場合がある。
【0020】
図1及び図2に示すように、半導体装置100は、半導体素子1と、回路基板2と、金属配線3A〜3Fと、はんだ4,4,・・・と、膨張部材5とを備える。以下、金属配線3A〜3Fを総称する場合、「金属配線3」と記載する。
【0021】
半導体装置100は、例えば、自動車の電動パワーステアリング用のモータの制御回路であり、このモータを駆動させるための交流電流を生成するために用いられる。半導体素子1は、図示しないスイッチング素子の制御信号を生成して、スイッチング素子に供給する。
【0022】
半導体素子1は、例えば、トランジスタ、ダイオードなどにより構成される回路部を含む半導体チップであり、回路基板2の上に位置する。図1及び図3に示すように、半導体素子1は、筐体11と、接続端子12A〜12Fとを備える。図1に示す半導体素子1において、トランジスタやダイオード等により形成される回路部の表示を省略している。
【0023】
半導体素子1は、半導体素子1自身で発生する熱や、上記のスイッチング素子などの他の熱源で発生する熱により膨張する。半導体素子1の線膨張係数は、筐体11に用いられる素材や、回路部を構成する基板に用いられる素材等に基づいて決まる。半導体素子1の線膨張係数は、具体的には、2〜6×10−6(1/K)である。
【0024】
接続端子12A〜12Fは、半導体素子1における入出力端子であり、回路部に接続される。以下、接続端子12A〜12Fを総称する場合、「接続端子12」と記載する。接続端子12は、半導体素子1において回路基板2の上面21に対向する端子形成面13にアレイ状に配置される。接続端子12は、端子形成面13において、x軸方向に沿って2つ配置され、z軸方向に沿って3つ配置される。端子形成面13は、筐体11の底面に相当する。半導体素子1は、半導体素子1において対向する2つの面のうち一方の面に接続端子12が配置された横型半導体素子であり、フリップチップ構造を有する。
【0025】
図1及び図2に示すように、回路基板2は、平板状の部材である。回路基板2は、半導体素子1の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有する素材により形成される。回路基板2の線膨張係数は、具体的には、10〜20×10−6(1/K)である。
【0026】
スルーホール23A〜23Fが、回路基板2を上下方向に貫通している。スルーホール23A〜23Fは、x軸方向に沿って2つ形成され、z軸方向に沿って3つ形成される。半導体装置100を上から下方向に見た場合において、スルーホール23A〜23Fの各々は、半導体素子1の接続端子12A〜12Fの各々に重なる位置に形成される。
【0027】
金属配線3A〜3Fの各々は、回路基板2の下面22と、回路基板2を上下方向に貫通するスルーホール23A〜23Fの内周面とに形成される。具体的には、金属配線3Aは、スルーホール23Aの内周面に金属めっきを施すことにより形成される層間接続部31Aと、回路基板2の下面22に形成されるパターン部32Aとを備える。
【0028】
金属配線3B〜3Fは、金属配線3Aと同様の構成を備える。すなわち、金属配線3Bは、層間接続部31Bと、パターン部32Bとを備える。金属配線3Cは、層間接続部31Cと、パターン部32Cとを備える。金属配線3Dは、層間接続部31Dと、パターン部32Dとを備える。金属配線3Eは、層間接続部31Eと、パターン部32Eとを備える。金属配線3Fは、層間接続部31Fと、パターン部32Fとを備える。
【0029】
金属配線3に用いられる素材は、例えば、銅や、銅を主成分とする合金である。具体的には、線膨張係数が14〜23×10−6(1/K)である金属が、金属配線3として用いられる。つまり、回路基板2の線膨張係数は、金属配線3の線膨張係数と同程度となるように設定される。
【0030】
はんだ4,4,・・・は、半導体素子1の接続端子12A〜12Fと、金属配線3A〜3Fとを電気的に接続する。はんだ4の線膨張係数は、半導体素子1の線膨張係数よりも大きい。はんだ4の線膨張係数は、具体的には、14〜30×10−6(1/K)である。接続端子12Aは、金属配線3Aの層間接続部31Aとはんだ4によりはんだ付けされることにより、金属配線3Aと電気的に接続される。同様に、接続端子12Bは、金属配線3Bと電気的に接続される。接続端子12Cは、金属配線3Cと電気的に接続される。接続端子12Dは、金属配線3Dと電気的に接続される。接続端子12Eは、金属配線3Eと電気的に接続される。接続端子12Fは、金属配線3Fと電気的に接続される。
【0031】
膨張部材5は、図1及び図3に示すように、環状形状であり、半導体素子1の端子形成面13の外周に沿って配置される。つまり、膨張部材5は、接続端子12を囲むようにして配置される。膨張部材5の上面は、半導体素子1の端子形成面13に固定される。膨張部材5の下面は、回路基板2の上面21に接触しているが、回路基板2の上面21に固定されない。
【0032】
膨張部材5は、半導体素子1の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有する素材により形成される。膨張部材5として、例えば、はんだや、半導体に接合された銅板などが用いられる。膨張部材5の線膨張係数は、好ましくは、10〜33×10−6(1/K)であり、さらに好ましくは、14〜30×10−6(1/K)である。
【0033】
このように、膨張部材5は、半導体素子1の端子形成面13に固定され、端子形成面13の外周に沿って環状に配置される。膨張部材5を設けることにより、半導体素子1及び半導体素子1の近傍に配置された熱源で発生する熱により、半導体装置100においてクラックが発生することを防ぐことができる。以下、詳しく説明する。
【0034】
ここで、クラックは、接続端子12とはんだ4との接続面において割れが発生することを示す。熱源は、例えば、半導体素子1により生成された制御信号に応じて動作するスイッチング素子や、半導体装置100の近傍に配置されたモータなどが挙げられる。
【0035】
最初に、クラックが発生する原因について、図4を参照しながら説明する。図4は、半導体装置100で発生する応力を説明する図である。図4において、膨張部材5の表示を省略している。また、図4において、スルーホール、層間接続部、及びパターン部の符号の表示を省略している。
【0036】
半導体素子1と、回路基板2と、金属配線3と、はんだ4とは、半導体素子1及び熱源で発生する熱により膨張する。つまり、半導体素子1と、回路基板2と、金属配線3と、はんだ4との各々において、x軸方向、y軸方向、z軸方向の各々の方向に向かう応力が発生する。これら3軸方向に向かう応力のうち、x軸方向及びz軸方向の応力(xz平面に平行な方向の応力)が、クラックの原因となる。
【0037】
回路基板2及び金属配線3は、上述のように、同程度の線膨張係数を有している。従って、回路基板2のxz平面に平行な方向の伸びは、金属配線3のxz平面に平行な方向の伸びと同程度となり、回路基板2及び金属配線3の各々で、応力60が発生する。回路基板2及び金属配線3において、膨張に大きな差が発生しないため、回路基板2に反りが発生することが抑制される。このように、回路基板2及び金属配線3は、熱膨張に関して、一体化された1つの部材とみなすことができる。
【0038】
一方、半導体素子1の線膨張係数は、上述のように、回路基板2及び金属配線3の各々の線膨張係数よりも小さく、回路基板2及び金属配線3の各々の線膨張係数の3分の1程度である。従って、半導体素子1のxz平面に平行な方向への伸びは、回路基板2及び金属配線3のxz平面に平行な方向の伸びより小さい。半導体素子1のxz平面に平行な方向への伸びに応じて発生する応力61は、回路基板2及び金属配線3のxz平面に平行な方向への伸びに応じて発生する応力60よりも小さい。
【0039】
この結果、半導体素子1で発生する応力61と、回路基板2及び金属配線3で発生する応力60との差が、接続端子12とはんだ4との接続面において剪断応力として作用する。半導体素子1及び熱源において熱が発生している期間において、剪断応力が、接続端子12とはんだ4との接続面において継続的に作用する。この剪断応力は、半導体素子1の線膨張係数と、回路基板2及び金属配線3の各々の線膨張係数との差によって発生し、接続端子12とはんだ4との接続面でひずみを発生させる。従って、この剪断応力は、接続端子12とはんだ4との接続面において発生するクラックの原因となる。
【0040】
また、半導体素子1の線膨張係数とはんだ4の線膨張係数との差も、クラックの原因となる。はんだ4の線膨張係数は、上述のように、半導体素子1の線膨張係数よりも大きいため、はんだ4のxz平面に平行な方向の伸びは、半導体素子1のxz平面に平行な方向の伸びよりも大きい。はんだ4で発生するxz平面に平行な方向の応力41が、半導体素子1で発生するxz平面に平行な応力61よりも大きいため、応力41と応力61との差も、接続端子12とはんだ4との接続面における剪断応力として作用する。つまり、半導体素子1の線膨張係数とはんだ4との線膨張係数との差によっても、剪断応力が、接続端子12とはんだ4との接続面で発生し、この剪断応力も、クラックの原因となる。
【0041】
また、熱により生じる半導体素子1の反りも、クラックの原因となる。図4に示すように、回路基板2で発生する応力60が、接続端子12B,12Eの各々に接続されたはんだ4,4を介して、半導体素子1の中心部に伝わる。中心部とは、半導体素子1を上から下方向に見た場合において、半導体素子1において複数の接続端子12により挟まれた部分である。図3では、一点鎖線により囲まれた領域が中心部に相当する。
【0042】
この結果、半導体素子1の中心部では、応力61と、回路基板2から伝わる応力60とが合成された合成応力62が発生する。合成応力62は、応力61よりも大きい。一方、半導体素子1の周縁部には、回路基板2及び金属配線3で発生する応力60は伝わらず、半導体素子1の周縁部は、応力60の影響を受けない。ここで、周縁部は、半導体素子1において、接続端子12から外方向の部分である。外方向は、接続端子12から見て膨張部材5が位置する方向である。この結果、応力の局所的な差が半導体素子1で発生するため、半導体素子1において、下に凸となるような反りが発生する。この反りは、半導体素子1を上方向に引っ張る力として作用するため、クラックの原因となる。
【0043】
図5及び図6は、膨張部材5で発生する応力を説明する図である。図5は、半導体素子1の側面断面図に相当し、図6は、半導体素子1の底面図に相当する。図5において、スルーホール、層間接続部、及びパターン部の符号の表示を省略している。
【0044】
図5に示すように、応力61が半導体素子1に発生し、応力60が回路基板2及び金属配線3に発生し、応力41がはんだ4に発生する。また、半導体素子1の中心部において、合成応力62が発生する。
【0045】
図5及び図6に示すように、膨張部材5が環状の形状をしている。このため、膨張部材5が熱により膨張した場合、膨張部材5において、xy平面に平行な方向であり、かつ、外方向に広がる応力55が発生する。膨張部材5は、半導体素子1の線膨張係数よりも大きい線膨張係数を有するため、応力55は、半導体素子1で発生する応力61よりも大きい。
【0046】
膨張部材5が回路基板2の上面21に固定されていないため、膨張部材5は、膨張する際に、回路基板2に対して相対的に移動する。従って、応力55は、膨張部材5から回路基板2に伝わらない。一方、膨張部材5は、半導体素子1の端子形成面13に固定されているため、半導体素子1の周縁部は、膨張部材5で発生する応力55を受ける。上述のように、応力55は、膨張部材5の外方向に向かう力であるため、半導体素子1に伝わる応力55は、半導体素子1全体を、xz平面に平行な方向であり、かつ、半導体素子1の中心から外方向に伸ばす力として作用する。
【0047】
半導体素子1において、応力61と、膨張部材5から伝わる応力55とが合成されるため、合成応力63が発生する。合成応力63は、半導体素子1から、接続端子12とはんだ4との接続面に伝わる。合成応力63が応力61よりも大きいため、応力60と合成応力63との差は、応力60と応力61との差よりも小さい。従って、半導体装置100は、半導体素子1の線膨張係数と、回路基板2及び金属配線3の各々の線膨張係数との差によって生じる剪断応力を小さくすることができる。また、応力55が半導体素子1に伝わることにより、半導体素子1の線膨張係数とはんだ4の線膨張係数との差によって生じる剪断応力を小さくすることができる。従って、半導体装置100は、接続端子12とはんだ4との接続面で発生するクラックを抑制することができる。
【0048】
膨張部材5で発生する応力55は、上述のように、半導体素子1の周縁部に伝わる。応力55は、半導体素子1の周縁部を外方向へ伸ばす力として作用する。膨張部材5は、半導体素子1における応力の局所的な差を小さくすることができる。半導体装置100は、半導体素子1の反りを抑制することができるため、接続端子12とはんだ4との接続面で発生するクラックを抑制することができる。
【0049】
また、膨張部材5の下面は、上述のように、回路基板2の上面21に接触している。これにより、半導体装置100は、接続端子12とはんだ4との接続面におけるクラックの発生をさらに抑制することができる。以下、詳しく説明する。
【0050】
半導体装置100において、図示しない熱源で発生する熱は、回路基板2及び金属配線3に伝わる。回路基板2及び金属配線3に伝わった熱は、はんだ4又は膨張部材5を介して半導体素子1に伝わる。半導体素子1の膨張が、回路基板2、金属配線3及びはんだ4よりも遅れて始まるため、応力60及び応力41は、応力61よりも時間的に先に発生する。従って、接続端子12とはんだ4との接続面における剪断応力は、回路基板2、金属配線3及びはんだ4が膨張を開始してから半導体素子1が膨張を開始するまでの期間において一時的に増加する。
【0051】
膨張部材5は、回路基板2の上面21に接触しているため、回路基板2を伝わる熱は、回路基板2から膨張部材5に直接伝わる。膨張部材5は、半導体素子1で応力61が発生するよりも時間的に早く応力55を発生させることができる。膨張部材5は、半導体素子1が膨張を開始する前に、応力55を半導体素子1に伝えることができるため、回路基板2が膨張を開始してから半導体素子1が膨張を開始するまでにおける剪断応力の一時的な増加を抑制することができる。
【0052】
また、膨張部材5がはんだ等の金属により形成されているため、膨張部材5は、半導体素子1の端子形成面13と回路基板2の上面21との間の空間を電磁気的に遮蔽する。従って、半導体素子1に入力される信号や、半導体素子1から出力される信号にノイズが混入することを防ぐことができる。
【0053】
なお、上記第1の実施の形態では、膨張部材5が円環形状である例を説明したが、これに限られない。図7は、半導体装置100が備える膨張部材5の変形例を示す図であり、半導体素子1の底面図に相当する。
【0054】
半導体装置100は、膨張部材5に代えて、図7に示す4つの膨張部材51〜54を備えてもよい。膨張部材51〜54の各々の形状は、直線形状である。膨張部材51〜54は、接続端子12を囲むように、端子形成面13に固定される。なお、膨張部材51〜54の下面は、図1に示す膨張部材5と同様に、回路基板2の上面21に固定されないが、回路基板2の上面21と接触している。
【0055】
以下、膨張部材51〜54におけるxz平面に平行な方向におけるサイズについて説明する。図7に示すように、x軸方向に沿って互いに隣り合う2つの接続端子12の間隔は、D1である。z軸方向に沿って互いに隣り合う2つの接続端子の間隔は、D2である。2つの接続端子の間隔は、2つの接続端子の一方の中心から他方の接続端子の中心までの距離により定義される。
【0056】
膨張部材51〜54は、互いに隣り合う2つの接続端子を結ぶ直線に沿って配置され、xz平面に平行な方向におけるサイズとして、この2つの接続端子の間隔よりも大きいサイズを有する。
【0057】
例えば、膨張部材51は、接続端子12Aと接続端子12Dとをつなぐ直線に沿って配置され、膨張部材51のx軸方向のサイズは、間隔D1よりも大きい。また、膨張部材52は、接続端子12Aと接続端子12Bとをつなぐ直線に沿って配置され、膨張部材52のz軸方向のサイズは、間隔D2よりも大きい。これにより、膨張部材51〜54は、図1及び図3に示す膨張部材5と同様に、膨張部材51〜54の膨張により発生する応力を、半導体素子1の中心部に作用させることができる。膨張部材51〜54は、接続端子12とはんだ4との接続面に生じる剪断応力を小さくすることができるため、接続端子12とはんだ4との接続面で発生するクラックを防ぐことができる。
【0058】
図7では、膨張部材51〜54が互いに離間して配置されているが、膨張部材51〜54の各々の端部を接触させることにより、膨張部材51〜54が、四角い1つの枠を形成してもよい。
【0059】
また、半導体装置100は、図7に示す膨張部材51〜54のうち、少なくとも1つを備えていればよい。例えば、半導体装置100は、図7に示す膨張部材51のみを備えていてもよく、あるいは、膨張部材52のみを備えていてもよい。つまり、半導体装置100が備える膨張部材は、端子形成面13に固定され、端子形成面13に形成された互いに隣り合う2つの接続端子を結ぶ直線方向のサイズとして、互いに隣り合う2つの接続端子の間隔よりも大きいサイズを有していればよい。また、膨張部材は、互いに隣りあう2つの接続端子12の一方側から他方側に向かって伸びるように配置される。
【0060】
膨張部材の膨張により膨張部材で発生する応力のうちxz平面に平行な方向の応力は、半導体素子1の周縁部に伝わる。周縁部に伝わった応力は、半導体素子1における互いに隣り合う2つの接続端子12の間の部分に伝わる。この結果、半導体装置100は、接続端子12とはんだ4との接続面の剪断応力を小さくすることができる。これにより、半導体素子1は、クラックの発生を抑制することができる。
【0061】
また、上記実施の形態では、膨張部材51が、回路基板2の上面21に接触する例を説明したが、これに限られない。図8は、半導体装置100の他の変形例の側面断面図である。図8に示すように、膨張部材5の下面が、回路基板2の上面21に接触しなくてもよい。この場合、金属配線3を回路基板2の上面21に形成することができるため、回路基板2に形成される金属配線3の設計の自由度を向上させることができる。つまり、半導体装置100が図8に示す構成を有する場合、金属配線3は、回路基板2の上面21及び下面22の少なくとも一方に形成されていればよい。
【0062】
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置200の構成を示す側面断面図である。図10は、図9に示す回路基板2の平面図である。図9及び図10に示す半導体装置200が上記第1の実施の形態に係る半導体装置100と異なる点は、半導体装置200が、膨張部材5に代えて、挿入部材7と膨張部材8とを備える点である。
【0063】
図10に示すように、挿入部材7は、回路基板2の上面21に固定される環状の部材である。挿入部材7は、半導体装置200を上から下方向に見た場合において、回路基板2の上面21のうち、半導体素子1と重複する重複領域21Aの外周に沿って配置される。従って、半導体装置200を上から下方向に見た場合、挿入部材7の外周は、半導体素子1の外周と一致する。挿入部材7の上下方向のサイズは、半導体素子1の端子形成面13と回路基板2の上面21との間の距離よりも小さい。すなわち、挿入部材7の上面は、半導体素子1の端子形成面13には接触しない。
【0064】
挿入部材7は、例えば、はんだや、めっき材や樹脂などで形成される。また、挿入部材7は、膨張部材8と密着性の悪いめっき材により形成されてもよいし、回路基板2上に形成された銅などを用いてもよい。
【0065】
膨張部材8は、半導体素子1の端子形成面13と、回路基板2の上面21との間の空間に充填される樹脂である。膨張部材8が、半導体素子1の端子形成面13に固定されている。膨張部材8は、回路基板2の上面21における重複領域21Aのうち、挿入部材7が形成されていない領域に固定される。つまり、挿入部材7は、回路基板2の上面21と、膨張部材8の下面のうち回路基板2の上面21と接触しない非接触面との間に配置される。また、膨張部材8は、挿入部材7の上面に固定される。膨張部材8の線膨張係数は、半導体素子1の線膨張係数よりも大きく、回路基板2及び金属配線3の線膨張係数よりも大きい。膨張部材8の線膨張係数は、好ましくは、10〜33×10−6(1/K)であり、さらに好ましくは、14〜30×10−6(1/K)である。
【0066】
膨張部材8は、端子形成面13の全体にわたって固定されるため、膨張部材8のxz平面方向に平行な方向のサイズは、互いに隣接する2つの接続端子12の間隔よりも大きい。
【0067】
上述のように、半導体装置200は、膨張部材5に代えて、膨張部材8を有する。これにより、半導体装置200は、半導体装置100と同様に、接続端子12とはんだ4との接続面におけるクラックの発生を抑制することができる。以下、詳しく説明する。
【0068】
図11は、半導体装置200で発生する応力を示す図である。図11において、スルーホール、層間接続部、パターン部の符号の表示を省略している。
【0069】
図11に示すように、膨張部材8は、半導体素子1で発生する熱又は熱源からの熱によって膨張し、xz平面に平行な方向に向かって伸びる。膨張部材8の伸びに伴って、xz平面に平行な方向に向かう応力81が膨張部材8で発生する。また、半導体素子1において応力61が発生し、回路基板2において、応力60が発生する。膨張部材8の線膨張係数は、半導体素子1の線膨張係数よりも大きく、回路基板2及び金属配線3の線膨張係数より大きくい。このため、応力81は、応力60及び応力61よりも大きい。
【0070】
膨張部材8が、半導体素子1の端子形成面13と、回路基板2の上面21における重複領域21Aのうち挿入部材7が形成されていない領域とに固定されている。このため、半導体素子1と、回路基板2とは、膨張部材8から応力81を受ける。
【0071】
半導体素子1が膨張部材8から受ける応力81について説明する。膨張部材8が半導体素子1の端子形成面13に固定されているため、半導体素子1は、膨張部材8の伸びに伴う応力81を、端子形成面13全体から受ける。つまり、半導体素子1は、xz平面の平行な方向であり、かつ、半導体素子1の外方向に広がる力を、膨張部材8から受ける。この結果、半導体素子1の中心部及び周縁部において、応力61と応力81とが合成された合成応力64が発生する。合成応力64は、半導体素子1の膨張に伴って発生する応力61よりも大きい。
【0072】
回路基板2が膨張部材8から受ける応力について説明する。膨張部材8は、回路基板2の上面21における重複領域21Aのうち一部の領域に固定されている。ここで、一部の領域とは、重複領域21Aのうち、挿入部材7が形成された領域を除く領域である。このため、回路基板2は、上記の一部の領域において、膨張部材8で発生する応力81を受ける。従って、回路基板2のうち、膨張部材5が固定された部分では、回路基板2で発生する応力60と、膨張部材8から受ける応力81の一部とが合成された合成応力65が発生する。
【0073】
しかし、上記の一部の領域は、半導体素子1の端子形成面13よりも狭い。また、後述するように、挿入部材7が、膨張部材8から回路基板2に伝わる応力81を吸収する。従って、膨張部材8から回路基板2に伝わる応力81は、膨張部材8から半導体素子1の端子形成面13に伝わる応力81よりも小さい。この結果、合成応力64と合成応力65との差は、回路基板2及び金属配線3で発生する応力60と、半導体素子1で発生する応力61との差よりも小さくなるため、半導体装置200は、接続端子12とはんだ4との接続面で生じる剪断応力を小さくすることができる。従って、半導体装置200は、接続端子12とはんだ4との接続面で発生するクラックを抑制することができる。
【0074】
はんだ4で発生する応力41については、図11に示していないが、半導体装置200は、半導体装置100と同様に、半導体素子1の線膨張係数とはんだ4の線膨張係数との差に起因する剪断応力を小さくすることができる。
【0075】
また、半導体素子1が、端子形成面13全体で応力81を受けるため、半導体装置200は、半導体装置100と同様に、半導体素子1で発生する応力の局所的な差を小さくすることができる。半導体装置200は、半導体素子1の反りを抑制することができるため、接続端子12とはんだ4との接続面で発生するクラックを抑制することができる。
【0076】
以下、挿入部材7が膨張部材8から回路基板2に伝わる応力81を吸収する理由について説明する。膨張部材8の線膨張係数が、上述のように、回路基板2及び金属配線3の各々の線膨張係数よりも大きいため、xz平面に平行な方向への膨張部材8の伸びは、xz平面に平行な方向への回路基板2及び金属配線3の伸びよりも大きい。また、挿入部材7は、回路基板2の上面21に固定されている。
【0077】
この結果、挿入部材7と膨張部材8との接続面において、xz平面に平行な剪断応力が発生する。そして、挿入部材7の上面が、挿入部材7の下面に対してxz平面に平行な方向にずれるように移動する。この結果、挿入部材7は、膨張部材8から伝わる応力81を吸収することができる。挿入部材7が応力81を吸収することにより、回路基板2の上面21における重複領域21Aのうち、挿入部材7が形成された領域には、膨張部材8で発生する応力が伝わりにくくなる。従って、膨張部材8から回路基板2に伝わる応力81は、膨張部材8から半導体素子1に伝わる応力81よりも小さくなる。
【0078】
また、挿入部材7と膨張部材8との接触面又は膨張部材8の内部で発生する応力が、大きくなった場合、膨張部材8が挿入部材7から剥離するか、あるいは、膨張部材8が破壊される。挿入部材7から剥離した膨張部材8又は破壊された膨張部材8は、挿入部材7に対して相対的に移動する。この場合、膨張部材8で発生する応力81が挿入部材7に伝わらないため、膨張部材8から回路基板2に伝わる応力81が膨張部材8から半導体素子1に伝わる応力81よりも小さい状態が継続される。従って、膨張部材8が挿入部材7から剥離した場合であっても、接続端子12とはんだ4との接続面で発生するクラックを抑制することができる。
【0079】
なお、第2の実施の形態において、半導体装置200が、挿入部材7を備える例を説明したが、これに限られない。半導体装置200は、挿入部材7を備えなくてもよい。この場合、図12に示すように、膨張部材8の下面において、回路基板2の上面21と接触しない領域があればよい。つまり、回路基板2の上面21に対向する膨張部材8の下面は、上面21に接触する接触面83と、上面21に接触しない非接触面84とを備えていればよい。この場合であっても、回路基板2の重複領域21Aにおいて、膨張部材8で発生する応力21を直接受ける領域を小さくすることができるため、接続端子12とはんだ4との接続面においてクラックが発生することを防ぐことができる。
【0080】
また、図12に示すように、半導体装置200が挿入部材7を備えない場合、金属配線3A〜3Fを、回路基板2の上面21に形成してもよい。つまり、半導体装置200が図12に示す構成を有する場合、金属配線3は、回路基板2の上面21及び下面22の少なくとも一方に形成されていればよい。
【0081】
また、第2の実施の形態において、挿入部材7の形状が環状である例を説明したが、これに限られない。挿入部材7は、回路基板2の上面21と、膨張部材8の非接触面84との間に挿入される部材であり、膨張部材8が挿入部材の上面(端子形成面13に対向する面)に固定されていれば、挿入部材7の形状及び挿入部材7の位置は特に限定されない。
【0082】
なお、上記実施の形態において、半導体素子1が、接続端子12A〜12Fを備える例を説明したが、これに限られない。半導体素子1は、少なくとも2つの接続端子を有し、少なくとも2つの接続端子が端子形成面13に配置されていればよい。
【0083】
また、上記実施の形態において、半導体素子1が、横型半導体素子である例を説明したが、これに限られない。半導体素子1における端子形成面13以外の面に、接続端子12が設けられていてもよい。
【0084】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0085】
100,200 半導体装置
1 半導体素子
2 回路基板
3A〜3F 金属配線
4 はんだ
5,8 膨張部材
7 挿入部材
11 筐体
12A〜12F 接続端子
13 端子形成面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12