【解決手段】燃焼装置1は、上下に延びる筒状部12であって、炎及び可燃性ガスを含む流体が筒状部12内を上昇する筒状部12を備える。筒状部12内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔12cが筒状部12の側部に設けられる。1つ以上の空気導入孔12cは、1つ以上の空気導入孔12cから筒状部12内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成される。
空気が前記燃焼室に対して、横方向の一方側から横方向の他方側へ向けて及び/又は上側から横方向の一方側へ向けて、導入されることを特徴とする請求項2記載の燃焼装置。
前記燃焼室での前記固形燃焼物の燃焼により発生する前記未燃焼の可燃性ガスを含む前記流体を前記導入口に導く案内路を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の燃焼装置。
外部の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く導気路が、当該空気が前記筒状部の熱により予め加熱された状態で前記1つ以上の空気導入孔に導かれるように形成されたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
空気が前記燃焼室に対して、横方向の一方側から横方向の他方側へ向けて及び/又は上側から横方向の一方側へ向けて、導入されることを特徴とする請求項8記載の燃焼装置。
前記導入口及び前記案内路は、前記導入口から前記筒状部内に導入された前記流体が渦状に旋回するように、構成されたことを特徴とする請求項8又は9記載の燃焼装置。
前記筒状部の断面形状は多角形状であり、前記断面形状における線分に相当する平面部にその法線方向に向けて前記1つ以上の空気導入孔が形成されたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の燃焼装置。
前記1つ以上の空気導入孔は、前記1つ以上の空気導入孔から前記第1の筒状部内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生されるように、形成されたことを特徴とする請求項14記載の燃焼促進装置。
前記第1の筒状部の断面形状が多角形状であり、前記断面形状における線分に相当する平面部にその法線方向に向けて前記1つ以上の空気導入孔が形成されたことを特徴とする請求項15記載の燃焼促進装置。
前記第2の筒状部の上端の前記閉塞部は、前記第2の筒状部の本体から取り外し可能に構成されたことを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の燃焼促進装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来のロケットストーブでは、円筒部に下部から導入された未燃焼の可燃性ガスが十分に燃焼されず、円筒部内での未燃焼の可燃性ガスの燃焼効率は高くなかった。
【0008】
また、特許文献1に開示された自然吸気燃焼装置では、上下に延びた円筒部である二次燃焼室の底部で渦巻状に完全燃焼するようになっているとは言え、完全燃焼を実現することは実際上困難であり、未燃焼の可燃性ガスは幾分なりとも未燃焼のまま二次燃焼室内を上昇して二次燃焼室内を通過してしまう。特に、一次燃焼室から二次燃焼室へ導入される未燃焼の可燃性ガスの割合が多い場合には、二次燃焼室内で燃焼せずに二次燃焼室を通過してしまう未燃焼の可燃性ガスは増える。
【0009】
これらの点は、前記従来のロケットストーブや特許文献1に開示された自然吸気燃焼装置に限らず、上下に延びる筒状部であって、炎及び可燃性ガスを含む流体が前記筒状部内を上昇する筒状部を備えた他の燃焼装置についても、同様である。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、炎及び可燃性ガスを含む流体が前記筒状部内を上昇する筒状部を備えた燃焼装置であって、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率を高めることができる燃焼装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室を備えた燃焼装置本体に取り付けることで、燃焼効率を高めることができる燃焼促進装置、及び、これを用いた燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による燃焼装置は、上下に延びる筒状部であって、炎及び可燃性ガスを含む流体が前記筒状部内を上昇する筒状部を備え、前記筒状部内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔が前記筒状部の側部に設けられ、前記1つ以上の空気導入孔は、前記1つ以上の空気導入孔から前記筒状部内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成されたものである。
【0013】
この第1の態様では、前記筒状部内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔が前記筒状部の側部に設けられている。したがって、この第1の態様によれば、前記1つ以上の空気導入孔から空気が導入されなければ、酸欠状態となって可燃性ガスが燃焼し得ないような筒状部内の箇所においても、前記1つ以上の空気導入孔から空気が導入されることによって、当該可燃性ガスが燃焼する。このため、前記第1の態様によれば、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率を高めることができる。
【0014】
そして、前記第1の態様では、前記1つ以上の空気導入孔は、前記1つ以上の空気導入孔から前記筒状部内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成されている。したがって、前記第1の態様によれば、前記旋回により前記1つ以上の空気導入孔から導入された空気が前記筒状部内に行き渡り易くなって前記可燃性ガスが燃焼し易くなるため、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0015】
第2の態様による燃焼装置は、前記第1の態様において、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室を備え、前記筒状部は、その下部側において、前記燃焼室での前記固形燃焼物の燃焼により発生する未燃焼の可燃性ガスを含む流体が前記筒状部内に導入される導入口を有するものである。
【0016】
この第2の態様は、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室を備えた燃焼装置の例を挙げたものである。もっとも、前記第1の態様では、必ずしもこの例に限らない。
【0017】
第3の態様による燃焼装置は、前記第2の態様において、空気が前記燃焼室に対して、横方向の一方側から横方向の他方側へ向けて及び/又は上側から横方向の一方側へ向けて、導入されるものである。この第3の態様は、前記燃焼室に対する空気の導入方向の例を挙げたものである。
【0018】
なお、本願明細書において、「及び/又は」は、両方又はいずれか一方の意味である。
【0019】
第4の態様による燃焼装置は、前記第2又は第3の態様において、前記燃焼室での前記固形燃焼物の燃焼により発生する前記未燃焼の可燃性ガスを含む前記流体を前記導入口に導く案内路を備えたものである。
【0020】
この第4の態様は、前記燃焼室と前記筒状部との間に前記案内路を介在させた燃焼装置の例を挙げたものである。もっとも、前記第2の態様では、例えば、前記筒状部を前記燃焼室の上部に配置し、前記導入口を前記筒状部の下端の開口部とし、前記案内路を介在させることなく、前記筒状部の下端の開口部を前記燃焼室に直結させてもよい。
【0021】
第5の態様による燃焼装置は、前記第4の態様において、前記導入口及び前記案内路は、前記導入口から前記筒状部内に導入された前記流体が渦状に旋回するように、構成されたものである。
【0022】
この第5の態様によれば、前記導入口から前記筒状部内に導入された前記流体が渦状に旋回するので、前記筒状部内の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0023】
第6の態様による燃焼装置は、前記第1乃至5のいずれかの態様において、外部の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く導気路が、当該空気が前記筒状部の熱により予め加熱された状態で前記1つ以上の空気導入孔に導かれるように形成されたものである。
【0024】
この第6の態様によれば、前記1つ以上の空気導入孔から導入される空気が予め加熱された状態で前記筒状部内に導入されるので、前記筒状部内の前記可燃性ガスがより燃焼し易くなり、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0025】
第7の態様による燃焼装置は、前記第6の態様において、前記筒状部は、その下部側において、前記筒状部内に空気を導入する空気導入口を有し、外部の空気を前記空気導入口に導く導気路が、当該空気が燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で前記空気導入口に導かれるように形成され、前記1つ以上の空気導入孔は、前記空気導入口よりも上方に配置され、外部の空気を前記空気導入口に導く前記導気路は、外部の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く前記導気路と独立して設けられたものである。
【0026】
この第7の態様によれば、前記空気導入口から予め加熱された空気が前記筒状部内に導入されることによって、前記筒状部内の前記可燃性ガスが燃焼され、その後に、その燃焼によっても燃焼されずに未燃焼のまま上昇する前記筒状部内の前記可燃性ガスが、前記空気導入口よりも上方に配置された前記1つ以上の空気導入孔から導入された空気によって酸素が供給されて燃焼する。このように、前記筒状部内において、前記1つ以上の空気導入孔から導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼に先立って、前記空気導入口から導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼が行われる。したがって、この第7の態様によれば、前記筒状部内で前記可燃性ガスの燃焼がより促進されるので、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0027】
そして、前記第7の態様によれば、外部の空気を前記空気導入口に導く前記導気路は、外部の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く前記導気路と独立して設けられているので、両導気路を一部共通化するような場合に比べて、前記空気導入口と前記1つ以上の空気導入孔に、それぞれ必要十分な量の空気を導入することを容易に実現することができる。したがって、前記第7の態様によれば、この点からも、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0028】
第8の態様による燃焼装置は、上下に延びる筒状部であって、炎及び可燃性ガスを含む流体が前記筒状部内を上昇する筒状部と、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室と、案内路と、を備え、前記筒状部内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔が前記筒状部の側部に設けられ、前記筒状部は、その下部側において、前記燃焼室での前記固形燃焼物の燃焼により発生する未燃焼の可燃性ガスを含む流体が前記筒状部内に導入される導入口を有し、前記案内路は、前記燃焼室での前記固形燃焼物の燃焼により発生する前記未燃焼の可燃性ガスを含む前記流体を前記導入口に導き、前記筒状部は、その下部側において、前記筒状部内に空気を導入する空気導入口を有し、前記1つ以上の空気導入孔は、前記空気導入口よりも上方に配置され、外部の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く導気路が、当該空気が前記筒状部の熱により予め加熱された状態で前記1つ以上の空気導入孔に導かれるように形成され、外部の空気を前記空気導入口に導く導気路が、当該空気が燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で前記空気導入口に導かれるように形成され、外部の空気を前記空気導入口に導く前記導気路は、外部の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く前記導気路と独立して設けられたものである。
【0029】
この第8の態様では、前記筒状部内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔が前記筒状部の側部に設けられている。したがって、この第8の態様によれば、前記1つ以上の空気導入孔から空気が導入されなければ、酸欠状態となって可燃性ガスが燃焼し得ないような筒状部内の箇所においても、前記1つ以上の空気導入孔から空気が導入されることによって、当該可燃性ガスが燃焼する。このため、前記第8の態様によれば、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率を高めることができる。
【0030】
また、前記第8の態様によれば、前記1つ以上の空気導入孔から導入される空気が予め加熱された状態で前記筒状部内に導入されるので、前記筒状部内の前記可燃性ガスがより燃焼し易くなり、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0031】
さらに、前記第8の態様によれば、前記空気導入口から予め加熱された空気が前記筒状部内に導入されることによって、前記筒状部内の前記可燃性ガスが燃焼され、その後に、その燃焼によっても燃焼されずに未燃焼のまま上昇する前記筒状部内の前記可燃性ガスが、前記空気導入口よりも上方に配置された前記1つ以上の空気導入孔から導入された空気によって酸素が供給されて燃焼する。このように、前記筒状部内において、前記1つ以上の空気導入孔から導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼に先立って、前記空気導入口から導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼が行われる。したがって、この第8の態様によれば、前記筒状部内で前記可燃性ガスの燃焼がより促進されるので、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0032】
そして、前記第8の態様によれば、外部の空気を前記空気導入口に導く前記導気路は、外部の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く前記導気路と独立して設けられているので、両導気路を一部共通化するような場合に比べて、前記空気導入口と前記1つ以上の空気導入孔に、それぞれ必要十分な量の空気を導入することを容易に実現することができる。したがって、前記第8の態様によれば、この点からも、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0033】
第9の態様による燃焼装置は、前記第8の態様において、空気が前記燃焼室に対して、横方向の一方側から横方向の他方側へ向けて及び/又は上側から横方向の一方側へ向けて、導入されるものである。この第9の態様は、前記燃焼室に対する空気の導入方向の例を挙げたものである。
【0034】
第10の態様による燃焼装置は、前記第8又は第9の態様において、前記導入口及び前記案内路は、前記導入口から前記筒状部内に導入された前記流体が渦状に旋回するように、構成されたものである。
【0035】
この第10の態様によれば、前記導入口から前記筒状部内に導入された前記流体が渦状に旋回するので、前記筒状部内の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0036】
第11の態様による燃焼装置は、前記第1乃至第10のいずれかの態様において、使用者が前記筒状部内の炎を側方から観察し得る観察窓を備えたものである。
【0037】
この第11の態様によれば、使用者は前記筒状部内の炎を側方から観察することで、当該燃焼装置の最終段階の燃焼状況を容易に確認することができる。
【0038】
第12の態様による燃焼装置は、前記第1乃至第11のいずれかの態様において、前記筒状部の断面形状は多角形状であり、前記断面形状における線分に相当する平面部にその法線方向に向けて前記1つ以上の空気導入孔が形成されたものである。
【0039】
第13の態様による燃焼装置は、前記第1乃至第12のいずれかの態様において、前記筒状部の断面形状は、正多角形の各辺の端部間を切り離してその間を段差形成用線分で繋いだようなかざぐるま状の形状であり、前記1つ以上の前記空気導入孔は、前記断面形状における前記段差形成用線分に相当する前記筒状部の平面部にその法線方向に向けて形成されたものである。
【0040】
前記第1乃至第11の態様では、前記筒状部の断面形状は、円形状、楕円形状、凸多角形状、凹多角形状などでもよい。例えば、前記筒状部として円筒部を採用して前記筒状部の断面形状を円形状とし、前記1つ以上の空気導入孔をそこから前記筒状部内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成する場合には、空気導入孔を前記円形状の径方向に対して斜めに傾くように形成すればよい。しかし、円筒部材に斜めに穴加工するには高価な加工機が必要となる。
【0041】
これに対し、前記第12及び前記第13の態様では、平面部にその法線方向に穴加工すればよいので、安価な加工機を用いることができる。そして、前記第13の態様によれば、例えば、前記筒状部は、断面L字状の板金(断面形状において1つの辺と1つの段差形成用線分に相当する板金)に穴加工を施したものを、複数用意し、これらを溶接等により組み合わせて製造することができ、前記筒状部の製造コストひいては当該燃焼装置の製造コストを低減することができる。
【0042】
第14の態様による燃焼促進装置は、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室を備えた燃焼装置本体に取り付けられる燃焼促進装置であって、上端及び下端に開口部を有し、下端の前記開口部が前記燃焼室の上部の開口部に接続される第1の筒状部と、前記第1の筒状部の上端の開口部と間隔をあけて対面する上端の閉塞部を有する第2の筒状部と、を備え、前記第2の筒状部には、前記第1の筒状部の上端の前記開口部よりも低い位置において排気口が設けられ、前記第2の筒状部は、前記第1の筒状部を覆って、前記第1の筒状部の上端の前記開口部から出る流体を前記排気口に導き、前記第1の筒状部内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔が、前記第1の筒状部の側部に設けられ、前記第2の筒状部の外側の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く導気路が、当該空気が前記第1の筒状部の熱により予め加熱された状態で前記1つ以上の空気導入孔に導かれるように形成されたものである。
【0043】
この第14に態様による燃焼促進装置を前記燃焼装置本体に取り付けて下記第19の態様のように燃焼装置を構成すると、前記燃焼室から未燃焼の可燃ガスを含む流体が前記第1の筒状部の下端の開口部から前記第1の筒状部内に導入される。そして、前記第14の態様では、前記第1の筒状部内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔が、前記第1の筒状部の側部に設けられ、前記第2の筒状部の外側の空気を前記1つ以上の空気導入孔に導く導気路が、当該空気が前記第2の筒状部の熱により予め加熱された状態で前記1つ以上の空気導入孔に導かれるように形成されている。したがって、前記1つ以上の空気導入孔から空気が導入されることによって、前記第1の筒状部内に導入された未燃焼の可燃ガスが燃焼する。このため、前記第14の態様による燃焼促進装置を前記燃焼装置本体に取り付けた燃焼装置では、前記燃焼装置本体に当該燃焼促進装置を取り付けずに、前記燃焼装置本体の上部の開口部に煙突を直接に接続した場合に比べて、燃焼が促進され、当該燃焼装置の燃焼効率を高めることができる。なお、前記排気口には、必要に応じて、煙突が接続される。
【0044】
例えば、前記燃焼装置本体に煙突を直接接続したような既存の燃焼装置がある場合、燃焼装置本体と煙突との間に前記第14の態様による燃焼促進装置を追加するだけで、当該燃焼装置の燃焼効率を高めることができる。
【0045】
第15の態様による燃焼促進装置は、前記第14の態様において、前記1つ以上の空気導入孔は、前記1つ以上の空気導入孔から前記第1の筒状部内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生されるように、形成されたものである。
【0046】
この第15の態様によれば、前記旋回により前記1つ以上の空気導入孔から導入された空気が前記筒状部内に行き渡り易くなって前記可燃性ガスが燃焼し易くなるため、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0047】
第16の態様による燃焼促進装置は、前記第15の態様において、前記第1の筒状部の断面形状が多角形状であり、前記断面形状における線分に相当する平面部にその法線方向に向けて前記1つ以上の空気導入孔が形成されたものである。
【0048】
第17の態様による燃焼促進装置は、前記第15又は第16の態様において、前記第1の筒状部の断面形状は、正多角形の各辺の端部間を切り離してその間を段差形成用線分で繋いだようなかざぐるま状の形状であり、前記1つ以上の前記空気導入孔は、前記断面形状における前記段差形成用線分に相当する前記第1の筒状部の平面部にその法線方向に向けて形成されたものである。
【0049】
前記第16及び第17の態様によれば、前記第12及び前記第13の態様と同様に、前記1つ以上の空気導入孔の穴加工に安価な加工機を用いることができる。また、前記第17の態様によれば、前記第13の態様と同様に、例えば、前記筒状部は、断面L字状の板金に穴加工を施したものを、複数用意し、これらを溶接等により組み合わせて製造することができる。
【0050】
第18の態様による燃焼促進装置は、前記第14乃至第17のいずれかの態様において、前記第2の筒状部の上端の前記閉塞部は、前記第2の筒状部の本体から取り外し可能に構成されたものである。
【0051】
この第18の態様によれば、前記第2の筒状部の上端の前記閉塞部が前記第2の筒状部の本体から取り外し可能に構成されているので、前記閉塞部を調理台として利用する場合や、当該燃焼促進装置の内部を点検する場合などに、取り扱いが容易となる。
【0052】
第19の態様による燃焼装置は、前記第14乃至第18のいずれかの態様による燃焼促進装置と、前記燃焼装置本体とを備えたものである。
【0053】
この第19の態様によれば、前記第14乃至第18のいずれかの態様による燃焼促進装置が用いられているので、燃焼効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、炎及び可燃性ガスを含む流体が前記筒状部内を上昇する筒状部を備えた燃焼装置であって、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率を高めることができる燃焼装置を提供することができる。
【0055】
また、本発明によれば、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室を備えた燃焼装置本体に取り付けることで、燃焼効率を高めることができる燃焼促進装置、及び、これを用いた燃焼装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本発明による燃焼装置及び燃焼促進装置について、図面を参照して説明する。
【0059】
図1は、本発明の第1の実施の形態による燃焼装置1を示す一部切欠き概略正面図である。
図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。X軸方向のうち矢印の向きを+X方向又は+X側、その反対の向きを−X方向又は−X側と呼び、Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。Z軸は上下方向と一致し、+Z側が上側、−Z側が下側となっている。これらの点は、後述する図についても同様である。
【0060】
図2は、
図1中のZ1−Z2矢視図である。
図3は、
図1中のX1−X2矢視図である。
図4は、
図1中のX3−X4に沿った概略断面図である。ただし、理解を容易にするため、
図4において、後述する開口部16も記載している。
図5は、
図1中のX5−X6に沿った概略断面図である。
図6は、
図1中の筒状部の下部付近を示す概略斜視図である。
【0061】
本実施の形態による燃焼装置1は、
図1に示すように、Z軸方向に延び−Z側が斜めにカットされた角筒部材2と、X軸方向に延び−X側が斜めにカットされた角筒部材3とを有している。角筒部材2,3は、後述する筒状部12やその他の部材と同じく、例えばステンレス鋼やその他の鋼材で構成される。角筒部材2,3の斜め部分同士が溶接されることで、それらの内部に、概略L字状の内部空間が形成されている。
図1中のLは、その溶接ラインを示している。
【0062】
前記内部空間のうちの−X側かつ下側の空間が1次燃焼室4となる。前記内部空間のうちの1次燃焼室4の上方の空間は、固形燃焼物としての薪5などを収容する収容室6となる。本実施の形態では、薪5は、
図1に示すように、収容室6から1次燃焼室4にかけて起立状態で入れられるようになっている。収容室6の上部の開口部は、薪5等の固形燃焼物の投入口6aであり、ヒンジ7により角筒部材2に結合された蓋8により開閉し得るようになっている。
【0063】
角筒部材2の−X側の下部には、−X側に吸気口9aを有する角筒状の口部材9が設けられている。角筒部材2において吸気口9aと対向する箇所には、開口部が設けられている。これにより、吸気口9aは、1次燃焼室4の−X側の下部と連通している。なお、口部材9の吸気口a側は、例えば、+Y側から見て時計方向に若干傾斜させておいてもよい。
【0064】
口部材9には、吸気口9aを開閉する扉10が軸支されている。扉10は、レバー11を操作することによって吸気口9aを開閉することができるとともに、摩擦等により任意の角度(すなわち、吸気口9aの任意の開度)に保持し得るようになっている。なお、
図1乃至
図3は、扉10が全開した状態を示している。本実施の形態では、吸気口9aは、燃焼開始当初に、バーナーを差し入れて薪5等の固形燃焼物に着火するためにも用いられる。
【0065】
このように、本実施の形態では、1次燃焼室4が、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室となっている。本実施の形態では、吸気口9aが幾分なりとも開かれかつ投入口6aが蓋8で閉じられると、自然吸気により、空気が1次燃焼室4に対して、横方向の一方側(−X側)から横方向の他方側へ向けて導入されることになる。吸気口9aが幾分なりとも開かれかつ投入口6aが蓋8が開かれたままであると、自然吸気により、空気が1次燃焼室4に対して、横方向の一方側(−X側)から横方向の他方側(+X側)へ向けて導入される同時に、上側(+Z側)から横方向の他方側(+X側)へ向けて導入されることになる。吸気口9aが閉じられ投入口6aが開かれると、自然吸気により、空気が1次燃焼室4に対して、上側(+Z側)から横方向の他方側(+X側)へ向けて導入されることになる。
【0066】
また、本実施の形態による燃焼装置1は、炎及び可燃性ガスを含む流体が前記筒状部12内を上昇する筒状部12を備えている。筒状部12は、上下に延びている。本実施の形態では、筒状部12は、円筒部として構成されている。また、本実施の形態では、筒状部12の下側部分は、1次燃焼室4から+X側に所定距離だけ離れた位置において、角筒部材3内に入り込んでいる。筒状部12は、角筒部材3から上方へ突出している。
【0067】
筒状部12は、その下部側において、1次燃焼室4での前記固形燃焼物の燃焼により発生する未燃焼の可燃性ガスを含む流体が筒状部12内に導入される導入口12aを有している。本実施の形態では、導入口12aは、
図4及び
図6に示すように、角筒部材3内に入り込んだ筒状部12の下側部分の側方に形成された比較的幅の広いスリットとして構成されている。
【0068】
角筒部材3内において、1次燃焼室4での薪5等の固形燃焼物の燃焼により発生する前記未燃焼の可燃性ガスを含む前記流体を導入口12aに導く案内路13が形成されている。
【0069】
本実施の形態では、導入口12a及び案内路13は、導入口12aから筒状部12内に導入された前記流体が渦状に旋回するように、構成されている。具体的には、
図4に示すように導入口12aが配置されるとともに、
図4に示すように案内路13を形成する案内板14が角筒部材3内において斜めに配置されている。これによって、1次燃焼室4からの流体が筒状部12の概略接線方向に沿って筒状部12内に導入され、前記流体の渦状の旋回が実現されるようになっている。
【0070】
筒状部12は、その下部側において、筒状部12内に空気を導入する空気導入口12bを有している。本実施の形態では、空気導入口12bは、
図4及び
図6に示すように、角筒部材3内に入り込んだ筒状部12の下側部分の側方に形成された幅の狭いスリットとして構成されている。
【0071】
そして、外部の空気を空気導入口12bに導く導気路が、当該空気が燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で空気導入口12bに導かれるように形成されている。
【0072】
具体的には、本実施の形態では、角筒部材3の下面のほぼ全体に渡って、加熱ダクトとなる扁平した角筒部材15が設けられている。角筒部材15の−X側の端部は開口部15aとなっており、ここから外部の空気が導入される。角筒部材15の上面部及び角筒部材3の下面部には、+X側の位置において、開口部16が形成されている。開口部16は、角筒部材15の内部空間と、筒状部12より仕切られた角筒部材3の+X側の内部空間17との間を連通させる。角筒部材15の開口部15aから導入された外部の空気は、角筒部材15を内部空間を−X側から+X側へ通過して開口部16から内部空間17を経て空気導入口12bに導かれる。この経路が、外部の空気を空気導入口12bに導く導気路となっている。このとき、外部の空気は、1次燃焼室4の燃焼で発生した熱や筒状部12の下部付近で起きる2次燃焼で発生した熱などによって予め加熱された状態で、空気導入口12bに導かれる。なお、角筒部材15の下面には、転倒防止板18が設けられている。
【0073】
なお、スリット12bの角度位置θ(
図4参照)によっても燃焼効率に差異が生ずるので、その角度位置θは燃焼効率が極力高まるように設定することが好ましい。
【0074】
そして、本実施の形態では、筒状部12内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔12cが、空気導入口12bよりも高い位置において、筒状部12の側部に設けられている。本実施の形態では、前記1つ以上の空気導入孔12cは、筒状部12の+Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cと、筒状部12の−Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cの、合計16個の空気導入孔12cからなる。もっとも、本発明では、前記1つ以上の空気導入孔12cの数や配置はこの例に限らない。
【0075】
1つ以上の空気導入孔12cは、1つ以上の空気導入孔12cから筒状部12内に導入される空気により、筒状部12内を上昇する炎及び可燃性ガスを含む流体の旋回が発生又は助長されるように、形成されている。
【0076】
具体的には、本実施の形態では、1つ以上の空気導入孔12cは、
図5に示すように、導入口12a及び案内路13により引き起こされる前記流体の渦状の旋回が上側(+Z側)から見て反時計方向であるので、その旋回を助長させるべく、1つ以上の空気導入孔12cから導入された空気が同じ反時計方向の旋回力を与える方向に、径方向に対して斜めに傾けて形成されている。
【0077】
また、本実施の形態では、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路が、当該空気が筒状部12の熱により予め加熱された状態で1つ以上の空気導入孔12cに導かれるように形成されている。
【0078】
具体的には、本実施の形態では、筒状部12の+Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cは、Z軸方向に延びた加熱ダクトとなる1本の断面コ字状部材19で覆われている。同様に、筒状部12の−Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cは、Z軸方向に延びた加熱ダクトとなるもう1本の断面コ字状部材19で覆われている。各断面コ字状部材19の上端は閉塞され、各断面コ字状部材19の下端は開口されている。各断面コ字状部材の下端の開口部19aから、外部の空気が導入される。
【0079】
先の説明からわかるように、外部の空気を空気導入口12bに導く前記導気路と、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路とは、独立している。
【0080】
本実施の形態では、筒状部12の上端は、開口しており、開口部12dとなっている。筒状部12の上端付近には、フライパン等の調理器具ややかん等を載せるための五徳として機能する部材20が設けられている。
【0081】
本実施の形態によれば、蓋8を開いて投入口6aから薪5を投入し、扉10を開けてバーナー等で薪5に着火させる。着火後は、吸気口9a及び投入口6aのうちの少なくとも一方を開いておけばよい。燃焼ガスは、案内路13及び導入口12aを経て筒状部12内を経て筒状部12の上部開口部12dから外部に排出される。バーナー等及び燃焼ガスで筒状部12が過熱されていくと、筒状部12内で強い上昇気流が発生して自然吸気が可能となっていく。徐々に、加熱ダクトとなる角筒部材15も加熱されていき、角筒部材15を通って加熱された外気が、開口部16及び内部空間17を経て空気導入口12bから筒状部12内の下部付近に導入されるようになっていく。
【0082】
筒状部12内の下部付近では、導入口12aから導入された未燃焼の可燃性ガスと空気導入口12bから導入された加熱空気とが混合されて2次燃焼が促進され、高温ガスが筒状部12内に導入されるようになるため、筒状部12内の上昇気流は更に強まる。
【0083】
筒状部12の側部には、1つ以上の空気導入孔12cが形成されており、外部の空気が加熱ダクトとなる断面コ字状部材19を通って加熱された外気が、1つ以上の空気導入孔12c供給されるため、2次燃焼で燃焼しきれなかった可燃性の未燃焼ガスが3次燃焼が起きる。この3次燃焼により、2次燃焼で燃焼しきれない未燃焼の可燃性ガスが生じてもそれが燃焼され、完全燃焼により近づくため、燃焼効率が向上する。
【0084】
このように、本実施の形態によれば、1つ以上の空気導入孔12cから空気が導入されなければ、酸欠状態となって可燃性ガスが燃焼し得ないような筒状部12内の箇所においても、1つ以上の空気導入孔12cから空気が導入されることによって、当該可燃性ガスが燃焼する。このため、本実施の形態によれば、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率を高めることができる。
【0085】
そして、本実施の形態では、1つ以上の空気導入孔12cは、1つ以上の空気導入孔12cから筒状部12内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成されている。したがって、本実施の形態によれば、前記旋回により1つ以上の空気導入孔12cから導入された空気が筒状部12内に行き渡り易くなって前記可燃性ガスが燃焼し易くなるため、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、導入口12a及び案内路13は、導入口12aから筒状部12内に導入された前記流体が渦状に旋回するように構成されているので、導入口12aから筒状部12内に導入された前記流体が渦状に旋回するので、筒状部12内の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0087】
さらに、本実施の形態によれば、1つ以上の空気導入孔12cから導入される空気が予め加熱された状態で筒状部12内に導入されるので、筒状部12内の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0088】
さらにまた、本実施の形態によれば、空気導入口12bから予め加熱された空気が筒状部12内に導入されることによって、筒状部12内の前記可燃性ガスが燃焼され、その後に、その燃焼によっても燃焼されずに未燃焼のまま上昇する筒状部12内の前記可燃性ガスが、空気導入口12bよりも上方に配置された1つ以上の空気導入孔12cから導入された空気によって酸素が供給されて燃焼する。このように、筒状部12内において、1つ以上の空気導入孔12cから導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼に先立って、空気導入口12bから導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼が行われる。したがって、本実施の形態によれば、筒状部12内で前記可燃性ガスの燃焼がより促進されるので、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0089】
そして、本実施の形態によれば、外部の空気を空気導入口12bに導く前記導気路は、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路と独立して設けられているので、両導気路を一部共通化するような場合に比べて、空気導入口12bと1つ以上の空気導入孔12cに、それぞれ必要十分な量の空気を導入することを容易に実現することができる。したがって、本実施の形態によれば、この点からも、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0091】
図7は、本発明の第2の実施の形態による燃焼装置21を示す一部切欠き概略正面図であり、
図1に対応している。
図7では、薪5の図示は省略している。
図8は、
図7中のX7−X8に沿った概略断面図であり、
図5に対応している。
図9は、
図7中のX9−X10に沿った概略断面図である。
【0092】
図7乃至
図9において、
図1及び
図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。
【0093】
本実施の形態では、部材20が取り除かれ、筒状部12が外側筒状部22で覆われている。外側筒状部22の上端の閉塞部22aは、筒状部12の上端の開口部12dと間隔をあけて対面している。外側筒状部22の下端と筒状部22の側部との間は閉塞されている。外側筒状部22の上端の閉塞部22a上に、調理器具ややかん等を載せて、調理をしたりお湯を沸かしたりすることができる。外側筒状部22の上端の閉塞部22aは、外側筒状部22の本体から取り外し可能に構成してもよい。
【0094】
本実施の形態では、外側筒状部22には、筒状部12の上端の開口部12dよりも低い位置において排気口22bが設けられている。外側筒状部22は、筒状部12を覆って、筒状部12の上端の開口部12dから出る流体を排気口22bに導く。排気口22bには、必要に応じて、煙突が接続される。
【0095】
各断面コ字状部材19の下端は閉塞され、その代わりに、各断面コ字状部材19の下端付近の側部に、通気管23が設けられている。通気管23は、外側筒状部22を貫通して外部に連通しており、断面コ字状部材19の内部に外部の空気を導入する。
【0096】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0098】
図10は、本発明の第3の実施の形態による燃焼装置31を示す一部切欠き概略正面図であり、
図1に対応している。
図11は、
図10中のX11−X12矢視図である。
図12は、
図10中のX13−X14に沿った概略断面図である。
図13は、
図10中のX15−X16に沿った概略断面図である。
【0099】
図10乃至
図13において、
図1及び
図5中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点である。
【0100】
本実施の形態では、部材20及び断面コ字状部材19が取り除かれている。本実施の形態では、加熱ダクト(外部の空気を筒状部12の熱により予め加熱した状態で空気導入口12bに導く前記導気路)が断面コ字状部材19により構成されているのに対し、当該加熱ダクトは、筒状部12の全周を覆う外側筒状部32により構成されている。
【0101】
筒状部12と外側筒状部32との間の空間は、その上端が上端閉塞板34で閉塞され、その下端が下端閉塞板35で閉塞されている。なお、上端閉塞板34は、筒状部12の上端の開口部12dを覆わないように、開口部12dに対応する穴を有している。
【0102】
筒状部32は角筒部として構成され、筒状部32の+Y側の面の+X側の下方位置に吸気口としての3つの孔32aが形成され、筒状部32の−Y側の面の−X側の下方位置に吸気口としての3つの孔32aが形成されている。外部の空気は、孔32aから筒状部12,32間の空間33を経て、筒状部12の熱により予め加熱された状態で、1つ以上の空気導入孔12cに導かれる。筒状部32は角筒部に限らず、円筒部等で構成してもよい。
【0103】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0105】
図14は、第4の実施の形態による燃焼装置41の要部を示す概略断面図であり、
図12に対応している。
図14において、
図12中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0106】
本実施の形態が前記第3の実施の形態と異なる所は、前記第3の実施の形態では、筒状部12が円筒部として構成されているのに対し、本実施の形態では、
図14に示すように、筒状部12の断面形状は多角形状であり、前記断面形状における線分に相当する平面部12Bにその法線方向に向けて1つ以上の空気導入孔12cが形成されている。
【0107】
具体的には、本実施の形態では、筒状部12の断面形状は、
図14に示すように、正多角形(図示の例では、正八角形であるが、他の多角形でもよい。)の各辺12Aの端部間を切り離してその間を段差形成用線分12Bで繋いだようなかざぐるま状の形状であり、1つ以上の空気導入孔12cは、前記断面形状における段差形成用線分12Bに相当する筒状部12の平面部12Bにその法線方向に向けて形成されている。本実施の形態では、1つ以上の空気導入孔12cは、各平面部12Bに形成され、円周方向に渡って等角度間隔(45゜間隔)で形成されている。もっとも、本発明ではこれに限らない。
【0108】
また、本実施の形態では、外側の筒状部32は、円筒部として構成されている。もっとも、本実施の形態においても、外側の筒状部32は、角筒部として構成してもよい。
【0109】
本実施の形態によっても、1つ以上の空気導入孔12cは、1つ以上の空気導入孔12cから筒状部12内に導入される空気により、筒状部12内を上昇する炎及び可燃性ガスを含む流体の旋回が発生又は助長されることになる。
【0110】
本実施の形態によれば、前記第3の実施の形態及び前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、次の利点も得られる。
【0111】
前記第3の実施の形態では、筒状部12として円筒部を採用し、1つ以上の空気導入孔12cをそこから筒状部12c内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成するために、空気導入孔12cを円形状の径方向に対して斜めに傾くように形成している。しかし、円筒部材に斜めに穴加工するには高価な加工機が必要となる。
【0112】
これに対し、本実施の形態では、平面部12Bにその法線方向に穴加工すればよいので、安価な加工機を用いることができる。そして、本実施の形態によれば、例えば、筒状部12は、断面L字状の板金(断面形状において1つの辺と1つの段差形成用線分に相当する板金)に穴加工を施したものを、8枚用意し、これらを溶接等により組み合わせて製造することができ、筒状部の製造コストひいては当該燃焼装置41の製造コストを低減することができる。
【0113】
なお、筒状部12の断面形状として凹多角形を採用し、前記断面形状における線分に相当する平面部にその法線方向に向けて1つ以上の空気導入孔12cが形成しても、本実施の形態と同様の利点を得ることができる。
【0114】
本実施の形態は、前記第3の実施の形態において筒状部12の断面形状を前記かざぐるま状の形状となるように変形したものであるが、本発明では、前記第1及び第2の実施の形態や後述する各実施の形態等において、筒状部12の断面形状を前記かざぐるま状の形状となるように変形してもよい。後述する
図39乃至
図43中の第1の筒状部191についても同様である。
【0116】
図15乃至
図17は、前記第1の実施の形態による燃焼装置1の他の利用例を示す図である。
【0117】
図15は、前記第1の実施の形態による燃焼装置1に調理テーブル51を装着した状態を示す一部切欠き概略正面図であり、
図1に対応している。
図16は、
図15中のZ3−Z4矢視図であり、
図2に対応している。
図17は、前記第1の実施の形態による燃焼装置1に調理テーブル51を装着する前の状態の要部を示す概略側面図であり、
図16に対応している。
【0118】
図15乃至
図17において、
図1及び
図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0119】
本例では、燃焼装置1に対して調理テーブル51が取り外し自在に装着されている。調理テーブル51は、中空に構成されている。調理テーブル51の+Y側におけるX軸方向の中央部の下側には、筒状部12の上端の開口部12dに嵌合して連結する連結部52が設けられている。連結部52を筒状部12の上端の開口部12dに連結させると、筒状部12の上端の開口部12dが、外部に対して気密状態を保ちつつ、調理テーブル51の内部空間と連通するようになっている。
【0120】
調理テーブル51の−Y側におけるX軸方向の中央部の上側には、排気口53が設けられている。筒状部12の上端の開口部12dから出る加熱流体は、調理テーブル51の内部空間を通って、排気口53から排出される。排気口53には、必要に応じて、煙突が接続される。
【0121】
調理テーブル51の−X側は、2本のスタンド54によって支持される。スタンド54の下部には、高さ調整用のアジャスタ55が設けられている。スタンド54は、調理テーブル51に対して着脱自在に構成するかあるいは折り畳み自在に構成しておくことがこのましい。
【0122】
本例によれば、燃焼装置1に対して調理テーブル51を簡単に装着することができ、調理テーブル51を燃焼装置1の筒状部12の上端の開口部12dから出る流体によって加熱して調理を行うことができる。
【0123】
なお、調理テーブル51は、前記第2乃至第4の実施の形態による燃焼装置21,31,41に装着することもできる。
【0125】
前記各実施の形態による燃焼装置1,21,31,41は、
図18乃至
図23に示す小形固形燃焼物用支持装置61と共に用いることで、木質ペレットやガーデンシュレッダ等で小片化された木材や竹などのウッドチップなどの小形固形燃焼物の良好な燃焼を実現しつつモータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼に供することができる。
【0126】
図18は、前記第1の実施の形態による燃焼装置1に小形固形燃焼物用支持装置61を装着する前の状態を示す一部切欠き概略正面図であり、
図1に対応している。
図19は、前記第1の実施の形態による燃焼装置1に
図18中の小形固形燃焼物用支持装置61を装着した後の状態を示す一部切欠き概略正面図である。
図20は、
図18及び
図19中の小形固形燃焼物用支持装置61を示す概略正面図である。
図21は、
図20中のZ5−Z6矢視図である。
図22は、
図20中のX17−X18矢視図である。
図23は、
図18及び
図19中の小形固形燃焼物用支持装置61を示す概略斜視図である。
【0127】
小形固形燃焼物用支持装置61は、小形固形燃焼物を燃焼させる燃焼装置1,21,31,41において用いられ、前記小形固形燃焼物を支持するものである。
【0128】
小形固形燃焼物用支持装置61は、複数(本例では6個がその数は6個に限らない。)の部材62を備えている。各部材62の少なくとも一部(本例では、下側部分(−Z側部分))が、第1の方向(本例では、Y軸方向)から見たときに、V字状の形状をなしている。本例では、各部材62の上側部分(+Z側部分)はZ軸方向に延びており、各部材62は、前記第1の方向から見たとき、全体として野球のベース状の形状をなしている。もっとも、各部材62は、前記第1の方向から見たとき、全体としてV字状の形状をなすようにしてもよい。各部材62の前記少なくとも一部は、前記第1の方向から見たときにV字状に代えて、U字状、W字状、鋸刃状又は波形状の形状をなしてもよい。本例では、前記V字状の字面の上側が実際の上側(+Z側)と一致している。U字状又はW字状を採用する場合も、U字状又はW字状の字面の上側が+Z側と一致させられる。
【0129】
各部材62の前記少なくとも一部は、前記第1の方向に対して直交する第2の方向(X軸方向)から見たときに直線状の形状をなしている。
【0130】
前記複数の部材62は、前記複数の部材は、前記第1の方向(Y軸方向)から見たときに各部材62の前記V字状の前記形状がほぼ重なるように、前記第1の方向(Y軸方向)に互いに間隔dをあけて設けられている。
【0131】
本例では、各部材62として丸棒が用いられているが、これに限らない。
【0132】
本例では、各部材62の上側部分が、+X側及び−X側においてそれぞれ、YZ平面と平行な連結板63に溶接されて連結されている。また、XZ平面と平行な2枚の側板64が、前記複数の部材62を挟むように配置されている。2枚の側板64の上部間が、+X側及び−X側においてそれぞれ、Y軸方向に延びる角棒65によって連結されている。+X側及び−X側においてそれぞれ、連結板63と角棒65との間も溶接されている。2枚の側板64の上部付近の間が、X軸方向の中央で、使用者が把持するための把持部を兼ねるY軸方向に延びた丸棒66で連結されている。
【0133】
この小形固形燃焼物用支持装置61は、前記第1の方向(Y軸方向)及び前記第2の方向(X軸方向)に対する第3の方向(Z軸方向)の一方側である+Z側を上側として、前記複数の部材62の上に前記小形固形燃焼物が積載されるものである。
【0134】
また、本例では、小形固形燃焼物用支持装置61は、前記複数の部材62に対する第3の方向(Z軸方向)の他方側(−Z側、下側)に前記複数の部材62から間隔Dをあけて配置されて、各部材62間の前記間隔dから抜け落ちる小形固形燃焼物を受け止めるロストル67を、備えている。本例では、ロストル67はパンチングメタルで構成され、基本的に、XY平面と平行な面内に配置されている。ロストル67は、両側板64に溶接されることで、前記複数の部材62の下側に配置されている。なお、
図21及び
図22では、パンチングメタルの孔67bの図示は省略している。なお、ロストル67は、パンチングメタルに限らない。
【0135】
本例では、ロストル67は、その前記第2の方向(X軸方向)の一方側(+X側)において、前記第2の方向(X軸方向)の前記一方側(+X側)から他方側(−X側)へ向かう空気の流れを低減する低減部67aを有している。本例では、低減部67aは、ロストル67の前記第2の方向(X軸方向)の前記一方側(+X側)の端部に向かうほど立ち上がる傾斜部となっている。
【0136】
なお、本例では、小形固形燃焼物用支持装置61を構成する各要素は、例えばステンレス鋼やその他の鋼材で構成される。
【0137】
各部材62のY軸方向の間隔dは、燃焼前の前記小形固形燃焼物が間隔dから抜け落ちないとともに、前記小形固形燃焼物の燃焼が進んで当該小形固形燃焼物がある程度小さくなったときに、当該小形固形燃焼物が前記間隔dから抜け落ちるように、設定されている。
【0138】
例えば、燃焼させようとする小形固形燃焼物が直径6mm〜7mm程度のペレットである場合、間隔dは、その直径よりも少し大きい8mm±1mm程度に設定される。このとき、各部材62として、例えば、断面の直径が9mmの丸棒が用いられる。前記間隔Dは、例えば、10mm程度に設定される。なお、側板64とそれに最も近い部材62との間のY軸方向の間隔は、例えば、間隔Dよりも小さく設定しておく。ロストル67としてパンチングメタルを用いる場合、分布される各孔67bの直径は例えば7mm程度とされ、各孔67bのX軸方向及びY軸方向のピッチは両方とも16mm程度とされる。また、側板64の下端からパンチングメタルからなるロストル67までの高さhは、例えば、25mm程度に設定される。
【0139】
本実施の形態では、Z軸方向から見た長方形状が、燃焼装置1の角筒部材2内の空間のXY平面と平行な断面の長方形状よりも若干小さくされている。これにより、小形固形燃焼物用支持装置61を、
図18に示すように投入口6aから入れていき、
図19に示すように設置することができるようになっている。
図19に示す設置状態では、小形固形燃焼物用支持装置61の側板64の下端が1次燃焼室4の底上に当接して、複数の部材62の下側部分及びロストル67が1次燃焼室4内に位置する。
図18及び
図19に示す例では、燃焼装置1について定義したX軸、Y軸及びZ軸及びそれらの矢印の向きと、小形固形燃焼物用支持装置61について定義したX軸、Y軸及びZ軸及びそれらの矢印の向きは完全に一致している。これにより、ロストル67の低減部67aは、吸気口9aとは反対側に位置している。しかし、本例では、小形固形燃焼物用支持装置61のX軸の矢印の向きが燃焼装置1のX軸の矢印の向きと逆になるように、小形固形燃焼物用支持装置61を燃焼装置1に設置することもできる。この場合、ロストル67の低減部67aは、吸気口9aの側に位置する。なお、ロストル67は、小形固形燃焼物用支持装置61側には設けずに、燃焼装置1の側に予め設けておいてもよい。
【0140】
燃焼装置1に対して
図19に示すように小形固形燃焼物用支持装置61を設置すると、小形固形燃焼物用支持装置61内における複数の部材62上の空間のみならず、その上の角筒部材2内の空間も、前記複数の部材62上に前記小形固形燃焼物が積載される状態となるように前記小形固形燃焼物を収容する収容部となる。
【0141】
なお、そのような収容部全体を小形固形燃焼物用支持装置61自身が有していてもよいが、本例のように、収容部の少なくとも一部を燃焼装置1の側に設けておけば、前記小形固形燃焼物用支持装置61の取り扱いが容易となる。
【0142】
図19に示すように小形固形燃焼物用支持装置61を設置した後に、蓋8を開いて投入口6aから前記収容部に小形固形燃焼物を収容させ、蓋8を閉じる。そして、扉10を開けてバーナー等で下側の小形固形燃焼物に着火させる。以下に説明する小形固形燃焼物用支持装置61における小形固形燃焼物の様子を除き、2次燃焼や3時燃焼などの燃焼装置1よりも後側の動作は、既に説明した薪5の燃焼時と同様である。
【0143】
本例では、前記複数の部材62の上に前記小形固形燃焼物が積載された小形固形燃焼物のうち、前記複数の部材62の直上付近の小形固形燃焼物が燃焼しその燃焼が進んで当該小形固形燃焼物がある程度小さくなると、当該小形固形燃焼物が前記複数の部材の間隔dから自重で抜け落ち、その直上に積載されていた未燃焼の小形固形燃焼物が自重で前記複数の部材62上の直上付近に位置してその燃焼が開始する一方で、抜け落ちた燃焼中の小形固形燃焼物が下側のロストル67で受け止められて当該小形固形燃焼物の燃焼は当該小形固形燃焼物が焼失するまで継続する。なお、場合によっては、小さくなった小形固形燃焼物は、パンチングメタルからなるロストル67の孔67bを抜け落ちて、1次燃焼室4の底で焼失するまで燃焼される可能性もある。
【0144】
このような状況を継続して繰り返し、前記複数の部材62上に積載された小形固形燃焼物は、下側のものから少しずつ燃焼されていくことになる。このとき、前記複数の部材62の形状及び配置が前述したように設定されており、前記燃焼室4には吸気口9aから横方向(X軸方向)の一方側(−X側)から他方側(+X側)へ向けて空気が導入され、前記第2の方向(X軸方向)が前記横方向(X軸方向)と一致しているので、前記複数の部材62の直上付近の小形固形燃焼物や前記ロストル67上の小形固形燃焼物に対して良好に空気が供給され、良好な燃焼を実現することができる。なお、前記燃焼室4には横方向(X軸方向)の一方側(−X側)から他方側(+X側)へ向けて空気が導入されるので、その空気の流れがある程度以上に強ければ、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる灰は、吹き飛ばされて、小形固形燃焼物の落下を邪魔しない。
【0145】
以上の説明からわかるように、前記複数の部材62は小形固形燃焼物の第1段階の燃焼のためのロストル機能を担い、ロストル67は小形固形燃焼物の第2段階の燃焼を実現する。そして、前記複数の部材62は、前記ロストル機能のみならず、自重による自然落下を巧みに利用した下側のロストル67に対する小形固形燃焼物の搬送機能も担っている。
【0146】
このように、本例によれば、小形固形燃焼物の良好な燃焼を実現しつつ、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼に供することができる。
【0147】
本例では、燃焼中に投入口6aを蓋8で閉じると、小形固形燃焼物から熱で発生する可燃性ガスが逃げ難くなり、燃焼効率が向上する。もっとも、燃焼中に投入口6aを必ずしも閉じる必要はない。
【0148】
なお、前記小形固形燃焼物としては、木質ペレットや、ガーデンシュレッダ等で小片化された木材や竹などのウッドチップなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0149】
また、本例では、前記各部材62が丸棒部材であるので、その断面形状が円形であるため、ある程度小さくなった小形固形燃焼物が前記間隔dから抜け落ち易くなる。もっとも、前記各部材62は丸棒部材に限らない。例えば、前記各部材と62して角棒部材を用いても、その幅がある程度狭ければ、燃焼によりある程度小さくなった小形固形燃焼物が前記間隔dから抜け落ち易くなる。
【0150】
本例では、小形固形燃焼物用支持装置61は、ロストル67が低減部67aを有しているので、当該小形固形燃焼物用支持装置61の燃焼装置1に対する設置の向き(X軸方向の向き)を変えることで、吸気口9aから小形固形燃焼物に供給される空気の流れを強弱することができ、これにより燃焼の火力を調整することができる。また、本例では、ロストル67の低減部67aは前記傾斜部であるので、燃焼室4内を流れる空気による灰の吹き飛ばし効果に対する影響を低減することができる。
【0151】
本例では、小形固形燃焼物用支持装置61は、燃焼装置1に対して装着及び取り外しが自在になっているため、燃焼装置1から小形固形燃焼物用支持装置61を取り外すことで、例えば、前述したように薪5等を燃焼させることも可能である。しかし、例えば、当該燃焼装置1を小形固形燃焼物専用として構成する場合には、小形固形燃焼物用支持装置61を燃焼装置1に取り外し不能に組み込んでもよい。
【0152】
前記小形固形燃焼物用支持装置61を変形して、各部材62の間隔dを変更し得るように構成してもよい。その変形例を
図24に示している。
図24は、小形固形燃焼物用支持装置61の変形例の要部を示す分解斜視図である。
【0153】
この変形例では、各部材62を溶接で連結板63に固定する代わりに、連結板にX軸方向に延びる2本の長穴65aを形成しておき、各部材62に2本の長穴65aに対応する2つのねじ孔62aを形成しており、長穴65aを挿通したねじ付きボルト71を各部材62のねじ孔62aにねじ込んで、所望の寸法の間隔dで各部材32を連結板63に対して固定できるようにされている。
【0154】
この変形例のように、前記間隔dが変更し得るようにしておけば、燃焼させようとする小形固形燃焼物の大きさに合わせて前記間隔dを変更することで、異なる大きさの小形固形燃焼物(例えば、木質ペレットとウッドチップ)を燃焼させることができる。
【0156】
図25は、本発明の第1の実施の形態による燃焼装置1を変形して得た燃焼装置81に、
図18中の小形固形燃焼物用支持装置61及び収容部拡張アダプタ91を装着した状態を示す一部切欠き概略正面図である。
【0157】
燃焼装置81が燃焼装置1と異なる所は、角筒部材2の高さが低くされている点のみである。
【0158】
収容部拡張アダプタ91は、小形固形燃焼物用支持装置61を
図19と同様に燃焼装置81に設置した後に、収容部拡張アダプタ91の下部を投入口6aに挿入して小形固形燃焼物用支持装置61の上部に当接させることで、燃焼装置81に対して着脱自在に取り付けられ、小形固形燃焼物の収容部を拡張し得るように構成されている。
【0159】
収容部拡張アダプタ91の上部には、小形固形燃焼物の投入口91aが設けられている。投入口91aは、ヒンジ結合された蓋93により開閉し得るようになっている。
【0160】
図25に示す装置によれば、
図19に装置に比べて、より多くの小形固形燃焼物を収容することができるので、小形固形燃焼物の補給無しに、より長時間の燃焼が可能となる。
【0162】
図26は、
図25に示す装置の利用例を示す一部切欠き概略正面図である。
図26において、101は風向切替ダクト、102は電動ファン、103はカウリング、104は電動ファン102及びカウリング103を所定の高さ位置に保持するスタンド、105は送風機により送風される流体の温度を検出する温度センサ、106は送風機により送風される流体のCO(一酸化炭素)を検出するCOセンサである。
【0163】
図26に示す例では、燃焼装置81からの高温の排出ガスが風向切替ダクト101を経て電動ファン102により送風される。このとき、温度センサ105の検出信号に基づいて制御部(図示せず)で電動ファン102を制御することで、カウリング103によるダクト効果によって、所望の温度の送風を実現することができる。したがって、例えば、ビニールハウス内に設置することで、その室内の温度を所望の温度に保つことができる。安全上、COセンサ106によりCOが検出された場合には、図示しない警報器から警報を発するようにすることが好ましい。
【0165】
図27は、
図25に示す装置の他の利用例を示す一部切欠き概略側面図である。
図27において、
図26中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0166】
図27に示す例では、複数台の
図25に
図25に示す装置からの高温の排出ガスが、連結ダクト111で集合されて送風機102に導かれるようになっている。
【0167】
図27に示す例では、1台の
図25に示す装置では十分な加温能力が得られない場合でも、十分な加温能力を得ることができる。
【0169】
図28は、本発明の第5の実施の形態による燃焼装置121を示す概略正面図である。
図29は、
図28中のX19−X20矢視図である。
図29では、本来は、扉122は断面とするとともに観察窓122aも記載すべきであるが、これらは簡略化して示している。また、
図29において、本来は、扉122の開閉レバーを記載すべきではないが、そのレバーも記載している。
図30は、
図28中のZ7−Z8矢視図である。
図31は、基本的に
図29中のX21−X22矢視図である。ただし、
図31において吸気口9a付近は断面とせずに正面図として残している。
図32は、
図29中のX23−X24矢視図である。
【0170】
図28乃至
図32において、
図1乃至6中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0171】
本実施の形態による燃焼装置121は、前記第1の実施の形態による燃焼装置1を箱形のクッキングストーブに改変したものである。
【0172】
本実施の形態では、1次燃焼室4を開閉する扉122が設けられている。扉122には、使用者が1次燃焼室4内の様子を観察し得る観察窓122aが耐熱ガラス等により設けられている。1次燃焼室4内の底には、上部にロストル123を有する灰受け皿124が設けられている。薪5は、扉122を開いて、1次燃焼室4内においてロストル123上に縦方向に入れられる。薪5の下部から燃焼が進み、燃焼された部分は灰になりロストル123から灰受け皿124に落ちて、薪5が自重で下がって薪5の上部まで燃焼が進み、長時間燃焼を行うことができる。
【0173】
1次燃焼室4の上部にはオーブン125が設けられ、オーブン125を開閉する扉126が設けられている。
【0174】
本実施の形態では、扁平した角筒部材15は、Y軸方向に幅が広い。そこで、角筒部材15の内部空間は、仕切板127,128によって、Y軸方向に並ぶとともにX軸方向に延びた3つの内部空間15A,15B,15Cに仕切られている。真ん中の内部空間15Aが、前記第1の実施の形態における角筒部材15の内部空間に相当し、ダクトとして用いられ、開口部16によって内部空間17と連通している。内部空間15Aの−X側端が開口部15aとなっている。一方、本実施の形態では、両側の空間15B,15Cは、ダクトとして用いられていない。
【0175】
前記第1の実施の形態では、各断面コ字状部材19の下端は外部に開口しているのに対し、本実施の形態では、各断面コ字状部材19内の空間は、各断面コ字状部材19の下端に接続された通気管129を介して、ダクトとなる内部空間15Aに連通している。本実施の形態では、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路が、開口部15aから内部空間15Aにおける通気管129との接続箇所までの部分と、通気管129と、断面コ字状部材19の内部空間とによって形成されている。この導気路によって、当該空気が筒状部12の熱により予め加熱された状態で1つ以上の空気導入孔12cに導かれることになる。
【0176】
本実施の形態では、外部の空気を空気導入口12bに導く前記導気路と、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路とは、独立しておらず、開口部15aから内部空間15Aにおける通気管129との接続箇所までの部分が、両導気路として共用されている。例えば、通気管129を内部空間15Aに連通させずに、角筒部材15の下面まで導出して外部に開口させることで、両導気路を独立させてもよい。
【0177】
本実施の形態では、当該燃焼装置121の上部に、着脱自在に調理テーブル130が設けられている。調理テーブル51の上部には排気口131が設けられている。調理テーブル51を取り付けると、調理テーブル51の下面に沿って、筒状部12の上部開口から排出される加熱流体を排気口131に導く通路132が形成されるようになっている。排気口131には、必要に応じて、煙突が接続される。
【0178】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0180】
図33は、本発明の第6の実施の形態による燃焼装置141を示す概略正面図であり、
図28に対応している。
図34は、燃焼装置141を示す図であって、
図32に対応する図である。
図33及び
図34において、
図28及び
図32中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0181】
本実施の形態が前記第5の実施の形態と異なる所は、使用者が筒状部12内の炎を側方から観察し得る観察窓142A,142Bが設けられている点である。観察窓142Aは、耐熱ガラス等で構成され、筐体の+Y側の面に設けられている。観察窓142Bは、耐熱ガラス等で構成され、筒状部12に設けられている。
【0182】
本実施の形態によれば、使用者は、観察窓142A,142Bの両方を通して、筒状部12内の炎を側方から観察することができる。このため、当該燃焼装置141の最終段階の燃焼状況を容易に確認することができる。本実施の形態では、その最終段階の燃焼状況に応じて、レバー11を操作することによって吸気口9aの開度を調整することで、良好な燃焼状態にすることができる。
【0183】
このような観察窓は、他の実施の形態において設けてもよいことは、言うまでもない。
【0185】
図35は、本発明の第7の実施の形態による燃焼装置151を示す一部切欠き概略正面図であり、
図35中の切り欠いた部分は
図36中のX41−X42矢視図に相当している。
図36は、
図35中のX25−X26矢視図である。
図37は、
図35中のX27−X28矢視図である。
図38は、
図35中のX29−X30矢視図である。
【0186】
本実施の形態による燃焼装置151は、主に、L字状の角筒部材152と、X軸方向に延びた角筒部材153と、筒状部154と、筒状部154の周囲及び角筒部材153の+X側部分を覆うように設けられた角筒部材155と、角筒部材155を覆うよう設けられた角筒部材156とを、組み合わせたような構造を有している。燃焼装置151を構成する各要素は、例えばステンレス鋼やその他の鋼材で構成される。
【0187】
L字状の角筒部材152のZ軸方向に延びた部分の上端の開口部161が薪等の投入口兼吸気口となっている。薪は、開口部161から縦方向に入れられる。L字状の角筒部材152内におけるL字の真ん中付近の空間が1次燃焼室162となっている。
【0188】
L字状の角筒部材152+X側の部分が、角筒部材153の−X側の開口部付近に嵌め込まれることで、L字状の角筒部材152が角筒部材153に対して取り外し可能に取り付けられている。
【0189】
炎及び可燃性ガスを含む流体が筒状部154内を上昇する。筒状部154は、上下に延びている。本実施の形態では、筒状部154は、円筒部として構成されている。筒状部154の下側部分は、角筒部材153の+X側の位置において、角筒部材153内に入り込んでいる。筒状部154は、角筒部材153から上方へ突出している。
【0190】
角筒部材153内へ入り込んだ筒状部154の下側部分において、−X側半分がカットされている。そのカットされた箇所が、1次燃焼室162での薪等の固形燃焼物の燃焼により発生する未燃焼の可燃性ガスを含む流体が筒状部154内に導入される導入口154aとなっている。
【0191】
L字状の角筒部材152内及び角筒部材153内のうち、1次燃焼室162から導入口154aまでの部分が、1次燃焼室162での薪等の固形燃焼物の燃焼により発生する前記未燃焼の可燃性ガスを含む前記流体を導入口154aに導く案内路163となっている。導入口154aに導入された前記流体は、筒状部154内を上昇する。
【0192】
角筒部材156の下端側には、角筒部材156の下端よりも上側の位置において、底板157が設けられている。角筒部材153の−X側の開口部付近が、角筒部材156の−X側部分から−X側に突出している。角筒部材153の残りの+X側部分は、底板157上に設けられている。
【0193】
角筒部材153の+X側の端部は、角筒部材156によって閉塞されている。
【0194】
角筒部材156は、その下部側において、筒状部154内に空気を導入する空気導入口154bを有している。本実施の形態では、空気導入口154bは、角筒部材153内に入り込んだ筒状部154の下側部分における+Z側の位置において、円周方向に形成された所定数の孔として構成されている。本実施の形態では、空気導入口154bを構成する各孔は筒状部154の径方向に向けて形成されている。
【0195】
そして、外部の空気を空気導入口154bに導く導気路が、当該空気が燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で空気導入口154bに導かれるように形成されている。
【0196】
具体的には、本実施の形態では、筒状部154より仕切られた角筒部材153の+X側の内部空間163は、角筒部材153の底面部及び底板157に形成された吸気孔164から外部に連通している。外部の空気は、吸気孔164及び内部空間163を経て、空気導入口154bに導かれる。この経路が、外部の空気を空気導入口154bに導く導気路となっている。このとき、外部の空気は、筒状部154の下部付近での2次燃焼等により発生する熱などによって予め加熱された状態で、空気導入口154bに導かれる。
【0197】
筒状部154と角筒部材155との間の空間は、その上端が上端閉塞板165で閉塞されている。上端閉塞板165は、筒状部154の上端の開口部154dを覆わないように、開口部154dに対応する穴を有している。
【0198】
そして、本実施の形態では、筒状部154内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔154cが、空気導入口154bよりも高い位置において、筒状部154の側部に設けられている。本実施の形態では、前記1つ以上の空気導入孔154cは、上端付近において円周方向に並ぶように形成されている。本実施の形態では、1つ以上の空気導入孔154cは筒状部154の径方向に向けて形成されている。
【0199】
そして、本実施の形態では、外部の空気を1つ以上の空気導入孔154cに導く導気路が、当該空気が筒状部154の熱により予め加熱された状態で1つ以上の空気導入孔154cに導かれるように形成されている。
【0200】
具体的には、本実施の形態では、筒状部154と角筒部材155との間でかつ角筒部材153の外側の空間166は、底板157に形成された吸気孔167から外部に連通している。外部の空気は、吸気孔167及び空間166を経て、空気導入孔154cに導かれる。この経路が、外部の空気を空気導入孔154cに導く導気路となっている。このとき、外部の空気は、筒状部154の熱などによって予め加熱された状態で、空気導入孔154cに導かれる。
【0201】
先の説明からわかるように、外部の空気を空気導入口154bに導く前記導気路と、外部の空気を1つ以上の空気導入孔154cに導く導気路とは、独立している。
【0202】
本実施の形態では、角筒部材156の上端の閉塞部156aは、筒状部154の上端の開口部154dと間隔をあけて対面している。角筒部材156の上端の閉塞部156a上に、調理器具ややかん等を載せて調理をしたりお湯を沸かしたり、閉塞部156a自体を料理テーブルとして利用することができる。角筒部材156の上端の閉塞部156aは、角筒部材156の本体から取り外し可能に構成されている。もっとも、閉塞部156aは取り外せなくてもよい。
【0203】
本実施の形態では、角筒部材156には、筒状部154の上端の開口部154dよりも低い位置において排気口156bが設けられている。角筒部材156は、筒状部154及び角筒部材155を覆って、筒状部154の上端の開口部12dから出る流体を排気口156bに導く。排気口156bには、必要に応じて、煙突が接続される。
【0204】
本実施の形態によれば、筒状部154の下部付近における渦巻き状の旋回や筒状部154の上部付近における渦巻き状の旋回は起きないものの、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0206】
図39は、本発明の第8の実施の形態による燃焼装置171を示す概略平面図である。
図40は、
図39中のX31−X32矢視図である。
図41は、
図40中のX33−X34線に沿った概略断面図である。
図42は、
図40中のX35−X36線に沿った概略断面図である。
図43は、本実施の形態による燃焼装置171で用いられている燃焼促進装置173を単体で示す概略断面図である。
【0207】
本実施の形態による燃焼装置171は、燃焼装置本体172と、燃焼装置本体172に取り付けられた燃焼促進装置173とを備えている。
【0208】
燃焼装置本体172は、薪等の固形燃焼物181が入れられるとともに空気が導入される燃焼室182と、燃焼室182を開閉する扉183と、燃焼室182の上部に部分的に設けられた開口部182aとを備えている。
【0209】
燃焼装置本体172は、第1の筒状部191と、第2の筒状部192とを備えている。第1の筒状部191は、上端及び下端に開口部191a,191bをそれぞれ有している。下端の開口部191bが燃焼室182の上部の開口部182aに接続されている。第2の筒状部192は、第1の筒状部191の上端の開口部191aと間隔をあけて対面する上端の閉塞部192aを有している。第2の筒状部192の下端と第1の筒状部191の側部との間は閉塞されている。第2の筒状部192の上端の閉塞部192a上に、調理器具ややかん等を載せて、調理をしたりお湯を沸かしたりすることができる。第2の筒状部192の上端の閉塞部192aは、第2の筒状部192の本体から取り外し可能に構成してもよい。
【0210】
第2の筒状部192には、第1の筒状部191の上端の開口部191aよりも低い位置において排気口193が設けられている。第2の筒状部192は、第1の筒状部191を覆って、第1の筒状部191の上端の開口部191aから出る流体を排気口193に導く。排気口193には、必要に応じて、煙突が接続される。
【0211】
第1の筒状部191内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔191cが、第1の筒状部191の側部に設けられている。本実施の形態では、前記1つ以上の空気導入孔191cは、第1の筒状部191の+Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ7個の空気導入孔191cと、第1の筒状部191の−Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ7個の空気導入孔192cの、合計14個の空気導入孔191cからなる。もっとも、本発明では、前記1つ以上の空気導入孔191cの数や配置はこの例に限らない。
【0212】
1つ以上の空気導入孔191cは、1つ以上の空気導入孔191cから第1の筒状部191内に導入される空気により、第1の筒状部191の上端の開口部191aから出る流体の旋回が発生されるように、形成されている。具体的には、本実施の形態では、1つ以上の空気導入孔12cは、
図41に示すように、径方向に対して斜めに傾けて形成されている。
【0213】
また、本実施の形態では、第2の筒状部192の外部の空気を1つ以上の空気導入孔191cに導く導気路が、当該空気が筒状部12の熱により予め加熱された状態で1つ以上の空気導入孔191cに導かれるように形成されている。
【0214】
具体的には、本実施の形態では、第1の筒状部191の+Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ7個の空気導入孔191cは、Z軸方向に延びた加熱ダクトとなる1本の断面コ字状部材19で覆われている。同様に、筒状部191の−Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ7個の空気導入孔191cは、Z軸方向に延びた加熱ダクトとなるもう1本の断面コ字状部材194で覆われている。各断面コ字状部材194の上端及び下端は閉塞されている。各断面コ字状部材194の下端付近の側部に、通気管195が設けられている。通気管195は、第2の筒状部192を貫通して外部に連通しており、断面コ字状部材194の内部に外部の空気を導入する。
【0215】
本実施の形態では、第2の筒状部192は、円筒部とされているが、これに限らず、例えば、角筒部などでもよい。また、第1の筒状部191も、円筒部とされているが、これに限らない。例えば、第1の筒状部191の断面形状は、例えば、楕円形状、凸多角形状、凹多角形状、前述したかざぐるま状の形状でもよい。
【0216】
本実施の形態によれば、燃焼室182から未燃焼の可燃ガスを含む流体が第1の筒状部191の下端の開口部191bから第1の筒状部191内に導入される。そして、本実施の形態では、第1の筒状部191内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔191cが、第1の筒状部191の側部に設けられ、第2の筒状部192の外側の空気を1つ以上の空気導入孔191cに導く導気路が、当該空気が第1の筒状部191の熱により予め加熱された状態で1つ以上の空気導入孔191cに導かれるように形成されている。したがって、1つ以上の空気導入孔191cから空気が導入されることによって、第1の筒状部191内に導入された未燃焼の可燃ガスが燃焼する。このため、本実施の形態によれば、燃焼装置本体172に燃焼促進装置173を取り付けずに、燃焼装置本体172の上部の開口部182aに煙突を直接に接続した場合に比べて、燃焼が促進され、当該燃焼装置171の燃焼効率を高めることができる。なお、排気口193には、必要に応じて、煙突が接続される。
【0217】
例えば、燃焼装置本体172に煙突を直接接続したような既存の燃焼装置がある場合、燃焼装置本体172と煙突との間に燃焼促進装置173を追加するだけで、当該燃焼装置の燃焼効率を高めることができる。
【0218】
したがって、
図43に示すような燃焼促進装置173の単体でも商品価値があり、燃焼促進装置173の単体で販売する価値がある。
【0219】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0220】
例えば、本実施の形態による燃焼装置は、乾燥機、融雪機、焼却機などとしても利用することができる。