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特開2017-228724プリント配線板の製造方法および電子デバイスの製造方法、ならびに、プリント配線板および電子デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-228724(P2017-228724A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】プリント配線板の製造方法および電子デバイスの製造方法、ならびに、プリント配線板および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20171201BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20171201BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   H05K3/46 Q
   H05K3/46 B
   H05K3/00 C
   H05K3/00 N
   H01L23/12 N
   H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-125545(P2016-125545)
(22)【出願日】2016年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 勝敏
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC32
5E316CC54
5E316DD02
5E316DD12
5E316DD25
5E316DD32
5E316DD33
5E316DD47
5E316DD48
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF10
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG23
5E316GG26
5E316GG28
5E316GG40
5E316HH22
5E316HH33
5E316JJ06
(57)【要約】
【課題】プリント配線板の小型化。
【解決手段】実施形態のプリント配線板の製造方法は、第1絶縁層11を用意することと、電子部品との接続パッド3aおよび第1導体パターン31を含む第1導体層3を第1絶縁層11上に形成することと、第1導体層3上および第1絶縁層11上に第2絶縁層12を形成することと、第1導体パターン31に基づいて電子部品を収容する凹部2の形成領域を特定することと、この形成領域に凹部2を形成することと、凹部2の形成により接続パッド3aを凹部2の底面に露出させることと、を含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層を用意することと、
電子部品との接続パッドおよび第1導体パターンを含む導体層を前記第1絶縁層上に形成することと、
前記導体層上および前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成することと、
前記第1導体パターンに基づいて、前記電子部品を収容する凹部の形成領域を特定することと、
前記形成領域に前記凹部を形成することと、
前記凹部の形成により前記接続パッドを前記凹部の底面に露出させることと、含むプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のプリント配線板の製造方法であって、さらに、前記凹部の形成領域の特定の前に、前記第2絶縁層の一部の除去により前記第1導体パターンを露出させることを含んでいる。
【請求項3】
請求項2記載のプリント配線板の製造方法であって、
前記第1導体パターンを露出させることは、平面視で前記第1導体パターンよりも大きく、底面に前記第1導体パターンを露出する開口を前記第2絶縁層に形成することを含んでいる。
【請求項4】
請求項2記載のプリント配線板の製造方法であって、
前記第1導体パターンを露出させること、および、前記凹部を形成することが、レーザー光の照射を用いて行われる。
【請求項5】
請求項1記載のプリント配線板の製造方法であって、
前記導体層は、枠状の形状を有する第2導体パターンをさらに含むように形成され、
前記凹部を形成する工程は、前記凹部の形成領域と前記凹部の周囲の領域とを分離する間隙を前記第2絶縁層に設けることを含み、
前記間隙は前記第2導体パターンに沿って形成される。
【請求項6】
請求項1記載のプリント配線板の製造方法であって、
前記第1絶縁層を用意することは、プリント配線板を構成する製品領域および前記製品領域以外のダミー領域を有する絶縁層を前記第1絶縁層として用意することを含み、
前記製品領域および前記ダミー領域上に前記導体層および前記第2絶縁層が形成され、
前記第1導体パターンは、前記ダミー領域上の前記導体層内に形成される。
【請求項7】
請求項2記載のプリント配線板の製造方法を含む方法でプリント配線板を製造することと、前記凹部内に電子部品を実装することと、を含む電子デバイスの製造方法であって、前記電子部品は、露出している前記第1導体パターンに基づいて特定された位置に実装される。
【請求項8】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の一面上に形成され、電子部品との接続パッドおよび少なくとも2つの第1導体パターンを含む導体層と、
前記導体層上および前記第1絶縁層上に形成されている第2絶縁層と、を含み、
前記接続パッドを底面に露出させている凹部を備えるプリント配線板であって、
前記凹部の周囲の前記第2絶縁層の少なくとも2箇所に開口が形成されており、
前記少なくとも2つの第1導体パターンが前記開口内に露出している。
【請求項9】
プリント配線板と、
前記プリント配線板に設けられている凹部に収容されている電子部品と、を含んでいる電子デバイスであって、
前記プリント配線板は、
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の一面上に形成され、前記電子部品との接続パッドおよび少なくとも2つの第1導体パターンを含む導体層と、
前記導体層上および前記第1絶縁層上に形成されている第2絶縁層と、を含んでおり、
前記電子部品は、前記凹部の底面に露出する前記接続パッドに接続されており、
前記凹部の周囲の前記第2絶縁層の少なくとも2箇所に開口が形成されており、
前記少なくとも2つの第1導体パターンが前記開口内に露出している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の製造方法および電子デバイスの製造方法、ならびに、プリント配線板および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、多層プリント回路基板内のサブポーションを除去して空胴を形成する方法が開示されている。特許文献1の方法では、コア基板の所定の領域の導体パターンを覆うように接着防止材料からなる層が設けられ、その上に誘電体などの層が積層される。そして、接着防止材料からなる層の上方の部分の周囲にレーザー光が照射される。レーザー光の照射などによって形成される切断ラインに囲まれる部分が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−518647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、接着防止材料の層の周縁にレーザー光の照射などによって切断ラインが設けられる。コア基板上の導体パターンや接着防止材料の層は誘電体などの層に覆われている。空胴の正確な形成位置を認識するのが困難であると推察される。そのため、空胴が不正確な位置に形成され易いと考えられる。従って、コア基板上の導体パターンのうち空洞の底面に露出させるパターンと露出させないパターンとの間には、所定の間隔を設ける必要があると考えられる。プリント配線板の小型化が阻害されると推察される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板の製造方法は、第1絶縁層を用意することと、電子部品との接続パッドおよび第1導体パターンを含む導体層を前記第1絶縁層上に形成することと、前記導体層上および前記第1絶縁層上に第2絶縁層を形成することと、前記第1導体パターンに基づいて、前記電子部品を収容する凹部の形成領域を特定することと、前記形成領域に前記凹部を形成することと、前記凹部の形成により前記接続パッドを前記凹部の底面に露出させることと、を含んでいる。
【0006】
本発明のプリント配線板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の一面上に形成され、電子部品との接続パッドおよび少なくとも2つの第1導体パターンを含む導体層と、前記導体層上および前記第1絶縁層上に形成されている第2絶縁層と、を含み、前記接続パッドを底面に露出させている凹部を備えている。そして、前記凹部の周囲の前記第2絶縁層の少なくとも2箇所に開口が形成されており、前記少なくとも2つの第1導体パターンが前記開口内に露出している。
【0007】
本発明の電子デバイスは、プリント配線板と、前記プリント配線板に設けられている凹部に収容されている電子部品と、を含んでいる。そして、前記プリント配線板は、第1絶縁層と、前記第1絶縁層の一面上に形成され、前記電子部品との接続パッドおよび少なくとも2つの第1導体パターンを含む導体層と、前記導体層上および前記第1絶縁層上に形成されている第2絶縁層と、を含んでおり、前記電子部品は、前記凹部の底面に露出する前記接続パッドに接続されており、前記凹部の周囲の前記第2絶縁層の少なくとも2箇所に開口が形成されており、前記少なくとも2つの第1導体パターンが前記開口内に露出している。
【0008】
本発明の実施形態によれば、絶縁層に覆われている導体層内の導体パターンに対して正確な位置に、電子部品などを収容する凹部を形成することができる。プリント配線板を小さくすることができると考えられる。また、そのような内層の導体層内の接続パッドに対して正確に電子部品を配置することができる。電子デバイスの製造歩留まりが向上し、かつ、電子部品とプリント配線板との接続品質が安定すると推察される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法により製造されるプリント配線板の一例の断面図。
図2図1のプリント配線板の一例の平面図。
図3A】一実施形態のプリント配線板の製造方法において用意される第1絶縁層の一例を示す断面図。
図3B】一実施形態のプリント配線板の製造方法における導体層(第1導体層)の形成の一例を示す断面図。
図3C】一実施形態のプリント配線板の製造方法における導体層(第1導体層)の形成の一例を示す平面図。
図3D】一実施形態のプリント配線板の製造方法における凹部内のソルダーレジスト層の形成の一例を示す断面図。
図3E】一実施形態のプリント配線板の製造方法における剥離膜の設置の一例を示す断面図。
図3F】一実施形態のプリント配線板の製造方法における第2絶縁層の形成の一例を示す断面図。
図3G】一実施形態のプリント配線板の製造方法における第2絶縁層上への導体層の形成の一例を示す断面図。
図3H】一実施形態のプリント配線板の製造方法における表層へのソルダーレジスト層の形成の一例を示す断面図。
図3I】一実施形態のプリント配線板の製造方法における第1導体パターンの露出工程の一例を示す断面図。
図3J】一実施形態のプリント配線板の製造方法における第1導体パターンの検出工程の一例を示す断面図。
図3K】一実施形態のプリント配線板の製造方法における凹部の形成の一例を示す平面図。
図3L】一実施形態のプリント配線板の製造方法における凹部の形成の一例を示す断面図。
図3M】一実施形態のプリント配線板の製造方法における凹部の形成の一例を示す断面図。
図3N】一実施形態の電子デバイスの製造方法における電子部品の配置工程の一例を示す断面図。
図3O】一実施形態の電子デバイスの製造方法により製造される電子デバイスの一例を示す断面図。
図4A図1のプリント配線板の第1導体パターンを示す拡大図。
図4B図1のプリント配線板の第1導体パターンの他の例を示す図。
図4C図1のプリント配線板の第1導体パターンの他の例を示す図。
図4D図1のプリント配線板の第1導体パターンの他の例を示す図。
図5】一実施形態のプリント配線板の製造方法の他の例を示す断面図。
図6図1のプリント配線板の第1導体パターン上の部分の他の例を示す断面図。
図7】本発明の他の実施形態のプリント配線板の製造方法により製造されるプリント配線板の一例の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態のプリント配線板の製造方法が図面を参照しながら説明される。まず、一実施形態の製造方法により製造されるプリント配線板の例として、本発明の一実施形態のプリント配線板が説明される。
【0011】
図1および図2には、一実施形態のプリント配線板1の断面図および平面図がそれぞれ示されている(図1図2に示されるI−I線での断面図である)。プリント配線板1は、絶縁層11〜14、15a〜15cおよび導体層3〜6、7a〜7dそれぞれを交互に積層することにより構成されている。また、プリント配線板1は凹部2を備えている。プリント配線板1は、第1面1Fおよび第1面1Fと反対側の第2面1Sを有し、凹部2は第1面1Fに開口している。具体的には、プリント配線板1は、第1絶縁層11と、第1絶縁層11の一面11a上に形成されている導体層(第1導体層3)と、第1導体層3上および第1絶縁層11上に形成されている第2絶縁層12とを含んでいる。第1導体層3は、電子部品(図示せず)との接続パッド3a、2つの第1導体パターン31、および、枠状の形状を有する第2導体パターン32を含んでいる。
【0012】
凹部2は底面に接続パッド3aを露出させている。凹部2は、丸められたコーナー部を有する全体として四角形の平面形状を有している。第2導体パターン32は、平面視で凹部2の外周に沿った枠状の形状を有している。凹部2の周囲の第2絶縁層12に、2つの開口12aが形成されている。図1および図2の例では、2つの開口12aは凹部2を挟んで形成されている。開口12aは、第2絶縁層12の一部ならびに第2絶縁層12よりも第1面1F側に積層されている絶縁層(第3および第4絶縁層13、14)それぞれの一部を除去することにより形成されている。そして、第1導体パターン31が、2つの開口12a内それぞれに露出している。なお、符号17、18は、それぞれプリント配線板1の第1面1Fおよび第2面1Sに設けられているソルダーレジスト層を示し、符号16は、凹部2内のソルダーレジスト層を示している。
【0013】
実施形態のプリント配線板1では、2つの第1導体パターン31が、開口12aを通してプリント配線板1の第1面1F側に露出している。第1導体パターン31を検出することにより、接続パッド3a上に適切に、すなわち、正確な位置に、かつ、正確な角度で、図示されない電子部品を配置することができる。その詳細な理由は後述される。
【0014】
図1および図2に示されるプリント配線板1を例に、一実施形態のプリント配線板の製造方法が説明される。一実施形態のプリント配線板の製造方法は、第1絶縁層11を用意することと、電子部品(図示せず)との接続パッド3aおよび第1導体パターン31を含む導体層(第1導体層3)を第1絶縁層11上に形成することと、第1導体層3上および第1絶縁層11上に第2絶縁層12を形成することと、を含んでいる。一実施形態のプリント配線板の製造方法は、さらに、第1導体パターン31に基づいて、図示されない電子部品を収容する凹部2の形成領域を特定することと、凹部2の形成領域に凹部2を形成することと、凹部2の形成により接続パッド3aを凹部2の底面に露出させることと、を含んでいる。すなわち、本実施形態では、凹部2は、接続パッド3aを底面に露出させるように、第1導体パターン31に基づいて特定される領域に形成される。
【0015】
第1導体パターン31、および、凹部2の底面に露出している接続パッド3aは、それぞれ、第1導体層3の所定の位置に設けられる。後述されるように、第1導体パターン31や接続パッド3aなどの、同一の導体層(第1導体層3)内に形成される導体パターンは、1つのマスク(レジスト)を用いて一括して形成(パターニング)される。そのため、第1導体層3内の各パターンや各パッド同士は、原理的には常に一定の位置関係で形成される。従って、第1導体層3内の各パターンや各パッド同士の間の相対位置のばらつきは極めて小さいと考えられる。
【0016】
電子部品を収容する凹部を有するプリント配線板では、電子部品との接続パッドが、プリント配線板の最表層の導体層だけでなく、多層配線板のコア基板上の導体層などの内層の導体層にも形成され得る。内層の導体層上には、多層配線板の層数に応じて層間絶縁層が積層される。そのため、層間絶縁層などの積層後に凹部の形成領域を特定する方法としては、最表層の導体層の特定のパターンの位置や、プリント配線板の外縁などを基準位置として用いる方法が考えられる。しかし、内層の導体パターンと最表層の導体パターンとの間には、各導体層それぞれの形成時の位置ばらつきに伴う相対位置のばらつきが原理的に存在すると考えられる。プリント配線板の外縁と内層パターンとの間においても、外形加工のばらつきに伴う相対位置のばらつきが存在し得る。そのため、内層の導体層の接続パッドに対して正確な位置に凹部を形成するのは困難であると考えられる。
【0017】
一実施形態のプリント配線板の製造方法では、凹部2の形成領域は、凹部2の底面に露出される接続パッド3aと同じ第1導体層3に形成される第1導体パターン31に基づいて特定される。たとえば、第2絶縁層12などを通して観察され得る第1導体層3の画像認識や、X線観察などによって、第1導体パターン31の位置が検出される。そして、第1導体パターン31の位置に基づいて凹部2の形成領域が特定される。そのため、接続パッド3aに対して正確な位置に凹部2を形成することができると考えられる。接続パッド3aのように凹部2内に露出させる導体パターンの近くに、凹部2内に露出させない導体パターンを配置することも可能となり得る。プリント配線板1のサイズを小さくすることができると考えられる。
【0018】
本実施形態のプリント配線板の製造方法は、さらに、前述の凹部2の形成領域の特定の前に、第2絶縁層12の一部を除去することにより第1導体パターン31を露出させることを含み得る。そして、露出している第1導体パターン31に基づいて、凹部2の形成領域が特定されてもよい。すなわち、凹部2の形成領域は、プリント配線板の外部から直接視認され得る第1導体パターン31の露出部分に基づいて特定され得る。絶縁層越しに内層の導体層の導体パターンが明瞭に認識され得ない場合や、X線透過性の低い組成物の存在により内層の導体パターンがX線で観察され得ない場合でも、極めて正確な位置に凹部2を形成することができる。
【0019】
図1および図2に示される例では、第1導体層3は、枠状の形状を有する第2導体パターン32をさらに含むように形成されている。第2導体パターン32は、凹部2の形成に用いられる。たとえば、凹部2の形成時に、凹部2の形成領域と凹部2の周囲の領域とを分離する間隙2a(図3Kおよび図3L参照)が、第2導体パターン32に沿って第2絶縁層12に形成される。間隙2aの形成により凹部2の形成が容易になる。第2導体パターン32は、たとえば、間隙2aの形成に用いられるレーザー光などのストッパとして用いられる。凹部2の形成領域が正確に特定されない場合、レーザー光などの照射位置のばらつきに備えて、枠状の第2導体パターン32の枠部分の幅を広くすることが求められる。プリント配線板の小型化の障害となることがある。
【0020】
一実施形態の製造方法では、第1導体パターン31に基づいて、凹部2の形成領域が正確に特定される。また、第2導体パターン32は、第1導体パターン31と同じ第1導体層3内に設けられる。そのため、第1導体パターン31と第2導体パターン32との間の相対位置のばらつきは極めて小さいと考えられる。間隙2aが第2導体パターン32に沿って適切に形成され得る。第2導体パターン32を小さくすることができる。凹部2を容易に形成することができ、しかも、プリント配線板1のサイズを小さくすることができると考えられる。
【0021】
また、一実施形態のプリント配線板1では、前述のように、第1導体パターン31はプリント配線板1の第1面1F側に露出している。凹部2も第1面1F側に開口している。前述のように、第1導体パターン31は接続パッド3aと共に第1導体層3内に設けられている。第1導体パターン31と接続パッド3aとの間の相対位置のばらつきは極めて小さいと考えられる。従って、第1導体パターン31を検出することにより、凹部2内の接続パッド3a上に、高い位置精度で、図示されない電子部品を配置することができる。さらに、プリント配線板1では、第1導体パターン31が、平面視でほぼ四角形の形状の凹部2の一対の対角それぞれの付近に1つずつ露出している。この2つの第1導体パターン31両方の位置を検出することにより、プリント配線板1の厚さ方向を軸とする回転方向(θ方向)のずれも考慮された適切な位置に、かつ、θ方向に関して適切な角度で、電子部品を配置することができる。
【0022】
一実施形態のプリント配線板の製造方法が、引き続き図1および図2に示されるプリント配線板1を例に、図3A〜3Mを参照しながら、より詳細に説明される。
【0023】
図3Aに示されるように、第1絶縁層11が準備される。図3Aは、第1絶縁層11と、第1絶縁層11の両面にそれぞれ貼り付けられた銅箔10aとからなる両面銅張積層板が用意される例である。第1絶縁層11の材料は、適度な剛性と電気絶縁性を有するものであれば、特に限定されない。たとえば、第1絶縁層11は、エポキシなどの樹脂材料をガラス繊維などの補強材に含浸させ、さらに硬化させてなるガラスエポキシ材からなる。エポキシなどの樹脂材料は、シリカなどの無機フィラーを適度な含有量で含んでいてもよい。なお、第1絶縁層11として、銅箔などと接合されていない絶縁材料からなる基板が用意されてもよい。
【0024】
図3Bに示されるように、第1導体層3が、第1絶縁層11の一面11a上に形成される。図3Bの例では、第1絶縁層11の他面11b上に、導体層7aが形成され、スルーホール導体10bによって第1導体層3と導体層7aとが接続されている。第1絶縁層11、第1導体層3、および導体層7aにより、プリント配線板1のコア基板10が構成される。第1導体層3および導体層7aの形成方法は特に限定されず、任意の方法が用いられ得る。図3Bには、セミアディティブ法を用いる例が示されている。すなわち、第1絶縁層11および銅箔10aを貫通する貫通孔10cが形成され、無電解めっきなどによるシード金属膜(図示せず)の形成後、所定の箇所に開口を有するめっきレジスト300が形成され、開口内に電気めっき膜が形成される。電気めっき膜および電気めっき膜に覆われている部分の銅箔10aを含む第1導体層3および導体層7aが形成される。貫通孔10c内にスルーホール導体10bが形成される。その後、めっきレジスト300が除去され、不要部分の銅箔10aがエッチングで除去される。第1導体層3、導体層7a、および、スルーホール導体10bは、好ましくは銅からなる。しかし、これらは、ニッケルなどの他の材料で形成されてもよい。第1導体層3、導体層7a、および、スルーホール導体10bは、サブトラクティブ法やフルアディティブ法で形成されてもよい。
【0025】
図3Bおよび図3Cに示されるように、第1導体層3は、プリント配線板1の完成後に電子部品(図示せず)が接続される複数の接続パッド3a、および、2つの第1導体パターン31を含んでいる。図3Bおよび図3Cの例では、第1導体層3は、さらに、複数の接続パッド3aを囲む枠状の形状を有する第2導体パターン32、および、スルーホール導体10bのランドパターン33を含んでいる。接続パッド3a、第1導体パターン31、および、第2導体パターン32は、1つのめっきレジスト300を用いて形成されている。第1導体層3がサブトラクティブ法などで形成される場合は、全面に形成されためっき膜などの不要部分を1つのエッチングレジストを用いて除去することにより、接続パッド3aや第1導体パターン31などが形成される。そのため、接続パッド3a、第1導体パターン31、および第2導体パターン32は、互いの間の相対位置に関して極めて高い位置精度を有し得る。前述のように、第1導体パッド31を検出することにより、凹部2(図2参照)を適切な位置に形成することができる。
【0026】
図3Cに示される例では、複数の接続パッド3aは、1つの領域に纏まってアレイ状に配置されている。そして、第1導体パターン31は、枠状の第2導体パターン32の外側で、かつ、第2導体パターン32の1組の対角それぞれの近傍に形成されている。第1導体パターン31は、好ましくは、接続パッド3aや第2導体パターン32の近くに設けられる。第1導体パターン31に基づいて凹部2が形成されるときに、第1導体パターン31と接続パッド3aなどとの間の第1絶縁層11の伸縮などによる、凹部2の形成位置への影響が少ないと考えられるからである。しかし、接続パッド3aの数や配置、第1および第2導体パターン31、32の形状や位置、ならびに、これらの間の相対位置は任意に選択され得る。図3Cは単なる一例に過ぎない。たとえば、第1導体パターン31と接続パッド3aとの間に、図3Cの例よりも多くのランドパターン33が形成されていてもよい。第1導体パターン31が枠状の形状の第2導体パターン32の内周側に形成されていてもよい。第1導体パターン31は1つだけ設けられても、3つ以上設けられてもよい。また、第2導体パターン32は、接続パッド3aの周囲を全周にわたって囲んでいなくてもよく、たとえば、不連続部分があってもよい。また、第1導体パターン31の平面形状は、図3Cに示されているほぼ円形の形状に限定されない。第1導体パターン31の他の例については後述される。
【0027】
好ましくは、図3Dに示されるように、ソルダーレジスト層16が、接続パッド3a上および第1絶縁層11の一面11a上に形成される。ソルダーレジスト層16は枠状の第2導体パターン32の内周側の全面にわたって形成されている(図2参照)。そして、接続パッド3aを露出させる開口16aがソルダーレジスト層16に設けられている。ソルダーレジスト層16は、スクリーン印刷、スプレーコーティング、ロールコーティング、またはフィルムラミネートなどにより形成され得る。
【0028】
図3Eに示されるように、剥離膜40がソルダーレジスト層16上に設けられる。ソルダーレジスト層16が形成されていないときは、剥離膜40は、第1導体層3上に直接設けられてもよい。後述されるように、剥離膜40を設けることによって凹部2の形成が容易になる。たとえば、剥離膜40は、予め所定の平面形状に成形され、第1導体層3上の凹部2の形成領域Aに配置される。第1導体パターン31が、剥離膜40の配置位置の特定に用いられてもよい。剥離膜40は、好ましくは、ソルダーレジスト層16や第1導体層3、および第1絶縁層11と強固に接着せずに容易に剥離し得る材料からなる。しかし、剥離膜40の材料は、ソルダーレジスト層16や第1導体層3、および第1絶縁層11と、液体の浸透を防ぎ得る程度に密着し得るものが好ましい。剥離膜40の材料としては、ポリイミド樹脂などが例示される。
【0029】
剥離膜40の平面形状は、好ましくは、凹部2の形成領域Aの平面形状に応じて適宜決定される。剥離膜40の平面視での大きさは、好ましくは、凹部2の形成領域Aの大きさに応じて適宜決定される。図3Eには、凹部2の形成領域Aとほぼ同じ大きさの剥離膜40を設ける例が示されている。しかし、これに限定されず、剥離膜40は凹部2の形成領域よりも多少大きくても小さくてもよい。剥離膜40の厚さは、たとえば、10〜30μmが例示される。剥離膜40を設ける方法は前述の方法に限定されない。たとえば、液状やペースト状の材料の塗布および硬化により剥離膜40が形成されてもよい。
【0030】
図3Fに示されるように、第1導体層3上に第2絶縁層12が形成されると共に、第2絶縁層12および剥離膜40上に銅箔4bが設けられる。また、導体層7a上に絶縁層15aが形成されると共に、絶縁層15a上に銅箔7bbが設けられる。第2絶縁層12は、剥離膜40の周囲に形成される。たとえば、プリプレグが第1導体層3上および導体層7a上に、それぞれ積層され、その上に銅箔4bおよび銅箔7bbが積層される。第1導体層3上には、剥離膜40に対応する部分を除去されたプリプレグが積層されてもよい。銅箔4b、7bbおよびプリプレグが第1絶縁層11側に向って加圧されると共に加熱される。プリプレグの硬化により第1導体層3上に第2絶縁層12が形成され、銅箔4bが第2絶縁層12に接合される。同様に、導体層7a上に絶縁層15aが形成されると共に、銅箔7bbが絶縁層15aに接合される。第2絶縁層12の上面12bは、剥離膜40の上面40aとほぼ面一にされる。第1導体パターン31は、第2絶縁層12に覆われる。プリプレグおよび銅箔4b、7bbに代えて、ガラス繊維などを含む、または含まない樹脂付き銅箔が用いられてもよい。
【0031】
図3Gに示されるように、所定のパターンを有する第2導体層4および導体層7b、ならびにビア導体8a、9aが形成される。第2導体層4および導体層7bは、サブトラクティブ法やセミアディティブ法などの任意の方法で形成され得る。たとえば、第2絶縁層12のビア導体8aの形成位置および絶縁層15aのビア導体9aの形成位置に、レーザー光の照射などにより貫通孔が形成される。この貫通孔内および銅箔4b、7bb(図3F参照)上に、無電解めっきなどにより銅などからなるシード金属膜(図示せず)が形成される。このシード金属膜上に、第2導体層4および導体層7bの各導体パターンならびにビア導体8a、9aの形成位置に開口を有するめっきレジスト(図示せず)が形成される。そして、シード金属膜を給電層とする電解めっきによりめっきレジストの開口内に銅などからなるめっき膜が形成される。その後、めっきレジストが除去され、めっきレジストの除去により露出するシード金属膜、さらにその下層の銅箔4b、7bbがエッチングにより除去される。その結果、所定のパターンを有する第2導体層4および導体層7b、ならびにビア導体8a、9aが形成される。図3Gの例では、凹部2の形成領域Aにも、第2導体層4の導体パターン45が形成されている。導体パターン45により、凹部2の形成領域A付近に生じ得る凹みなどが防止され得る。
【0032】
図3Hに示されるように、第2絶縁層12、第2導体層4およびビア導体8a、ならびに、絶縁層15a、導体層7bおよびビア導体9aの形成方法と同様の方法で、第3絶縁層13、第3導体層5およびビア導体8b、ならびに、絶縁層15b、導体層7cおよびビア導体9bが形成される。同様に、第4絶縁層14、第4導体層6およびビア導体8c、ならびに、絶縁層15c、導体層7dおよびビア導体9cが形成される。そして、ソルダーレジスト層17、18がそれぞれ形成される。ソルダーレジスト層17、18には、所定の位置に開口17a、18aがそれぞれ形成されている。また、図3Hの例では、ソルダーレジスト層17には、第1導体パターン31上の部分に開口17bが形成されている。ソルダーレジスト層17、18は、スクリーン印刷、スプレーコーティング、ロールコーティング、またはフィルムラミネートなどにより形成され得る。
【0033】
つぎに、第1導体パターン31に基づいて凹部2の形成領域が特定される。好ましくは、凹部2の形成領域の特定の前に、第2絶縁層12の一部、ならびに第3および第4の絶縁層13、14それぞれの一部の除去により第1導体パターン31が露出される。以下では、第1導体パターン31を露出させることを含む一実施形態のプリント配線板の製造方法が、図3I図3Mを参照しながら説明される。
【0034】
図3Iに示されるように、第2〜第4絶縁層12〜14の第1導体パターン31の上方の部分が除去される。たとえば、ソルダーレジスト層17の開口17bに露出する第4絶縁層14にレーザー光L1が照射される。レーザー光L1を照射された部分の第4絶縁層14が除去される。レーザー光L1の照射の継続により、第3絶縁層13および第2絶縁層12の第1導体パターン31の上方の部分が順に除去される。それにより第1導体パターン31が露出する。第1導体パターン31を底面に露出する開口12aが、第2絶縁層12に形成される。開口12aは、第3および第4導体層13、14を貫通し、ソルダーレジスト層17の開口17bに連通している。
【0035】
図3Iの例では、開口12aは第2絶縁層12も貫通している。すなわち開口12aの底面には、第1導体パターン31の周囲に第1絶縁層11が露出している。開口12aの底面と第1導体パターン31の上面(プリント配線板1の第1面1F側の面)との間に、第1導体パターン31の厚さに応じた段差が生じている。第1導体パターン31の検出時に、その輪郭を明瞭に認識できると考えられる。第1絶縁層11の露出後のレーザー光L1の照射の継続によって第1絶縁層11の被照射部分が除去されてもよい。それにより開口12aの底面が第1絶縁層11と第2絶縁層12との界面よりも凹んでいてもよい。
【0036】
開口12aは、平面視で第1導体パターン31の外形よりも大きい。平面視で、第1導体パターン31の全体が開口12a内に露出している。第1導体パターン31が、第1面1F側から確実に認識され得る。また、このように大きな開口12aを形成するレーザー光L1の照射により、第1導体パターン31が確実に露出され得る。すなわち、第1導体層3内のいずれの導体パターンの検出も無しに、外形基準などにより定まる位置にレーザー光L1が照射されても、大きく開けられる開口12a内に第1導体パターン31が捉えられ得る。
【0037】
第1導体パターン31の露出に用いられるレーザー光L1の種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどが例示されるが、これらに限定されない。エポキシ樹脂による高い吸収率と銅による低い吸収率とを兼ね備える9400nmまたは10640nmの波長を有する炭酸ガスレーザーが好ましい。
【0038】
図3J〜3Mに示されるように、開口12a内に露出している第1導体パターン31に基づいて凹部2の形成領域が特定され、その領域に凹部2が形成される。まず、図3Jに示されるように、第1導体パターン31が検出される。
【0039】
第1導体パターン31は、プリント配線板1の第1面1F側から、たとえば、カメラなどの撮像装置80で光学的に検出される。たとえば、可視光が第1導体パターン31に照射され、第1導体パターン31の周囲が撮像装置80で撮影される。その撮像データにおける第1導体パターン31とその周囲の部分との明度などのコントラストから、第1導体パターン31の位置(たとえば中心位置)が検出される。撮像装置80は、第1導体パターン31を認識し得るものであれば、特に限定されない。撮像装置80は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子から構成され得る。
【0040】
撮像装置80により検出される第1導体パターン31の位置に基づいて、工程中のプリント配線板における凹部2の形成領域が特定される。たとえば、第1導体層3の設計データに基づいて、第1導体パターン31に対する凹部2の相対位置が把握されている。その相対位置のデータに、実際に検出された第1導体パターン31の位置を適用することによって、現に形成される凹部2の領域が特定される。好ましくは、2つの第1導体パターン31両方の検出位置が用いられる。前述のように、プリント配線板1の厚さ方向を軸とする回転方向についても正確に、凹部2の形成領域が特定される。
【0041】
図3Jおよび図3Kに示されるように、特定された凹部2の形成領域Aの輪郭に沿って、たとえば、レーザー光L2が照射される。図3Jおよび図3Kの例では、凹部2の形成領域Aとほぼ同じ形状および大きさの剥離膜40が配置されているため、レーザー光L2は、剥離膜40の周縁に沿って照射される。たとえば、レーザー光L2は、図3Kに矢印Laで示される軌跡を描くように照射位置を変えながら照射される。レーザー光L2の照射位置の移動は、被照射体(工程中のプリント配線板)またはレーザー光L2の移動により行われる。レーザー光L2は、たとえば、ガルバノミラーを用いて移動される。
【0042】
レーザー光L2の種類としては、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーなどが例示されるが、これらに限定されない。前述の第1導体パターン31の露出工程と同様に、好ましくは、炭酸カスレーザーが用いられる。たとえば、第1導体パターン31の露出工程で用いられるレーザー光の光源と同じ光源が用いられ得る。
【0043】
レーザー光L2の照射によって、図3Kおよび図3Lに示されるように、凹部2の形成領域Aの輪郭に沿って、第2〜第4絶縁層12〜14、およびソルダーレジスト層17に、間隙2aが形成される。間隙2aによって、凹部2の形成領域Aと、その周囲の領域とが分離される。レーザー光L2は、好ましくは、第2絶縁層12を完全に貫通するような照射条件で照射される。後述される凹部2の形成領域内の絶縁層などの除去が容易になる。
【0044】
一方、第1絶縁層11の一面11a側と他面11b側との間の絶縁性の確保という観点では、第1絶縁層11まで達しないレーザー光の照射が好ましいこともある。そのため、第2導体パターン32が、レーザー光L2のストッパとして設けられている。本実施形態では、凹部2の形成領域Aが、第1導体パターン31の検出位置に基づいて正確に特定され得る。レーザー光L2が確実に第2導体パターン32上に照射されるため、第1絶縁層11がレーザー光L2に照射されるリスクが低いと考えられる。従って、枠状の形状の第2導体パターン32の枠部分の幅を細くすることができる。また、凹部2内に露出させる導体パターンと凹部2内に露出させない導体パターンとを近接して設けることができる。プリント配線板1の小型化が促進されると考えられる。
【0045】
図3Mに示されるように、第3および第4絶縁層13、14、第2〜第4導体層4〜6、ならびにソルダーレジスト層17の凹部2の形成領域A内の部分(以下、凹部2の形成領域A内の部分は除去部分Pと称される)が、剥離膜40と共に除去される。第2絶縁層12にも凹部2の形成領域Aに含まれる部分がある場合は、第2絶縁層12のこの部分も除去部分Pの一部として除去される。図3Mの例では、第3および第4絶縁層13、14および第2〜第4導体層4〜6ならびにソルダーレジスト層17それぞれの、剥離膜40と平面視で重なる部分が除去されている。
【0046】
除去部分Pは、任意の方法で除去され得る。たとえば、除去部分Pは、治工具などに吸着され、第1絶縁層11と反対側に引き上げられることにより除去され得る。除去部分Pは間隙2a(図3L参照)により周囲の領域と分離されている。また、除去部分Pと、ソルダーレジスト層16や接続パッド3aとの間には剥離膜40が介在している。そのため、除去部分Pは容易に除去され得る。
【0047】
除去部分Pの除去により、底面に接続パッド3aが露出する凹部2が形成される。図3Mの例では、凹部2は、第3および第4絶縁層13、14、およびソルダーレジスト層17を貫通している。凹部2の底面は、第1導体層3およびソルダーレジスト層16により構成されている。凹部2の底面の一部が、第1絶縁層11の第1導体層3からの露出部や第2導体層12により形成されていてもよい。図示されていないが、接続パッド3aや第4導体層6、および導体層7dの露出面上に、表面保護膜が形成されてもよい。たとえば、Ni/Au、Ni/Pd/Au、またはSnなどからなる表面保護膜がめっきにより形成され得る。液状の保護材料内への浸漬などによりOSPが形成されてもよい。図1および図2に例示されるプリント配線板1が完成する。
【0048】
完成したプリント配線板1の凹部2内に電子部品を実装することにより、電子デバイスが製造され得る。その場合、図3Nに示されるように、開口12a内に露出する第1導体パターン31が、電子部品100の搭載位置の位置決めに用いられ得る。すなわち、前述の凹部2の形成工程と同様に、第1導体パターン31の位置が、たとえば、撮像装置80を用いて光学的に検出される。検出された第1導体パターン31の位置に基づいて、前述の凹部2の形成領域の特定と同様の方法で、電子部品100の実装位置(たとえば、アレイ状に配置されている複数の接続パッド3aからなる群の中心位置)が特定される。特定された実装位置に、電子部品100が実装される。前述のように、2つの第1導体パターン31両方の検出位置を用いることにより、プリント配線板1の厚さ方向を軸とする回転方向(θ方向)についても正確に、電子部品100の実装位置が特定される。加えて、θ方向に関して、接続パッド3aのθ方向の傾きに応じた適切な角度を付けて電子部品100を配置することができる。電子デバイスの製造歩留まり、および、その内部の接続の信頼性が高いと考えられる。
【0049】
図3Nに示される電子部品100の実装工程を経ることにより、図3Oに示されるように、一実施形態の電子デバイス20が得られる。電子デバイス20は、プリント配線板1と、プリント配線板1の凹部2に収容されている電子部品100と、を含んでいる。電子部品100は、凹部2の底面に露出する接続パッド3aに接続されている。凹部2の周囲の第2絶縁層12の少なくとも2箇所に開口12aが形成されている。プリント配線板1は、少なくとも2つの第1導体パターン31を有している。少なくとも2つの第1導体パターン31は開口12a内に露出している。電子デバイス20を構成するプリント配線板1の詳細な構造は、図1などを参照して既に説明されているため、再度の説明は省略される。
【0050】
なお、一実施形態のプリント配線板の製造において、第1導体パターン31が露出されない場合は、図3Iを参照して説明された開口12aの形成工程が省略される。その場合、第1導体パターン31の位置は、たとえば、第2絶縁層12などの絶縁層越しに撮像装置80(図3J参照)により撮影される第1導体層3の画像データから検出される。第1導体パターン31の位置は、X線透視装置(図示せず)などにより撮影されるX線画像から検出されてもよい。検出された第1導体パターン31の位置に基づいて凹部2の形成領域が特定され、特定された形成領域に、図3J〜3Mを参照して説明された方法と同様の方法で凹部2が形成され得る。
【0051】
図4A〜4Dには、図2の第1導体パターン31の拡大図を含めて、第1導体パターン31の他の例が示されている。なお、図4A〜4Dでは、第1絶縁層11の露出部分にハッチングが付されている。
【0052】
図4Aには、図2の第1導体パターン31が拡大して示されている。第1導体パターン31は、ほぼ円形の平面形状を有し、ほぼ円形の開口12a内に露出している。たとえば、第1導体パターン31と、その周囲の第1絶縁層11との明度などのコントラストにより、第1導体パターン31の輪郭が認識され、その認識データから第1導体パターン31の中心位置などが決定される。
【0053】
図4Bには、図4Aと同様に円形の平面形状を有する第1導体パターン31aが示されている。図4Bに示される第1導体パターン31aは、第1導体層3に設けられている開口31aaにより形成されている。開口31aa内に第1絶縁層11が露出している。開口31aaも、接続パッド3aや第2導体パターン32(図2参照)と同じマスク(レジスト)を用いて形成される。図4Bに示される第1導体パターン31aも、凹部2の形成領域などの位置決めの基準として機能し得る。
【0054】
図4Cは、リング形状の第1導体パターン31bを示し、図4Dは、十字形状の第1導体パターン31cを示している。第1導体層3の形成用マスクの適切な設計により任意の平面形状の第1導体パターンが形成され得る。たとえば中心位置を幾何計算などにより算出し得る任意の形状が、第1導体パターンの平面形状として選択され得る。開口12aの形状も、図4A〜4Dに示されるような円形に限定されない。たとえば、開口12aは、多角形や楕円形など、任意の形状を有していてもよい。
【0055】
前述の一実施形態のプリント配線板の製造方法の説明では、コア基板10(図3B参照)の導体層(第1導体層3)を露出させる凹部2を形成する例が用いられた。しかし、一実施形態のプリント配線板の製造方法は、コア基板以外の、たとえばビルドアップ層内の導体層を露出させる凹部を有するプリント配線板の製造に用いられてもよい。その一例が図5に示されている。図5は、前述の説明で参照された図3Jに示される工程に相当する工程中のプリント配線板を示している。なお、図3A〜3Mに示される要素と同一の要素についての説明および図中の符号は省略されている。
【0056】
図5に示される例では、図示されない電子部品との接続パッド4aが、コア基板10上に第2導体層12を介して形成されている導体層(第2導体層4)に設けられている。後工程において、接続パッド4aを底面に露出する凹部が形成される。そのため、第2導体層4に第1導体パターン41および第2導体パターン42が設けられている。そして、第1導体パターン41の位置が撮像装置80によって検出されている。接続パッド4a、ならびに、第1および第2導体パターン41、42の間の相対位置のばらつきは、極めて小さいと考えられる。第1導体パターン41を検出し、その検出位置に基づいて凹部の形成領域を特定することにより、極めて正確な位置に凹部が形成され得る。
【0057】
また、前述の一実施形態のプリント配線板の製造方法の説明では、第1導体パターン31上に他の導体層(たとえば第2〜第4導体層4〜6)の導体部分を有しない例が用いられた。表層側に他の導体層の導体部分が存在すると、外部から表層側の導体層越しに内層の導体パターンを検出することはさらに困難であると考えられる。銅などからなる表層側の導体層がX線などの透過を遮り易いからである。しかし、開口12aを形成することにより、第1導体パターン31上に他の導体層の導体部分が積層されていても、第1導体パターン31を適切に検出することができる。たとえば、図6に示されるように、第4導体層6の導体部分6aが第1導体パターン31の上方に設けられている場合は、導体部分6aを貫通するように開口12aが形成される。それにより、第1導体パターン31の像を明瞭に捉えることができる。
【0058】
この場合、開口12aを形成するために照射されるレーザー光としては、エポキシなどの樹脂材料および銅などの第4導体層6の構成材料の両方に高い吸収率で吸収される波長を有するものが好ましい。355nmまたは532nmの波長を有するYAGレーザーの第3または第2高調波などが例示される。また、レーザー光の照射の前に、導体部分6aが選択的にエッチングされてもよい。それにより導体部分6が、第4導体層6内の他の部分よりも薄くされても、または、全て除去されてもよい。
【0059】
本実施形態において、第1導体パターン31を露出させる手段、および、凹部2の形成領域Aとその周囲の領域とを分離する手段は、前述のレーザー光の照射に限定されない。たとえば、ドリル加工により、開口12a(図3I参照)および/または間隙2a(図3K参照)が形成されてもよい。その場合、第1導体パターン31および第2導体パターン32は、それぞれ、ドリル加工の深さ方向のストッパとして機能し得る。すなわち、導体などとの接触を検知し得るドリル加工機が用いられるのが好ましい。第1導体パターン31および第2導体パターン32とドリルの先端部分との接触の検知に基づいて、開口12aや間隙2aの深さが調整され得る。
【0060】
また、凹部2全体が、ドリル加工によって形成されてもよい。その場合、剥離膜40(図3E参照)は用いられなくてもよい。たとえば、ドリルの先端位置を設定し得るドリル加工機を用いて、凹部2の形成領域内の各絶縁層が、全域にわたってドリル加工で除去されてもよい。その場合も、第1導体パターン31の検出位置に基づいて特定される領域に凹部2が形成され得る。
【0061】
一実施形態のプリント配線板の製造方法および電子デバイスの製造方法は、図3A〜3Nを参照して説明された方法に限定されない。個々の工程は、図5および図6を参照して説明された変形例以外にも、種々の変更を伴って実施され得る。たとえば、コア基板10(図3B参照)の両側に絶縁層および導体層が積層されなくてもよい。所謂コアレス基板のように、一方向のみに絶縁層および導体層が交互に積層されてもよい。また、積層される絶縁層および導体層の数は、図3Hに示される例に限定されない。コア基板10の片側に4層より少ないまたは多い導体層が積層されてもよい。プリント配線板全体で、少なくとも、凹部2を有する絶縁層を含む少なくとも2つの絶縁層、および、凹部の底面に部分的に露出される1つの導体層が形成されればよい。
【0062】
凹部2の形状は、図2に示される形状に限定されない。円形や四角形以外の多角形など、任意の平面形状の凹部2が形成され得る。また、第1導体パターン31は、凹部2の一組の対角それぞれに設けられていなくてもよい。第1導体パターン31の位置および数は任意に選択され得る。各導体層や各ビア導体の材料は、銅に限定されない。他の任意の適切な金属または金属以外の導電性材料が用いられる。また、各絶縁層に用いられる樹脂材料はエポキシ樹脂に限定されない。ポリエステル樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、イミド樹脂(ポリイミド)、フェノール樹脂などの任意の適切な樹脂材料が用いられ得る。一実施形態のプリント配線板の製造方法には、前述の各工程以外に任意の工程が追加されてもよく、前述の説明で説明された工程のうちの一部が省略されてもよい。
【0063】
図7には、本発明の他の実施形態の製造方法により製造されるプリント配線板の一例であるプリント配線板1aが示されている。図7に示される例では、複数のプリント配線板1aが集合基板70内に連結された状態で形成されている。集合基板70は、2つの製品領域71と製品領域71以外のダミー領域72とを有している。製品領域71内に、複数のプリント配線板1aが隣接してアレイ状に形成されている。断面図が省略されているが、個々のプリント配線板1aは、図1に示されるプリント配線板1と同様の積層構造を有している。本実施形態では、ダミー領域72に形成されている開口12a内に第1導体パターン31が露出している。
【0064】
すなわち、他の実施形態のプリント配線板の製造方法では、前述の図3A〜3Mを参照して説明された一実施形態のプリント配線板の製造方法と同様の方法で、図示されない第1および第2絶縁層ならびに導体層(第1導体層)が形成される。第1および第2絶縁層、ならびに第1導体層は、それぞれ、製品領域71およびダミー領域72に対応する各層内の製品領域およびダミー領域(図示せず)を有している。すなわち、図示されない製品領域と、この製品領域以外のダミー領域とを有する絶縁基板などの絶縁層が、第1絶縁層として用意される。第1絶縁層の製品領域およびダミー領域それぞれの上に、第1導体層および第2絶縁層が形成される。第1導体層のダミー領域には、たとえば、プリント配線板1aを構成しないダミーパターン(図示せず)が形成され得る。第1導体パターン31は、第1絶縁層のダミー領域上の第1導体層内に、たとえば、ダミーパターンと共に形成される。さらに、好ましくは、第1導体パターン31を露出する開口12aが、ダミー領域72に形成される。複数のプリント配線板1aそれぞれにおいて、ダミー領域72内の第1導体パターン31の露出部分に基づいて特定される領域に凹部2(図2参照)が形成される。各プリント配線板1aにおいて、凹部2が正確な位置に形成され得る。
【0065】
図7の例では、2つの製品領域71それぞれに、4つの第1導体パターン31が設けられている。しかし、製品領域71ごとに4つもより少ない、または多い数の第1導体パターン31が設けられてもよい。また、集合基板70全体で1つ、または集合基板70の1組の対角の近傍に1つずつ第1導体パターン31が設けられてもよい。また、第1導体パターン31は、必ずしも露出していなくてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1、1a プリント配線板
2 凹部
2a 間隙
3 第1導体層
3a 接続パッド
31 第1導体パターン
32 第2導体パターン
4 第2導体層
5 第3導体層
6 第4導体層
7a〜7d 導体層
10 コア基板
11 第1絶縁層
12 第2絶縁層
12a 開口
13 第3絶縁層
14 第4絶縁層
15a〜15c 絶縁層
16〜18 ソルダーレジスト層
20 電子デバイス
40 剥離膜
70 集合基板
71 製品領域
72 ダミー領域
100 電子部品
300 めっきレジスト
A 凹部の形成領域
L1、L2 レーザー光
P 除去部分
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図3L
図3M
図3N
図3O
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7