特開2017-30854(P2017-30854A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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▶ 庄司 辰夫の特許一覧

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  • 特開2017030854-雑菌混入防止キャップ 図000003
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  • 特開2017030854-雑菌混入防止キャップ 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-30854(P2017-30854A)
(43)【公開日】2017年2月9日
(54)【発明の名称】雑菌混入防止キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20170120BHJP
   B65D 47/32 20060101ALI20170120BHJP
【FI】
   B65D47/08 A
   B65D47/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-160705(P2015-160705)
(22)【出願日】2015年7月31日
(71)【出願人】
【識別番号】515225541
【氏名又は名称】庄司 辰夫
(72)【発明者】
【氏名】庄司 辰夫
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AB01
3E084CB04
3E084DB12
3E084FA06
3E084FB01
3E084GA06
3E084GB06
3E084GB17
3E084HA04
3E084HB04
3E084HC03
3E084HD01
3E084KA05
3E084KA20
3E084KB01
3E084LA18
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】ペットボトルの注ぎ口に人が直接口をつけて飲料を飲んだ場合には、口腔内に触れた飲料や唾液がペットボトルの中の飲料と循環するため口腔内の雑菌がペットボトルの中に混入し時間の経過とともに増殖して、その飲料を再び飲んだ場合には健康を害するおそれがある。本発明は、以上の問題点を解決する雑菌混入防止キャップを提供する。
【解決手段】筒状の本体1下部にペットボトル13の雄ねじ14と螺合する雌ねじ2を設け雌ねじ2の天井4から上方に貫通する噴出口3を設け噴出口3の上方に空間部15を保つ位置まで本体1の上端面が伸びて形成される接触縁5を設けた本体1と、本体1上部に回動可能にヒンジ6でつながれ接触縁5を塞ぐ回動位置では突起7と嵌合固着すると同時に噴出口3を塞ぐ凸部8を有する蓋体9、とで構成される雑菌混入防止キャップ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットボトルの注ぎ口と螺合する雑菌混入防止キャップであって、
この雑菌混入防止キャップは、筒状をした本体と蓋体を有するものであり、
本体は、ペットボトルの注ぎ口の雄ねじと螺合するする雌ねじを備え、
雌ねじの天井中央には噴出口が上方に向かって伸びていて、
本体の上端面は周状をした接触縁となっており、
接触縁は、噴出口の上方に空間部を隔てた位置に形成されている、
以上を特長とする雑菌混入防止キャップ。
【請求項2】
前記蓋体は前記本体と回動可能なヒンジでつながれていて、
蓋体は凸部を有しており、
本体と蓋体が嵌合固着した状態において、噴出口と凸部とが当接される、
ことを特長とする請求項1に記載の雑菌混入防止キャップ。
【請求項3】
前記本体は空気孔を有していて、
前記蓋体は孔塞ぎを備え、
本体と蓋体とが嵌合固着した状態において、空気孔と孔塞ぎが当接される、
ことを特長とする請求項1に記載の雑菌混入防止キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットボトルの注ぎ口に直接口をつけて飲料を飲んでも口腔内の雑菌が飲料の中に入らない雑菌混入防止キャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常ペットボトルの注ぎ口は外周に雄ねじが成形されていてこの雄ねじに螺合する雌ねじが内周に成形されたキャップで開閉が可能となっている。このキャップを閉めれば空気中の雑菌がペットボトル内に入ることを防止できる。また、直接口をつけて飲んでも注ぎ口に雑菌が繁殖しないように清掃しやすくした構造のキャップや、雑菌を含む空気がペットボトル内に残って飲みかけの飲料に雑菌が繁殖することを防ぐ目的でペットボトルを蛇腹状に収縮させて空気を排除するペットボトルの構造が知られている(特許文献1〜2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−008137号公報
【特許文献2】特開2000−153821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各種運動には適度な水分補給が必要でありペットボトル飲料は携帯性の良さから広く利用されている。同時に飲料を飲む際にはコップ等を使うことが煩雑であるためペットボトルの注ぎ口に直接口をつけて飲む、いわゆる「ラッパ飲み」が頻繁に行われている。しかしペットボトルの注ぎ口に人が直接口をつけて飲料を飲んだ場合には、口腔内に触れた飲料や唾液がペットボトルの中の飲料と循環するため口腔内に常在する最低でも1億を超えると言われる数の雑菌が少なからずペットボトルの中に混入し時間の経過とともに増殖して、その飲料を再び飲んだ場合には健康を害するおそれがある。特に気温が高くなる夏場はその現象が顕著である。
【0005】
特許文献1ではペットボトルの注ぎ口に清掃しやすい形状のキャップを設けて、口をつけて飲んだ後にこのキャップを清掃すれば雑菌は排除できるとしているが、キャップ周りの雑菌は取り除けてもペットボトル内の飲料に口腔内の雑菌が入ることは防げない。また特許文献2では飲みかけのペットボトル内に空気が残っているとその空気に混じった雑菌が飲料の中で増殖するおそれがあるため空気の容量分だけ蛇腹状のペットボトルを収縮させて空気を排除する考案であるが、口をつけて飲料を飲んだ場合には飲料自体に口腔内の雑菌が混入するためペットボトル内の空気量を排除しただけでは雑菌の増殖を防ぐことができない。
本発明は、以上の問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
筒状の本体下部にペットボトルの注ぎ口の雄ねじと螺合する雌ねじを設け、その雌ねじの天井中央から上方に貫通する噴出口を設け、噴出口の上方に空間を保つ位置まで筒状の本体上端が伸びて形成される接触縁を設けた本体と、この本体に回動可能にヒンジでつながれ本体の接触縁を塞ぐ回動位置では本体の突起と嵌合固着すると同時に噴出口を塞ぐ凸部を有する蓋体。
以上の構成よりなる雑菌混入防止キャップ。
【発明の効果】
【0007】
ペットボトルの注ぎ口に本発明を装着した場合、直接口をつけて飲料を飲んだとしても飲料が噴き出す噴出口と唇が接触する接触縁が離れていて間に空間があるため唇が直接噴出口に触れることはない。飲料はその空間を飛び越えて一方通行で口腔内に達する。よって口腔内の雑菌が飲料の中に混入することがなく飲料の安全性が保たれる。また飲み終わったら噴出口に蓋をすれば空気中の雑菌が飲料の中に入ることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の斜視図の中央断面図
図2】本発明の斜視図
図3】本発明の蓋が嵌合固着した状態の断面図
図4】本発明の蓋が90°開いた状態の断面図
図5】本発明をペットボトルに装着する分解斜視図
図6】本発明の使用状態を示す一部を切り欠いた状態図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)図4に示すように、筒状の本体(1)はその下部にペットボトル(13)の雄ねじ(14)と螺合する雌ねじ(2)を設け、その雌ねじ(2)の天井(4)の中央には噴射口(3)が上方に向かって伸びていて、筒状の本体(1)の上端面が周状に形成される接触縁(5)となっている。なお、その接触縁(5)は噴出口(3)の上方に空間部(15)を隔てた位置に形成されている。また、雌ねじ(2)の天井には噴出口(3)に並行して空気孔(16)が設置されている。
(ロ)図3に示すように、蓋体(9)は本体(1)の上部に回動可能にヒンジ(6)でつながれていて、本体(1)の接触縁(5)を塞ぐ回動位置では本体(1)の突起(7)と嵌合固着すると同時に噴出口(3)を塞ぐ凸部(8)を有し、また嵌合固着を解除する場合に指をかけて上方に引き上げるための爪片(10)を備えている。また、パッキン(17)は飲料(11)の漏れを防ぐため適宜設置する。
本発明は以上のような構造である。
【0010】
本発明を使用して飲料(11)を飲む場合の手順を以下に説明する。
蓋体(9)が組み込まれた本体(1)の雌ねじ(2)をペットボトル(13)の雄ねじ(14)に予め螺合させて装着しておく。なお、蓋体(9)は本体(1)の噴出口(3)を凸部(8)が塞ぐ回動位置で本体(1)に嵌合固着しておく。
ペットボトル(13)を鉛直に近い状態で保持し蓋体(9)の爪片(10)を指で上方に引き上げて本体(1)との嵌合固着を解除して接触縁(5)を露出させる。
図6に示すように上下の唇(12)を開けた状態で接触縁(5)に接触させたままペットボトル(13)の底を上方に傾けると飲料(11)が噴出口(3)から噴き出て口腔内に入り飲むことができる。この時、唇(12)は接触縁(5)の位置にとどまり噴出口(3)との間に空間部(15)があるため噴出口(3)に直接触れることがない。よって口腔内の雑菌が飲料(11)に混入することなく清潔性を保つことができる。
【0011】
飲料(11)を飲み終わったらペットボトル(13)の傾きを鉛直方向に戻すと飲料(11)の噴き出しが止まるので接触縁(5)から唇(12)を離す。
蓋体(9)を本体(1)に近づくまで回動させ蓋体(9)の上部を指で本体(1)側に押圧すると蓋体(9)は本体(1)の突起(7)に嵌合固着する。
この嵌合固着により同時に蓋体(9)の凸部(8)が噴出口(3)を塞ぐためペットボトル(13)を倒しても飲料(11)がこぼれることなく持ち運びが可能となる。
また、本発明は構造が単純でありペットボトル(13)から容易に取り外して洗浄できるためさらに清潔性を保つことができる。
【0012】
なお、持ち運びの際に飲料(11)がこぼれないように噴出口(3)を凸部(8)で塞ぐ構造は本実施例に限定されるものではなく、例えば蓋体(9)を本体(1)に螺合するなどの方法も可能である。
また本発明を各種飲料容器に使用した場合には容器の容量や内容液の種類などによって噴出口(3)からの噴出状態が異なるため噴出状態に影響を及ぼす空気孔(16)と持ち運びの際に飲料(11)が漏れない孔塞ぎ(18)を必要に応じて設ける。
【符号の説明】
【0013】
1本体、2雌ねじ、3噴出口、4天井、5接触縁、6ヒンジ、7突起、8凸部、9蓋体、10爪片、11飲料、12唇、13ペットボトル、14雄ねじ、15空間部、16空気孔、17パッキン、18孔塞ぎ
図1
図2
図3
図4
図5
図6