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特開2017-229226蓄電制御システム、蓄電制御方法及び蓄電制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-229226(P2017-229226A)
(43)【公開日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】蓄電制御システム、蓄電制御方法及び蓄電制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20171201BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20171201BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20171201BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20171201BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   H02J7/00 302C
   H02J7/02 F
   H02J7/35 K
   H01M10/48 P
   H01M10/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-48006(P2017-48006)
(22)【出願日】2017年3月14日
(31)【優先権主張番号】特願2016-121158(P2016-121158)
(32)【優先日】2016年6月17日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信
(74)【代理人】
【識別番号】100096873
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 廣泰
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】吉田 光志
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA04
5G503BB01
5G503DB03
5G503EA08
5G503GB03
5G503GB06
5H030AS03
5H030BB01
5H030BB07
5H030BB21
5H030FF41
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】蓄電制御システムに備えられた複数の蓄電池における劣化の偏りを抑制する。
【解決手段】電力を蓄積する複数の蓄電池と、前記蓄電池のそれぞれと接続し、前記蓄電池と接続する負荷の消費電力に基づき、当該蓄電池による放電を開始させて前記負荷へ出力させる複数の出力制御装置と、前記蓄電池の放電が開始されてから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得し、前記放電を開始したことで各蓄電池の充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池の放電を停止させる停止指令を前記出力制御装置へ通知して放電を停止させる停止制御装置とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力を蓄積する複数の蓄電池と、
前記蓄電池のそれぞれと接続し、前記蓄電池と接続する負荷の消費電力に基づき、当該蓄電池による放電を開始させて前記負荷へ出力させる複数の出力制御装置と、
前記蓄電池の放電が開始されてから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得し、前記放電を開始したことで各蓄電池の前記充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池の放電を停止させる停止指令を前記出力制御装置へ通知して放電を停止させる停止制御装置と
を備える蓄電制御システム。
【請求項2】
前記負荷の消費電力が、放電中の前記蓄電池の放電電力を超えた場合に、前記停止制御装置が、停止中の前記蓄電池のうち、前記停止指令によって停止された前記蓄電池の停止を解除する解除指令を当該蓄電池と接続している前記出力制御装置へ通知することで、当該蓄電池の放電を開始させる請求項1に記載の蓄電制御システム。
【請求項3】
N台の前記蓄電池が放電中であり、前記負荷の消費電力が、N−1台の前記蓄電池の放電電力以下であった場合、前記停止制御装置が、放電中の前記蓄電池のうち、前記充放電回数の最も多い前記蓄電池と接続している前記出力制御装置に前記停止指令を通知して、当該蓄電池の放電を停止させる請求項1又は2に記載の蓄電制御システム。
【請求項4】
前記蓄電池が放電中であって、他に放電可能な蓄電池が存在する場合に、放電中の前記蓄電池の放電量が、閾値を越えた場合に、当該蓄電池の放電を停止させる前記停止指令を前記出力制御装置へ通知して放電を停止させる請求項1から3の何れか1項に記載の蓄電制御システム。
【請求項5】
複数の蓄電池のそれぞれと接続する複数の出力制御装置が、前記蓄電池と接続する負荷の消費電力に基づき、当該蓄電池による放電を開始させて前記負荷へ出力させるステップと、
停止制御装置が、前記蓄電池の放電が開始されてから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得し、前記放電を開始したことで各蓄電池の前記充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池の放電を停止させる停止指令を前記出力制御装置へ通知して放電を停止させるステップと
を含む蓄電制御方法。
【請求項6】
複数の蓄電池のそれぞれと接続する複数の出力制御装置を介して前記蓄電池の放電を停止させる停止制御装置に実行される蓄電制御プログラムであって、
前記蓄電池の放電が開始されてから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得するステップと、
前記放電を開始したことで各蓄電池の前記充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池の放電を停止させか否かを判定するステップと、
前記蓄電池の放電を停止させると判定した場合に、当該蓄電池と接続された前記出力制御装置へ停止指令を通知して放電を停止させるステップと
を含む蓄電制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電制御システム、蓄電制御方法及び蓄電制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、太陽光発電装置によって発電した電力を蓄電して、グリーン電力の利用を拡大するためや、夜間に蓄電した電力を電力需要が逼迫する昼間に使用してピークシフトを行うため等に蓄電システムが利用されるようになってきている。このとき蓄電する電力容量を1台の蓄電池で確保できない場合には、複数台の蓄電池が接続されて構成される蓄電システムが使用される。
【0003】
また、複数台の蓄電地を備えた蓄電システムにおいて、蓄電池の寿命および出力を規定する少なくとも2つのパラメータに応じて充電または放電する順位が予め設定されたテーブルを備え、前記テーブルを参照して、複数の蓄電池のうちの、充電または放電を行う蓄電池を決定する装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−179729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数台の蓄電地を備えた蓄電池システムにおいて、各蓄電池を無作為に利用すると、各蓄電池の利用頻度、即ち充放電回数が偏って、一部の蓄電池が早期に寿命に達してしまうことがある。一部の蓄電池が寿命に達すると、蓄電池システム全体としても所定の性能を満たさなくなるので、システムの寿命が短くなってしまう、或は寿命に達した蓄電池の交換が必要になり、余計なメンテナンスコストがかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、蓄電池システムに備えられた複数の蓄電池における劣化の偏りを抑制するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の蓄電制御システムは、
電力を蓄積する複数の蓄電池と、
前記蓄電池のそれぞれと接続し、前記蓄電池と接続する負荷の消費電力に基づき、当該蓄電池による放電を開始させて前記負荷へ出力させる複数の出力制御装置と、
前記蓄電池の放電が開始されてから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得し、前記放電を開始したことで各蓄電池の充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池の放電を停止させる停止指令を前記出力制御装置へ通知して放電を停止させる停止制御装置とを備える。
【0008】
これにより複数の蓄電池の充放電回数を平均化し、劣化のバラつきを抑え、メンテナンスの手間を削減できる。
【0009】
前記蓄電制御システムは、前記負荷の消費電力が、放電中の蓄電池の放電電力を超えた場合に、前記停止制御装置が、停止中の前記蓄電池のうち、前記停止指令によって停止された前記蓄電池の停止を解除する解除指令を当該蓄電池と接続している前記出力制御装置
へ通知することで、当該蓄電池の放電を開始させてもよい。
【0010】
これにより、消費電力に応じて、放電させる蓄電池を増加させる際にも、充放電回数に基づいて放電させる蓄電池を決定させ、消費電力に対応して電力を供給を可能としつつ、各蓄電池の劣化のバラつきを抑えることができる。
【0011】
前記蓄電制御システムは、N台の前記蓄電池が放電中であり、前記負荷の消費電力が、N−1台の前記蓄電池の放電電力以下であった場合、前記停止制御装置が、放電中の前記蓄電池のうち、前記充放電回数の最も多い前記蓄電池と接続している前記出力制御装置に前記停止指令を通知して、当該蓄電池の放電を停止させてもよい。
【0012】
これにより、消費電力に応じて、放電させる蓄電池を減少させる際にも、充放電回数に基づいて放電を停止させる蓄電池を決定させ、消費電力に対応して電力を供給を可能としつつ、各蓄電池の劣化のバラつきを抑えることができる。
【0013】
前記蓄電制御システムは、前記蓄電池が放電中であって、他に放電可能な蓄電池が存在する場合に、放電中の前記蓄電池の放電量が、閾値を越えた場合に、当該蓄電池の放電を停止させる停止指令を前記出力制御装置へ通知して放電を停止させてもよい。
【0014】
これにより、特定の蓄電池だけが、放電を続けて劣化が進んでしまうことが防止され、各蓄電池の劣化のバラつきを抑えることができる。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の蓄電制御方法は、
複数の蓄電池のそれぞれと接続する複数の出力制御装置が、前記蓄電池と接続する負荷の消費電力に基づき、当該蓄電池による放電を開始させて前記負荷へ出力させるステップと、
停止制御装置が、前記蓄電池の放電が開始されてから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得し、前記放電を開始したことで各蓄電池の充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池の放電を停止させる停止指令を前記出力制御装置へ通知して放電を停止させるステップとを含む。
【0016】
上記課題を解決するため、本発明の蓄電制御システムは、
電力を蓄積する蓄電池と、前記蓄電池の充放電を制御する複数のパワーコンディショナと、からなる複数の蓄電池システムと、
前記複数の蓄電池システムのそれぞれのパワーコンディショナに蓄電池の充放電に関して指令を出す制御装置を備え、
前記制御装置は、
前記蓄電池と接続する負荷の消費電力に基づき、放電を許可する少なくとも一つの蓄電池を決定し、当該蓄電池を制御する前記パワーコンディショナに放電を許可する放電許可指令を出す出力制御部と、
前記蓄電池が放電を開始してから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得し、前記放電を開始することで各蓄電池の充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に当該蓄電池を制御するパワーコンディショナに当該蓄電池の放電を停止させる放電停止指令を出す停止制御部と、
を備える蓄電制御システム。
【0017】
これにより複数の蓄電池の充放電回数を平均化し、劣化のバラつきを抑え、メンテナンスの手間を削減できる。
【0018】
前記蓄電制御システムは、前記負荷の消費電力が、放電中の蓄電池の放電電力を超えた場合、前記出力制御部が、停止中の前記蓄電池のうち、前記充放電回数に基づいて前記停止制御部によって停止された前記蓄電池の停止を解除し、当該蓄電池を制御するパワーコンディショナに前記出力制御部が放電許可指令を出してもよい。
【0019】
これにより、消費電力に応じて、放電させる蓄電池を増加させる際にも、充放電回数に基づいて放電させる蓄電池を決定させ、消費電力に対応して電力を供給を可能としつつ、各蓄電池の劣化のバラつきを抑えることができる。
【0020】
前記蓄電制御システムは、N台の前記蓄電池が放電中であり、前記負荷の消費電力が、N−1台の前記蓄電池の放電電力以下であった場合、前記停止制御部が、放電中の前記蓄電池のうち、前記充放電回数の最も多い前記蓄電池を制御するパワーコンディショナに放電停止指令を出してもよい。
【0021】
これにより、消費電力に応じて、放電させる蓄電池を減少させる際にも、充放電回数に基づいて放電を停止させる蓄電池を決定させ、消費電力に対応して電力を供給を可能としつつ、各蓄電池の劣化のバラつきを抑えることができる。
【0022】
上記課題を解決するため、本発明の蓄電制御方法は、
電力を蓄積する蓄電池と、前記蓄電池の充放電を制御する複数のパワーコンディショナと、からなる複数の蓄電池システムのそれぞれのパワーコンディショナに蓄電池の充放電に関して指令を出す制御装置が、
前記蓄電池と接続する負荷の消費電力に基づき、放電を許可する少なくとも一つの蓄電池を決定し、当該蓄電池を制御する前記パワーコンディショナに当該蓄電池の放電を許可する放電許可指令を出すステップと、
前記蓄電池による放電電力を前記負荷へ出力させるステップと、
前記蓄電池が放電を開始してから、放電を完了し、所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数とし、前記複数の蓄電池について前記充放電回数を取得し、前記放電を開始することで各蓄電池の充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に当該蓄電池を制御するパワーコンディショナに放電を停止させる放電停止指令を出すステップと
を実行する蓄電制御方法。
【0023】
前記蓄電制御方法は、前記負荷の消費電力が、放電中の蓄電池の放電電力を超えた場合、停止中の前記蓄電池のうち、前記充放電回数に基づいて前記制御装置によって停止された前記蓄電池の停止を解除し、当該蓄電池を制御するパワーコンディショナに放電許可指令を出してもよい。
【0024】
前記蓄電制御方法は、N台の前記蓄電池が放電中であり、前記負荷の消費電力が、N−1台の前記蓄電池の放電電力以下であった場合、放電中の前記蓄電池のうち、前記充放電回数の最も多い前記蓄電池を制御するパワーコンディショナに放電停止指令を出してもよい。
【0025】
上記課題を解決するための本発明は、前記蓄電制御方法の各ステップをコンピュータに実行させるための蓄電制御プログラムであっても良い。
【0026】
なお、上記した課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することが可能である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、蓄電制御システムに備えられた複数の蓄電池における劣化の偏りを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】電力制御システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図2】制御装置及びパワーコンディショナの機能ブロックを示す図である。
図3】制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図4】パワーコンディショナのハードウェア構成を示す図である。
図5】制御装置によって実行される蓄電制御方法の説明図である。
図6】パワーコンディショナによって実行される蓄電制御方法の説明図である。
図7】実施形態2に係る制御装置によって実行される蓄電制御方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
〈実施形態1〉
《システム構成》
図1は、本技術を適用した電力制御システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。図1に示す電力制御システムは、蓄電制御システム10及び太陽光発電システム50を含むハイブリッドシステムである。蓄電制御システム10及び太陽光発電システム50は、ブレーカ(MB)72を介して電力系統71及び負荷73と接続されている。
【0030】
太陽光発電システム50は、太陽光発電モジュール5及びパワーコンディショナ(PCS)6を備え、太陽光発電モジュール5で発電された電力をパワーコンディショナ6で交流電力に変換する。太陽光発電システム50からの交流電力は、負荷73による消費や、電力系統71への逆潮流、蓄電制御システム10による蓄電に利用される。なお、電力制御システムは、太陽光発電システム50に代えて、或は限らず、風力や水力等の自然エネルギーを用いた発電システムや、燃料を用いた自家発電システム等を備えても良い。また、太陽光発電システム50は、省略されてもよい。
【0031】
蓄電制御システム10は、複数の蓄電池システムと、制御装置1とを備え、一方の蓄電池システムが、蓄電池2Aと、DC/DCコンバータ3Aとを備え、他方の蓄電池システムが、蓄電池2Bと、DC/DCコンバータ3Bとを備えている。
【0032】
蓄電池2A,2Bは、電力系統71又は太陽光発電システム50から供給される電力を蓄積することにより、充電される。また、蓄電池2A,2Bは、蓄積した電力を放電することにより、負荷73へ電力を供給する。なお、蓄電池2A,2Bは、それぞれ同様に構成されており、以下、蓄電池2A,2Bを区別する必要ない場合には蓄電池2と称する。また、DC/DCコンバータ3A,3B、パワーコンディショナ4A,4B、電力計74A,74Bについても同様、区別が必要ない場合には、DC/DCコンバータ3、パワーコンディショナ4、電力計74と称する。
【0033】
蓄電池2は、所定の容量の電力を蓄積することができ、規定の回数の充放電を行うまで規定の充電能力を維持することができる。ここで、蓄電池2が電力を蓄積することが可能な定格容量に対する、蓄電池2に蓄積されている電力の充電残量の割合を、蓄電池2の充電状態と称し、蓄電池2の放電を開始してから、放電を完了し、再度所定量の充電を行うまでの充放電を行った回数を充放電回数と称する。換言すると、蓄電池2を充電し、充電残量が最も高められた充電状態を満充電、蓄電池2から放電し、充電残量が規定値まで下がった充電状態を放電完了状態(放電を完了した状態)と称し、満充電状態の蓄電池2の
放電を開始させてから、放電完了状態とした後、再度、満充電状態に充電するまでを一回の充放電としたときの充放電の回数を充放電回数と称する。
【0034】
DC/DCコンバータ3は、パワーコンディショナ4から蓄電池2へ供給される電力の電圧や、蓄電池2からパワーコンディショナ4へ放出される電力の電圧を双方向に変換する。
【0035】
パワーコンディショナ4は、充放電に関するモードや負荷状況等に基づいて、放電を行うと判定した場合、蓄電池2から放電された電力をDC−AC変換して負荷73へ供給し、放電を停止すると判定した場合、蓄電池2からの放電を停止させ、負荷73への供給を停止する。また、パワーコンディショナ4は、前記モードや負荷状況、蓄電池2の充電状態等に基づいて、充電を行うと判定した場合、電力系統71や太陽光発電システム50から供給された電力をAC−DC変換して蓄電池2へ充電する。このパワーコンディショナ4は、本実施形態において出力制御装置に相当する。
【0036】
制御装置1は、複数の蓄電池システムのそれぞれのパワーコンディショナに蓄電池の充放電に関して指令を出す。例えば、パワーコンディショナ4に対してモードを指示し、当該モードに応じて蓄電池2の充放電を行わせる。この蓄電池2の放電を開始するタイミングや充電を行うタイミングは、目的等に応じて適宜選択できる。例えば、経済性を高めることを目的とするのであれば、電力料金の安い時間帯に充電を行い、電力料金の高い時間帯に放電を行う。また、災害時に備えることを目的とするのであれば、所定の充電残量を常に確保しつつ、余剰分を負荷による消費に提供する。このため、充放電を行う基準となる時刻や充電状態、消費電力の閾値等の値を目的毎のモードとして選択可能に有し、オペレータによって設定されたモードを各パワーコンディショナ4に通知することで、このモードに応じたタイミングで蓄電池2の充放電を行わせる。即ち、本実施形態において、モードは、蓄電池2の充放電を行わせる基準を示す目的毎の設定値である。また、制御装置1は、パワーコンディショナ4によって蓄電池2の放電が開始された際、各蓄電池の充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池の放電を停止させる停止指令をパワーコンディショナ4へ通知して放電を停止させる。制御装置1は、本実施形態において停止制御装置に相当する。
【0037】
図2は、制御装置1及びパワーコンディショナ4の機能ブロックを示す図である。図2に示すように、制御装置1は、データ取得部11や停止判定部12、指示部13を有する。データ取得部11は、パワーコンディショナ4から、充電の開始や停止を示す情報、放電の開始や停止を示す情報、電力計74の測定値を示す情報、および蓄電池2の充電状態を示す情報等を状態情報として取得する。
【0038】
停止判定部12は、データ取得部11で取得した状態情報に基づき、蓄電池2の放電が開始されたことを認識し、当該蓄電池2の放電を停止させるか否かを各蓄電池2A,2Bの充放電回数に応じて判定する。例えば、当該蓄電池2の放電により、蓄電池2A,2Bの充放電回数の差が所定値以上に広がる場合に、当該蓄電池2の放電を停止させると判定し、判定結果を指示部13へ通知する。また、停止判定部12は、負荷の消費電力に基づいて停止を解除する蓄電池2、即ち放電させる蓄電池2を判定し、判定結果を指示部13へ通知する。例えば、負荷の消費電力が、放電中の蓄電池の放電電力を超えた場合に、停止している蓄電池2のうち、最も充放電回数の少ない蓄電池2の停止を解除する。更に、停止判定部12は、充電の開始や停止を示す情報、放電の開始や停止を示す情報に基づいて、各蓄電池2の充放電回数をカウントし、記憶する。なお、各パワーコンディショナ4が各蓄電池2の充放電回数をカウントしている場合には、データ取得部11を介して各パワーコンディショナ4から充放電回数を取得し、停止判定部12がメモリ等の記憶装置に記憶させる構成であってもよい。
【0039】
指示部13は、負荷の消費電力や停止判定部12から通知された判定結果に基づいて、放電許可指令や放電停止指令、停止解除指令をパワーコンディショナ4へ送信する。例えば、放電許可指令をパワーコンディショナ4へ送信することにより、パワーコンディショナ4による放電の制御を可能にさせる。また、放電停止指令をパワーコンディショナ4へ送信することにより、蓄電池2の放電を停止させ、停止解除指令をパワーコンディショナ4へ送信することにより、蓄電池2の停止を解除させる。また、指示部13は、パワーコンディショナ4へモードを示す情報を送信することにより、パワーコンディショナ4に対して充放電のモードを指示する。
【0040】
パワーコンディショナ4は、図2に示すように、充電制御部41、放電制御部42、電力測定部43、インバータ44を有する。
【0041】
充電制御部41は、インバータ44及びDC/DCコンバータ3を制御し、インバータ44でAC−DC変換した電力をDC/DCコンバータ3を介して蓄電池2へ供給し、蓄電池2を充電する。
【0042】
放電制御部42は、DC/DCコンバータ3及びインバータ44を制御し、蓄電池2から放電された電力をDC/DCコンバータ3で昇圧し、インバータ44でDC−AC変換して負荷73へ供給する。
【0043】
電力測定部43は、電力計74により、電力系統71から負荷73へ供給される電力を測定し、データ取得部11や放電制御部42へ通知する。
【0044】
インバータ44は、電力系統71又は太陽光発電システム50から供給された電力をAC/DC変換する。また、インバータ44は、DC/DCコンバータ3から供給された電力をDC/AC変換する。
【0045】
充電制御部41及び放電制御部42は、制御装置1に指示されたエコロジーモードや、エコノミーモード、備災モードといった複数のモードに応じて、前記蓄電池2への充電のタイミングや前記蓄電池2から放電させるタイミングを制御する。
【0046】
図3は、制御装置1のハードウェア構成を示す図、図4は、パワーコンディショナ4のハードウェア構成を示す図である。
【0047】
制御装置1は、図3に示すように、例えば、CPU15にバスを介して接続されたメモリ16,入力装置17,出力装置18,及び通信インタフェース(通信IF)19を含む。
【0048】
メモリ16は、主記憶装置と補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、CPU15の作業領域,プログラムやデータの記憶領域,通信データのバッファ領域として使用される。主記憶装置は、例えば、Random Access Memory(RAM),或いはRAMとRead Only Memory(ROM)との組み合わせで形成される。
【0049】
補助記憶装置は、CPU15によって実行されるプログラム,及びプログラムの実行に際して使用されるデータを記憶する。補助記憶装置は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD),Solid State Drive(SSD),フラッシュメモリ,Electrically Erasable
Programmable Read-Only Memory(EEPROM)などである。また、補助記憶装置は、制御装置1に対して着脱自在な可搬性記憶媒体を含む。
【0050】
入力装置17は、制御装置1に情報やデータを入力するために使用される。入力装置17は、例えば、ボタン、キー、タッチパネルなどを含む。
【0051】
出力装置18は、情報やデータを出力する。出力装置は、例えばディスプレイ装置、プリンター、記憶メディアへの書き込み装置等である。出力装置18は、スピーカのような音声出力装置を含み得る。通信IF19は、他の装置、例えば、パワーコンディショナ4との通信を行うためのインタフェースである。
【0052】
CPU15は、本実施形態において処理装置に相当する。CPU15は、MPU(Micro Processor Unit)、マイクロプロセッサ、プロセッサとも呼ばれる。CPU15は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成を有していても良い。上記各部の少なくとも一部の処理は、CPU以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われても良い。また、上記各部の少なくとも一部の処理は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路であっても良い。また、上記各部の少なくとも一部にアナログ回路が含まれても良い。集積回路は、LSI,Application Specific Integrated Circuit(ASIC),プログラマブルロジックデバイス(PL
D)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。上記各
部は、プロセッサと集積回路との組み合わせであっても良い。組み合わせは、例えば、MCU(Micro Controller Unit),SoC(System-on-a-chip),システムLSI,チッ
プセットなどと呼ばれる。
【0053】
CPU15は、メモリ16に記憶されたプログラムを主記憶装置にロードして実行する。メモリ16には、オペレーティングシステムやファームウェアといったプログラムがインストールされている。
【0054】
CPU15は、プログラムを実行することによって、前記データ取得部11や停止判定部12、指示部13として機能する。このデータ取得部11として取得した状態情報や、停止判定部12としてカウントした充放電回数は、メモリ16に記憶される。
【0055】
また、パワーコンディショナ4は、図4に示すように、例えば、CPU45にバスを介して接続されたメモリ46,入力装置47,出力装置48,及び通信インタフェース(通信IF)49、インバータ44を含む。CPU45,メモリ46,入力装置47,出力装置48,通信IF49については、CPU15,メモリ16,入力装置17及び出力装置18,通信IF19と同様のものを適用可能であるので、重ねての説明は省略する。
【0056】
CPU45は、プログラムを実行することによって、前記充電制御部41、放電制御部42、電力測定部43として機能する。入力装置47は、電力計74を含み、電力系統71から負荷73へ供給される電力を検出する。出力装置48は、インバータ44やDC/DCコンバータ3に対して制御信号を出力する出力インタフェースを含み、この制御信号をインバータ44やDC/DCコンバータ3へ送ることでインバータ44やDC/DCコンバータ3の動作を制御する。通信IF49は、他の装置、例えば、他のパワーコンディショナ4、制御装置1、太陽光発電システム50のパワーコンディショナ6との通信を行う。
【0057】
《蓄電制御方法》
次に制御装置1及びパワーコンディショナ4によって実行される蓄電制御方法について、図5図6を用いて説明する。
【0058】
パワーコンディショナ4は、電源が投入された場合や起動が指示された場合、図5の処理を実行する。
【0059】
先ず、パワーコンディショナ4のCPU45は、制御装置1によって指示されたモード及び指令を参照する(ステップS10)。このモード及び指令の参照は、制御装置1から受信したモード及び指令をメモリ46に記憶しておき、このメモリ46から読み出す構成でも良いし、通信IF49を介して制御装置1から直接取得する構成でも良い。
【0060】
また、CPU45は、電力計74による検出信号に基づいて電力系統71から負荷73へ供給される電力を測定し、負荷73による消費電力を求める(ステップS20)。なお、太陽光発電システム50や他のパワーコンディショナ4から電力が供給されている場合には、これらの電力を電力計74で検出した電力に加えて消費電力を求める。
【0061】
そしてCPU45は、ステップS10,S20で求めた指令、モード及び消費電力に基づいて放電させるか否かを判定する(ステップS30)。この放電させるか否かの判定は、例えば、放電許可指令を受け、且つ、消費電力が所定の閾値を超えた場合に放電させると判定する。なお、この閾値は、モード毎に異ならせても良い。即ち、エコノミーモードであれば、消費電力がエコノミーモード用の閾値を超えた場合に放電させると判定し、エコロジーモードであれば、消費電力がエコロジーモード用の閾値を超えた場合に放電させると判定する。また、現在時刻や充電状態等の要素が、モード毎に定めた条件を満たしているか否かによって放電させるか否かを判定しても良い。例えば、ピークシフトを行うモードの場合、現在時刻がピーク時間帯(電力消費が逼迫する時間帯)であれば放電させ、それ以外の時間帯であれば放電させないと判定する。また、備災モードであれば、災害時に備えて他の蓄電池2の充電状態が、所定値以上であれば放電させ、所定値未満であれば放電させないと判定する。なお、複数のモードに応じた制御を行う構成に限定されるものではなく、消費電力のみに基づいて放電させるか否かを判定してもよい。なお、蓄電池2の充電状態が所定値未満となり、放電が完了した状態となった場合も放電させない(ステッ
プS30,No)と判定する。
【0062】
ステップS30において、放電させると判定した場合(ステップS30,Yes)、CPU45は、ステップS40へ移行する。なお、ステップS30の判定は、放電を停止している状態から放電を開始させる場合に限らず、放電を開始している状態で、引き続き放電を行わせる場合も、CPU45は、放電させると判定し(ステップS30,Yes)、ステップS40へ移行して、制御装置1から停止指示を受けたか否かを判定する(ステップS
40)。この停止指示を受けていない場合(ステップS40,No)、CPU45は、イン
バータ44及びDC/DCコンバータ3へ、放電を行わせる制御信号を送り、蓄電池2を放電させて、この放電電力を負荷73へ供給し(ステップS50)、図5の処理を終了する。なお、ステップS50では、放電を停止している状態から放電を開始させる場合に限らず、放電を開始している状態で、引き続き放電を行わせる場合も、CPU45は、インバータ44及びDC/DCコンバータ3へ、放電を行わせる制御信号を送り、蓄電池2を放電させる。
【0063】
一方、ステップS30において放電させないと判定した場合(ステップS30,No)や、ステップS40で停止指示を受けたと判定した場合(ステップS40,Yes)、CPU45は、放電させないようにインバータ44及びDC/DCコンバータ3を制御する(ス
テップS60)。例えば、既に放電を開始している場合には停止の指示をインバータ44
及びDC/DCコンバータ3に送り、放電電力の供給を止め、蓄電池2の放電を停止させる。なお、ステップS60では、放電を行っている状態から放電を停止させる場合に限らず、放電を停止している状態で、継続して放電を行わない場合も、CPU45は、放電させないと判定し(ステップS30,No)、ステップS60へ移行し、インバータ44及び
DC/DCコンバータ3へ、放電を行わせないように制御信号を送る。
【0064】
次に、CPU45は、充電を行うか否かを判定し(ステップS70)、充電を行うと判定した場合(ステップS70,Yes)、インバータ44及びDC/DCコンバータ3に充電を指示して充電を行わせ(ステップS80)、図5の処理を終了する。例えば、蓄電池2の充電状態が所定値未満となり、放電が完了した場合に、CPU45は、充電を行うと判定する。また、CPU45は、現在時刻や太陽光発電システムによる発電状態等の要素が、モード毎に定めた条件を満たしているか否かによって充電を行うか否かを判定しても良い。例えば、ピークシフトを行うモードの場合、現在時刻がピーク時間帯(電力消費が逼迫する時間帯)であれば充電を行わず、それ以外の時間帯であれば充電を行うと判定する。また、エコノミーモードの場合、現在時刻が深夜時間帯(割安な深夜電力料金が適用される時間帯)であれば充電を行うと判定し、それ以外の時間帯であれば充電を行わないと判定する。エコロジーモードの場合、太陽光発電システムによる電力供給が行われていれば充電を行い、太陽光発電システムによる電力供給が行われていなければ充電を行わない。
【0065】
なお、CPU45は、図5の処理が開始された後、電源が切断されるまで、或は停止が指示されるまで、図5の処理を繰り返し実行する。
【0066】
また、制御装置1は、電源が投入された場合や起動が指示された場合、図6の処理を実行する。先ず、制御装置1のCPU15は、蓄電池2の放電が開始されたか否かを判定する(ステップS100)。蓄電池2の放電が行われていなければ(ステップS100,No)、図6の処理を終了し、放電が行われていれば(ステップS100,Yes)、充放電回数や消費電力等のデータを取得する(ステップS110)。この充放電回数は、パワーコンディショナ4から放電の開始や完了、充電の開始や完了の通知を受信して、この充電及び放電の回数をカウントしてメモリ16に記憶しておき、このメモリ16から読み出す構成でも良いし、通信IF19を介してパワーコンディショナ4から直接取得する構成でも良い。また、負荷73による消費電力についてもパワーコンディショナ4から取得する。
【0067】
そして、CPU15は、充放電回数に基づいて蓄電池2を停止させるか否かを判定する(ステップS120)。例えば、CPU15は、ステップS100で放電が開始されたと判定した蓄電池2の充放電回数をインクリメントした場合に、他の蓄電池2の充放電回数との差が所定値以上(例えば2以上)に広がる場合、当該蓄電池2の放電を停止させると判定する。具体的には、蓄電池2Aの充放電回数が、蓄電池2Bの充放電回数より多い場合に、蓄電池2Aの放電が開始されて蓄電池2Aの充放電回数をインクリメントすると、蓄電池2Aの充放電回数と蓄電池2Bの充放電回数との差が広がることになるため、蓄電池2Aの放電を停止させる。また、この場合に蓄電池2Bの放電が開始されて蓄電池2Bの充放電回数をインクリメントすると、蓄電池2Aの充放電回数と蓄電池2Bの充放電回数との差が縮まることになるため、蓄電池2Bの放電は停止させないと判定する。なお、蓄電池2Aの充放電回数と、蓄電池2Bの充放電回数とが同じ場合に、蓄電池2Aの放電が開始されて蓄電池2Aの充放電回数をインクリメントすると、蓄電池2Aの充放電回数と蓄電池2Bの充放電回数との差が広がることになるが、所定値(例えば2)未満のため、蓄電池2Aの放電は停止させない。なお、この所定値は2に限らず、充放電回数の偏りを許容できる範囲で3以上に設定されてもよい。
【0068】
放電を停止させると判定した場合(ステップS120,Yes)、CPU15は、放電停止指令をパワーコンディショナ4に通知して停止させる(ステップS130)。なお、CPU15は、停止させる蓄電池以外の放電を許可する蓄電池2を制御するパワーコンディショナ4に対しては放電許可指令を通知する。これにより、停止させる蓄電池2を制御するパワーコンディショナ4による放電が停止され、他のパワーコンディショナ4によって、図5に示すように放電が開始される。
【0069】
また、CPU15は、消費電力に基づいて放電する蓄電池2を増やすか否かを判定する(ステップS140)。例えば、消費電力をPA、蓄電池の放電電力をPB、現在放電中の蓄電池2の台数をNとし、式1を満たした場合に、放電する蓄電池を増やすと判定する(
ステップS140,Yes)。
【0070】
PA>(N+1)・PB・・・(式1)
放電する蓄電池2を増やすと判定した場合、CPU15は、充放電回数に基づいて放電させる蓄電池2を決定し、当該蓄電池2の制御を行うパワーコンディショナ4に停止を解除し、放電を許可する放電許可指令を通知する(ステップS150)。例えば、停止している蓄電池2のうち、最も充放電回数の少ない蓄電池2の停止を解除する。
【0071】
このように式1を満たす状況では、消費電力が高いため、パワーコンディショナ4は、図5に示すステップS30において、放電を開始すると判定し、且つ停止指示が解除されたことでステップS40においても停止指示を受けていないと判定するので、蓄電池2の放電を開始させる(ステップS50)。即ち、放電する蓄電池2を増やすことができる。
【0072】
更に、CPU15は、消費電力に基づいて放電する蓄電池2を減らすか否かを判定する(ステップS160)。例えば、式2を満たした場合に、放電する蓄電池を減らすと判定する(ステップS160,Yes)。
【0073】
PA<(N−1)・PB・・・(式2)
放電する蓄電池2を減らすと判定した場合、CPU15は、充放電回数に基づいて放電を停止させる蓄電池2を決定し、当該蓄電池2の制御を行うパワーコンディショナ4に放電停止指令を通知する(ステップS170)。例えば、放電している蓄電池2のうち、最も充放電回数の多い蓄電池2の放電を停止させる。
【0074】
なお、CPU15は、図6の処理が開始された後、電源が切断されるまで、或は停止が指示されるまで、図6の処理を繰り返し実行する。
【0075】
《効果》
上記のように、本実施形態によれば、パワーコンディショナ4が蓄電池2の放電を開始させた際、各蓄電池の充放電回数の差が広がる場合には、当該蓄電池2の放電を停止させる。これにより、各蓄電池の充放電回数を平均化し、劣化のバラつきを抑え、メンテナンスの手間を削減できる。
【0076】
また、消費電力に応じて、放電させる蓄電池を増加させる際にも、充放電回数に基づいて放電させる蓄電池を決定させることにより、消費電力に対応した電力の供給を可能とし、且つ各蓄電池の劣化のバラつきを抑えることができる。
【0077】
更に、消費電力に応じて、放電させる蓄電池を減少させる際にも、充放電回数に基づいて放電を停止させる蓄電池を決定させることにより、消費電力に対応した電力の供給を可能とし、且つ各蓄電池の劣化のバラつきを抑えることができる。
【0078】
なお、本実施形態では、図1に示すように、主に蓄電制御システム10が蓄電池2を2台備えた例を示したが、これに限らず3台以上の蓄電池2を備えても良い。また、図1では、1台の蓄電池2に、DC/DCコンバータ3、パワーコンディショナ4を1台ずつ接続したが、これに限らず1台のパワーコンディショナ4に複数の蓄電池を接続してもよい。
【0079】
〈実施形態2〉
前述の実施形態1では、放電を開始した蓄電池の充放電回数に基づき、充放電回数の偏りが大きくなる場合には放電を停止させるように制御することで、充放電回数を揃え、劣化の程度を均一化している。この場合、充放電回数が同じであっても、一回あたりの放電状態に差があると、充放電を繰り返すうちに、同じ充放電回数の蓄電池であっても劣化の程度に差が生じることがある。そこで、本実施形態では、特定の蓄電池から偏って放電された放電量が所定値に到達した場合に、別の蓄電池に切り替えて放電させる構成としている。なお、この他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、主に実施形態1と異なる構成を説明し、同一の要素については説明を省略する。
【0080】
本実施形態において、制御装置1のデータ取得部11は、各パワーコンディショナ4から各蓄電池2の放電量を所定時刻毎に取得し、これと共に、充電開始時刻、充電完了時刻、放電開始時刻、放電停止時刻等を履歴情報として蓄電池2毎に記憶しておく。データ取得部11は、この他、負荷73の消費電力を取得し、時間帯毎に記憶してもよい。
【0081】
停止判定部12は、蓄電池2が放電中であって、他に放電可能な蓄電池2が存在する場合に、放電中の前記蓄電池の放電量が、閾値を越えた場合に、当該蓄電池2の放電を停止させる停止指令をパワーコンディショナ4へ通知して放電を停止させる。このとき、他の蓄電池2が停止指令によって停止中の場合、停止指令を解除する。
【0082】
図7は、実施形態2に係る蓄電制御方法を示す図である。なお、ステップS100〜S170については、実施形態1と同じであるため説明を省略する。ステップS160・S170の後、制御装置1は、蓄電池2が放電中であって、他に放電可能な蓄電池2が存在するか否か、即ち、切り替える蓄電池2が存在するか否かを判定する(ステップS180)。ここで、他に放電可能な蓄電池2とは、例えば、充電率が所定値以上であって、現在放電中の蓄電池2と切り替えて放電させた場合でも充電回数の偏りが大きくならないものである。例えばステップS150と同様に充放電回数に基づいて蓄電池2を選択し、履歴データに基づいて当該蓄電池2の充電率を求める。なお、本例において充電率は、満充電時に充電されている電力量に対する残電力量の割合である。これに限らず、充電の程度が分かるものであれば、他の尺度を用いてもよい。
【0083】
停止判定部12は、切り替え可能な蓄電池2が存在しないと判定した場合には(ステッ
プS180,No)、図6の処理を終了させ、切り替え可能な蓄電池2が存在すると判定
した場合には(ステップS180,Yes)、ステップS190へ移行する。
【0084】
ステップS190において、制御装置1は、放電中の蓄電池2の放電量が閾値を越えたか否かを判定する。前述のように他に停止している蓄電池(切り替え可能な蓄電池)2が存在する状態で、現在放電中の蓄電池2の放電が進むと、放電状態が偏ることになるので、放電量が所定値(閾値)に到達した時点で、放電を停止させる。そこで、制御装置1は、放電中の蓄電池2の履歴情報を参照して、切り替え可能な蓄電池2が停止している期間に放電した放電量(以下、部分駆動時放電量とも称す)を算出し、この部分駆動時放電量が、閾値を越えたか否かを判定する。ここで、閾値は、固定値であってもよいし、季節や時間帯、負荷の状態、過去の履歴情報などに基づいて動的に定められてもよい。例えば、放電している時間帯(現在時)における過去の放電電力量を履歴情報から求め、これを蓄電池2の台数Nで除して閾値としても良い。即ち、閾値=放電時間帯における過去の放電電力量/Nとしてもよい。
【0085】
部分駆動時放電量が閾値を越えたと判定した場合(ステップS190、Yes)、制御装置1は、切り替え可能な蓄電池2が停止指令によって停止されているのであれば停止を解除し、パワーコンディショナ4へに放電許可指令を送信する(ステップS200)。なお、
切り替え可能な蓄電池2が、停止指令によって停止されていなければ、ステップS200はスキップしてもよい。
【0086】
また、制御装置1は、放電中の蓄電池2と接続しているパワーコンディショナ4へ停止指令を送信し、当該蓄電池2の放電を停止させる(ステップS210)。
【0087】
ステップS210の後や、ステップS180で切り替え可能な蓄電池2が存在しないと判定した場合(ステップS180,No)、又は部分駆動時放電量が閾値を越えていないと判定した場合(ステップS190,No)、制御装置1は、図7の処理を終了する。
【0088】
このように、本実施形態2によれば、複数の蓄電池2のうち、一部の蓄電池2が放電中で、この放電量が所定値に達した場合には、この蓄電池2の放電を停止させ、他の蓄電池2に切り替えて放電を行わせる。これにより、特定の蓄電池2だけが、放電を続けて劣化が進んでしまうことが防止され、劣化のバラつきを精度良く抑えることができる。
【符号の説明】
【0089】
1 制御装置
2(2A,2B) 蓄電池
3(3A,3B) コンバータ
4(4A,4B) パワーコンディショナ
5 太陽光発電モジュール
6 パワーコンディショナ
10 蓄電制御システム
50 太陽光発電システム
71 電力系統
73 負荷
74(74A,74B) 電力計
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7