【解決手段】リードフレーム1は、矩形状であって、複数の単位リードフレーム10と、複数の第1コネクティングバー11と、複数の第2コネクティングバー12と、を備える。単位リードフレーム10は、ダイパッドと複数のリードとを有する。第1コネクティングバー11は、隣接する単位リードフレーム10同士を連結し、リードフレーム1の長手方向に延びる。第2コネクティングバー12は、隣接する単位リードフレーム10同士を連結し、リードフレーム1の短手方向に延びる。そして、複数の第2コネクティングバー12の少なくとも一部が、第1コネクティングバー11よりも厚い部位を有する。
前記第1コネクティングバーと前記第2コネクティングバーとが交差する交差部は、前記第2コネクティングバーにおける前記第1コネクティングバーよりも厚い部位と同じ厚さであること
を特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のリードフレーム。
前記第2コネクティングバーは、前記短手方向の一端から他端までの間に、前記第1コネクティングバーよりも厚い部位と、前記第1コネクティングバーと同じ厚さである部位とが混在し、
すべての前記第2コネクティングバーを全体で見た場合に、前記短手方向の一端から他端までのすべての箇所に、前記第1コネクティングバーよりも厚い部位が配置されていること
を特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のリードフレーム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するリードフレームの実施形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
<第1の実施形態>
まず、
図1を参照して第1の実施形態に係るリードフレームの概略を説明する。
図1に示すように、第1の実施形態に係るリードフレーム1は、平面視で矩形状であり、複数の単位リードフレーム10と、複数の第1コネクティングバー11と、複数の第2コネクティングバー12と、外枠13とを備える。単位リードフレーム10は、リードフレーム1にマトリックス状に並べられている。
【0011】
第1コネクティングバー11は、隣接する単位リードフレーム10同士を連結し、リードフレーム1の長手方向Lに沿って延びている。第2コネクティングバー12は、隣接する単位リードフレーム10同士を連結し、リードフレーム1の短手方向Sに沿って延びている。外枠13は、マトリックス状に並べられた単位リードフレーム10の四方を囲むように設けられる。
【0012】
具体的には、外枠13は、短手方向Sに延びる一対の第1枠部13aと、長手方向Lに延びる一対の第2枠部13bとを有し、一対の第1枠部13aの間に第1コネクティングバー11が延び、一対の第2枠部13bの間に第2コネクティングバー12が延びている。そして、リードフレーム1において、長手方向Lに延びる第1コネクティングバー11にはハーフエッチング加工がなされている。
【0013】
ここで、従来のリードフレームにおいては、短手方向よりも撓みやすい長手方向に沿ってリードフレームが撓まないように、リードフレームの短手方向における両端部、すなわち一対の第2枠部を支持して各種製造工程を行っていた。しかしながら、リードフレームの大判化等に伴ってリードフレーム全体としての強度が低下した場合、一対の第2枠部を支持すると、短手方向に沿ってリードフレームが撓む恐れがあった。
【0014】
そこで、第1の実施形態に係るリードフレーム1においては、短手方向Sに延びる第2コネクティングバー12にはハーフエッチング加工を行わず、第1コネクティングバー11よりも厚くしている。これにより、リードフレーム1の短手方向Sの強度を向上させることができる。したがって、リードフレーム1の短手方向Sに沿った撓みを抑制することができる。
【0015】
なお、本願明細書の平面図においては、理解を容易にするため、ハーフエッチング加工されていない部位(以下、「フルメタル部」とも呼称する)にはハッチングを施すことがある。また、以下において、ハーフエッチング加工された部位を「ハーフエッチング部」とも呼称する。
【0016】
以下、第1の実施形態に係るリードフレーム1の詳細について
図2等を用いて説明する。リードフレーム1は、QFNタイプの半導体装置の製造に用いられるリードフレームであり、銅や銅合金、鉄ニッケル合金等で構成される平面視で長方形状の金属板に、エッチング加工等が施されて形成される。
【0017】
図2に示すように、単位リードフレーム10は、第1コネクティングバー11と第2コネクティングバー12とに囲まれた部位であり、ダイパッド10aと、複数のリード10bと、サポートバー10cとを有する。平面視で矩形状のダイパッド10aは、単位リードフレーム10の中央部分に設けられ、おもて面側に半導体素子20を搭載可能である(
図4A参照)。
【0018】
複数のリード10bは、ダイパッド10aの四辺にそれぞれ向かい合うように空間を介して設けられ、第1コネクティングバー11または第2コネクティングバー12に支持される。そして、リード10bは、半導体素子20の電極とボンディングワイヤ21等で電気的に接続されることによって、半導体装置2の外部端子として機能する(
図4A、
図4C参照)。
【0019】
サポートバー10cは、ダイパッド10aの各角部からそれぞれ外方に延び、第1コネクティングバー11および第2コネクティングバー12に接続されてダイパッド10aを支持する。このように、単位リードフレーム10は、個々の半導体装置2(
図4C参照)に対応する。そして、単位リードフレーム10の周囲には、第1コネクティングバー11と第2コネクティングバー12とが格子状に配置されている。
【0020】
第1コネクティングバー11は、リードフレーム1における長手方向Lに沿って延び、短手方向Sに沿って隣接する単位リードフレーム10同士を連結している。また、第1コネクティングバー11は、両端で外枠13の第1枠部13a(
図1参照)に接続されている。
【0021】
第2コネクティングバー12は、リードフレーム1における短手方向Sに沿って延び、長手方向Lに沿って隣接する単位リードフレーム10同士を連結している。また、第2コネクティングバー12は、両端で外枠13の第2枠部13b(
図1参照)に接続されている。
【0022】
また、
図2に示すように、第1コネクティングバー11は幅W1が均等になるように形成され、第2コネクティングバー12は幅W2が均等になるように形成されている。ここで、例えば幅W1と幅W2とは等しい。そして、第1コネクティングバー11と第2コネクティングバー12とは、交差部14で互いに直交している。しかしながら、第1の実施形態においては、必ずしも幅W1とW2とが等しくなくてもよく、第1コネクティングバー11と第2コネクティングバー12とは直交していなくてもよい。
【0023】
次に、
図3A〜
図3Cを参照して、リードフレーム1における各部の断面形状について説明する。なお、
図3A〜
図3Cにおいては、理解を容易にするため、各構成部材の境界線を破線で示している。
【0024】
図3Aに示すように、ダイパッド10aおよびリード10bは、一部を除いてハーフエッチング加工が行われておらず、エッチング加工前の金属板の板厚と同じ厚さである。そして、ダイパッド10aの端部には、裏面側にハーフエッチング加工されたエッチング部15aが形成され、リード10bの端部には、裏面側にハーフエッチング加工されたエッチング部15bが形成されている。
【0025】
そして、長手方向Lに沿って延びる第1コネクティングバー11には、裏面側にハーフエッチング加工がなされ、エッチング部15cが形成されている。すなわち、第1コネクティングバー11は、エッチング加工前の金属板よりも薄くなっている。
【0026】
一方で、
図3Bに示すように、短手方向Sに沿って延びる第2コネクティングバー12にはハーフエッチング加工はなされておらず、エッチング加工前の金属板の板厚と同じ厚さである。すなわち、第2コネクティングバー12は、第1コネクティングバー11よりも厚くなっている。これにより、第2コネクティングバー12の断面積が第1コネクティングバー11よりも大きいことから、リードフレーム1の短手方向Sの強度を向上させることができる。したがって、リードフレーム1が短手方向Sに撓むことを抑制することができる。
【0027】
また、
図3Cに示すように、第1コネクティングバー11(
図2参照)と第2コネクティングバー12とが互いに交差する交差部14にはハーフエッチング加工はなされておらず、エッチング加工前の金属板の板厚と同じ厚さである。すなわち、短手方向Sに沿って延びる第2コネクティングバー12は、交差部14を含めて、一端から他端まですべてフルメタル部で構成されている。これにより、リードフレーム1が短手方向Sに撓むことを抑制することができる。
【0028】
さらに、リードフレーム1において、第2コネクティングバー12は、ダイパッド10aの主要部分と同じくフルメタル部で構成されている。これにより、所定の板厚を有する金属板からリードフレーム1を形成した場合において、第2コネクティングバー12の厚さを最大化することができる。したがって、リードフレーム1の短手方向Sの強度を最大化することができる。
【0029】
次に、
図4A〜
図4Cを参照して、第1の実施形態に係るリードフレーム1を用いて半導体装置2を製造する方法について説明する。なお、
図4A〜
図4Cは、リードフレーム1において短手方向Sに沿った断面を示した概略断面図であり、各構成部材の境界線を破線で示している。
【0030】
まず、
図4Aに示すように、リードフレーム1のダイパッド10a上に、半導体素子20を搭載し、半導体素子20の各電極と、各電極に対応するリード10bとの間を、それぞれボンディングワイヤ21により電気的に接続する。次に、
図4Bに示すように、リードフレーム1のおもて面側を、封止樹脂22で一括に封止する。次に、各単位リードフレーム10(
図2参照)の間を、第1コネクティングバー11および第2コネクティングバー12(
図2参照)に沿ったダイシングラインDLに沿って回転刃物でダイシングする。これにより、
図4Cに示すように、個別の半導体装置2毎に分割される。
【0031】
ここで、
図4Bに示すように、リードフレーム1においては、第1コネクティングバー11にはエッチング部15cにより凹部が設けられることから、長手方向L(
図2参照)に沿ったダイシングの際の金属部分の断面積を小さくすることができる。これにより、長手方向Lに沿った場合のダイシングの速度を短手方向S(
図2参照)の場合に比べて速くしたとしても、ダイシングの際に第1コネクティングバー11により切断面にバリが発生することを抑制することができる。したがって、両方のコネクティングバーをすべてフルメタル部で構成する場合と比べて、ダイシングに要する時間の増加を抑制することができる。
【0032】
さらに、リードフレーム1においては、ダイシングの際の金属部分の断面積が小さいため、ダイシングの際の回転刃物の摩耗を抑制することができる。したがって、回転刃物の寿命を長くすることができる。
【0033】
一方で、リードフレーム1においては、第2コネクティングバー12がフルメタル部で構成されている(
図2参照)。したがって、両方のコネクティングバーをすべてハーフエッチング部で構成する場合と比べて、リードフレーム1の撓みを抑制することができる。
【0034】
なお、半導体装置2においては、ダイパッド10aとリード10bとにそれぞれ設けられたエッチング部15a、15bに、封止樹脂22が埋まるように樹脂封止されている。かかる構造により、半導体装置2において、ダイパッド10aやリード10bが封止樹脂22の裏面側から脱離することを防止することができる。
【0035】
次に、
図5A〜
図5Cを参照して、第1の実施形態にかかる第2コネクティングバー12およびその変形例について説明する。なお、
図5Bおよび
図5Cにおいては、理解を容易にするため、
図5Aに示した断面の輪郭に対応する部分を破線で示す。
【0036】
図5Aに示すように、第2コネクティングバー12は、断面視で矩形状であり、換言するとすべてフルメタル部で構成される。かかる構造により、所定の板厚を有する金属板からリードフレーム1を形成し、幅W2を所定の値にした場合において、第2コネクティングバー12の断面積を最大化することができる。したがって、リードフレーム1の短手方向Sの強度を最大化することができる。
【0037】
一方で、第2コネクティングバー12の構成は、
図5Aに示す構成に限定されない。例えば、
図5Bに示す第2コネクティングバー12Aのように、側部の裏面側にハーフエッチング加工されたエッチング部15dを形成してもよい。また、
図5Cに示す第2コネクティングバー12Bのように、側面が上に向かって末広がり形状を有するようにエッチング加工されたエッチング部15eを形成してもよい。なお、エッチング部15d、15eは、上述のエッチング部15a〜15c(
図3A参照)と同一のエッチング工程で形成することができる。
【0038】
そして、いずれの変形例においても、断面が逆台形状であり、中央部分がフルメタル部で構成されており、かかるフルメタル部により短手方向S(
図2参照)の強度を確保することができる。さらに、いずれの変形例においても側部がエッチングされていることから、短手方向Sに沿ったダイシングの際の金属部分の断面積を小さくすることができる。したがって、第2コネクティングバー12A、12Bにおいては、短手方向Sの強度と、短手方向Sに沿ったダイシングに要する時間の短縮とを両立することができる。
【0039】
<第2の実施形態>
次に、
図6を参照して第2の実施形態に係るリードフレーム1Aについて説明する。なお、
図6は、第1の実施形態における
図2に対応する図である。
【0040】
第2の実施形態に係るリードフレーム1Aは、SONタイプの半導体装置の製造に用いられるリードフレームである。その他の点は、第1の実施形態に係るリードフレーム1と同様であり、共通の構成については同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0041】
リードフレーム1Aにおいて、単位リードフレーム10は、平面視で矩形状のダイパッド10aと、複数のリード10bと、サポートバー10cとを有する。リード10bは、長手方向Lに沿ったダイパッド10aの2辺に向かい合うように空間を介して設けられ、第1コネクティングバー11にのみ支持される。また、サポートバー10cは、ダイパッド10aの各角部からそれぞれ長手方向Lに沿って延び、第2コネクティングバー12にのみ接続されて、ダイパッド10aを支持している。
【0042】
そして、第1の実施形態と同様に、長手方向Lに沿って延びる第1コネクティングバー11はハーフエッチング部で構成され、短手方向Sに沿って延びる第2コネクティングバー12は交差部14を含めてすべてフルメタル部で構成されている。
【0043】
さらに、リードフレーム1Aにおいては、フルメタル部で構成された第2コネクティングバー12にはリード10bが接続されておらず、サポートバー10cのみが接続されている。これにより、短手方向Sに沿ったダイシングにおいて、第2コネクティングバー12により切断面にバリが発生したとしても、隣接するサポートバー10c同士はすでにダイパッド10aで電気的に接続されていることから、バリにより短絡しても支障はない。
【0044】
したがって、バリの発生以外の問題が生じない程度にダイシングの速度を速くすることができることから、短手方向Sに沿ったダイシングに要する時間を短くすることができる。すなわち、SONタイプの半導体装置の製造に用いられるリードフレーム1Aにおいては、ダイシングに要する時間を大幅に短くすることができる。
【0045】
次に、
図7を参照して、第2の実施形態の変形例にかかるリードフレーム1Bについて説明する。リードフレーム1Bにおいて、サポートバー10cは、ダイパッド10aからリード10bに延び、リード10bを介してダイパッド10aを支持している。ここで、サポートバー10cに接続されたリード10bは、半導体装置2(
図4C参照)において接地用の端子となる。
【0046】
すなわち、リードフレーム1Bにおいて、単位リードフレーム10の構成部材はすべて長手方向Lに沿って延びる第1コネクティングバー11に接続されており、第2コネクティングバー12には接続されていない。これにより、第2コネクティングバー12に支持される単位リードフレーム10の部材自体がないことから、短手方向Sに沿ったダイシングにおいて切断面でバリは発生しない。したがって、リードフレーム1Aよりも短手方向Sに沿ったダイシングの時間をさらに短くすることができる。
【0047】
<第3の実施形態>
次に、
図8を参照して第3の実施形態に係るリードフレーム1Cについて説明する。なお、
図8〜
図13は、すべて第1の実施形態における
図1の下図に対応する図であり、QFNタイプ、SONタイプいずれの半導体装置の製造にも適用可能である。
【0048】
リードフレーム1Cにおいて、複数の第2コネクティングバー12のうち、一部の第2コネクティングバー12は、短手方向Sにおける一端から他端まですべてフルメタル部で構成されている。また、残りの第2コネクティングバー12は、短手方向Sにおける一端から他端まですべてハーフエッチング部で構成されている。そして、一端から他端まですべてフルメタル部で構成された第2コネクティングバー12と、一端から他端まですべてハーフエッチング部で構成された第2コネクティングバー12とが、交互に並んで配置されている。
【0049】
ここで、リードフレーム1Cにおいては、一端から他端まですべてフルメタル部で構成された一部の第2コネクティングバー12により、短手方向Sの強度を確保することができる。さらに、すべてハーフエッチング部で構成された残りの第2コネクティングバー12により、回転刃物の寿命を長くすることができる。したがって、リードフレーム1Cにおいては、短手方向Sの強度と回転刃物の長寿命化とを両立することができる。
【0050】
なお、
図8においては、すべてフルメタル部で構成された第2コネクティングバー12と、すべてハーフエッチング部で構成された第2コネクティングバー12とを1本ずつ交互に並べた例を示しているが、これに限定されるものではない。例えば、すべてフルメタル部で構成された部位と、すべてハーフエッチング部で構成された部位とを複数本ずつ交互に並べてもよい(例:フルメタル部2本とハーフエッチング部2本とを交互に配列)。また、一方の部位を他方の部位よりも本数を多くした上で交互に並べてもよい(例:フルメタル部3本とハーフエッチング部2本とを交互に配列)。
【0051】
また、第1枠部13a(
図1参照)から離れているため相対的に強度が低いリードフレーム1Cの中央部分に、すべてフルメタル部で構成された部位を多く配置してもよい。さらに、第1枠部13aに近く相対的に強度が高いリードフレーム1Cの周縁部分に、すべてハーフエッチング部で構成された部位を多く配置してもよい。さらに、フルメタル部で構成された第2コネクティングバー12において、一端から他端まですべてフルメタル部で構成されていなくてもよい。
【0052】
<第4の実施形態>
次に、
図9を参照して第4の実施形態に係るリードフレーム1Dについて説明する。
【0053】
リードフレーム1Dにおいて、第2コネクティングバー12は、短手方向Sの一端から他端までの間に、フルメタル部で構成された部位とハーフエッチング部で構成された部位とが混在している。例えば、
図9に示すように、一端から他端までの間に、単位リードフレーム10の幅3個分のフルメタル部と、単位リードフレーム10の幅1個分のハーフエッチング部とが交互に並べられている。このように、第2コネクティングバー12の一部にハーフエッチング部を設けることにより、回転刃物の寿命を長くすることができる。
【0054】
また、リードフレーム1Dにおいては、すべての第2コネクティングバー12を全体で見た場合に、短手方向Sの一端から他端までのすべての箇所にフルメタル部が配置されるように構成されている。例えば、
図9に示すように、隣接する第2コネクティングバー12同士において、短手方向S全体でフルメタル部でない箇所がないように重ね合わせて配置している。
【0055】
かかるフルメタル部の配置により、すべての第2コネクティングバー12を全体で見た場合に、撓みやすい薄い部位をリードフレーム1Dからなくすことができる。したがって、リードフレーム1Dが短手方向Sに撓むことを抑制することができる。すなわち、リードフレーム1Dにおいては、短手方向Sの強度と、回転刃物の長寿命化とを両立することができる。
【0056】
次に、
図10を参照して第4の実施形態の変形例に係るリードフレーム1Eについて説明する。リードフレーム1Eは、各第2コネクティングバー12において、フルメタル部を所定の領域16aの内部に集中させて配置している。また、リードフレーム1Eにおいては、平面視で帯状の領域16aを長手方向Lおよび短手方向Sのいずれからも傾斜させるとともに、複数の領域16aを平行に配置している。
【0057】
なお、
図10に示した領域16aにおいては、それぞれ単位リードフレーム10の幅2個分のフルメタル部が隣接するリードフレーム1E間で、フルメタル部が単位リードフレーム10の幅1個分ずつ短手方向Sにずれて配置されている。しかしながら、配置されるフルメタル部の長さや短手方向Sにずれる幅はこれに限られない。また、隣接する領域16a同士の間隔や、領域16aの傾斜角度等も任意である。
【0058】
次に、
図11を参照して第4の実施形態の別の変形例に係るリードフレーム1Fについて説明する。リードフレーム1Fは、第2コネクティングバー12において、長手方向Lおよび短手方向Sのいずれからも傾斜させた一対の帯状の領域16bを、互いに交差させた例である。なお、
図11には領域16bを一対交差させた例について示しているが、領域16bを複数対交差させてもよい。
【0059】
次に、
図12を参照して第4の実施形態のさらに別の変形例に係るリードフレーム1Gについて説明する。リードフレーム1Gは、第2コネクティングバー12において、菱形状の領域16cをリードフレーム1G内に一様に分布させた例である。なお、
図12には菱形状の領域16cを一様に分布させた例について示しているが、必ずしも一様に分布させなくともよい。また、菱形状以外の形状の領域16cを分布させてもよい。例えば、三角形状や矩形形状等の領域16cを分布させてもよい。また、領域16cの大きさは任意である。
【0060】
次に、
図13を参照して第3の実施形態と第4の実施形態とを組み合わせたリードフレーム1Hについて説明する。リードフレーム1Hは、第3の実施形態と同様に、複数の第2コネクティングバー12のうち、一部の第2コネクティングバー12は、短手方向Sにおける一端から他端まですべてフルメタル部で構成される。さらに、リードフレーム1Hは、第4の実施形態と同様に、残りの第2コネクティングバー12において、内部にフルメタル部を集中させた領域16dを有する。
図13では、複数の領域16dが平行に配置された場合について示しているが、領域16dの構成はこれに限られない。
【0061】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上述の各実施形態においては、QFNタイプやSONタイプの半導体装置の製造に用いるリードフレームについて説明したが、その他のタイプの半導体装置の製造に用いてもよい。
【0062】
以上のように、実施形態に係るリードフレーム1(1A〜1H)は、矩形状のリードフレームであって、マトリックス状に並べられた複数の単位リードフレーム10と、隣接する単位リードフレーム10同士を連結し、リードフレーム1(1A〜1H)の長手方向Lに延びる複数の第1コネクティングバー11と、隣接する単位リードフレーム10同士を連結し、リードフレーム1(1A〜1H)の短手方向Sに延びる複数の第2コネクティングバー12(12A、12B)とを備える。そして、複数の第2コネクティングバー12(12A、12B)の少なくとも一部が、第1コネクティングバー11よりも厚い部位を有する。これにより、リードフレーム1(1A〜1H)の短手方向Sに沿った撓みを抑制することができる。
【0063】
また、実施形態に係るリードフレーム1(1A〜1H)において、第2コネクティングバー12(12A、12B)における第1コネクティングバー11よりも厚い部位は、リードフレーム1(1A〜1H)の最も厚い部位と同じ厚さである。これにより、リードフレーム1(1A〜1H)の短手方向Sの強度を最大化することができる。
【0064】
また、実施形態に係るリードフレーム1A(1B)において、リード10bは、第2コネクティングバー12(12A、12B)よりも薄い第1コネクティングバー11にのみ支持されている。これにより、長手方向Lに沿ったダイシングに要する時間を短くすることができる。
【0065】
また、実施形態に係るリードフレーム1Aにおいて、ダイパッド10aは、サポートバー10cを用いて第1コネクティングバー11よりも厚い第2コネクティングバー12にのみ支持されている。これにより、短手方向Sに沿ったダイシングに要する時間を短くすることができる。
【0066】
また、実施形態に係るリードフレーム1(1A〜1H)において、第2コネクティングバー12A(12B)は、断面が逆台形状であり、最も厚い部分がリードフレーム1(1A〜1H)の最も厚い部位と同じ厚さである。これにより、短手方向Sの強度と、短手方向Sに沿ったダイシングに要する時間の短縮とを両立することができる。
【0067】
また、実施形態に係るリードフレーム1(1A、1B)において、第1コネクティングバー11と第2コネクティングバー12(12A、12B)とが交差する交差部14は、第2コネクティングバー12(12A、12B)における第1コネクティングバー11よりも厚い部位と同じ厚さである。これにより、リードフレーム1(1A、1B)の短手方向Sに沿った撓みを抑制することができる。
【0068】
また、実施形態に係るリードフレーム1Cにおいて、複数の第2コネクティングバー12(12A、12B)のうち一部の第2コネクティングバー12(12A、12B)は、短手方向Sの一端から他端まですべて第1コネクティングバー11よりも厚い。また、残りの第2コネクティングバー12(12A、12B)は、短手方向Sの一端から他端まですべて第1コネクティングバー11と同じ厚さである。これにより、短手方向Sの強度と、回転刃物の長寿命化とを両立することができる。
【0069】
また、実施形態に係るリードフレーム1D(1E〜1H)において、第2コネクティングバー12(12A、12B)は、短手方向Sの一端から他端までの間に、第1コネクティングバー11よりも厚い部位と、第1コネクティングバー11と同じ厚さである部位とが混在し、すべての第2コネクティングバー12(12A、12B)を全体で見た場合に、短手方向Sの一端から他端までのすべての箇所に、第1コネクティングバー11よりも厚い部位が配置されている。これにより、短手方向Sの強度と、回転刃物の長寿命化とを両立することができる。
【0070】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。