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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-24148(P2017-24148A)
(43)【公開日】2017年2月2日
(54)【発明の名称】切断装置
(51)【国際特許分類】
   B23D 17/00 20060101AFI20170113BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20170113BHJP
【FI】
   B23D17/00 Z
   E04G23/08 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-148289(P2015-148289)
(22)【出願日】2015年7月28日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成27年2月2日掲載 http://d.hatena.ne.jp/sakura0041 平成27年4月22日掲載http://furugaki.info/product/product_10_05.html
(71)【出願人】
【識別番号】514144191
【氏名又は名称】キーエンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】510294092
【氏名又は名称】株式会社古垣建設
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】植田 邦之
(72)【発明者】
【氏名】櫻庭 健
【テーマコード(参考)】
2E176
3C039
【Fターム(参考)】
2E176DD24
3C039BA02
3C039BA14
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で切断片の寸法を所望の長さに細分化できる切断装置を提供することである。
【解決手段】固定フレーム20と、この固定フレーム20に設けられた外側切断刃25及び内側切断刃26と、これら外側切断刃25及び内側切断刃26の先端を連結する先端刃24と、固定フレーム20に揺動可能に枢着された可動フレーム30と、この可動フレーム30に設けられた前側切断刃33とを備え、可動フレーム30の揺動動作によって外側切断刃25及び内側切断刃26と先端刃24と前側切断刃33とを摺接させて切断対象物Oを切断可能な切断装置Cに、外側切断刃25及び内側切断刃26の途中部に着脱自在に形成されると共に外側切断刃25及び内側切断刃26を連結する中間刃27と、中間刃27と摺接させて切断対象物Oを切断可能な後側切断刃34とを設けている。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショベル系掘削機のアームに固定された前後方向に延びる固定フレームと、この固定フレームに設けられた前後方向に延びる複数の固定切断刃と、これら複数の固定切断刃の先端を左右方向に連結する先端刃と、前記固定フレームに左右方向に延びる枢支軸を介して揺動可能に枢着された可動フレームと、この可動フレームに設けられた第1可動切断刃とを備え、前記可動フレームの揺動動作によって前記複数の固定切断刃と先端刃と第1可動切断刃とを摺接させて切断対象物を切断可能な切断装置において、
前記複数の固定切断刃の前後方向途中部に対応した位置に着脱自在な中間刃であって、前記複数の固定切断刃のうち左右に隣り合う固定切断刃を左右方向に連結する中間刃と、
前記中間刃と摺接させて切断対象物を切断可能な第2可動切断刃とを設けたことを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記第2可動切断刃は前記中間刃と協働する第2横刃部を有すると共に前記可動フレームに対して着脱自在に形成され、
前記中間刃を前記固定フレームから取り外したとき、前記第2横刃部が前後逆の状態に装着されることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記第2可動切断刃が、前記第2横刃部と前記左右に隣り合う固定切断刃と摺接可能な1対の第2縦刃部とを備えたブロック体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切断装置。
【請求項4】
前記第1可動切断刃が、前記先端刃と協働する第1横刃部と前記左右に隣り合う固定切断刃と摺接可能な1対の第1縦刃部とを備えたブロック体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショベル系掘削機のアームに装着され、廃材等の切断作業を行う切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ショベル系掘削機のアーム先端に着脱自在に装着されるアタッチメントであって、アームに支持された固定フレームと、この固定フレームに固着された固定切断刃と、固定フレームに揺動可能に枢支された可動フレームと、この可動フレームに固着された複数の可動切断刃とを備え、可動フレームを揺動させることにより固定切断刃と可動切断刃を摺接させて樹木等の切断対象物を挟み込むと共に切断対象物を複数の切断片に切断する切断装置が知られている。
【0003】
特許文献1の切断装置は、複数の切断刃を第1,第2フレームに並設すると共に、一方側のフレームに設けた切断刃と他方側のフレームに設けた切断刃とを上下で互い違いに対向した千鳥状に配置し、少なくとも一方のフレームの切断刃を非対称形状にすると共に、他方フレームの切断刃と時間差を持たせて摺接動作させる切断装置を開示している。
この特許文献1では、左右切断部の切断タイミングに時間差を設けることにより、油圧シリンダの加圧力の分散を防止し、切断性能の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−307646号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の切断装置では、切断対象物を切断する際、第1,第2フレームの前後方向に延びる外側の切断刃と内側の切断刃とによって切断片の左右幅が制限されている。
しかし、切断片の前後幅が制限されていないため、切断片が大型化する虞がある。
即ち、切断対象物を複数の切断片に切断する場合、第1フレーム先端の先端刃と第2フレームの先端刃とが協働して切断対象物の前後方向途中部を左右方向に延びる切断部で
両先端刃よりも前側の前側切断片と両先端刃よりも後側の後側切断片とに単に2分割するに過ぎないため、切断片の前後方向幅を所望の長さに規定することが困難である。
【0006】
廃材には廃プラ、廃ビニール、廃木材、竹材、産業廃棄物等が存在し、長尺状の廃材も少なくない。切断装置によって切断された切断片が大きい場合、後工程の処理において不都合が生じる虞がある。切断片の寸法を細分化するために切断装置の姿勢を90°変更し、再度、切断装置による切断工程を行うことも考えられるが、切断装置の作動回数(可動フレームの開閉駆動回数)が増加し、作業効率が低下する。
【0007】
本発明の目的は、簡単な構成で切断片の寸法を所望の長さに細分化できる切断装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、ショベル系掘削機のアームに固定された前後方向に延びる固定フレームと、この固定フレームに設けられた前後方向に延びる複数の固定切断刃と、これら複数の固定切断刃の先端を左右方向に連結する先端刃と、前記固定フレームに左右方向に延びる枢支軸を介して揺動可能に枢着された可動フレームと、この可動フレームに設けられた第1可動切断刃とを備え、前記可動フレームの揺動動作によって前記複数の固定切断刃と先端刃と第1可動切断刃とを摺接させて切断対象物を切断可能な切断装置において、前記複数の固定切断刃の前後方向途中部に対応した位置に着脱自在な中間刃であって、前記複数の固定切断刃のうち左右に隣り合う固定切断刃を左右方向に連結する中間刃と、前記中間刃と摺接させて切断対象物を切断可能な第2可動切断刃とを設けたことを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2可動切断刃は前記中間刃と協働する第2横刃部を有すると共に前記可動フレームに対して着脱自在に形成され、前記中間刃を前記固定フレームから取り外したとき、前記第2横刃部が前後逆の状態に装着されることを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記第2可動切断刃が、前記第2横刃部と前記左右に隣り合う固定切断刃と摺接可能な1対の第2縦刃部とを備えたブロック体に形成されていることを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れか1項の発明において、前記第1可動切断刃が、前記先端刃と協働する第1横刃部と前記左右に隣り合う固定切断刃と摺接可能な1対の第1縦刃部とを備えたブロック体に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、前記複数の固定切断刃の前後方向途中部に対応した位置に着脱自在な中間刃であって、前記複数の固定切断刃のうち左右に隣り合う固定切断刃を左右方向に連結する中間刃と、前記中間刃と摺接させて切断対象物を切断可能な第2可動切断刃とを設けたため、切断片の左右幅に加えて前後幅を制限することにより可動フレームの開閉駆動回数を低減することができ、切断片の寸法を所望の長さに細分化することができる。また、切断片の前後幅を中間刃の着脱によって変更することができるため、作業性を向上することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、後工程からの要求に応じて、中間刃と協働して切断片の前後幅を制限する第1切断態様と、この第1切断態様よりも切断片の前後幅が大きい第2切断態様とに切替えることができ、更に作業性向上を図ることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、第2可動切断刃がブロック体で形成されているため、部品点数を減少でき、着脱作業や状態変更作業等の作業性を向上することができる。
請求項4の発明によれば、第1可動切断刃がブロック体で形成されているため、部品点数を減少でき、着脱作業等の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1を示す油圧ショベルの外観図である。
図2】切断装置の開動作時の側面図である。
図3】切断装置を前側斜め上方から視た図である。
図4】切断装置を後側斜め下方から視た図である。
図5】切断装置の閉動作時の縦断面図である。
図6】固定フレームの分解斜視図である。
図7】第2切断態様における図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、図において、矢印F方向を前方とし、矢印L方向を左方とし、矢印U方向を上方として説明する。
【実施例1】
【0017】
以下、実施例1に係る切断装置について図1図7に基づいて説明する。
図1に示すように、ショベル系掘削機である油圧ショベル1は、1対のクローラ2を備えた下部走行体3と、この下部走行体3の上部に旋回自在に装備され操作者が乗り込む運転室を備えた上部旋回体4とを有している。上部旋回体4の後部には、油圧供給源として油圧ポンプ(図示略)と、油圧ポンプを駆動する油圧発生用エンジン(図示略)と、後述する切断装置Cに対する油圧の供給・排出を切換えるバルブユニット(図示略)等が配置されている。
【0018】
油圧ショベル1は、後端を上部旋回体4に回転可能に軸支されたブーム5と、このブーム5を傾動させる油圧式のブームシリンダ6と、ブーム5の前端部に後部が回転可能に軸支されたアーム7と、このアーム7を傾動可能な油圧式のアームシリンダ8と、アーム7の前端部に連結され且つ切断対象物Oを所定寸法の切断片に細分化可能な切断装置C等を備えている。
【0019】
アーム7は、ブーム5の前端部にアーム揺動軸9によって揺動可能に軸支されている。アームシリンダ8のシリンダ本体の基端部がブーム5の途中部に回動可能に連結され、アームシリンダ8のピストンロッドの先端部がアーム7の後端部に回動可能に連結されている。アームシリンダ8が伸長又は収縮したとき、アーム7はアーム揺動軸9を揺動中心として前後方向へ揺動する。
【0020】
アーム7には、連結軸11と、油圧式のバケットシリンダ10等が設けられている。連結軸11は、アーム7の前端部の軸穴に左右方向に挿通され、切断装置Cの固定フレーム20をアーム7に連結している。バケットシリンダ10は、そのシリンダ本体の基端部がアーム7の上部に回動可能に連結され、リンク機構Lを介して切断装置Cの可動フレーム30を回動駆動可能に形成されている。
【0021】
図1図3に示すように、リンク機構Lは、バケットシリンダ10により可動フレーム30を固定フレーム20に対して回動軸18回りに接近、離隔回動可能に形成されている。
可動フレーム30は連結ピン12によりHリンク15の前端部に連結され、Hリンク15の後端部は連結ピン13によりバケットシリンダ10のピストンロッドの前端部に連結されている。サイドリンク16の一端部は、Hリンク15と同様にバケットシリンダ10のピストンロッドの前端部に連結ピン13を介して回動可能に連結され、このサイドリンク16の他端部はアーム7の前端側部分に連結ピン14により回動可能に連結されている。
以上のように、連結軸11、連結ピン12〜14、Hリンク15及びサイドリンク16により、可動フレーム30を固定フレーム20に対して接近・離隔回動させるためのリンク機構Lを構成している。これにより、バケットシリンダ10のピストンロッドを伸長状態から収縮状態に駆動したとき、可動フレーム30を固定フレーム20から離隔回動させることができ、バケットシリンダ10のピストンロッドを収縮状態から伸長状態に駆動したとき、可動フレーム30を固定フレーム20へ接近回動させることができる。
【0022】
次に、切断装置Cについて説明する。
この切断装置Cは、切断片の前後幅が小さい第1切断態様と、この第1切断態様よりも切断片の前後幅が大きい第2切断態様とに切替可能に構成されている。
図1図5に示すように、切断装置Cは、固定フレーム20と、この固定フレーム20に連結軸11を介して枢支された可動フレーム30と、この可動フレーム30を回動駆動するためのバケットシリンダ10等により構成されている。
この切断装置Cは、油圧ショベル1のアーム7の前端部分に対して着脱可能なアタッチメントである。
【0023】
図2図6に示すように、固定フレーム20は、アーム7に固定される断面略U字状の本体部21と、この本体部21の前端から前方に延びる左右1対の外側フレーム部22と、これら外側フレーム部22の間において本体部21の前端から前方に延びる内側フレーム部23と、先端刃24と、左右1対の外側切断刃25と、左右1対の内側切断刃26と、左右1対の中間刃27等を備えている。
【0024】
本体部21は、前端側部分が連結軸11によってアーム7の前端部分に固定され、後端部分が連結部材17によってアーム7の途中部分に締結されている。
連結部材17は、軸部17aと、ブラケット17bと、左右1対のねじ部17cと、これらねじ部17cに夫々螺合可能な左右1対のナット17dと、ブラケット17bと協働してアーム7を挟持可能な受部17e等により形成されている。
【0025】
図2図4に示すように、軸部17aは、左右両端部分に上下方向に貫通する左右1対のボルト穴を有し、本体部21の後端部分と受部17eに挿通されている。ブラケット17bは、受部17eとの間にアーム7を挟み込むと共にアーム7の上部に装着可能な略U字状に形成されている。左右1対のねじ部17cの上部はブラケット17bの左右端部に固着され、これらねじ部17cの下端側部分は左右1対のボルト穴に夫々挿通されている。
それ故、左右1対のナット17dをねじ部17cに締結することにより、ブラケット17bと受部17eとの上下方向の間隔を調節することができ、本体部21の後端部分をアーム7の前端側部分に締結固定している。
【0026】
先端刃24は、略板状に形成され、左右1対の外側フレーム部22と内側フレーム部23の前端を夫々連結するように左右方向に延設されている。
左右1対の外側切断刃25と左右1対の内側切断刃26は、各々が略平行状に左右に隣り合うように配置され、向かい合う外側切断刃25と内側切断刃26との間には、上下方向に貫通した左右1対の矩形状の貫通空間Sが夫々形成されている。
左右1対の外側切断刃25は、外側フレーム部22の貫通空間S側壁部に前端から後端側部分に亙って夫々配設されている。左右1対の内側切断刃26は、内側フレーム部23の左右の側壁部に前端から後端側部分に亙って夫々配設されている。これにより、外側切断刃25及び内側切断刃26の前端は、先端刃24に連なっている。
【0027】
図3図6に示すように、左右1対の中間刃27は、左右1対の外側切断刃25の前後方向中間部と左右1対の内側切断刃26の前後方向中間部との間を連結するように夫々配設されている。図5図6に示すように、中間刃27は、装着部27aと、この装着部27aの上部に形成された刃部27bとを備えている。断面略楔状の刃部27bは、装着部27aの左右両端部分を除いて形成され、その上下長は外側切断刃25及び内側切断刃26の上下長と略同じ寸法に形成されている。
【0028】
図6に示すように、中間刃27を固定フレーム20から取り外す場合、外側切断刃25と内側切断刃26を外側フレーム部22と内側フレーム部23から取り外した後、中間刃27を固定フレーム20から取り外す。
また、中間刃27を固定フレーム20に装着する場合、外側フレーム部22の凹部22aとこれに対向する内側フレーム部23の凹部23aとに中間刃27を嵌装した後、中間刃27の装着部27aの左右の上部を上方から押え込むように外側切断刃25と内側切断刃26とを外側フレーム部22と内側フレーム部23とに夫々固定する。
【0029】
次に、可動フレーム30について説明する。
図2図5に示すように、可動フレーム30は、左右1対の貫通空間Sに夫々対応した左右1対の本体部31と、これら本体部31を連結する連結部32と、1対の本体部31の前端部に夫々配設された左右1対の前側切断刃33(第1可動切断刃)と、1対の本体部31の途中部に夫々配設された左右1対の後側切断刃34(第2可動切断刃)等を備えている。
【0030】
左右1対の本体部31は、側面視にて略三角形状に夫々形成され、それらの後端部が連結ピン12を介してHリンク15の前端部に回動可能に連結され、それらの下端部が回動軸18(枢支軸)を介して本体部21の連結軸11の枢支位置よりも前側部分に回動可能に連結されている。図5に示すように、バケットシリンダ10のピストンロッドが伸長したとき、これら1対の本体部31は左右1対の貫通空間Sに微小間隔離隔して夫々対向するように構成されている。
連結部32は、連結ピン12の枢支位置よりも前側部分で左右1対の本体部31を一体的に連結している。
【0031】
図4に示すように、左右1対の前側切断刃33は、左右1対の本体部31の前端側下面に複数のボルトを介して着脱可能なブロック体によって夫々形成されている。
各前側切断刃33は、バケットシリンダ10のピストンロッドが伸長したとき、先端刃24と摺接可能な横刃部33aと、この横刃部33aから後方に伸びると共に左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26と夫々摺接可能な左右1対の縦刃部33bとが一体形成されている。これら縦刃部33bは、後側部分の上下幅が前側部分の上下幅よりも小さくなるように形成されている。
【0032】
左右1対の後側切断刃34は、前側切断刃33と同じ構造に構成され、左右1対の前側切断刃33の後端部に夫々当接されると共に左右1対の本体部31の下面に複数のボルトを介して着脱可能なブロック体によって夫々形成されている。
各後側切断刃34は、バケットシリンダ10のピストンロッドが伸長したとき、中間刃27と摺接可能な横刃部34aと、この横刃部34aから後方に伸びると共に左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26と夫々摺接可能な左右1対の縦刃部34bとが一体形成されている。これら縦刃部34bは、後側部分の上下幅が前側部分の上下幅よりも小さくなるように形成されている。
【0033】
以上により、中間刃27を左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26の前後方向中間部に装着すると共に横刃部34aが前側位置に配置された状態で後側切断刃34を本体部31に装着することにより、切断片の前後方向幅が小さい、所謂細分化された第1切断態様に切替えることができる。
このとき、前側の切断片の前後幅は、横刃部33aと横刃部34aとの前後方向の離隔距離(前側切断刃33の前後長)によって制限され、左右幅は、左右に隣り合う外側切断刃25と内側切断刃26との左右方向の離隔距離によって制限されている。
後側の切断片の前後幅は、特に制限されないが、左右幅は、左右に隣り合う外側切断刃25と内側切断刃26との左右方向の離隔距離によって制限されている。
【0034】
また、図7に示すように、中間刃27を左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26の前後方向中間部から取り外すと共に横刃部34aが後側位置に配置された状態で後側切断刃34を本体部31に装着することにより、第1切断態様よりも切断片の前後幅が大きい第2切断態様に切替えることができる。
このとき、前側の切断片の前後幅は、横刃部33aと横刃部34aとの前後方向の離隔距離(前側切断刃33と後側切断刃34の前後長の和)によって制限され、左右方向幅は、左右に隣り合う外側切断刃25と内側切断刃26との左右方向の離隔距離によって制限されている。
【0035】
次に、切断装置Cの作用・効果について説明する。
この切断装置Cによれば、左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26の前後方向途中部に対応した位置に着脱自在な中間刃27であって、左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26を左右方向に連結する中間刃と、中間刃27と摺接させて切断対象物Oを切断可能な後側切断刃34とを設けたため、切断片の左右幅に加えて前後幅を制限することにより可動フレーム30の開閉駆動回数を低減することができ、切断片の寸法を所望の長さに細分化することができる。
また、切断片の前後幅を中間刃27の着脱によって変更することができるため、作業性を向上することができる。
【0036】
後側切断刃34は中間刃27と協働する横刃部34aを有すると共に可動フレーム30に対して着脱自在に形成され、中間刃27を固定フレーム20から取り外したとき、横刃部34aが前後逆の状態に装着されている。
この構成によれば、後工程からの要求に応じて、中間刃27と協働して切断片の前後幅を制限する第1切断態様と、この第1切断態様よりも切断片の前後幅が大きい第2切断態様とに切替えることができ、更に作業性向上を図ることができる。
【0037】
後側切断刃34が、横刃部34aと左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26と摺接可能な1対の縦刃部34bとを備えたブロック体に形成されているため、部品点数を減少でき、着脱作業や状態変更作業等の作業性を向上することができる。
前側切断刃33が、先端刃24と協働する横刃部33aと左右に隣り合う外側切断刃25及び内側切断刃26と摺接可能な1対の縦刃部33bとを備えたブロック体に形成されているため、部品点数を減少でき、着脱作業等の作業性を向上することができる。
【0038】
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、部品の互換性を高めるため、前側切断刃と後側切断刃とを同じ構造のブロック体で構成した例を説明したが、仕様条件に応じて前側切断刃と後側切断刃とを夫々異なる構造にしても良い。
また、前側切断刃及び後側切断刃の縦刃部の上下幅が、前側部分よりも後側部分が小さい例を説明したが、両切断刃の構造は任意に選択可能であり、略直方体状のブロック体で構成しても良く、横刃部と縦刃部とを分割形成しても良い。
【0039】
2〕前記実施形態においては、切断性能を高めるため、左右1対の貫通空間を形成する固定フレームと、左右1対の本体部を備える可動フレームとからなる切断装置の例を説明したが、単一の貫通空間を形成する固定フレームと、単一本体部を備える可動フレームとからなる切断装置でも良い。また、3つ以上の貫通空間を形成する固定フレームと、3つ以上の本体部を備える可動フレームとからなる切断装置も可能である。
【0040】
3〕前記実施形態においては、貫通空間を前後に仕切る単一の中間刃の例を説明したが、貫通空間を前後方向に3以上に仕切るため、対応する貫通空間に中間刃を複数設けても良い。この場合、中間刃と同数の後側切断刃を用意する。
【0041】
4〕前記実施形態においては、固定フレームを連結部材を介してアーム先端に固定し、バケットシリンダを用いて可動フレームを搖動させる例を説明したが、バケットシリンダを用いて固定フレームをアーム先端回りに回動可能に形成し、可動フレームを搖動させる専用の駆動シリンダを設けても良い。
【0042】
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【符号の説明】
【0043】
C 切断装置
1 油圧ショベル
7 アーム
18 回動軸
20 固定フレーム
24 先端刃
25 外側切断刃
26 内側切断刃
27 中間刃
30 可動フレーム
33 前側切断刃
33a 横刃部
33b 縦刃部
34 後側切断刃
34a 横刃部
34b 縦刃部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7