【解決手段】デジタルサイネージ装置は、情報を表示する表示画面111と、遠距離無線通信により情報の送受信を行うことができる第1通信部131と、近距離無線通信により情報の送信を行うことができる第2通信部132と、設置場所を特定するための情報を受信する位置情報受信部133と、電力を蓄える蓄電部134と、外部より商用電力の供給を受けるための電源部135と、第1通信部を介して設置場所付近の災害情報を受信し且つ電源部への商用電力の供給が無くなった場合に、表示画面の表示を停止させ、蓄電部の電力を用いて災害情報を第2通信部から携帯端末153に発信させる制御部137と、を備える。
情報を表示する第1表示画面、遠距離無線通信により情報の送受信を行うことができる第1通信部、近距離無線通信により情報の送信を行うことができる第2通信部、設置場所を特定するための情報を受信する位置情報受信部、電力を蓄える第1蓄電部、外部より商用電力の供給を受けるための第1電源部、及び前記第1通信部を介して前記設置場所付近の災害情報を受信し且つ前記第1電源部への商用電力の供給が無くなった場合に、前記第1表示画面の表示を停止し、前記第1蓄電部の電力を用いて前記災害情報を前記第2通信部に発信させる第1制御部を備える第1のデジタルサイネージ装置と、
情報を表示する第2表示画面、近距離無線通信により情報の送受信を行うことができる第3通信部、電力を蓄える第2蓄電部、及び外部より商用電力の供給を受けるための第2電源部、及び前記第2通信部から前記災害情報を受信し且つ前記第2電源部への商用電力の供給が無くなった場合に、前記第2表示画面の表示を停止させ、前記第2蓄電部の電力を用いて前記災害情報を前記第3通信部に発信させる第2制御部を備え、前記第2通信部の通信可能範囲内に設置される第2のデジタルサイネージ装置と、を有し、
近距離無線通信を備える携帯端末は前記第2通信部又は前記第3通信部の通信範囲内に入った場合に、前記災害情報を前記第1のデジタルサイネージ装置又は前記第2のデジタルサイネージ装置から受信するデジタルサイネージシステム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0016】
(第1実施形態)
<デジタルサイネージ装置100の構成>
図1(a)は、デジタルサイネージ装置100の斜視図である。デジタルサイネージ装置100は、前面に表示画面111が配置される本体部110と、本体部110を載置する台座部120と、により構成されている。以下の説明では、本体部110の前面が向く方向を+X軸方向、本体部110の高さ方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に垂直な方向をY軸方向として説明する。
【0017】
本体部110は、外形が略直方体に形成され、前面(本体部110の+X軸側の面)に表示画面111が配置されている。また、前面の表示画面111の−Z軸側には、複数の情報ボタン112が配置されている。台座部120は、+Z軸側に本体部110を載置するための天板121が配置され、−Z軸側にデジタルサイネージ装置100を移動させるための車輪122が配置されている。本体部110は天板121に固定されている。この様なデジタルサイネージ装置100は、様々な情報提供をするために、例えば、工事現場、サービスエリア、ショッピングセンター内、商店街等の様々な場所に配置される。
【0018】
図1(b)は、本体部110の部分正面図である。
図1(b)では、本体部110の前面の表示画面111及び複数の情報ボタン112が示されている。表示画面111には、様々な情報又は広告等が表示される。各情報ボタン112は、表示画面111に表示する情報のタイトルを示すタイトル表示部112aと、タイトル表示部112aの+Y軸側に配置されるボタン112bと、を有している。例えば、「地域避難場所」と記載のあるタイトル表示部112aの+Y軸側のボタン112bを押した場合には、「地域避難場所」に関する情報が表示画面111に表示される。また、デジタルサイネージ装置100が工事現場に配置されている場合には、「工事について」と記載のあるタイトル表示部112aの+Y軸側のボタン112bを押して工事に関する概要及びスケジュールなどの情報を表示画面111に表示させることができる。
【0019】
どのボタン112bも押されていない表示画面111の通常の表示では、例えば、各タイトル表示部112aの情報を順番に流すことができる。また、工事現場であれば工事に関する注意表示、サービスエリアであれば交通情報、商店街などであれば広告等が通常の表示として表示されていても良い。表示画面111に通常の表示が行われている間にいずれかのボタン112bが押された場合には、そのボタン112bに関連づけられている情報が表示画面111に表示される。
【0020】
図2は、デジタルサイネージ装置100の構成を示すブロック図である。
図2では、本体部110の内部の構成が点線に囲まれて示されている。デジタルサイネージ装置100の本体110の内部には制御部137が配置されており、デジタルサイネージ装置100は制御部137により全体の動作が制御される。
【0021】
本体部110には、第1通信部131、第2通信部132、及び位置情報受信部133の信号を受信又は送信するための3つの機器が備えられている。第1通信部131は、例えば3G(3rd Generation)回線などの遠距離無線通信によりクラウド154に接続し、災害情報151及び避難情報152を受信することができる機器である。また、デジタルサイネージ装置110を離れた場所から遠隔操作する場合には、第1通信部131を介してデジタルサイネージ装置100が操作される。第2通信部132は、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の近距離無線通信により携帯端末153と通信を行うことができる機器である。また、第2通信部132は、他のデジタルサイネージ装置の第2通信部132又はこれに類する装置と通信が行われても良い。位置情報受信部133は、例えばGPS(Global Positioning System)信号133aを受信する機器であり、デジタルサイネージ装置100の設置場所を特定するための情報を得るための機器である。これら第1通信部131、第2通信部132、及び位置情報受信部133は、本体部110の内部に配置される制御部137に接続され、制御部137により制御される。
【0022】
本体部110は、外部電源150から電力の供給を受ける。外部電源150には例えば商用電力が用いられることができる。また、デジタルサイネージ装置100が工事現場に配置される場合には、工事現場で使用される発電機を外部電源150として使用しても良い。外部電源150から供給される電力は、本体部110の内部の電源部135で受電される。また、電源部135から制御部137及び必要に応じて他の機器に電力が供給される。
【0023】
また、本体部110には蓄電部134が配置されている。蓄電部134は例えばバッテリーであり、電源部135に接続されて電力を蓄え、制御部137に接続されて制御部134が電源部135から電力の供給を受けることができない場合等に、制御部137等に電力を供給する。蓄電部134は無停電電源装置であっても良い。
【0024】
また、本体部110には表示画面111及び表示画面制御部136が配置される。表示画面制御部136は表示画面111に表示される画像・動画等を制御し、表示画面制御部136は制御部137により制御される。また、制御部137には記憶部141が接続される。記憶部141には、避難所等の情報を含む全国の詳細な地図、表示画面111に表示するための画像、動画等が保存される。
【0025】
さらに、制御部137には情報ボタン112のボタン112bが接続される。誰かが情報ボタン112のボタン112bを押した場合には、制御部137はそのボタン112bに従って制御される。また、制御部137は、第1通信部131を介して本体部110の外部より命令を受けること、及び制御部137又は記憶部141内のプログラム等に従って制御される。
【0026】
<災害発生時のデジタルサイネージ装置100の動作>
図3は、災害発生時のデジタルサイネージ装置100の動作を示すフローチャートである。デジタルサイネージ装置100は、通常、表示画面111に広告又は地域情報等の表示がされるが、二次災害を防ぐために災害等が発生又は発生する見込みがある場合などに表示画面111にデジタルサイネージ装置100の設置場所付近の災害情報151及び避難情報152等を表示させることができる。また、デジタルサイネージ装置100は、デジタルサイネージ装置100の設置場所近辺の者に第2通信部132を介して災害情報151及び避難情報152等を知らせることができる。以下に、
図3を参照して、災害発生時のデジタルサイネージ装置100の動作について説明する。ここで、災害情報151には、所定規模以上の地震、台風等の悪天候の気象、洪水、噴火等の自然災害の情報のみならず、原子力災害、火災、危険物質の流出等の自然災害以外の災害の情報も含むものとする。
【0027】
ステップS101では、位置情報受信部133でデジタルサイネージ装置100の設置場所が確認される。デジタルサイネージ装置100は様々な場所で使用されるため、頻繁に移動される場合がある。そのため、デジタルサイネージ装置100では電源が入っている状態で定期的に位置情報受信部133によってデジタルサイネージ装置100の設置場所が確認されることが望ましい。
【0028】
ステップS102では、デジタルサイネージ装置100の設置場所に基づいた避難情報152が作成される。避難情報152は例えばデジタルサイネージ装置100の設置場所及び避難所等を示す地
図160として作成される。地
図160はデジタルサイネージ装置100内で作成され、デジタルサイネージ装置100内の情報のみで作成することも可能である。そのため、デジタルサイネージ装置100がインターネットに接続することができない場合でも地
図160を作成することができる。ここで作成された地
図160は、後述される携帯端末153に送信されるが、情報ボタン112のボタン112b(
図1(b)参照)を押すことでいつでも表示画面111に表示できるようにされても良い。以下に
図4(a)及び
図4(b)を参照して避難情報152となる地
図160の作成方法について説明する。
【0029】
図4(a)は、避難所及び避難場所を示す地
図161とデジタルサイネージ装置100の設置場所162aを示す地
図162とが示された図である。まず、インターネットを介して収集した詳細な避難情報152b及びあらかじめ記憶部141に保存される地図等のデータを基に、避難所又は避難場所の情報が記載された地
図161が作成される。例えば、
図4(a)に示された地
図161には、避難所に指定された学校161a、161bが示されている。また、ステップS101で取得されたデジタルサイネージ装置100の設置場所162aの情報を基に、現在位置を示す地
図162が作成される。この2枚の地
図161と地
図162とを重ね合わせることにより、避難所及び避難場所と現在位置との相対的な位置が示された地
図160が作成される。
【0030】
図4(b)は、避難所及び避難場所とデジタルサイネージ装置100の設置場所162aとの相対的な位置を示す地
図160が示された図である。地
図160は、デジタルサイネージ装置100の設置位置162a、最寄りの避難所、及び道路等が示されているが、設置位置162aから最寄りの避難所等までの経路、距離等が十分にわかる程度の縮尺で表示されることが望ましい。また、避難所等までにより確実に到達できるように、設置位置162aから避難所等までの間に目印となるようなランドマーク等の特徴物等(不図示)が示されても良い。この地
図160を見た者は、地図情報に基づいて具体的な避難行動をとることができる。また、地
図160は、随時避難所等の情報が確認され、地
図161が更新されることにより、随時見直されることが望ましい。
【0031】
ステップS103では、第1通信部131で災害情報151が受信される。災害情報151の受信は、例えば、国、地方自治体が発する災害情報151を受信し、又は民間会社等が発する災害情報151を受信することにより行われる。災害情報151は、災害が起こった又は災害が起こる可能性が高い場合に自動的に受信される。このような災害情報151は、例えば携帯電話回線、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等を介して受け取ることができる。また、デジタルサイネージ装置100は、携帯電話回線、Wi−Fi等を使用することができない場所に設置される場合もあり、また、災害等の影響で携帯電話回線、Wi−Fi等を使用することができなくなる場合も考慮して、衛星通信を介して災害情報151等が受信できるようにされても良い。
【0032】
ステップS104では、第1通信部131で新たな避難情報が受信され、避難情報152が作成又は更新される。ステップS102では避難情報152が作成されるが、避難情報152は新しく正確な情報であることが望まれる。そのため、デジタルサイネージ装置100の設置場所付近の新たな避難情報等があれば、第1通信部131を介してこれを入手する。この新たに入手した避難情報等に基づいてステップS102で作成された避難情報152が更新される。また、ステップS102で避難情報152を作成できなかった場合等には、ステップS104で入手した避難情報及び記憶部141のデータ等に基づいて新規に避難情報152が作成される。新たな避難情報が入手できない場合には、ステップS104は行われなくても良い。
【0033】
ステップS105では、デジタルサイネージ装置100に供給されている電力が電源部135からのものか蓄電部134からのものかが判断される。デジタルサイネージ装置100では通常は外部電源150から受電した電力を用いて動作するが、災害等の影響により外部電源150から電力が得られない場合には蓄電部134から電力の供給を受ける。蓄電部134から電力の供給を受けている場合には、例えばデジタルサイネージ装置100では蓄電部134が無停電電源装置であり、外部電源135からの電力の供給が止まって自動的に蓄電部134から電力が供給されている場合が考えられる。また、蓄電部134が無停電電源装置ではなく蓄電部134から電力が供給される場合には、デジタルサイネージ装置100が蓄電部134の電力を用いて手動で再起動されている場合等が考えられる。電源部135を介して電力が供給されている場合にはステップS106に進み、電源部135への電力の供給が無い場合にはステップS107に進む。
【0034】
ステップS106では、デジタルサイネージ装置110の表示画面111に災害情報151及び避難情報152が表示される。災害情報151及び避難情報152が表示された表示画面111を見た者は、災害情報151により災害の種類及び状況等を把握し、避難情報152に基づいて具体的な避難行動をとることができる。
【0035】
ステップS107では、表示画面111の表示が消される。表示画面111への情報の表示は電力の消費が大きく、デジタルサイネージ装置100が蓄電部134に蓄えられた電力のみを用いている場合には、短時間で蓄電部134に蓄えられた電力が消費されてしまう。そのため、蓄電部134の電力を長持ちさせ、後述のステップS108で携帯端末153への災害情報151及び避難情報152の送信可能時間を伸ばすために表示画面111の表示が消される。なお、蓄電部134に十分な電力が残っている場合には、情報ボタン112の地域避難場所に関連付けられるボタン112b(
図1(b)参照)が押された場合に、所定の僅かな時間だけ表示画面111に災害情報151及び避難情報152を表示できるようにしても良い。
【0036】
ステップS108では、第2通信部132から携帯端末153に災害情報151及び避難情報152が送信される。第2通信部132は近距離無線通信用の機器であり、例えばBluetooth(登録商標)が用いられる。Bluetooth(登録商標)は近距離無線通信規格の1つであり、指向性が少なく、消費電力が少ない。そのため、デジタルサイネージ装置100の周囲にまんべんなく情報を送信することができ、外部からの電力の供給が停止して蓄電部134のみの電力を用いる場合でも長時間の使用が可能である。また、一度携帯端末153に災害情報151及び避難情報152を送信しても、情報が新たに更新された場合には随時新たな情報が送信されても良い。また、ステップS108では、状況に応じて災害情報151のみが送信されても良く、避難情報152のみが送信されても良い。
【0037】
図5は、デジタルサイネージ装置100、携帯端末153、及びクラウド154の関係が示された図である。デジタルサイネージ装置100では、例えばクラウド154を介してステップS102及びステップS104で避難情報等が受信され、ステップS103で災害情報151が受信される。また、デジタルサイネージ装置100は、クラウド154を介して外部から制御され、デジタルサイネージ装置100の稼働状態等の情報等をクラウド154を介して外部に送信しても良い。また、ステップS108では、デジタルサイネージ装置100から所定の範囲D1内の携帯端末153に災害情報151及び避難情報152が送信される。
図5では、第2通信部132の通信範囲132aが点線で示されている。
【0038】
携帯端末153への災害情報151及び避難情報152の送信では、例えば、予めデジタルサイネージ装置100と携帯端末153との間で通信を行うためのアプリケーションが携帯端末153にインストールされ、携帯端末153とデジタルサイネージ装置100とがマルチピアの無線接続によりBluetooth(登録商標)を介して直接接続されることにより行われる。これにより、デジタルサイネージ装置100から所定の距離D1の範囲内の携帯端末153の全てに災害情報151及び避難情報152を送信することができる。ここで、第2通信部132がClass1のBluetooth(登録商標)機器であった場合には、第2通信部132の最大出力によって異なるものの距離D1として約30m程度を見込むことができる。また、携帯端末153では、デジタルサイネージ装置100から災害情報151及び避難情報152を受け取った旨の通知がなされることにより、アプリケーションを立ち上げていなかったとしてもすぐに災害情報151及び避難情報152を知ることができる。
(コメント:今回、「iBeacon」の代わりに「マルチピアの無線接続」を例として記載しました。ご確認下さい。「マルチピアの無線接続」は、iOS7から搭載されていること、電波が無くても使用できること、複数の端末に同時に送信できること、ペアリングの設定が必要なさそうであること、等から貴社の目的を達成することができるのではないかと思います。)
【0039】
インターネットのみに頼った避難情報152の取得では、災害等の影響又はインターネットへの接続が集中すること等によりインターネットに接続できない場合、及び必要な避難情報152がインターネット上に迅速に提供されない場合等には、避難情報152を取得できず、避難情報152を送信できない場合がある。しかし、デジタルサイネージ装置100では、デジタルサイネージ装置100自体で避難情報152を作成することができるためインターネットに接続できなくても避難情報152を取得できないことがない。また、インターネットを介さずにデジタルサイネージ装置100と携帯端末153とが直接接続されるため、災害等でインターネットに接続できない状態であってもデジタルサイネージ装置100から各携帯端末153へ情報を送信することができる。さらに、デジタルサイネージ装置100では、表示画面111を見ていない者にも情報を知らせることができる。
【0040】
図3に示されるフローチャートは災害発生時のデジタルサイネージ装置100の動作の一例であり、状況に応じてステップの順序が入れ替わり、また、フロー中に新たなステップが追加され、一部のステップが飛ばされても良い。例えば、災害情報151を受信する前に電源部135への電力の供給が止まった場合には、ステップS103の前にステップS105及びステップS107が行われても良い。また、ステップS108では災害情報151及び避難情報152が携帯端末153に送信されるが、新たな避難情報の収集又は避難情報152の作成・編集等に時間がかかる場合には、先に災害情報151のみを携帯端末153に送り、その後に避難情報152を送信しても良い。
【0041】
また、第2通信部132にはClass1のBluetooth(登録商標)機器が用いられたが、Class2のBluetooth(登録商標)機器が使用されても良い。Bluetooth(登録商標)機器はClassによって最大出力が異なり、最大出力に応じて通信距離も異なる。Class1のBluetooth(登録商標)機器はClass2のBluetooth(登録商標)機器よりも最大出力が大きいためClass2のBluetooth(登録商標)機器よりも通信距離が長くなり、距離D1も長くなる。一方、Class2のBluetooth(登録商標)機器では距離D1が約10mとClass2のBluetooth(登録商標)機器よりも短くなるが、Class1のBluetooth(登録商標)機器よりも消費電力が小さくなるため、より長時間の使用が可能になる。
【0042】
(第2実施形態)
複数のデジタルサイネージ装置を組み合わせて、デジタルサイネージシステムとして構成されても良い。以下に、複数のデジタルサイネージ装置により構成されたデジタルサイネージシステムについて説明する。また、以下の説明では、第1実施形態で説明された部分と同じ部分に関しては第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0043】
<デジタルサイネージシステム200の構成>
図6は、デジタルサイネージシステム200の概略構成図である。デジタルサイネージシステム200は、デジタルサイネージ装置100a及びデジタルサイネージ装置100bを含んでおり、デジタルサイネージ装置100aとデジタルサイネージ装置100bとが距離D2の間隔で配置されている。デジタルサイネージ装置100a及びデジタルサイネージ装置100bの基本的な構成はデジタルサイネージ装置100の構成と同じであるが、説明のために符号を変えている。
【0044】
デジタルサイネージ装置100a及びデジタルサイネージ装置100bは、デジタルサイネージ装置100と同様に、それぞれ第1通信部131を介してクラウド154とデータの送受信を行うことができ、災害情報151及び避難所等の情報をクラウド154を介して収集し、避難情報152を作成し、距離D1の範囲内の携帯端末153に災害情報151及び避難情報152を送信することができる。
【0045】
デジタルサイネージ装置100aとデジタルサイネージ装置100bとの間の通信は、第2通信部132により、インターネット等を介さずに行うことができる。第2通信部132は例えばBluetooth(登録商標)機器であり、第2通信部132がClass1のBluetooth(登録商標)機器である場合には、出力によって異なるが通信可能距離として距離D2を約30m程度までの距離として見込むことができる。
【0046】
デジタルサイネージ装置100aとデジタルサイネージ装置100bとの間の通信は、デジタルサイネージ装置100と携帯端末153との間の通信と同じくマルチピアの無線接続により行うことができる。また、デジタルサイネージ装置のセキュリティーを厳しくするために、ペアリング設定を行うピアツーピアの無線通信により互いに直接接続されても良い。
【0047】
デジタルサイネージシステム200では、デジタルサイネージ装置100a又はデジタルサイネージ装置100bのどちらかの第1通信部131が故障し、又は電波状態が悪くてどちらかの第1通信部131が使用できない場合でも、他方のデジタルサイネージ装置を介して必要な情報を得ることができ、必要な情報を外部に送信することができる。例えば、
図5では、デジタルサイネージ装置100aの第1通信部131が使用可能でデジタルサイネージ装置100bの第1通信部131が使用できないとする。このとき、デジタルサイネージ装置100bは、デジタルサイネージ装置100aを介してクラウド154に接続して災害情報151及び避難所等の情報を入手し、デジタルサイネージ装置100aを介してデジタルサイネージ装置100bの稼働状態等の情報等を外部に送信することができる。そのため、デジタルサイネージシステム200では、1台のデジタルサイネージ装置のみが配置される場合に比べて、故障及び通信障害等に対して強い。
【0048】
また、デジタルサイネージ装置100a及びデジタルサイネージ装置100bは、第2通信部132がClass1のBluetooth(登録商標)機器とClass2のBluetooth(登録商標)機器との2つの機器により構成されても良い。各デジタルサイネージ装置の第2通信部132は携帯端末153に情報を送信するために、常時又は比較的短い周期で情報を送信することが望ましい。しかし、距離D1及び距離D2を長くしようとしてClass1のBluetooth(登録商標)機器を使用した場合には、消費電力が大きくなり、通信可能時間が短くなる。また、長時間の通信可能時間を確保しようとしてClass2のBluetooth(登録商標)機器を使用した場合には距離D2が短く制限されてしまう。第2通信部132がClass1のBluetooth(登録商標)機器とClass2のBluetooth(登録商標)機器との2つの機器により構成された場合には、携帯端末153に情報を送信するためにClass2のBluetooth(登録商標)機器を常時送信状態にし、デジタルサイネージ装置間の通信のためにClass1のBluetooth(登録商標)機器を所定の間隔で作動させるようにすることで、距離D2を長くすると共に携帯端末153への情報の送信を常時行うことができる。
【0049】
<デジタルサイネージシステム300の構成>
図7は、デジタルサイネージシステム300の概略構成図である。デジタルサイネージシステム300は、1台のデジタルサイネージ装置100と複数台のデジタルサイネージ装置400とを含んで構成されている。デジタルサイネージシステム300では1台のデジタルサイネージ装置100がクラウド154に接続されて必要な情報の送受信を行う。また、複数のデジタルサイネージ装置400は、デジタルサイネージ装置100を介してクラウド154と必要な情報の送受信を行う。さらに、複数のデジタルサイネージ装置400は、デジタルサイネージ装置400同士で通信が行われても良い。
図7では、デジタルサイネージ装置100がデジタルサイネージ装置400と通信することができる範囲132bが示されており、デジタルサイネージ装置400はこの範囲内に配置されている。
【0050】
また、デジタルサイネージシステム300は、デジタルサイネージ装置400と同じ構成に形成され、デジタルサイネージ装置100の第2通信部132の通信可能範囲132bから外れて配置されるデジタルサイネージ装置400aを含んでいても良い。デジタルサイネージ装置400aはデジタルサイネージ装置400及びデジタルサイネージ装置100を介してクラウド154に接続することができる。
【0051】
図8は、デジタルサイネージ装置400の構成を示すブロック図である。デジタルサイネージ装置400は本体部410と台座部120とを含んで構成されている。本体部410の外観は本体部110(
図1(a)参照)と同様であり、画面表示部111及び情報ボタン112を含んでいる。
図8では、デジタルサイネージ装置400の本体部410の内部の構成が点線に囲まれて示されている。本体部410の内部には制御部137が配置されており、デジタルサイネージ装置400は制御部137により全体の動作が制御される。
【0052】
本体部410の内部には本体部110(
図2参照)とは異なり第1通信部131が配置されない。また、第2通信部132の代わりに第3通信部139が配置されている。本体部410内部のその他の構成は、本体部110と同様である。第3通信部139は、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の近距離無線通信機器として第2通信部132と同様の構成及び機能を有し、デジタルサイネージ装置110の第2通信部132、他のデジタルサイネージ装置400の第3通信部139、及び携帯端末153と通信をすることができる。
【0053】
デジタルサイネージ装置400では、表示画面111への表示画像等の情報をデジタルサイネージ装置100と共有し、記憶部141に予め画像等を記憶させておくことにより、デジタルサイネージ装置400が頻繁にクラウド154に接続することを回避させることができる。すなわち、デジタルサイネージシステム300では、デジタルサイネージシステム300全体とクラウド154との間の通信量が減らされているため、デジタルサイネージシステム300全体で第1通信部131が1台のみでも運用することが可能である。
【0054】
また、複数のデジタルサイネージ装置100を配置する場合、各デジタルサイネージ装置100がクラウド154に接続するため、デジタルサイネージ装置100毎に通信会社と契約を行う必要がある。そのため、通信費等のランニングコストがかさむという問題があった。デジタルサイネージシステム300では、1台のデジタルサイネージ装置100のみの通信契約を行えば良いので、複数のデジタルサイネージ装置100を配置する場合よりも全体のランニングコストを抑えることができる。
【0055】
さらに、デジタルサイネージ装置400は電力消費の多い第1通信部131を備えていないため、蓄電部134のみで稼働する場合ではデジタルサイネージ装置100よりも長時間の稼働が可能であり、デジタルサイネージ装置100よりも製造費が安くなる。また、デジタルサイネージシステム300では、デジタルサイネージ装置100の蓄電部134のみの蓄電容量を増やす、又はデジタルサイネージ装置100のみが複数の蓄電部134を備える等により、デジタルサイネージシステム300全体の長時間の稼働も容易に可能にすることができる。
【0056】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。また、各実施形態の特徴を様々に組み合わせて実施することができる。