【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明にあっては、基本的に、冷菓用スティックを伸縮可能として、通常はスティックを縮長状態としておく一方、冷菓を飲食する際にスティックを伸長できるようにしてある。具体的には、本発明におけるスティック付冷菓にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
スティックの一端部が冷菓内に埋設一体化されると共にスティックの他端部が該冷菓の外部に伸びて、該スティックの他端部を手指で把持して冷菓を飲食するようにしたスティック付冷菓であって、
前記スティックが、前記冷菓内に埋設されて冷菓に一体化されたガイド筒部材と、該ガイド筒部材内に摺動自在に嵌合されると共に該ガイド筒部材からの抜けが規制されたスライド部材と、を有し、
前記スライド部材が前記ガイド筒部材内に深く挿入された前記スティックの最縮長状態において、該スライド部材の一部が該ガイド筒部材および冷菓の外部に位置され、
前記スライド部材を前記ガイド筒部材から大きく引き出した前記スティックの伸長状態でもって、該スライド部材を手指によって把持して冷菓が飲食される、
ようにしてある。
【0007】
上記解決手法によれば、飲食される前の状態ではスティックを縮長状態として、包装紙の使用量低減、箱詰めや運搬時における容積減少を図る上で好ましいものとなる。また、飲食する際には、スティックを伸長状態とすることにより、長く伸びるスライド部材を把持して、従来と同様に冷菓を飲食することができる。
【0008】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項2〜請求項13に記載のとおりである。すなわち、
前記スライド部材が筒状とされている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、全体として軽量化やコスト低減等の上で好ましいものとなる。
【0009】
前記ガイド筒部材およびスライド部材がそれぞれ合成樹脂によって形成されている、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、請求項2に対応した効果をより一層十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
【0010】
前記ガイド筒部材の先端部が閉じられており、
前記ガイド筒部材の基端部が、前記冷菓の外部に位置されている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、ガイド筒部材内への液状の冷菓が不用意に侵入されてしまう事態を防止することができる.このことは、例えば、スティック付冷菓の製造工程において、ガイド筒部材内に進入した液状の冷菓が固化して、スティックを伸長させる妨げになってしまうような事態や、飲食の際に液状化した冷菓がガイド筒部材を通して外部に漏れ出ることを防止する上で好ましいものとなる。
【0011】
前記ガイド筒部材の先端部が偏平状に潰れ変形されると共にシールされることにより閉じられており、
前記ガイド筒部材のうち、前記偏平状の部分の幅がその他の部分の外径よりも大きくされている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、ガイド筒部材の先端部を閉じるのに別途栓部材等を用いることなく行うことができ、また冷菓とガイド筒部材との相対回転防止や、ガイド筒部材からの冷菓の抜け落ち防止等の上で好ましいものとなる。
【0012】
前記ガイド筒部材の基端部に、内向きとされた外側ストッパ部と、該外側ストッパ部よりも軸方向内方側でかつ該外側ストッパ部付近において内向きとされた内側ストッパ部と、が形成され、
前記スライド部材の先端部に、拡大部が形成され、
前記スライド部材を該ガイド筒部材から引き出す過程において、前記拡大部が前記内側ストッパ部を乗り越えた直後に前記外側ストッパ部に当接して、該拡大部が該内側ストッパ部と外側ストッパ部との間に位置した状態が維持される、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、スライド部材が飲食のために引き出される際に、所定位置まで確実に引き出せるようにしつつ、この所望位置となった状態を維持させる上で好ましいものとなる。
【0013】
前記外側ストッパ部が、前記ガイド筒部材の縮径部によって形成され、
前記内側ストッパ部が、前記ガイド筒部材の周方向一部を径方向内方側に膨出させることにより形成されている、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、各ストッパ部の具体的な構成を提供することができ、特にガイド筒部材の簡単な加工によって各ストッパ部を形成することができる。
【0014】
前記ガイド筒部材の外表面が全体的に微細な凹凸を有している、ようにしてある(請求項8対応)。この場合、冷菓とガイド筒部材との結合を高めて、しっかりとした一体化を得る上で好ましいものとなる。
【0015】
前記ガイド筒部材の外表面に、該ガイド筒部材を取り巻くように螺旋状の突状部が形成されている、ようにしてある(請求項9対応)。この場合、上記請求項8に対応した効果をより一層十分に発揮させる上で好ましいものとなる。
【0016】
前記ガイド筒部材の外表面に、軸方向に伸びる直線状の溝が形成されている、ようにしてある(請求項10対応)。この場合、溝内に冷菓が入り込むため、冷菓のガイド筒部材に対する回り止めや、冷菓のガイド筒部材からの落下防止の上で好ましいものとなる。
【0017】
前記スライド部材の外表面が全体的に微細な凹凸を有している、ようにしてある(請求項11対応)。この場合、スライド部材を手指で把持した際に、不用意に滑ってしまう事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0018】
前記スライド部材の基端部側に拡大部が形成されている、ようにしてある(請求項12対応)。この場合、スティックを伸長状態とするためにスライド部材を引き出しする際に、指先を拡大部に引っ掛けて行うことができ、伸長作業(引き出し作業)が容易となる。また、スティックを伸長状態とした後は、スライド部材がこれを把持している手指から不用意に滑り落ちてしまう事態を防止する上でも好ましいものとなる。
【0019】
前記スティックが前記最縮長状態とされた状態でもって、該スティックと冷菓とが包装されている、ようにしてある(請求項13対応)。この場合、包装された状態のスティック付冷菓の全長を極めて短くして、包装紙の使用量低減や、スティック付冷菓を箱詰めしたり運搬する際の容積減少の上で極めて好ましいものとなる。
【0020】
前記目的を達成するため、本発明における冷菓用スティックにあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項14に記載のように、
一端部が冷菓内に埋設一体化されると共に他端部が手指によって把持される把持部とされる冷菓用スティックであって、
冷菓が一体化される部分となるガイド筒部材と、該ガイド筒部材内に摺動自在に嵌合されると共に該ガイド筒部材からの抜けが規制されて前記把持部となるスライド部材と、からなり、
前記スライド部材が前記ガイド筒部材内に深く挿入された縮長状態において、該スライド部材の基端部が該ガイド筒部材の外部に位置され、
前記ガイド筒部材および前記スライド部材がそれぞれ合成樹脂によって形成されている、
ようにしてある。
【0021】
上記解決手法によれば、請求項1、請求項3に対応したスティック付冷菓に用いる冷菓用スティックを提供することができる。
【0022】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、請求項15以下に記載のとおりである。すなわち、
前記スライド部材が筒状とされ、
前記ガイド筒部材の先端部が閉じられている、
ようにしてある(請求項15対応)。この場合、
請求項2に対応したスティック付冷菓に用いる冷菓用スティックを提供することができ、またその先端部からガイド筒部材内に液状の冷菓が不用意に侵入してしまう事態を防止できるものが提供される。
【0023】
前記ガイド筒部材の先端部が偏平状に潰れ変形されると共にシールされることにより閉じられており、
前記ガイド筒部材のうち、前記偏平状の部分の幅がその他の部分の外径よりも大きくされている、
ようにしてある(請求項16対応)。この場合、請求項5に対応したスティック付冷菓に用いて好適な冷菓用スティックを提供することができる。
【0024】
前記ガイド筒部材の基端部に、内向きとされた外側ストッパ部と、該外側ストッパ部よりも軸方向内方側でかつ該外側ストッパ部付近において内向きとされた内側ストッパ部と、が形成され、
前記スライド部材の先端部に、拡大部が形成され、
前記スライド部材を該ガイド筒部材から引き出す過程において、前記拡大部が前記内側ストッパ部を乗り越えた直後に前記外側ストッパ部に当接して、該拡大部が該内側ストッパ部と外側ストッパ部との間に位置した状態が維持される、
ようにしてある(請求項17対応)。この場合、請求項6に対応したスティック付冷菓に用いて好適な冷菓用スティックを提供することができる。
【0025】
前記ガイド筒部材の外表面に、軸方向に伸びる直線状の溝が形成されている、ようにしてある(請求項18対応)。この場合、請求項10に対応したスティック付冷菓に元居て好適な冷菓用スティックを提供することができる。