(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-2391(P2017-2391A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】水素発生装置
(51)【国際特許分類】
C25B 9/00 20060101AFI20161209BHJP
C01B 3/04 20060101ALI20161209BHJP
C25B 1/06 20060101ALI20161209BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20161209BHJP
C25B 11/02 20060101ALI20161209BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C01B3/04 R
C25B1/06
C25B15/08 302
C25B11/02 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-128097(P2015-128097)
(22)【出願日】2015年6月9日
(71)【出願人】
【識別番号】515168101
【氏名又は名称】田中環境機構合同会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 米一
【テーマコード(参考)】
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
4K011CA04
4K011DA01
4K021AA01
4K021BA02
4K021DA03
4K021DA09
4K021DC03
(57)【要約】
【課題】 水素の発生を簡潔構造で効果的に行う水素発生装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の水素発生装置10は、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bと、第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレートと陰極プレート13bとで構成される電解ユニット10Aを備え、電解ユニット10Aは電解液Wを貯留した電解槽11の中に設置し水素を発生することとした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向き合い併設された第1のフローテングプレートと第2のフローテングプレートと、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレートと陰極プレートとで構成される電解ユニットを備え、前記電解ユニットは電解液Wを貯留した電解槽の中に設置し水素を発生することを特徴とする水素発生装置。
【請求項2】
前記陽極プレートと、前記第1のフローテングプレートと、前記第2のフローテングプレートとの側面に発生する酸素の気泡を分散する噴射モータを備えたことを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
【請求項3】
前記水素を排出する排出管を設け、前記排出管に流量制御モータを備えたことを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
【請求項4】
前記流量制御モータは、前記水素の逆流防止機構を備えたことを特徴とする請求項3に記載の水素発生装置。
【請求項5】
前記電解槽は、導電材で形成し、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの少なくともいずれかを代りとして使用することを特徴とする請求項1に記載の水素発生装置。
【請求項6】
互いに向き合い併設された第1のフローテングプレートと第2のフローテングプレートと、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの間の同−平面上に互いに隣接して併設された陽極プレートと陰極プレートとで構成される電解ユニットを備え、前記電解ユニットは電解液Wを貯留した電解槽の中に複数個並列に設置し水素を発生することを特徴とする水素発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素の発生を簡潔構造で効果的に行う水素発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素発生装置は、多数のプレートを電解液の中に設けられ水素発生が行われているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特表2011−506767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の水素発生装置は、勿論水素発生することはできるが構造が複雑であるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水素の発生を簡潔構造で効果的に行う水素発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の水素発生装置は、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレートと第2のフローテングプレートと、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレートと陰極プレートとで構成される電解ユニットを備え、前記電解ユニットは電解液を貯留した電解槽の中に設置し水素を発生することとした。
また、前記陽極プレートと、前記第1のフローテングプレートと、前記第2のフローテングプレートとの側面に発生する酸素の気泡を分散する噴射モータを備えることとした。
また、前記水素を排出する排出管を設け、前記排出管に流量制御モータを備えることとした。
また、前記流量制御モータは、前記水素の逆流防止機構を備えることとした。
また、前記電解槽は、導電材で形成し、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの少なくともいずれかを代りとして使用することとした。
さらに、本発明の水素発生装置は、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレートと第2のフローテングプレートと、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレートと陰極プレートとで構成される電解ユニットを備え、前記電解ユニットは電解液を貯留した電解槽の中に複数個並列に設置し水素を発生することとした。
【発明の効果】
【0006】
本発明の水素発生装置は、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレートと第2のフローテングプレートと、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレートと陰極プレートとで構成される電解ユニットを備え、前記電解ユニットは電解液を貯留した電解槽の中に設置し水素を発生することとしたため、水素の発生を簡潔構造で効果的に行うことができる。
また、前記陽極プレートと、前記第1のフローテングプレートと、前記第2のフローテングプレートとの側面に発生する酸素の気泡を分散する噴射モータを備えることとしたため、水素の発生をより効果的に行うことができる。
また、前記水素を排出する排出管を設け、前記排出管に流量制御モータを備えることとしたため、水素の排出を的確に行うことができる。
また、前記流量制御モータは、前記水素の逆流防止機構を備えることとしたため、水素の排出をより的確に行うことができる。
また、前記電解槽は、導電材で形成し、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの少なくともいずれかを代りとして使用することとしたため、水素の排出をより簡潔構造で的確に行うことができる。
さらに、本発明の水素発生装置は、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレートと第2のフローテングプレートと、前記第1のフローテングプレートと前記第2のフローテングプレートとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレートと陰極プレートとで構成される電解ユニットを備え、前記電解ユニットは電解液Wを貯留した電解槽の中に複数個並列に設置し水素を発生することとしたため、より多量の水素の発生を簡潔構造で効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】 本発明の第1の実施の形態の水素発生装置の内部構造の斜視図を示す。
【
図2】 本発明の第1の実施の形態の水素発生装置の平面断面図を示す。
【
図3】 本発明の第1の実施の形態の水素発生装置の縦断面図を示す。
【
図4】 本発明の第2の実施の形態の水素発生装置の平面断面図を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態の水素発生装置につき説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明の第1の実施の形態の水素発生装置の内部構造の斜視図を示す。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の水素発生装置10は、電解液Wを貯留する電解槽11と、電解槽11の電解液Wの中に設けられた電解ユニット10Aとで構成されている。
電解ユニット10Aは、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bと、第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレート13aと陰極プレート13bとで構成されている。
【0010】
電解ユニット10Aの第1のフローテングプレート12aと、第2のフローテングプレート12bと、陽極プレート13aと、陰極プレート13bは、電解槽11に水面14まで貯留した電解液Wの中に設置され水素を発生することができる。
【0011】
図2は、本発明の第1の実施の形態の水素発生装置の平面断面図を示す。
図2により、本発明の第1の実施の形態の水素発生装置10が水素を発生するときの作用につき説明する。
本発明の第1の実施の形態の水素発生装置10は、電解液Wを貯留した電解槽11と、電解槽11の電解液Wの中に設けられた電解ユニット10Aとで構成され、電解ユニット10Aは、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bと、第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレート13aと陰極プレート13bとで構成されている。
そのため、電解液Wの中に設置された陽極プレート13aは、プラスの電圧が与えられており、電解液Wの中で両面よりそれぞれ電界Eが発生し、第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bとにそれぞれ沿ってマイナスの電圧が与えられた陰極プレート13bに向かっている。
陽極プレート13aの両面より発生した電界Eは、電解液Wを分解し水素を発生することができる。そのため、水素の発生を簡潔構造で効果的に行うことができる。
【0012】
なお、電解槽11は、導電材で形成し、第1のフローテングプレート12aの代りとして使用することができ、また、第2のフローテングプレート12bの代りとして使用することもできる。
【0013】
図3は、本発明の第1の実施の形態の水素発生装置の縦断面図を示す。
図3に示すように、水素発生装置10は、電解液Wを貯留した電解槽11と、電解槽11の電解液Wの中に設けられた電解ユニット10Aとで構成されている。
電解ユニット10Aの陽極プレート13aと陰極プレート13bは、
図1に示すように第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bの間に設けられている。
電解液Wの中に設置された陽極プレート13aにはプラスの電圧が与えられ、陰極プレート13bにはマイナスの電圧が与えられ電解液Wを分解し水素を発生している。
【0014】
水素発生装置10が水素を発生するとき、陽極プレート13aの両側側面と、第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bの内側側面には酸素の気泡18も電解液Wの中に多少なりとも発生する。発生する気泡18は上方への抜けが行われず残ったときには電解液Wの導電性を低下させ、水素発生効率をも低下させる。
【0015】
水素発生装置10の側面には噴射モータ17が設けられ、噴射モータ17は電解液Wを吸引し噴射ノズル17aより噴射する。噴射した電解液は矢印Pに示すように循環し、気泡18を分散し上方への抜けを促進して除去し水素の発生をより効果的に行うことができる。
【0016】
水素発生装置10は、上面部11aにより覆われる。上面部11aには水素を排出する排出管15が設けられ、排出管に流量制御モータ16が設置されている。そのため、矢印Hに示すように水素の排出を的確に行うことができる。
【0017】
流量制御モータ16は、水素の逆流防止機構を保有している。そのため、水素の逆流を防止し水素の排出をより的確に行うことができる。
【0018】
以上、本発明の第1の実施の形態の水素発生装置は、水素の発生を簡潔構造で効果的に行うことができる。
【0019】
図4は、本発明の第2の実施の形態の水素発生装置の平面断面図を示す。
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態の水素発生装置20は、電解液Wを貯留した電解槽21と、電解槽21に貯留する電解液Wの中に設けられた電解ユニット20Aと、電解ユニット20Aに併設した電解ユニット20Bとで構成されている。
電解ユニット20Aは、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bと、第1のフローテングプレート12aと第2のフローテングプレート12bとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレート13aと陰極プレート13bとで構成されている。
電解ユニット20Aの第1のフローテングプレート12aと、第2のフローテングプレート12bと、陽極プレート13aと、陰極プレート13bは、電解槽21に貯留した電解液Wの中に設置され水素を発生することができる。
【0020】
電解ユニット20Bは、互いに向き合い併設された第1のフローテングプレート22aと第2のフローテングプレート22bと、第1のフローテングプレート22aと第2のフローテングプレート22bとの間の同一平面上に互いに隣接して併設された陽極プレート23aと陰極プレート23bとで構成されている。
【0021】
電解ユニット20Bの第1のフローテングプレート22aと、第2のフローテングプレート22bと、陽極プレート23aと、陰極プレート23bは、電解槽21に貯留した電解液Wの中に設置され水素を発生することができる。
【0022】
以上、本発明の第2の実施の形態の水素発生装置は、より多量の水素の発生を簡潔構造で効果的に行うことができる。
なお、本発明の第2の実施の形態の水素発生装置は、電解ユニットは多数個併設することができ、また、複数個直列に設けることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の水素発生装置は、水素の発生を簡潔構造で効果的に行い、廃棄物処理装置などに幅広く使用することができる。
【符号の説明】
【0024】
10、20 水素発生装置
11、21 電解槽
12a、22a フローテングプレート
13a、23a 陽極プレート
13b、23b 陰極プレート
14 水面
15 水素排出管
16 流量制御モータ
17 噴射モータ
18 気泡
W 電解液
E 電界
10A、20A、20B 電解ユニット