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特開2017-29974液体処理モジュールおよび液体処理アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-29974(P2017-29974A)
(43)【公開日】2017年2月9日
(54)【発明の名称】液体処理モジュールおよび液体処理アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/01 20060101AFI20170120BHJP
   B01D 29/90 20060101ALI20170120BHJP
   B01D 24/42 20060101ALI20170120BHJP
   B01D 29/92 20060101ALI20170120BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20170120BHJP
   B01D 15/00 20060101ALI20170120BHJP
   B01D 15/08 20060101ALI20170120BHJP
   C12M 1/32 20060101ALI20170120BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20170120BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20170120BHJP
【FI】
   B01D29/04 510A
   B01D29/04 510E
   B01D29/04 530A
   B01D29/04 510D
   B01D29/04 510F
   B01D29/42 501A
   B01D29/42 510
   B01D39/16 A
   B01D15/00 J
   B01D15/08
   C12M1/32
   C12Q1/02
   C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2016-55384(P2016-55384)
(22)【出願日】2016年3月18日
(31)【優先権主張番号】15167208.6
(32)【優先日】2015年5月11日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】リューディガー ライプニッツ
(72)【発明者】
【氏名】マニュエラ メング
(72)【発明者】
【氏名】エスター フリードリヒ
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
4D017
4D019
【Fターム(参考)】
4B029AA09
4B029AA27
4B029BB01
4B029BB15
4B029BB20
4B029CC01
4B029GA08
4B029GB01
4B029GB02
4B029GB05
4B029GB09
4B029HA06
4B063QA20
4B063QQ05
4B063QQ36
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR48
4B063QR74
4B063QS07
4B063QS12
4B063QS39
4B063QX01
4D017AA03
4D017CA03
4D017DA03
4D019AA03
4D019BA07
4D019BA13
4D019BB02
4D019BB03
4D019BC05
4D019CA05
4D019CB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】費用効果の高い方法でバイオテクノロジー液体を浄化するための信頼性のある手段の提供。
【解決手段】液体処理要素10、未処理液体受け入れチャネル16、および処理液体受け入れチャネル18を備え、液体処理要素は、本体11の両側に配置された第1面12および第2面14を有する液体透過処理メディアの本体を備え、本体は第1面から第2面に延びる複数のチャネルを備え、第1タイプのチャネルは本体の第1面に配置された一端部で開放され、第2面に隣接して配置された他端部で閉塞されており、第2タイプのチャネルは本体の第2面に配置された一端部で開放され、第1面に隣接して配置された他端部で閉塞されており、第1タイプのチャネルは、第2タイプのチャネルから分離され、前記タイプのチャネルの一方は未処理液体を受け入れかつ液体入口と連通し、前記タイプのチャネルの他方は処理液体を収集しかつ液体出口と連通する液体処理モジュール。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体処理要素、未処理液体のための液体入口、および処理液体のための液体出口を備える液体処理モジュールであって、
前記液体処理要素が、第1面および第2面を有する液体透過処理メディアの本体を備え、前記第1面および前記第2面が前記本体の両側に配置され、
前記本体が、前記第1面から前記第2面への方向に延びる複数のチャネルを備える、液体処理モジュールにおいて、
前記複数のチャネルの第1タイプの複数のチャネルが、前記本体の第1面に配置された一端部で開放され、前記第2面に隣接して配置された他端部で閉塞され、
前記複数のチャネルの第2タイプの複数のチャネルが、前記本体の第2面に配置された一端部で開放され、前記第1面に隣接して配置された他端部で閉塞され、
前記第1タイプのチャネルが、前記液体透過処理メディアの部分によって、前記第2タイプのチャネルから分離され、
前記タイプのチャネルの一方が、前記未処理液体を受け入れ前記液体処理モジュールの液体入口と連通する供給チャネルであり、前記タイプのチャネルの他方が、前記処理液体を収集し前記液体処理モジュールの液体出口と連通する出口チャネルである、液体処理モジュール。
【請求項2】
前記本体が、平らに積層されたシート材料の複数の層を備え、前記層が、前記複数のチャネルを形成する開口を備える、請求項1に記載の液体処理モジュール。
【請求項3】
前記液体処理要素が、前記本体の第1面に配置され平行に配置された前記第1タイプの層の1つ以上の層を備え、前記第1タイプの層が、一方のタイプのチャネルのみに対応する開口を有し、かつ/または前記液体処理要素が、前記本体の第2面に配置され平行に配置された第2タイプの層の1つ以上の層を備え、前記第2タイプの層が、他方のタイプのチャネルのみに対応する開口を有し、任意に、
前記第1タイプの層および前記第2タイプの層が液体処理メディアから作られ、該液体処理メディアの構成要素および/または構造が、望ましくは前記処理要素の本体の処理メディアと同様であるかまたは同一である、請求項1または2に記載の液体処理モジュール。
【請求項4】
それぞれのタイプのチャネルの断面部分が、実質的に同一の大きさである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項5】
前記液体入口と連通するチャネルの断面部分が、前記液体出口と連通するチャネルの断面部分よりも大きい大きさであり、望ましくは、
前記断面部分の大きさの差が、前記液体出口と連通するチャネルの断面部分の大きさに基づいて、約10%以上に達する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項6】
前記液体入口と連通するチャネルの数が、前記液体出口と連通するチャネルの数よりも少なく、望ましくは、
前記液体出口と連通するチャネルの数が、前記液体入口と連通するチャネルの数と比較したとき、約2倍以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項7】
液体処理メディアのチャネルが、それぞれのタイプのチャネルに対して、分離して平行に配置されるか、または同心の列に配置され、任意に、
前記液体出口と連通するチャネルが、2つ以上の隣接する列のグループに配置され、一方では、前記液体入口と連通するチャネルが、より少ない数の列のグループに配置されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項8】
液体処理メディアが、望ましくは圧縮状態に維持される深層フィルタ材料であり、望ましくは、
液体処理メディアの圧縮が、前記処理メディアの本体の厚さが非圧縮の深層フィルタ材料の厚さの約90%以下に達するものである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項9】
液体処理メディアが、圧縮性材料および/または処理される液体と接して膨張する材料を含むマトリックスを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項10】
液体処理メディアが、添加剤を組み込むマトリックスを含み、前記添加剤が、望ましくは微粒子または繊維の形であり、望ましくは、前記添加剤が、前記液体処理メディアの重量に基づいて、重量で約15〜約70%の量で存在し、任意に、
前記添加剤は、多孔質微粒子添加剤、ろ過助剤、および/または処理剤から選択され、かつ/または、
前記添加剤が、反応剤、吸着剤を含み、望ましくは、
前記添加剤が、珪藻土、パーライト、高純度セルロース、微結晶性セルロース、ナノ繊維、活性炭、吸着ビーズ、ファイブレット(fibrets)、およびファイブリッド(fibrids)から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項11】
前記液体処理メディアが、マトリックスを含み、前記マトリックスが、有機ポリマー材料を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項12】
当該液体処理モジュールが、前記第1面および前記第2面でシールして配置された2つの端部片を備え、前記端部片が、前記液体入口および前記液体出口をそれぞれ提供する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項13】
当該液体処理モジュールが、当該液体処理モジュールの外周面に配置されたクランプ手段を備え、前記クランプ手段が、望ましくは当該液体処理モジュールの液体処理材料を圧縮状態に維持し、任意に、前記クランプ手段が、当該液体処理モジュールの中央ダクトに配置されたクランプ要素を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体処理モジュール。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の2つ以上の前記液体処理モジュールを備える液体処理アセンブリであって、
望ましくは、前記液体処理モジュールが、積層体に配置され、任意に、
前記液体処理モジュールが、システムにおける前記液体処理モジュールのいずれか一つの前記液体入口または前記液体出口と液体連通する共通中央導管を備える、液体処理アセンブリ。
【請求項15】
当該液体処理アセンブリが保持装置を備え、望ましくは前記液体処理モジュールの積層体の外周面に配置され、前記保持装置が、望ましくは前記液体処理モジュールの積層体の液体処理材料を圧縮状態に維持し、任意に、当該液体処理アセンブリが、前記液体処理モジュールの中央ダクトに設けられた前記中央導管に配置された保持要素を備える、請求項14に記載の液体処理アセンブリ。
【請求項16】
液体を処理するための方法であって、
請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体処理モジュール、または請求項14または15に記載の液体処理アセンブリを配置して、前記液体処理モジュールの液体入口が頂部に位置し、前記液体処理モジュールの液体処理要素のチャネルが、ほぼ垂直方向に向けられ、処理される液体を前記液体処理モジュールおよび前記液体処理アセンブリの液体入口にそれぞれ供給するようにしたステップを含む、方法。
【請求項17】
前記液体入口と液体連通する前記液体処理モジュールのチャネルが、前記処理される液体からの沈殿物を捕捉し収容する、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体処理モジュール、液体処理モジュールを組み込む液体処理アセンブリ、およびこのようなモジュールおよびアセンブリを使用する液体を処理するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高荷重の汚染要因物を有する液体、例えば、粒子状物質、コロイド、マクロ分子、生体細胞、細胞残屑、研磨微粒子、および同様のものは、特に大量の液体が処理され、かつ/または高品質の基準が満たされるとき、液体処理モジュールおよび液体処理アセンブリに対して多数の課題が存在する。このような課題は、特に製薬産業、食料および飲料などの分野で液体が処理されるとき、存在する。特に、この文脈では、バイオテクノロジー産業の反応メディアの処理が言及される。
【0003】
バイオテクノロジー産業は、過去10年にわたって、急速に変化してきた。細胞は、バイオテクノロジー液体で数える、すなわち、反応メディアがより高くなっている(例えば、1ml当たり約25ミオ(Mio)細胞の増加)。細胞(例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞)がより大きくなっている(例えば、15〜27μm)。PCV(血中血球容積)は、より高くなっている(例えば約10%)。反応メディアからの宿主細胞タンパク質(HCP)およびDNAの早期の除去がより重要になっている。
【0004】
上述の課題に対処するために、近年、単一使用の液体処理カプセルは、反応メディアの浄化のために使用されてきたが、従来の液体処理カプセルが使用されるときに必要とされる多数のフィルタモジュールは、コスト、設置面積、洗浄水の必要性、および生成物損失の可能性を増加させる。
【0005】
遠心分離は、バイオテクノロジー液体を浄化するために、従来通りに使用される別の技術であるが、単一使用の要求と良好に適合せず、遠心分離中に結果として生じるせん断力は、細胞を破壊させることがあり、液体の宿主細胞タンパク質およびDNA含量を増加させることがある。
【0006】
深層ろ過は、単独では、効果的であるが、通常、大きすぎるフィルタ表面領域を必要とし、処理/ろ過時間を増加させることがある。深層ろ過と組み合わせて凝集を使用することのような他の技術も効果的であるが、化学物質(例えば、凝集剤)の添加は、バイオテクノロジープロセスで問題があることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、費用効果の高い方法でバイオテクノロジー液体を処理する、特に浄化するための信頼性のある手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、液体処理要素、未処理液体のための液体入口、および処理液体のための液体出口を備える液体処理モジュールであって、前記液体処理要素は、第1面および第2面を有する液体透過処理メディアの本体を備え、前記第1面および前記第2面は前記本体の両側に配置され、前記本体は、前記第1面から前記第2面への方向に延びる複数のチャネルを備え、前記複数のチャネルの第1タイプの複数のチャネルは、前記本体の第1面に配置された一端部で開放され、前記第2面に隣接して配置された他端部で閉塞され、前記複数のチャネルの第2タイプの複数のチャネルは、前記本体の第2面に配置された一端部で開放され、前記第1面に隣接して配置された他端部で閉塞され、前記第1タイプのチャネルは、前記液体透過処理メディアの部分によって、前記第2タイプのチャネルから分離され、前記タイプのチャネルの一方は、前記液体処理モジュールの液体入口と連通する供給チャネルであり、前記タイプのチャネルの他方は、前記液体処理モジュールの液体出口と連通する出口チャネルである、液体処理モジュールに関する。
【0009】
本発明に従う液体処理モジュールは、望まれていない構成要素を除去することによって、バイオテクノロジー液体、例えば、反応メディアを効率的に浄化するための手段を提供する。液体処理モジュールは、費用効果の高い方法で製造することができ、大幅に増加した能力を提供し、妥当な時間で、処理される液体を処理することができ、特に浄化して終了することができる。
【0010】
一般に、高荷重の汚染要因物または望まれていない構成要素を有するいかなる液体も、好適に処理することができ、本発明の処理モジュールおよびアセンブリによって浄化することができる。これは、薬学、特に生物薬学分野の液体に対してだけでなく、食料および飲料の分野の液体に対しても当てはまる。
【0011】
好適には、本発明の液体処理モジュールは、費用効果高く製造したにもかかわらず、高い処理能力(例えば、モジュール当たり数リットル)を提供し、モジュールを組み込むシステムの設置面積を減少させ、洗浄メディアをあまり必要とせず、廃材を減少させ、低含量の抽出物を提供することができ、生成物損失の可能性を低くする。
【0012】
遠心分離機の使用と比較したとき、本発明は、追加の利点を提供し、例えば、本発明は、使用する準備はできており、向上した回収および高い能力、下流で無菌のフィルタ、特に無菌薄膜フィルタのより良好な保護、単純なプロセス、より低いコストを提供し、単一使用に適しており、それによって二次汚染を回避し、洗浄確認を必要とせず、保守努力をあまり必要とせず、より良好でより容易に規模を大きくすることを提供し、より高い柔軟性などを有する。
【0013】
本発明の液体処理モジュールおよび液体処理アセンブリを組み込む処理システムは、モジュールの効果的な使用を可能にし、単一使用の適用中に大量の液体を処理する可能性を提供する。
【0014】
液体処理モジュールは、深層ろ過、吸着分離、クロマトグラフ分離、表面(ふるい)ろ過、または深層ろ過、吸着分離、クロマトグラフ分離、表面(ふるい)ろ過の組み合わせのような様々な処理技術で液体を処理するために使用することができる。
【0015】
[発明の詳細な説明]
本発明の液体処理モジュールは、単一構造の処理メディアの本体を設けてもよい。この態様は、特により少量の液体が一度に処理されるとき、興味深い。アセンブリは、液体処理モジュールの単一構造の本体の使用によって容易になる。処理メディアの本体の第1面および第2面は、望ましくは、平らな構造であり、互いに平行に配置されている。
【0016】
本発明の別の望ましい実施形態では、処理材料の前記本体は、複数の平らな層のシート材料を備えていてもよく、層が積層されると、前記層は、前記複数のチャネルを形成する開口を備える。
【0017】
このタイプの処理モジュールは、前記本体を形成するシート材料の積層される層の数を単に増加させることによって、処理モジュールの処理能力の中で広範囲の液体の量に容易に適合させてもよい。
【0018】
本発明の液体処理モジュールの液体処理要素は、前記本体の第1面に配置され平行に配置された前記第1タイプの層の1つ以上の層を備えていてもよく、前記第1タイプの層は、一方のタイプのチャネルのみに対応する開口を有し、かつ/または前記液体処理要素は、前記本体の第2面に配置され平行に配置された第2タイプの層の1つ以上の層を備え、前記第2タイプの層は、他方のタイプのチャネルのみに対応する開口を有する。
【0019】
様々な層は、同一タイプの材料から作成してもよい一方で、本発明は、既定の適用で個別の要求に液体処理モジュールを適合させるために、柔軟性をさらに向上させる異なるタイプの材料からできた層を使用する可能性を提供する。
【0020】
本発明のこの態様によれば、第1タイプの層および第2タイプの層は、様々な要求に対処するために、第1タイプの層および第2タイプの層間に広範囲の異なる数の同様に形成された層のシート材料の積層体を収容してもよい。
【0021】
さらに望ましくは、前記第1タイプの層および前記第2タイプの層は、構成要素の液体処理材料からできており、かつ/または液体処理材料の構造は、望ましくは処理要素の本体の処理メディアと同様であるか、または同一である。したがって、処理材料のかなり一様な本体は、製造、および特にモジュールの品質管理および品質確認を容易にすることを提供してもよい。
【0022】
本発明の別の態様によれば、処理材料の本体の内部のそれぞれのタイプのチャネル断面部分は、実質的に同一の大きさである。製造装置は、比較的低コストで提供してもよい。
【0023】
代案として、本発明の液体処理モジュールは、液体出口と連通するチャネル断面部分よりも大きい大きさである液体入口と連通するチャネル断面部分を有していてもよい。モジュールは、処理材料の本体の内部で液体の処理中に生じる沈殿物により容易に対処することができるので、このような特徴は、モジュールの能力を著しく増加させることができるということを考慮する。
【0024】
さらに望ましくは、断面部分の大きさの差は、液体出口と連通するチャネルの断面部分の大きさに基づいて、約10%以上に達する。
【0025】
本発明のさらなる別の態様によれば、液体入口と連通するチャネルの数は、液体出口と連通するチャネルの数よりも少なくてもよい。これは、代案として、またはさらに、処理モジュールの能力の向上を提供してもよい。
【0026】
さらに望ましくは、液体入口と連通するチャネルの数は、液体出口と連通するチャネルの数と比較したとき、約2倍以上である。
【0027】
代替案では、液体入口と連通するチャネルの数は、液体出口と連通するチャネルの数よりも少なくてもよい。特にこのような構造では、液体入口と連通するチャネル断面部分が著しく大きいとき、例えば液体出口と連通するチャネル断面部分よりも約10%以上、望ましくは約20%以上大きいとき、望ましい。
【0028】
液体透過処理材料の本体の内部の2つのタイプのチャネルの配置は、様々なパターンから選択することができる。
【0029】
複数の同心円での2つのタイプのチャネルの代替の配置は、良好な結果を証明してきた。処理モジュールのケースでは、複数の層を組み込むことは、処理材料の本体を形成するための層の正確なアセンブリは、大いに容易になる。
【0030】
代替の望ましい配置では、チャネルは、それぞれのタイプのチャネルのための分離した平行な列で液体処理材料に設けられている。処理材料の本体にチャネル構造を設ける複数の層に開口を作り出すことは、費用効果の高い方法で大いに容易になり、達成することができる。これは、異なるタイプのチャネルが、互いに対して均等で厳密に管理された距離で配置されることを保証するための容易な手段であり、一方、容易な手段は処理結果の精度および信頼性を向上させる。
【0031】
さらに望ましくは、液体出口と連通するチャネルがより少ない数の列のグループに配置される一方で、液体入口と連通するチャネルは、2つ以上の隣接する列のグループに配置されている。したがって、個別の適用でより良好な処理結果を提供することができる処理材料の上流側で液体の流れを減少させるために使用することができる1列以上のチャネルは、処理される液体を受け入れる。
【0032】
代替案では、液体入口と連通するチャネルの列の数は、液体出口と連通するチャネルの列の数よりも少ない。
【0033】
本発明の液体処理モジュールは、フィルタモジュールとして設計してもよい。液体処理材料は、深層フィルタ材料から選択してもよい。望ましくは、深層フィルタ材料からなる液体処理材料の本体は、圧縮状態に維持される。これは、処理材料の本体が複数の積層された深層フィルタ層からなっているとき、特に望ましい。複数の層の深層フィルタ材料の圧縮によって、本体の内部のバイパスを回避し、それによって液体の処理において高品質の結果を提供することは容易に可能であるということが見出されてきた。
【0034】
さらに望ましくは、液体処理材料の圧縮は、処理材料の本体の厚さが非圧縮の深層フィルタ材料の厚さの約90%以下に達するものである。
【0035】
本発明の別の態様によれば、液体処理モジュールは、圧縮性材料および/または処理される液体と接して膨張する材料を含むマトリックスを含む流体処理材料を含む。
【0036】
バイパスを回避するための別のオプションは、第1および第2タイプのチャネルを収容する領域間の液体処理材料の層の表面にシールストリップを配置することである。液体処理材料の圧縮は、低レベルに減少させることができるか、または完全に回避することができる。
【0037】
別の代替案によれば、2つの隣接する層の表面は、一緒に接着し、それによって、液体処理材料の圧縮を必要としなくてもよい方法で、2つのタイプのチャネルを液体的に分離するシール効果を提供してもよい。
【0038】
さらなる別の代替案では、シール層は、2つのタイプのチャネルを液体的に分離した状態を維持するように、液体処理材料の2つの隣接する層間に配置してもよい。基本的に、シール/ガスケットとして機能することができるいかなる材料も、例えば、シリコーン材料を使用することができる。
【0039】
本発明のさらに望ましい実施形態では、液体処理モジュールは、添加剤を組み込むマトリックスを含む液体処理材料を備え、前記添加剤は、望ましくは微粒子の形であり、望ましくは、添加剤は、液体処理材料の重量に基づいて重量で約15〜70%の量である。特性および処理結果は、処理モジュールが処理材料のマトリックスに組み込まれた添加剤の使用によって設計された個別の適用に調整してもよい。
【0040】
望ましくは、液体処理材料の添加剤は、多孔質微粒子添加剤、ろ過助剤、および/または処理剤から選択される。
【0041】
さらに、添加剤は、望ましくは反応剤、吸着剤を備える。
【0042】
より詳細には、添加剤は、望ましくは珪藻土、パーライト、高純度セルロース、微結晶性セルロース、ナノ繊維、活性炭、吸着ビーズ、ファイブレット(fibrets)、およびファイブリッド(fibrids)から選択してもよい。
【0043】
極めて大きな微粒子が供給から除去される場合、添加剤を単独で含まないセルロースのマトリックスは、同様に使用することができる。
【0044】
複数のケースでは、液体処理モジュールの本体の液体処理材料が処理材料または処理メディアのマトリックスの一部分を形成する有機ポリマー材料を備えることが望ましい。
【0045】
多数の適用のために、液体処理材料が殺菌可能な材料から選択されることが望ましい。
【0046】
本発明の別の態様によれば、液体処理モジュールは、前記第1面および前記第2面とシールして接するように配置される2つの端部片を備え、前記端部片は、望ましくはモジュールの液体入口および液体出口をそれぞれ提供する。
【0047】
本発明の1つの実施形態は、複数の供給開口を有する供給プレートを含む供給分配装置を含む液体処理モジュールに関し、供給プレートは、複数の供給開口が処理材料の本体の1つのタイプのチャネルと液体的に連通するように配置されている。
【0048】
本発明の別の実施形態では、液体処理モジュールは、液体排出開口を有する液体収集プレートを含む液体収集装置、および液体処理要素の本体の1つのタイプのチャネルと液体出口例えばモジュールのろ液排出出口との間の液体連通を提供する複数の液体開口を含む。
【0049】
本発明の概念の別の態様によれば、液体処理モジュールは、液体処理モジュールを収容するカプセルを設けてもよい。
【0050】
本発明の別の態様によれば、モジュールは、モジュールの外周面に配置されたクランプ手段を備えていてもよく、前記クランプ手段は、望ましくは液体処理材料を圧縮状態に維持する。
【0051】
本発明の別の態様によれば、本発明の2つ以上の液体処理モジュールを備える液体処理アセンブリが設けられ、モジュールは、積層体に配置されている。それによって、アセンブリの処理能力を、処理される液体の量および/または特質に適合させることは容易であり、課題は、適合させることから生じる。
【0052】
望ましくは、アセンブリのモジュールのそれぞれは、モジュールが積層されたとき、単純で効果的な方法で全ての積層されたモジュールに、処理される液体を供給するように使用することができるアセンブリの共通中央導管を形成する中央ダクトを備える。代案として、共通中央導管は、積層されたモジュールの全てから処理液体を受け入れるように設計してもよい。
【0053】
さらに別の実施形態では、液体処理アセンブリは、液体処理モジュールの液体処理材料を保持するための、かつ/または圧縮するための、例えば深層フィルタ材料の層またはシートを圧縮するための保持装置を含む。このような保持装置は、個々のモジュールの個々のクランプ手段を構成してもよい。
【0054】
本発明のさらなる別の態様は、液体を処理するためのプロセスである。モジュールの液体入口が頂部に配置され、モジュールのチャネルが、ほぼ垂直方向に向けられ、モジュールおよびアセンブリのそれぞれの供給入口の中に、処理される液体を供給するように、本プロセスは、本発明の液体処理モジュールまたは液体処理アセンブリを配置することを含む。
【0055】
望ましくは、処理プロセスは、液体入口と液体連通するチャネルで未処理液体から沈殿物を捕捉することを含む。
【0056】
(液体処理モジュール)
本発明に従う液体処理モジュールは、望ましくは未処理液体のための供給部に供給し未処理液体のための分配を供給するための供給プレート、および/または処理液体の収集のための液体収集プレートを含み、処理液体を共通出口、例えばモジュールの中央ダクトに案内する、処理液体、例えばろ液を受け入れるための収集装置を含む供給分配装置を含む。
【0057】
望ましくは、複数のプレート形状の液体処理材料、例えば複数のシートがプレート間に配置されている。複数のシートは、望ましくは穿孔によって作り出された開口または穴を備える。
【0058】
シートは、望ましくは、積層された層の穴が積層されたシートの本体の内部で連続したチャネルを形成するような方法で配置されている。一方のタイプのチャネルは、液体処理要素の本体の内部の供給を分配し、他方のタイプのダクトは、液体処理要素の本体の内部で、処理液体、例えばろ液を収集する。供給チャネルは、供給分配プレートに向かって開放端部を提供し、ろ液プレートに対してシールされている。ろ液チャネルは、ろ液収集プレートに向かって開放端部が設けられ、供給プレートに対してシールされている。液体が供給からろ液ダクトに到達するための唯一の方法は、液体処理メディアを通過することである。
【0059】
(液体処理要素)
液体処理要素は、しばしば、材料とも称される液体透過処理メディアの2つ以上の層またはシートを含む。液体処理メディアまたは材料は、様々な構成要素、例えば珪藻土(DE)、パーライト、セルロース、結合剤などの混合物を任意に含む、例えば深層フィルタ材料であってもよく、例えば、繊維材料、特に織布または不織布材料、例えば、メルトブローン不織布材料から製造することができる。
【0060】
液体処理材料の1つの詳細な例は、セルロース繊維を基にしたマトリックス、およびセルロース繊維マトリックスの内部に固定されたろ過活性物質(例えば、珪藻土、パーライト、細繊維)を含む。
【0061】
液体処理材料として使用される深層フィルタ材料は、望ましくは、結合剤材料を加えることによって、深層フィルタ材料の構造、特に深層フィルタ材料のマイクロ構造に固定される。適した結合剤材料は、例えば、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンアミン、ポリビニルアミン、ポリイソシアネート、およびメラミンホルムアルデヒドを含む。ポリアミドアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、およびポリビニルアミンの使用は、食料および飲料の適用に対して、特に望ましい。
【0062】
いくつかの適用に対して、より高い安定性を得るために、処理材料の複数のシートを修正することは、有益であってもよい。少量の特別な繊維(例えば、重量で約1〜30%、望ましくは重量で約3〜20%のポリエチレン(PE)を含む、または基にした繊維)の添加は有利であってもよい。
【0063】
液体処理材料の層の滑らかな表面は、隣接するシート間に十分なシールを設けるために、一般に有利である。
【0064】
望ましくは、液体処理材料は、例えば、処理される液体と接するとき、複数の層間で十分にシールすることを容易にする、処理材料に組み込まれた繊維の膨張によって、ある程度の膨張を示す。
【0065】
シート材料の機械的特性、例えば、引っ張り強度、圧縮に対する抵抗は、特定の量のポリエチレン繊維を一緒に溶融することができる処理材料に加えることによって、好適に向上させてもよい。
【0066】
本発明の1つの概念によれば、それぞれのシートは、2種類の開口を含み、1種類は、供給開口としての機能を果たし、残りの1種類は、液体を受け入れる開口、例えばろ液開口としての機能を果たす。それぞれのシートのそれぞれのタイプの開口が、供給チャネルおよび処理液体受け入れチャネルをそれぞれ形成するために整列するように、複数のシートは、(例えば、積層された構造で)配置することができる。両方のタイプのチャネルは、一端部で閉塞され、他端部で開放されている。これは、異なる方法で実施してもよい。
【0067】
1つのオプションは、液体透過処理メディアの本体の上流面および下流面を薄い液体不透過層、例えばフィルムで覆うようにしてもよく、前記液体不透過層の一方は、1つのタイプのチャネル、例えば、未処理液体受け入れチャネルのチャネル断面部分と一致する開口を備え、他方の液体不透過層は、他のタイプのチャネル、例えば処理液体受け入れチャネルのチャネル断面部分と一致する開口を備える。
【0068】
代案として、1シートまたは複数シートの液体透過メディアは、本体の一端面に、未処理液体受け入れチャネルとのみ連通する供給開口を含んでもよく、1シートまたは複数シートは、本体の他端面に、処理液体受け入れチャネルとのみ連通する処理液体排液開口を含む。
【0069】
典型的には、約5〜40シートの液体処理材料は、複数層構造の本体で使用してもよい。
【0070】
液体処理要素の直径は、円筒形で設けられるとき、小さな規模の適用に対して例えば約65mmから、大きな規模の適用に対して約400mmまで及んでいてもよい。
【0071】
モジュールの容易な取扱いがかなり重要なため、使用されるシートまたは層の数は、特に湿った状態で単にモジュールの重量によって制限され、液体処理メディア層がバイパスを回避するために圧縮されることが必要とされるケースでは、数は、圧縮のために加えられる必要なクランプ力によって制限される。
【0072】
供給チャネルと処理液体受け入れチャネルとの間の距離は、広範囲の距離から選択することができる。チャネルの外周で測定された距離は、望ましくは約2mm以上である。したがって、十分な処理効果を提供できるように、処理される液体が処理メディアの大部分を通って移動するとき、2つのタイプのチャネル間のステーは、処理される液体に対して十分なパス長さを提供する。例えば、1つの実施形態では、距離は約4mmであってもよい。
【0073】
層の開口は、(より低いコストおよびパンチング/穿孔ステップによって作り出される円筒壁でのより開放された面のための)パンチング/穿孔によって作り出すことができ、例えば、1つの実施形態では、複数のシートの穿孔は、全ての列の開口を個々にパンチング加工することによって作り出すことができ、代案として、1シートの開口の全てのパンチング加工が同時になされる。
【0074】
本発明の液体処理アセンブリの構造は、望ましくは液体処理モジュールの積層体に加えて、モジュールの積層体のシート材料を圧縮するためのクランプ手段を備える。
【0075】
液体処理、例えばろ過は、望ましくは処理メディアシートの大部分を通って処理される液体の縁部の流れを誘発させることによって、すなわち、供給穴/チャネルから、液体処理メディアの大部分を通って、処理液体(例えば、ろ液)を受け入れる穴/チャネルに、液体の流れを向けることによって生じる。
【0076】
液体処理材料のシートの複数の開口、およびその後、シートの積層されたアセンブリの開口によって形成されるチャネルは、幅広い種類の形状から選択された断面部分を有することができる。
【0077】
両方のタイプのチャネルを形成する開口は、多角形、特に長方形、円形または楕円形の断面部分を有していてもよい。例えば、液体処理モジュールの操作中の様々な条件下で、処理メディアの本体の機械的安定性を考慮した細長いスロットの形で開口を設けることができる一方、複数の開口、例えば細長いスロットの代わりに狭いステー(例えば約1mm)によって分離された限定された断面部分の円形の開口が望ましい。
【0078】
例えば、供給チャネルを構成する供給開口は、望ましくは約1.5〜8mm、例えば約2mmの直径を有する処理液体受け入れチャネルを構成する液体開口よりも大きい、望ましくは直径が約2〜10mm、例えば約5mmの範囲の直径を有していてもよい。同一タイプのチャネルの2つの隣接する開口の距離は、例えば約1mm以上であってもよい。それによって同一タイプの隣接する開口間に設けられたステーは、処理メディアの本体の構造を安定させる働きをする。原則として、ステーは、基本的な処理/ろ過機能を提供することは必要とされていない。安定性の考慮によって、ステーの使用が望ましい。
【0079】
開口は、様々な形状に配置することができ、例えば、列、特に直線の列に、または同心のリングに、1つのタイプの開口のみを備えるそれぞれの列または円を配置することができる。
【0080】
さらなる別の望ましい配置では、一方のタイプのチャネルの開口は、連続したパターンで設けることもできる他方のタイプのチャネルの多数の開口に囲まれていてもよい。
【0081】
全ての構造は、液体処理性能に関して良好に機能する。
【0082】
しかしながら、直線の列の構造は、費用効果および製造実現可能性の考慮によって望ましい。
【0083】
複数層の液体処理メディアを使用するとき、複数の層またはシートは、全ての製造ステップ中、適所に保持され、バイパスを回避するために、最終モジュールで恒久的に圧縮されることが望ましい。
【0084】
シート材料の圧縮は、特に乾燥した状態で約20%まで深層フィルタ材料の形で存在するとき、湿った状態で十分なシール効果を保証するために推奨される。望ましい処理材料の多くが、処理される液体と接触して柔らかくなるので、湿った状態でのさらに十分な圧縮を提供してもよい。
【0085】
しかしながら、圧縮の割合は、バランスが取られなければならない。高すぎる圧縮は、早期の閉塞によって、耐用年数の減少をもたらすことがあり、一方、低すぎる圧縮は、隣接するシート間のバイパスを生じることがあり、濁りの漏出を引き起こす。さらに、圧縮は、液体処理要素の全体にわたって実質的に均一に分配されることが望ましい。
【0086】
(供給分配プレート)
供給分配プレートが使用されるとき、供給分配プレートは、供給液体が液体処理要素の供給チャネルの開放端部に入ることができるように配置されなければならず、処理液体を同時に収集するチャネルは、供給分配プレートに隣接した処理液体を同時に収集するチャネルの端部で、確実にシールされなければならない。いくつかの実施形態では、この効果は、供給分配プレートによって達成してもよい。
【0087】
積層体の恒久的な圧縮は、供給分配プレートによって、(例えば、クランプ手段または圧縮手段と一緒に)提供することができる。
【0088】
代替の実施形態では、供給分配プレートは、処理される液体を、供給チャネルと連通する開口のみが設けられた液体透過処理メディアの1つ以上の上流層を備える液体処理要素の上流面に一定の間隔で分配する。液体透過処理メディアの1つ以上のシートは、処理液体受け入れチャネルの端部を覆うかまたは閉塞する。
【0089】
供給分配プレートは、コストを最小化し、特定の量の液体処理モジュールによって設けられた機能中のフィルタ領域を最大化するために、可能な限り薄くされなければならない。
【0090】
(液体収集プレート)
液体収集プレートが使用されるケースでは、液体収集プレートは、処理液体、例えば処理液体収集チャネルからのろ液がプレートに入ることができ、例えば液体処理要素の中央ダクトにろ液を向けることができるように、配置されなければならない。供給チャネルは、液体収集プレートによってシールされる一端部に位置してもよい。
【0091】
代案として、液体収集プレートは、液体処理要素の下流側で、液体透過処理メディアの1つ以上の層を支持してもよく、前記層は、処理液体収集チャネルと連通する開口のみが設けられている。未処理液体受け入れチャネルは、これらの層によって覆ってもよいし、または閉塞してもよい。
【0092】
ろ液収集プレートは、(例えばクランプ手段または圧縮手段と一緒に)積層体の恒久的な圧縮を提供するために、供給分配プレートと協働してもよい。
【0093】
供給プレートに対して記したように、コストを最小化し、特定の量の液体処理モジュールによって設けられた機能中のフィルタ領域を最大化するために、ろ液収集プレートは、可能な限り薄くされなければならない。
【0094】
一般に、乾燥した状態および湿った状態で十分な機械的な強度および剛性を有するいかなるプラスチック材料(望ましくはガラス繊維を充填したポリプロピレン(PP))も、供給分配プレートおよび液体収集プレートの製造に適している。例えば、食料またはバイオテクノロジー液体(例えば、クラスVIのプラスチック)と接するための材料の選択に関する規制から生じる他の態様は、考慮してもよい。
【0095】
例えば、荷重を受けているときの供給プレートおよび液体収集プレートのたわみは、モジュール全体に対する均一な圧縮を保証するために、小さくされなければならない。
【0096】
供給プレートおよび液体収集プレートを製造するための望ましいポリマー材料は、ポリプロピレン(PP)およびポリカーボネート(PC)材料から選択される。
【0097】
ポリマー材料の機械的特性を向上させるための望ましい添加剤は、ガラス繊維および滑石を含む。
【0098】
ポリプロピレン材料が、しばしば、強化添加剤の使用を必要とする一方、ポリカーボネート材料は、多数のケースでこのような強化添加剤を用いずに使用してもよい。
【0099】
適した強化ポリマー材料の詳細な例は、重量で約30%以上、例えば重量で約40%のガラス繊維含量を有するガラス繊維強化ポリプロピレンである。
【0100】
供給分配プレートおよび液体収集プレートを製造するための適した材料を選択するための追加の考慮は、以下を含む。
a)材料は、生物学的安全性試験(例えばクラスVIのプラスチック、細胞毒性試験、溶血試験)を満たさなければならない。
b)抽出物は、特定の限界より下で存在しなければならない。
c)モジュールは、高圧蒸気殺菌、蒸気処理、および/または高温水浄化に対して安定していなければならない。
d)モジュールは、ガンマ線滅菌に対して安定していなければならない。
【0101】
他の材料、例えば他のプラスチック、ステンレス鋼なども使用することができ、単一使用のオプションに対してではあるが、ポリマー材料を使用することが望ましい。
【0102】
(クランプ手段)
1つの実施形態によれば、クランプ手段は、液体処理要素の外周で液体処理要素を恒久的に保持し、(任意に、)圧縮するために、モジュールの外周の周りに一定の間隔で配置された複数の、例えば4〜12のクランプを含む。
【0103】
適切な圧縮は、プレートの剛性および内側の中心部、例えばモジュールの中央ダクトでの圧縮によって得てもよい。
【0104】
十分な圧縮は、他の手段によって提供してもよい。例えば、モジュールは、必要な圧縮力を提供することができるハウジングまたはカプセルに組み込んでもよい。他のケースでは、スピンドルは、処理メディアの本体を形成する複数の層に十分に高い圧縮力を加えるように使用してもよい。
【0105】
代案として、またはさらに、保持装置は、液体処理アセンブリで2つ以上のモジュールを一緒に保持するように使用してもよい。このような実施形態では、時には、個々のモジュールでの分離したクランプ手段は、必要とされなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1】本発明の処理モジュールの液体処理要素の第1実施形態の概略図である。
図2】分解図での本発明の処理モジュールの液体処理要素の第2実施形態の概略図である。
図3】分解図での本発明の2つのモジュールを備える本発明のアセンブリの概略図である。
図4A】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図4B】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図5A】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図5B】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図5C】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図5D】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図5E】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図6A】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図6B】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図6C】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図7A】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図7B】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図7C】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図7D】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図7E】一視点における本発明の液体処理モジュールの特徴的な実施形態および実施形態の様々な構成要素を示す図である。
図8A】一視点における本発明の液体処理モジュールの別の特徴的な実施形態および実施形態の構成要素を示す図である。
図8B】一視点における本発明の液体処理モジュールの別の特徴的な実施形態および実施形態の構成要素を示す図である。
図9A】一視点における本発明の液体処理モジュールの別の特徴的な実施形態および実施形態の構成要素を示す図である。
図9B】一視点における本発明の液体処理モジュールの別の特徴的な実施形態および実施形態の構成要素を示す図である。
図9C】一視点における本発明の液体処理モジュールの別の特徴的な実施形態および実施形態の構成要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
図1は、本発明の液体処理モジュールのために設計された液体処理要素10の第1実施形態を示す。
【0108】
要素10は、実質的に平らであるかまたはプレート形状の構造であり、液体透過処理メディアの本体11を備える。
【0109】
本体11は、第1面12および第2面14を有し、第1面12から第2面14への方向に延びる複数のチャネルを備える。面12,14は、平らな構造であり、実質的に平行に配置されている。
【0110】
複数のチャネルは、第1タイプの複数のチャネル16および第2タイプの複数のチャネル18を備える。
【0111】
第1タイプのチャネル16は、第1面12に配置された一端部で開放され、第2面14に隣接して配置された他端部で閉塞されている。
【0112】
第2タイプのチャネル18は、第2面14に配置された一端部で開放され、一方では、第2タイプのチャネル18の他端部は、本体11の第1面12に隣接して閉塞されている。
【0113】
処理される液体は、チャネル16に入り、液体透過処理メディアの本体11の大部分を通って浸透し、本体11の第2面14で第2タイプのチャネル18を通って本体11を出ていく。従来の液体処理要素とは対照的に、液体処理メディアを通る液体の流れは、液体処理メディアの表面に垂直な方向ではなく、実質的に平行な方向または沿層方向に生じる。
【0114】
液体処理メディアの本体11は、液体処理メディアの本体11の外周面20でシールしてもよい。代案として、処理される液体が外周面20への方向よりもチャネル18への方向にむしろ流れるように、フィルタ要素は、外周を圧縮状態にした液体処理モジュールに組み込んでもよい。
【0115】
本体11のチャネルは、単純な円形の断面部分を有していてもよいが、いかなる他の断面部分、例えば楕円形または多角形の断面部分も適したものとしてもよい。
【0116】
円形または楕円形の断面部分のチャネルは、ドリル加工によって本体11により容易に設けられ、一方では、より複雑な形状のチャネル断面部分は、例えばレーザエッチングによって達成してもよい。
【0117】
チャネル16は、チャネル18の直径と比較して約2.5倍大きい直径で示されている。未処理液体受け入れチャネル16が処理液体受け入れチャネル18よりも大幅に大きい直径を有する構造は、未処理液体受け入れチャネル16が目詰まりの前にかなりの量の沈殿物を収容することができるという利点を有する。
【0118】
このようなケースでは、さらに、図1に示されるようなチャネル16の数よりも多い複数のチャネル18を設けることが、より望ましい。
【0119】
液体透過処理メディアは、幅広い種類のメディア、例えば、(ポール(PALL)製HDCカートリッジのために使用されるポリプロピレンを基にしたメディアのような)メルトブローンメディア、他のウェットレイドメディアおよびドライレイドメディアから選択してもよい。
【0120】
本発明での使用に適した深層フィルタメディアの詳細な例は、ポール社(Pall Corp)から入手できるK700タイプおよびT1500タイプのセルロースを基にした深層フィルタメディアである。
【0121】
液体処理メディアは、多くのケースで、深層ろ過を含むが深層ろ過に限定されない広範囲の処理の適用で使用することができる深層フィルタタイプである。追加の適用は、特に、吸着分離、クロマトグラフ分離、表面(ふるい)ろ過、または吸着分離、クロマトグラフ分離、表面(ふるい)ろ過の組み合わせを含む。
【0122】
図1で示された液体処理要素10が単一の構造体である一方で、図2は、液体処理要素30が3つの特徴のある構成要素を備えた本発明の一実施形態を示す。
【0123】
液体処理要素30は、第1タイプの層32および第2タイプの層36、および第1タイプの層32および第2タイプの層36間に配置された液体透過処理メディアの本体34を備える。第1タイプの層32および第2タイプの層36は、本体34の第1面38および第2面40にそれぞれ配置されている。
【0124】
層32、本体34、および層36の積層体は、分解図で図2に示されている。
【0125】
単一層32の代わりに、層32は、多層構造として設けてもよく、多層構造によって置換することもできる層36についても同様である。層32および/または層36が多層構造を有するとき、多層の全ての層が必ずしも同一タイプである必要はない。異なる層は、さらに、液体処理要素を適用の個別の要求に適合させるように使用してもよい。
【0126】
第1層32および第2層36を構成するための材料の選択についても同様である。
【0127】
層32および/または層36は、処理される液体を透過させてもよいし、または透過させなくてもよい。層32,36が液体透過材料から選択されるケースでは、層32,36は、開口42/チャネル38からチャネル40/開口50までのこれらの層の大部分を通過する液体に実質的に同様の処理を提供するように設計されている。
【0128】
本体34は、平行なチャネル42,44を備え、チャネル42は、未処理液体を受け入れ、一方では、液体が液体透過メディア46の本体34を通過した後、チャネル44は、液体を受け入れる。
【0129】
両方のタイプのチャネル42,44は、本体34の第1面38から反対側の第2面40に延び、第1面38および第2面40にそれぞれ隣接した第1層32および第2層36の部分によって、一端部で閉塞される。
【0130】
層32は、液体処理要素30の組み立てられた状態で開口または貫通孔50が第1面38で本体34のチャネル42の端部と一直線になるように向けられた開口または貫通孔50を有する。
【0131】
第2面40に隣接し第2層36に面する本体34のチャネル42の他端部は、この層36のメディアによって閉塞されている。
【0132】
本体34の向かい側の面で、第2タイプの層36は、層36に設けられた開口52が本体34の第2面40でチャネル44の端部と一直線になるように装着されている。それによって、チャネル42の端部を組み込む本体34の第2面40のチャネル42の部分は、層36の部分によって閉塞される一方、本体34のチャネル44の排液が提供される。組み立てられた状態では、液体処理要素30は、処理される液体が開口50に入り、チャネル42の中に流れ、沿層方向に液体透過処理メディア46を通過し、その後、チャネル44で収集されることを必要とする。チャネル44から、処理液体は、層36の開口52を通って排出される。
【0133】
チャネル42,44の寸法の選択についての同一コメントは、図1の実施形態に関連して提示したように適用する。
【0134】
図2の液体処理要素30の基本的な概念は、層32,36間の1つの本体34だけでなく、2つ以上の本体を設けることによって、要素30の処理能力は容易に変更してもよく、個別の適用の要求に適合させることができるという、図1の実施形態に対する利点を有する。
【0135】
液体処理要素30の外周面54は、液体がチャネル44および開口52以外を通って液体処理要素30を出ていくことを回避するために、シールしてもよい。これは、外周面54にシール層を用いることによって、または層32,36および本体34の積層体を十分な程度まで圧縮することによって達成してもよい。
【0136】
液体処理要素10,30は、例えば、本発明の液体処理モジュールを形成するために、液体入口および液体出口をハウジングに組み込むことによって、液体入口および液体出口を設けてもよく、前記ハウジングは、このような液体入口および液体出口を組み込む。
【0137】
図3は、2つの液体処理要素102,104を組み込む分解図で、本発明に従う液体処理アセンブリ100の概略図を示す。液体処理モジュール102,104は、同一の構造であり、液体処理アセンブリ100の処理能力を2倍にするために、互いの頂部に積層してもよい。液体処理モジュールの数は、さらに増加させてもよく、それによって液体処理アセンブリの処理能力は、個別の適用の要求に適合させることができるということが、図3から十分に明らかである。
【0138】
処理モジュール102,104のそれぞれは、本体106の液体透過処理メディアを横断する2つのタイプの複数のチャネル108,110を備える液体透過処理メディア112の本体106を備える。本体106は、2つの端部片120,122間で積層体の中に挟み込まれ、第1端部片120は、本体106の上流の面に配置され、一方では、端部片122は、本体106の反対側の面に配置されている。
【0139】
端部片120は、本体106の上流側面または第1面で本体106の領域の全てを覆って実質的に延びるプレート形状の中空構造を有する。
【0140】
端部片120は、開口124から中空端部片120の内部空間130の中への処理される液体のための流路を提供する1つ以上の穿孔126を含む円筒壁を有する中央開口124を有する。内部空間130は、端部片120および液体処理要素106の伸長部と、実質的に同一の広がりを有する。外周面134で、端部片120および端部片120の内部空間130は閉塞されている。
【0141】
端部片120が一面(図3の上面)で閉塞された構造である一方、組み立てられた状態で本体106に接する端部片120の反対側の面では、処理される液体が端部片120の内部空間130を出ていくことができ、未処理液体を受け入れる対応するチャネル108に入ることができる開口132が設けられている。したがって、端部片120は、液体処理モジュール102,104のための液体入口に加えて、図2に関連して説明された液体処理要素30の第1層32の機能を提供する。
【0142】
本体106は、本体106の中への、かつ、チャネル108によって設けられた通路への液体の流れを制限する、閉塞された、または液体不透過の円筒コーティングまたは円筒壁を設けることができる中央開口136が設けられている。代案として、本体が圧縮性メディアから作成されるケースでは、本体は、液体の流れが同じ方法で制限される程度まで圧縮してもよい。
【0143】
同様に、本体106は、本体106の外周面に液体不透過コーティングまたは液体不透過壁を設けてもよいし、または本体の内部での液体の流れがチャネル108からチャネル110への液体流路に制限される程度まで、(実行できる場所で)圧縮してもよい。
【0144】
端部片122も、プレート形状の中空構造であり、中央開口138を含み、中央開口138の円形壁は、閉塞され、または液体不透過構造である。
【0145】
端部片122の外周面140には、端部片122の内部空間136を排液する役目を果たす1つ以上の開口150が、一定の間隔で設けられている。
【0146】
端部片122の端面の一方には、中央開口138から外周面140までの端部片122の寸法全体にわたって延びる閉塞された液体不透過壁がある。
【0147】
端部片122の他方の端面には、モジュール102,104の組み立てられた状態で、本体106から出ていく処理液体を受け入れるためのチャネル110の一端部に対応する開口144が設けられている。
【0148】
処理液体は、開口144を通って端部片122に入り、1つ以上の開口150を通って出ていく端部片122の外周面140に径方向外向きに流れる。
【0149】
モジュール102が組み立てられたとき、モジュール102,104の積層体、任意に、さらに、液体処理モジュールの中に未処理液体を供給することができる実質的に真っ直ぐなチャネルが、中央開口124,136,138の開口によって提供されるように、第1端部片120、本体106、および第2端部片122の中央開口124,136,138が、それぞれ、中央開口124,136,138の断面部分と一致するように設計されている。これらの開口124,136,138の断面部分は、十分な液体の流れを共通の積層された構造の液体処理モジュールの全てに十分に供給するように設けることができるように設計されている。
【0150】
代替の実施形態では、液体処理モジュール102,104は、端部片120,122に加えて、図2の液体処理要素30の実施形態に関連して示され説明されるような第1層および第2層を有していてもよい。もちろん、前記層は、端部片120,122の開口124,138および本体106の開口136を一致させるように設計された中央開口が設けられなければならない。
【0151】
もちろん、液体の流れは、ちょうど反対方向に向けてもよく、すなわち、外周面140で1つ以上の開口150を有する端部片は、未処理液体を受け入れることができ、未処理液体受け入れチャネル108の中に未処理液体を分配することができる。もちろん、開口144は、チャネル108と一致するように配置され設計されている。他端部片120の構造は、対応する方法で適合されていなければならない。
【0152】
本体106を通る液体の流れは、実質的に同一のものであり、一方では、端部片120は、処理液体を受け入れ、中央開口124を通って処理液体を排出する。
【0153】
図4から図7は、液体処理メディアの多数のディスク形状の層を備える積層体を備える液体処理要素202を備える本発明の液体処理モジュール200に関する。層の数は、例えば24層に達していてもよい。
【0154】
液体処理要素202の頂部および底部には、液体処理モジュール200の外周に沿って一定の間隔で分配されたクランプ要素208によって連結されたディスク形状の端部片204,206が設けられている。クランプ要素208は、モジュール200および液体処理要素202のディスク形状の層の積層体を圧縮状態に維持するように設計されている。
【0155】
図4Aは、斜視図でモジュール200を示し、一方、図4Bは、図4AのB−B線に沿ったモジュール200の断面部分を示す。
【0156】
モジュール200および液体処理要素202の様々な構成要素は、図5から図7を参照してより詳細に検討される。
【0157】
図5Aおよび図5Bは、上面図および斜視図のそれぞれで、モジュール200の上側端部片204の外面220を示す。
【0158】
図5Aおよび図5B図4Aからも同様)から明らかであるように、上側端部片204の外面220は、端部片204の表面全体を横切って延びる複数の平行リブ222が設けられている。モジュール200が、クランプ要素208によって、モジュール200の圧縮状態で保持されるとき、リブ222が実質的に上側端部片204の平面構造を維持することができるように、リブ222は、上側端部片204の機械的安定性を提供する。それによって、特に液体処理モジュール200の外周面および内周面に隣接した液体処理要素202の様々な部分に作用する圧縮力は、実質的に同一のものである。
【0159】
リブ222間に、端部片204の外面220全体を横切って実質的にリブ222に平行に延びるダクト224が設けられている。ダクト224の真ん中には、液体処理要素202の頂面に未処理液体を供給する働きをする平行な列に貫通孔226が設けられている。
【0160】
上側端部片204は、形を適合させた構造のクランプ要素208の一端部を受け入れる複数の突出部232を外周面230に備える。
【0161】
上側端部片204の中央部分は、円形の断面部分を有する中央通路246を備える。
【0162】
上側端部片204の外周面の2つの向かい合った部分には、下側端部片206の対応する突出部および液体処理要素202の様々な構成要素と協働する働きをする径方向に延びる突出部236(任意)が、正確な向きで様々な部品のモジュールを容易に構成するための手段として設けられている。使用し易くするために、突出部236は、(図示されていない)モジュールの組み上げられている期間にボルト状要素を収容することができるボアまたは隙間240を設けてもよい。
【0163】
内面250を有する上側端部片204は、図5Cおよび図5Dに示されている。図5Eは、図5CのE−E線に沿った断面図を提供する。
【0164】
内面250には、内面250の領域全体を横切って実質的に延びる複数の平行ダクト252が設けられている。これらのダクトは、端部片204の外面220のリブ252’として見ることができる。ダクト252は、上側端部片204の外面220のリブ222およびダクト224に垂直な方向に配置されている。
【0165】
端部片204の外周面230は、端部片204の外周面で、液体処理要素202の層の若干高い圧縮を提供する働きをする内面250から垂直に突出する円形リム254を有していてもよい。
【0166】
同様に、中央通路246は、液体処理要素202の層の中央部分で、液体処理要素202の層の若干高い圧縮を同様に提供する働きをする内面250から垂直に突出する円形リム256を設けてもよい。
【0167】
いくつかの実施形態では、壁部分のシールしない層が、液体処理要素202の層の本体の内部での唯一の液体の流れを保証することが必要とされるように、円形リム254,256を設けることにより、液体処理要素の外面および内面を十分にシールすることができる。
【0168】
図6Aから図6Cは、液体処理要素202の層の積層体を構成する3つの異なるタイプの層280,300,320を示す。
【0169】
1つ以上の層280、例えば3つの層280は、液体処理要素202の上流端部で、層の積層体に、すなわち上側端部片204に隣接して配置してもよい。
【0170】
液体処理要素202の層の積層体の大部分は、液体処理要素202の本体を形成する層300(図6B)からなっている。例えば、液体処理要素202は、約20の層300を備えていてもよい。
【0171】
液体処理要素202の下流端部では、1つ以上の層320(図6C参照)、例えば3つの層320は、液体処理モジュール200の下側端部片206に隣接した積層体に配置してもよい。
【0172】
層280は、平行な列284に配置された複数の大きな開口282を備える。開口282の直径は、例えば約5mmであってもよい。このような寸法の2つの開口の中心の距離は、例えば約6mmであってもよい。
【0173】
層300は、層280の開口282と実質的に同一のパターンで、平行な列304に配置された同一の複数の大きな開口302を備える。開口302は、層280の開口282と同一直径を有していてもよい。
【0174】
層300は、平行な列308に配置された小さな開口306をさらに備える。列308は、大きな開口302の列304に平行に延び、大きな開口302の列304間に配置されている。小さな開口は、例えば約2mmの直径を有していてもよい。前記寸法の2つの開口の中心の距離は、例えば約3mmであってもよい。
【0175】
図6Bから明らかであるように、小さな開口306の数は、大きな開口302の数の約2倍である。
【0176】
1つ以上の、例えば3つの層320を液体処理要素202の積層体に設けることができる層320は、層300の小さな開口306のパターンと一致するパターンで、平行な列324に小さな開口322を備える。
【0177】
層280,300,320の全ては、中央通路286,310,326がそれぞれ設けられ、望ましくは、全ては、上側端部片204の中央通路246と位置および大きさが一致している。
【0178】
さらに、層280,300,320の全ては、任意に層280,300,320から径方向に反対方向に延びる2つの突出部288,312,328が設けられている。突出部は、層280,300,320の積層体のアセンブリを容易にする働きをし、上側端部片204および下側端部片206と正確に一直線になるように層280,300,320を配置している。さらに望ましくは、突出部288,312,328は、組み上げられている期間に、ボルト状要素を受け入れるように設計されたボアまたは隙間290,314,330がそれぞれ設けられている。
【0179】
図7Aから図7Fは、いくつかの表示で、下側端部片206を示す。図7Aは、上面図を提供し、図7Bは、下側端部片206の外側の(底部の)面350の斜視図を提供する。
【0180】
外側面350は、面350の領域を完全に横切って延びる複数のリブを備える。1つのグループのリブ352は、平行に配置され、互いに一定の間隔をあけて配置され、一方では、互いに平行に配置され、一定の間隔をあけて配置された第2グループのリブ354は、面350の領域を完全に横切って同様に第1グループのリブ352の方向に垂直な方向に延びている。
【0181】
第3グループのリブ356は、端部片206の中央通路360から端部片206の外周面362に、実質的に径方向に延びている。
【0182】
外周面362では、端部片206は、外側面350から垂直に延びる複数の突出部364を備える。これらの突出部364は、形を適合させた構造のクランプ要素208の一端部を受け入れるように設計されている。
【0183】
外周面362の2つの向かい合った部分では、端部片206は、液体処理モジュール200の様々な構成要素の組み立て中に、残りの構成要素を下側端部片206と正確に一直線になるようにする働きをする突出部366が任意に設けられている。望ましくは、突出部366は、組み上げられている期間に、(図示されていない)ボルト状要素を受け入れるためのボアまたは隙間368が設けられている。
【0184】
下側端部片206は、液体処理要素202から処理液体を受け入れる液体受け入れ空間を提供するように、下側端部片206の内面380(図7Cおよび図7D)に構造化されている。
【0185】
同時に、下側端部片206は、液体処理材料の液体処理要素202および液体処理要素202の本体を支持しなければならない。
【0186】
これらの要求に対処するために、下側端部片206は、下側端部片206の領域全体を横切って実質的に延び互いに垂直に配置された2つのタイプの溝382,384の網が設けられている。
【0187】
このような構造は、下側端部片206の剛性をさらに向上させる。
【0188】
中央通路360に隣接して、液体処理要素202の処理メディアの本体の最も内側の領域で液体処理要素202の処理メディアの本体を支持し、同時に溝382,384の網の中央通路360への液体連通を提供する、径方向に向けられた複数のリブ386が設けられている。
【0189】
図7Eは、図7CのE−E線に沿った、下側端部片206の断面部分を示す。
【0190】
図8および図9は、本発明の液体処理モジュール400の別の特徴的な実施形態を示す。大きい大きさのモジュール200が工業的な規模の処理に適合する大きさに適合させてもよい一方で、処理モジュール400は、通常、モジュール200よりも小さい大きさで設けられ、例えば実験目的のために提供される。
【0191】
液体処理モジュール400は、第1端部キャップ402および第2端部キャップ404、および端部キャップ402,404間に配置された多層構造の液体処理要素406を備える。
【0192】
モジュール400の個々の部品402,404,406は、モジュール400の個々の部品402,404,406の装着された位置で、形を適合させた配置で端部キャップ402,404に連結することができるクランプ要素410によって固定されている。
【0193】
端部キャップ402,404の構造は、モジュール200の端部片の構造よりも単純である。端部キャップ402,404と液体処理要素406との間の液密接触、および液体処理要素406の多層構造の内部の液密接触を保証するために、モジュール400の中央ダクト414を通って、一方の端部キャップから他方の端部キャップまで延びる付加的な中央クランプ要素412を使用してもよい。
【0194】
端部キャップ402は、端部キャップ402の外周面に一定間隔の配置で設けられた開口420を介して未処理液体を受け入れる。
【0195】
液体入口開口420は、一方の端部キャップ402から他方の端部キャップ404への方向に延びる複数のチャネル430(供給チャネル)と液体連通する液体分配空間425を提供する端部キャップ402の内部に入る。チャネル430は、液体処理要素406の層の液体処理メディアのステー432によって互いに分離されている。処理液体受け入れチャネル(処理液体収集チャネル)は、この断面図で見ることはできないが、チャネル430に平行に配置されている。
【0196】
チャネル430は、実質的にモジュール400の軸線方向の長さ全体にわたって延び、図9Cでより詳細に示された処理メディアの2つの層510によって、一端部で閉塞されている。これらの層510は、処理液体受け入れチャネルの一部分を形成し、下側端部キャップ404の内部に設けられた処理液体収集空間440への液体連通を提供する(図8Bから明らかではないが、図9Cで明らかに示された)開口を有する。
【0197】
処理液体収集空間440は、1つ以上の液体出口444を通って下側端部キャップ404の中央通路の中に排液してもよい。
【0198】
図9Aから図9Cは、図6Aから図6Cと同様に、液体処理要素406の層の積層体を構成する3つの異なるタイプの層450,480,510を示す。積層体の層の数は、例えば6から34までの広い範囲で変更してもよい。
【0199】
1つ以上の層450、例えば2つの層450は、液体処理要素406の上流端部で、例えば上側端部キャップ402に隣接して、層の積層体に配置してもよい。
【0200】
液体処理要素406の積層体の層の大部分は、液体処理要素406の本体を形成する層480(図9B)からなっている。例えば、液体処理要素406は、約30の層480を備えていてもよい。
【0201】
液体処理要素406の下流端部では、1つ以上の層510、例えば2つの層510は、液体処理モジュール400の下側端部キャップ404に隣接した積層体に配置してもよい。
【0202】
層450は、平行な列454に配置された複数の大きな開口452を備える。開口452の直径は、例えば約5mmであってもよい。このような寸法の2つの隣接する開口間の距離は、例えば約1mmであってもよい。
【0203】
層480は、層450の開口452と実質的に同一のパターンで平行な列484に配置された同一の複数の大きな開口482を備える。開口482は、層450の開口452と同一直径を有してもよく、同一間隔で配置されている。
【0204】
層480は、平行な列488に配置された小さな開口486をさらに備える。列488は、平行に延び、大きな開口482の列484間に配置されている。小さな開口486は、例えば約2mmの直径を有していてもよい。このような寸法の2つの隣接する開口間のこの距離は、例えば約1mmであってもよい。
【0205】
図9Bから明らかであるように、小さな開口306の数は、大きな開口482の数の約2倍である。列の数は、列484の数よりも多い。
【0206】
1つ以上の、例えば2つの層510を液体処理要素406の積層体に設けることができる層510は、層480の小さな開口486のパターンと一致するパターンで、平行な列514に小さな開口512を備える。
【0207】
層450,480,510の全ては、中央通路456,490,516がそれぞれ設けられ、望ましくは、全ては、上側端部キャップ402および下側端部キャップ404の中央通路と位置および大きさが一致している。
【0208】
さらに、層450,480,510の全ては、任意に、層450,480,510から径方向に反対方向にそれぞれ延びる2つの突出部458,492,518が設けられている。突出部は、層450,480,510の積層体のアセンブリ、および上側端部片204および下側端部片206と正確に一直線になるように層450,480,510を配置することを容易にする働きをする。
【0209】
図4から図7および図8および図9の実施形態にかかる液体処理モジュール200,400は、それぞれ、大幅に向上した処理能力、例えば同一寸法を有し液体の流れが処理メディアの層の面に垂直に向けられたフィルタモジュールのろ過能力と比較したときに約2倍であるろ過能力を提供する。
【0210】
最も重要なことに、本発明の液体処理モジュールは、重い荷重の処理される液体の沈殿物を収容するための飛躍的な量を提供し、それによってモジュールの液体処理能力/液体ろ過能力および特徴を予想外に向上させる。
【0211】
液体処理メディアの大部分を通って延びる供給チャネルおよび処理液体受け入れチャネルを設けること、およびそれによって層構造に対して沿層方向の液体の流れを提供することは、従来のフィルタモジュールに対してさらなる著しい利点を提供する。
【符号の説明】
【0212】
10…液体処理要素、11…本体、12…第1面、14…第2面、16…未処理液体受け入れチャネル、18…処理液体受け入れチャネル、20…外周面、30…液体処理要素、32…第1層、34…本体、36…第2層、38…第1面、40…第2面、42…チャネル、44…チャネル、46…液体透過処理メディア、50…開口、52…開口、54…外周面、100…液体処理アセンブリ、102…液体処理モジュール、104…処理モジュール、106…液体処理モジュール、108…未処理液体受け入れチャネル、110…チャネル、112…液体透過処理メディア、120…第1端部片、122…第2端部片、124…中央開口、126…穿孔、130…内部空間、132…開口、134…外周面、136…中央開口、138…中央開口、140…外周面、144…開口、150…開口、200…液体処理モジュール、202…液体処理要素、204…上側端部片、206…下側端部片、208…クランプ要素、220…外面、222…平行リブ、224…ダクト、226…貫通孔、230…外周面、232…突出部、236…突出部、240…隙間、246…中央通路、250…内面、252…平行ダクト、252’…リブ、254…円形リム、256…円形リム、280…層、282…開口、284…列、286…中央通路、288…突出部、290…隙間、300…層、302…開口、304…列、306…開口、308…列、310…中央通路、312…突出部、314…隙間、320…層、322…開口、324…列、326…中央通路、328…突出部、330…隙間、350…外側面、352…リブ、354…リブ、356…リブ、360…中央通路、362…外周面、364…突出部、366…突出部、368…隙間、380…内面、382…溝、384…溝、386…リブ、400…液体処理モジュール、402…第1端部キャップ、404…第2端部キャップ、406…液体処理要素、410…クランプ要素、412…中央クランプ要素、414…中央ダクト、420…液体入口開口、425…液体分配空間、430…チャネル、432…ステー、440…処理液体収集空間、444…液体出口、450…層、452…開口、454…列、456…中央通路、458…突出部、480…層、482…開口、484…列、486…開口、488…列、490…中央通路、492…突出部、510…層、512…開口、514…列、516…中央通路、518…突出部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
【外国語明細書】
2017029974000001.pdf