【解決手段】記憶部51には、不動産管理業者情報、不動産物件リストや、不動産仲介業者リスト等が記憶される。不動産物件リストには、複数の不動産物件の各種情報が含まれる。不動産仲介業者リストには、複数の仲介業者の各種情報が含まれる。アクセス部54は、不動産仲介業者リストに含まれる複数の不動産仲介業者へ物件情報を配信する。
第1の不動産物件の内容を表す第1の物件情報と第2の不動産物件の内容を表す第2の物件情報とを有する物件リストと、第1の不動産仲介業者の内容を表す第1の不動産仲介業者情報と第2の不動産仲介業者の内容を表す第2の不動産仲介業者情報とを有する仲介業者リストと、を記憶する記憶手段に対して、アクセス可能なアクセス手段を備え、
前記アクセス手段は、前記仲介業者リストに含まれる複数の前記不動産仲介業者へ前記物件情報を配信する配信ステップを行うことを特徴とする不動産管理システム。
第3の不動産物件の入居者の退去希望が出された後であって、前記第3の不動産物件が新たな入居者の入居が可能な状態になる前に、前記第3の不動産物件に関する前記配信ステップが行われることを特徴とする請求項1または2記載の不動産管理システム。
前記配信ステップでは、前記仲介業者リストに含まれる複数の前記不動産仲介業者へ、前記物件情報を同時配信することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載の不動産管理システム。
前記配信ステップが複数回行われる場合、最初の配信は、前記仲介業者リストに含まれる複数の前記不動産仲介業者への同時配信であることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の不動産管理システム。
前記配信ステップでは、配信可能状態となっている全ての前記物件情報を、前記仲介業者リストに含まれ配信可能な全ての前記不動産仲介業者へ配信することを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項記載の不動産管理システム。
物件を提供する物件提供者から支払われる提供者側仲介手数料のうち不動産管理業者が受け取る管理業者側手数料を表す管理業者側手数料情報と、前記提供者側仲介手数料のうち不動産仲介業者が受け取る仲介業者側手数料を表す仲介業者側手数料情報と、を有する手数料管理情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする不動産管理システム。
物件が提供される物件被提供者から支払われる被提供者側仲介手数料のうち不動産管理業者が受け取る管理業者側手数料を表す管理業者側手数料情報と、前記被提供者側仲介手数料のうち不動産仲介業者が受け取る仲介業者側手数料を表す仲介業者側手数料情報と、を有する手数料管理情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする不動産管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような仲介業者による当該不動産物件のPRの方法は、多くの借り手候補へ行き届かず、結果、機会損失が生まれやすい。かかる事態は、大家にとってはデメリットである。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、不動産物件の賃貸に対する機会損失を抑えた不動産管理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の不動産管理システムは、第1の不動産物件の内容を表す第1の物件情報と第2の不動産物件の内容を表す第2の物件情報とを有する物件リストと、第1の不動産仲介業者の内容を表す第1の不動産仲介業者情報と第2の不動産仲介業者の内容を表す第2の不動産仲介業者情報とを有する仲介業者リストと、を記憶する記憶手段に対して、アクセス可能なアクセス手段を備え、前記アクセス手段は、前記仲介業者リストに含まれる複数の前記不動産仲介業者へ前記物件情報を配信する配信ステップを行うことを特徴とする。
【0007】
前記配信ステップの配信先は、配信元とは独立した前記不動産仲介業者であることが好ましい。また、第3の不動産物件の入居者の退去希望が出された後であって、前記第3の不動産物件が新たな入居者の入居が可能な状態になる前に、前記第3の不動産物件に関する前記配信ステップが行われることが好ましい。
【0008】
前記配信ステップでは、前記仲介業者リストに含まれる複数の前記不動産仲介業者へ、前記物件情報を同時配信することが好ましい。また、前記配信ステップが複数回行われる場合、最初の配信は、前記仲介業者リストに含まれる複数の前記不動産仲介業者への同時配信であることが好ましい。らに、前記配信ステップでは、配信可能状態となっている全ての前記物件情報を、前記仲介業者リストに含まれ配信可能な全ての前記不動産仲介業者へ配信することを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1項記載の不動産管理システム。
【0009】
本発明の不動産管理システムは、物件を提供する物件提供者から支払われる提供者側仲介手数料のうち不動産管理業者が受け取る管理業者側手数料を表す管理業者側手数料情報と、前記提供者側仲介手数料のうち不動産仲介業者が受け取る仲介業者側手数料を表す仲介業者側手数料情報と、を有する手数料管理情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の不動産管理システムは、物件が提供される物件被提供者から支払われる被提供者側仲介手数料のうち不動産管理業者が受け取る管理業者側手数料を表す管理業者側手数料情報と、前記被提供者側仲介手数料のうち不動産仲介業者が受け取る仲介業者側手数料を表す仲介業者側手数料情報と、を有する手数料管理情報を記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記管理業者側手数料が無料であることが好ましい。また、前記記憶手段に記憶された前記手数料管理情報に対するアクセスを制限するアクセス制限手段を備え、前記アクセス制限手段は、前記物件提供者からの閲覧要求に対し、当該物件提供者が提供した前記物件に係る前記管理業者側手数料情報又は前記仲介業者側手数料情報の閲覧を許可することが好ましい。
【0012】
本発明の不動産管理システムは、不動産物件の内容を表す物件情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に対して、アクセス可能なアクセス手段と、前記アクセス手段による前記記憶手段へのアクセスに関する情報を、当該物件情報に関連付けるアクセス情報関連付け手段と、前記アクセスに関する情報を集計する集計手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、不動産物件のPRをより多くの借り手候補へ行き届かせ、不動産賃貸の機会損失を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、不動産管理システム2は、大家(物件提供者)10A〜10Cが所有する賃貸用不動産物件の管理や仲介を行うためのものであり、不動産管理業者30が所有する管理側情報処理装置31を備える。管理側情報処理装置31は、通信回線40と接続しているため、大家10A〜10Cが所有する大家側情報処理装置11A〜11Cや、不動産仲介業者20A〜20Cが所有する仲介側情報処理装置21A〜21Cと、通信可能となっている。ここで、不動産管理業者30は、不動産仲介業者20A〜20Cとは、提携関係にはない独立した業者である。
【0016】
なお、不動産管理システム2は、管理側情報処理装置31に加えて、大家側情報処理装置11A〜11Cや仲介側情報処理装置21A〜21Cを含めてもよい。
【0017】
図2に示すように、管理側情報処理装置31は、CPU31Aと、RAM31Bと、ROM31Cと、外部記憶装置31Dと、入力装置31Eと、表示装置31Fと、入出力インターフェース31Gと、バス31Hと、を備えている。
【0018】
CPU31Aは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて管理側情報処理装置31の各種サービスを実現する。RAM31Bは、いわゆるRAM(ランダム・アクセス・メモリ)であり、CPU31Aの作業領域として使用される。ROM31Cは、いわゆるROM(リード・オンリー・メモリ)であり、CPU31Aで実行される基本OSや各種プログラム(例えば、不動産管理プログラム)を記憶する。
【0019】
外部記憶装置31Dは、各種プログラムの演算結果などを記憶するものであり、内蔵型の記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、着脱可能な記憶装置(例えば、メモリーカード等)がある。なお、外部記憶装置31Dとしては、NAS(ネットワークアタッチストレージ)のように、通信回線40経由で接続されるものでもよい。
【0020】
入力装置31Eは、入力キーやキーボード、マウスであり、各種情報を入力する。表示装置31Fは、ディスプレイであり、各種動作状態を表示する。
【0021】
入出力インターフェース31Gは、通信回線40(
図1)とにおける通信を可能にするものである。バス31Hは、CPU31A、RAM31B、ROM31C、外部記憶装置31D、入力装置31E、表示装置31F、入出力インターフェース31Gなどを一体的に接続して通信を行う配線となる。
【0022】
ROM31Cに記憶された基本OSや各種プログラムがCPU31Aによって実行されると、
図3に示すように、管理側情報処理装置31は、各種データを記憶可能な記憶部51と、各種情報を出力する出力部52と、要求信号を受け付ける受付部53と、要求信号に基づいて、記憶部51への書き込み処理や読み取り処理を行うアクセス部54と、アクセス部54による処理を許可するか否かを判断するアクセス規制部55と、記憶部51に記憶された各種データを集計する集計部56と、集計結果を分析する分析部57と、その他の制御を行う制御部59と、を備える。
【0023】
記憶部51は、各種データを記憶するためのものであり、各種データとしては、
図4に示すように、不動産管理業者情報100、不動産物件リスト200や、不動産仲介業者リスト300等がある。
【0024】
図5に示すように、不動産管理業者情報100は、管理業者の名称及びID、管理業者の所在地、管理業者の連絡先、管理業者の振込先口座番号、管理担当者の氏名及びID、システム内のデータに対するアクセス権限の有無など、不動産管理業者に関する各種データが含まれる。
【0025】
図6に示すように、不動産物件リスト200は、大家から不動産管理を委託された物件の各種情報が含まれるものであり、不動産物件ごとに割り振られる物件ID210と、物件情報220とが関連付けられている。
【0026】
物件情報220は、不動産物件の詳細情報であり、
図7に示すように、不動産物件の所有者情報221(所有者の氏名及びID、住所、連絡先、振込先口座番号等)、業務管理委託契約情報222、ステータス情報223、募集条件情報224、仲介手数料の分配情報225や、賃貸借契約情報228等を備える。
【0027】
業務管理委託契約情報222としては、管理業者の名称、担当者の氏名及びID、管理内容、管理費用、システム登録日などの各種データが含まれる。ここで、システム登録日時とは、物件情報が不動産管理システム2の記憶部51に記憶された日時である。
【0028】
ステータス情報223は、当該物件が、空状態等であるか否かを表すものであり、空状態と満状態のいずれかに属する。賃貸借契約が締結されると、ステータス情報223は、満状態となる。一方、賃貸借契約の更新がなく期限を迎えると、ステータス情報223は、空状態となる。
【0029】
募集条件情報224としては、大家が支払う仲介手数料の金額を表す第1仲介手数料情報224A、借主が支払う家賃を表す家賃情報224B、借主が支払う敷金・礼金を表す敷金礼金情報224Cや、借主が支払う仲介手数料の金額を表す第2仲介手数料情報224X等がある。
【0030】
仲介手数料の分配情報225としては、第1仲介手数料の分配情報225Aと、第2仲介手数料の分配情報225Xとがある。仲介手数料の分配情報225のアクセスは、当該不動産物件の所有者の大家であれば、自由に行うことができる。なお、仲介手数料の分配情報225のアクセスを、すべての仲介業者に対して許可してもよい。
【0031】
第1仲介手数料の分配情報225Aは、大家が支払う仲介手数料のうち、不動産管理業者が受け取る割合と仲介業者が受け取る割合を定義したものである。
図7に示す第1仲介手数料の分配情報225Aは、「仲介業者が受け取る割合=大家が支払う仲介手数料のA%」と、「不動産管理業者が受け取る割合=大家が支払う仲介手数料の(100−A)%」と、「A=100」といった定義情報を含む。なお、Aは、0以上100以下の間の任意の値を取ることができる。すなわち、Aは、100以外の値でもよい。
【0032】
第2仲介手数料の分配情報225Xは、借主が支払う仲介手数料のうち、不動産管理業者が受け取る割合と仲介業者が受け取る割合を定義したものである。
図7に示す第2仲介手数料の分配情報225Xは、「仲介業者が受け取る割合=借主が支払う仲介手数料のX%」と、「不動産管理業者が受け取る割合=借主が支払う仲介手数料の(100−X)%」と、「X=100」といった定義情報を含む。なお、Xは、0以上100以下の間の任意の値を取ることができる。すなわち、Xは、100以外の値でもよい。
【0033】
第1仲介手数料の分配情報225Aの値や、第2仲介手数料の分配情報225XのXの値は、不動産物件ごとに個別に設定できる。なお、不動産管理システム2に登録された物件情報において、AやXの値は、全て一定であることが好ましい。
【0034】
賃貸借契約情報228としては、借主の氏名、住所、連絡先、家賃、敷金、礼金、更新時期、更新料、などの各種データが含まれる。
【0035】
さらに、物件情報220は、募集のための配信を行うか禁止するかを表す募集可否フラグ231、物件の予約の有無を表す予約フラグ232、入居者が退去希望を出しているか否かを表す退去希望フラグ234等の各種フラグ情報が含まれる。なお、募集可否フラグ231の初期状態は「募集禁止」、予約フラグ232の初期状態は「予約無し」、そして、退去希望フラグ234の初期状態は、「退去希望無し」となっている。
【0036】
アクセス規制部55は、ステータス情報223や各種フラグ情報に基づき、所定の制御を行う。アクセス規制部55による、仲介業者への情報の照会制御パターンの一例を、
図8に示す。
【0037】
図7に戻って、さらに、物件情報220は、仲介業者からの問い合わせ数情報241と、問い合わせ履歴を表す問い合わせ履歴情報242と、問合せ履歴の集計結果を表す集計結果情報243と、問合せ履歴の分析結果を表す244と、が含まれていてもよい。
【0038】
図9に示すように、仲介業者リスト300は、複数の仲介業者の各種情報が含まれるものであり、仲介業者ごとに振られる業者ID310と、仲介業者の詳細情報320とが関連付けられている。仲介業者の詳細情報320としては、仲介業者の名称、所在地、連絡先、担当者の氏名及びID,振込先口座番号など、仲介業者に関する各種データが含まれる。
【0039】
アクセス規制部55は、管理業者情報100、物件リスト200、仲介業者リスト300のそれぞれについて、アクセス要求をした要求元がアクセス可能な者であるか否かを判別し、要求元がアクセス可能な者である場合には、アクセスを許可し、そうでない場合にはアクセスを禁止する。不動産管理業者は、管理業者情報100、物件リスト200、仲介業者リスト300のそれぞれに対し、読み込み・書き込み両方が可能となっている。大家及び仲介業者は、一定の情報についての読み込みについてのみ可能となっている。
【0040】
また、アクセス規制部55は、要求元のIDと、物件情報に含まれる所有者のIDとを読み込み、両方のIDが一致する物件情報についてのみ、アクセスを許容し、それ以外はアクセスを禁止する。結果、大家は、物件リスト200のうち自身が保有する不動産物件に関する物件情報220の閲覧が可能である。
【0041】
さらに、アクセス規制部55は、第1仲介手数料の分配情報225Aや第2仲介手数料の分配情報225Xについて、仲介業者からの読み込みを許容してもよい。
【0042】
次に、不動産管理システム2の作用を説明する。
【0043】
(業務管理委託契約情報)
不動産管理業者30は、大家10A〜10Cが所有する不動産物件に対し、それぞれ業務管理委託契約を結ぶ。この業務管理委託契約に関する詳細情報が、不動産管理システム2の記憶部51へ業務管理契約情報222として記憶される。これによって、業務管理委託契約が締結された不動産物件は、不動産管理システム2へ登録される。このとき、ステータス情報223は、当該不動産物件の入居者がいない場合には空状態に、当該不動産物件の入居者がいる場合には満状態に、それぞれ不動産管理業者30の操作によって設定される。
【0044】
(募集の準備)
ステータス情報223が空状態の場合には、入居者の募集を行うことができる。借主を募集するための募集条件を募集条件情報224として不動産管理システム2へ登録する。不動産業者は、不動産管理システム2を操作して、募集条件情報224に対して、仲介手数料の分配情報225を設定する。ここでは、「A=100」、「X=100」と設定される。
【0045】
(募集開始)
その後、不動産管理業者は、不動産管理システム2を操作して、募集可否フラグ231を「募集可能」に設定すると、仲介業者リスト300に登録された複数の仲介業者へ、当該不動産物件の情報が配信される。この配信先は、仲介業者リスト300に登録された全ての仲介業者であってもよいし、その一部であってもよい。これによって、仲介業者は、当該不動産物件について借主の募集を行うことができる。なお、当該不動産物件の情報配信を複数回行う場合には、最初の配信時において、複数の仲介業者へ配信することが好ましい。
【0046】
(問い合わせ)
借主の募集を行っている不動産物件について問い合わせがあった場合には、仲介業者は、問い合わせ内容(問い合わせ日時、問い合わせ内容、見学希望情報等)を不動産管理システム2へ送信する。受付部53では、問い合わせ内容を受け付ける。次に、アクセス規制部55は、物件情報220を読み取り、対応する物件情報の募集可否フラグ231及び予約フラグ232を読み取り、募集可否フラグ231が「募集可能」かつ予約フラグ232「予約なし」であれば、予約フラグ232が「予約可能状態」であれば、アクセス部54による当該物件情報へのアクセスを許可する。それ以外であれば、アクセス部54による当該物件情報へのアクセスを禁止する。
【0047】
(予約)
募集可否フラグ231が「募集可能」の場合において、仲介業者から予約の要求を受け付けた場合には、アクセス規制部55は、当該不動産物件の予約フラグ232を「予約有り」にするとともに、予約フラグ232が「予約無し」となるまでの間、他の仲介業者は、当該不動産物件の詳細情報を照会できなくなる。なお、申し込みがないまま一定期間が経過すれば、制御部59は、予約フラグ232を「予約無し」へ戻す。これ以降、他の仲介業者は、当該不動産物件の詳細情報を照会することができる。
【0048】
(賃貸借契約)
大家と借主との間で賃貸借契約が締結されると、当該賃貸借契約に関する情報が、賃貸借契約情報228として不動産管理システム2へ登録される。このとき、アクセス規制部55は、募集可否フラグ231を「募集禁止」へ切り替える。その後、家賃や敷金・礼金の支払いが行われる。この実施形態では、第1〜2仲介手数料の分配情報225における「A=100」、「X=100」となっているため、仲介業者は、大家及び借主からの手数料の総額を全部うけとることができる。
【0049】
このように、その後、不動産管理業者は、不動産管理システム2に登録された不動産物件は、1つの仲介業者ではなく、複数の仲介業者に同時配信される。このため、大家が管理を委託した不動産物件は、多く人の目に触れることとなり、機会損失の低下を抑えることができる。
【0050】
また、第1仲介手数料の分配情報225Aが、「A=100」と設定されるため、大家が支払う仲介手数料は、全て、仲介業者へ渡る。すなわち、不動産管理業者は、仲介手数料のマージンをとらないため、仲介業者は、当該不動産物件の仲介に専念できる。このため、不動産物件のPRがより多くの人へ行われやすくなる結果、当該不動産物件の機会損失を抑えることができる。同様に、第2仲介手数料の分配情報225Xが、「X=100」と設定されるため、借主が支払う仲介手数料は、全て、仲介業者へ渡る。すなわち、不動産管理業者は、仲介手数料のマージンをとらないため、仲介業者は、当該不動産物件の仲介に専念することとなり、結果として、当該不動産物件の機会損失を抑えることができる。
【0051】
さらに、仲介手数料の分配情報225は、所有者である大家からはアクセス可能である。したがって、大家が支払う仲介手数料から不動産管理業者がマージンを取っていないか否か、または、相場よりも高い仲介手数料を借主から取ろうとしているか否かについて、大家自身が確認することができる。言い換えれば、仲介業者や借り手のインセンティブを削いでいないか否かを、大家自身が確認することができる。このため、大家が管理を委託した不動産物件が、仲介業者を経由して広くPRされる環境にあることを、大家自身が把握することができる。
【0052】
(問い合わせ)
募集可否フラグ231が「募集可能」となっている不動産物件に対し問い合わせがあった場合には、制御部59は、仲介業者からの問い合わせのあった日時、問い合わせ者の属性などを当該不動産物件に係る問い合わせ数情報241として記憶してもよい。これにより、問い合わせの都度、問い合わせ数情報241が記憶部51に追記されるため、結果として、記憶部51には、問い合わせ履歴情報242が記憶されることとなる。集計部56は、問い合わせ履歴情報242の集計し、分析部57は、集計結果を分析する。このような分析結果から、募集をかけてから長い月日がたつにも拘らず、問い合わせが少ない場合には、募集条件を見直すなどのコンサルティングに用いることができる。
【0053】
(退去希望)
なお、入居者から退去希望が出された場合には、不動産管理業者は、不動産管理システム2を操作して、退去希望フラグ234を「退去希望有り」に設定する(
図8参照)。これにより、制御部59は、募集可否フラグ231を「募集可能」に設定する。そして、入居者の退去が完了したら、退去希望フラグ234を「退去希望無し」に設定するとともに、ステータス情報223を「満状態」から「空状態」へ切り替える。このように、このため、入居者から退去希望の通知後であれば、入居者募集を行うことができる。すなわち、クリーニングやリフォームといった新たな入居者の入居が可能になる前においても、入居者募集を行うことができる。結果、入居者募集を早く開始することができるため、不動産物件の賃貸に関し機会損失をより抑えることができる。
【0054】
上記実施形態では、当該不動産物件の情報配信先として、仲介業者リスト300に登録された全ての仲介業者であるとしたが、仲介業者リスト300に登録された仲介業者のうち、配信を禁止されている仲介業者が存在する場合には、配信が可能な仲介業者のすべてに対して配信するとしてもよい。また、上記実施形態では、不動産管理システムとして説明したが、不動産物件と入居希望者とのマッチングを行うマッチング支援システムとしても利用可能である。
【0055】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。