【解決手段】 半導体装置が、第1及び第2外部接続端子に接続された第1レシーバと、第3及び第4外部接続端子に接続された第2レシーバと、第5及び第6外部接続端子に接続された第3レシーバと、C−PHYブロックと、D−PHYブロックと、主処理部とを具備する。C−PHYブロックは、第1乃至第3レシーバから受け取った信号に対してMIPI C−PHYの規格に従った信号処理を行って第1受信データを出力するように構成されている。D−PHYブロックは、第1乃至第3レシーバから受け取った信号に対してMIPI D−PHYの規格に従った信号処理を行って第2受信データを出力するように構成されている。主処理部は、第1受信データと第2受信データとを選択的に受け取って所望の処理を行うように構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、本発明の様々な実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は対応する構成要素は、同一又は対応する参照符号で参照され得ることに留意されたい。また、添付図面においては、発明の理解を容易にするために、部材の寸法が実際の寸法の比率とは異なる比率で図示されることがあることにも留意されたい。
【0020】
(全体構成と動作)
図1は、本発明の一実施形態における表示モジュール10の構成を示す概念図である。表示モジュール10は、液晶表示パネル1と、ドライバIC2と、フレキシブル配線基板3とを備えている。液晶表示パネル1は、画像が表示される表示領域4を備えており、表示領域4には、画素と、ゲート線(走査線、ディジット線とも呼ばれる)及びソース線(信号線、データ線とも呼ばれる)が設けられている。
【0021】
ドライバIC2は、液晶表示パネル1の駆動に用いられる半導体装置である。より具体的には、ドライバIC2は、液晶表示パネル1のソース線を駆動する。加えて、ドライバIC2は、液晶表示パネル1にゲート線を駆動するゲート線駆動回路(GIP(gate in panel)回路と呼ばれる)が集積化される場合には、該ゲート線駆動回路を制御する制御信号を供給する。液晶表示パネル1に該ゲート線駆動回路が集積化されない場合には、ドライバIC2は、ゲート線を駆動するように形成されていてもよい。ドライバIC2は、例えば、液晶表示パネル1にCOG(chip on glass)技術のような表面実装技術によって搭載される。
【0022】
フレキシブル配線基板3は、ホスト(図示されない)とドライバIC2との間の通信に用いられる配線を備えている。後述のように、ドライバIC2の外部接続端子は、液晶表示パネル1のガラス基板の上に形成された配線を介してフレキシブル配線基板3に集積化された配線に接続されている。
【0023】
図2は、ドライバIC2の構成を示すブロック図である。ドライバIC2は、外部接続端子21
1〜21
6と、終端抵抗回路22と、レシーバ23
1〜23
3と、C−PHYブロック24と、D−PHYブロック25と、セレクタ26と、論理ブロック27と、駆動ブロック28とを備えている。
【0024】
外部接続端子21
1〜21
6は、ホストとの通信において、ホストから送られた信号をドライバIC2に入力するために用いられる端子である。本実施形態では、COG技術によって外部接続端子21
1〜21
6のそれぞれは、パッドとバンプとで構成される。外部接続端子21
1〜21
6は、それぞれ、液晶表示パネル1のガラス基板上に形成された配線11
1〜11
6に接続されている。ここで、配線11
1〜11
6は、それぞれ、フレキシブル配線基板3の配線に接続される接続端子12
1〜12
6に接続されており、よって、外部接続端子21
1〜21
6は、配線11
1〜11
6及び接続端子12
1〜12
6を介してフレキシブル配線基板3の配線に接続されることになる。
【0025】
終端抵抗回路22は、外部接続端子21
1〜21
6のそれぞれに必要な終端抵抗を提供する。
図2では、終端抵抗回路22の構成は簡略化して図示されており、終端抵抗回路22の構成の詳細は後述する。
【0026】
レシーバ23
1、23
2、23
3は、ホストから送られた信号を受け取る。
図2の構成では、レシーバ23
1、23
2、23
3は、それぞれ、正転入力(+)と反転入力(−)とを備えた差動アンプとして構成されており、その正転入力、反転入力に入力された差動信号をシングルエンド信号に変換する。レシーバ23
1の正転入力は、外部接続端子21
1に接続され、反転入力は、外部接続端子21
2に接続されている。同様に、レシーバ23
2の正転入力は、外部接続端子21
3に接続され、反転入力は、外部接続端子21
4に接続されており、また、レシーバ23
3の正転入力は、外部接続端子21
5に接続され、反転入力は、外部接続端子21
6に接続されている。
【0027】
C−PHYブロック24は、レシーバ23
1、23
2、23
3から出力される信号に対してMIPI C−PHYに規定された信号処理を行ってホストから送られてくる各種のデータ(例えば、制御データ及び画像データ)を取り出す。詳細には、C−PHYブロック24は、クロック再生回路31と、フリップフロップ32、33、34と、デシリアライザ35と、C−PHYプロトコル処理回路36とを備えている。
【0028】
クロック再生回路31は、レシーバ23
1、23
2、23
3から出力される信号に対してクロック再生を行ってクロック信号CLK1を生成する。フリップフロップ32、33、34は、レシーバ23
1、23
2、23
3から出力される信号をラッチするラッチ回路を構成しており、フリップフロップ32、33、34は、それぞれ、レシーバ23
1、23
2、23
3から出力される信号をクロック信号CLK1に同期してラッチすることでデータ列を生成する。デシリアライザ35とC−PHYプロトコル処理回路36とは、フリップフロップ32、33、34から出力されるデータ列から受信データを取り出すデータ処理部を構成している。詳細には、デシリアライザ35は、フリップフロップ32、33、34から出力されるデータ列をデシリアライズ(deserialize)する。C−PHYプロトコル処理回路36は、デシリアライザ35から出力されるデータに対してMIPI C−PHYに従ったデータ処理を行い、所望の受信データ(例えば、制御データ及び画像データ)を取り出す。以下では、上述のように構成されたC−PHYブロック24によって得られる受信データ(即ち、C−PHYプロトコル処理回路36から出力される受信データ)を、受信データD
C−PHYと記載することがある。
【0029】
D−PHYブロック25は、レシーバ23
1、23
2、23
3から出力される信号に対してMIPI D−PHYに規定された信号処理を行ってホストから送られてくる各種のデータ(例えば、制御データ及び画像データ)を取り出す。詳細には、D−PHYブロック25は、フリップフロップ41、42と、デシリアライザ44と、D−PHYプロトコル処理回路45とを備えている。
【0030】
D−PHYブロック25は、レシーバ23
3から出力される信号をクロック信号CLK2として用いてレシーバ23
1、23
2から出力される信号をラッチするように構成されている。フリップフロップ41、42は、レシーバ23
1、23
2から出力される信号をラッチするラッチ部を構成しており、フリップフロップ41、42は、それぞれ、レシーバ23
1、23
2から出力される信号をクロック信号CLK2(即ち、レシーバ23
3から出力される信号)に同期してラッチすることでデータ列を生成する。デシリアライザ44とD−PHYプロトコル処理回路45とは、フリップフロップ41、42から出力されるデータ列から受信データを取り出す処理部を構成している。詳細には、デシリアライザ44は、フリップフロップ41、42から出力されるデータ列をデシリアライズする。D−PHYプロトコル処理回路45は、デシリアライザ44から出力されるデータに対してMIPI D−PHYに従ったデータ処理を行い、所望の受信データ(例えば、制御データ及び画像データ)を取り出す。以下では、上述のように構成されたD−PHYブロック25によって得られる受信データ(即ち、D−PHYプロトコル処理回路45から出力される受信データ)を、受信データD
D−PHYと記載することがある。
【0031】
セレクタ26は、C−PHYブロック24とD−PHYブロック25のうちの一方を選択し、選択したブロックから受け取った受信データを論理ブロック27に転送する。C−PHYブロック24が選択される場合、セレクタ26は、C−PHYブロック24から受け取った受信データD
C−PHYを論理ブロック27に転送し、D−PHYブロック25が選択される場合、セレクタ26は、D−PHYブロック25から受け取った受信データD
D−PHYを論理ブロック27に転送する。
【0032】
論理ブロック27及び駆動ブロック28は、セレクタ26から受け取った受信データに対して所望の処理を行う主処理部として動作する。詳細には、論理ブロック27は、受信データに含まれている制御データに応じてドライバIC2の各回路の制御を行い、更に、画像データに対して所望の画像処理を行う。駆動ブロック28は、画像データ及び制御データに応じて液晶表示パネル1を駆動する。
【0033】
図2の構成のドライバIC2は、フレキシブル配線基板3の配線を変更することで、MIPI C−PHYによる通信、及び、MIPI D−PHYによる通信の両方に対応可能である。ここで、外部接続端子21
1〜21
6とレシーバ23
1〜23
3とが、MIPI C−PHYによる通信、及び、MIPI D−PHYによる通信の両方に兼用されていることに留意されたい。これは、回路規模の低減に有効である。
【0034】
図3Aは、
図2のドライバIC2をMIPI C−PHYによる通信が行われる表示モジュールに適用する場合の実施例を示している。フレキシブル配線基板3Aには、MIPI C−PHYによる通信に用いられる3本の伝送線51、52、53が設けられている。伝送線51、52、53は、それぞれ、トランスミッタ54、55、56から出力される信号を伝送する。伝送線51は、液晶表示パネル1に設けられた接続端子12
1、12
4に接続されている。また、伝送線52は、接続端子12
2、12
5に接続され、伝送線53は、接続端子12
3、12
6に接続されている。言い換えれば、伝送線51は、レシーバ23
1の正転入力(+)及びレシーバ23
2の反転入力(−)に接続され、伝送線52は、レシーバ23
1の反転入力及びレシーバ23
3の正転入力に接続され、伝送線53は、レシーバ23
2の正転入力及びレシーバ23
3の反転入力に接続される。このような接続によれば、伝送線51、52、53で伝送される3値信号を、レシーバ23
1〜23
3を用いて2値のシングルエンド信号に変換することができる。
【0035】
更に、クロック再生回路31によるクロック再生で生成されたクロック信号CLK1に同期してレシーバ23
1〜23
3から出力されるシングルエンド信号がフリップフロップ32〜34によってラッチされ、フリップフロップ32〜34から出力されるデータ列が、デシリアライザ35、C−PHYプロトコル処理回路36によって処理されて受信データD
C−PHYが生成される。セレクタ26によってC−PHYブロック24が選択され、これにより、C−PHYブロック24によって生成された受信データD
C−PHYが論理ブロック27に供給される。このような動作により、MIPI C−PHYによる通信が実現される。
【0036】
図3Bは、
図2のドライバIC2をMIPI D−PHYによる通信が行われる表示モジュールに適用する場合の実施例を示している。フレキシブル配線基板3Bには、MIPI D−PHYによる通信に用いられる伝送線57
1〜57
6が設けられている。伝送線57
1〜57
6は、それぞれ、トランスミッタ58
1〜58
6が接続される。ここで、伝送線57
1、57
2は、データレーン#0として用いられ、伝送線57
3、57
4は、データレーン#1として用いられる。また、伝送線57
5、57
6は、クロックレーンとして用いられる。伝送線57
1〜57
6は、それぞれ、液晶表示パネル1の接続端子12
1〜12
6に接続される。言い換えれば、伝送線57
1は、レシーバ23
1の正転入力(+)に接続され、伝送線57
2は、レシーバ23
1の反転入力(−)に接続される。また、伝送線57
3は、レシーバ23
2の正転入力(+)に接続され、伝送線57
4は、レシーバ23
2の反転入力(−)に接続される。更に、伝送線57
5は、レシーバ23
3の正転入力(+)に接続され、伝送線57
6は、レシーバ23
3の反転入力(−)に接続される。
【0037】
このような接続では、伝送線57
5、57
6、即ち、クロックレーンで伝送された差動クロック信号がレシーバ23
3に入力され、レシーバ23
3により、シングルエンド信号であるクロック信号CLK2が生成される。加えて、伝送線57
1、57
2、即ち、データレーン#0で伝送された差動データ信号がレシーバ23
1に入力され、伝送線57
3、57
4、即ち、データレーン#1で伝送された差動データ信号がレシーバ23
2に入力される。データレーン#0、#1で伝送された差動データ信号は、レシーバ23
1、23
2により2値のシングルエンド信号に変換される。更に、レシーバ23
3によって生成されたクロック信号CLK2に同期してレシーバ23
1、23
2から出力されるシングルエンド信号がフリップフロップ41、42によってラッチされ、フリップフロップ41、42から出力されるデータ列が、デシリアライザ44、D−PHYプロトコル処理回路45によって処理されて受信データD
D−PHYが生成される。セレクタ26によってD−PHYブロック25が選択され、これにより、D−PHYブロック25によって生成された受信データD
D−PHYが論理ブロック27に供給される。このような動作により、MIPI D−PHYによる通信が実現される。
【0038】
なお、
図3Bには2つのデータレーンしか図示されていないが、ドライバIC2に追加のレシーバを設け、フレキシブル配線基板3Bに該レシーバに接続される追加の伝送線を設けることで、データレーンの数を増やすこともできる。MIPI D−PHYでは、最高で4本までのデータレーンが許容されていることは上述した通りである。
【0039】
図2の構成では、C−PHYブロック24、D−PHYブロック25の両方に接続されているレシーバ23
3がD−PHYブロック25で用いられるクロック信号CLK2の生成に用いられているが、クロック信号CLK2は、D−PHYブロック25のみに接続されているレシーバによって生成されてもよい。
【0040】
図4は、このような構成のドライバIC2の構成を示すブロック図である。
図4に図示されているドライバIC2の構成は、
図2に図示されている構成とほぼ同様である。ただし、
図4のドライバIC2では、レシーバ23
4が設けられる。レシーバ23
4は、正転入力(+)が外部接続端子21
7に接続され、反転入力(−)が外部接続端子21
8に接続される。液晶表示パネル1には、配線11
7、11
8と接続端子12
7、12
8が設けられ、外部接続端子21
7は、配線11
7を介して接続端子12
7に接続され、外部接続端子21
8は、配線11
8を介して接続端子12
8に接続される。更に、D−PHYブロック25にフリップフロップ43が設けられる。フリップフロップ41〜43は、レシーバ23
4から出力される信号をクロック信号CLK2として用いてレシーバ23
1〜23
3から出力される信号をラッチする。
【0041】
図5は、
図4の構成のドライバIC2をMIPI D−PHYによる通信が行われる表示モジュールに適用する場合の実施例を示している。フレキシブル配線基板3Bには、MIPI D−PHYによる通信に用いられる伝送線57
1〜57
6が設けられている。ここで、伝送線57
1、57
2は、データレーン#0として用いられ、伝送線57
3、57
4は、データレーン#1として用いられる。また、伝送線57
5、57
6は、データレーン#2として用いられ、伝送線57
7、57
8は、クロックレーンとして用いられる。伝送線57
1〜57
8は、それぞれ、液晶表示パネル1の接続端子12
1〜12
8に接続される。
【0042】
データレーン#0〜#2で伝送された差動データ信号は、それぞれ、レシーバ23
1〜23
3により2値のシングルエンド信号に変換される。更に、レシーバ23
4によって生成されたクロック信号CLK2に同期してレシーバ23
1〜23
3から出力されるシングルエンド信号がフリップフロップ41〜43によってラッチされ、フリップフロップ41〜43から出力されるデータ列が、デシリアライザ44、D−PHYプロトコル処理回路45によって処理されて受信データD
D−PHYが生成される。セレクタ26によってD−PHYブロック25が選択され、これにより、D−PHYブロック25によって生成された受信データD
D−PHYが論理ブロック27に供給される。このような動作により、MIPI D−PHYによる通信が実現される。
【0043】
なお、
図4の構成のドライバIC2がMIPI C−PHYによる通信を行う表示モジュールに適用される場合には、
図3Aと同様に、伝送線51が接続端子12
1、12
4に接続され、伝送線52が接続端子12
2、12
5に接続され、伝送線53が接続端子12
3、12
6に接続される。
【0044】
MIPI D−PHYによる通信においては、データレーンにおいて双方向通信が行われる場合があり、この場合には、データレーンに接続される外部接続端子にトランスミッタが接続される。
図6は、このような構成のドライバIC2の構成を部分的に示す図である。
図6のドライバIC2は、
図4に図示されているドライバIC2と同様に、MIPI D−PHYによる通信が行われる場合、レシーバ23
1〜23
3がデータレーンに接続され、レシーバ23
4がクロックレーンに接続される構成を有している。データレーンにおける双方向通信を行うために、外部接続端子21
1〜21
6には、それぞれ、トランスミッタ29
1〜29
6が接続されている。
【0045】
図6の構成のドライバIC2をMIPI C−PHYによる通信を行う表示モジュールに適用する場合、トランスミッタ29
1〜29
6のうちの3つを双方向通信のために用いてもよい。
図7Aは、
図6の構成のドライバIC2をMIPI C−PHYによる通信を行う表示モジュールに適用する実施例を図示している。伝送線51は、外部接続端子21
1、21
4に接続されており、外部接続端子21
1、21
4は、それぞれ、トランスミッタ29
1、29
4に接続されている。同様に、伝送線52は、外部接続端子21
2、21
5に接続されており、外部接続端子21
2、21
5は、それぞれ、トランスミッタ29
2、29
5に接続されている。更に、伝送線53は、外部接続端子21
3、21
6に接続されており、外部接続端子21
3、21
6は、それぞれ、トランスミッタ29
3、29
6に接続されている。MIPI C−PHYによる通信が行われる場合、トランスミッタ29
1、29
4のうちの一方が活性化され、トランスミッタ29
2、29
5のうちの一方が活性化され、トランスミッタ29
3、29
6のうちの一方が活性化される。活性化された3つのトランスミッタにより、ドライバIC2から外部に信号が送信される。
【0046】
一方、
図7Bは、
図6の構成のドライバIC2をMIPI D−PHYによる通信を行う表示モジュールに適用する実施例を図示している。伝送線57
1〜57
8は、それぞれ、外部接続端子21
1〜21
8に接続される。伝送線57
1、57
2は、データレーン#0として用いられ、伝送線57
3、57
4は、データレーン#1として用いられる。また、伝送線57
5、57
6は、データレーン#2として用いられ、伝送線57
7、57
8は、クロックレーンとして用いられる。MIPI D−PHYによる通信が行われる場合、トランスミッタ29
1〜29
6により、データレーン#0〜#2を介してドライバIC2から外部に信号が送信される。
【0047】
(終端抵抗回路の構成と動作)
上述されたドライバIC2をMIPI C−PHYによる通信が行われる表示モジュールとMIPI D−PHYによる通信が行われる表示モジュールの両方に用いる場合における一つの問題は、MIPI C−PHYにおいて推奨される終端抵抗の接続と、MIPI D−PHYにおいて推奨される終端抵抗の接続とが相違することである。MIPI C−PHYでは、各伝送線に50Ωの終端抵抗がY結線で接続されることが推奨され、MIPI D−PHYにおいては、各レーンの一対の伝送線が100Ωの終端抵抗で接続されることが推奨されている。外部接続端子21
1〜21
6に接続される終端抵抗回路22は、MIPI C−PHYにおける推奨とMIPI D−PHYにおける推奨の両方を満たすように構成されることが好ましい。以下では、終端抵抗回路22の好適な構成と動作について詳細に説明する。
【0048】
図8は、一実施形態における終端抵抗回路22の構成を示す回路図である。
図8の終端抵抗回路22は、抵抗素子61
1、61
3、61
5と、スイッチ62
1、62
3、62
5と、抵抗素子63
2、63
4、63
6と、スイッチ64
2、64
4、64
6と、キャパシタ65
1、65
2、65
3と、スイッチ66
1、66
3、66
5と、C−PHYキャパシタ67とを備えている。好適な一実施形態では、抵抗素子61
1、61
3、61
5、抵抗素子63
2、63
4、63
6の抵抗値は、いずれも、50Ωである。
【0049】
キャパシタ65
1、65
2、65
3は、それぞれ、共通接続ノードN
COM1、N
COM2、N
COM3と回路接地の間に接続されている。キャパシタ65
1、65
2、65
3により、共通接続ノードN
COM1、N
COM2、N
COM3は、交流的に接地されることになる。また、C−PHYキャパシタ67は、共通接続ノードN
COM4と回路接地の間に接続されている。C−PHYキャパシタ67により、共通接続ノードN
COM4は、交流的に接地されることになる。
【0050】
抵抗素子61
1は、外部接続端子21
1とノードN
1の間に接続されており、スイッチ62
1は、ノードN
1と共通接続ノードN
COM1の間に接続されている。更に、抵抗素子63
2とスイッチ64
2は、外部接続端子21
2と共通接続ノードN
COM1の間に直列に接続されている。抵抗素子61
3は、外部接続端子21
3とノードN
3の間に接続されており、スイッチ62
3は、ノードN
3と共通接続ノードN
COM2の間に接続されている。更に、抵抗素子63
4とスイッチ64
4は、外部接続端子21
4と共通接続ノードN
COM2の間に直列に接続されている。更に、抵抗素子61
5は、外部接続端子21
5とノードN
5の間に接続されており、スイッチ62
5は、ノードN
5と共通接続ノードN
COM3の間に接続されている。更に、抵抗素子63
6とスイッチ64
6は、外部接続端子21
6と共通接続ノードN
COM3の間に直列に接続されている。
【0051】
更に、スイッチ66
1、66
3、66
5は、それぞれ、ノードN
1、N
3、N
5と共通接続ノードN
COM4の間に接続されている。
【0052】
このような構成の終端抵抗回路22は、スイッチ62
1、62
3、62
5、スイッチ64
2、64
4、64
6、及び、スイッチ66
1、66
3、66
5のオンオフを適切に設定することにより、MIPI C−PHYにおいて推奨される終端抵抗の接続と、MIPI D−PHYにおいて推奨される終端抵抗の接続の両方に対応可能である。
【0053】
図9Aは、ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合における
図8に図示されている終端抵抗回路22の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合には、上述の通り、フレキシブル配線基板3Aに設けられた伝送線51が外部接続端子21
1、21
4に接続され、伝送線52が外部接続端子21
2、21
5に接続され、伝送線53が外部接続端子21
3、21
6に接続される。
【0054】
ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合、スイッチ66
1、66
3、66
5がオンされると共に、スイッチ62
1、62
3、62
5、スイッチ64
2、64
4、64
6がオフされる。このような設定によれば、抵抗素子61
1、61
3、61
5が共通接続ノードN
COM4に共通に接続される。即ち、抵抗素子61
1、61
3、61
5が、伝送線51、52、53にMIPI C−PHYにおいて推奨されるY結線によって接続されることになる。ここで、抵抗素子61
1、61
3、61
5の抵抗値が50Ωであれば、50Ωの終端抵抗がY結線によって接続され、MIPI C−PHYにおける推奨に適合するため、より好ましい。
【0055】
一方、
図9Bは、ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合の終端抵抗回路22の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合には、上述の通り、フレキシブル配線基板3Bに設けられた伝送線57
1〜57
6が、それぞれ外部接続端子21
1〜21
6に接続される。
【0056】
ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合、スイッチ62
1、62
3、62
5、スイッチ64
2、64
4、64
6がオンされると共に、スイッチ66
1、66
3、66
5がオフされる。このような設定によれば、外部接続端子21
1、21
2が抵抗素子61
1、63
2を介して接続され、外部接続端子21
3、21
4が抵抗素子61
3、63
4を介して接続され、外部接続端子21
5、21
6が抵抗素子61
5、63
6を介して接続される。即ち、伝送線57
1、57
2が抵抗素子61
1、63
2を介して接続され、伝送線57
3、57
4が抵抗素子61
3、63
4を介して接続され、伝送線57
5、57
6が抵抗素子61
5、63
6を介して接続される。このような接続は、MIPI D−PHYにおける推奨に沿ったものである。ここで、抵抗素子61
1、61
3、61
5、63
2、63
4、63
6の抵抗値がそれぞれ50Ωであれば、100Ωの終端抵抗が2つの外部接続端子21の間に接続されることになり、MIPI D−PHYにおける推奨に適合するため、より好ましい。ここで、抵抗素子61
1、61
3、61
5の抵抗値が50Ωであれば、MIPI C−PHYにおける推奨にも同時に適合することに留意されたい。
【0057】
図8の回路構成では、レシーバ23
1、23
2、23
3の正転入力(+)と反転入力(−)とで、回路素子の接続態様が異なっており、正転入力(+)と反転入力(−)の間のバランスが崩れている。これは、差動信号の受信のために好ましくない。
【0058】
図10は、正転入力(+)と反転入力(−)の間のバランスの問題に対応する終端抵抗回路22の構成の一例を示す回路図である。
図10の終端抵抗回路22は、抵抗素子61
1〜61
6と、スイッチ62
1〜62
5と、抵抗素子63
1〜63
6と、スイッチ64
1〜64
6と、キャパシタ65
1〜65
3と、スイッチ66
1〜66
6と、C−PHYキャパシタ67とを備えている。好適な一実施形態では、抵抗素子61
1〜61
6、抵抗素子63
1〜63
6の抵抗値は、いずれも、100Ωである。
【0059】
キャパシタ65
1、65
2、65
3は、それぞれ、共通接続ノードN
COM1、N
COM2、N
COM3と回路接地の間に接続されている。キャパシタ65
1、65
2、65
3により、共通接続ノードN
COM1、N
COM2、N
COM3は、交流的に接地されることになる。また、C−PHYキャパシタ67は、共通接続ノードN
COM4と回路接地の間に接続されている。C−PHYキャパシタ67により、共通接続ノードN
COM4は、交流的に接地されることになる。
【0060】
外部接続端子21
1には、回路素子が下記のように接続されている。抵抗素子61
1は、外部接続端子21
1とノードN
1の間に接続されており、スイッチ62
1は、ノードN
1と共通接続ノードN
COM1の間に接続されている。更に、抵抗素子63
1とスイッチ64
1が、外部接続端子21
1と共通接続ノードN
COM1の間に直列に接続されている。ここで、抵抗素子63
1、スイッチ64
1は、抵抗素子61
1、スイッチ62
1と並列に接続されていることに留意されたい。
【0061】
他の外部接続端子21についても同様である。抵抗素子61
2は、外部接続端子21
2とノードN
2の間に接続されており、スイッチ62
2は、ノードN
2と共通接続ノードN
COM1の間に接続されている。更に、抵抗素子63
2とスイッチ64
2が、外部接続端子21
2と共通接続ノードN
COM1の間に直列に接続されている。ここで、抵抗素子63
2、スイッチ64
2は、抵抗素子61
2、スイッチ62
2と並列に接続されていることに留意されたい。
【0062】
また、抵抗素子61
3は、外部接続端子21
3とノードN
3の間に接続されており、スイッチ62
3は、ノードN
3と共通接続ノードN
COM2の間に接続されている。更に、抵抗素子63
3とスイッチ64
3が、外部接続端子21
3と共通接続ノードN
COM2の間に直列に接続されている。
【0063】
更に、抵抗素子61
4は、外部接続端子21
4とノードN
4の間に接続されており、スイッチ62
4は、ノードN
4と共通接続ノードN
COM2の間に接続されている。更に、抵抗素子63
4とスイッチ64
4が、外部接続端子21
4と共通接続ノードN
COM2の間に直列に接続されている。
【0064】
また、抵抗素子61
5は、外部接続端子21
5とノードN
5の間に接続されており、スイッチ62
5は、ノードN
5と共通接続ノードN
COM3の間に接続されている。更に、抵抗素子63
5とスイッチ64
5が、外部接続端子21
5と共通接続ノードN
COM3の間に直列に接続されている。
【0065】
更に、抵抗素子61
6は、外部接続端子21
6とノードN
6の間に接続されており、スイッチ62
6は、ノードN
6と共通接続ノードN
COM3の間に接続されている。更に、抵抗素子63
6とスイッチ64
6が、外部接続端子21
6と共通接続ノードN
COM3の間に直列に接続されている。
【0066】
更に、スイッチ66
1〜66
6が、それぞれ、ノードN
1〜N
6と共通接続ノードN
COM4の間に接続されている。
【0067】
図11Aは、ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合における
図10に図示されている終端抵抗回路22の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合には、上述の通り、フレキシブル配線基板3Aに設けられた伝送線51が外部接続端子21
1、21
4に接続され、伝送線52が外部接続端子21
2、21
5に接続され、伝送線53が外部接続端子21
3、21
6に接続される。
【0068】
ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合、スイッチ66
1〜66
6がオンされると共に、スイッチ62
1〜62
6、スイッチ64
1〜64
6がオフされる。このような設定によれば、抵抗素子61
1〜61
6が共通接続ノードN
COM4に共通に接続される。ここで、抵抗素子61
1、61
4は、伝送線51と共通接続ノードN
COM4の間に電気的に並列に接続されることに留意されたい。同様に、抵抗素子61
2、61
5は、伝送線52と共通接続ノードN
COM4の間に電気的に並列に接続され、抵抗素子61
3、61
6は、伝送線53と共通接続ノードN
COM4の間に電気的に並列に接続される。よって、伝送線51、52、53に、終端抵抗がMIPI C−PHYにおいて推奨されるY結線によって接続されることになる。ここで、抵抗素子61
1〜61
6の抵抗値が100Ωであれば、伝送線51、52、53と共通接続ノードN
COM4の間に50Ωの終端抵抗がY結線によって接続されることになり、MIPI C−PHYにおける推奨に適合するため、より好ましい。
【0069】
図11Bは、ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合における
図10に図示されている終端抵抗回路22の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合には、上述の通り、フレキシブル配線基板3Bに設けられた伝送線57
1〜57
6が、それぞれ、外部接続端子21
1〜21
6に接続される。
【0070】
ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合、スイッチ62
1〜62
6、スイッチ64
1〜64
6がオンされると共に、スイッチ66
1〜66
6がオフされる。このような設定によれば、外部接続端子21
1、21
2が抵抗素子61
1、61
2、63
1、63
2を介して接続され、外部接続端子21
3、21
4が抵抗素子61
3、61
4、63
3、63
4を介して接続され、外部接続端子21
5、21
6が抵抗素子61
5、61
6、63
5、63
6を介して接続される。言い換えれば、伝送線57
1、57
2が抵抗素子61
1、61
2、63
1、63
2を介して接続され、伝送線57
3、57
4が抵抗素子61
3、61
4、63
3、63
4を介して接続され、伝送線57
5、57
6が抵抗素子61
5、61
6、63
5、63
6を介して接続されることになる。このような接続は、MIPI D−PHYにおける推奨に沿ったものである。ここで、抵抗素子61
1〜61
6、63
1〜63
6の抵抗値がそれぞれ100Ωであれば、100Ωの終端抵抗が2つの外部接続端子21の間に接続されることになり、MIPI D−PHYにおける推奨に適合するため、より好ましい。ここで、抵抗素子61
1〜61
6の抵抗値が100Ωであれば、MIPI C−PHYにおける推奨にも同時に適合することに留意されたい。
【0071】
(液晶表示パネル及びフレキシブル配線基板における配線)
例えば
図3Aに図示されているように、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合には、各伝送線(51、52、53)が、液晶表示パネル1の2つの接続端子12に接続される。このとき、フレキシブル配線基板3Aにおいて、例えば、
図3Aに図示されているような配線がなされると、各伝送線(51、52、53)を液晶表示パネル1の2つの接続端子12に接続する配線が交差する。この交差は、MIPI C−PHYによる通信の特性の劣化をもたらす可能性がある。以下に議論するように、このような問題は、液晶表示パネルとフレキシブル配線基板に形成される配線を適切に設計することで解消可能である。
【0072】
図12A〜
図12Cは、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差を避けるように構成された表示モジュール10の構成の一例を示す概念図である。
図12A〜
図12Cに図示されている構造の一つの特徴は、伝送線51、52、53に接続される接続端子12のそれぞれが、液晶表示パネル1に形成された配線を介してドライバIC2の2つの外部接続端子21に接続されていることである。伝送線51、52、53のそれぞれを、液晶表示パネル1の単一の接続端子12(12
1、12
3、12
5)に接続すると、伝送線51、52、53のそれぞれが、液晶表示パネル1に形成された配線を通じて必要な2つの外部接続端子21に接続されるので、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差を避けることができる。以下、
図12A〜
図12Cに図示されている表示モジュール10の構成について説明する。
【0073】
図12Bは、液晶表示パネル1とドライバIC2との接続部、及び、液晶表示パネル1とフレキシブル配線基板3との接続部の構造の一例を概念的に示す断面図である。液晶表示パネル1のガラス基板1aの上には、配線11、14と接続端子12、13とが形成される。ドライバIC2の半導体チップ2aには、外部接続端子21が形成される。
図12Bの構造では、各外部接続端子21は、パッド21aとバンプ21bとを備えている。フレキシブル配線基板3の樹脂基板3aには、配線50(例えば、伝送線51〜53)が形成される。
【0074】
ドライバIC2の外部接続端子21のバンプ21bは、コンタクト15を介して液晶表示パネル1の接続端子13に接合される。コンタクト15としては、例えば、異方性導電膜(ACF(anisotropic conductive film))が用いられ得る。同様に、フレキシブル配線基板3の配線50は、コンタクト16を介して液晶表示パネル1の接続端子12に接合される。コンタクト16としては、例えば、異方性導電膜が用いられ得る。
【0075】
図12Cは、液晶表示パネル1に形成される配線の形状を示す平面図である。
図12Cにおいて、符号2aで示されている破線で描かれた矩形は、ドライバIC2が配置される領域を示している。MIPI C−PHYによる通信が行われる表示モジュール10に適用される場合、液晶表示パネル1には、配線11
1、11
3、11
5と、接続端子12
1、12
3、12
5と、接続端子13
1〜13
6と、配線14
1〜14
3とが形成される。接続端子12
1、12
3、12
5は、MIPI C−PHYによる通信が行われる際に、フレキシブル配線基板3Aに形成される伝送線51、52、53に接続される端子である。一方、接続端子13
1〜13
6は、ドライバIC2の外部接続端子21
1〜21
6に接続される端子である。配線11
1、11
3、11
5は、それぞれ、接続端子12
1、12
3、12
5と接続端子13
1、13
2、13
5とを接続するように形成されている。一方、配線14
1は、接続端子13
1と接続端子13
6とを接続するように形成されており、配線14
2は、接続端子13
2と接続端子13
3とを接続するように形成されており、配線14
3は、接続端子13
4と接続端子13
5とを接続するように形成されている。
【0076】
このような構成の液晶表示パネル1を用いれば、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合に、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差を避けながら伝送線51、52、53をドライバIC2のレシーバ23
1〜23
3に電気的に接続することができる。より具体的には、
図12Aに図示されているように、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合、フレキシブル配線基板3Aに形成された伝送線51、52、53が、それぞれ、液晶表示パネル1の接続端子12
1、12
3、12
5に接続される一方で、ドライバIC2の外部接続端子21
1〜21
6が、それぞれ、液晶表示パネル1の接続端子13
1〜13
6に接続される。
【0077】
ここで、
図12Cに図示されているように、液晶表示パネル1に形成された接続端子13
1、13
6が配線14
1によって接続されているので、結果として、伝送線51は、外部接続端子21
1を介してレシーバ23
1の正転入力(+)に接続され、更に、配線14
1及び外部接続端子21
6を介してレシーバ23
3の反転入力(−)に接続される。同様に、接続端子13
2、13
3が配線14
2によって接続されているので、伝送線52は、外部接続端子21
3を介してレシーバ23
2の正転入力(+)に接続され、更に、配線14
2及び外部接続端子21
2を介してレシーバ23
1の反転入力(−)に接続される。また、接続端子13
4、13
5が配線14
3によって接続されているので、伝送線53は、外部接続端子21
5を介してレシーバ23
3の正転入力(+)に接続され、更に、配線14
3及び外部接続端子21
4を介してレシーバ23
2の反転入力(−)に接続される。このような接続によれば、伝送線51、52、53で伝送される3値信号を、レシーバ23
1〜23
3を用いて2値のシングルエンド信号に変換することができる。その一方で、伝送線51、52、53が、それぞれ、単一の接続端子(12
1、12
3、12
5)にしか接続されないので、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差を避けることができる。
【0078】
なお、
図12A〜
図12Cに図示された構成では、フレキシブル配線基板3Aの伝送線51が、液晶表示パネル1に形成された接続端子12
1、配線11
1、接続端子13
1を介してドライバIC2の外部接続端子21
1に接続されているが、伝送線51は、外部接続端子21
1の代わりに外部接続端子21
6に接続されてもよい。この場合、配線11
1、接続端子12
1が形成される位置が変更され、配線11
1、接続端子12
1が、接続端子13
1の代わりに接続端子13
6に接続される。この場合でも、第1伝送線51は、配線14
1を介して外部接続端子21
1に電気的に接続されるので、表示モジュール10は、同様に動作可能である。
【0079】
同様に、伝送線52は、外部接続端子21
3の代わりに外部接続端子21
2に接続されてもよい。この場合、配線11
3、接続端子12
3が形成される位置が変更され、配線11
3、接続端子12
3は、接続端子13
3の代わりに接続端子13
2に接続される。また、伝送線53は、外部接続端子21
5の代わりに外部接続端子21
4に接続されてもよい。この場合、配線11
5、接続端子12
5の位置が変更され、配線11
5、接続端子12
5は、接続端子13
5の代わりに接続端子13
4に接続される。
【0080】
図13A〜
図13Dは、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差を避けるように構成された表示モジュール10の構成の他の例を示す概念図である。
図13A〜
図13Dに図示されている構造においては、フレキシブル配線基板3Aの構造に工夫がされることで、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差が回避されている。以下、
図13A〜
図13Dに図示されている表示モジュール10の構成について説明する。
【0081】
図13Bは、
図13A〜
図13Dに図示されている表示モジュール10における、液晶表示パネル1とドライバIC2との接続部、及び、液晶表示パネル1とフレキシブル配線基板3Aとの接続部の構造の一例を概念的に示す断面図である。液晶表示パネル1のガラス基板1aの上には、配線11と接続端子12、13とが形成される。ドライバIC2の半導体チップ2aには、外部接続端子21が形成される。
図13Bの構造では、各外部接続端子21は、パッド21aとバンプ21bとを備えている。フレキシブル配線基板3の樹脂基板3aには、配線50(例えば、伝送線51〜53)と、接続端子71と、配線72とが形成される。
【0082】
ドライバIC2の外部接続端子21のバンプ21bは、コンタクト15を介して液晶表示パネル1の接続端子13に接合される。コンタクト15としては、例えば、異方性導電膜(ACF(anisotropic conductive film))が用いられ得る。同様に、フレキシブル配線基板3の接続端子71は、コンタクト16を介して液晶表示パネル1の接続端子12に接合される。コンタクト16としては、例えば、異方性導電膜が用いられ得る。
【0083】
図13Cは、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合に用いられるフレキシブル配線基板3Aに形成される配線の形状を示す平面図である。フレキシブル配線基板3Aには、伝送線51、52、53と、接続端子71
1〜71
6と、配線72
1〜72
3とが形成される。接続端子71
1〜71
6は、それぞれ、液晶表示パネル1の接続端子12
1〜12
6に接続される端子である。ここで、6つの接続端子71のうち接続端子71
1、71
3、71
5が、それぞれ、伝送線51、52、53に接続されている。更に、接続端子71
1、71
6が、配線72
1によって接続されている。また、接続端子71
2、71
3が、配線72
2によって接続されており、接続端子71
4、71
5が、配線72
3によって接続されている。
【0084】
ここで、
図13Cに図示されている構造では、接続端子71
1、71
6(即ち、接続端子71
1〜71
6のうち両端に位置する接続端子)を接続する配線72
1が、伝送線51、52、53が形成される領域に対して接続端子71
1〜71
6の列を挟んで反対に位置していることに留意されたい。より具体的には、配線72
1は、接続端子71
1から伝送線51、52、53が形成される領域と反対の方向に延伸する配線部分73と、接続端子71
6から伝送線51、52、53が形成される領域と反対方向に延伸する配線部分74と、配線部分73、74を接続する配線部分75を備えている。このような配置によれば、フレキシブル配線基板3Aにおいて配線72
1が伝送線51、52、53と交差することを避けることができる。
【0085】
なお、
図13Cに図示されている配置では、接続端子71
2、71
3を接続する配線72
2と接続端子71
4、71
5を接続する配線72
3も、接続端子71
1〜71
6の列を挟んで伝送線51、52、53が形成される領域と反対に位置しているが、配線72
2、72
3は、伝送線51、52、53と交差しなければ、どのような配置であってもよい。例えば、配線72
2が接続する接続端子71
2、71
3は隣接しているので、配線72
2は、接続端子71
2、71
3を最短で結ぶように配置してもよい。配線72
3についても同様に、接続端子71
4、71
5を最短で結ぶように配置してもよい。
【0086】
一方、
図13Dに図示されているように、液晶表示パネル1には、配線11
1〜11
6と、接続端子12
1〜12
6と、接続端子13
1〜13
6とが形成される。上述のように、接続端子12
1〜12
6は、フレキシブル配線基板3Aの接続端子71
1〜71
6に接続される端子であり、接続端子13
1〜13
6は、ドライバIC2の外部接続端子21
1〜21
6に接続される端子である。
【0087】
このような構成の表示モジュール10でも、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合に、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差を避けながら伝送線51、52、53をドライバIC2のレシーバ23
1〜23
3に電気的に接続することができる。より具体的には、
図13Aに図示されているように、フレキシブル配線基板3Aでは、伝送線51、52、53が接続端子71
1、71
3、71
5に接続され、更に、接続端子71
1、71
3、71
5が配線72
1、72
2、72
3を介してそれぞれ接続端子71
6、71
2、71
4に接続されている。更に、接続端子71
1〜71
6が、液晶表示パネル1の接続端子12
1〜12
6に接続される一方で、ドライバIC2の外部接続端子21
1〜21
6が、それぞれ、液晶表示パネル1の接続端子13
1〜13
6に接続される。
【0088】
このような接続によれば、伝送線51は、接続端子71
1、接続端子12
1、配線11
1及び外部接続端子21
1を介してレシーバ23
1の正転入力(+)に接続され、更に、配線72
1、接続端子71
6、接続端子12
6、配線11
6及び外部接続端子21
6を介してレシーバ23
3の反転入力(−)に接続される。同様に、伝送線52は、接続端子71
3、接続端子12
3、配線11
3及び外部接続端子21
3を介してレシーバ23
2の正転入力(+)に接続され、更に、配線72
2、接続端子71
2、接続端子12
2、配線11
2及び外部接続端子21
2を介してレシーバ23
1の反転入力(−)に接続される。また、伝送線53は、接続端子71
5、接続端子12
5、配線11
5及び外部接続端子21
5を介してレシーバ23
3の正転入力(+)に接続され、更に、配線72
3、接続端子71
4、接続端子12
4、配線11
4及び外部接続端子21
4を介してレシーバ23
2の反転入力(−)に接続される。このような接続によれば、伝送線51、52、53で伝送される3値信号を、レシーバ23
1〜23
3を用いて2値のシングルエンド信号に変換することができる。その一方で、伝送線51、52、53が、それぞれ、単一の接続端子(71
1、71
3、71
5)にしか接続されないので、フレキシブル配線基板3Aにおける配線の交差を避けることができる。
【0089】
なお、
図13A〜
図13Dに図示されている構成では、フレキシブル配線基板3Aにおいて、伝送線51が接続端子71
1に接続されているが、伝送線51は、接続端子71
6に接続されていてもよい。この場合でも、伝送線51が配線72
1を介して接続端子71
1に電気的に接続されるので、表示モジュール10は、同様に動作可能である。同様に、伝送線52は、接続端子71
3の代わりに接続端子71
2に接続されてもよい。この場合でも、伝送線52は、配線72
2を介して接続端子71
3に電気的に接続される。更に、同様に、伝送線53は、接続端子71
5の代わりに接続端子71
4に接続されてもよい。この場合でも、伝送線52は、配線72
3を介して接続端子71
5に電気的に接続される。
【0090】
(ドライバICの内部におけるMIPI C−PHY及びMIPI D−PHYの切り換え)
上述されている実施形態では、フレキシブル配線基板3及び/又は液晶表示パネル1の配線を、MIPI C−PHYによる通信、及び、MIPI D−PHYによる通信のいずれを行うかに応じて設計することが求められる。しかしながら、液晶表示パネル1及びフレキシブル配線基板3に形成される配線を特殊な設計にすることは、ユーザにとって好ましくないことがある。
【0091】
このような問題に対処するために、以下に述べられる実施形態では、液晶表示パネル1及びフレキシブル配線基板3に形成される配線の設計を単純化しながら、ドライバIC2の内部においてMIPI C−PHYによる通信、及び、MIPI D−PHYによる通信を切り替える構成が採用される。
【0092】
図14は、その内部においてMIPI C−PHYによる通信、及び、MIPI D−PHYによる通信を切り替えるように構成されたドライバIC2の構成の一例を示す回路図である。
図14に図示されているドライバIC2では、外部接続端子21
1〜21
6とレシーバ23
1〜23
3の入力の間の接続関係を切り替える入力側スイッチを備えるスイッチ回路81が追加される。
【0093】
スイッチ回路81は、スイッチ82
1〜82
6と、スイッチ83
1〜83
3とを備えている。スイッチ82
1は、レシーバ23
1の正転入力(+)と外部接続端子21
1の間に接続され、スイッチ82
2は、レシーバ23
1の反転入力(−)と外部接続端子21
2の間に接続されている。スイッチ82
3は、レシーバ23
2の正転入力と外部接続端子21
3の間に接続され、スイッチ82
4は、レシーバ23
2の反転入力と外部接続端子21
4の間に接続されている。スイッチ82
5は、レシーバ23
3の正転入力と外部接続端子21
5の間に接続され、スイッチ82
6は、レシーバ23
3の反転入力と外部接続端子21
6の間に接続されている。
【0094】
スイッチ83
1〜83
3は、レシーバ23
1、23
2、23
3の正転入力に接続されている外部接続端子21
1、21
3、21
5を、更に、レシーバ23
3、23
1、23
2の反転入力に接続するために用いられる。スイッチ83
1は、レシーバ23
1の反転入力と外部接続端子21
3の間に接続され、スイッチ83
2は、レシーバ23
2の反転入力と外部接続端子21
5の間に接続され、スイッチ83
3は、レシーバ23
3の反転入力と外部接続端子21
1の間に接続される。
【0095】
なお、
図14では、
図8に図示されている終端抵抗回路22が使用されているドライバIC2の構成が図示されているが、他の構成の終端抵抗回路22(例えば、
図10に図示されている終端抵抗回路22)が用いられてもよい。
【0096】
図15Aは、ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合における
図14に図示されているドライバIC2の設定を示す図である。本実施形態では、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合、フレキシブル配線基板3Aに設けられた伝送線51が外部接続端子21
1に接続され、伝送線52が外部接続端子21
3に接続され、伝送線53が外部接続端子21
5に接続される。
【0097】
ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合、スイッチ82
1、82
3、82
5及びスイッチ83
1、83
2、83
3がオンされると共に、スイッチ82
2、82
4、82
6がオフされる。このような設定によれば、伝送線51が、レシーバ23
1の正転入力(+)とレシーバ23
3の反転入力(−)に接続され、伝送線52が、レシーバ23
2の正転入力(+)とレシーバ23
1の反転入力(−)に接続され、伝送線53が、レシーバ23
3の正転入力(+)とレシーバ23
2の反転入力(−)に接続される。したがって、伝送線51、52、53によって伝送される3値信号をレシーバ23
1〜23
3によってシングルエンド信号に変換することができる。上述のように、レシーバ23
1〜23
3から出力される信号はC−PHYブロック24に供給され、C−PHYブロック24では、レシーバ23
1〜23
3から出力される信号に対してMIPI C−PHYに従った信号処理が行われ、受信データD
C−PHYが生成される。
【0098】
なお、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合、終端抵抗回路22においては、スイッチ66
1、66
3、66
5がオンされ、スイッチ62
1、62
3、62
5及び64
2、64
4、64
6がオフされる。これにより抵抗素子61
1、61
3、61
5が、MIPI C−PHYにおいて推奨されているようにY結線によって接続されることは上述されている通りである。
【0099】
一方、
図15Bは、ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合の終端抵抗回路22の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合には、フレキシブル配線基板3Bに設けられた伝送線57
1〜57
6が、それぞれ外部接続端子21
1〜21
6に接続される。
【0100】
ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合、スイッチ82
1〜82
6がオンされると共に、スイッチ83
1〜83
3がオフされる。このような設定によれば、伝送線57
1、57
2が、それぞれ、レシーバ23
1の正転入力(+)及び反転入力(−)に接続され、伝送線57
3、57
4が、それぞれ、レシーバ23
2の正転入力及び反転入力に接続され、伝送線57
5、57
6が、それぞれ、レシーバ23
3の正転入力及び反転入力に接続される。したがって、伝送線57
1、57
2で伝送される差動信号、伝送線57
3、57
4で伝送される差動信号、伝送線57
5、57
6で伝送される差動信号をレシーバ23
1〜23
3によってシングルエンド信号に変換することができる。上述のように、レシーバ23
1〜23
3から出力される信号はD−PHYブロック25に供給され、D−PHYブロック25では、レシーバ23
1〜23
3から出力される信号に対してMIPI D−PHYに従った信号処理が行われ、受信データD
D−PHYが生成される。
【0101】
なお、MIPI D−PHYによる通信が行われる場合、終端抵抗回路22においては、スイッチ62
1、62
3、62
5及び64
2、64
4、64
6がオンされ、スイッチ66
1、66
3、66
5がオフされる。これにより、伝送線57
1、57
2が抵抗素子61
1、63
2を介して接続され、伝送線57
3、57
4が抵抗素子61
3、63
4を介して接続され、伝送線57
5、57
6が抵抗素子61
5、63
6を介して接続されることになる。このような接続は、MIPI D−PHYにおける推奨に沿ったものである。
【0102】
このように、
図14に図示されているドライバIC2の構成によれば、ドライバIC2の内部においてMIPI C−PHYによる通信、及び、MIPI D−PHYによる通信を切り替えることができる。
【0103】
レシーバ23
1、23
2、23
3の入力と外部接続端子21
1〜21
6の間にスイッチ回路81を設ける代わりに、各レシーバが、MIPI C−PHYによる通信のための入力段と、MIPI D−PHYによる通信のための入力段とを備えており、それらの入力段を選択するように構成されてもよい。
図16は、このような構成のドライバIC2の構成を示す回路図である。
【0104】
図16に図示されているドライバIC2は、レシーバ23A
1、23A
2、23A
3を備えている。レシーバ23A
1は、入力段91
1、92
1と、出力選択スイッチ93
1、94
1と、出力段95
1とを備えている。入力段91
1は、MIPI D−PHYによる通信が行われる場合に用いられる差動入力回路であり、正転入力(+)が外部接続端子21
1に接続され、反転入力(−)が外部接続端子21
2に接続されている。入力段92
1は、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合に用いられる差動入力回路であり、正転入力(+)が外部接続端子21
1に接続され、反転入力(−)が外部接続端子21
3に接続されている。出力選択スイッチ93
1は、入力段91
1の出力と出力段95
1の入力の間に接続されており、出力選択スイッチ94
1は、入力段92
1の出力と出力段95
1の入力の間に接続されている。出力段95
1は、入力段91
1、92
1のうち、出力選択スイッチ93
1、94
1によって選択された一方の入力段から出力される出力信号に応じたシングルエンド信号を出力する。入力段91
1、92
1としては、一般的に用いられる簡単な回路構成の差動増幅回路を用いることができる。
【0105】
レシーバ23A
2、23A
3も同様の構成を有している。レシーバ23A
2は、入力段91
2、92
2と、出力選択スイッチ93
2、94
2と、出力段95
2とを備えている。入力段91
2は、MIPI D−PHYによる通信が行われる場合に用いられる差動入力回路であり、正転入力(+)が外部接続端子21
3に接続され、反転入力(−)が外部接続端子21
4に接続されている。入力段92
2は、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合に用いられる差動入力回路であり、正転入力(+)が外部接続端子21
3に接続され、反転入力(−)が外部接続端子21
5に接続されている。出力選択スイッチ93
2は、入力段91
2の出力と出力段95
2の入力の間に接続されており、出力選択スイッチ94
2は、入力段92
2の出力と出力段95
2の入力の間に接続されている。出力段95
2は、入力段91
2、92
2のうち、出力選択スイッチ93
2、94
2によって選択された一方の入力段から出力される出力信号に応じたシングルエンド信号を出力する。入力段91
2、92
2としては、一般的に用いられる簡単な回路構成の差動増幅回路を用いることができる。
【0106】
同様に、レシーバ23A
3は、入力段91
3、92
3と、出力選択スイッチ93
3、94
3と、出力段95
3とを備えている。入力段91
3は、MIPI D−PHYによる通信が行われる場合に用いられる差動入力回路であり、正転入力(+)が外部接続端子21
5に接続され、反転入力(−)が外部接続端子21
6に接続されている。入力段92
3は、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合に用いられる差動入力回路であり、正転入力(+)が外部接続端子21
5に接続され、反転入力(−)が外部接続端子21
1に接続されている。出力選択スイッチ93
3は、入力段91
3の出力と出力段95
3の入力の間に接続されており、出力選択スイッチ94
3は、入力段92
3の出力と出力段95
3の入力の間に接続されている。出力段95
3は、入力段91
3、92
3のうち、出力選択スイッチ93
3、94
3によって選択された一方の入力段から出力される出力信号に応じたシングルエンド信号を出力する。入力段91
3、92
3としては、一般的に用いられる簡単な回路構成の差動増幅回路を用いることができる。
【0107】
図17Aは、ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合における
図16に図示されているドライバIC2の設定を示す図である。本実施形態では、ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合、フレキシブル配線基板3Aに設けられた伝送線51、52、53がそれぞれ、外部接続端子21
1、21
3、21
5に接続される。
【0108】
ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合、レシーバ23A
1では、出力選択スイッチ93
1がオフされると共に出力選択スイッチ94
1がオンされて、入力段92
1が選択される。同様に、レシーバ23A
2では、出力選択スイッチ93
2がオフされると共に出力選択スイッチ94
2がオンされて、入力段92
2が選択され、また、レシーバ23A
3では、出力選択スイッチ93
3がオフされると共に出力選択スイッチ94
3がオンされて、入力段92
3が選択される。ここで、伝送線51が、レシーバ23A
1の入力段92
1の正転入力(+)とレシーバ23A
3の入力段92
3の反転入力(−)に接続され、伝送線52が、レシーバ23A
2の入力段92
2の正転入力(+)とレシーバ23A
1の入力段92
1の反転入力(−)に接続され、伝送線53が、レシーバ23A
3の入力段92
3の正転入力(+)及びレシーバ23A
2の入力段92
2の反転入力(−)に接続されていることに留意されたい。このような接続により、伝送線51、52、53によって伝送される3値信号をレシーバ23A
1〜23A
3によってシングルエンド信号に変換することができる。上述のように、レシーバ23A
1〜23A
3から出力される信号はC−PHYブロック24に供給され、C−PHYブロック24では、レシーバ23A
1〜23A
3から出力される信号に対してMIPI C−PHYに従った信号処理が行われ、受信データD
C−PHYが生成される。
【0109】
なお、MIPI C−PHYによる通信が行われる場合、終端抵抗回路22においては、スイッチ66
1、66
3、66
5がオンされ、スイッチ62
1、62
3、62
5及び64
2、64
4、64
6がオフされる。これにより抵抗素子61
1、61
3、61
5が、MIPI C−PHYにおいて推奨されているようにY結線によって接続されることは上述されている通りである。
【0110】
一方、
図17Bは、ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合のドライバIC2の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合には、上述の通り、フレキシブル配線基板3Bに設けられた伝送線57
1〜57
6が、それぞれ外部接続端子21
1〜21
6に接続される。
【0111】
ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合、レシーバ23A
1では、出力選択スイッチ94
1がオフされると共に出力選択スイッチ93
1がオンされて、入力段91
1が選択される。同様に、レシーバ23A
2では、出力選択スイッチ94
2がオフされると共に出力選択スイッチ93
2がオンされて、入力段91
2が選択され、また、レシーバ23A
3では、出力選択スイッチ94
3がオフされると共に出力選択スイッチ93
3がオンされて、入力段91
3が選択される。
【0112】
ここで、伝送線57
1、57
2が、レシーバ23A
1の入力段91
1の正転入力(+)、反転入力(−)にそれぞれ接続され、伝送線57
3、57
4が、レシーバ23A
2の入力段91
2の正転入力(+)、反転入力(−)にそれぞれ接続され、伝送線57
5、57
6が、レシーバ23A
3の入力段91
3の正転入力(+)、反転入力(−)にそれぞれ接続されていることに留意されたい。このような接続により、伝送線57
1、57
2によって伝送される差動信号をレシーバ23A
1によってシングルエンド信号に変換し、伝送線57
3、57
4によって伝送される差動信号をレシーバ23A
2によってシングルエンド信号に変換し、伝送線57
5、57
6によって伝送される差動信号をレシーバ23A
3によってシングルエンド信号に変換することができる。上述のように、レシーバ23A
1〜23A
3から出力される信号はD−PHYブロック25に供給され、D−PHYブロック25では、レシーバ23A
1〜23A
3から出力される信号に対してMIPI D−PHYに従った信号処理が行われ、受信データD
D−PHYが生成される。
【0113】
なお、MIPI D−PHYによる通信が行われる場合、終端抵抗回路22においては、スイッチ62
1、62
3、62
5及び64
2、64
4、64
6がオンされ、スイッチ66
1、66
3、66
5がオフされる。これにより、伝送線57
1、57
2が抵抗素子61
1、63
2を介して接続され、伝送線57
3、57
4が抵抗素子61
3、63
4を介して接続され、伝送線57
5、57
6が抵抗素子61
5、63
6を介して接続されることになる。このような接続は、MIPI D−PHYにおける推奨に沿ったものである。
【0114】
図16では、
図8に図示されている終端抵抗回路22を備えたドライバIC2の構成が図示されているが、終端抵抗回路22の構成は様々に変更され得る。例えば、
図10に図示されている終端抵抗回路22が、代わりに用いられてもよい。
【0115】
ここで、
図16に図示されているように、各レシーバ23Aが、MIPI D−PHYによる通信の際に伝送される差動信号を受信する入力段91と、MIPI C−PHYによる通信の際に伝送される3値信号を受信する入力段92とを別々に有する構成が採用される場合には、回路素子の数が少ない簡略な構成の終端抵抗回路22を用いることができる。
図18は、回路素子の数が少ない終端抵抗回路22が用いられる場合のドライバIC2の構成の一例を示す回路図である。
【0116】
図18のドライバIC2では、終端抵抗回路22が、抵抗素子61
1、61
3、61
5と、スイッチ62
1、62
3、62
5と、抵抗素子63
2、63
4、63
6と、スイッチ64
2、64
4、64
6と、キャパシタ65
1、65
2、65
3と、スイッチ68
1、68
2とを備えている。好適な一実施形態では、抵抗素子61
1、61
3、61
5、抵抗素子63
2、63
4、63
6の抵抗値は、いずれも、50Ωである。
【0117】
キャパシタ65
1、65
2、65
3は、それぞれ、共通接続ノードN
COM1、N
COM2、N
COM3と回路接地の間に接続されている。キャパシタ65
1、65
2、65
3により、共通接続ノードN
COM1、N
COM2、N
COM3は、交流的に接地されることになる。
【0118】
抵抗素子61
1とスイッチ62
1とは、外部接続端子21
1と共通接続ノードN
COM1の間に直列に接続されており、更に、抵抗素子63
2とスイッチ64
2は、外部接続端子21
2と共通接続ノードN
COM1の間に直列に接続されている。抵抗素子61
3とスイッチ62
3とは、外部接続端子21
3と共通接続ノードN
COM2の間に直列に接続されており、更に、抵抗素子63
4とスイッチ64
4は、外部接続端子21
4と共通接続ノードN
COM2の間に直列に接続されている。また、抵抗素子61
5とスイッチ62
5とは、外部接続端子21
5と共通接続ノードN
COM3の間に直列に接続されており、更に、抵抗素子63
6とスイッチ64
6は、外部接続端子21
6と共通接続ノードN
COM3の間に直列に接続されている。
【0119】
更に、スイッチ68
1は、共通接続ノードN
COM1、N
COM2の間に接続され、スイッチ68
2は、共通接続ノードN
COM2、N
COM3の間に接続される。
【0120】
図19Aは、ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合における
図18に図示されているドライバIC2の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合には、フレキシブル配線基板3Aに設けられた伝送線51、52、53が、それぞれ、外部接続端子21
1、21
3、21
5に接続される。
【0121】
ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合には、上述の通り、レシーバ23A
1では、出力選択スイッチ93
1がオフされると共に出力選択スイッチ94
1がオンされて、入力段92
1が選択される。同様に、レシーバ23A
2では、出力選択スイッチ93
2がオフされると共に出力選択スイッチ94
2がオンされて、入力段92
2が選択され、また、レシーバ23A
3では、出力選択スイッチ93
3がオフされると共に出力選択スイッチ94
3がオンされて、入力段92
3が選択される。このような接続により、伝送線51、52、53によって伝送される3値信号をレシーバ23A
1〜23A
3によってシングルエンド信号に変換することができる。
【0122】
一方、終端抵抗回路22では、スイッチ62
1、62
3、62
5及びスイッチ68
1、68
2がオンされ、スイッチ64
2、64
4、64
6がオフされる。スイッチ68
1、68
2がオンされるので、共通接続ノードN
COM1〜N
COM3が電気的に接続される。電気的に接続された共通接続ノードN
COM1〜N
COM3は、電気的に一つのノードと考えてよいので、以下では、電気的に接続された共通接続ノードN
COM1〜N
COM3を共通接続ノードN
COM1−3と記載する。更に、スイッチ62
1、62
3、62
5がオンされるので、抵抗素子61
1、61
3、61
5が共通接続ノードN
COM1−3に共通に接続される。この結果、伝送線51は、抵抗素子61
1を介して共通接続ノードN
COM1−3に接続され、伝送線52は、抵抗素子61
2を介して共通接続ノードN
COM1−3に接続され、伝送線53は、抵抗素子61
3を介して共通接続ノードN
COM1−3に接続される。即ち、抵抗素子61
1、61
3、61
5が、伝送線51、52、53にMIPI C−PHYにおいて推奨されるY結線によって接続されることになる。ここで、抵抗素子61
1、61
3、61
5の抵抗値が50Ωであれば、50Ωの終端抵抗がY結線によって接続されることになり、MIPI C−PHYにおける推奨に適合するため、より好ましい。
【0123】
図19Aに図示されている終端抵抗回路22の設定では、外部接続端子21
2、21
4、21
6及びそれらに電気的に接続されているノードが電気的にフローティングになる。外部接続端子21
2、21
4、21
6及びそれらに電気的に接続されているノードが電気的にフローティングになると、信号クロストークにより、レシーバ23A
1、23A
2、23A
3の入力段92
1、92
2、92
3に入力される信号にノイズが発生し得るため、好ましくない。
【0124】
このような問題に対処するためには、
図19Bに図示されているように、ドライバIC2との通信がMIPI C−PHYによって行われる場合に、スイッチ62
1、62
3、62
5及びスイッチ68
1、68
2に加え、スイッチ64
2、64
4、64
6をオンすればよい。これにより、外部接続端子21
2、21
4、21
6が抵抗素子63
2、63
4、63
6及びスイッチ64
2、64
4、64
6を通じて共通接続ノードN
COM1−3に接続されるので、外部接続端子21
2、21
4、21
6がフローティングにならず、信号クロストークを低減することができる。
【0125】
一方、
図19Cは、ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合の終端抵抗回路22の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合には、フレキシブル配線基板3に設けられた伝送線57
1〜57
6が、それぞれ外部接続端子21
1〜21
6に接続される。このような接続により、伝送線57
1、57
2によって伝送される差動信号をレシーバ23A
1によってシングルエンド信号に変換し、伝送線57
3、57
4によって伝送される差動信号をレシーバ23A
2によってシングルエンド信号に変換し、伝送線57
5、57
6によって伝送される差動信号をレシーバ23A
3によってシングルエンド信号に変換することができる。
【0126】
ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合には、上述の通り、レシーバ23A
1では、出力選択スイッチ93
1がオンされると共に出力選択スイッチ94
1がオフされて、入力段91
1が選択される。同様に、レシーバ23A
2では、出力選択スイッチ93
2がオンされると共に出力選択スイッチ94
2がオフされて、入力段91
2が選択され、また、レシーバ23A
3では、出力選択スイッチ93
3がオンされると共に出力選択スイッチ94
3がオフされて、入力段91
3が選択される。このような接続により、伝送線57
1、57
2によって伝送される差動信号をレシーバ23A
1によってシングルエンド信号に変換し、伝送線57
3、57
4によって伝送される差動信号をレシーバ23A
2によってシングルエンド信号に変換し、伝送線57
5、57
6によって伝送される差動信号をレシーバ23A
3によってシングルエンド信号に変換することができる。
【0127】
一方、終端抵抗回路22では、スイッチ62
1、62
3、62
5、スイッチ64
2、64
4、64
6がオンされると共に、スイッチ68
1、66
2がオフされる。このような設定によれば、伝送線57
1、57
2が抵抗素子61
1、63
2を介して接続され、伝送線57
3、57
4が抵抗素子61
3、63
4を介して接続され、伝送線57
5、57
6が抵抗素子61
5、63
6を介して接続される。このような接続は、MIPI D−PHYにおける推奨に沿ったものである。ここで、抵抗素子61
1、61
3、61
5、63
2、63
4、63
6の抵抗値がそれぞれ50Ωであれば、100Ωの終端抵抗が2つの外部接続端子21の間に接続されることになり、MIPI D−PHYにおける推奨に適合するため、より好ましい。ここで、抵抗素子61
1、61
3、61
5の抵抗値が50Ωであれば、MIPI C−PHYにおける推奨にも同時に適合することに留意されたい。
【0128】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。例えば、上記では、本発明が液晶表示パネルを備える表示モジュール装置に適用されている実施形態が記載されているが、本発明は、他の表示パネルを備える表示モジュール(例えば、OLED(organic light emitting diode)表示パネルを備える表示モジュール)にも適用可能である。
【0129】
また、本発明は、MIPI D−PHYによる通信又はMIPI C−PHYによる通信を行うシステムで用いられる半導体デバイスモジュールに一般に適用可能である。この場合、表示パネル(上述の実施形態では、液晶表示パネル1)に設けられた配線を介さずに半導体装置(上述の実施形態では、ドライバIC2)に設けられた外部接続端子に、フレキシブル配線基板に設けられた配線が接続されてもよい。
【0130】
また、上記の実施形態は、技術的な矛盾がない限り、組み合わせて実施され得ることにも留意されたい。
本発明の更に他の観点では、表示モジュールが、表示パネルと、上記の表示パネルドライバと、フレキシブル配線基板とを具備する。該フレキシブル配線基板は、第1外部接続端子に電気的に接続された第1伝送線と、前記第
外部接続端子に電気的に接続された第3伝送線とを備えている。このような構成は、MIPI C−PHYによる通信に対応しており、この場合、表示パネルドライバの前記主処理部は、前記第1受信データを受け取り、前記第1受信データに応答して前記表示パネルを駆動する。
、表示パネルと、上記の表示パネルドライバと、フレキシブル配線基板とを具備する。該フレキシブル配線基板は、第1乃至第6外部接続端子にそれぞれに電気的に接続された第1乃至第6伝送線を備える。このような構成は、MIPI D−PHYによる通信に対応しており、この場合、前記表示パネルドライバの前記主処理部は、前記第2受信データを受け取り、前記第2受信データに応答して前記表示パネルを駆動する。
のドライバIC2をMIPI C−PHYによる通信が行われる表示モジュールに適用する場合の実施例を示している。フレキシブル配線基板3Aには、MIPI C−PHYによる通信に用いられる3本の伝送線51、52、53が設けられている。伝送線51、52、53は、それぞれ、トランスミッタ54、55、56から出力される信号を伝送する。伝送線51は、液晶表示パネル1に設けられた接続端子12
の構成のドライバIC2をMIPI D−PHYによる通信が行われる表示モジュールに適用する場合の実施例を示している。フレキシブル配線基板3Bには、MIPI D−PHYによる通信に用いられる伝送線57
との接続部の構造の一例を概念的に示す断面図である。液晶表示パネル1のガラス基板1aの上には、配線11、14と接続端子12、13とが形成される。ドライバIC2の半導体チップ2aには、外部接続端子21が形成される。
ドライバIC2の外部接続端子21のバンプ21bは、コンタクト15を介して液晶表示パネル1の接続端子13に接合される。コンタクト15としては、例えば、異方性導電膜(ACF(anisotropic conductive film))が用いられ得る。同様に、フレキシブル配線基板3
に図示されている表示モジュール10における、液晶表示パネル1とドライバIC2との接続部、及び、液晶表示パネル1とフレキシブル配線基板3Aとの接続部の構造の一例を概念的に示す断面図である。液晶表示パネル1のガラス基板1aの上には、配線11と接続端子12、13とが形成される。ドライバIC2の半導体チップ2aには、外部接続端子21が形成される。
は、ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合の終端抵抗回路22の設定を示す図である。ドライバIC2との通信がMIPI D−PHYによって行われる場合には、フレキシブル配線基板3
の抵抗値がそれぞれ50Ωであれば、100Ωの終端抵抗が2つの外部接続端子21の間に接続されることになり、MIPI D−PHYにおける推奨に適合するため、より好ましい。ここで、抵抗素子61