【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、液体処理要素、未処理液体のための液体入口、および処理液体のための液体出口を備える液体処理モジュールであって、前記液体処理要素は、第1面および第2面を有する液体透過処理メディアの本体を備え、前記第1面および前記第2面は前記本体の両側に配置され、前記本体は、前記第1面から前記第2面への方向に延びる複数のチャネルを備え、前記複数のチャネルの第1タイプの複数のチャネルは、前記本体の第1面に配置された一端部で開放され、前記第2面に隣接して配置された他端部で閉塞され、前記複数のチャネルの第2タイプの複数のチャネルは、前記本体の第2面に配置された一端部で開放され、前記第1面に隣接して配置された他端部で閉塞され、前記第1タイプのチャネルは、前記液体透過処理メディアの部分によって、前記第2タイプのチャネルから分離され、前記タイプのチャネルの一方は、前記液体処理モジュールの液体入口と連通する供給チャネルであり、前記タイプのチャネルの他方は、前記液体処理モジュールの液体出口と連通する出口チャネルである、液体処理モジュールに関する。
【0009】
本発明に従う液体処理モジュールは、望まれていない構成要素を除去することによって、バイオテクノロジー液体、例えば、反応メディアを効率的に浄化するための手段を提供する。液体処理モジュールは、費用効果の高い方法で製造することができ、大幅に増加した能力を提供し、妥当な時間で、処理される液体を処理することができ、特に浄化して終了することができる。
【0010】
一般に、高荷重の汚染要因物または望まれていない構成要素を有するいかなる液体も、好適に処理することができ、本発明の処理モジュールおよびアセンブリによって浄化することができる。これは、薬学、特に生物薬学分野の液体に対してだけでなく、食料および飲料の分野の液体に対しても当てはまる。
【0011】
好適には、本発明の液体処理モジュールは、費用効果高く製造したにもかかわらず、高い処理能力(例えば、モジュール当たり数リットル)を提供し、モジュールを組み込むシステムの設置面積を減少させ、洗浄メディアをあまり必要とせず、廃材を減少させ、低含量の抽出物を提供することができ、生成物損失の可能性を低くする。
【0012】
遠心分離機の使用と比較したとき、本発明は、追加の利点を提供し、例えば、本発明は、使用する準備はできており、向上した回収および高い能力、下流で無菌のフィルタ、特に無菌薄膜フィルタのより良好な保護、単純なプロセス、より低いコストを提供し、単一使用に適しており、それによって二次汚染を回避し、洗浄確認を必要とせず、保守努力をあまり必要とせず、より良好でより容易に規模を大きくすることを提供し、より高い柔軟性などを有する。
【0013】
本発明の液体処理モジュールおよび液体処理アセンブリを組み込む処理システムは、モジュールの効果的な使用を可能にし、単一使用の適用中に大量の液体を処理する可能性を提供する。
【0014】
液体処理モジュールは、深層ろ過、吸着分離、クロマトグラフ分離、表面(ふるい)ろ過、または深層ろ過、吸着分離、クロマトグラフ分離、表面(ふるい)ろ過の組み合わせのような様々な処理技術で液体を処理するために使用することができる。
【0015】
[発明の詳細な説明]
本発明の液体処理モジュールは、単一構造の処理メディアの本体を設けてもよい。この態様は、特により少量の液体が一度に処理されるとき、興味深い。アセンブリは、液体処理モジュールの単一構造の本体の使用によって容易になる。処理メディアの本体の第1面および第2面は、望ましくは、平らな構造であり、互いに平行に配置されている。
【0016】
本発明の別の望ましい実施形態では、処理材料の前記本体は、複数の平らな層のシート材料を備えていてもよく、層が積層されると、前記層は、前記複数のチャネルを形成する開口を備える。
【0017】
このタイプの処理モジュールは、前記本体を形成するシート材料の積層される層の数を単に増加させることによって、処理モジュールの処理能力の中で広範囲の液体の量に容易に適合させてもよい。
【0018】
本発明の液体処理モジュールの液体処理要素は、前記本体の第1面に配置され平行に配置された前記第1タイプの層の1つ以上の層を備えていてもよく、前記第1タイプの層は、一方のタイプのチャネルのみに対応する開口を有し、かつ/または前記液体処理要素は、前記本体の第2面に配置され平行に配置された第2タイプの層の1つ以上の層を備え、前記第2タイプの層は、他方のタイプのチャネルのみに対応する開口を有する。
【0019】
様々な層は、同一タイプの材料から作成してもよい一方で、本発明は、既定の適用で個別の要求に液体処理モジュールを適合させるために、柔軟性をさらに向上させる異なるタイプの材料からできた層を使用する可能性を提供する。
【0020】
本発明のこの態様によれば、第1タイプの層および第2タイプの層は、様々な要求に対処するために、第1タイプの層および第2タイプの層間に広範囲の異なる数の同様に形成された層のシート材料の積層体を収容してもよい。
【0021】
さらに望ましくは、前記第1タイプの層および前記第2タイプの層は、構成要素の液体処理材料からできており、かつ/または液体処理材料の構造は、望ましくは処理要素の本体の処理メディアと同様であるか、または同一である。したがって、処理材料のかなり一様な本体は、製造、および特にモジュールの品質管理および品質確認を容易にすることを提供してもよい。
【0022】
本発明の別の態様によれば、処理材料の本体の内部のそれぞれのタイプのチャネル断面部分は、実質的に同一の大きさである。製造装置は、比較的低コストで提供してもよい。
【0023】
代案として、本発明の液体処理モジュールは、液体出口と連通するチャネル断面部分よりも大きい大きさである液体入口と連通するチャネル断面部分を有していてもよい。モジュールは、処理材料の本体の内部で液体の処理中に生じる沈殿物により容易に対処することができるので、このような特徴は、モジュールの能力を著しく増加させることができるということを考慮する。
【0024】
さらに望ましくは、断面部分の大きさの差は、液体出口と連通するチャネルの断面部分の大きさに基づいて、約10%以上に達する。
【0025】
本発明のさらなる別の態様によれば、液体入口と連通するチャネルの数は、液体出口と連通するチャネルの数よりも少なくてもよい。これは、代案として、またはさらに、処理モジュールの能力の向上を提供してもよい。
【0026】
さらに望ましくは、液体入口と連通するチャネルの数は、液体出口と連通するチャネルの数と比較したとき、約2倍以上である。
【0027】
代替案では、液体入口と連通するチャネルの数は、液体出口と連通するチャネルの数よりも少なくてもよい。特にこのような構造では、液体入口と連通するチャネル断面部分が著しく大きいとき、例えば液体出口と連通するチャネル断面部分よりも約10%以上、望ましくは約20%以上大きいとき、望ましい。
【0028】
液体透過処理材料の本体の内部の2つのタイプのチャネルの配置は、様々なパターンから選択することができる。
【0029】
複数の同心円での2つのタイプのチャネルの代替の配置は、良好な結果を証明してきた。処理モジュールのケースでは、複数の層を組み込むことは、処理材料の本体を形成するための層の正確なアセンブリは、大いに容易になる。
【0030】
代替の望ましい配置では、チャネルは、それぞれのタイプのチャネルのための分離した平行な列で液体処理材料に設けられている。処理材料の本体にチャネル構造を設ける複数の層に開口を作り出すことは、費用効果の高い方法で大いに容易になり、達成することができる。これは、異なるタイプのチャネルが、互いに対して均等で厳密に管理された距離で配置されることを保証するための容易な手段であり、一方、容易な手段は処理結果の精度および信頼性を向上させる。
【0031】
さらに望ましくは、液体出口と連通するチャネルがより少ない数の列のグループに配置される一方で、液体入口と連通するチャネルは、2つ以上の隣接する列のグループに配置されている。したがって、個別の適用でより良好な処理結果を提供することができる処理材料の上流側で液体の流れを減少させるために使用することができる1列以上のチャネルは、処理される液体を受け入れる。
【0032】
代替案では、液体入口と連通するチャネルの列の数は、液体出口と連通するチャネルの列の数よりも少ない。
【0033】
本発明の液体処理モジュールは、フィルタモジュールとして設計してもよい。液体処理材料は、深層フィルタ材料から選択してもよい。望ましくは、深層フィルタ材料からなる液体処理材料の本体は、圧縮状態に維持される。これは、処理材料の本体が複数の積層された深層フィルタ層からなっているとき、特に望ましい。複数の層の深層フィルタ材料の圧縮によって、本体の内部のバイパスを回避し、それによって液体の処理において高品質の結果を提供することは容易に可能であるということが見出されてきた。
【0034】
さらに望ましくは、液体処理材料の圧縮は、処理材料の本体の厚さが非圧縮の深層フィルタ材料の厚さの約90%以下に達するものである。
【0035】
本発明の別の態様によれば、液体処理モジュールは、圧縮性材料および/または処理される液体と接して膨張する材料を含むマトリックスを含む流体処理材料を含む。
【0036】
バイパスを回避するための別のオプションは、第1および第2タイプのチャネルを収容する領域間の液体処理材料の層の表面にシールストリップを配置することである。液体処理材料の圧縮は、低レベルに減少させることができるか、または完全に回避することができる。
【0037】
別の代替案によれば、2つの隣接する層の表面は、一緒に接着し、それによって、液体処理材料の圧縮を必要としなくてもよい方法で、2つのタイプのチャネルを液体的に分離するシール効果を提供してもよい。
【0038】
さらなる別の代替案では、シール層は、2つのタイプのチャネルを液体的に分離した状態を維持するように、液体処理材料の2つの隣接する層間に配置してもよい。基本的に、シール/ガスケットとして機能することができるいかなる材料も、例えば、シリコーン材料を使用することができる。
【0039】
本発明のさらに望ましい実施形態では、液体処理モジュールは、添加剤を組み込むマトリックスを含む液体処理材料を備え、前記添加剤は、望ましくは微粒子の形であり、望ましくは、添加剤は、液体処理材料の重量に基づいて重量で約15〜70%の量である。特性および処理結果は、処理モジュールが処理材料のマトリックスに組み込まれた添加剤の使用によって設計された個別の適用に調整してもよい。
【0040】
望ましくは、液体処理材料の添加剤は、多孔質微粒子添加剤、ろ過助剤、および/または処理剤から選択される。
【0041】
さらに、添加剤は、望ましくは反応剤、吸着剤を備える。
【0042】
より詳細には、添加剤は、望ましくは珪藻土、パーライト、高純度セルロース、微結晶性セルロース、ナノ繊維、活性炭、吸着ビーズ、ファイブレット(fibrets)、およびファイブリッド(fibrids)から選択してもよい。
【0043】
極めて大きな微粒子が供給から除去される場合、添加剤を単独で含まないセルロースのマトリックスは、同様に使用することができる。
【0044】
複数のケースでは、液体処理モジュールの本体の液体処理材料が処理材料または処理メディアのマトリックスの一部分を形成する有機ポリマー材料を備えることが望ましい。
【0045】
多数の適用のために、液体処理材料が殺菌可能な材料から選択されることが望ましい。
【0046】
本発明の別の態様によれば、液体処理モジュールは、前記第1面および前記第2面とシールして接するように配置される2つの端部片を備え、前記端部片は、望ましくはモジュールの液体入口および液体出口をそれぞれ提供する。
【0047】
本発明の1つの実施形態は、複数の供給開口を有する供給プレートを含む供給分配装置を含む液体処理モジュールに関し、供給プレートは、複数の供給開口が処理材料の本体の1つのタイプのチャネルと液体的に連通するように配置されている。
【0048】
本発明の別の実施形態では、液体処理モジュールは、液体排出開口を有する液体収集プレートを含む液体収集装置、および液体処理要素の本体の1つのタイプのチャネルと液体出口例えばモジュールのろ液排出出口との間の液体連通を提供する複数の液体開口を含む。
【0049】
本発明の概念の別の態様によれば、液体処理モジュールは、液体処理モジュールを収容するカプセルを設けてもよい。
【0050】
本発明の別の態様によれば、モジュールは、モジュールの外周面に配置されたクランプ手段を備えていてもよく、前記クランプ手段は、望ましくは液体処理材料を圧縮状態に維持する。
【0051】
本発明の別の態様によれば、本発明の2つ以上の液体処理モジュールを備える液体処理アセンブリが設けられ、モジュールは、積層体に配置されている。それによって、アセンブリの処理能力を、処理される液体の量および/または特質に適合させることは容易であり、課題は、適合させることから生じる。
【0052】
望ましくは、アセンブリのモジュールのそれぞれは、モジュールが積層されたとき、単純で効果的な方法で全ての積層されたモジュールに、処理される液体を供給するように使用することができるアセンブリの共通中央導管を形成する中央ダクトを備える。代案として、共通中央導管は、積層されたモジュールの全てから処理液体を受け入れるように設計してもよい。
【0053】
さらに別の実施形態では、液体処理アセンブリは、液体処理モジュールの液体処理材料を保持するための、かつ/または圧縮するための、例えば深層フィルタ材料の層またはシートを圧縮するための保持装置を含む。このような保持装置は、個々のモジュールの個々のクランプ手段を構成してもよい。
【0054】
本発明のさらなる別の態様は、液体を処理するためのプロセスである。モジュールの液体入口が頂部に配置され、モジュールのチャネルが、ほぼ垂直方向に向けられ、モジュールおよびアセンブリのそれぞれの供給入口の中に、処理される液体を供給するように、本プロセスは、本発明の液体処理モジュールまたは液体処理アセンブリを配置することを含む。
【0055】
望ましくは、処理プロセスは、液体入口と液体連通するチャネルで未処理液体から沈殿物を捕捉することを含む。
【0056】
(液体処理モジュール)
本発明に従う液体処理モジュールは、望ましくは未処理液体のための供給部に供給し未処理液体のための分配を供給するための供給プレート、および/または処理液体の収集のための液体収集プレートを含み、処理液体を共通出口、例えばモジュールの中央ダクトに案内する、処理液体、例えばろ液を受け入れるための収集装置を含む供給分配装置を含む。
【0057】
望ましくは、複数のプレート形状の液体処理材料、例えば複数のシートがプレート間に配置されている。複数のシートは、望ましくは穿孔によって作り出された開口または穴を備える。
【0058】
シートは、望ましくは、積層された層の穴が積層されたシートの本体の内部で連続したチャネルを形成するような方法で配置されている。一方のタイプのチャネルは、液体処理要素の本体の内部の供給を分配し、他方のタイプのダクトは、液体処理要素の本体の内部で、処理液体、例えばろ液を収集する。供給チャネルは、供給分配プレートに向かって開放端部を提供し、ろ液プレートに対してシールされている。ろ液チャネルは、ろ液収集プレートに向かって開放端部が設けられ、供給プレートに対してシールされている。液体が供給からろ液ダクトに到達するための唯一の方法は、液体処理メディアを通過することである。
【0059】
(液体処理要素)
液体処理要素は、しばしば、材料とも称される液体透過処理メディアの2つ以上の層またはシートを含む。液体処理メディアまたは材料は、様々な構成要素、例えば珪藻土(DE)、パーライト、セルロース、結合剤などの混合物を任意に含む、例えば深層フィルタ材料であってもよく、例えば、繊維材料、特に織布または不織布材料、例えば、メルトブローン不織布材料から製造することができる。
【0060】
液体処理材料の1つの詳細な例は、セルロース繊維を基にしたマトリックス、およびセルロース繊維マトリックスの内部に固定されたろ過活性物質(例えば、珪藻土、パーライト、細繊維)を含む。
【0061】
液体処理材料として使用される深層フィルタ材料は、望ましくは、結合剤材料を加えることによって、深層フィルタ材料の構造、特に深層フィルタ材料のマイクロ構造に固定される。適した結合剤材料は、例えば、ポリアミドアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンアミン、ポリビニルアミン、ポリイソシアネート、およびメラミンホルムアルデヒドを含む。ポリアミドアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、およびポリビニルアミンの使用は、食料および飲料の適用に対して、特に望ましい。
【0062】
いくつかの適用に対して、より高い安定性を得るために、処理材料の複数のシートを修正することは、有益であってもよい。少量の特別な繊維(例えば、重量で約1〜30%、望ましくは重量で約3〜20%のポリエチレン(PE)を含む、または基にした繊維)の添加は有利であってもよい。
【0063】
液体処理材料の層の滑らかな表面は、隣接するシート間に十分なシールを設けるために、一般に有利である。
【0064】
望ましくは、液体処理材料は、例えば、処理される液体と接するとき、複数の層間で十分にシールすることを容易にする、処理材料に組み込まれた繊維の膨張によって、ある程度の膨張を示す。
【0065】
シート材料の機械的特性、例えば、引っ張り強度、圧縮に対する抵抗は、特定の量のポリエチレン繊維を一緒に溶融することができる処理材料に加えることによって、好適に向上させてもよい。
【0066】
本発明の1つの概念によれば、それぞれのシートは、2種類の開口を含み、1種類は、供給開口としての機能を果たし、残りの1種類は、液体を受け入れる開口、例えばろ液開口としての機能を果たす。それぞれのシートのそれぞれのタイプの開口が、供給チャネルおよび処理液体受け入れチャネルをそれぞれ形成するために整列するように、複数のシートは、(例えば、積層された構造で)配置することができる。両方のタイプのチャネルは、一端部で閉塞され、他端部で開放されている。これは、異なる方法で実施してもよい。
【0067】
1つのオプションは、液体透過処理メディアの本体の上流面および下流面を薄い液体不透過層、例えばフィルムで覆うようにしてもよく、前記液体不透過層の一方は、1つのタイプのチャネル、例えば、未処理液体受け入れチャネルのチャネル断面部分と一致する開口を備え、他方の液体不透過層は、他のタイプのチャネル、例えば処理液体受け入れチャネルのチャネル断面部分と一致する開口を備える。
【0068】
代案として、1シートまたは複数シートの液体透過メディアは、本体の一端面に、未処理液体受け入れチャネルとのみ連通する供給開口を含んでもよく、1シートまたは複数シートは、本体の他端面に、処理液体受け入れチャネルとのみ連通する処理液体排液開口を含む。
【0069】
典型的には、約5〜40シートの液体処理材料は、複数層構造の本体で使用してもよい。
【0070】
液体処理要素の直径は、円筒形で設けられるとき、小さな規模の適用に対して例えば約65mmから、大きな規模の適用に対して約400mmまで及んでいてもよい。
【0071】
モジュールの容易な取扱いがかなり重要なため、使用されるシートまたは層の数は、特に湿った状態で単にモジュールの重量によって制限され、液体処理メディア層がバイパスを回避するために圧縮されることが必要とされるケースでは、数は、圧縮のために加えられる必要なクランプ力によって制限される。
【0072】
供給チャネルと処理液体受け入れチャネルとの間の距離は、広範囲の距離から選択することができる。チャネルの外周で測定された距離は、望ましくは約2mm以上である。したがって、十分な処理効果を提供できるように、処理される液体が処理メディアの大部分を通って移動するとき、2つのタイプのチャネル間のステーは、処理される液体に対して十分なパス長さを提供する。例えば、1つの実施形態では、距離は約4mmであってもよい。
【0073】
層の開口は、(より低いコストおよびパンチング/穿孔ステップによって作り出される円筒壁でのより開放された面のための)パンチング/穿孔によって作り出すことができ、例えば、1つの実施形態では、複数のシートの穿孔は、全ての列の開口を個々にパンチング加工することによって作り出すことができ、代案として、1シートの開口の全てのパンチング加工が同時になされる。
【0074】
本発明の液体処理アセンブリの構造は、望ましくは液体処理モジュールの積層体に加えて、モジュールの積層体のシート材料を圧縮するためのクランプ手段を備える。
【0075】
液体処理、例えばろ過は、望ましくは処理メディアシートの大部分を通って処理される液体の縁部の流れを誘発させることによって、すなわち、供給穴/チャネルから、液体処理メディアの大部分を通って、処理液体(例えば、ろ液)を受け入れる穴/チャネルに、液体の流れを向けることによって生じる。
【0076】
液体処理材料のシートの複数の開口、およびその後、シートの積層されたアセンブリの開口によって形成されるチャネルは、幅広い種類の形状から選択された断面部分を有することができる。
【0077】
両方のタイプのチャネルを形成する開口は、多角形、特に長方形、円形または楕円形の断面部分を有していてもよい。例えば、液体処理モジュールの操作中の様々な条件下で、処理メディアの本体の機械的安定性を考慮した細長いスロットの形で開口を設けることができる一方、複数の開口、例えば細長いスロットの代わりに狭いステー(例えば約1mm)によって分離された限定された断面部分の円形の開口が望ましい。
【0078】
例えば、供給チャネルを構成する供給開口は、望ましくは約1.5〜8mm、例えば約2mmの直径を有する処理液体受け入れチャネルを構成する液体開口よりも大きい、望ましくは直径が約2〜10mm、例えば約5mmの範囲の直径を有していてもよい。同一タイプのチャネルの2つの隣接する開口の距離は、例えば約1mm以上であってもよい。それによって同一タイプの隣接する開口間に設けられたステーは、処理メディアの本体の構造を安定させる働きをする。原則として、ステーは、基本的な処理/ろ過機能を提供することは必要とされていない。安定性の考慮によって、ステーの使用が望ましい。
【0079】
開口は、様々な形状に配置することができ、例えば、列、特に直線の列に、または同心のリングに、1つのタイプの開口のみを備えるそれぞれの列または円を配置することができる。
【0080】
さらなる別の望ましい配置では、一方のタイプのチャネルの開口は、連続したパターンで設けることもできる他方のタイプのチャネルの多数の開口に囲まれていてもよい。
【0081】
全ての構造は、液体処理性能に関して良好に機能する。
【0082】
しかしながら、直線の列の構造は、費用効果および製造実現可能性の考慮によって望ましい。
【0083】
複数層の液体処理メディアを使用するとき、複数の層またはシートは、全ての製造ステップ中、適所に保持され、バイパスを回避するために、最終モジュールで恒久的に圧縮されることが望ましい。
【0084】
シート材料の圧縮は、特に乾燥した状態で約20%まで深層フィルタ材料の形で存在するとき、湿った状態で十分なシール効果を保証するために推奨される。望ましい処理材料の多くが、処理される液体と接触して柔らかくなるので、湿った状態でのさらに十分な圧縮を提供してもよい。
【0085】
しかしながら、圧縮の割合は、バランスが取られなければならない。高すぎる圧縮は、早期の閉塞によって、耐用年数の減少をもたらすことがあり、一方、低すぎる圧縮は、隣接するシート間のバイパスを生じることがあり、濁りの漏出を引き起こす。さらに、圧縮は、液体処理要素の全体にわたって実質的に均一に分配されることが望ましい。
【0086】
(供給分配プレート)
供給分配プレートが使用されるとき、供給分配プレートは、供給液体が液体処理要素の供給チャネルの開放端部に入ることができるように配置されなければならず、処理液体を同時に収集するチャネルは、供給分配プレートに隣接した処理液体を同時に収集するチャネルの端部で、確実にシールされなければならない。いくつかの実施形態では、この効果は、供給分配プレートによって達成してもよい。
【0087】
積層体の恒久的な圧縮は、供給分配プレートによって、(例えば、クランプ手段または圧縮手段と一緒に)提供することができる。
【0088】
代替の実施形態では、供給分配プレートは、処理される液体を、供給チャネルと連通する開口のみが設けられた液体透過処理メディアの1つ以上の上流層を備える液体処理要素の上流面に一定の間隔で分配する。液体透過処理メディアの1つ以上のシートは、処理液体受け入れチャネルの端部を覆うかまたは閉塞する。
【0089】
供給分配プレートは、コストを最小化し、特定の量の液体処理モジュールによって設けられた機能中のフィルタ領域を最大化するために、可能な限り薄くされなければならない。
【0090】
(液体収集プレート)
液体収集プレートが使用されるケースでは、液体収集プレートは、処理液体、例えば処理液体収集チャネルからのろ液がプレートに入ることができ、例えば液体処理要素の中央ダクトにろ液を向けることができるように、配置されなければならない。供給チャネルは、液体収集プレートによってシールされる一端部に位置してもよい。
【0091】
代案として、液体収集プレートは、液体処理要素の下流側で、液体透過処理メディアの1つ以上の層を支持してもよく、前記層は、処理液体収集チャネルと連通する開口のみが設けられている。未処理液体受け入れチャネルは、これらの層によって覆ってもよいし、または閉塞してもよい。
【0092】
ろ液収集プレートは、(例えばクランプ手段または圧縮手段と一緒に)積層体の恒久的な圧縮を提供するために、供給分配プレートと協働してもよい。
【0093】
供給プレートに対して記したように、コストを最小化し、特定の量の液体処理モジュールによって設けられた機能中のフィルタ領域を最大化するために、ろ液収集プレートは、可能な限り薄くされなければならない。
【0094】
一般に、乾燥した状態および湿った状態で十分な機械的な強度および剛性を有するいかなるプラスチック材料(望ましくはガラス繊維を充填したポリプロピレン(PP))も、供給分配プレートおよび液体収集プレートの製造に適している。例えば、食料またはバイオテクノロジー液体(例えば、クラスVIのプラスチック)と接するための材料の選択に関する規制から生じる他の態様は、考慮してもよい。
【0095】
例えば、荷重を受けているときの供給プレートおよび液体収集プレートのたわみは、モジュール全体に対する均一な圧縮を保証するために、小さくされなければならない。
【0096】
供給プレートおよび液体収集プレートを製造するための望ましいポリマー材料は、ポリプロピレン(PP)およびポリカーボネート(PC)材料から選択される。
【0097】
ポリマー材料の機械的特性を向上させるための望ましい添加剤は、ガラス繊維および滑石を含む。
【0098】
ポリプロピレン材料が、しばしば、強化添加剤の使用を必要とする一方、ポリカーボネート材料は、多数のケースでこのような強化添加剤を用いずに使用してもよい。
【0099】
適した強化ポリマー材料の詳細な例は、重量で約30%以上、例えば重量で約40%のガラス繊維含量を有するガラス繊維強化ポリプロピレンである。
【0100】
供給分配プレートおよび液体収集プレートを製造するための適した材料を選択するための追加の考慮は、以下を含む。
a)材料は、生物学的安全性試験(例えばクラスVIのプラスチック、細胞毒性試験、溶血試験)を満たさなければならない。
b)抽出物は、特定の限界より下で存在しなければならない。
c)モジュールは、高圧蒸気殺菌、蒸気処理、および/または高温水浄化に対して安定していなければならない。
d)モジュールは、ガンマ線滅菌に対して安定していなければならない。
【0101】
他の材料、例えば他のプラスチック、ステンレス鋼なども使用することができ、単一使用のオプションに対してではあるが、ポリマー材料を使用することが望ましい。
【0102】
(クランプ手段)
1つの実施形態によれば、クランプ手段は、液体処理要素の外周で液体処理要素を恒久的に保持し、(任意に、)圧縮するために、モジュールの外周の周りに一定の間隔で配置された複数の、例えば4〜12のクランプを含む。
【0103】
適切な圧縮は、プレートの剛性および内側の中心部、例えばモジュールの中央ダクトでの圧縮によって得てもよい。
【0104】
十分な圧縮は、他の手段によって提供してもよい。例えば、モジュールは、必要な圧縮力を提供することができるハウジングまたはカプセルに組み込んでもよい。他のケースでは、スピンドルは、処理メディアの本体を形成する複数の層に十分に高い圧縮力を加えるように使用してもよい。
【0105】
代案として、またはさらに、保持装置は、液体処理アセンブリで2つ以上のモジュールを一緒に保持するように使用してもよい。このような実施形態では、時には、個々のモジュールでの分離したクランプ手段は、必要とされなくてもよい。