【実施例】
【0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、
図1に図示したように、帯状物1をロール状に巻き取るアルミニウム製の巻取軸2であって、水平に配される一対の棒体3と、この一対の棒体3の両端部を夫々保持する保持部4a・4bとから成り、前記保持部4a・4bの少なくとも一方は前記棒体3に着脱自在に設けられている巻取軸2と、この巻取軸2の前記保持部4a・4bを回転可能且つ着脱自在に支持する支持部7・8を有する架台10とから成る巻取装置である。
【0026】
本実施例は、例えば体育館や集会場で行事の際に敷かれる長さ数m〜20m、幅数10cm〜100cm程度の茣蓙等の帯状の敷物1を巻き取る際に用いられるものである。
【0027】
具体的には、前記巻取軸2の前記保持部4a・4bの少なくとも一方には、回転工具16をモータにより回転させる電動工具15の該回転工具16と係合する係合部5が設けられ、前記棒体3間に帯状物1の端部を挿入した状態で前記係合部5に係合した前記回転工具16を回転させることで、巻取軸2を回転させて前記棒体3の周囲に前記帯状物1をロール状に巻き取れるように構成されている。
【0028】
本実施例においては、係合部5は回転工具16(六角ソケット)の六角穴と合致する六角柱状であり、後述する他方の保持部4bの端面に突設されている。この係合部5の中心線は巻取軸2の軸心(軸方向の中心線)と一致するように設けられる。また、本実施例の一対の丸棒状の棒体3は、巻取軸2の軸心(軸方向の中心線)を挟むように平行に設けられている。
【0029】
従って、回転工具16をモータにより回転させることで巻取軸2を回転させ巻取軸2(棒体3)の周囲にロール状に巻取ることができ、帯状物1の巻取りを極めて効率的に行えることになる。なお、巻取軸2の係合部5は、手動で回転させるクランクハンドルに設けた六角穴等の係合穴と係合するように構成しても良い。
【0030】
保持部4a・4bは、概ね円柱体である。また、一方の保持部4aの内端面には一対の棒体3の端部が夫々着脱自在に嵌合する嵌合穴13が設けられている。
【0031】
また、保持部4a・4bの少なくとも一方には、前記支持部と係合して前記巻取軸を位置決めする位置決め部が設けられている。
【0032】
具体的には、前記巻取軸2の一方の保持部4aは前記棒体3に着脱自在に設けられ、他方の保持部4bは前記棒体3に着脱不能に設けられ、この他方の保持部4bに前記係合部5及び前記位置決め部が設けられている。
【0033】
即ち、一方の保持部4aの嵌合穴13には前記一対の棒体3の一端が着脱自在に嵌合され、他方の保持部4bには前記一対の棒体3の他端が固着されている(例えば一方の保持部4a同様の嵌合穴を設け、この嵌合穴に嵌合した棒体3の他端を取り付けネジ等で固定する。)。
【0034】
また、一対の棒体3の間隔は、帯状物1の厚さよりやや広い間隔(例えば帯状物1の厚さの1.5〜5倍程度の間隔)に設定する。帯状物1の端部を一対の棒体3間に挿入した際には、一対の棒体3で帯状物1を挟持した状態を維持するため(帯状物1の端部を棒体3に係止するため)に粘着テープ等の他部材を用いて帯状物1を棒体3に固定しても良いし、手動で帯状物1を一対の棒体3の周囲に、1〜数回転巻き取ることで係止しても良い。
【0035】
そして、一方の保持部4aには掴み易いように、他(径大部)より一段径小な径小部14が設けられている。また、他方の保持部4bには、他(径大部)より一段径小な径小部6が設けられ、この径小部6が位置決め部に設定されている。他方の保持部4bの径小部6の幅は、この径小部6を支持する架台10の支持部8(の先端部)の幅と略同幅に設定されており、径小部6と径大部との段差面に支持部8(の先端部)が当接することで位置決めされるように構成されている。
【0036】
また、架台10の一方の保持部4aを支持する支持部7は一方の保持部4aの径大部を支持するように構成されている。
【0037】
また、架台10の支持部7・8は、保持部4a・4bの支持される部位の(下側半分の)周面に夫々合致する円弧状底部を有する断面U字状の溝18・19を有する先端部と、巻取軸2に巻き取られる帯状物1の幅方向両端部をガイドするガイド部としての左右一対の側壁部9に取り付けられる基端部とで構成されている。従って、先端部の前記溝18・19に保持される巻取軸2の保持部4a・4bは着脱自在且つ回転自在な状態で支持される。また、支持部7・8に支持された状態では巻取軸2(一対の棒体3)は水平となるように構成されている。
【0038】
架台10の側壁部9は連結体11により連結されており、各側壁部9の下端には移動用の車輪12が設けられている。また、側壁部9には、巻取軸2の前記支持部7・8への着脱をガイドする切欠き部17が設けられている。
【0039】
従って、棒体3の端部を保持する一方の保持部4aを一対の棒体3から取り外し、茣蓙等の帯状物1の端部を棒体3間に挿入し(
図2参照)、取り外した保持部4aを取り付け、巻取軸2を巻き取り回転させる際に帯状物1が脱落しないように1〜数回転ほど手動で巻取軸2に巻いた後、巻取軸2を架台10の支持部7・8に支持せしめ、巻取軸2の係合部5に電動工具15の回転工具16を係合して回転工具16を回転駆動することで、巻取軸2を連続的に回転させて帯状物1をロール状に巻き取ることができる(
図3参照)。
【0040】
本実施例は上述のように構成したから、茣蓙等の長尺の帯状の敷物1を巻き取る際、一方の手で巻取軸2を支えながら他方の手で帯状物1を持ち、一対の棒体3の開放端側から一対の棒体3間にスライド挿入させることで簡単に棒体3間に挿入することができ、一人でも容易に、帯状物1の端部を巻取軸2に係止する、巻取軸2を回転工具16により回転させることによる本巻取り前の事前準備作業を行うことができる。
【0041】
また、帯状物1をロール状に巻き取った後、一方の保持部4aを一対の棒体3から取り外し、他方の保持部4bを掴んでロール状の帯状物1から引き抜くことで、帯状物1のロール形状を崩さずに容易に巻取軸2を抜き取ることができる(
図4参照)。従って、帯状物1の巻回が円滑に完了することになり、更に、巻取軸2を簡単に再利用できるから、多数の帯状物1を巻き取る場合でも、1つの巻取軸2を用いて順次帯状物1をロール状に巻き取れることになる。
【0042】
よって、本実施例は、巻取軸に帯状物の端部を係止する巻取り前の事前準備作業等を容易に行える実用性に秀れたものとなる。