(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-23669(P2017-23669A)
(43)【公開日】2017年2月2日
(54)【発明の名称】靴ベラ
(51)【国際特許分類】
A47G 25/82 20060101AFI20170113BHJP
【FI】
A47G25/82
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-159224(P2015-159224)
(22)【出願日】2015年7月24日
(71)【出願人】
【識別番号】509141109
【氏名又は名称】中島 信夫
(71)【出願人】
【識別番号】509141073
【氏名又は名称】中島 晴二
(72)【発明者】
【氏名】中島 信夫
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099BA13
3K099BA15
3K099CB42
3K099DA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】踵部分の潰れた靴用の靴べらと通常使用する靴用の靴べらの両方を兼ねる靴べらを提供する。
【解決手段】へら部先端部分1aに逆L字状に折り曲げられたフック部1bが形成され、靴の潰れた踵部分を引き出して履く事が可能な形状と、他端に足の踵の形状に沿った湾曲部が形成されたへら部2a有し、柄部5は持ち手部を形成し、左右のへら部の先端付近の中央部に壁等のフックに吊下げを可能とした開口が形成されている形状の兼用型靴べら。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の踵の形状に沿った湾曲部が形成された第1へら部を有する第1へら本体部と該第1へら本体部に一端が連結された柄部材とからなる靴べらであって、該柄部材の他端に、足の踵の形状に沿った湾曲部が形成された第2へら部を有する第2へら本体部が設けられており、該第2へら本体部の第2へら部先端部は逆L字状に折り曲げられたフック部が形成されている靴べら。
【請求項2】
前記第1へら本体部と第2へら本体部と柄部材とは、樹脂材によって一体成形されていることを特徴とする請求項1記載の靴べら。
【請求項3】
前記柄部材は棒状に形成されており、該柄部材の両端に第1へら本体部に形成された第1挿入穴、および第2へら本体部に形成された第2挿入穴が差し込まれて固定されていることを特徴とする請求項1記載の靴べら。
【請求項4】
前記第1へら本体部の第1へら部と、前記第2へら本体部の第2へら部との少なくともいずれか一方に開口が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれも1項記載の靴べら。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は靴の脱ぎ履きがスムーズに行える靴べらに関し、特に、下肢の機能低下した老人や身体に障害を持つ人に好適な靴べらに関するものである。
【0002】
従来、靴を履く動作を補助する道具として、玄関に置いて使用される長尺の靴べらは、靴等の踵部分潰れている状態において使用することが困難である。
【0003】
長尺の靴べらを用いて靴を履く場合、この踵部分が潰れている場合においては、どうしても下肢を大きく屈曲させた不自然な体勢が強いられる。
【0004】
健常者であれば、片足で体を支えながら上記動作を行うことにより靴を履くことができるが、下半身に麻痺等の障害を持つ人にとってはそのような動作を行うことは困難な状況が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記したように靴等に用いる靴べらでは、踵部分の潰れた靴を履く際に、潰れた踵部分を引き起こしてからでないと靴べらが使用できなかった。このため、本発明では、潰れた踵部分の引き起こしが可能な靴べらと、踵部分が潰れていない靴に使用する靴べらとの両方をそれぞれ用意する必要がありこれら複数の靴べらを玄関等に置くこととなって使い分けが繁雑となる恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題を解決するために、足の踵の形状に沿った湾曲部が形成された第1へら本体部と該第2へら本体部に連結された柄部材とからなる靴べらであって、該柄部材の他端に、足の踵の形状に沿った湾曲部が形成された第2へら部を有する第2へら本体部が設けられており、該第2へら本体部の第2へら部先端部は逆L字状に折り曲げられた形状であることを特徴とする。
【0007】
また、本発明においては、前記第1へら本体部と第2へら本体部と柄部材とは、樹脂材等によって一体成形されていることを特徴とする。
【0008】
また本発明においては、前記柄部材は、棒状に形成されており該柄部材の両端に第1へら本体部に形成された第1挿入穴、および第2へら本体部に形成された第2挿入穴が差し込まれて固定されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明においては、前記第1へら本体部の第1へら部と、前記第2へら本体部の第2へら部との少なくともいずれか一方に開口が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
本発明の靴べらは、健常者であっても、また、体に障害を持つ人であっても靴を履くことが、腰をかがめたり座ったりせずに確実且つスムーズに行えるという長所を有しながら、合わせてその反対側に設けられたへら部により通常靴も使用可能な特徴を持つものである。
【0010】
また、本発明においては、前記第1へら本体部の第1へら部と、前記第2へら本体部の第2へら部との少なくともいずれか一方に開口が形成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図6】へら部と持ち手部を柄部に固定する前の斜視図。
【符号の説明】
1 第1へら本体部
2 第2へら本体部
3 滑り止め部
4a 第1開口
4b 第2開口
5 柄部分
6 柄部分
10 開口
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明の第1実施例を
図1から
図3に基づいて説明する。潰れた踵部分を引き上げるための第1へら本体部1と、踵部分が潰れていない靴に使用する第へら本体部2と、これら第1へら本体部1および第2へら本体部2とを連結する柄部分5とから靴べらが構成されている。
【0013】
前記したように構成された靴べらにおいては、第1へら本体部1の先端部分は、踵の形状に沿った湾曲面1aと反対方向に向けて折れ曲がったフック部1bが形成されている。さらに前記した湾曲面1aで、かつ、先端に近い部分には、長円形状の第1開口4aが形成されている。この第1開口4aは壁などに設けられたフック等の係止部材(図示せず)に引っかけて保持されるようになっている。
【0014】
一方、第2へら本体部2は、踵部分の形状に沿った湾曲面2aを備え、さらに該湾曲面2aで、かつ、先端に近い部分には長円形状の第2開口4bが形成されている。この第2開口4bも前記と同様に壁などに設けられたフック等の係止部(図示せず)して引っ掛けて保持されるようになっている。
【0015】
なお、第1へら本体部1と柄部分5との間、および第2へら本体部2と柄部分5との間には、波状に形成された滑り止め部3が設けられている。そして、これら第1へら本体部1と第2へら本体部2と柄部分5とは、樹脂部材で一体成形されている。
【0016】
次に本発明の第2実施例について
図4から
図7に基づいて説明する。なお、第1実施例と同一部材については、同じ符号を付して説明する。第1へら本体部1は第1実施例と同様に湾曲面1a、フック部1b、滑り止め部3をそれぞれ備えている。
【0017】
また、第2へら本体部にも、湾曲面2a、滑り止め部3をそれぞれ備えている。そして、第1へら本体部1、および第2へら本体部2の滑り止め部3が設けられている部分には、丸い形状の第1挿入穴10aと第2挿入穴10bとがそれぞれ形成されている。この丸穴10a,10bにはアルミ材等の軽金属で構成された丸棒状の柄部材6が差し込まれて接着等で固着されている。
【0018】
次に、潰れた踵部分を第1へら本体部1で引き上げる状態を
図8に基づいて説明する。まず、
図8(a)に示すように踵の後ろ側に沿って第1へら本体部1を靴底11まで差し込む。次に、
図8(b)に示すように踵を靴底11までおろす。そして、
図8(c)に示すように第1へら本体部1を引き上げる。その際に第1へら本体部1のフック部1bが潰れた踵の縁を一緒に引き上げるようになる。この結果、
図8(d)示すように潰れた踵部分は引き上げられて踵の後側に沿った正常な状態となる。
【0019】
なお、本発明では、第1へら本体部1、および第2へら本体部2の両方に第1開口、および第2開口を形成して説明したが、第1へら本体部と第2へら本体部2のどちらか一方のみに形成する構成をしても良いものである。