特開2017-2704(P2017-2704A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-2704穴掘および道路ポール設置装置ならびに道路ポールの設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-2704(P2017-2704A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】穴掘および道路ポール設置装置ならびに道路ポールの設置方法
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/608 20160101AFI20161209BHJP
   E21B 7/02 20060101ALI20161209BHJP
【FI】
   E01F9/608
   E21B7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-78374(P2016-78374)
(22)【出願日】2016年4月8日
(31)【優先権主張番号】102015007997-4
(32)【優先日】2015年4月9日
(33)【優先権主張国】BR
(71)【出願人】
【識別番号】510277338
【氏名又は名称】ヴァーレ、ソシエダージ、アノニマ
【氏名又は名称原語表記】VALE S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、カルロス、デ、アルバレンガ
(72)【発明者】
【氏名】マグノ、パパ、ビタリノ
(72)【発明者】
【氏名】アイルトン、デ、スーザ
(72)【発明者】
【氏名】アキラ、カペル、カルデイラ、ペレイラ
【テーマコード(参考)】
2D064
2D129
【Fターム(参考)】
2D064AA22
2D064BA05
2D064EB22
2D064JA02
2D129AA00
2D129AB30
2D129BA07
2D129BB20
2D129DA12
2D129DC13
2D129DC33
2D129DC36
2D129DC52
2D129EB40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】露天掘り鉱山へのアクセス道路において、手作業によらず道路ポールを設置できる装置および方法を提供する。
【解決手段】アクセス道路15の土盛り16における道路ポール13の自動設置のための穴掘および道路ポール設置装置10は、液圧オーガと、支持マガジン4と、空気式インストーラ12と、機械アーム2と、輸送用車両14と、指令制御装置とを備える。機械アーム2は第1のリンク18および第2のリンクで構成される。第1のリンク18は、運搬車両14に固定された基部に取付けられる一端と、第2のリンクに結合される他端とを有する。第2のリンクは、道路ポール13を装填するためのマガジン4と、地面に穿設するための液圧オーガと、穴の中に道路ポール13を配置するための空気式配置機械12とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸送車両(14)に連結された機械アーム(2)を有する、穴掘および道路ポール設置装置(10)であって、前記穴掘および道路ポール設置装置(10)は、前記機械アーム(2)の長手側に配置された液圧オーガ(7)と、前記機械アーム(2)の長手側に接続され、前記液圧オーガ(7)と平行に配置されたマガジン(4)と、前記マガジン(4)の平坦側に配置された空気式インストーラ(12)とを備えることを特徴とする、穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項2】
露天掘り鉱山(20)の土盛り(16)の上側に道路ポール(13)を設置するように設けられることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項3】
前記機械アーム(2)が、前記機械アーム(2)を支持し動かすように設けられた可動関節部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項4】
前記機械アーム(2)が、少なくとも8の自由度を有することを特徴とする、請求項3に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項5】
前記機械アーム(2)が、2個のリンク、すなわち、第1のリンク(18)と第2のリンク(3)とを備えることを特徴とする、請求項3に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項6】
前記機械アーム(2)の前記第1のリンク(18)と前記輸送車両(14)との間の連結が、基部(1)によって行われることを特徴とする、請求項5に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項7】
前記液圧オーガ(7)と、前記マガジン(4)と、前記空気式インストーラ(12)とが、前記機械アーム(2)の前記第2のリンク(3)上に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項8】
前記マガジン(4)が、1個から10個の道路ポール(13)を格納するように設けられたスロット(6)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項9】
前記マガジン(4)が、前記スロット(6)の回転運動を行うことができることを特徴とする、請求項8に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項10】
前記機械アーム(2)の前記第2のリンク(3)と前記マガジン(4)との接続が、可動関節部によって行われることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項11】
前記液圧オーガ(7)が、サポート(9)と、地面に穴を穿設するように設けられたオーガ(8)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項12】
前記サポート(9)が、前記機械アーム(2)の前記第2のリンク(3)の長手側に配置されたレール(11)に沿った線形運動を行うように設けられていることを特徴とする、請求項11に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項13】
前記空気式インストーラ(12)が、前記スロット(6)のうちの1つに設けられた前記道路ポール(13)を地面に対して押し付けるように設けられた空気式ピストンを備えることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項14】
前記穴掘および道路ポール設置装置の駆動が、液圧式と空気式との両方であることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項15】
前記穴掘および道路ポール設置装置(10)に供給される出力が、前記車両(14)によって構成されるコンプレッサおよび電力ソケットから取得されることを特徴とする、請求項14に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項16】
前記輸送車両(14)が、道路運送トラックであることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項17】
前記基部(1)が、前記トラックの車体に連結されていることを特徴とする、請求項6または16に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項18】
前記穴掘および道路ポール設置装置(10)が、指令制御装置(17)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項19】
前記制御指令装置(17)が、前記機械アーム(2)と、前記液圧オーガ(7)と、前記空気式インストーラ(12)と、前記マガジン(4)とを制御するように設けられていることを特徴とする、請求項18に記載の穴掘および道路ポール設置装置(10)。
【請求項20】
請求項1に記載の道路ポール(13)の設置のための方法であって、前記方法が、
i.操作者によって前記マガジン(4)への前記道路ポール(13)の装填を行うステップと、
ii.前記輸送車両(14)によって設置位置に前記穴掘および道路ポール設置装置(10)を動かすステップと、
iii.前記機械アーム(2)を開くステップと、
iv.所望の前記設置位置に前記機械アーム(2)の前記第2のリンク(3)を配置するステップと、
v.地面に穴を穿設するために前記液圧オーガ(7)を作動させるステップと、
vi.前記穴の上に前記道路ポール(13)を配置するステップと、
vii.前記穴に前記道路ポール(13)を挿入するために前記空気式インストーラ(12)を作動させるステップと、
viii.前記マガジン(4)の開運動を行うステップと、
ix.前記スロット(6)の回転運動を行うために前記マガジン(4)を作動させるステップと、
x.前記輸送車両(14)によって次の設置位置に前記穴掘および道路ポール設置装置(10)を動かすステップと、
xi.前記マガジン(4)に含まれる前記道路ポール(13)がなくなるまで、ステップiii、ステップiv、ステップv、ステップvi、ステップvii、ステップviii、ステップix、およびステップxを繰り返すステップと、
xii.ステップiに戻るステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項21】
前記ステップiii、前記ステップiv、前記ステップv、前記ステップvi、前記ステップvii、前記ステップviii、および前記ステップixが、前記指令制御装置(17)によって行われることを特徴とする、請求項20に記載の道路ポール(13)の設置のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露天掘り鉱山(open pit mine)のための穴掘および道路ポール設置装置(earth auger and road prop machine)ならびに道路ポールの設置方法からなる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、露天掘り鉱山に向かうアクセス道路のための穴掘および道路ポール設置装置に関する。
【0003】
アクセス道路は、車両および機器が露天掘り鉱山にアクセスするのを可能にするために建設された道路である。アクセス道路は、鉱山の側縁に建設され、アクセス道路が鉱床の底部に到達するまで、らせん状の経路になるように先細りにされている(図1を参照されたい)。
【0004】
一般的には、アクセス道路は、常に、下側のアクセス道路から垂直方向に5mで位置決めされる(図2の距離を参照されたい)。
【0005】
アクセス道路15は、適切な照明を有しておらず、これが、夜に、道路の縁の境界に気付くことを難しくする。事故を防ぎ、道路の縁の視認性を改善するために、約2.5の高さの土盛り(土堤防)16が建設され(図2の距離d’を参照されたい)、これらの土盛りの上側に、道路ポール(road prop)13が設置される。
【0006】
道路ポールは、露天掘り鉱山へのアクセス道路の境界を示すために使用される信号送信デバイスである。道路ポールは、PVCチューブで作られ、夜により良く見えるように改善するために反射フィルムでラベル付けされている。
【0007】
道路ポールは、土盛りの上表面に順々に設置される。道路ポールは、アクセス道路を通って移動する車両の操作者を助ける。
【0008】
先行技術において、道路ポールは、作業者によって手作業で設置される。このような設置は、2つのステップ、すなわち、穿設ステップおよびポール設置ステップで行われる。
【0009】
穿設ステップは、(BRMU7602012−6で示された機器と同様な)バックホーを使用することによって、アクセス道路の土盛りの作業者によって行われる。このステップは、作業者の体力をかなり要求し、作業の人間工学に関しては非常に不満足なものである。
【0010】
2番目のステップは、1番目のステップで作り出された穴の中への道路ポールの導入である。このプロセスも、作業者によって行われ、いかなるデバイスのいかなる補助もなく、手作業で行われる。したがって、そのプロセスは、道路ポールを装填し、手作業で穴の中に道路ポールを挿入することが必要であるので、もう一度、かなりの体力を要求し、人間工学的条件の低さを示す。
【0011】
両方のステップが、土盛りの上側で行われるので、作業者を高い高度にさらし、これが、これらの個人が転落するという高いリスクをもたらし、道路ポールの設置を、身体的かつ人間工学的点で疲労困憊させるものにするだけでなく、作業者が17.5メートルの高さ(d+d’)から転落する原因となる可能性があるため危険である。
【0012】
さらに、道路ポールの設置の間、作業者は、その場所の天候条件に曝され、多くの日光を浴びること、雨の中で濡れること、または道路からの埃を吸い込むことがあり得る。これらすべてに曝されることが、これら被雇用者の身体的完全性(integrity)を害し得る。
【0013】
したがって、先行技術において採用された方法は、作業者に対して多大な危険をもたらし、かなりの体力を作業者から要求すると結論付けることができる。また、先行技術において採用された方法は、手作業で行われるので、この方法は、各道路ポールの設置を終えるために長い時間を必要とする。
【0014】
先行技術は、電柱の設置作業の自動化のために設定された技術を含む。しかしながら、以下で示されるように、これらの技術は、露天掘り鉱山において道路ポールを設置することに関する特定の問題を解決することはできない。これらの技術のうちの1つが、文献US20050161654で取り扱われている。
【0015】
文献US20050161654で取り扱われている技術は、電柱を設置するように適応および使用されるBobcat(登録商標)ローダと同様の車両を示す。その車両には、ポールのためのサポートと液圧オーガとから構成される一種の機械アームを装備されている。
【0016】
機械アームは、ポール設置の間の動作を担う。この設置手順もまた、穿設と設置との2つのステップに分けられる。
【0017】
穿設ステップは、機械アームに連結された液圧オーガによって行われる。液圧オーガは、次に、機械アームを動かすことによって地面に押し付けられ、その結果、地面に穴を作り上げる。
【0018】
ポールの配置は、同様に機械アームに設置された、ポールのためのサポートによって行われる。車両は、トラックまたは地面に置かれたポールに向かって動き、機械アームの動作を通じて、ポールのサポートとポールを接触させ、作業の間にポールをつかむ。
【0019】
ポールがサポートに取付けられると、車両は、ポールを配置するために穴の場所に向かって動く。次に、ポールを配置することもまた、機械アームを動かすことによって、内側の穴の部分の中にポールの端部を挿入することによって行われる。
【0020】
このプロセスは、例えば、一連の道路ポールを設置することを可能とすることができないので、長時間の実行を要求する。すべての電柱の設置の際に、車両がポールに向かって動き、次に、穴に動く必要がある場合には、その結果として、ポールを順次配置することには効果がない。
【0021】
US20050161654で示されたプロセスは、そこで示された車両が土盛りの上側に到達できないので、土盛りにおける道路ポールの設置にも適用可能であるとは考えられない。
【0022】
また、車両は、オフロードの運動に適応されておらず、それは、車両の床と地面との間の距離がほとんどないことによるものであり、このことが、車両が、荒れた道路、すなわち、露天掘り鉱山へのアクセス道路と似た道路を移動することを妨げる。
【0023】
先行技術は、道路の境界に対するポール挿入技術も包含する。このような技術は、文献DE10200401838で取り扱われている。しかしながら、この技術もまた、露天掘り鉱山において道路ポールを設置することには効果がない。
【0024】
このドイツの文献は、自動ポール配置機械と、道路に印を付けるための旗とが装備された車両を示す。車両は、ポールが直立位置にあるポール区画と、2つの別個のデバイス、すなわち、ローダとインストーラで作られたポール配置機械とを備える。
【0025】
ローダは、自動機械デバイスによって、ポール区画からインストーラにポールを輸送する働きをし、自動機械デバイスは、回転して、デバイスの端部が、ポール区画に置かれたポールに到達し、インストーラに戻ることを可能にするものである。ローダは、機械の端部にサポートを有し、サポートは、機械デバイスとともに、輸送の間、ポールを支持し、インストーラと接触したときにポールを離す働きをする。インストーラにおいて、ポールは、直立に置かれ、液圧ハンマによって地面に向かって押される。
【0026】
ローダによって行われる動きは、あるポール設置点から別のポール設置点への変位の間に行われるので、ポールが常に、求められる設置時に、インストーラに提供される。
【0027】
ポール区画もまた回り、ポールが常にローダで届く場所にあるようにし、順々にポールを設置するための迅速な積載を提供する。
【0028】
このプロセスは、車両面と同じ平面上で行われるので、露天掘り鉱山の土盛りなどの高い場所でのポールの配置を防ぐ。依然として、ポールは、事前に穿設を行うことなく、地面に向かって押されるので、道路ポールの設置を妨げる。なぜならば、一般的には、道路ポールは、PVCチューブで作られ、これは、軸方向の圧力に対する抵抗力が低いことを意味するからである。
【0029】
この理由のために、DE10200401838の技術が、高い場所に信号送信するために使用されることができず、構造抵抗が低い道路ポールを設置することができない場合には、DE10200401838の技術は、露天掘り鉱山における道路ポールの配置に適用可能ではない。
【0030】
ここで示した技術に基づくと、従来技術においては、土盛り16の上で道路ポールを自動化された方法で設置することができる、露天掘り鉱山において道路ポールを設置するための技術はない。道路ポールが迅速かつ順々に設置されることを可能にする、道路ポール配置のための方法もない。最後に、要素の構造を破壊することを避けることができる、道路ポール配置の自動化された方法はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明は、露天掘り鉱山の土盛りにおいて、自動化された方法で、道路ポールを設置するための穴掘および道路ポール設置装置を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明はまた、露天掘り鉱山の土盛りにおいて、順々に、道路ポールを設置するための穴掘および道路ポール設置装置を目的とする。
【0033】
最後に、本発明はまた、露天掘り鉱山の土盛りにおいて、順々に、道路ポールを設置するための方法を標的とする。
本発明は、それぞれの図面に基づいて詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】露天掘り鉱山の鳥瞰図である。
図2】露天掘り鉱山の正面断面図である。
図3】穴掘および道路ポール設置装置の正面図である。
図4】穴掘および道路ポール設置装置の鳥瞰図である。
図5】機械アームと機械アームの構成要素との鳥瞰図である。
図6】機械アームの開運動の側面図を描く。
図7】機械アームの第1のリンクの運動の側面図および上面図を描く。
図8】機械アームの第2のリンクの回転性変位の側面図を描く。
図9】液圧オーガの線形運動の側面図を描く。
図10】マガジンの開きの正面図を描く。
図11】マガジンの回転の上面図を描く。
図12】空気式インストーラの線形運動の正面図を描く。
図13】推奨設定における指令制御装置の鳥瞰図を描く。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、露天掘り鉱山20に向かうアクセス道路15のための穴掘および道路ポール設置装置10に関する。本発明はまた、露天掘り鉱山20からの土盛り(土堤防)16において道路ポール13を設置するための方法に関する。
【0036】
アクセス道路15は、車両および機器が露天掘り鉱山20にアクセスすることを可能にするように建設された道路である。アクセス道路は、露天掘り鉱山20の側縁に建設され、鉱床の底部までのアクセスを可能にするように、先細りにされて、らせん状の経路になっている。図1を参照されたい。
【0037】
アクセス道路15は、照明ポールを有しておらず、このことが、夜に、アクセス道路15の縁の境界に気付くことを困難にする。事故を防ぐために、約2.5mの高さの土盛り16が両縁に建設される。
【0038】
土盛り16の上側に、道路ポール13が配置される。道路ポール13は、露天掘り鉱山20へのアクセス道路15の境界を示すために使用される信号送信ポールである。
【0039】
従来技術における道路ポール13の配置は、手作業で行われるので、完成するまでに長い時間がかかる。配置はまた、作業者が転落する危険をもたらし、過度な体力を要求する。
【0040】
これらの問題に対する解決策を求めて、穴掘および道路ポール設置装置10は、ここで、道路ポール13が自動的に設置されることを可能にするので、従来技術によって提示された、作業者の体力と転落の危険を省く。
【0041】
穴掘および道路ポール設置装置10は、液圧オーガ7と、支持マガジン(supporting magazine)4と、空気式インストーラ12と、機械アーム2と、輸送用車両14と、指令制御装置17とを備える。各構成要素は、より良く理解するために以下で別個に記載される。
【0042】
機械アーム2は、道路ポール13の配置の間、支持マガジン4と空気式インストーラ12と液圧オーガ7とを動かし支持するように設けられる。アーム2は、構成要素4、7、12に幅広い自由度を提供し、道路ポール13が土盛り16の上表面などの高い場所に設置され(図3を参照されたい)、使用しないときには、道路ポールを納めることを可能にする。
【0043】
機械アーム2に対する自由度は、道路ポール13を運んで設置しながら、すべての構成要素4、7、12を支持し動かすことを保証する可動関節部によって提供される。
【0044】
機械アーム2は、2つのリンクを備え、第1のリンクはリンク18であり、第2のリンクがリンク3である。第2のリンク3は、第1のリンク18に取付けられた一端と、自由端とを有する。第2のリンク3は、道路ポール13の設置の間に構成要素4、7、12を支持する働きをする。
【0045】
第1のリンク18は、第2のリンク3が、土盛り16の上表面に到達することを可能にするように設けられる。第1のリンク18は、上下に動いたり左右に動いたりすることができ、すなわち、垂直方向に回転したり水平方向に回転したりすることができる。図7を参照されたい。
【0046】
第1のリンク18によって行われる垂直運動は、ベースライン1から90°の角度を描くことができるが、水平運動においては、第1のリンク18は、ベースライン1から360°回転することができる。
【0047】
液圧オーガ7は、道路ポール13を配置するために、500mmから3000mmの高さの土盛りにおいて、直径100mm、深さ800mmの穴を作るように設けられる。液圧オーガは、サポート9に連結されたオーガ8を備え、サポートは、穿設作業の間にオーガ8を同じ高さにする。
【0048】
このようなサポート9は、機械アーム2に対する第2のリンク3の半径方向の面に位置決めされたトレイル11に設置されるので、オーガ8が機械アーム2の第2のリンク3に対して平行に配置される。
【0049】
トレイル11は、地面を穿設する間に、液圧オーガ7が、線形運動で移動することを可能にするので、オーガ8が、地面を穿設するために、地面に入ったり地面から出たりすることを可能にする。
【0050】
オーガ8は、サポート9の上に位置決めされた液圧エンジンによって駆動され、オーガ8を回転させるためだけに働く。受台9によって行われる線形運動は、レール11の上端または下端に受台を押し付ける液圧シリンダによって行われる。図9を参照されたい。
【0051】
マガジン4は、道路ポールの設置のために、道路ポール13を格納し配置するように設けられる。マガジン4は、道路ポール13の格納を担うスロット6を備える円形基部(circular base)5からなる。
【0052】
円形基部5は、機械アーム2の第2のリンク3の半径方向側に対して平行に配置された半径方向側を有する。次に、円形基部は、関節部によって機械アーム2の第2のリンク3に連結される。
【0053】
この関節部は、マガジン4と第2のリンク3との間における開運動の実施を担う。図10を参照されたい。この運動は、マガジンと第2のリンクとに、それらの構造の間で90°の角度を画定させる。
【0054】
スロット6は、円形基部5の平坦側に対して垂直に配置されるので、道路ポール13もまた、円形基部の平坦側に対して垂直に配置されたままでいる。道路ポール13は、穿設後の迅速な設置のために、液圧オーガ7のオーガ8と平行に配置される。
【0055】
スロット6が設置される、円形基部5の平坦側は、長手方向軸で回転運動を行うように設けられる。この運動は、発射後の銃の弾倉を回転させることと同様に、スロット6に含まれるすべての道路ポール13が、設置点に到達することができるように行われる。
【0056】
設置点は、マガジン4の円形基部5の平坦側において位置決めされる。設置点は、マガジンが、空気式インストーラ12で構成される空気式シリンダとスロット6の整列を生じさせる地点である。
【0057】
空気式インストーラ12は、土に対して道路ポール13を「押す」ように設けられるので、道路ポールがアースオーガ7によって穿設された穴に入ることができる。図12を参照されたい。インストーラ12は、設置の間に穴に対して道路ポール13を押し付ける空気式ピストンを備える。
【0058】
空気式インストーラ12は、一度に、スロット6に含まれた1本の道路ポール13だけを地面の中に押し付けるので、円形基部5の回転運動が他のスロット6を設置点に到達させる。図11を参照されたい。これを用いて、マガジン4のスロット6に含まれるすべての道路ポール13を設置することができ、操作者は、各設置時に、マガジン4に再装填するために停止する必要はない。
【0059】
輸送用車両14は、道路ポール13の設置の間に、アースオーガおよびアプリケータ10を動かし、アースオーガおよびアプリケータ10に必要とされる出力の一部を提供するように設けられる。
【0060】
図3に示された穴掘および道路ポール設置装置10は、液圧式および空気式である。この機器に供給される出力は、車両14で構成されるコンプレッサおよび電源ソケットから取得される。マガジン4の回転を個別に担う電気モータがある。
【0061】
穴掘および道路ポール設置装置10は、8の自由度を有し、それぞれが、図面で提示され、より良い理解のために、下で別個に指摘される。
【0062】
図6は、機械アーム2の第2のリンク18の開運動を描き、図7は、第1のリンク18によって行われる2つの運動を描き、図8は、第2のリンク3の回転であり、図9は、液圧オーガ7によって行われる線形運動であり、図10は、マガジン4によって行われる開運動であり(この運動は、マガジン4と新たに設置される道路ポール13との間の衝突を回避するために必須である)、図11は、マガジン4によって行われる回転運動であり、最後に、図12は、空気式インストーラ12によって行われる運動を描く。
【0063】
穴掘および道路ポール設置装置10はまた、操作者が、車両14を離れる必要なく、道路ポール13の設置を行うことを可能にするように設けられた指令制御装置17を含む。
【0064】
指令制御装置17は、機械アームの自由度にしたがって機械アームを動かすことを可能にするジョイスティックを介して機械アーム2を制御することを可能にする。このことが、道路ポール13の設置のための正確な位置決めを可能にする。
【0065】
指令制御装置17はまた、液圧アースオーガ7と、マガジン4と、空気式インストーラ12とを制御する。これらは、安全のために、機械アーム2がすでに開かれ、道路ポール13の設置位置に置かれたときにだけ作動させられる。
【0066】
液圧アースオーガ7は、制御装置17に含まれるボタンによって駆動される。ボタンが押されたときには、液圧モータを作動させ、オーガ8に回転を始めさせる。
【0067】
マガジン4は、制御装置17に含まれる別のボタンによって駆動され、その別のボタンは、マガジンと関連付けられる電気モータを駆動し、円形基部5を回転させて設置点に他のスロット6を位置させるように設けられる。
【0068】
空気式インストーラ12もまた、制御装置17に含まれるボタンによって駆動される。このボタンは、インストーラ12の空気式シリンダを作動させ、インストーラが、スロット6に含まれる道路ポール13を押し込むようにし、地面に新たに形成された穴に道路ポールを配置させる。
【0069】
代替的には、穴掘および道路ポール設置装置10は、リンク18、3、および構成要素4、7、12の動作を調和させるように設けられた1または2以上のマイクロプロセッサを備え得る。
【0070】
これらのマイクロプロセッサは、1つのボタンに触ったときに、穴掘および道路ポール設置装置10の操作者が、アーム2の接近方法、穴の穿設、道路ポール13の挿入、マガジン4の回転、および図10に記載された開きを決定することを可能にする。
【0071】
また代替的には、機械アーム2は、2つに分けられることができるので、機械アームの長さが、伸縮ブーム(telescopic boom)と同様に、液圧シリンダによって調節可能である。アーム2の回転はまた、液圧シリンダに限定されず、ウォームスクリューとクラウンとの組に連結された液圧モータによって行われることができる。
【0072】
本発明はまた、露天掘り鉱山20における道路ポール13の設置のための方法からなる。このような方法は、道路ポール13が順々に設置されるので、作業の間、非常に効率的であること、非常に快適であること、そして非常に安全であることを確保することを可能にする。
【0073】
本方法は、12のステップからなり、第1のステップは、操作者によって最大10本の道路ポール13をマガジン4に装填することである。このような装填は、マガジン4のスロット6に道路ポール13を手作業で挿入することによって行われる。
【0074】
第2のステップは、操作者が道路ポールを設置したい位置まで穴掘および道路ポール設置装置10で動かすことである。このような動きは、操作者によって導かれる輸送車両14によって行われる。
【0075】
代替的には、トラックを、GPSおよび自律ステアリングシステムによって道路ポールの設置位置まで動くように、自動化および設定することができる。
【0076】
第3のステップは、機械アーム2を開き、第2のリンク3を土盛り16の上側に到達させることである。次に、第4のステップは、操作者が道路ポール13を設置したい正確な場所の上に第2のリンク3を置くことにある。
【0077】
第5のステップは、穴を穿設するために液圧オーガ7を作動させることである。この作動によって、サポート9に連結された液圧モータがオーガ8を回転させ、サポートがレール11に沿って線形運動を行い、地面に対してオーガ8を押し付け、そしてオーガを元の場所に戻す。この運動は、オーガ8を地面の中に動かしたり地面から外に動かしたりし、オーガ8の引抜きの後に、その場所に穴を残す。
【0078】
第6のステップは、図8に示されるように、第2のリンク3の回転を通じて穴の上に道路ポール13を置くことであり、次に、第7のステップにおいて、空気式インストーラ12を作動させる。この作動によって、インストーラ12が道路ポール13上に必要とされる力を加えるので、道路ポールが第5のステップにおいて穿設された穴の中に動く。
【0079】
第8のステップは、マガジン4の開運動を行うことである。この運動は、マガジン4が、新たに設置された道路ポール13と衝突することを防ぐ。
【0080】
第9のステップは、マガジン4を作動させ、マガジンの円形基部5に回転運動を実施させることである。この動きによって、設置点に別のスロット6が設置される。
【0081】
第10のステップは、次の道路ポール設置点へのオーガおよびインストーラ10の移動であり、連続的設置(installation sequence)を継続する。
【0082】
第11のステップは、マガジン4に含まれる道路ポール13がなくなるまで、第2のステップから第10のステップまでを繰り返すことである。第12のステップは、すべての道路ポール13が使用されたときに、本方法を再開することであり、その結果、第1のステップから再び始まる。
【0083】
第3のステップから第9のステップに存在するすべての指令は、指令制御装置17によって行われる。指令制御装置は、好適な構成においては、制御車両14のキャビン19の中に設置される。図13を参照されたい。このような位置決めは、操作者が車両14を離れることなく道路ポール13の設置を行うことを可能にする。
【0084】
好適な構成において、穴掘および道路ポール設置装置10は、図3に示されるように構成される。穴掘および道路ポール設置装置において、使用される輸送車両14は、道路運送トラック(road truck)であり、基部1がトラックの車体に固定される。マガジン4は、10個のスロット6を有するので、装填を止める前に10本の道路ポール13の設置を可能にする。本発明の好適な構成によって定義される別の詳細は、8の自由度を有する機械アーム2を含むことである。
【0085】
本発明の好適な構成は、これらすべての詳細が記載されるが、これらの記載に対するわずかな変更が本特許出願の保護範囲を超えないことは明らかである。いくつかの可能性を言及するだけであるが、穴掘および道路ポール設置装置10は、5の自由度を有するアーム2、4つのスロット6を備える1個のマガジン、および輸送車両14としてのトラクタを備え得る。
【0086】
穴掘および道路ポール設置装置10は、操作者にとって、より安全でより快適な、道路ポール13の設置を可能にする。穴掘および道路ポール設置装置10と、本明細書において記載された設置方法との使用で、輸送車両14を離れることなく、順々に複数の道路ポール13を設置することが可能である。このことが、道路ポール13の設置の効率を高めることにより、より短期間で、より多くの数の設置を可能にする。
【0087】
本発明の好適な完成例の一部を記載してきたが、本明細書によって与えられる保護の範囲は、本発明の実施に対して適切なすべての他の代替の形態を含み、本発明は、添付の特許請求の範囲の内容によってのみ定義および限定されることに留意されたい。
図3
図4
図5
図1
図2
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】
2017002704000001.pdf