(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-25619(P2017-25619A)
(43)【公開日】2017年2月2日
(54)【発明の名称】折戸用金具
(51)【国際特許分類】
E05D 15/26 20060101AFI20170113BHJP
E06B 3/48 20060101ALI20170113BHJP
【FI】
E05D15/26
E06B3/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-146395(P2015-146395)
(22)【出願日】2015年7月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000137959
【氏名又は名称】株式会社ムラコシ精工
(74)【代理人】
【識別番号】100104857
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】菊地 健
【テーマコード(参考)】
2E015
2E034
【Fターム(参考)】
2E015AA01
2E015BA01
2E015BA07
2E015DA02
2E015FA01
2E034JA01
2E034JB01
(57)【要約】
【課題】折戸の開閉時に当該折戸が前後方向にがたついたり、或いは傾いたりするのを軽減し、且つ、ガイドローラーが回転不能、即ち、折戸がロッキング状態にならないようにする。
【解決手段】同図(B)の場合のガイドローラー11は、その凹状に湾曲された外周部位11aの比較的上方位置に、開口部13の開口端14が突き当った状態で接して動作しているが、同図(A)の場合には、ガイドローラー11は、これに突き当った状態で接しながら支軸12の同図中の矢印方向に下降移動し、その外周部位11aの最上方位置11a
1近くに、開口部13の開口端14が突き当った状態で接して動作するようになる一方、同図(C)の場合には、ガイドローラー11は、これに突き当った状態で接しながら支軸12の同図中の矢印方向に上昇移動し、外周部位11aの最底位置11a
2近くに、開口部13の開口端14が突き当った状態で接して動作するようになる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具や建具の折戸を開閉するときに当該家具や建具に配設されたレールに沿って走行する、タンデム状に配列された一対のメインローラーと、この一対のメインローラーのそれぞれ外側に位置するとともに、この一対のメインローラー間の中央に位置して当該メインローラーの主軸に垂直な支軸に軸着され、且つ、前記レールの開口部の空間内に配置されるガイドローラーとを備えた前記折戸に取り付けられる金具において、
前記ガイドローラーは、前記開口部の空間内に配置される当該ガイドローラーの外周部位が凹状に湾曲して成形され、この外周部位に前記開口部の開口端が常時突き当った状態で接しながら前記支軸の軸方向に進退移動可能且つ回転可能なように取り付けられてなることを特徴とする折戸用金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具や建具などの折戸をスムーズに開閉すべく当該折戸に取り付けられる折戸用金具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家具や建具などの折戸をスムーズに開閉すべく当該折戸に取り付けられ、当該家具や建具などに配設されたレールに沿って走行するメインローラー及びガイドローラーを備えてなる折戸用金具は、従来からある(特許文献1)。
例えば
図6に示すように、特許文献1のランナ走行構造においては、ランナ本体100がブロック部101に走行車輪102(メインローラー)、ガイド車輪103(ガイドローラー)を支承してなるもので、このうちガイド車輪103は、車輪本体103aと、車輪本体103aに抜止め連結した車軸103bと、車軸103bとブロック部101の肉薄部101bとの間に介装された座金103cとからなり、ブロック部101のガイド車輪支承孔101eに車軸103bを抜止め挿通して支承されている。そして、ランナ本体100の走行において、ガイド車輪103がレール200の開口端面200aを走行するので、これによっても走行体300(吊戸)の振れが防止される、とするものである。
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1のランナ走行構造において、「ガイド車輪103がレール200の開口端面200aを走行するので、これによっても走行体300(吊戸)の振れが防止される」とされているが、ガイド車輪103とレール200の開口端面200aとの間にクリアランスとして隙間Sが設定されている構造となっており(
図6(B))、このため吊戸(本願の折戸に相当)の振れ防止としては、十分とは言い難い。けだし、クリアランスとしての隙間Sの分に応じて、吊戸の開閉時に当該吊戸が前後方向(例えば
図5の「前」及び「後」で表示した方向)にがたついたり、或いは傾いたりし易くなってしまうからであり、場合によっては、クリアランスとして隙間Sが設けられているためガイド車輪103が傾斜した状態でレール200の開口端面200aに強く突き当った状態、所謂かじりが生じた状態となって、ガイド車輪103が回転不能になってしまい、その結果折戸がロッキングの状態になることがある。
【特許文献1】特開平8−82151(第3頁、
図1,4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、レールの開口部に折戸用金具のガイドローラーを配置する場合、レールの開口部の開口端とガイドローラーとの間に隙間が生じない構造にして、折戸の開閉時に当該折戸が前後方向にがたついたり、或いは傾いたりするのを軽減し、且つ、隙間が生じない構造にしてもガイドローラーが回転不能になったりせず、ひいては折戸がロッキング状態になったりしないようにする点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る折戸用金具は、家具や建具の折戸を開閉するときに当該家具や建具に配設されたレールに沿って走行する、タンデム状に配列された一対のメインローラーと、この一対のメインローラーのそれぞれ外側に位置するとともに、この一対のメインローラー間の中央に位置して当該メインローラーの主軸に垂直な支軸に軸着され、且つ、前記レールの開口部の空間内に配置されるガイドローラーとを備えた前記折戸に取り付けられる金具において、前記ガイドローラーは、前記開口部の空間内に配置される当該ガイドローラーの外周部位が凹状に湾曲して成形され、この外周部位に前記開口部の開口端が常時突き当った状態で接しながら前記支軸の軸方向に進退移動可能且つ回転可能なように取り付けられるようにしており、したがって、レールの開口部の開口端とガイドローラーとの間に隙間が生じないので、即ち、クリアランスが設けられていないので、折戸の開閉時に当該折戸が前後方向にがたついたり、或いは傾いたりするのが軽減され、また、クリアランスが設けられていなくてもガイドローラーが支軸の軸方向に進退移動可能なように取り付けられるので、かじりが発生してガイドローラーが回転不能になることはなく、結果として折戸がロッキングの状態にならないようにすることができる。
ところで、ガイドローラーの外周部位については、当該部位を凹状に湾曲して成形されたものが最適と考えられるが、この湾曲に成形されたところを直線状に傾斜させたものであっても同様の作用・効果が得られる場合がある。
【発明の効果】
【0006】
本発明の折戸用金具は、折戸の開閉時に当該折戸が前後方向にがたついたり、或いは傾いたりするのが軽減され、加えて、ガイドローラーが回転不能になることがなく、折戸をロッキング状態にならないようにする利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の実施の形態に係る折戸用金具を
図1〜5を参照して説明する。
本実施の形態に係る折戸用金具1は、
図1に示すような建具2の、この例では扉を構成する折戸3,4のうちの折戸3の裏面3a側で、扉の戸先側に位置する最上端の右端に取り付けられる。即ち、板状の上枠2a、側枠2b,2c、及び下枠(但し、下枠は省略されている)などで外枠を構成し、これら外枠で構成される矩形体の前方側に折戸3,4を配置してなる建具2に対し、これら折戸3,4に開閉動作をさせる(例えば
図1(B)に示すように、折戸3を同図中の矢印方向に移動させて折戸4に重ね合わせる開動作をさせる)ために、本折戸用金具1の下記メインローラー9及びガイドローラー11を上枠2aに配設されたレール5に走行可能に配置するとともに、吊りヒンジ20(
図2,3)を介して本折戸用金具1を、上述のように折戸3の裏面3aで、扉の戸先側に位置する最上端の右端に取り付けてなるものである。但し、符号21は、周知の所謂スライドヒンジであり、側枠2c及び折戸4の上下端寄りの位置に対をなして、且つ、側枠2cと折戸4とに架け渡される態様で取り付けられ、建具2における折戸4の回転を可能にするものである。
【0008】
本折戸用金具1の構成を
図2,3を参照して説明する。
本折戸用金具1は、メインローラー9やガイドローラー11が装着されたローラーホルダー6と、このローラーホルダー6との間で相対移動可能に取り付けられる吊りヒンジホルダー7と、この吊りヒンジホルダー7の挿通孔7a
1を下方から挿通してローラーホルダー6のネジ孔6a
1に螺着される連結ボルト8とで構成され、ローラーホルダー6に装着されたメインローラー9及びガイドローラー11がレール5に配置されたときには、このローラーホルダー6に対して吊りヒンジホルダー7が、連結ボルト8の軸方向に沿って進退することになる。
このような構成の本折戸用金具においては、上述したようにメインローラー9及びガイドローラー11がレール5に配置される一方、吊りヒンジホルダー7に吊りヒンジ20を取り付け、この吊りヒンジ20を、折戸3の裏面3aで、扉の戸先側に位置する最上端の右端に取り付けて使用される(
図1及び
図2(A)参照)。尚、前記スライドヒンジ21を側枠2b側に取り付け、本折戸用金具を最上端の左端に取り付けて使用することも可能であることはもちろんである。
【0009】
上記ローラーホルダー6は、比較的肉薄の略直方体形状の基部6aと、この基部6aの長手方向に沿う両端にそれぞれ突設される一対の腕部6bと、この基部6aの下面の両端寄りのところからそれぞれ突設されてなる一対の脚部6cとで構成され、上記基部6aには、その中央に螺刻された上記ネジ孔6a
1を隔てて当該基部6aの両端(即ち、腕部6bに近接する位置のところ)に上記ネジ孔6a
1の孔軸に対して垂直に軸孔6a
2がそれぞれ設けられ、この軸孔6a
2に一対のメインローラー9が軸着された主軸10がそれぞれ圧入されており、これにより、これら一対のメインローラー9はレール5の走行路5aにタンデム状に配列されることになる(例えば
図2(A)参照)。
【0010】
上記基部6aの両端の腕部6bは、基部6aと同一の肉厚で小寸の略直方体形状をなし、これら腕部6bの略中央には、上記ネジ孔6a
1の孔軸に平行に軸孔6b
1がそれぞれ設けられ、換言すれば、これら一対のメインローラー9のそれぞれ外側に位置するとともに、この一対のメインローラー9間の中央に位置して当該メインローラー9の主軸10に垂直をなす軸孔6b
1がそれぞれ設けられ、これら軸孔6b
1にガイドローラー11が軸着された支軸12がそれぞれ圧入される。そして、このガイドローラー11は、レール5の走行路5a間に形成される開口部13の空間内に配置される(
図2(A)参照)。
【0011】
そして、このようなガイドローラー11は、
図2,3や、詳細には
図4に示すように、レール5の開口部13の空間内に配置される当該ガイドローラー11の外周部位11aが凹状に湾曲して成形され、この外周部位11aに開口部13の開口端14(本実施の形態では、当該開口端14は、レール5の長手方向に垂直な断面で視たときに、丸みを帯びた湾曲形状をなしている。)が常時突き当った状態で取り付けられ、しかも、これに突き当った状態で接しながら支軸12の軸方向に進退移動可能且つ回転可能なように取り付けられている。
【0012】
上記脚部6cは、上述のように、基部6aの下面の両端寄りのところからそれぞれ突設された一対の薄平な棒状部材で、当該脚部6cが吊りヒンジホルダー7の下記挿通溝7a
2にそれぞれ進退移動するようになっている。そのため、上述のように、ローラーホルダー6と吊りヒンジホルダー7との間で上下方向のみに相対移動が可能になる。
【0013】
また、吊りヒンジホルダー7は、外観視略肘掛台のような形状をなす部材で、上記ローラーホルダー6の長手方向に長寸な略直方体形状の上部台座7aと、この上部台座7aの下面中央で、且つ、当該上部台座7aの長手方向に垂直に連設される薄平な略直方体形状の台座連結体7bと、この台座連結体7bに連設され、且つ、上部台座7aの長手方向と同一方向を向いて開口する一対の略V字状溝7c
1がそれぞれ設けられた薄平な板状の下部台座7cとで構成され、この吊りヒンジホルダー7の中心には、上述したように、連結ボルト8の挿通孔7a
1が、上部台座7a、台座連結体7b及び下部台座7cを貫通する態様で設けられている(
図3では、上部台座7aの挿通孔7a
1のみが描かれている)。
そして、上部台座7aには、挿通孔7a
1を隔てて等距離の位置に一対の摺動孔7a
2が設けられ、この摺動孔7a
2には、上述したように、ローラーホルダー6の脚部6cが進退移動するようになっているため、吊りヒンジホルダー7は当該ローラーホルダー6との間で上下方向にのみ相対移動可能になっている。
【0014】
また、上部台座7aと下部台座7c及びこれらの間の台座連結体7bとで形成される略コ字状溝に吊りヒンジ20の取付アーム部20aを挿入しておき、この取付アーム20aを台座連結体7bに設けられたネジ孔7b
1にネジ22を螺着して固定することにより、本折戸用金具1に吊りヒンジ20が取り付けられる。そして、この吊りヒンジ20の取付プレート20bを、上述したように、折戸3の裏面3aで、扉の戸先側に位置する最上端の右端に取り付け(但し、このときメインローラー9及びガイドローラー11はレール5に配置される。)、例えば
図1(B)に示すように、折戸3を同図中の矢印方向に移動させて当該折戸3に開動作させると、メインローラー9等がレール5に沿って走行する一方、この走行に従ってこの吊りヒンジ20の取付アーム部20aに対し取付プレート20bが回転して当該取付アーム部20aと取付プレート20bとが相対角変位するので、上述の開動作が可能になるのである。
【0015】
次に、本折戸用金具1のガイドローラー11における動作説明を
図4,5を参照して説明する。
まず、ガイドローラー11が配置されるレール5の開口部13の空間が、例えばレール5の製造上のバラツキやレール5の組み付け誤差の原因等で広くなったり狭くなったりする場合があり、そのような場合のガイドローラー11の動作説明を
図4を参照して説明する。但し、
図4(A)は開口部13の空間が広くなった(対峙する開口端14間の距離が基準値より広くなった)場合、また、同図(C)は開口部13の空間が狭くなった(対峙する開口端14間の距離が基準値より狭くなった)場合であり、同図(B)は開口部13の空間が基準値通り(対峙する開口端14間の距離が基準値通り)の場合をそれぞれ示している。
【0016】
同図(B)の場合におけるガイドローラー11は、その凹状に湾曲された外周部位11aの比較的上方位置に、開口部13の開口端14が突き当った状態で接して動作しているが、同図(A)の場合になると、ガイドローラー11は、開口部13の開口端14に突き当った状態で接しながら支軸12の同図中の矢印方向に下降移動(軸方向に進退移動)し、その外周部位11aの最上方位置11a
1近くに、開口部13の開口端14が突き当った状態で接して動作するようになる一方、同図(C)の場合になると、ガイドローラー11は、開口部13の開口端14に突き当った状態で接しながら支軸12の同図中の矢印方向に上昇移動(軸方向に進退移動)し、その外周部位11aの最底位置11a
2近くに、開口部13の開口端14が突き当った状態で接して動作するようになる。
【0017】
したがって、開口部13の空間が広くなったり狭くなったりしても、ガイドローラー11が開口部13の開口端14に常時突き当った状態で接しながら支軸12の軸方向に進退移動可能になるので、かじりが発生してガイドローラー11が回転不能になることはないし、また、ガイドローラー11と開口端14とが常時突き当ってこれらの間に隙間が生じないので、折戸3,4の開閉時に前後方向にがたついたり、或いは傾いたりするのが軽減されるとともに、メインローラー9のレール5に対する傾斜度合が抑えられ当該メインローラー9のスムーズな走行が保たれる。
【0018】
次に、折戸3,4を開閉しているときのガイドローラー11の動作説明を
図5を参照して説明する。但し、
図5(A)〜(D)中の、例えば
図5(A)において、上図は折戸3,4の動作説明図で、このときの本折戸用金具1のガイドローラー11の動作説明図が下図である。尚、同図中、「前」とは折戸3,4の前方側を、また、「後」とは折戸3,4の後方側を表わしている。
【0019】
まず、
図5(A)に示すように、折戸3,4が閉じられているときには、ガイドローラー11は、その凹状に湾曲された外周部位11aの比較的上方位置に、開口部13の開口端14が突き当った状態で接している。この状態から折戸3に対し開方向に力B2を作用させて同図(B)の状態にしたときには、この力B2により「前」方向のモーメントB1が発生する一方、これに抗して、折戸3を開いたことによる「後」方向の折戸3,4から自重のモーメントC1が作用するので、結果としてガイドローラー11は、同図に示すように、僅かな角度P1だけ傾いた状態になる(このとき、メインローラー9及びこれを装着したローラーホルダー6も同量傾くが、当該ガイドローラー11の外周部位11aに開口部13の開口端14が常時突き当っていてこれらの間に隙間が生じないため、従来の傾き量より小さい)。この傾いた状態への移行は、ガイドローラー11の外周部位11aに開口端14が常時突き当った状態で接しながら回転しつつ支軸12の軸方向に移動してなされ、開口端14の一方が外周部位11aの最底位置11a
2付近で、また、開口端14の他方が外周部位11aの最上方位置11a
1寄りのところで接するようになる。更に、折戸3を「前」方向に引いて同図(C)の状態、即ち、折戸3,4を全開した状態にしたときには、折戸3,4からの自重のモーメントC1のみが作用しているので、ガイドローラー11は、同図に示すように、角度P2(>P1)だけ傾いた状態になる。この傾いた状態への移行は、同様にその外周部位11aに開口端14が常時突き当った状態で接しながら回転しつつ支軸12の軸方向に移動してなされ、開口端14の一方が外周部位11aの比較的上方位置で、また、開口端14の他方が外周部位11aの最上方位置11a
1近くで接するようになる。そして、全開状態から折戸3に対し閉方向に引く力D2を作用させて同図(D)の状態、即ち、折戸3,4を閉じ始めた状態のときには、この力D2により、「後」方向のモーメントD1が発生するとともに、折戸3を開いたことによる「後」方向の折戸3,4からの自重のモーメントC1と合わさって作用するので、結果としてガイドローラー11は、同図に示すように、最大角度P3(>P2)だけ傾いた状態になる。この傾いた状態への移行は、同様にその外周部位11aに開口端14が常時突き当った状態で接しながら回転しつつ支軸12の軸方向に移動してなされ、開口端14の一方が外周部位11aの最底位置11a
2寄りのところで、また、開口端14の他方が外周部位11aの最上方位置11a
1で接するようになる。
【0020】
このようにガイドローラー11の、
図5(A)〜(D)の動作は、当該ガイドローラー11が開口端14に常時突き当った状態で接しながら回転しつつ支軸12の軸方向に進退移動して行われるので、かじりが発生して当該ガイドローラー11が回転不能になり、折戸がロッキング状態になるようなことはない。
また、折戸3,4を開閉しているときも、ガイドローラー11と開口部13の開口端14とが常時突き当っていてこれらの間に隙間が生じないので、この折戸3,4の開閉時に前後方向にがたついたり、或いは傾いたりするのが軽減されるとともに、メインローラー9のレール5に対する傾斜度合が抑えられ当該メインローラー9のスムーズな走行が保たれる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の折戸用金具は、ガイドローラーの外周部位を凹状に湾曲して成形し、ガイドローラーがその外周部位にレールの開口部の開口端が常時突き当った状態で接しながら支軸の軸方向に進退移動可能且つ回転可能なように取り付けられており、このため折戸の開閉時に当該折戸が前後方向にがたついたり、或いは傾いたりするのが軽減され、また、かじりが発生してガイドローラーが回転不能になり、その結果折戸がロッキング状態になってしまうようなことはなく既存の折戸用金具に比べ利用価値の高いものと言える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施の形態に係る折戸用金具が折戸に取り付けられた建具の概略斜視図及び折戸の開閉に伴うこの折戸用金具の動作説明図である。
【
図4】
図1の折戸用金具のガイドローラーの動作説明図である。
【
図5】
図1の折戸用金具のガイドローラーの動作を説明するための模式図である。
【
図6】従来のランナ走行構造の外観斜視図及びその一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 折戸用金具
2 建具
3,4 折戸
5 レール
9 メインローラー
10 主軸
11 ガイドローラー
11a 外周部位
12 支軸
13 (レールの)開口部
14 (開口部の)開口端