特開2017-229047(P2017-229047A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

▶ 株式会社フジクラの特許一覧
<>
  • 特開2017229047-アンテナ 図000003
  • 特開2017229047-アンテナ 図000004
  • 特開2017229047-アンテナ 図000005
  • 特開2017229047-アンテナ 図000006
  • 特開2017229047-アンテナ 図000007
  • 特開2017229047-アンテナ 図000008
  • 特開2017229047-アンテナ 図000009
  • 特開2017229047-アンテナ 図000010
  • 特開2017229047-アンテナ 図000011
  • 特開2017229047-アンテナ 図000012
  • 特開2017229047-アンテナ 図000013
  • 特開2017229047-アンテナ 図000014
  • 特開2017229047-アンテナ 図000015
  • 特開2017229047-アンテナ 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-229047(P2017-229047A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 5/371 20150101AFI20171201BHJP
   H01Q 1/48 20060101ALI20171201BHJP
   H01Q 5/378 20150101ALI20171201BHJP
【FI】
   H01Q5/371
   H01Q1/48
   H01Q5/378
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-153583(P2016-153583)
(22)【出願日】2016年8月4日
(31)【優先権主張番号】特願2016-122159(P2016-122159)
(32)【優先日】2016年6月20日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田山 博育
(72)【発明者】
【氏名】官 寧
【テーマコード(参考)】
5J046
【Fターム(参考)】
5J046AA07
5J046AB06
5J046TA03
5J046TA05
(57)【要約】
【課題】サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供すること。
【解決手段】アンテナ(10)は、第1の放射素子(11)と、第1の放射素子(11)よりも電気長が短い第2の放射素子(12)及び第3の放射素子(13)であって、第1の放射素子(11)を挟み込むように配置された第2の放射素子(12)及び第3の放射素子(13)と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の放射素子と、
前記第1の放射素子よりも電気長が短い第2の放射素子及び第3の放射素子であって、前記第1の放射素子を挟み込むように配置された第2の放射素子及び第3の放射素子と、を備えている、
ことを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
給電線を構成する一方の導体を前記第1の放射素子の一端に接続すると共に、前記給電線を構成する他方の導体を前記第2の放射素子の一端及び前記第3の放射素子の一端の両方に接続するためのコネクタを備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第2の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描き、
前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第3の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描く、
ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第2の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描き、
前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第3の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描く、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記第1の放射素子は、頭部と首部とを有する杯型であって、前記首部の前記頭部側と反対側の端辺が前記一端として前記コネクタに接続されており、
前記第2の放射素子及び前記第3の放射素子は、第1の放射素子の首部を挟み込むように配置されている、
ことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記第1の放射素子の前記一端を含む区間であって、前記首部の幅よりも長い区間において、前記首部と前記第2の放射素子との間隔、及び、前記首部と前記第3の放射素子との間隔は、一定であり、当該間隔は、当該アンテナのインピーダンスが上記給電線の特性インピーダンスと整合するように定められている、
ことを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記頭部の前記首部側と反対側の端辺は、前記首部の中心軸に直交していない、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記第1の放射素子の一端と前記第2の放射素子の一端とを短絡する第1の短絡部と、
前記第1の放射素子の前記一端と前記第2の放射素子の前記一端とを短絡するとともに、前記第1の放射素子の前記一端と前記第3の放射素子の前記一端とを短絡する第2の短絡部と、を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項9】
(1)前記第1の放射素子の一端に接続された第1の根本部と、(2)前記第2の放射素子の一端に接続された第2の根本部と、(3)前記第3の放射素子の一端に接続された第3の根本部と、(4)前記第2の根本部と前記第3の根本部とを接続するC字型導体パターンと、を更に備え、
前記第1の短絡部は、前記第1の根本部、前記第2の根本部、及び、前記第1の根本部と前記第2の根本部とを接続する第1のU字型導体パターンにより構成され、
前記第2の短絡部は、前記第1の根本部、前記第2の根本部、前記第3の根本部、前記C字型導体パターン、及び、前記第1の根本部と前記C字型導体パターンとを接続する第2のU字型導体パターンにより構成されている、
ことを特徴とする請求項8に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記第2の放射素子の電気長と前記第3の放射素子の電気長とは、互いに異なり、
前記第2の放射素子と前記第3の放射素子のうち電気長が長い方の放射素子は、
当該電気長が長い方の放射素子の一端を含む放射素子本体と、
当該放射素子本体の端部であって当該電気長が長い方の放射素子の一端と逆側の端部から、当該電気長が長い方の放射素子の他端に向かって延伸されたサブ放射素子とにより構成されている、
ことを特徴とする請求項9に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第2の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描き、
前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第3の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描く、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第2の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描き、
前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第3の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描く、
ことを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載のアンテナ。
【請求項13】
前記第1の放射素子の前記一端を含む区間であって、前記第1の放射素子の幅よりも長い区間において、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子との間隔、及び、前記第1の放射素子と前記第3の放射素子との間隔は、一定であり、当該間隔は、当該アンテナのインピーダンスが給電線の特性インピーダンスと整合するように定められている、
ことを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載のアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯端末が普及したことに伴い、移動体(例えば自動車など)に移動通信用(例えばLTE用)のアンテナが搭載されている。このようなアンテナには、コンパクトなサイズと、広い動作帯域とを両立させることが求められる。
【0003】
特許文献1には、コンパクトで、且つ、動作帯域の広いダイポールアンテナが記載されている。特許文献1の図1に記載されたダイポールアンテナは、折れ曲がった第1及び第2の放射素子を採用することによって、折れ曲がっていない放射素子を採用したダイポールアンテナと比べてコンパクト化及び広帯域化を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5416773号公報(2014年2月12日発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたダイポールアンテナは、地上波デジタルテレビ用の周波数帯域(470MHz以上900MHz以下)をカバーしているものの、その動作帯域は、LTE用の周波数帯域である698MHz以上2690MHz以下の周波数帯域をカバーできるものではない。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みて成されたものであり、サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアンテナは、第1の放射素子と、前記第1の放射素子よりも電気長が短い第2の放射素子及び第3の放射素子であって、前記第1の放射素子を挟み込むように配置された第2の放射素子及び第3の放射素子と、を備えている。
【0008】
第2の放射素子及び第3の放射素子は、第1の放射素子を挟み込むように配置されている。したがって、本アンテナは、従来のアンテナと同程度にコンパクトである。
【0009】
第2及び第3の放射素子の電気長は、第1の放射素子の電気長よりも短い。すなわち、本アンテナは、第1の放射素子の電気長に対応する共振点と、第2及び第3の放射素子の電気長に対応する共振点とを有する。本アンテナにおいて、第1の放射素子の電気長と、第2及び第3の放射素子の電気長とを適宜異ならせることによって、所望の周波数帯域を動作帯域にし得る。
【0010】
更に、本アンテナにおいて、第2及び第3の放射素子の各々は、第1の放射素子を挟み込むように配置されている。この構成によれば、第1の放射素子と第2の放射素子との間に生じる容量の値、及び、第1の放射素子と第3の放射素子との間に生じる容量の値を容易に制御できる。したがって、所望の周波数帯域のうち特定の帯域においてVSWRが低下すること防止し、VSWRの谷間が生じることを防止することができる。したがって、本アンテナは、所望の周波数帯域を動作帯域にすることができる。
【0011】
以上のように、本アンテナは、サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供することができる。
【0012】
本発明の一態様に係るアンテナは、給電線を構成する一方の導体を前記第1の放射素子の一端に接続すると共に、前記給電線を構成する他方の導体を前記第2の放射素子の一端及び前記第3の放射素子の一端の両方に接続するためのコネクタを備えている、ことが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、給電線の延伸方向に対して第1の放射素子を沿わせるように配置する場合に、容易に本アンテナと給電線とをコネクタを介して接続することができる。第1の放射素子と、第1の放射素子を挟み込むように配置された第2及び第3の放射素子12,13との配置が、給電線の一方の導体と、この一方の導体を取り囲むように配置された他方の導体との配置に一致するためである。
【0014】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第2の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描き、前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第3の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描く、ことが好ましい。
【0015】
上記の構成によれば、第2及び第3の放射素子12,13がこのように構成されていることによって、動作帯域のうち高周波側の動作帯域に生じ得るVSWRの谷間(VSWRの急激な低下)を抑制することができる。
【0016】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第2の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描き、前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第3の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描く、ことが好ましい。
【0017】
本アンテナは、自動車のルーフなどに代表される導体板の上に配置され得る。このような場合に、第2及び第3の放射素子が上述のように構成されていることによって、第2の放射素子と上記導体板との間に生じる容量、及び、第3の放射素子と上記導体板との間に生じる容量の値を適宜設定することが容易にできる。したがって、上記導体板上に配置したことに伴うVSWRの低下を抑制し、幅広い動作帯域におけるVSWRの平坦化を容易にする。
【0018】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第1の放射素子は、頭部と首部とを有する杯型であって、前記首部の前記頭部側と反対側の端辺が前記一端として前記コネクタに接続されており、前記第2の放射素子及び前記第3の放射素子は、第1の放射素子の首部を挟み込むように配置されている、ことが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、第1の放射素子を挟み込む第2及び第3の放射素子の各々を、第1の放射素子の首部の両側に形成されたスペースに配置することができる。したがって、第1の放射素子が首部を備えない(例えば長方形の)場合と比較して、本アンテナは、アンテナを設置するために要する領域の幅を狭くすることができる。すなわち、本アンテナは、よりコンパクトなスペースに設置(収容)可能である。
【0020】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第1の放射素子の前記一端を含む区間であって、前記首部の幅よりも長い区間において、前記首部と前記第2の放射素子との間隔、及び、前記首部と前記第3の放射素子との間隔は、一定であり、当該間隔は、当該アンテナのインピーダンスが給電線の特性インピーダンスと整合するように定められている、ことが好ましい。
【0021】
上記の構成によれば、本アンテナのインピーダンスと、給電線の特性インピーダンス(例えば50Ω)とを容易に整合させることができる。したがって、本アンテナは、インピーダンスの不整合に起因する反射を抑制し、高い利得を得ることができる。
【0022】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記頭部の前記首部側と反対側の端辺は、前記首部の中心軸に直交していない、ことが好ましい。
【0023】
上記の構成によれば、首部の中心軸と他端とが直交しないことによって、首部の中心軸と他端とが直交している場合と比較して、他端の長さをより長く確保することができる。したがって、本アンテナ10は、首部の中心軸に沿った方向の偏波に対する利得を損なうことなく、首部の中心軸に交わる方向の偏波に対する利得を向上させることができる。
【0024】
本発明の一態様に係るアンテナは、前記第1の放射素子の一端と前記第2の放射素子の一端とを短絡する第1の短絡部と、前記第1の放射素子の前記一端と前記第2の放射素子の前記一端とを短絡するとともに、前記第1の放射素子の前記一端と前記第3の放射素子の前記一端とを短絡する第2の短絡部と、を更に備えている、ことが好ましい。
【0025】
上記の構成によれば、第1の短絡部及び第2の短絡部を備えていない場合と比較して、低周波側の利得を向上させることができる。
【0026】
本発明の一態様に係るアンテナは、(1)前記第1の放射素子の一端に接続された第1の根本部と、(2)前記第2の放射素子の一端に接続された第2の根本部と、(3)前記第3の放射素子の一端に接続された第3の根本部と、(4)前記第2の根本部と前記第3の根本部とを接続するC字型導体パターンと、を更に備えている。本アンテナにおいて、前記第1の短絡部は、前記第1の根本部、前記第2の根本部、及び、前記第1の根本部と前記第2の根本部とを接続する第1のU字型導体パターンにより構成され、前記第2の短絡部は、前記第1の根本部、前記第2の根本部、前記第3の根本部、前記C字型導体パターン、及び、前記第1の根本部と前記C字型導体パターンとを接続する第2のU字型導体パターンにより構成されている、ことが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、アンテナのサイズをいたずらに大きくすることなく、第1の短絡部及び第2の短絡部を構成することができる。
【0028】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第2の放射素子の電気長と前記第3の放射素子の電気長とは、互いに異なる。前記第2の放射素子と前記第3の放射素子のうち電気長が長い方の放射素子は、当該電気長が長い方の放射素子の一端を含む放射素子本体と、当該放射素子本体の端部であって当該電気長が長い方の放射素子の一端と逆側の端部から、当該電気長が長い方の放射素子の他端に向かって延伸されたサブ放射素子とにより構成されている、ことが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、本アンテナの第1〜第3の放射素子は、電気長が長い方の放射素子がサブ放射素子を備えていない場合と比較して、より多くの電気長を有する。そのため、幅広い周波数帯域(例えばLTE用の周波数帯域)をより細分化するように第1〜第3の放射素子の電気長を定めることができる。したがって、本アンテナは、幅広い周波数帯域におけるVSWRをよりフラット化することができる。
【0030】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第2の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描き、前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する外縁は、前記第3の放射素子の他端を含む区間において、当該他端に近づくに従って前記第1の放射素子から次第に遠ざかる曲線を描く、ことが好ましい。
【0031】
上記の構成によれば、第2及び第3の放射素子12,13がこのように構成されていることによって、動作帯域のうち高周波側の動作帯域に生じ得るVSWRの谷間(VSWRの急激な低下)を抑制することができる。
【0032】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第2の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第2の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描き、前記第3の放射素子の前記第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁は、前記第3の放射素子の前記一端を含む区間において、当該一端に近づくに従って前記第1の放射素子に次第に近づく曲線を描く、ことが好ましい。
【0033】
本アンテナは、自動車のルーフなどに代表される導体板の上に配置され得る。このような場合に、第2及び第3の放射素子が上述のように構成されていることによって、第2の放射素子と上記導体板との間に生じる容量、及び、第3の放射素子と上記導体板との間に生じる容量の値を適宜設定することが容易にできる。したがって、上記導体板上に配置したことに伴うVSWRの低下を抑制し、幅広い動作帯域におけるVSWRの平坦化を容易にする。
【0034】
本発明の一態様に係るアンテナにおいて、前記第1の放射素子の前記一端を含む区間であって、前記第1の放射素子の幅よりも長い区間において、前記第1の放射素子と前記第2の放射素子との間隔、及び、前記第1の放射素子と前記第3の放射素子との間隔は、一定であり、当該間隔は、当該アンテナのインピーダンスが上記給電線の特性インピーダンスと整合するように定められている、ことが好ましい。
【0035】
上記の構成によれば、本アンテナのインピーダンスと、給電線の特性インピーダンス(例えば50Ω)とを容易に整合させることができる。したがって、本アンテナは、インピーダンスの不整合に起因する反射を抑制し、高い利得を得ることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】(a)は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナの平面図である。(b)は、(a)に示したアンテナの断面図である。
図2】本発明の第1の実施例の平面図である。
図3図2に示したアンテナの利得及びVSWRの周波数依存性を示すグラフである。
図4】(a)及び(b)は、第1及び第2の実施例のアンテナにおける利得の方位依存性を示すグラフである。
図5】本発明の第2の実施形態に係るアンテナの断面斜視図である。
図6】本発明の第2の実施例が備えている第1〜第3の放射素子の平面図である。
図7】本発明の各実施例の利得の周波数依存性を示すグラフである。
図8】本発明の第3の実施形態に係るアンテナの三面図である。
図9図8に示したアンテナの拡大平面図である。
図10】本発明の第3の実施例が備えている、第1〜第3の放射素子、地板、第2のU字型導体パターンの平面図である。
図11図10に示したアンテナの利得及びVSWRの周波数依存性を示すグラフである。
図12図8に示したアンテナの第1の参考例の斜視図である。
図13図12に示したアンテナの利得及びVSWRの周波数依存性を示すグラフである。
図14図8に示したアンテナの第2の参考例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係るアンテナについて、図1を参照して説明する。図1の(a)は、本実施形態に係るアンテナ10の平面図である。図1の(b)は、アンテナ10の断面図であって、図1の(a)に示したAA線に沿った断面を示す。
【0039】
図1に示すように、アンテナ10は、第1の放射素子である放射素子11と、第2の放射素子である放射素子12と、第3の放射素子である放射素子13と、誘電体基板14と、コネクタ15とを備えている。放射素子11〜13の各々は、金属(例えば銅)製の導体箔により構成されており、誘電体基板14の一方の表面に形成されている。放射素子12及び放射素子13は、放射素子11を挟み込むように配置されている。
【0040】
放射素子11は、低周波側の周波数帯域を動作帯域とする放射素子である。放射素子11の電気長は、第1の共振点である698MHzの電磁波に対応するように定められている。放射素子11の電気長は、放射素子11の一端11aと他端11bとの距離を、中心軸11eに沿って図った長さに対応する。
【0041】
放射素子12,13の各々は、高周波側の周波数帯域を動作帯域とする放射素子である。放射素子12の電気長は、第2の共振点である1420MHzの電磁波に対応するように定められている。放射素子13の電気長は、第3の共振点である2000MHzの電磁波に対応するように定められている。したがって、放射素子12の電気長、及び、放射素子13の電気長は、放射素子11の電気長よりも短い。放射素子12及び13の各々の電気長は、それぞれ、放射素子12の外縁12d及び放射素子13の外縁13dの長さに対応する。アンテナ10は、698MHz以上2690MHz以下の周波数帯域、いわゆるLTE用の周波数帯域において用いることを想定している。
【0042】
なお、中心軸11e、外縁12d、及び外縁13dについては、後述する。
【0043】
放射素子12,13は、放射素子11を挟み込むように配置されている。したがって、アンテナ10は、従来のアンテナと同程度にコンパクトである。
【0044】
放射素子12,13の各々の電気長は、放射素子11の電気長よりも短い。すなわち、アンテナ10は、放射素子11の電気長に対応する第1の共振点と、第2及び第3の放射素子の各々の電気長にそれぞれ対応する第2及び第3の共振点とを有する。第1の共振点を698MHzに設定し、第2の共振点を1420MHzに設定し、第3の共振点を2000MHzに設定することによって、アンテナ10は、所望の周波数帯域である698MHz以上2690MHz以下の周波数帯域を動作帯域にし得る。
【0045】
更に、アンテナ10において、放射素子12,13の各々は、放射素子11を挟み込むように配置されている。この構成によれば、放射素子11と放射素子12との間に生じる容量の値、及び、放射素子11と放射素子13との間に生じる容量の値を容易に制御できる。したがって、アンテナ10は、所望の周波数帯域のうち特定の帯域においてVSWRが増大すること防止することができる。したがって、アンテナ10は、所望の周波数帯域であるLTE用の周波数帯域の大部分を動作帯域にすることができる。なお、本明細書においては、VSWRが2以下となる周波数帯域をそのアンテナの動作帯域と定める。
【0046】
以上のように、アンテナ10は、サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供することができる。
【0047】
コネクタ15は、アンテナ10と、同軸ケーブル(図1に不図示)とを接続する。同軸ケーブルは、請求の範囲に記載の給電線の一例である。同軸ケーブルは、内側導体、外側導体、及び、内側導体と外側導体とを絶縁する絶縁層と、外側導体の外側を覆う被覆層とにより構成されている。内側導体及び外側導体の各々は、それぞれ、請求の範囲に記載の一方の導体及び他方の導体に対応する。
【0048】
コネクタ15は、中心導体、外側導体、及び、中心導体と外側導体とを絶縁する絶縁体により構成されている。コネクタ15の中心導体は、同軸ケーブルの内側導体を放射素子11の一端11aに電気的に接続する。コネクタ15の外部導体は、同軸ケーブルの外側導体を放射素子12の一端12a及び放射素子13の一端13aの両方に電気的に接続する。したがって、放射素子12及び放射素子13は、コネクタ15の外側導体を介して短絡されている。また、放射素子11は、放射素子12,13から絶縁されている。
【0049】
上記の構成によれば、同軸ケーブルの延伸方向に対して放射素子11の長手方向を沿わせるように配置する場合に、容易にアンテナ10と同軸ケーブルとをコネクタ15を介して接続することができる。放射素子11と、放射素子11を挟み込むように配置された放射素子12,13との配置が、同軸ケーブルの内側導体と、内側導体を取り囲むように配置された外側導体との配置に対応するためである。
【0050】
(放射素子11)
図1の(a)に示すように、放射素子11は、頭部11cと首部11dとを有する杯型に成形された導体箔である。首部11dは、首部11dの端辺であって、頭部11c側と反対側の端辺から、頭部11cに向かって延伸されている。この端辺は、放射素子11の一端11aでもある。
【0051】
首部11dの幅W11(図1の(b)参照)は、(1)一端11aを含む所定の長さを有する区間において一定であり、(2)当該区間と頭部11cとの間では、一端11aから他端11bに向かうに従って次第に拡幅される。本実施形態において、放射素子11の外縁のうち、一端11a及び他端11bを除いた外縁は、滑らかに連続した曲線により構成されている。
【0052】
首部11dは、一端11aである端辺がコネクタ15に接続されている。また、図1の(b)に示すように、第2の放射素子12及び第3の放射素子13は、放射素子11の首部11dを挟み込むように配置されている。
【0053】
上記の構成によれば、放射素子11を挟み込む放射素子12,13の各々を、放射素子11の首部11dの両側に形成されたスペースに配置することができる。したがって、放射素子11が首部11d備えない(例えば長方形の)場合と比較して、本アンテナは、アンテナを設置するために要する領域の幅を狭くすることができる。すなわち、アンテナ10は、よりコンパクトなスペースに設置(収容)可能である。
【0054】
(放射素子12,13)
図1の(a)に示すように、放射素子12の外縁は、(1)一端12aである端辺と、(2)放射素子11に対向する外縁12cと、(3)放射素子11に対向する側と反対側の外縁12dとによって構成されている。外縁12cは、一端12aである端辺の放射素子11側の端部に連なっており、外縁12dは、当該端辺の放射素子11側と反対側の端部に連なっている。外縁12cと外縁12dとは、放射素子12の他端12bによって隔てられている。
【0055】
同様に、放射素子13の外縁は、(1)一端13aである端辺と、(2)放射素子11に対向する外縁13cと、(3)放射素子11に対向する側と反対側の外縁13dとによって構成されている。外縁13cは、一端13aである端辺の放射素子11側の端部に連なっており、外縁13dは、当該端辺の放射素子11側と反対側の端部に連なっている。外縁13cと外縁13dとは、放射素子13の他端13bによって隔てられている。
【0056】
放射素子12の外縁12cは、他端12bを含む区間において、他端12bに近づくに従って放射素子11から次第に遠ざかる曲線を描く。
【0057】
同様に、放射素子13の外縁13cは、他端13bを含む区間において、他端13bに近づくにしたがって放射素子11から次第に遠ざかる曲線を描く。
【0058】
放射素子12,13がこのように構成されていることによって、LTE用の周波数帯域のうち高周波側の周波数帯域(2000MHz以上2690MHz以下)に生じ得る利得の谷間(図3に示す実施例においては2000MHz以上2150MHz以下に存在する利得の急激な落ち込み)を抑制することができる。
【0059】
(アンテナ10のインピーダンス)
上述したように、放射素子11の一端11aを含む所定の長さを有する区間において首部11dの幅W11は、一定である。すなわち、当該区間における幅W11は、一端11aにおける幅W11と等しい。当該区間の長さは、幅W11よりも長い。
【0060】
この区間において、首部11dと放射素子12との間隔D12、及び、首部11dと放射素子13との間隔D13は、一定である。上述したように放射素子11は、同軸ケーブルの内側導体に接続されており、放射素子12,13は、同軸ケーブルの外側導体に接続されている。したがって、放射素子11と放射素子12,13とは、少なくとも上記所定の長さを有する区間において、コプラナー構造を有する。
【0061】
アンテナ10において、間隔D12及び間隔D13、並びに、間隔D12及び間隔D13が一定である区間の長さを調整することによって、アンテナ10のインピーダンスと、同軸ケーブルの特性インピーダンス(例えば50Ω)とを整合させることができる。したがって、アンテナ10は、給電点においてインピーダンスの不整合に起因する反射を抑制することができる。
【0062】
アンテナ10は、間隔D12及び間隔D13、並びに、所定の長さを有する区間の長さを調整することによってインピーダンスを調整することができる。したがって、アンテナ10は、様々な特性インピーダンスを有する同軸ケーブルに対しても、インピーダンス整合が取れた状態で接続可能である。
【0063】
(首部11dの中心軸11eの傾斜角)
図1に図示した一点鎖線は、首部11dの中心軸11eを示す。頭部11cの首部11d側と反対側の端辺(すなわち放射素子11の他端11b)と、中心軸11eとが直交しないように、放射素子11は、構成されている。したがって、中心軸11eと他端11bとのなす角θは、鋭角となる。なお、本実施形態において、中心軸11eは、一端11aから他端11bに近づくに従って、放射素子12から離れ、放射素子13に近づく方向に傾斜されている。しかし、中心軸11eが傾く方向は、一端11aから他端11bに近づくに従って、放射素子13から離れ、放射素子12に近づく方向であってもよい。
【0064】
中心軸11eと他端11bとが直交しないことによって、互いに直交している場合と比較して、他端11bの長さをより長く取ることができる。したがって、アンテナ10の水平偏波に対する利得を向上させることができる。図7を参照して後述するように、中心軸11eの他端11bの法線に対する傾斜角(90°−θ)は、10°以上30°以下であることが好ましい。
【0065】
また、中心軸11eが他端11bの法線に対して傾いていることによって、特定の方位における水平偏波に対する利得の低下を抑制することができる。
【0066】
なお、本実施形態では、放射素子11を同軸ケーブルの内側導体に接続し、放射素子12,13を同軸ケーブルの外側導体に接続する構成を採用している。しかし、放射素子11を同軸ケーブルの外側導体に接続し、放射素子12,13を同軸ケーブルの内側導体に接続する構成を採用してもよい。
【0067】
(導体板上に配置される場合)
アンテナ10は、自動車のルーフなどに代表される導体板の上に好適に配置することができる。上記導体板の上にアンテナ10を配置する場合、(1)同軸ケーブルの内部導体に接続された放射素子11が上記導体板から絶縁されており、且つ、(2)同軸ケーブルの外部導体に接続された放射素子12,13が上記導体板に短絡されるように配置されることが好ましい。
【0068】
このような場合に、放射素子12の外縁12dは、一端12aを含む区間において、一端12aに近づくに従って放射素子11に次第に近づく曲線を描くことが好ましく、且つ、放射素子13の外縁13dは、一端13aを含む区間において、一端13aに近づくに従って放射素子11に次第に近づく曲線を描くことが好ましい(図1参照)。
【0069】
この構成によれば、放射素子12と上記導体板との間に生じる容量、及び、放射素子13と上記導体板との間に生じる容量の値を適宜設定することが容易にできる。したがって、上記導体板上に配置したことに伴うVSWRの低下を抑制し、幅広い動作帯域におけるVSWRの平坦化を容易にする。
【0070】
なお、アンテナ10は、誘電体基板14を起立固定することができる導体板(又は導体層)を更に備えていてもよい。この場合、放射素子12,13は、何れも上記導体板に短絡されていることが好ましい。また、コネクタの外側導体は、上記導体板と短絡されていることが好ましい。上記導体板の表面であって、コネクタの内側導体に対応する位置には、開口が設けられていることが好ましい。放射素子11は、この開口を介して、コネクタの内部導体に接続されつつ、放射素子12,13及び上記グランド層から絶縁されていることが好ましい。
【0071】
〔第1の実施例〕
図2は、本発明の第1の実施例である図1に示したアンテナ10の実施例の平面図である。図2においては、コネクタ15を省略し図示していない。本実施例のアンテナ10が備えている放射素子11,12,13の各々は、図2に示したように構成されている。本実施例のアンテナ10において、中心軸11eと他端11bとのなす角は、70°である。すなわち、中心軸11eと他端11bの法線とのなす角(以下において中心軸の傾斜角と称する)は、20°である。また、誘電体基板14の比誘電率は、4.4である。
【0072】
本実施例においては、放射素子11の一端11a及び他端11bが水平面に沿うようにアンテナ10を配置して放射特性(利得及びVSWR)を測定した。すなわち、天頂方向に対して、放射素子11の中心軸11eが20°傾くようにアンテナ10を配置して放射特性を測定した。なお、図3に示した利得は、図4に示した水平面(zx平面)内の各方位に帯する利得を平均することによって得たものである。同様に、図3に示したVSWRは、各方位に対するVSWRを測定したうえで、各方位に対するVSWRを平均することによって得たものである。
【0073】
図3は、本実施例のアンテナ10によって得られた利得とVSWRとを示すグラフである。図3に示した利得を参照すれば、本実施例のアンテナ10は、900MHz以上2690MHz以下の幅広い周波数帯域において、−2dBi以下の良好な利得を示すことがわかった。なお、移動体の一例である自動車に搭載するためのLTE用のアンテナが満たすべき条件の1つとして、LTE用の周波数帯域における利得が−6dBi以上を満足することが挙げられる。
【0074】
また、図3に示したVSWRを参照すれば、700MHz以上1250MHz以下の周波数帯域、及び、1500MHz以上2690MHz以下の周波数帯域という幅広い周波数帯域において、本実施例のアンテナ10は、2以下の良好なVSWRを示すことが分かった。すなわち、本実施例のアンテナ10の動作帯域は、700MHz以上1250MHz以下の周波数帯域、及び、1500MHz以上2690MHz以下の周波数帯域である。
【0075】
1250MHzを上回り、1500MHzを下回る周波数帯域において、本実施例のアンテナ10のVSWRは、2を上回る。しかし、この周波数帯域の大部分は、LTE用として運用されていない周波数帯域(不使用帯域と称する)に含まれる。なお、不要帯域は、960MHzを上回り1427MHzを下回る周波数帯域や、1510MHzを上回り1710MHzを下回る周波数帯域など、LTE用の周波数帯域のなかに複数存在する。
【0076】
アンテナ10では、上述したように放射素子12,13の外縁の形状を定めることにより、幅広い周波数帯域を動作帯域にすることができた。また、VSWRが2を上回る周波数帯域がわずかに生じる場合であっても、その周波数帯域の大部分を不使用帯域と重畳させることができた。したがって、VSWRが2を上回る周波数帯域は、アンテナ10をLTE用のアンテナとして用いる場合に問題とならない。このように、アンテナ10は、LTE用のアンテナとして好適に用いることができる。
【0077】
図4の(a)は、本実施例のアンテナ10によって得られた利得の方位依存性を示すグラフである。図4の(a)においては、(1)天頂方向をy軸と規定し、(2)放射素子11,12,13の法線に平行な方向であって、誘電体基板14の表面(放射素子11,12,13が形成されている側の表面)から誘電体基板14の裏面へ向かう方向をx軸正方向と規定し、(3)x軸及びy軸に対して直交する方向であって、放射素子13から放射素子12へ向かう方向をz軸正方向と規定と規定した。また、測定に用いた電磁波の周波数は、960MHzである。
【0078】
図4の(a)において、Eθは、水平偏波に対する利得を示し、Eφは、垂直偏波に対する利得を示し、Etotalは、全偏波に対する利得を示す。
【0079】
図4の(a)を参照すれば、アンテナ10は、水平偏波に対する利得よりも垂直偏波に対する利得のほうが高いことが分かる。これは、放射素子11の中心軸11eが20°の傾斜角を有するものの、放射素子11,12,13の各々の長手方向が天頂方向に沿うように配置されているためである。
【0080】
また、図4の(a)を参照すれば、水平偏波に対する利得は、垂直偏波に対する利得より小さいものの−10dB程度に達していることが分かる。これは、中心軸11eと他端11bとが直交している場合と比較して、他端11bの長さをより長く確保することができていることに起因する。このように、中心軸11eと他端11bとが直交していない構成によれば、水平偏波に対する利得を高めることができる。
【0081】
中心軸11eと他端11bとが直交している構成については、第2の実施例において後述する(図4の(b)参照)。
【0082】
〔第2の実施形態〕
本発明の題意の実施形態に係るアンテナについて、図5を参照して説明する。図5の(a)は、本実施形態に係るアンテナ50の平面図である。図5の(b)は、アンテナ50の断面図であって、図5の(a)に示したAA線に沿った断面を示す。
【0083】
図5に示すように、アンテナ50は、放射素子51と、放射素子52と、放射素子53と、誘電体基板54と、コネクタ55とを備えている。
【0084】
アンテナ50は、図1に示したアンテナ10と比較して、放射素子51の中心軸51eと、放射素子51の他端51bとが直交している点が異なる。中心軸51eと他端51bとの成す角θがθ=90°(中心軸51eの傾斜角が0°)であることを除いて、アンテナ50は、アンテナ10と同様に構成されている。
【0085】
なお、(1)アンテナ50が備えている放射素子51〜53の各々は、アンテナ10が備えている放射素子11〜13に対応し、(2)アンテナ50が備えている誘電体基板54は、アンテナ10が備えている誘電体基板14に対応し、(3)アンテナ50が備えているコネクタ55は、アンテナ10が備えているコネクタ15に対応する。
【0086】
〔第2の実施例〕
図6は、本発明の第2の実施例である図5に示したアンテナ50の実施例の平面図である。図6においては、コネクタ55を省略し、図示していない。本実施例のアンテナ50が備えている放射素子51,52,53の各々は、図6に示したように構成されている。本実施例のアンテナ50において、中心軸51eと他端51bとは直行している。すなわち、中心軸51eの傾斜角は、0°である。なお、誘電体基板54の比誘電率は、誘電体基板14の比誘電率と同様に、4.4である。
【0087】
本実施例においては、第1の実施例のアンテナ10と同様の方法を用いて利得を測定した。すなわち、放射素子51の中心軸51eの方向が天頂方向と平行になるようにアンテナ50を配置して利得を測定した。
【0088】
〔中心軸の傾斜角依存性〕
図4の(b)は、本実施例のアンテナ50によって得られた利得の方位依存性を示すグラフである。アンテナ50の利得は、アンテナ10の利得を測定した場合と同様の方法を用いて測定した。
【0089】
図4の(b)において、Eθは、水平偏波に対する利得を示し、Eφは、垂直偏波に対する利得を示し、Etotalは、全偏波に対する利得を示す。
【0090】
図4の(b)を参照すれば、アンテナ50は、アンテナ10と比較して、水平偏波に対する利得が著しく低下していることが分かる。これは、中心軸51eと他端51bとが直交していため、各々が直行していないアンテナ10と比較して、他端51bの長さが短くなることに起因する。
【0091】
逆に言えば、アンテナ10は、中心軸11eが傾斜していることに起因して他端11bの長さをより長く確保することができるため、水平偏波に対する利得を高めることができた。
【0092】
図7は、第1の実施例のアンテナ10、第2の実施例のアンテナ50、及び、アンテナ10の変形例の各々によって得られた利得を示すグラフである。アンテナ10の変形例は、図2に示したアンテナ10において、中心軸11eと他端11bとの成す角θをθ=80°、すなわち中心軸11eの傾斜角を10°とすることによって得られる。なお、図7に示した利得は、水平面(zx平面)内の各方位に対する利得を測定したうえで、各方位に対する利得を平均することによって得たものである。
【0093】
図7に示した利得は、図3に示した利得と異なる測定系を用いて測定した。そのため、図7に示したアンテナ10の利得は、図3に示したアンテナ10の利得と比較して低下している。とはいえ、図7に示したアンテナ10、アンテナ50、及び、アンテナ10の変形例の各々は、同一条件にて測定している。なお、図7を参照すれば、アンテナ10、アンテナ50、及び、アンテナ10の変形例の各々の利得は、LTE用の周波数帯域において何れも−6dBi以上の条件を満たしている。したがって、これらのアンテナは、何れも、自動車に対して好適に搭載可能なアンテナである。
【0094】
図7において、VgainAVG0°,VgainAVG10°,VgainAVG20°の各プロットは、それぞれ、第2の実施例のアンテナ50、第1の実施例のアンテナ10、及びアンテナ10の変形例の各々の垂直偏波に対する利得を示す。HgainAVG0°,HgainAVG10°,HgainAVG20°の各プロットは、それぞれ、第2の実施例のアンテナ50、第1の実施例のアンテナ10、及びアンテナ10の変形例の各々の水平偏波に対する利得を示す。EtotalGainAVG0°,EtotalGainAVG10°,EtotalGainAVG20°の各プロットは、それぞれ、第2の実施例のアンテナ50、第1の実施例のアンテナ10、及びアンテナ10の変形例の各々の全偏波に対する利得を示す。
【0095】
図7に示した水平偏波に対する利得を参照すれば、中心軸51eの傾斜角が0°であるアンテナ50の利得は、中心軸11eの傾斜角が20°であるアンテナ10及び中心軸11eの傾斜角が10°であるアンテナ10の変形例に比べて、著しく低いことが分かった。換言すれば、放射素子11の中心軸11eを0°から10°及び20°と傾けることによって水平受信面が拡大して水平利得が改善できる。しかし、主偏波は垂直偏波である事から必要以上に傾けると垂直偏波に対する利得が低下する。本発明の一実施形態に係るアンテナにおいて、垂直偏波に対する利得が有意に低下するのは、傾斜角が30°を上回る場合である。
【0096】
以上のことから、水平偏波に対する利得を高めるために、中心軸11eの傾斜角は、0°より大きく30°以下であることが好ましく、10°以上30°以下であることがより好ましい。
【0097】
〔第3の実施形態〕
本発明の第3の実施形態に係るアンテナについて、図8図9を参照して説明する。図8は、本実施形態に係るアンテナ60の三面図である。より具体的には、図8の左上の図は、アンテナ60の平面図であり、図8の右上の図は、アンテナ60の右側面図であり、図8の左下の図は、アンテナ60の正面図である。図9は、アンテナ60の平面図を拡大した拡大平面図である。なお、図9では、アンテナ60が備えている第1〜第3の放射素子61〜63、誘電体基板64、及び、同軸ケーブル69の図示を省略している。
【0098】
図8に示すように、アンテナ60は、第1の放射素子である放射素子61と、第2の放射素子である放射素子62と、第3の放射素子である放射素子63と、誘電体基板64と、地板65と、誘電体基板66と、U字型導体パターン67と、誘電体基板68と、同軸ケーブル69とを備えている。
【0099】
(放射素子61,62,63)
放射素子61〜63の各々は、それぞれ、図1に図示したアンテナ10が備えている放射素子11〜13に対応する。したがって、放射素子61〜63の各々は、金属(例えば銅)製の導体箔により構成されており、誘電体基板64の一方の表面に形成されている。放射素子62及び放射素子63は、放射素子61を挟み込むように配置されている。
【0100】
放射素子61は、低周波側の周波数帯域を動作帯域とする放射素子である。放射素子61の電気長は、第1の共振点である698MHzの電磁波に対応するように定められている。放射素子16の電気長は、放射素子16の一端61aと他端61bとの距離に対応する。本実施形態において放射素子16の形状は、長方形である(図8の右側面図)。したがって、放射素子16の電気長は、放射素子16の長辺の長さと等しい。
【0101】
放射素子62,63の各々は、高周波側の周波数帯域を動作帯域とする放射素子である。
【0102】
放射素子63は、第2の共振点である1420MHzを含む1420MHz以上1900MHz未満の周波数帯域の電磁波に対応するように設計されている。具体的には、放射素子63は、放射素子本体63eとサブ放射素子63fとによって構成されている。放射素子本体63eは、放射素子63の一端63aを含む。サブ放射素子63fは、放射素子本体63eの端部であって一端63aと逆側の端部から、放射素子63の他端63bに向かって延伸されている。
【0103】
このように構成された放射素子63において、外縁63dの電気長(外縁63dに沿って一端63aから他端63bまで測った場合の長さに対応する電気長)は、1420MHzの電磁波に対応するように定められている。一方、外縁63cの電気長(外縁63cに沿って一端63aから放射素子本体63eの端部まで測った場合の長さに対応する電気長)は、1800MHzの電磁波に対応するように定められている。なお、本実施形態においては、外縁63cの電気長及び外縁63dの電気長のうち短い方、すなわち、外縁63cの電気長を放射素子63の電気長とする。
【0104】
放射素子62は、第3の共振点である2000MHzを含む1900MHz以上2700MHz以下の周波数帯域の電磁波に対応するように設計されている。具体的には、外縁62c及び外縁62dの電気長は、2000MHzの電磁波に対応するように定められている。外縁63cの電気長及び外縁63dの電気長が異なる場合には、外縁63cの電気長及び外縁63dのうち長い方を放射素子62の電気長とする。
【0105】
以上のように、アンテナ60において、放射素子62の電気長、及び、放射素子63の電気長は、放射素子61の電気長よりも短い。また、放射素子63の電気長は、放射素子62の電気長よりも短い。
【0106】
また、アンテナ10が備えている放射素子12,13と比較した場合、放射素子62,63は、それぞれの電気長が明確に異なるように設計されている。この構成によれば、LTE用の周波数帯域をより細分化するように放射素子62,63の電気長が定められている。したがって、アンテナ60は、LTE用の周波数帯域におけるVSWRをよりフラット化することができる。
【0107】
放射素子62,63は、放射素子61を挟み込むように配置されている。したがって、アンテナ60は、従来のアンテナと同程度にコンパクトである。
【0108】
また、この構成によれば、放射素子61と放射素子62との間に生じる容量の値、及び、放射素子61と放射素子63との間に生じる容量の値を容易に制御できる。したがって、アンテナ60は、アンテナ10と同様に、所望の周波数帯域のうち特定の帯域においてVSWRが増大すること防止することができる。したがって、アンテナ60は、所望の周波数帯域であるLTE用の周波数帯域の大部分を動作帯域にすることができる。なお、本明細書においては、VSWRが2以下となる周波数帯域をそのアンテナの動作帯域と定める。
【0109】
以上のように、アンテナ60は、サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供することができる。
【0110】
なお、アンテナ10において、同軸ケーブルは、コネクタ15を介して第1〜第3の放射素子11〜13に接続されていた。それに対して、アンテナ60において、同軸ケーブル69は、コネクタを介さずに第1の放射素子61,第3の放射素子63に接続されている。具体的には、同軸ケーブル69の内側導体は、第1の放射素子61の一端61aに接続(本実施形態では半田付け)されており、同軸ケーブル69の外側導体は、第3の放射素子63の一端63aに接続(本実施形態では半田付け)されている。しかし、アンテナ60は、アンテナ10と同様に同軸ケーブルと放射素子61,63とを接続するコネクタを備えていてもよい。
【0111】
(地板65)
アンテナ60は、地板65を更に備えている(図8及び図9参照)。地板65は、金属(例えば銅)製の導体箔により構成されており、誘電体基板66の一方の表面に形成されている。地板65及び誘電体基板66は、第1〜第3の放射素子61〜63及び誘電体基板64と交わるように(本実施形態においては直交するように)配置されている。換言すれば、第1〜第3の放射素子61〜63及び誘電体基板64は、地板65及び誘電体基板66の表面に起立するように固定されている。
【0112】
図9に示すように、地板65は、第1の根本部である根本部65d、第2の根本部である根本部65a、第3の根本部である根本部65b、C字型導体パターン65c、第1のU字型導体パターンであるU字型導体パターン65e、及び、第1〜第3の矩形導体パターンである矩形導体パターン65f〜65hにより構成されている。
【0113】
根本部65dは、放射素子61の一端61aに対して接続(本実施形態においては半田付け)されている。根本部65aは、放射素子62の一端62aに対して接続(本実施形態においては半田付け)されている。根本部65bは、放射素子63の一端63aに対して接続(本実施形態においては半田付け)されている。
【0114】
U字型導体パターン65eは、U字型に折り曲げられた帯状導体によって構成されている。U字型導体パターン65eの一方の端部である端部65e1は、根本部65dに連なっており、U字型導体パターン65eの他方の端部である端部65e2は、根本部65aに連なっている。したがって、放射素子61の一端61aと放射素子62の一端62aとは、第1の短絡部を構成する根本部65d、根本部65a、及びU字型導体パターン65eを介して短絡されている。
【0115】
C字型導体パターン65cは、C字型に折り曲げられた帯状導体によって構成されている。C字型導体パターン65cの一方の端部は、根本部65aに連なっており、C字型導体パターン65cの他方の端部は、根本部65bに連なっている。すあわち、C字型導体パターン65cは、根本部65aと根本部65bとを導通させる導体パターンである。したがって、放射素子62の一端62aと、放射素子63の一端63aとは、根本部65a、根本部65b、及びC字型導体パターン65cを介して短絡されている。
【0116】
矩形導体パターン65fは、図9に示したC字型導体パターン65cの左上の端部に連なる長方形の導体パターンであって、根本部65dから遠ざかる方向に延設されている。
【0117】
矩形導体パターン65gは、図9に示したC字型導体パターン65cの左上の端部に連なる長方形の導体パターンであって、矩形導体パターン65fに直交方向に延設されている。矩形導体パターン65gとU字型導体パターン65eとの間隔は、10mm以上であることが好ましい。この構成によれば、U字型導体パターン65eから放射される電磁波の利得を高めることができる。
【0118】
矩形導体パターン65hは、図9に示したC字型導体パターン65cの右下の端部に連なる長方形の導体パターンであって、根本部65dから遠ざかる方向に延設されている。
【0119】
(第2の短絡部)
図9に示したU字型導体パターン67は、第2のU字型導体パターンである。U字型導体パターン67は、金属(例えば銅)製の導体箔により構成されており、誘電体基板68の一方の表面に形成されている。U字型導体パターン67及び誘電体基板68は、誘電体基板64と交わるように(本実施形態においては直交するように)、且つ、誘電体基板66と交わるように(本実施形態においては直交するように)配置されている。換言すれば、U字型導体パターン67及び誘電体基板68は、地板65及び誘電体基板66の表面に起立するように、且つ、放射素子61〜63が形成されている誘電体基板64の一方の表面に直交するように固定されている。
【0120】
U字型導体パターン67は、U字型に折り曲げられた帯状導体によって構成されている。U字型導体パターン67の一方の端部である端部671は、根本部65dに接続(本実施形態においては半田付け)されており、U字型導体パターン67の他方の端部である端部672は、C字型導体パターン65cに接続(本実施形態においては半田付け)されている。したがって、(1)放射素子61の一端61aと放射素子62の一端62aとは、根本部65d、根本部65a、及びC字型導体パターン65cを介して短絡されており、(2)放射素子61の一端61aと放射素子63の一端63aとは、根本部65d、根本部65b、及びC字型導体パターン65cを介して短絡されている。本実施形態において、根本部65d、根本部65a、根本部65b、及びC字型導体パターン65cは、第2の短絡部を構成する。
【0121】
なお、本発明の発明者らは、第2の短絡部を構成するU字型導体パターンが誘電体基板64に沿い、且つ、誘電体基板66と交わるように配置されている場合、アンテナの利得及びVSWRの周波数依存性が悪化することを確認した。
【0122】
(アンテナ60の効果)
上述のように、アンテナ60は、第1の短絡部及び第2の短絡部を備えており、これらの第1の短絡部及び第2の短絡部の各々は、放射素子として機能する。この構成によれば、アンテナ60は、アンテナ10と比較して、698MHz以上900MHz以下の周波数帯域における利得を向上させることができる。
【0123】
また、第1の短絡部は、その一部が完全には閉じていないものの環状構造を有する。したがって、第1の短絡部は、放射素子61の中心軸に交わる方向の偏波に対する利得を向上させることができる。すなわち、アンテナ60は、第1の短絡部を備えていることによって、首部の中心軸に沿った方向の偏波に対する利得を損なうことなく、首部の中心軸に交わる方向の偏波に対する利得を向上させることができる。
【0124】
アンテナ60において、放射素子62の外縁62dは、放射素子62の一端62aを含む区間において、一端62aに近づくに従って放射素子61に次第に近づく曲線を描き、放射素子63の外縁63dは、放射素子63の一端63aを含む区間において、一端63aに近づくに従って放射素子61に次第に近づく曲線を描く、ことが好ましい。
【0125】
また、アンテナ60において、放射素子61の一端61aを含む区間であって、放射素子61の幅よりも長い区間において、放射素子61と放射素子62との間隔、及び、放射素子61と放射素子63との間隔は、一定であり、当該間隔は、アンテナ60のインピーダンスが同軸ケーブル69の特性インピーダンスと整合するように定められている、ことが好ましい。
【0126】
これらの構成によれば、アンテナ60は、アンテナ10と同様の効果を奏する。
【0127】
(アンテナ60のインピーダンス)
アンテナ60は、図1に示したアンテナ10の場合と同様に、放射素子61と放射素子62との間隔、及び、放射素子61と放射素子63との間隔、並びに、所定の長さを有する区間の長さを調整することによってインピーダンスを調整することができる。アンテナ60は、上記のインピーダンス調整に加えて、以下の方法を用いてインピーダンス調整を実施することができる。
【0128】
図9に示すように、根本部65dは、矩形導体パターン65d1及び矩形導体パターン65d2により構成されている。矩形導体パターン65d2のサイズ及び根本部65aのサイズを変化させることによって、(1)根本部65dと根本部65aとの間隔、及び、(2)互いに対向する部分の長さを変化させることができる。また、矩形導体パターン65d1のサイズ及び根本部65bのサイズを変化させることによって、(1)根本部65dと根本部65bとの間隔、及び、(2)互いに対向する部分の長さを変化させることができる。
【0129】
換言すれば、アンテナ60は、矩形導体パターン65d2のサイズ及び根本部65aのサイズを調整すること、及び、矩形導体パターン65d1のサイズ及び根本部65bのサイズを調整することによって、アンテナ60のインピーダンスが所望の値になるように調整することができる。したがって、アンテナ60は、自身のインピーダンスと、同軸ケーブル69の特性インピーダンス(例えば50Ω)とを容易に整合させることができる。したがって、アンテナ60は、給電点においてインピーダンスの不整合に起因する反射を容易に抑制することができる。
【0130】
(第3の実施例)
本発明の第3の実施例について図10図11を参照して説明する。本実施例は、図8図9に示したアンテナ60の実施例である。図10は、本実施例のアンテナ60が備えている放射素子61,62,63、地板65、及び、U字型導体パターン67の平面図である。図11は、本実施例のアンテナ60の利得及びVSWRの周波数依存性を示すグラフである。
【0131】
本実施例のアンテナ60が備えている放射素子61,62,63、地板65、及び、U字型導体パターン67の各々は、図10に示したように構成されている。なお、誘電体基板64,66,68の比誘電率は、誘電体基板14の比誘電率と同様にいずれも4.4である。
【0132】
本実施例においては、第1の実施例のアンテナ10と同様の方法を用いて利得を測定した。すなわち、放射素子61の中心軸の方向が天頂方向と平行になるようにアンテナ60を配置して利得を測定した。
【0133】
図11に示した利得を参照すれば、図3に示したアンテナ10の利得と比較して、アンテナ60は、698MHz以上900MHz以下の周波数帯域における利得を−2dBi以上に向上させることができることが分かった。
【0134】
〔第1の参考例〕
本発明の第1の参考例について図12図13を参照して説明する。図12は、本参考例のアンテナ60Aの斜視図である。図13は、本参考例のアンテナ60Aの利得及びVSWRの周波数依存性を示すグラフである。
【0135】
本参考例のアンテナ60Aは、図8図9に示したアンテナ60が備えているU字型導体パターン67及び誘電体基板68を省略することによって得られる(図12参照)。すなわち、アンテナ60Aは、第1の短絡部のみを備えており、第2の短絡部を備えていない。この点を除いて、本参考例のアンテナ60Aは、第3の実施例であるアンテナ60と同様に構成されている。
【0136】
図13に示した利得を参照すれば、図3に示したアンテナ10の利得と比較して、アンテナ60Aは、698MHz以上900MHz以下の周波数帯域における利得をわずかに向上させることができるが、その向上の度合いは、第3の実施例のアンテナ60ほどではないことが分かった。
【0137】
とはいえ、アンテナ60Aの構成を採用した場合であっても、サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供可能であることが分かった。
【0138】
〔第2の参考例〕
本発明の第2の参考例について、図14を参照して説明する。図14は、本参考例のアンテナ60Bの斜視図である。
【0139】
本参考例のアンテナ60Bは、図8図9に示したアンテナ60が備えている地板65を地板165に変更することによって得られる。地板165は、地板65の構成からU字型導体パターン65eを省略することによって得られる(図14参照)。すなわち、アンテナ60Bは、第2の短絡部のみを備えており、第1の短絡部を備えていない。この点を除いて、本参考例のアンテナ60Bは、第3の実施例であるアンテナ60と同様に構成されている。
【0140】
アンテナ60Bの利得を測定した。その結果、図3に示したアンテナ10の利得と比較して、アンテナ60Bは、698MHz以上900MHz以下の周波数帯域における利得をわずかに向上させることができるが、その向上の度合いは、第3の実施例のアンテナ60ほどではないことが分かった。
【0141】
とはいえ、アンテナ60Aの構成を採用した場合であっても、サイズがコンパクトで、且つ、動作帯域が従来のアンテナより広いアンテナを提供可能であることが分かった。
【0142】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0143】
10 アンテナ
11,12,13 放射素子(第1〜第3の放射素子)
11a,12a,13a 一端
11b,12b,13b 他端
11c 頭部
11d 首部
11e 中心軸
12c,13c 外縁(第1の放射素子に対向する外縁)
12d,13d 外縁(第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁)
14 誘電体基板
15 コネクタ
60,60A,60B アンテナ
61〜63 放射素子(第1〜第3の放射素子)
61a,62a,63a 一端
61b,62b,63b 他端
62c,63c 外縁(第1の放射素子に対向する外縁)
62d,63d 外縁(第1の放射素子に対向する側と反対側の外縁)
63e 放射素子本体
63f サブ放射素子
64 誘電体基板(第1の誘電体基板)
65,165 地板
65a 根本部(第2の根本部、第1の短絡部の一部)
65b 根本部(第3の根本部)
65c C字型導体パターン(第1の短絡部の一部)
65d 根本部(第1の根本部、第1,第2の短絡部の一部)
65e U字型導体パターン(第1のU字型導体パターン、第1の短絡部の一部)
65e1,65e2 端部
65f〜65h 第1〜第3の矩形導体パターン
66 誘電体基板(第2の誘電体基板)
67 U字型導体パターン(第2のU字型導体パターン、第2の短絡部の一部)
671,672 端部
68 誘電体基板(第3の誘電体基板)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14