【解決手段】遊技台規制装置2及び遊技台島1は、第1のユニット10A,10B及び第2のユニット20A,20Bを備え、第1のユニット10A,10Bは係合部11A,11Bを有し、第2のユニット20A,20Bは被係合部22A,22Bを有している。係合部11A,11Bと被係合部22A,22Bとの係合により遊技台40を規制するので、容易に遊技台40を規制することが可能になり、遊技台の枠体に孔を設けたり押圧したりしないので、枠体の劣化を防止することができる。
前記位置決め部と前記被係合部との当接面は、前記位置決め部の当接面及び前記被係合部の当接面の少なくとも一方が、前記遊技台の上下方向における中央部が膨らむように湾曲して形成されている、
ことを特徴とする請求項11に記載の遊技台規制装置。
前記係合空間は、前記遊技台の盤面に対して直交する方向において前記係合空間の開口側に対向する奥側に形成される奥壁面と、前記奥壁面から前記係合空間に左右に延設された左壁面及び右壁面と、を有し、
前記左壁面または前記右壁面のいずれか一方が、前記係合空間の開口側から前記奥壁面に向かうに従って前記左壁面または前記右壁面の他方までの距離が狭くなるような傾斜が所定箇所まで形成され、
前記ロック機構は、前記奥壁面、前記左壁面、及び前記右壁面が一体で左右にスライドするように形成され、前記突出部が前記係合空間に進入するに従って左右のいずれか一方にスライドし、前記突出部が前記所定箇所より奥に進入すると反対方向に付勢するスライド付勢部によってスライドし、前記突出部の移動を規制する、
ことを特徴とする請求項18に記載の遊技台規制装置。
パチンコ機本体と、前記パチンコ機本体を支持する略短形枠状の台枠と、を有する遊技台を少なくとも1つ以上並べて配置する遊技台島に対して、前記遊技台の移動を規制する遊技台規制装置であって、
係合部と、前記遊技台島に設けられる第1の取付部とを有する第1のユニットと、
被係合部と、前記台枠の上面に設けられる第2の取付部を有する第2のユニットと、を備え、
前記第2の取付部は、前記パチンコ機本体の盤面側である前記台枠の前端を基準に固定され、
前記第1の取付部は、前記係合部と前記被係合部とが係合する位置で前記遊技台島に固定される、
ことを特徴とする遊技台規制装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の開示された遊技台を取り付け、固定する技術では、島内の狭所でのレバー操作が必要であるなどの問題があり、操作性及び作業性の観点で更なる改善が望まれている。また、遊技台の盤面の傾斜を調整する技術では、遊技台より上部の島の幕板を開けて作業を可能とするために、装置が大型化してしまい、装置コストが嵩み、作業性が悪いという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、遊技台島に対する遊技台の移動を規制すること及びその解除をすることを可能にすることで、容易な遊技台の取り付けまたは固定を可能とするとともに、遊技台の盤面の傾斜調整を可能にした遊技台固定装置および遊技台島を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、遊技台を少なくとも1つ以上並べて配置する遊技台島に対して、前記遊技台の移動を規制する遊技台規制装置であって、前記遊技台または前記遊技台島のいずれか一方に設けられ、移動可能な係合部を有する第1のユニットと、前記遊技台または前記遊技台島の他方に設けられ、前記係合部に係合される被係合部を有する第2のユニットと、を備え、前記係合部は、前記被係合部と係合していない第1位置から、前記被係合部と係合する第2位置へ移動して前記被係合部と係合することで前記遊技台の動きを規制する、ことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技台規制装置において、前記第1のユニットは、前記遊技台島に設けられ、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向を回転軸とする軸部材と、前記軸部材を回転可能に軸支するベースと、を備え、前記軸部材の一端は前記ベースに軸支され、他端には前記係合部が設けられ、前記第2のユニットは、前記遊技台に設けられ、前記遊技台が設置される前記遊技台島の設置面に対して略平行に形成されたプレートを備え、前記プレートには、溝状または切欠き状の前記被係合部が設けられ、前記軸部材の回転により、前記係合部が前記第1位置から前記第2位置へ移動して前記被係合部に係合される、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技台規制装置において、前記ベースは、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向で、前記遊技台島に対して前記ベースを移動させるスライド機構と、操作されることにより前記スライド機構を動作させる操作部と、を備え、前記操作部の操作により、前記第2のユニットが設けられた前記遊技台の前記遊技台島に対する位置が変化する、ことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2または3のいずれか1項に記載の遊技台規制装置において、前記軸部材の側面には、突起部が設けられ、前記ベースは、前記突起部を案内するガイド部と、前記突起部の回転角度を規制する規制部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の遊技台規制装置において、前記軸部材には、前記軸部材の軸線と直交する面に第1の摺設面を有する第1の摺設部材が設けられ、前記ベースには、前記第1の摺設面と摺設するように第2の摺設面を有する第2の摺設部材が設けられ、前記第1の摺設面または前記第2の摺設面のいずれか一方に凹部が設けられ、前記第1の摺設面または前記第2の摺設面の他方に凸部が設けられている、ことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技台規制装置において、前記第2のユニットには、前記被係合部が前記係合部に係合されているときに、前記係合部を前記被係合部へ押し付ける押圧機構が設けられ、前記押圧機構は、前記係合部に接触して押圧する押圧部と、前記押圧部を、前記係合部に接触している位置と、前記係合部から離間した位置と、の間を移動させる本体部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技台規制装置において、前記第2のユニットには、前記被係合部が前記係合部に係合されているときに、前記係合部を係止する係止機構が設けられ、前記係止機構は、前記係合部に設けられた溝部を係止する係止部と、前記係止部を、前記溝部を係止している位置と、前記溝部から離間した位置と、の間を移動させる本体部と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の遊技台規制装置において、前記第1のユニットは、前記遊技台島に設けられ、前記第1のユニットには、前記遊技台の盤面側と反対の裏側方向へ突出するように、前記遊技台島に前記遊技台を取り付ける際に前記遊技台の位置決めを行う位置決め部が設けられ、前記第2のユニットは、前記遊技台に設けられ、前記被係合部が前記位置決め部に当接して位置決めが行われると、前記係合部と前記位置決め部が、前記被係合部を挟持して前記第2のユニットの移動を規制する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の遊技台規制装置において、前記係合部は、前記被係合部と前記位置決め部とが当接する当接面より前記遊技台の盤面側の位置で、前記被係合部と当接する挟持部材と、前記第2位置で前記挟持部材を係止して、前記挟持部材の移動を規制するロック部材と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の遊技台規制装置において、前記挟持部材及び前記ロック部材は、前記第1のユニットに固定される連結部を介して保持される、ことを特徴とする。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項8ないし10のいずれか1項に記載の遊技台規制装置において、前記第1のユニットは、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向で、前記位置決め部を移動させて遊技台の傾斜を変更可能とするスライド機構と、前記スライド機構の動作を操作する操作部と、を備え、前記操作部の操作により前記スライド機構がスライドして前記遊技台の傾斜を変更したとき、前記位置決め部と前記被係合部との当接面がずれて前記第2位置が移動する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の遊技台規制装置において、前記位置決め部と前記被係合部との当接面は、前記位置決め部の当接面及び前記被係合部の当接面の少なくとも一方が、前記遊技台の上下方向における中央部が膨らむように湾曲して形成されている、ことを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、請求項11または12のいずれか1項に記載の遊技台規制装置において、前記第1のユニットは、板状のベースにより形成され、前記ベースの端部に前記位置決め部が形成されるとともに前記係合部が設けられ、前記第2のユニットは、板状のプレートにより形成され、前記プレートの端部に前記被係合部が設けられ、前記操作部の操作により前記スライド機構がスライドして前記遊技台の傾斜を変更したとき、少なくとも前記プレートが弾性変形可能である、ことを特徴とする。
【0021】
請求項14に記載の発明は、請求項8ないし13のいずれか1項に記載の遊技台規制装置において、前記位置決め部の当接面及び前記被係合部の当接面の少なくとも一方には、前記遊技台の上下方向に溝が形成されている、ことを特徴とする。
【0022】
請求項15に記載の発明は、請求項1に記載の遊技台規制装置において、前記第1のユニットは、前記遊技台島に設けられ、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向を長手方向とする柱状に設けられた支持部材と、前記支持部材を保持するベースと、前記係合部を進退自在に移動させる駆動部と、を備え、前記支持部材の一端は前記ベースに支持され、他端には前記係合部が設けられ、前記第2のユニットは、前記遊技台に設けられ、前記遊技台が設置される前記遊技台島の設置面に対して平行方向に板状に形成されたプレートを備え、前記プレートには、孔または凹状の前記被係合部が設けられ、前記駆動部により、前記係合部が前記第1位置から前記第2位置へ移動して前記被係合部に係合される、ことを特徴とする。
【0023】
請求項16に記載の発明は、請求項1に記載の遊技台規制装置において、前記係合部は、略閉じられた係合空間を有し、前記被係合部は、前記遊技台が前記遊技台島の所定の位置に設置されるとき、前記係合空間に進入し、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向への移動が規制される、ことを特徴とする。
【0024】
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の遊技台規制装置において、前記第1のユニットは、第1の板状部材にて形成され、前記第1の板状部材の一端は前記遊技台島に取り付けられ、他端には前記係合空間が設けられ、前記係合空間は、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向において、前記第1の板状部材の他端が前記遊技台の盤面側に開口された略コの字型の内側の空間であり、前記第2のユニットは、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向で前記遊技台に取り付けられた第2の板状部材と、前記板状部材に対して直交する方向に突出するように設けられ、前記被係合部を形成する突出部と、を備え、前記突出部が前記係合空間に進入することにより、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向への移動が規制される、ことを特徴とする。
【0025】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の遊技台規制装置において、前記係合空間の開口側には、前記係合空間に進入された前記突出部が前記遊技台の盤面側に移動するのを規制するロック機構が設けられた、ことを特徴とする。
【0026】
請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の遊技台規制装置において、前記ロック機構は、前記第2の板状部材に対して直交する方向を軸として回動する回動レバーと、前記回動レバーを付勢する付勢部材と、を備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項20に記載の発明は、請求項18に記載の遊技台規制装置において、前記ロック機構は、前記第2の板状部材に対して平行方向にスライドするスライド部と、前記スライド部を移動させるスライド駆動部と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
請求項21に記載の発明は、請求項18に記載の遊技台規制装置において、前記ロック機構は、前記第2の板状部材に対して直交する方向を軸として回動する一対のローラ部と、前記一対のローラ部が互いに接触する方向へ前記一対のローラ部を付勢するローラ付勢部と、を備えたことを特徴とする。
【0029】
請求項22に記載の発明は、請求項18に記載の遊技台規制装置において、前記係合空間は、前記遊技台の盤面に対して直交する方向において前記係合空間の開口側に対向する奥側に形成される奥壁面と、前記奥壁面から前記係合空間に左右に延設された左壁面及び右壁面と、を有し、前記左壁面または前記右壁面のいずれか一方が、前記係合空間の開口側から前記奥壁面に向かうに従って前記左壁面または前記右壁面の他方までの距離が狭くなるような傾斜が所定箇所まで形成され、前記ロック機構は、前記奥壁面、前記左壁面、及び前記右壁面が一体で左右にスライドするように形成され、前記突出部が前記係合空間に進入するに従って左右のいずれか一方にスライドし、前記突出部が前記所定箇所より奥に進入すると反対方向に付勢するスライド付勢部によってスライドし、前記突出部の移動を規制する、ことを特徴とする。
【0030】
請求項23に記載の発明は、パチンコ機本体と、前記パチンコ機本体を支持する略短形枠状の台枠と、を有する遊技台を少なくとも1つ以上並べて配置する遊技台島に対して、前記遊技台の移動を規制する遊技台規制装置であって、係合部と、前記遊技台島に設けられる第1の取付部とを有する第1のユニットと、被係合部と、前記台枠の上面に設けられる第2の取付部を有する第2のユニットと、を備え、前記第2の取付部は、前記パチンコ機本体の盤面側である前記台枠の前端を基準に固定され、前記第1の取付部は、前記係合部と前記被係合部とが係合する位置で前記遊技台島に固定される、ことを特徴とする。
【0031】
請求項24に記載の発明は、請求項22に記載の遊技台規制装置において、前記第1のユニットは、前記遊技台の盤面に対して略直交する方向で、前記係合部を移動可能とするスライド機構と、前記スライド機構の動作を操作する操作部と、を備えたことを特徴とする。
【0032】
請求項25に記載の発明は、請求項1ないし24のいずれか1項に記載の遊技台規制装置を備える、ことを特徴とする遊技台島である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、以下の(A)〜(I)のような効果がある。
【0034】
(A)第1のユニットに移動可能に設けられた係合部と、第2のユニットに設けられた係合部に係合される被係合部とを備えたため、係合部と被係合部との係合により、遊技台島に対する遊技台の動きを規制すること及びその規制を解除することを可能とする。すなわち、遊技台島に対して遊技台が移動しないように規制及びその解除をするため、遊技台の取り付け/取り外しを容易にすることを可能とする。なお、遊技台島に対する遊技台の移動を規制することとは、所定の位置に設置された遊技台が遊技台島から外れないように保持することであり、言い換えると所定の位置に固定することである。また、遊技台の枠体に孔を設けたり押圧したりしないので、枠体の劣化を防止することができる。
【0035】
(B)回転する軸部材に設けられた係合部が、プレートに設けられた溝状または切欠き状の被係合部に係合して、遊技台島に対する遊技台の移動を規制するため、簡単な構成で遊技台の移動の規制を可能とする。
【0036】
(C)ベースを移動させるスライド機構が設けられ、スライド機構を操作部で操作することによって、ベースとともに係合部が移動するので、遊技台島に対して遊技台を移動させることが可能となる。すなわち、遊技台の盤面に対して略直交方向となる遊技台の前後方向に移動するスライド機構によって、遊技台の傾斜調整が可能になる。
【0037】
(D)軸部材に突起部が設けられ、この突起部がガイド部により案内されて規制部により回転角度を規制されるので、軸部材が所定の角度以上に回転しないように回転角度が規制される。また、軸部材に設けられた第1の摺接面と、ベースに設けられた第2の摺接面とが凹部及び凸部を介して摺接するため、操作者が所定の回転角度まで回ったことを体感できる。そのため、係合部が被係合部に係合していない状態で操作者が軸部材の操作を止めてしまうことを防止することを可能にする。
【0038】
(E)第2のユニットに係合部を押圧する押圧機構、または係止する係止機構が設けられたため、第1のユニットの係合部と第2のユニットの被係合部との係合箇所が動くのを防止できる。また、係合部と被係合部との間に生じる隙間によって遊技台のガタつきに起因する異音を軽減することができる。さらに、係合部と被係合部との係合箇所が動くのを防止できるため、例えば、遊技台島からパチンコ機本体を扉状に開くときに、パチンコ機本体の自重から係合箇所が動くことよって生じる台枠への負荷により、台枠を歪ませることを防止し、台枠の劣化を防止することができる。
【0039】
(F)遊技台の傾斜を変更したとき、第1のユニットは遊技台の盤面に対して垂直方向に移動するが、第2のユニットは第1のユニットとの接続箇所を中心に円弧方向に移動しようとするので、この接続箇所に負荷が生じる。そのため、位置決め部と被係合部との当接面がずれて第2位置が移動することにより、この負荷を解消することが可能となる。また、位置決め部側及び前記被係合部側の少なくとも一方の中央部が膨らむように湾曲して形成されているので、位置決め部と被係合部の当接面がずれ易くなり、当接面がずれる際に過大な負荷がかかることを防止する。これと同様に、当接面上下方向に溝が形成されているので、当接面のスライド時に過大な負荷がかかることを防止する。さらに、第1のユニットのベースより第2のユニットのプレートが撓むように弾性変形可能であるので、遊技台の傾斜を変更したときに生じるひずみを吸収することが可能である。
【0040】
(G)係合空間の開口側に、係合空間へ進入した係合部の移動を規制するロック機構が設けられているため、所定の位置で遊技台を留めることが可能となる。
【0041】
(H)第2の取付部が、パチンコ機本体の盤面側である台枠の前端を基準に固定されているため、遊技台の台枠の大きさ、具体的には、遊技台の盤面に対して直交する方向の台枠幅に影響されることなくパチンコ機本体を遊技台島に取り付けることができる。このため、パチンコ台のメーカにより異なるパチンコ台の台枠幅に関係なく、所定の位置で遊技台規制装置の係合部と被係合部を係合させることが可能となる。
【0042】
(I)遊技台島に遊技台規制装置を備えたため、容易に遊技台の規制及びその解除をすることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
なお、遊技台とは、パチンコ台および/またはスロット台を示す。
具体的に、パチンコ台は、盤面、ハンドル、コンピュータ等で構成されるパチンコ機およびパチンコ機の上下左右の周囲に形成される枠体であって、パチンコ機の一側部と枠体の一側部とでヒンジを介して回動開閉可能に接続されたものである。スロット台は、遊技者側に開口部を有する筐体、開口部を開閉可能に覆う前扉、回動リール、コンピュータ等を有するものである。本発明の実施の形態では、遊技台がパチンコ台の場合について説明する。
【0045】
(実施の形態1)
図1ないし
図4は、この発明の実施の形態1を示し、
図1は、この実施の形態1に係る遊技台規制装置2を取り付けた遊技台島の一部を遊技台盤面の左斜め前方から見た状態を示す斜視図であり、
図2は、左斜め後方から見た状態を示す斜視図であり、
図3は、
図1及び
図2の遊技台規制装置を取り付けた遊技台島1示す斜視図であり、
図4は、
図3の遊技台40における台枠4aを遊技台島1における島枠5aに取り付ける状態を示す斜視図である。
図1及び
図2に示す遊技台規制装置2は、
図3に示す遊技台島1に遊技台40を設置する際、遊技台40の動きを規制する装置であり、一対の遊技台規制装置2A,2Bから構成され、遊技台規制装置2Aが遊技台盤面側(遊技者側)から見て右側に、遊技台規制装置2Bが遊技台盤面(遊技者側)から見て左側に取り付けられている。遊技台規制装置2A,2Bは、第1のユニット10A,10Bと、第2のユニット20A,20Bとから構成されている。なお、遊技台島1に遊技台40を取り付けた状態において、
図3に示す遊技台40におけるパチンコ機本体45の盤面45aに対して直交する方向のうち遊技者側を遊技台の前面側、遊技台の裏側を背面側とし、遊技台の盤面を前面側から見た状態において、上下左右の方向を上側、下側、左側、右側とする。
【0046】
第1のユニット10A,10Bは、
図1及び
図2に示すように、遊技台島1において遊技台40を設置する際に遊技台40に接触する上板材51、下板材52、右板材53、及び左板材54から構成されている島枠5aのうちの上板材51に取り付けられた部品であり、上板材51に取り付けられた固定板14に載置されている。固定板14は、上板材51にネジ等で固定されている。
【0047】
第2のユニット20A,20Bは、遊技台40の枠体である上板材41、下板材42、右板材43、及び左板材44から構成されている台枠4aのうちの上板材41に取り付けられた、後述する固定板24から延設された部品である。固定板24は、台枠4aの上板材41の前面側の端面を基準にして取り付けられている。具体的には、
図4に示すように、遊技台40におけるパチンコ機本体45と台枠4aとの境目Lが第2のユニット20A,20Bを取り付ける基準となっている。固定板24の前面側の端面と台枠4aの上板材41の前面側の端面とを揃えて取り付けることが好ましい。第1のユニット10A,10B及び第2のユニット20A,20Bは、例えば、金属製の部品である。上板材51の前面側には、
図1に示すように、上板材51の垂直方向に前板51aが取り付けられ、前板51aには、遊技台40の前面側から遊技台規制装置2A,2Bを操作可能にするための操作窓51bが開閉可能に設けられている。
【0048】
また、下板材52及び下板材42には、遊技台島1に遊技台40を設置する際に遊技台を固定する下枠固定装置30が取り付けられている。下枠固定装置30は、一対の下枠固定装置30A,30Bから構成され、下枠固定装置30Aが右側に、下枠固定装置30Bが左側に取り付けられている。下枠固定装置30A,30Bは、例えば、金属製の部品である。さらに、
図3に示すように、遊技台40には、上板材41、下板材42、右板材43、及び左板材44から構成されている台枠4aに囲まれて、遊技台40の本体部であるパチンコ機本体45が設けられ、パチンコ機本体45の前面側、すなわち遊技者が実際に遊技するときに操作する側面側には、盤面45aが設けられている。このパチンコ機本体45は、
図4に示すように、パチンコ機本体45の背面側の各種機械との接続や調整をする際に、台枠4aから前面側に扉状に開くことが可能である。そのための蝶番は、例えば、右板材43または左板材44に取り付けられている。
【0049】
遊技台島1は、例えばパチンコ台である複数の遊技台40を正面及び背面に設置するための台であり、骨材に種々の部品を取り付けて構成されている。遊技台島1は、遊技台40を設置する取付部80、発光素子等の各種装飾品を取り付ける装飾部82、脚部である島下部83をその両面に備えている。取付部80の上部には、呼び出しランプ等が取り付けられたランプ板81が設けられ、このランプ板81により前板51a及び操作窓51bが隠されている。このランプ板81は取り外して開口状態にすることが可能な場合があり、遊技台40を設置する際や、遊技台40の傾斜を調整する際に取り外して作業を行うために開口状態にすることがある。一方、ランプ板81を別途設けずに前板51aに呼び出しランプ及び操作窓51bが設けられる場合は、遊技台島1の外側から見えるように露出している操作窓51bから直接作業を行ってもよい。なお、遊技台島1の長手方向における両島端面、並びに遊技台島1の上面には、遊技台島1の内部を隠すための化粧板が取り付けられるが、これについては図示を省略している。取付部80の下部には、不図示の灰皿等が取り付けられるための膳板55が突出して設けられ、膳板55の上方には、遊技台40を補強するための補助材56が設けられている。
【0050】
図5ないし
図8は、
図1及び
図2の第1のユニット10A,10B及び第2のユニット20A,20Bを示し、
図5は、遊技台盤面の左斜め前方から見た状態を示す拡大斜視図であり、
図6は、遊技台盤面の左斜め後方から見た状態を示す拡大斜視図であり、
図7は、
図5及び
図6の第1のユニット10A,10B及び固定板14を示す平面図(a)、及び正面図(b)であり、
図8は、
図5及び
図6の第2のユニット20A,20B及び固定板24を示す平面図(a)、及び底面図(b)である。
【0051】
第1のユニット10A,10Bは、係合部11A,11Bと、シャフト(軸部材)12A,12Bと、ベース(第1の取付部)13A,13Bとを有している。係合部11A,11Bは、第2のユニット20A,20Bが有する後述する被係合部と係合するための部材であり、断面略コの字型の溝状の金属部材で形成されている。シャフト12A,12Bは、その一端が係合部11A,11Bに接続されて回転し、
図6(b)に実線で示す被係合部と係合していない位置(第1位置)と、
図6(b)に破線で示す係合する位置(第2位置)との間を矢印X1方向に回転して移動させるための部材であり、略円柱型の金属部材で形成されている。ベース13A,13Bは、シャフト12A,12Bの係合部11A,11Bとの接続側と反対側の端部を回転可能に軸支する部材であり、金属板の端部を略直角に折り曲げてシャフト12A,12Bを貫通させる孔を設けて形成され、後述するように固定板14上をスライド可能になるように固定板14に載置されて上板材51に取り付けられている。また、固定板14の中央付近には、遊技台島1の上板材51への取り付け時に中心位置の目安としての位置合わせ用孔14aが略菱形に穿孔されている。なお、固定板14は第1のユニット10Aと第1のユニット10Bの2つに分割されていてもよい。
【0052】
なお、ここで「係合」とは、一方の部材と他方の部材とが関わり合うこと全般を含める意味である。具体的には、一方の部材と他方の部材とが直接接触する場合や固定する場合のみならず、一方の部材と他方の部材との間にさらに他の部材を介して間接的に接触する場合や固定する場合も含まれる。
【0053】
第2のユニット20A,20Bは、プレート(第2の取付部)21A,21Bと、被係合部22A,22Bと、押圧機構23A,23Bとを有し、上板材41に取り付けられた固定板24の両端に設けられている。プレート21A,21Bは、固定板24から延設された金属製の板状部材であり、遊技台40の盤面45aの背面側に突出するように設けられ、その突出箇所が略コの字型の形状に形成されている。被係合部22A,22Bは、プレート21A,21Bに設けられた略コの字型の溝状または切欠き状に形成された箇所であり、係合部11A,11Bに係合される箇所である。この被係合部22A,22Bには、係合部11A,11Bを被係合部22A,22Bへ案内する係合ガイド部221A,222A,221B,222Bがそれぞれ形成されている。係合ガイド部221A,222A,221B,222Bは、被係合部22A,22Bにより形成されている係合空間の入口近傍に設けられ、入口から奥に向かうに従い狭くなるような傾斜であり、第1のユニット10A,10B、または第2のユニット20A,20Bの取り付け寸法の誤りや台枠4a、または島枠5aの材料の変質等で相対的な位置が変化した場合であっても、係合部11A,11Bを案内するために形成されている。押圧機構23A,23Bは、係合部11A,11Bが被係合部22A,22Bに係合されているときに係合部11A,11Bを押圧して動かないようにするための機構であり、押圧機構本体部(本体部)231A,231Bと、レバー部232A,232Bと、押圧部233A,233Bとを備えている。また、固定板24の中央付近には、遊技台40の上板材41への取り付け時に中心位置の目安としての位置合わせ用孔241が略菱形に穿孔されている。なお、固定板24は第2のユニット20Aと第2のユニット20Bの2つに分割されていてもよい。
【0054】
押圧機構本体部231A,231Bは、レバー部232A,232Bの操作により押圧部233A,233Bを盤面45aと直交する前後方向に動かすための機構本体部である。レバー部232A,232Bは、押圧機構本体部231A,231Bから突出するように設けられ、押圧部233A,233Bを動かすためのレバーである。押圧部233A,233Bは、係合部11A,11Bに接触して押圧する部材であり、例えば、滑らないようにするため、ゴム等の素材により形成されている。なお、押圧部233A,233Bに替えて係合部11A,11Bとの間で滑らないように凹凸等の溝部を係止する係止部を設け、押圧機構本体部231A,231Bに替えて係止部を移動させる本体部を設けた係止機構を備え、押圧部233A,233Bによる係合部11A,11Bへの押圧ではなく、互いに形成された凹凸等の溝による係止または嵌合がなされていてもよい。言い換えると、係合部11A,11Bが被係合部22A,22Bと係合した際、滑って移動しない構成であれば、押圧機構であっても、係止機構であってもよい。
【0055】
図9は、
図6の第1のユニット10A及び第2のユニット20Aを示す拡大斜視図である。
図5ないし
図8に示す第1のユニット10A,10B及び第2のユニット20A,20Bは同様の構成であるため、第1のユニット10A及び第2のユニット20Aを例として説明する。第1のユニット10Aの係合部11Aは、溝部111と、凹部112と、被押圧部113と、固定部114とから構成されている。
【0056】
溝部111は、断面略コの字型の溝状の金属部材である係合部11Aの本体部分であり、シャフト12A,12Bを貫通させる孔が穿孔されている。凹部112は、被押圧部113を露出するために溝部111の溝側面の一部に形成された切り欠きである。被押圧部113は、押圧部233A,233Bから押圧されるための箇所であり、溝部111において凹部112が形成された溝側面に対向する溝側面に突出して設けられている。被押圧部113は、例えば、押圧部233A,233Bが滑らないようにするため、ゴムや樹脂等により形成されている。また、凹凸溝等の形状によって、押圧部233A,233Bと係合部11A,11Bが嵌め合いの関係となることで、滑りを防いでもよい。固定部114は、被押圧部113を溝部111に固定するために設けられたねじ孔及びねじにより構成されている。これにより、係合部11Aが被係合部22Aに係合された状態から動かないようにしている。また、遊技台40のパチンコ機本体45を台枠4aから扉状に開いたときに、台枠4aに生じるパチンコ機本体45の荷重によって、台枠4aが左右方向に歪むことを防止することができる。なお、第2のユニット20A,20Bに押圧機構23A,23Bを設けず、例えば、被押圧部113に被係合部22A,22Bを押圧するような構成にしてもよい。
【0057】
図10は、
図5の第1のユニット10A及び第2のユニット20Aを遊技台盤面の右斜め前方から見た状態を示す斜視図(a)、
図10(a)のカム125を示す分解斜視図(b)、及び
図10(a)のカム126を示す分解斜視図(c)である。なお、
図10(a)では、シャフト12A及びベース13Aの形状を理解しやすくするため、上板材51の線を部分的に省略している。シャフト12Aは、
図9に示す軸部121、連接部122、接続部123、及び回転操作部124と、
図10(a)に示すカム(第1の摺設部材)125及びカム(第2の摺設部材)126とから構成されている。
【0058】
軸部121は、ベース13Aに軸支される箇所であり、ベース13Aに設けられた孔に貫通して取り付けられている。連接部122は、軸部121と接続部123とを連接する部分であり、軸部121の回転を接続部123に伝達するための軸である。接続部123は、溝部111に設けられた孔を貫通して係合部11Aに取り付けられて固定される箇所であり、遊技台40の前面側から見たシャフト12Aの奥側端部である。回転操作部124は、シャフト12Aの回転を操作するための箇所であり、前面側から見てシャフト12Aの手前側端部である。この回転操作部124は、軸部121を回転させるための回転力を得やすくするために軸部121より太い円柱型に形成され、工具で操作するための凸部121bが設けられている。
【0059】
カム125,126は、シャフト12Aを所定の回転位置、例えば、接続された係合部11Aが前面側から見て右方向を指す位置と、下方向を指す位置との2箇所(すなわち、
図6(b)に実線で示す係合部11Aの位置と、破線で示す係合部11Aの位置との2箇所)で停止させる際、操作者が回転操作時のクリック感を体感するための部材であり、軸部121のベース13Aによる軸支箇所と回転操作部124との間に設けられ、同軸上に配置された板バネ(図示省略)によって付勢されている。カム125には、
図10(b)に示すように、カム126に摺設する第1の摺設面が形成されて2つの凸部125aが設けられ、中心部に凸部121bに嵌合するように孔125bが穿孔されている。カム126は、
図10(c)に示すように、カム125に摺設する第2の摺設面が形成されて4つの凹部126aが設けられ、中心部に軸部121に嵌合するように孔126bが穿孔されている。
【0060】
図10(a)に示すように、カム126は、凹部126a側を遊技台の前面側となるように軸部121が挿通されるベース13Aに設けられた、後述するシャフト貫通孔134に固定され、カム125は、凸部125a側を遊技台の背面側となるように軸部121に挿入されて固定されている。このとき、凸部125aと凹部126aとが嵌合された状態で接触して安定し、係合部11Aは、前面側から見て右方向を指している。その後、回転操作部124を用いてシャフト12Aを回転させると、凸部125aと凹部126aとが離間して不安定な状態になり、90°回転させて係合部11Aを前面側から見て下方向を指すように移動させると、再び凸部125aと凹部126aとが嵌合された状態で接触して安定する。このようにカム125,126を設けることにより、回転操作を行う操作者に対し特定の角度(例えば、本実施例では90°)まで回転したことを体感できるように設けている。なお、カム125に凸部125aを設け、カム126に凹部126aを設けたが、カム125に凹部を設け、カム126に凸部を設けてもよい。
【0061】
図11は、
図9のベース13Aを示す拡大斜視図である。
図12は、
図9のベース13Aがシャフト12Aを軸支した状態を示す側面図であり、係合部11Aがプレート21Aに係止されていない状態を示す側面図(a)、及び係合部11Aがプレート21Aに係止された状態を示す側面図(b)である。ベース13Aは、
図11に示す底部131と、手前側軸受部132と、奥側軸受部133と、シャフト貫通孔134,135と、屈折部136と、ガイド部137と、ストッパ138と、調整軸貫通孔139とから構成されている。
【0062】
底部131は、ベース13Aの底板部分であり、固定板14に載置される箇所である。手前側軸受部132及び奥側軸受部133は、シャフト12Aを軸支するために底部131から上方に略直角に折り曲げられた箇所である。シャフト貫通孔134,135は、シャフト12Aを貫通するために穿孔された孔であり、この孔にシャフト12Aを貫通してシャフト12Aを軸支する。屈折部136は、ガイド部137を設けるために底部131から上方に略直角に折り曲げられて延設された箇所である。
【0063】
ガイド部137は、
図12(a)に示すように、軸部121に設けられた突起部121aを遊嵌するための溝である。ストッパ138は、突起部121aを係止させてシャフト12Aの回転を規制するため底部131から上方に略直角に折り曲げられた箇所である。
図12(a)に示すように、突起部121aがガイド部137の上方の端部に位置しているため、シャフト12Aはこれ以上突起部121aを回転操作部124側から見て反時計回り方向に回転することはできない。
図12(b)に示すように、突起部121aがストッパ138に係止しているため、シャフト12Aはこれ以上回転操作部124側から見て時計回り方向に回転することはできない。このようにガイド部137及びストッパ138を設けることにより、シャフト12Aの回転を規制することができる。
【0064】
調整軸貫通孔139は、
図9に示すスライド機構140の調整棒部材143を貫通するための孔である。スライド機構140は、ベース13Aを前面側から見て前後方向にスライドさせることにより、固定板14上でベース13Aがスライドし、それに伴って第2のユニット20A及び上板材41がスライドすることで遊技台40の傾斜角度を調整することを可能にし、その結果、盤面45aの傾斜角度を調整可能にするためのものである。スライド機構140は、係止ピン141,142と、調整棒部材143と、回転部(操作部)144とを備えている。係止ピン141,142は、ベース13Aを固定板14上に移動可能に設置するための係止具である。調整棒部材143は、側面部分にねじ切りが施され、調整軸貫通孔139を貫通して回転することでベース13Aをスライドさせるための円筒状部材である。回転部144は、調整棒部材143を回転させるための部材である。これにより、回転部144を治具等で回転操作することにより、係止ピン141,142の移動可能な範囲内において、固定板14上でベース13Aをスライドさせりことができる。
【0065】
次に、このような遊技台島1における遊技台40の設置方法等について説明する。
【0066】
図3に示すように、遊技台40を遊技台島1に設置する場合における各部材の取り付け位置について説明する。
【0067】
遊技台40が設置される所定の位置に基づいて、遊技台島1の下板材52に下枠固定装置30A,30Bを固定する。なお、本実施例では遊技台島1に下板材52が設けられているが、遊技台島1に下板材52が無い場合、膳板55等の遊技台40の下板材42が載置される箇所に下枠固定装置30A,30Bを固定する。
【0068】
遊技台40の台枠4aを構成する上板材41の外側(例えば、
図2では遊技台40の上側)であって、上板材41の遊技台40の前面側(遊技者側)端面に、固定板14の前面側端面を合わせて取り付ける。
【0069】
遊技台40に取り付けた第2のユニット20A,20Bの被係合部22A,22Bと、第1のユニット10A,10Bの係合部11A,11Bとが係合可能な位置で、且つ遊技台島1の島枠5aを構成する上板材51の遊技台40とは反対側(例えば、
図2では上板材51の上側)に、第1のユニット10A,10Bを取り付ける。
【0070】
次に、遊技台40を遊技台島1に設置する手順について説明する。
【0071】
まず、遊技台40の下板材42を遊技台島1の下板材52に載置し、遊技台島1の下板材52に固定された下枠固定装置30A,30Bの突き当て部(図示省略)に遊技台40を突き当てて、所定の位置に遊技台40を設置する。
【0072】
次に、必要であれば、取付部80のランプ板81を取り外し、ランプ板81に設けられた操作窓(図示省略)を開けて、
図10(a)に示す回転操作部124を操作冶具等で回転させて、係合部11A,11Bを被係合部22A,22Bに係合させ、遊技台島1に対して、遊技台40の盤面45aに対して直交する前後方向の遊技台の移動を規制する。
【0073】
係合部11A,11B、被係合部22A,22Bによる係合が行われた後、遊技台島1に設置された遊技台40のパチンコ機本体45を前面側に開き、被係合部22A,22Bの近傍に設置されたレバー部232A,232Bを動かし、押圧部233A,233Bを係合部11A,11Bに係合させて、左右方向の遊技台の移動を規制する。
【0074】
その後、下枠固定装置30A,30Bで台枠4aを固定し、パチンコ機本体45を閉め、必要により、スライド機構140を動作させて遊技台40の傾斜角度を調整する。
【0075】
なお、遊技台40を遊技台島1に設置する場合、パチンコ機本体45が取り付けられた状態で遊技台島1に取り付けても、遊技台40の台枠4aのみを先に遊技台島1に取り付けた後にパチンコ機本体45を台枠4aに取り付けてもよい。また、係合部11A,11Bと被係合部22A,22Bとの係合が行われた後、下枠固定装置30A,30Bによる台枠4aとの固定が行われたが、逆でもよい。
【0076】
このような手順により、遊技台島1に対する遊技台40の盤面に対する手前/奥行方向の移動を規制することができる。
【0077】
以上のように、この遊技台規制装置2及び遊技台島1によれば、回転操作部124を回転させることで係合部11A,11Bを被係合部22A,22Bに係合させ、遊技台島1に対する遊技台40の移動を容易に規制させ、または解除させることが可能になる。すなわち、遊技台規制装置2の回転操作によって、遊技台40を遊技台島1に取り付け、または取り外しを容易としている。また、遊技台40の台枠4aに孔を設けたり、遊技台40を上方から下方に向かって押圧したりしないので、遊技台40の台枠4a及び遊技台島1の島枠5aの劣化を防止することができる。
【0078】
第2のユニット20A,20Bは、遊技台40の台枠4aにおける上板材41の前面側端面を基準に取り付けられるため、台枠4aの大きさ、例えば、遊技台40の盤面45aと直交する方向の台枠4aの幅に影響されることがない。このため、パチンコ台のメーカにより異なるパチンコ台の台枠4aの幅に関係なく、所定の位置で遊技台規制装置2の係合部11A,11Bと被係合部22A,22Bとを係合させることが可能となる。つまり、第2のユニット20A,20Bの取り付け位置は、台枠4aの幅に関係なく一様に容易な取り付けが可能となる。
【0079】
さらに、係合ガイド部221A,222A,221B,222Bを設けたため、第1のユニット10A,10B、または第2のユニット20A,20Bの取り付け寸法の誤りや台枠4a、または島枠5aの材料の変質等で相対的な位置が変化した場合であっても、係合部11A,11Bを案内するため、スムースに係合することが可能となる。また、スライド機構140で調整することによって、取付位置の誤差を吸収することが可能となる。
【0080】
次に、この発明の実施の形態1に係る遊技台規制装置2の変形例1について説明する。
図13ないし
図17は、この変形例1に係る第1のユニット60及び第2のユニット70を備えた例を示し、
図13は、第1のユニット60及び第2のユニット70を遊技台40の盤面45aの右斜め前方から見た状態を示す拡大斜視図であり、
図14は、
図13の第1のユニット60及び第2のユニット70を盤面45aの右斜め後方から見た状態を示す拡大斜視図であり、
図15は、
図13の係合部61が係合していないときに盤面45aの右斜め後方から見た状態を示す拡大斜視図であり、
図16は、
図13の係合部61が係合していないときに盤面45aの正面下方から見た状態を示す拡大斜視図であり、
図17は、
図13の係合部61が係合しているときに遊技台盤面の正面下方から見た状態を示す拡大斜視図である。なお、これらの図では、各部材の理解のため、一部部材の図示を省略している。
【0081】
変形例1に係る遊技台規制装置2は、第1のユニット10A,10B及び第2のユニット20A,20Bに替えて、この変形例1に係る第1のユニット60及び第2のユニット70を備えた点で、実施の形態1と異なる。なお、第1のユニット60及び第2のユニット70は、第1のユニット10A,10B及び第2のユニット20A,20Bのように、遊技台島1の上板材51及び遊技台40の上板材41の左右にそれぞれ一対取り付けられているが、略同様の構成であるため、遊技台盤面の正面から見て右側のものについて説明する。
【0082】
第1のユニット60は、主として係合部61と、位置決め部62と、板状部材(ベース)63とから構成されている。係合部61は、第2のユニット70の、後述する被係合部72と係合して遊技台40を規制するための装置であり、留め金(ロック部材)611と、レバー612と、連結部613と、回動部材(挟持部材)614とを備えている。留め金611は、
図14、15に示すように回動部材614を係止して固定するための部材であり、円柱状部材を折り曲げて略正方形になるように形成されている。レバー612は、
図14に示すように留め金611が回動部材614に係合された状態で引くことにより、留め金611を係止するための部材である。連結部613は、係合部61を位置決め部62に取り付けるための部材であり、
図15に示すように、位置決め部62にネジで固定されている。回動部材614は、
図16、17に示すように位置決め部62との間に被係合部72を挟持して固定するための部材であり、留め金611と係合されるように形成されている。この回動部材614の被係合部72との当接面は、遊技台40の上下方向における中央部が膨らむように湾曲して形成され、上下方向に溝が形成されている。留め金611、レバー612、連結部613、及び回動部材614は、例えば、ステンレス等の金属により形成されている。
【0083】
位置決め部62は、後述する被係合部72が当接することにより、遊技台40の位置決めを行うための部材であり、板状部材63から延設されて逆L字型に形成されている。板状部材63は、第1のユニット60を遊技台島1の上板材51に設置するための細板状の部材であり、
図14に示すように、溝631が形成されている。この溝631は、固定板14に対して係止ピン632により左右方向には動かないように係止された状態で前後方向に移動可能にするために形成されたものである。位置決め部62及び板状部材63は、例えば、ステンレス等の金属により形成されている。
【0084】
板状部材63の固定板14との係合箇所は、
図13に示すように、例えば金属製の板状部材が略方形に折り曲げられて形成されたカバー64により覆われて、
図14に示すように、スライド機構65が設けられている。スライド機構65は、板状部材63を盤面側から見て前後方向にスライドさせることにより、第2のユニット70及び上板材41がスライドすることで遊技台40の傾斜角度を調整することを可能にし、その結果、盤面45aの傾斜角度を調整可能にするためのものであり、調整棒部材651と、ギヤ部652と、回転部(操作部)653,654とを備えている。調整棒部材651は、側面部分にねじ切りが施され、位置決め部62の盤面45a側に設けられた調整軸貫通孔633を貫通して回転することで板状部材63をスライドさせるための円筒状部材である。ギヤ部652は、回転部653の回転を回転部653に対して垂直に設けられた調整棒部材651に伝達するためのかさ歯車である。回転部653,654は、調整棒部材651を回転させるための部材であり、遊技台40の上方に設けられた回転部653、または盤面45aの正面側に設けられた回転部654のどちらでも遊技台40の傾斜角度を調整できるようにするためのものである。これは、
図3のランプ板81が取り外し可能な場合と取り外し不可能な場合があり、取り外し不可能な場合は装飾部82を開いて遊技台島1の上方から回転部653を回転させて遊技台40の傾斜角度を調整するためである。
【0085】
第2のユニット70は、主として板状部材(プレート)71と、被係合部72とから構成されている。板状部材71は、第2のユニット70を遊技台40の上板材41に設置するための細板状の部材である。なお、第2のユニット70は、遊技台島1へ遊技台40を設置した状態では、遊技台島1の島枠5aである上板材51と、遊技台40の台枠4aである上板材41との間に位置する。この板状部材71は、板状部材63よりも強度が弱く、すなわち撓むように弾性変形可能になるように、例えば、厚さが薄くなるように、例えば、ステンレス等の金属により形成されている。これは、スライド機構65により遊技台40の傾斜角度が調整されたときに、板状部材63と板状部材71との間に歪が生じるのを吸収するためである。
【0086】
被係合部72は、
図17に示すように、位置決め部62に当接することで遊技台40の位置決めを行い、位置決め部62と回動部材614との間に挟持されることで係合部61に係合される部材であり、板状部材71から延設されて逆L字型に形成されている。この被係合部72の回動部材614との当接面は、回動部材614と同様に、遊技台40の上下方向における中央部が膨らむように湾曲して形成され、上下方向に溝が形成されている。これは、スライド機構65により遊技台40の傾斜角度が調整されたときに、第1のユニット60は盤面45aに対して垂直方向に移動するが、第2のユニット70は、遊技台40の台枠4aを遊技台島1に固定している下枠固定装置30(の固定箇所)を中心に遊技台40に対して遊技者側(手前側)または遊技台40を挟んで遊技者と反対側(奥側)へ円弧を描くように移動しようとする。このため、第1のユニット60と第2のユニット70とが係合部61で係合した状態でスライド機構65を動作させると、スライド機構65のスライドする距離に比例して係合部61や被係合部72に負荷が生じる。しかしながら、係合している回動部材614と被係合部72とが遊技台40の盤面45aと平行な上下方向にずれることにより、この負荷が遊技台規制装置2に、言い換えると、第1のユニットおよび第2のユニットにかかることを防止することができる。また、中央部が膨らむように湾曲して形成された当接面は、回動部材614と被係合部72との両方に形成してもよいし、いずれか一方であってもよい。また、位置決め部62と被係合部72との当接面においても、両方またはいずれか一方に中央部が膨らむように湾曲した当接面が形成されてもよい。なお、回動部材614と被係合部72との当接面や、位置決め部62と被係合部72との当接面が、互いに面接触する平坦な場合と比較して、少なくとも一方が中央部が膨らむように湾曲した面であると接触抵抗が低くなり、盤面45aと平行な上下方向にずれ易くなる。
【0087】
次に、遊技台島1へ遊技台40を設置する際、変形例1に係る遊技台規制装置2を使用した場合の手順について説明する。
【0088】
まず、遊技台40の下板材42を遊技台島1の下板材52に載置し、遊技台島1の下板材52に固定された下枠固定装置30A,30Bの突き当て部(図示省略)に遊技台40の下板材42を突き当てて、所定の位置に遊技台40を設置する。その後、遊技台40のパチンコ機本体45を前面側に開き、台枠4a(の下板材42)を下枠固定装置30A,30Bで固定する。
【0089】
次に、遊技台40のパチンコ機本体45を前面側に開いた状態で、遊技台島1の上板材51に固定された第1のユニット60の位置決め部62に、遊技台40の上板材41に固定された第2のユニット70の板状部材71および/または被係合部72を当接させた後、係合部61の回動部材614を回動させて、被係合部72を位置決め部62と回動部材614とで挟持し、回動部材614へ留め金611を係合させる。この状態でレバー612を引くことにより、留め金611が回動部材614を係止し、位置決め部62と回動部材614とで挟持された被係合部72は、遊技台40の前面側方向および裏面側方向への移動が規制される。なお、位置決め部62と被係合部72が当接する位置決め部62の当接面と被係合部72の当接面の少なくとも一方に、遊技台40の上下方向に溝が形成されている場合には、溝が形成される一方が他方の当接面に食い込むため、遊技台40の左右方向に対する移動を規制することが可能となる。また、両方の当接面に溝が形成されている場合には、両方の溝が係合することによって、容易に係合可能となるため、遊技台40の左右方向に対する移動を規制することが可能となる。
【0090】
その後、パチンコ機本体45を閉め、必要により、スライド機構65を動作させて遊技台40の傾斜角度を調整する。
【0091】
なお、変形例1に係る遊技台規制装置2を使用する場合であっても、遊技台40を遊技台島1に設置する際に、パチンコ機本体45が取り付けられた状態で遊技台島1に取り付けても、遊技台40の台枠4aのみを先に遊技台島1に取り付けた後にパチンコ機本体45を台枠4aに取り付けてもよい。また、係合部61と被係合部72との係合が行われた後、下枠固定装置30A,30Bによる台枠4aとの固定を行ってもよい。
【0092】
以上のように、この遊技台規制装置2の変形例1によれば、第1のユニット60及び第2のユニット70を備えたことにより、遊技台島1に対する遊技台40の移動を容易に規制させ、または解除させることが可能になる。
【0093】
また、この発明の実施の形態1に係る遊技台規制装置2の変形例2について説明する。
図18は、この変形例2に係る遊技台規制装置2Aにおける係合部11a及び被係合部22aを示す斜視図である。変形例2に係る遊技台規制装置2は、実施の形態1に係る遊技台規制装置2と同様の構成であるが、係合部11A,12A及び被係合部22A,22Bに替えて、係合部11a及び被係合部22aを備えた点で、実施の形態1と異なる。
【0094】
係合部11aは、棒状の金属部材を屈曲させて鉤爪状に形成したものであり、一端がシャフト12Aの連接部122に設けられた孔に貫通して取り付けられ、他端は連接部122に向かって広がるようにテーパ部が形成されている。被係合部22aは、係合部11aが貫通して係合するためにプレート21に穿孔された孔である。係合部11aは、シャフト12Aが所定の位置(第1位置)のときには被係合部22aに係合していない状態であり、シャフト12Aが所定の位置(第2位置)、例えば90°回転した状態で被係合部22aに係合するように形成されている。このように、係合部11aを鉤爪状に、被係合部22aを孔状に形成し、シャフト12Aの回転により被係合部22aに係合するように形成してもよい。なお、被係合部22aは、完全に貫通された孔ではなく、プレート21に凹状に形成して係合部11aを係合させてもよい。
【0095】
さらに、この発明の実施の形態1に係る遊技台規制装置2の変形例3について説明する。
図19は、この変形例3に係る遊技台規制装置2Aにおける係合部11b及び被係合部22bを示す斜視図である。変形例3に係る遊技台規制装置2は、実施の形態1に係る遊技台規制装置2と同様の構成であるが、係合部11A,12A及び被係合部22A,22Bに替えて、係合部11b及び被係合部22bを備えた点で、実施の形態1と異なる。
【0096】
係合部11bは、ピン状の金属部材であり、係合部11bを進退自在に移動させる駆動部123bを介して連結部122に設けられている。駆動部123bは、例えば、バネ、ソレノイド、またはモータ等により構成されている。シャフト12Aの回転を契機に駆動部の動作スイッチを動作させてピン状の金属部材が突出するように動作する。このピン状の金属部材は連接部122に向かって広がるようにテーパ部が形成されている。被係合部22bは、係合部11bが貫通して係合するためにプレート21に穿孔された孔である。係合部11bと被係合部22bとが係合するときには、係合部11bに形成されたテーパ部とプレート21に形成された孔が係合しても良く、係合部11bが円柱状であって、この円柱状の円周部で被係合部22bと係合しても良い。係合部11bは、シャフト12Aが所定の位置(第1位置)のときは、駆動部の動作スイッチがOFFであってピン状の金属部材が突出していない状態であり、シャフト12Aが所定の位置(第2位置)、例えば90°回転した状態で駆動部の動作スイッチがONとなり、ピン状の金属部材が突出して被係合部22bに係合するように形成されている。このように、係合部11bをピン状の金属部材が突出するように、被係合部22bを孔状に形成し、シャフト12Aの回転により被係合部22bに係合するように形成してもよい。このように構成すると、ピン状の金属部材である係合部11bのテーパ部で係合する場合であっても、または円柱状の円周部で係合する場合であっても、少なくとも遊技台40の盤面45aに対して前後左右方向の移動を規制することが可能となり、テーパ部と孔が係合する場合は、上下方向の遊技台の移動を規制することも可能となる。なお、変形例1に係る被係合部22aと同様に、被係合部22bは、完全に貫通された孔ではなく、プレート21に凹状に形成して係合部11bを係合させてもよい。また、係合部11bをピン状の金属部材とし、被係合部22bを係合部11bが貫通するためにプレート21に穿孔された孔としたが、係合部11bを断面略V字型の横長三角柱状に形成して上下方向に溝を設け、被係合部22bを係合部11bが嵌合するように断面略逆V字型の横長三角状に穿孔された孔または凹部としてもよい。
【0097】
(実施の形態2)
図20は、この発明の実施の形態2に係る遊技台規制装置2Aにおける第1のユニット10C及び第2のユニット20Cを示す斜視図である。実施の形態2に係る遊技台規制装置2は、実施の形態1に係る遊技台規制装置2と同様の構成であるが、第1のユニット10A,10B及び第2のユニット20A,20Bに替えて、第1のユニット10C及び第2のユニット20Cを備えた点で、実施の形態1と異なる。
【0098】
第1のユニット10Cは、例えば、金属部材が略コの字型に折り曲げられて上板材51に取り付けられた第1の板状部材であり、基端部11Cと、延設部12Cと、先端部13Cと、係合部14Cとを有している。基端部11Cは、略コの字型に折り曲げられた第1の板状部材の一端を上板材51に取り付けた箇所である。延設部12Cは、基端部11Cから折り曲げられて延設された箇所である。先端部13Cは、延設部12Cにおける基端部11Cとの接続箇所と反対側に折り曲げられて延設された箇所である。係合部14Cは、先端部13Cにおける延設部12Cとの接続箇所と反対側に略コの字状に形成された、後述する被係合部との係合部材である。
【0099】
第2のユニット20Cは、例えば、金属板により形成されて上板材41に取り付けられた第2の板状部材であり、被係合部(突出部)21Cが設けられている。被係合部21Cは、係合部14Cに係合される箇所であり、第2のユニット20Cから下方向に突出して設けられた円柱型のピンである。なお、被係合部21Cの形状は円柱状に限られず、円錐状、角柱状等、他の形状であってもよい。
【0100】
係合部14Cに被係合部21Cが挿入されて係合された際に、被係合部21Cが係合部14Cによって形成される係合空間から外れないようにするために、第1のユニット10Cには、
図21(a1)〜(d4)に示すように、種々のロック機構が設けられている。
【0101】
図21(a1)、(a2)は、回動レバー(ロック機構)15Cが設けられ、被係合部21Cが係合される前の状態を示す模式図(a1)、及び被係合部21Cが係合された後の状態を示す模式図(a2)である。回動レバー15Cは、第2のユニット20Cに対して直交する方向であって第2のユニット20Cから下方向に突出した被係合部21Cと平行に設けられた回転軸(図示省略)を中心に回動するように係合部14Cの入口付近に取り付けられている。
図21(a1)に示す状態から被係合部21Cを矢印X2方向に挿入すると、被係合部21Cからの押圧力により回動レバー15Cが係合空間の内部方向に回動する。被係合部21Cが奥まで挿入されると、被係合部21Cからの押圧力が解除されて図示しない付勢部材の付勢力によって回動レバー15Cが元の位置に戻り、
図21(a2)に示す状態になる。これにより、被係合部21Cが係合空間から外れなくなる。なお、付勢部材は回動レバー15Cが元の位置に戻る機能を有するものであれば良く、例えば、板バネやつるまきバネ等で構成してもよい。
【0102】
図21(b1)、(b2)は、スライド部(ロック機構)16Cが設けられ、被係合部21Cが係合される前の状態を示す模式図(b1)、及び被係合部21Cが係合された後の状態を示す模式図(b2)である。スライド部16Cは、被係合部21Cの進行方向に対して直交する左右方向にスライドするように係合部14Cの入口付近に取り付けられている。
図21(b1)に示す状態から被係合部21Cを矢印X3方向に挿入すると、スライド部16Cが矢印Y1方向にスライドして開くように設けられている。被係合部21Cが奥まで挿入されると、スライド部16Cが矢印Y2方向にスライドして元の位置に戻り、
図21(b2)に示す状態になる。スライド部16Cは、スライドさせるスライド駆動部(図示省略)によって動作する。これにより、被係合部21Cが係合空間から外れなくなる。
【0103】
図21(c1)、(c2)は、ローラ部17C,17Dが設けられ、被係合部21Cが係合される前の状態を示す模式図(c1)、及び被係合部21Cが係合された後の状態を示す模式図(c2)である。ローラ部17C,17Dは、第2のユニット20Cに対して直交する方向であって第2のユニット20Cから下方向へ突出した被係合部21Cと平行に設けられた回転軸(図示省略)を中心に回動するように係合部14Cの入口付近に取り付けられている。
図21(c1)に示す状態から被係合部21Cを矢印X4方向に挿入すると、被係合部21Cからの押圧力によりローラ部17C,17Dが回動するとともに先端部13Cに矢印Y3,Y4方向に押圧されてローラ部17Cとローラ部17Dとの間が開く。被係合部21Cが奥まで挿入されると、被係合部21Cからの押圧力が解除されてローラ付勢部(図示省略)の付勢力によってローラ部17Cとローラ部17Dとが矢印Y5,Y6方向に戻り、
図21(c2)に示す状態になる。これにより、被係合部21Cが係合空間から外れなくなる。
【0104】
図21(d1)〜(d4)は、ばね(スライド付勢部)18Cが設けられて係合部14Cがスライドし、被係合部21Cが係合される前の状態を示す模式図(d1)、被係合部21Cが手前に挿入された状態を示す模式図(d2)、被係合部21Cが奥に挿入された状態を示す模式図(d3)、及び被係合部21Cが係合された後の状態を示す模式図(d4)である。ばね18Cは、係合部14Cの側面に設けられ、係合部14Cがスライドするように構成されている。また、係合部14Cによって形成される係合空間は、左壁面14C1、右壁面14C2、及び奥壁面14C3から構成され、右壁面14C2は、入口から奥壁面14C3に対して狭くなるような傾斜が所定箇所まで形成されている。
図21(d1)に示す状態から被係合部21Cを矢印X5方向に挿入すると、被係合部21Cが右壁面14C2の傾斜部分に接触して
図21(d2)に示す状態になる。被係合部21Cをさらに挿入すると、被係合部21Cが右壁面14C2の傾斜部分を押圧し、その押圧力により係合部14Cが矢印Y7方向にスライドし、
図21(d3)に示す状態になる。その後、被係合部21Cが奥壁面14C3に接触すると、被係合部21Cからの押圧力が解除されて係合部14Cが矢印Y8方向にスライドして元の位置に戻り、
図21(d4)に示す状態になる。これにより、被係合部21Cが係合空間から外れなくなる。なお、右壁面14C2に設けた傾斜は、左壁面14C1に設けてもよい。また、被係合部14Cがスライドする場合の他に、
図21(d1)〜(d4)のように動作するロック機構が別部材で設けられ、被係合部14Cに重ねて配置されてもよい。
【0105】
以上のように、この遊技台規制装置2及び遊技台島1によれば、係合部14C及び被係合部21Cを備え、係合部14Cと被係合部21Cとの係合により被係合部21Cを規制するので、容易に遊技台40の移動を規制させ、またはその規制を解除させることが可能になる。
【0106】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、遊技台規制装置2A,2Bを上板材51及び上板材41に設けたが、右板材53または左板材54、及び右板材43または左板材44に設けても良く、下枠固定装置30A,30Bに替えて遊技台規制装置2A,2Bを下板材52及び下板材42に設けてもよい。
【0107】
また、第1のユニット10A,10B,10C,60、第2のユニット20A,20B,20C,70は、遊技台40を規制することが可能な構成であれば、他の構成にしてもよい。
【0108】
第1のユニット10A,10B,10C,60、第2のユニット20A,20B,20C,70は、各ユニットが有する取付部によって、遊技台島1の島枠5aの上板材51、または遊技台40における台枠4aの上板材41に取り付けるため、木製であるか金属製であるかを問わず、各部材に適した取付方法を使用することが可能となる。例えば、ねじや釘によって固定してもよく、接着材を使用してもよい。また、台枠4aへ取り付けられる第2のユニットは一体成型されたものであってもよい。
【0109】
さらに、この発明の実施の形態2におけるロック機構は、例示した上記の実施の形態に限られず、例えば、被係合部21Cを緩く嵌合する緩嵌合部材で形成してもよい。