【解決手段】小形固形燃焼物用支持装置61は、小形固形燃焼物を燃焼させる燃焼装置において用いられ、小形固形燃焼物を支持する。装置61は、複数の部材62を備える。各部材62の少なくとも一部が、第1の方向から見たときにU字状、V字状、W字状、鋸刃状又は波形状の形状をなすとともに、前記第1の方向に対して直交する第2の方向から見たときに直線状の形状をなす。前記複数の部材62は、前記第1の方向から見たときに前記各部材の前記U字状、V字状、W字状、鋸刃状又は波形状の前記形状がほぼ重なるように、前記第1の方向に互いに間隔をあけて設けられ、前記第1の方向及び前記第2の方向に対して直交する第3の方向の一方側を上側として、前記複数の部材の上に前記小形固形燃焼物が積載される。
前記間隔は、燃焼前の前記小形固形燃焼物が前記間隔から抜け落ちないとともに、前記小形固形燃焼物の燃焼が進んで当該小形固形燃焼物がある程度小さくなったときに、当該小形固形燃焼物が前記間隔から抜け落ちるように、設定されることを特徴とする請求項1又は2記載の小形固形燃焼物用支持装置。
前記複数の部材に対する前記第3の方向の他方側に前記複数の部材から間隔をあけて配置されて、前記各部材間の前記間隔から抜け落ちる小形固形燃焼物を受け止めるロストルを、備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の小形固形燃焼物用支持装置。
前記ロストルは、その前記第2の方向の一方側において、前記第2の方向の前記一方側から他方側へ向かう空気の流れを低減する低減部を有することを特徴とする請求項5記載の小形固形燃焼物用支持装置。
前記複数の部材上に前記小形固形燃焼物が積載される状態となるように前記小形固形燃焼物を収容する収容部を備えたことを特徴とする請求項8乃至10のいずれかに記載の燃焼装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の燃焼装置では、モータの動力により作動する燃料搬送装置が用いられているので、使用に際して電力供給が不可欠となる、部品点数が増大してしまいコストアップを免れない、故障が起き易い、寿命が短いなどの不都合が生ずる。
【0006】
この点は、木質ペレット以外の小形固形燃焼物を燃焼させる燃焼装置について同様である。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼に供することができる小形固形燃焼物用支持装置、及び、これを用いた燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、小形固形燃焼物を燃焼させる燃焼装置において用いられ前記小形固形燃焼物を支持する小形固形燃焼物用支持装置であって、複数の部材を備え、前記各部材の少なくとも一部が、第1の方向から見たときにU字状、V字状、W字状、鋸刃状又は波形状の形状をなすとともに、前記第1の方向に対して直交する第2の方向から見たときに直線状の形状をなし、前記複数の部材は、前記第1の方向から見たときに前記各部材の前記U字状、V字状、W字状、鋸刃状又は波形状の前記形状がほぼ重なるように、前記第1の方向に互いに間隔をあけて設けられ、前記第1の方向及び前記第2の方向に対して直交する第3の方向の一方側を上側として、前記複数の部材の上に前記小形固形燃焼物が積載されるものである。
【0009】
前記小形固形燃焼物としては、木質ペレットや、ガーデンシュレッダ等で小片化された木材や竹などのウッドチップなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0010】
この第1の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、下記第5の態様のように前記複数の部材の下側(第3の方向の他方側)に前記複数の部材から間隔をあけて配置されたロストルを有するか、自身がそのようなロストルを有していない場合には、燃焼装置における使用に際して下記第10の態様のようにそのようなロストルが前記複数の部材の下側に配置される。この第1の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、下記第3の態様のように燃焼するべき小形固形燃焼物の大きさに合わせて各部材間の間隔を設定しておく。そして、燃焼装置におけるこの小形固形燃焼物用支持装置の使用の際には、この小形固形燃焼物用支持装置は、燃焼装置に対して下記第8又は第10の態様のように設定される。
【0011】
そうすることで、前記複数の部材の上に前記小形固形燃焼物が積載された小形固形燃焼物のうち、前記複数の部材の直上付近の小形固形燃焼物が燃焼しその燃焼が進んで当該小形固形燃焼物がある程度小さくなると、当該小形固形燃焼物が前記複数の部材の間隔から自重で抜け落ち、その直上に積載されていた未燃焼の小形固形燃焼物が自重で前記複数の部材上の直上付近に位置してその燃焼が開始する一方で、抜け落ちた燃焼中の小形固形燃焼物が下側のロストルで受け止められて当該小形固形燃焼物の燃焼は当該小形固形燃焼物が焼失するまで継続する。
【0012】
このような状況を継続して繰り返し、前記複数の部材上に積載された小形固形燃焼物は、下側のものから少しずつ燃焼されていくことになる。このとき、前記複数の部材の形状及び配置が前述したように設定されており、前記燃焼室には横方向の一方側から他方側へ向けて空気が導入され、前記第2の方向が前記横方向と一致しているので、前記複数の部材の直上付近の小形固形燃焼物や前記ロストル上の小形固形燃焼物に対して良好に空気が供給され、良好な燃焼を実現することができる。なお、前記燃焼室には横方向の一方側から他方側へ向けて空気が導入されるので、その空気の流れがある程度以上に強ければ、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる灰は、吹き飛ばされて、小形固形燃焼物の落下を邪魔しない。
【0013】
以上の説明からわかるように、前記複数の部材は小形固形燃焼物の第1段階の燃焼のためのロストル機能を担い、前記ロストルは小形固形燃焼物の第2段階の燃焼を実現する。そして、前記複数の部材は、前記ロストル機能のみならず、自重による自然落下を巧みに利用した下側のロストルに対する小形固形燃焼物の搬送機能も担っている。
【0014】
このように、前記第1の態様による小形固形燃焼物用支持装置によれば、小形固形燃焼物の良好な燃焼を実現しつつ、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼に供することができる。
【0015】
第2の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、前記第1の態様において、前記各部材が丸棒部材であるものである。
【0016】
この第2の態様によれば、前記各部材が丸棒部材であるので、その断面形状が円形であるため、ある程度小さくなった小形固形燃焼物が前記間隔から抜け落ち易くなる。もっとも、前記第1の態様では、前記各部材は丸棒部材に限らない。例えば、前記各部材として角棒部材を用いても、その幅がある程度狭ければ、燃焼によりある程度小さくなった小形固形燃焼物が前記間隔から抜け落ち易くなる。
【0017】
第3の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、前記第1又は第2の態様において、前記間隔は、燃焼前の前記小形固形燃焼物が前記間隔から抜け落ちないとともに、前記小形固形燃焼物の燃焼が進んで当該小形固形燃焼物がある程度小さくなったときに、当該小形固形燃焼物が前記間隔から抜け落ちるように、設定されるものである。
【0018】
第4の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記間隔を変更し得るように構成されたものである。
【0019】
この第4の態様によれば、前記間隔を変更し得るので、燃焼させようとする小形固形燃焼物の大きさに合わせて前記間隔を変更することで、異なる大きさの小形固形燃焼物(例えば、木質ペレットとウッドチップ)を燃焼させることができる。
【0020】
第5の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記複数の部材に対する前記第3の方向の他方側に前記複数の部材から間隔をあけて配置されて、前記各部材間の前記間隔から抜け落ちる小形固形燃焼物を受け止めるロストルを、備えたものである。
【0021】
第6の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、前記第5の態様において、前記ロストルは、その前記第2の方向の一方側において、前記第2の方向の前記一方側から他方側へ向かう空気の流れを低減する低減部を有するものである。
【0022】
この第6の態様によれば、下記第9の態様による燃焼装置において用いることで、下記第9の態様のように当該小形固形燃焼物用支持装置の燃焼装置に対する設置の向きを変えることで、小形固形燃焼物に供給される空気の流れを強弱することができ、これにより燃焼の火力を調整することができる。
【0023】
第7の態様による小形固形燃焼物用支持装置は、前記第6の態様において、前記ロストルはパンチングメタルで構成され、前記低減部は、前記ロストルの前記第2の方向の前記一方側の端部に向かうほど立ち上がる傾斜部であるものである。
【0024】
この第7の態様によれば、燃焼室内を流れる空気による灰の吹き飛ばし効果に対する影響を低減することができる。もっとも、前記第6の態様では、前記第7の構成に限らない。
【0025】
第8の態様による燃焼装置は、前記第5乃至第7のいずれかの態様による小形固形燃焼物用支持装置と、横方向の一方側から他方側へ向けて空気が導入される燃焼室と、を備え、前記小形固形燃焼物用支持装置は、前記第2の方向が前記横方向と一致するとともに前記複数の部材の少なくとも下側部分が前記燃焼室内に位置するように、設置されるものである。
【0026】
第9の態様による燃焼装置は、前記第6又は第7の態様による小形固形燃焼物用支持装置と、横方向の一方側から他方側へ向けて空気が導入される燃焼室と、を備え、前記小形固形燃焼物用支持装置は、前記第2の方向が前記横方向と一致するとともに前記複数の部材の少なくとも下側部分が前記燃焼室内に位置するように、設置され、前記小形固形燃焼物用支持装置の向きを、前記第2の方向の前記一方側が前記横方向の前記一方側と一致する向き及び前記第2の方向の他方側が前記横方向の前記一方側と一致する向きのいずれの向きにも選択して設定し得るように、構成されたものである。
【0027】
第10の態様による燃焼装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様による小形固形燃焼物用支持装置と、横方向の一方側から他方側へ向けて空気が導入される燃焼室と、ロストルと、を備え、前記小形固形燃焼物用支持装置は、前記第2の方向が前記横方向と一致するとともに前記複数の部材の少なくとも下側部分が前記燃焼室内に位置するように、設置され、前記ロストルは、前記複数の部材に対する前記第3の方向の他方側に前記複数の部材から間隔をあけて配置されて、前記各部材間の前記間隔から抜け落ちる小形固形燃焼物を受け止めるものである。
【0028】
第11の態様による燃焼装置は、前記第8乃至第10のいずれかの態様において、前記複数の部材上に前記小形固形燃焼物が積載される状態となるように前記小形固形燃焼物を収容する収容部を備えたものである。
【0029】
このような収容部は、前記第1乃至第7のいずれかの態様による小形固形燃焼物用支持装置自身が有していてもよいが、前記第11の態様のように燃焼装置の側に設けておけば、前記小形固形燃焼物用支持装置の取り扱いが容易となる。
【0030】
第12の態様による燃焼装置は、前記第11の態様において、前記収容部の上部付近に、前記小形固形燃焼物を投入する投入口が設けられ、前記投入口を開閉する蓋を備えたものである。
【0031】
この第12の態様によれば、前記投入口を蓋で閉じると、小形固形燃焼物から熱で発生する可燃性ガスが逃げ難くなり、燃焼効率が向上する。もっとも、前記第11の態様では、前記蓋は必ずしも必要ない。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼に供することができる小形固形燃焼物用支持装置、及び、これを用いた燃焼装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明による小形固形燃焼物用支持装置及び燃焼装置について、図面を参照して説明する。
【0035】
本発明の一実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61の説明に先立って、この小形固形燃焼物用支持装置61を装着し得る燃焼装置の一例について、
図1乃至
図6を参照して説明する。
【0036】
図1は、本例による燃焼装置1を示す一部切欠き概略正面図である。
図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。X軸方向のうち矢印の向きを+X方向又は+X側、その反対の向きを−X方向又は−X側と呼び、Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。Z軸は上下方向と一致し、+Z側が上側、−Z側が下側となっている。これらの点は、後述する図についても同様である。
【0037】
図2は、
図1中のZ1−Z2矢視図である。
図3は、
図1中のX1−X2矢視図である。
図4は、
図1中のX3−X4に沿った概略断面図である。ただし、理解を容易にするため、
図4において、後述する開口部16も記載している。
図5は、
図1中のX5−X6に沿った概略断面図である。
図6は、
図1中の筒状部の下部付近を示す概略斜視図である。
【0038】
本例による燃焼装置1は、
図1に示すように、Z軸方向に延び−Z側が斜めにカットされた角筒部材2と、X軸方向に延び−X側が斜めにカットされた角筒部材3とを有している。角筒部材2,3は、後述する筒状部12やその他の部材と同じく、例えばステンレス鋼やその他の鋼材で構成される。角筒部材2,3の斜め部分同士が溶接されることで、それらの内部に、概略L字状の内部空間が形成されている。
図1中のLは、その溶接ラインを示している。
【0039】
前記内部空間のうちの−X側かつ下側の空間が1次燃焼室4となる。前記内部空間のうちの1次燃焼室4の上方の空間は、固形燃焼物としての薪5などを収容する収容室6となる。本例では、薪5は、
図1に示すように、収容室6から1次燃焼室4にかけて起立状態で入れられるようになっている。収容室6の上部の開口部は、薪5等の固形燃焼物の投入口6aであり、ヒンジ7により角筒部材2に結合された蓋8により開閉し得るようになっている。
【0040】
角筒部材2の−X側の下部には、−X側に吸気口9aを有する角筒状の口部材9が設けられている。角筒部材2において吸気口9aと対向する箇所には、開口部が設けられている。これにより、吸気口9aは、1次燃焼室4の−X側の下部と連通している。なお、口部材9の吸気口a側は、例えば、+Y側から見て時計方向に若干傾斜させておいてもよい。
【0041】
口部材9には、吸気口9aを開閉する扉10が軸支されている。扉10は、レバー11を操作することによって吸気口9aを開閉することができるとともに、摩擦等により任意の角度(すなわち、吸気口9aの任意の開度)に保持し得るようになっている。なお、
図1乃至
図3は、扉10が全開した状態を示している。本例では、吸気口9aは、燃焼開始当初に、バーナーを差し入れて薪5等の固形燃焼物に着火するためにも用いられる。
【0042】
このように、本例では、1次燃焼室4が、固形燃焼物が入れられるとともに空気が導入される燃焼室となっている。本例では、吸気口9aが幾分なりとも開かれかつ投入口6aが蓋8で閉じられると、自然吸気により、空気が1次燃焼室4に対して、横方向の一方側(−X側)から横方向の他方側へ向けて導入されることになる。吸気口9aが幾分なりとも開かれかつ投入口6aが蓋8が開かれたままであると、自然吸気により、空気が1次燃焼室4に対して、横方向の一方側(−X側)から横方向の他方側(+X側)へ向けて導入される同時に、上側(+Z側)から横方向の他方側(+X側)へ向けて導入されることになる。吸気口9aが閉じられ投入口6aが開かれると、自然吸気により、空気が1次燃焼室4に対して、上側(+Z側)から横方向の他方側(+X側)へ向けて導入されることになる。
【0043】
また、本例による燃焼装置1は、炎及び可燃性ガスを含む流体が前記筒状部12内を上昇する筒状部12を備えている。筒状部12は、上下に延びている。本例では、筒状部12は、円筒部として構成されている。また、本例では、筒状部12の下側部分は、1次燃焼室4から+X側に所定距離だけ離れた位置において、角筒部材3内に入り込んでいる。筒状部12は、角筒部材3から上方へ突出している。
【0044】
筒状部12は、その下部側において、1次燃焼室4での前記固形燃焼物の燃焼により発生する未燃焼の可燃性ガスを含む流体が筒状部12内に導入される導入口12aを有している。本例では、導入口12aは、
図4及び
図6に示すように、角筒部材3内に入り込んだ筒状部12の下側部分の側方に形成された比較的幅の広いスリットとして構成されている。
【0045】
角筒部材3内において、1次燃焼室4での薪5等の固形燃焼物の燃焼により発生する前記未燃焼の可燃性ガスを含む前記流体を導入口12aに導く案内路13が形成されている。
【0046】
本例では、導入口12a及び案内路13は、導入口12aから筒状部12内に導入された前記流体が渦状に旋回するように、構成されている。具体的には、
図4に示すように導入口12aが配置されるとともに、
図4に示すように案内路13を形成する案内板14が角筒部材3内において斜めに配置されている。これによって、1次燃焼室4からの流体が筒状部12の概略接線方向に沿って筒状部12内に導入され、前記流体の渦状の旋回が実現されるようになっている。
【0047】
筒状部12は、その下部側において、筒状部12内に空気を導入する空気導入口12bを有している。本例では、空気導入口12bは、
図4及び
図6に示すように、角筒部材3内に入り込んだ筒状部12の下側部分の側方に形成された幅の狭いスリットとして構成されている。
【0048】
そして、外部の空気を空気導入口12bに導く導気路が、当該空気が燃焼により発生する熱により予め加熱された状態で空気導入口12bに導かれるように形成されている。
【0049】
具体的には、本例では、角筒部材3の下面のほぼ全体に渡って、加熱ダクトとなる扁平した角筒部材15が設けられている。角筒部材15の−X側の端部は開口部15aとなっており、ここから外部の空気が導入される。角筒部材15の上面部及び角筒部材3の下面部には、+X側の位置において、開口部16が形成されている。開口部16は、角筒部材15の内部空間と、筒状部12より仕切られた角筒部材3の+X側の内部空間17との間を連通させる。角筒部材15の開口部15aから導入された外部の空気は、角筒部材15を内部空間を−X側から+X側へ通過して開口部16から内部空間17を経て空気導入口12bに導かれる。この経路が、外部の空気を空気導入口12bに導く導気路となっている。このとき、外部の空気は、1次燃焼室4の燃焼で発生した熱や筒状部12の下部付近で起きる2次燃焼で発生した熱などによって予め加熱された状態で、空気導入口12bに導かれる。なお、角筒部材15の下面には、転倒防止板18が設けられている。
【0050】
なお、スリット12bの角度位置θ(
図4参照)によっても燃焼効率に差異が生ずるので、その角度位置θは燃焼効率が極力高まるように設定することが好ましい。
【0051】
そして、本例では、筒状部12内に空気を導入する1つ以上の空気導入孔12cが、空気導入口12bよりも高い位置において、筒状部12の側部に設けられている。本例では、前記1つ以上の空気導入孔12cは、筒状部12の+Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cと、筒状部12の−Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cの、合計16個の空気導入孔12cからなる。もっとも、本発明では、前記1つ以上の空気導入孔12cの数や配置はこの例に限らない。
【0052】
1つ以上の空気導入孔12cは、1つ以上の空気導入孔12cから筒状部12内に導入される空気により、筒状部12内を上昇する炎及び可燃性ガスを含む流体の旋回が発生又は助長されるように、形成されている。
【0053】
具体的には、本例では、1つ以上の空気導入孔12cは、
図5に示すように、導入口12a及び案内路13により引き起こされる前記流体の渦状の旋回が上側(+Z側)から見て反時計方向であるので、その旋回を助長させるべく、1つ以上の空気導入孔12cから導入された空気が同じ反時計方向の旋回力を与える方向に、径方向に対して斜めに傾けて形成されている。
【0054】
また、本例では、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路が、当該空気が筒状部12の熱により予め加熱された状態で1つ以上の空気導入孔12cに導かれるように形成されている。
【0055】
具体的には、本例では、筒状部12の+Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cは、Z軸方向に延びた加熱ダクトとなる1本の断面コ字状部材19で覆われている。同様に、筒状部12の−Y側側部においてZ軸方向に間隔をあけて1列に並んだ8個の空気導入孔12cは、Z軸方向に延びた加熱ダクトとなるもう1本の断面コ字状部材19で覆われている。各断面コ字状部材19の上端は閉塞され、各断面コ字状部材19の下端は開口されている。各断面コ字状部材の下端の開口部19aから、外部の空気が導入される。
【0056】
先の説明からわかるように、外部の空気を空気導入口12bに導く前記導気路と、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路とは、独立している。
【0057】
本例では、筒状部12の上端は、開口しており、開口部12dとなっている。筒状部12の上端付近には、フライパン等の調理器具ややかん等を載せるための五徳として機能する部材20が設けられている。
【0058】
本例によれば、蓋8を開いて投入口6aから薪5を投入し、扉10を開けてバーナー等で薪5に着火させる。着火後は、吸気口9a及び投入口6aのうちの少なくとも一方を開いておけばよい。燃焼ガスは、案内路13及び導入口12aを経て筒状部12内を経て筒状部12の上部開口部12dから外部に排出される。バーナー等及び燃焼ガスで筒状部12が過熱されていくと、筒状部12内で強い上昇気流が発生して自然吸気が可能となっていく。徐々に、加熱ダクトとなる角筒部材15も加熱されていき、角筒部材15を通って加熱された外気が、開口部16及び内部空間17を経て空気導入口12bから筒状部12内の下部付近に導入されるようになっていく。
【0059】
筒状部12内の下部付近では、導入口12aから導入された未燃焼の可燃性ガスと空気導入口12bから導入された加熱空気とが混合されて2次燃焼が促進され、高温ガスが筒状部12内に導入されるようになるため、筒状部12内の上昇気流は更に強まる。
【0060】
筒状部12の側部には、1つ以上の空気導入孔12cが形成されており、外部の空気が加熱ダクトとなる断面コ字状部材19を通って加熱された外気が、1つ以上の空気導入孔12c供給されるため、2次燃焼で燃焼しきれなかった可燃性の未燃焼ガスが3次燃焼が起きる。この3次燃焼により、2次燃焼で燃焼しきれない未燃焼の可燃性ガスが生じてもそれが燃焼され、完全燃焼により近づくため、燃焼効率が向上する。
【0061】
このように、本例によれば、1つ以上の空気導入孔12cから空気が導入されなければ、酸欠状態となって可燃性ガスが燃焼し得ないような筒状部12内の箇所においても、1つ以上の空気導入孔12cから空気が導入されることによって、当該可燃性ガスが燃焼する。このため、本例によれば、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率を高めることができる。
【0062】
そして、本例では、1つ以上の空気導入孔12cは、1つ以上の空気導入孔12cから筒状部12内に導入される空気により前記流体の渦状の旋回が発生又は助長されるように、形成されている。したがって、本例によれば、前記旋回により1つ以上の空気導入孔12cから導入された空気が筒状部12内に行き渡り易くなって前記可燃性ガスが燃焼し易くなるため、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0063】
また、本例によれば、導入口12a及び案内路13は、導入口12aから筒状部12内に導入された前記流体が渦状に旋回するように構成されているので、導入口12aから筒状部12内に導入された前記流体が渦状に旋回するので、筒状部12内の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0064】
さらに、本例によれば、1つ以上の空気導入孔12cから導入される空気が予め加熱された状態で筒状部12内に導入されるので、筒状部12内の可燃性ガスがより燃焼し易くなり、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0065】
さらにまた、本例によれば、空気導入口12bから予め加熱された空気が筒状部12内に導入されることによって、筒状部12内の前記可燃性ガスが燃焼され、その後に、その燃焼によっても燃焼されずに未燃焼のまま上昇する筒状部12内の前記可燃性ガスが、空気導入口12bよりも上方に配置された1つ以上の空気導入孔12cから導入された空気によって酸素が供給されて燃焼する。このように、筒状部12内において、1つ以上の空気導入孔12cから導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼に先立って、空気導入口12bから導入される空気による前記可燃性ガスの燃焼が行われる。したがって、本例によれば、筒状部12内で前記可燃性ガスの燃焼がより促進されるので、筒状部12内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0066】
そして、本例によれば、外部の空気を空気導入口12bに導く前記導気路は、外部の空気を1つ以上の空気導入孔12cに導く導気路と独立して設けられているので、両導気路を一部共通化するような場合に比べて、空気導入口12bと1つ以上の空気導入孔12cに、それぞれ必要十分な量の空気を導入することを容易に実現することができる。したがって、本例によれば、この点からも、前記筒状部内における前記可燃性ガスの燃焼効率をより高めることができる。
【0067】
前記燃焼装置1は、
図7乃至
図12に示す本発明の一実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61と共に用いることで、木質ペレットやガーデンシュレッダ等で小片化された木材や竹などのウッドチップなどの小形固形燃焼物の良好な燃焼を実現しつつモータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼に供することができる。
【0068】
図7は、前記燃焼装置1に本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61を装着する前の状態を示す一部切欠き概略正面図であり、
図1に対応している。
図8は、前記燃焼装置1に
図7中の小形固形燃焼物用支持装置61を装着した後の状態を示す一部切欠き概略正面図である。
図9は、
図7及び
図8中の小形固形燃焼物用支持装置61を示す概略正面図である。
図10は、
図9中のZ5−Z6矢視図である。
図11は、
図9中のX17−X18矢視図である。
図12は、
図7及び
図8中の小形固形燃焼物用支持装置61を示す概略斜視図である。
【0069】
本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61は、小形固形燃焼物を燃焼させる燃焼装置1において用いられ、前記小形固形燃焼物を支持するものである。
【0070】
本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61は、複数(本例では6個がその数は6個に限らない。)の部材62を備えている。各部材62の少なくとも一部(本例では、下側部分(−Z側部分))が、第1の方向(本例では、Y軸方向)から見たときに、V字状の形状をなしている。本例では、各部材62の上側部分(+Z側部分)はZ軸方向に延びており、各部材62は、前記第1の方向から見たとき、全体として野球のベース状の形状をなしている。もっとも、各部材62は、前記第1の方向から見たとき、全体としてV字状の形状をなすようにしてもよい。各部材62の前記少なくとも一部は、前記第1の方向から見たときにV字状に代えて、U字状、W字状、鋸刃状又は波形状の形状をなしてもよい。本例では、前記V字状の字面の上側が実際の上側(+Z側)と一致している。U字状又はW字状を採用する場合も、U字状又はW字状の字面の上側が+Z側と一致させられる。
【0071】
各部材62の前記少なくとも一部は、前記第1の方向に対して直交する第2の方向(X軸方向)から見たときに直線状の形状をなしている。
【0072】
前記複数の部材62は、前記複数の部材は、前記第1の方向(Y軸方向)から見たときに各部材62の前記V字状の前記形状がほぼ重なるように、前記第1の方向(Y軸方向)に互いに間隔dをあけて設けられている。
【0073】
本実施の形態では、各部材62として丸棒が用いられているが、これに限らない。
【0074】
本実施の形態では、各部材62の上側部分が、+X側及び−X側においてそれぞれ、YZ平面と平行な連結板63に溶接されて連結されている。また、XZ平面と平行な2枚の側板64が、前記複数の部材62を挟むように配置されている。2枚の側板64の上部間が、+X側及び−X側においてそれぞれ、Y軸方向に延びる角棒65によって連結されている。+X側及び−X側においてそれぞれ、連結板63と角棒65との間も溶接されている。2枚の側板64の上部付近の間が、X軸方向の中央で、使用者が把持するための把持部を兼ねるY軸方向に延びた丸棒66で連結されている。
【0075】
この小形固形燃焼物用支持装置61は、前記第1の方向(Y軸方向)及び前記第2の方向(X軸方向)に対する第3の方向(Z軸方向)の一方側である+Z側を上側として、前記複数の部材62の上に前記小形固形燃焼物が積載されるものである。
【0076】
また、本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61は、前記複数の部材62に対する第3の方向(Z軸方向)の他方側(−Z側、下側)に前記複数の部材62から間隔Dをあけて配置されて、各部材61間の前記間隔dから抜け落ちる小形固形燃焼物を受け止めるロストル67を、備えている。本例では、ロストル67はパンチングメタルで構成され、基本的に、XY平面と平行な面内に配置されている。ロストル67は、両側板64に溶接されることで、前記複数の部材62の下側に配置されている。なお、
図10及び
図11では、パンチングメタルの孔67bの図示は省略している。なお、ロストル67は、パンチングメタルに限らない。
【0077】
本実施の形態では、ロストル67は、その前記第2の方向(X軸方向)の一方側(+X側)において、前記第2の方向(X軸方向)の前記一方側(+X側)から他方側(−X側)へ向かう空気の流れを低減する低減部67aを有している。本例では、低減部67aは、ロストル67の前記第2の方向(X軸方向)の前記一方側(+X側)の端部に向かうほど立ち上がる傾斜部となっている。
【0078】
なお、本実施の形態では、小形固形燃焼物用支持装置61を構成する各要素は、例えばステンレス鋼やその他の鋼材で構成される。
【0079】
各部材62のY軸方向の間隔dは、燃焼前の前記小形固形燃焼物が間隔dから抜け落ちないとともに、前記小形固形燃焼物の燃焼が進んで当該小形固形燃焼物がある程度小さくなったときに、当該小形固形燃焼物が前記間隔dから抜け落ちるように、設定されている。
【0080】
例えば、燃焼させようとする小形固形燃焼物が直径6mm〜7mm程度のペレットである場合、間隔dは、その直径よりも少し大きい8mm±1mm程度に設定される。このとき、各部材62として、例えば、断面の直径が9mmの丸棒が用いられる。前記間隔Dは、例えば、10mm程度に設定される。なお、側板64とそれに最も近い部材62との間のY軸方向の間隔は、例えば、間隔Dよりも小さく設定しておく。ロストル67としてパンチングメタルを用いる場合、分布される各孔67bの直径は例えば7mm程度とされ、各孔67bのX軸方向及びY軸方向のピッチは両方とも16mm程度とされる。また、側板64の下端からパンチングメタルからなるロストル67までの高さhは、例えば、25mm程度に設定される。
【0081】
本実施の形態では、Z軸方向から見た長方形状が、燃焼装置1の角筒部材2内の空間のXY平面と平行な断面の長方形状よりも若干小さくされている。これにより、小形固形燃焼物用支持装置61を、
図7に示すように投入口6aから入れていき、
図8に示すように設置することができるようになっている。
図8に示す設置状態では、小形固形燃焼物用支持装置61の側板64の下端が1次燃焼室4の底上に当接して、複数の部材62の下側部分及びロストル67が1次燃焼室4内に位置する。
図7及び
図8に示す例では、燃焼装置1について定義したX軸、Y軸及びZ軸及びそれらの矢印の向きと、小形固形燃焼物用支持装置61について定義したX軸、Y軸及びZ軸及びそれらの矢印の向きは完全に一致している。これにより、ロストル67の低減部67aは、吸気口9aとは反対側に位置している。しかし、本例では、小形固形燃焼物用支持装置61のX軸の矢印の向きが燃焼装置1のX軸の矢印の向きと逆になるように、小形固形燃焼物用支持装置61を燃焼装置1に設置することもできる。この場合、ロストル67の低減部67aは、吸気口9aの側に位置する。なお、ロストル67は、小形固形燃焼物用支持装置61側には設けずに、燃焼装置1の側に予め設けておいてもよい。
【0082】
燃焼装置1に対して
図8に示すように小形固形燃焼物用支持装置61を設置すると、小形固形燃焼物用支持装置61内における複数の部材62上の空間のみならず、その上の角筒部材2内の空間も、前記複数の部材62上に前記小形固形燃焼物が積載される状態となるように前記小形固形燃焼物を収容する収容部となる。
【0083】
なお、そのような収容部全体を小形固形燃焼物用支持装置61自身が有していてもよいが、本実施の形態のように、収容部の少なくとも一部を燃焼装置1の側に設けておけば、前記小形固形燃焼物用支持装置61の取り扱いが容易となる。
【0084】
図8に示すように小形固形燃焼物用支持装置61を設置した後に、蓋8を開いて投入口6aから前記収容部に小形固形燃焼物を収容させ、蓋8を閉じる。そして、扉10を開けてバーナー等で下側の小形固形燃焼物に着火させる。以下に説明する小形固形燃焼物用支持装置61における小形固形燃焼物の様子を除き、2次燃焼や3時燃焼などの燃焼装置1よりも後側の動作は、既に説明した薪5の燃焼時と同様である。
【0085】
本実施の形態では、前記複数の部材62の上に前記小形固形燃焼物が積載された小形固形燃焼物のうち、前記複数の部材62の直上付近の小形固形燃焼物が燃焼しその燃焼が進んで当該小形固形燃焼物がある程度小さくなると、当該小形固形燃焼物が前記複数の部材の間隔dから自重で抜け落ち、その直上に積載されていた未燃焼の小形固形燃焼物が自重で前記複数の部材62上の直上付近に位置してその燃焼が開始する一方で、抜け落ちた燃焼中の小形固形燃焼物が下側のロストル67で受け止められて当該小形固形燃焼物の燃焼は当該小形固形燃焼物が焼失するまで継続する。なお、場合によっては、小さくなった小形固形燃焼物は、パンチングメタルからなるロストル67の孔67bを抜け落ちて、1次燃焼室4の底で焼失するまで燃焼される可能性もある。
【0086】
このような状況を継続して繰り返し、前記複数の部材62上に積載された小形固形燃焼物は、下側のものから少しずつ燃焼されていくことになる。このとき、前記複数の部材62の形状及び配置が前述したように設定されており、前記燃焼室4には吸気口9aから横方向(X軸方向)の一方側(−X側)から他方側(+X側)へ向けて空気が導入され、前記第2の方向(X軸方向)が前記横方向(X軸方向)と一致しているので、前記複数の部材62の直上付近の小形固形燃焼物や前記ロストル67上の小形固形燃焼物に対して良好に空気が供給され、良好な燃焼を実現することができる。なお、前記燃焼室4には横方向(X軸方向)の一方側(−X側)から他方側(+X側)へ向けて空気が導入されるので、その空気の流れがある程度以上に強ければ、小形固形燃焼物の燃焼により生ずる灰は、吹き飛ばされて、小形固形燃焼物の落下を邪魔しない。
【0087】
以上の説明からわかるように、前記複数の部材62は小形固形燃焼物の第1段階の燃焼のためのロストル機能を担い、ロストル67は小形固形燃焼物の第2段階の燃焼を実現する。そして、前記複数の部材62は、前記ロストル機能のみならず、自重による自然落下を巧みに利用した下側のロストル67に対する小形固形燃焼物の搬送機能も担っている。
【0088】
このように、本実施の形態によれば、小形固形燃焼物の良好な燃焼を実現しつつ、モータの動力により作動する燃料搬送装置を用いることなく、小形固形燃焼物を少しずつ燃焼に供することができる。
【0089】
本実施の形態では、燃焼中に投入口6aを蓋8で閉じると、小形固形燃焼物から熱で発生する可燃性ガスが逃げ難くなり、燃焼効率が向上する。もっとも、燃焼中に投入口6aを必ずしも閉じる必要はない。
【0090】
なお、前記小形固形燃焼物としては、木質ペレットや、ガーデンシュレッダ等で小片化された木材や竹などのウッドチップなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0091】
また、本実施の形態では、前記各部材62が丸棒部材であるので、その断面形状が円形であるため、ある程度小さくなった小形固形燃焼物が前記間隔dから抜け落ち易くなる。もっとも、前記各部材62は丸棒部材に限らない。例えば、前記各部材と62して角棒部材を用いても、その幅がある程度狭ければ、燃焼によりある程度小さくなった小形固形燃焼物が前記間隔dから抜け落ち易くなる。
【0092】
本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61は、ロストル67が低減部67aを有しているので、当該小形固形燃焼物用支持装置61の燃焼装置1に対する設置の向き(X軸方向の向き)を変えることで、吸気口9aから小形固形燃焼物に供給される空気の流れを強弱することができ、これにより燃焼の火力を調整することができる。また、本例では、ロストル67の低減部67aは前記傾斜部であるので、燃焼室4内を流れる空気による灰の吹き飛ばし効果に対する影響を低減することができる。
【0093】
本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61は、燃焼装置1に対して装着及び取り外しが自在になっているため、燃焼装置1から小形固形燃焼物用支持装置61を取り外すことで、例えば、前述したように薪5等を燃焼させることも可能である。しかし、例えば、当該燃焼装置1を小形固形燃焼物専用として構成する場合には、小形固形燃焼物用支持装置61を燃焼装置1に取り外し不能に組み込んでもよい。
【0094】
本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61を変形して、各部材61の間隔dを変更し得るように構成してもよい。その変形例を
図13に示している。
図13は、小形固形燃焼物用支持装置61の変形例の要部を示す分解斜視図である。
【0095】
この変形例では、各部材62を溶接で連結板63に固定する代わりに、連結板にX軸方向に延びる2本の長穴65aを形成しておき、各部材62に2本の長穴65aに対応する2つのねじ孔62aを形成しており、長穴65aを挿通したねじ付きボルト71を各部材62のねじ孔62aにねじ込んで、所望の寸法の間隔dで各部材32を連結板63に対して固定できるようにされている。
【0096】
この変形例のように、前記間隔dが変更し得るようにしておけば、燃焼させようとする小形固形燃焼物の大きさに合わせて前記間隔dを変更することで、異なる大きさの小形固形燃焼物(例えば、木質ペレットとウッドチップ)を燃焼させることができる。
【0097】
図14は、本実施の形態による燃焼装置1を変形して得た燃焼装置81に、
図7中の小形固形燃焼物用支持装置61及び収容部拡張アダプタ91を装着した状態を示す一部切欠き概略正面図である。
【0098】
燃焼装置81が燃焼装置1と異なる所は、角筒部材2の高さが低くされている点のみである。
【0099】
収容部拡張アダプタ91は、小形固形燃焼物用支持装置61を
図8と同様に燃焼装置81に設置した後に、収容部拡張アダプタ91の下部を投入口6aに挿入して小形固形燃焼物用支持装置61の上部に当接させることで、燃焼装置81に対して着脱自在に取り付けられ、小形固形燃焼物の収容部を拡張し得るように構成されている。
【0100】
収容部拡張アダプタ91の上部には、小形固形燃焼物の投入口91aが設けられている。投入口91aは、ヒンジ結合された蓋93により開閉し得るようになっている。
【0101】
図14に示す装置によれば、
図8に装置に比べて、より多くの小形固形燃焼物を収容することができるので、小形固形燃焼物の補給無しに、より長時間の燃焼が可能となる。
【0102】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0103】
例えば、本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61を用いた燃焼装置は、乾燥機、融雪機、焼却機などとしても利用することができる。
【0104】
また、本実施の形態による小形固形燃焼物用支持装置61と共に用いることができる燃焼装置の他の例として、前述した
図1乃至6に示す燃焼装置1において、筒状部12の側部に空気導入孔12cを設けずに、断面コ字状部材19を取り除いた燃焼装置を挙げることができる。