(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-33456(P2017-33456A)
(43)【公開日】2017年2月9日
(54)【発明の名称】食品販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20170120BHJP
【FI】
G06Q50/12 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-155313(P2015-155313)
(22)【出願日】2015年8月5日
(71)【出願人】
【識別番号】512137533
【氏名又は名称】有限会社 オノカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095739
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】小野 真一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】
店舗において飲食のための食品を販売する食品販売システムについて、顧客キャッチ力を高める。
【解決手段】
店舗2aでの飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用する食品販売形態で実施される。各店舗2aには酒類の販売を受付ける店舗コンピュータ5が設置され、本部2bには店舗コンピュータ5に接続され店舗コンピュータ5に客へ提供される食品を指示する管理コンピュータ7が設置され、客1は本部2bの管理コンピュータにアクセスして食品を注文することのできる携帯用通信端末器9を所持している。管理コンピュータ7は客1ごとに販売した酒類の残量を管理するデータベースが作成されるとともに酒類の残量に加えて酒類の残量を売値から換算された提供可能な他の種類の酒類や酒類以外の他の食品と無料で提供される食品とが表示されるサイトが開設されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗での飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用する食品販売形態で実施されるものであって、店は複数の店舗と各店舗を統括する本部とで組織され、店の各店舗には酒類の販売を受付ける店舗コンピュータが設置され、店の本部には店舗コンピュータにコンピュータネットワークを介して接続され店舗コンピュータに客へ提供される食品を指示する管理コンピュータが設置され、客はコンピュータネットワークを介して店の本部の管理コンピュータにアクセスして食品を注文することのできる携帯用通信端末器を所持し、管理コンピュータは客ごとに販売した酒類の残量を管理するデータベースが作成されるとともに酒類の残量に加えて酒類の残量を売値から換算された提供可能な他の種類の酒類や酒類以外の他の食品と無料で提供される食品とが表示されるサイトが開設されていることを特徴とする食品販売システム。
【請求項2】
請求項1の食品販売システムにおいて、客に無料で提供される食品は店と契約したスポンサーから店が提供を受けたものであって店が定めたルールに基づいて増減されるものであることを特徴とする食品販売システム。
【請求項3】
請求項2の食品販売システムにおいて、管理コンピュータに開設されたサイトにはキャラクターが登場して無料で提供される食品の増減の作業をアニメーション風に表示することを特徴とする食品販売システム。
【請求項4】
請求項2または3の食品販売システムにおいて、店と契約したスポンサーは複数存在し、管理コンピュータに開設されたサイトにはスポンサーごとに表示の選択が可能であることを特徴とする食品販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗において飲食のための食品を販売する食品販売システムに係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
店舗での飲食のための食品販売システムとしては、酒類について、ボトルキープ制が普及している。ボトルキープ制は、酒類をボトル単位で販売するもので、店と客との双方に経済的メリットがあるとされている。
【0003】
このボトルキープ制では、大量のボトルの管理の煩雑さや残った食品の品質劣化等の問題を解消するための革新的なシステムの開発が要望されている。
【0004】
従来、酒類販売システムとしては、例えば、特許文献1〜3に記載のものが知られている。
【0005】
特許文献1〜3には、購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器で集合管理することで、大量のボトルの管理の煩雑さや残った酒類の品質劣化等の問題を解消する酒類販売システムが記載されている。そして、特許文献2,3に係る酒類販売システムでは、残った酒類について後で種類の異なる酒類を提供する技術が記載されている。さらに、特許文献3に係る酒類販売システムでは、残った酒類について後でチェーン化された他の店舗で提供する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平2−73200号公報
【特許文献2】特開平7−73256号公報
【特許文献3】特開2001−325338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜3に係る酒類販売システムでは、客にとってボトルキープ制が多少の割引があるもののボトルの料金を前払いするものにすぎないため、顧客キャッチ力が低いという問題点がある。
【0008】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、顧客キャッチ力の高い新規な食品販売システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するため、本発明に係る食品販売システムは、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
【0010】
即ち、請求項1では、店舗での飲食のための酒類をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用する食品販売形態で実施されるものであって、店は複数の店舗と各店舗を統括する本部とで組織され、店の各店舗には酒類の販売を受付ける店舗コンピュータが設置され、店の本部には店舗コンピュータにコンピュータネットワークを介して接続され店舗コンピュータに客へ提供される食品を指示する管理コンピュータが設置され、客はコンピュータネットワークを介して店の本部の管理コンピュータにアクセスして食品を注文することのできる携帯用通信端末器を所持し、管理コンピュータは客ごとに販売した酒類の残量を管理するデータベースが作成されるとともに酒類の残量に加えて酒類の残量を売値から換算された提供可能な他の種類の酒類や酒類以外の他の食品と無料で提供される食品とが表示されるサイトが開設されていることを特徴とする。
【0011】
この手段では、客が購入したボトルの酒類の残量を管理コンピュータに開設されたサイトで確認することができ、確認するためのサイトには他の種類の酒類や酒類以外の他の食品と無料で提供される食品とが表示されることで、客がボトルを購入したことに付随したメリットがあることを知ることになる。
【0012】
また、請求項2では、請求項1の食品販売システムにおいて、客に無料で提供される食品は店と契約したスポンサーから店が提供を受けたものであって店が定めたルールに基づいて増減されるものであることを特徴とする。
【0013】
この手段では、客に無料で提供される食品がスポンサーから店が提供されたものとすることで、店に経済的負担が伴わないことになる。また、客に無料で提供される食品が店が定めたルールに基づいて増減されることで、無料サービスにゲーム性が付与される。
【0014】
また、請求項3では、請求項2の食品販売システムにおいて、管理コンピュータに開設されたサイトにはキャラクターが登場して無料で提供される食品の増減の作業をアニメーション風に表示することを特徴とする。
【0015】
この手段では、管理コンピュータに開設されたサイトにキャラクターが登場して無料で提供される食品の増減の作業をアニメーション風に表示することで、無料サービスのゲーム性がより高められる。
【0016】
また、請求項4では、請求項2または3の食品販売システムにおいて、店と契約したスポンサーは複数存在し、管理コンピュータに開設されたサイトにはスポンサーごとに表示の選択が可能であることを特徴とする。
【0017】
この手段では、店と契約したスポンサーが複数存在して管理コンピュータに開設されたサイトでスポンサーごとに表示の選択が可能であることで、無料サービスの内容が充実される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る食品販売システムは、客が購入したボトルの酒類の残量を管理コンピュータに開設されたサイトで確認することができ、確認するためのサイトには他の種類の酒類や酒類以外の他の食品と無料で提供される食品とが表示されることで、客がボトルを購入したことに付随したメリットがあることを知ることになるため、顧客キャッチ力の高い新規なシステムとなる効果がある。
【0019】
さらに、請求項2として、客に無料で提供される食品がスポンサーから店が提供されたものとすることで、店に経済的負担が伴わないことになるため、店のシステム導入に障害がなくなる効果がある。また、客に無料で提供される食品が店が定めたルールに基づいて増減されることで、無料サービスにゲーム性が付与されるため、顧客キャッチ力がより高くなる効果がある。
【0020】
さらに、請求項3として、管理コンピュータに開設されたサイトにキャラクターが登場して無料で提供される食品の増減の作業をアニメーション風に表示することで、無料サービスのゲーム性がより高められるため、顧客キャッチ力がより高くなる効果がある。
【0021】
さらに、請求項4として、店と契約したスポンサーが複数存在して管理コンピュータに開設されたサイトでスポンサーごとに表示の選択が可能であることで、無料サービスの内容が充実されるため、顧客キャッチ力がより高くなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る食品販売システムを実施するための形態の構成図である。
【
図3】
図1の一部の機能を説明するフローチャートである。
【
図4】
図1の他の一部の機能を説明するフローチャートである。
【
図5】
図1のさらに他の一部の機能を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る食品販売システムを実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
この形態では、社会的構成として、客1と店2とスポンサー3とからなるものが示されている。
【0025】
この形態は、店2が複数の店舗2aと各店舗2aを統括する本部2bとで組織されている。これ等の店舗2a,本部2bについては、単なる協力,提携関係からフランチャイズや本支店関係まで含まれる。
【0026】
店2の各店舗2aには、客1が購入して未消費となった酒類からなる食品の残量と客1に提供する酒類からなる食品の提供量とを重量セルや光学器,バルブ等を利用して計量,量定する計量装置4と、計量装置4を制御するパーソナルコンピュータ等の店舗コンピュータ5とが設置されている。計量装置4については、酒類からなる食品の残量と酒類からなる食品の供給量との双方を計量,量定することのできる兼用型が好ましい。また、この店舗コンピュータ5は、ボトルの購入の受付け事務等を行う。
【0027】
店2の本部2bには、インターネット等のコンピュータネットワーク6を介して店舗コンピュータ5に接続された大型サーバ等の管理コンピュータ7が設置されている。管理コンピュータ7は、各店舗2aの計量装置4の計測値をデータベース化して記憶して客1に提供される酒類からなる食品の提供を店舗コンピュータ5を介して制御するとともに、客1に提供可能な酒類以外の食品(例えば、魚,肉,野菜,菓子)の提供を店舗コンピュータ5を介して通知する。また、この管理コンピュータ7は、酒類からなる食品の残量を売値から他の種類の酒類からなる食品や酒類以外の食品の提供可能量として換算する機能を有している。さらに、店2の本部2bが提携,契約したポイントシステム,仮想通貨システムのポイント,コインに換算する機能を有している。また、この管理コンピュータ7は、コンピュータネットワーク6を介して各客1が閲覧することのできるサイト8が開設されている。このサイト8は、
図2に示すように、付箋8aによって選択されるスポンサー3ごとの複数のページが切換え表示されるようになっていて、購入した酒類からなる食品の残量と酒類からなる食品の残量を売値から換算した他の種類の酒類からなる食品や酒類以外の食品の提供可能量とその他の情報(店舗地図や他のリンク等)とがイメージ(例えば、図示のようなボトル)8bとテキスト8cとで表示され、ボトルを購入した客1に付与されるサービス(無料で提供される食品)がイメージ(例えば、図示のようなボトル)8dとテキスト8eとキャラクタ8fとで表示される。サービス(無料で提供される食品)については、スポンサー3から無償または市場価格より廉価に店2に提供されるもので、ゲーム性をもたせるため店2のルールに基づいて適宜増減されるものである。キャラクター8fについては、例えば、アニメーション風に登場する天使とされる。また、このサイト8には、店2の店舗2aのコマーシャル枠8gやスポンサー3のコマーシャル枠8hが設けられている。
【0028】
客1は、コンピュータネットワーク6を介して店2の本部2bの管理コンピュータ7にアクセスするスマートフォン等の携帯用通信端末器9を所持している。携帯用通信端末器9は、提供される食品を注文することができるとともに、表示部を有して管理コンピュータ7が開設したサイト8を閲覧することができる。
【0029】
スポンサー3は、店2と契約して前述のサービス(無料で提供される食品)を店2に提供する食品のメーカ,商社等からなる。
【0030】
この形態によると、客1が店2の店舗2aでボトルを購入する際には、店舗2aで購入申込み(支払いを含むこともある)を行って、店舗2aに設置されている店舗コンピュータ5からIDの交付を受けるとともに本部2bに設置されている管理コンピュータ7にアクセスするためのアプリケーションソフトをダウンロードすることになる。
【0031】
店舗コンピュータ5は、コンピュータネットワーク6を介して管理コンピュータ7にIDの交付を通知する。管理コンピュータ7は、ボトルを購入した客1のデータベースを作成するとともに前述のサービス(無料で提供される食品)を付与する。
【0032】
この後、客1が飲食した会計後には、ボトルの未消費である酒類からなる食品の残量が計量装置4で計測される。そして、酒類からなる食品の残量をその種類の酒類からなる食品が収容されている保管用容器10に収容して管理することになる。
【0033】
計量装置4の計測値は、コンピュータネットワーク6を介して管理コンピュータ7に伝送される。
【0034】
管理コンピュータ7は、計測値を先に作成されたデータベースに記憶するとともに、酒類からなる食品の残量を売値から換算した他の種類の酒類からなる食品や酒類以外の食品の提供可能量を算出する。
【0035】
客1は、携帯用通信端末器9からコンピュータネットワーク6を介してID,パスワード等のセキュリティを通過して管理コンピュータ7に接続してサイト8を閲覧することで、店2の店舗21にいなくてもいつでも購入した酒類からなる食品の残量と酒類からなる食品の残量を売値から換算した他の種類の酒類からなる食品や酒類以外の食品の提供可能量とサービス(無料で提供される食品)とを知ることができる。
【0036】
サービスの増減については、例えば、
図5に示すように、客1がサイト8にアクセスすると増加されアクセスがないと削減されるルールとする。なお、増加の際に前述の天使からなるキャラクタ8fが酒を注ぐようにアニメーション化し、削減の際に前述の天使からなるキャラクタ8fが酒を飲むようにアニメーション化すると、物語性,ゲーム性が強くなって客1の興味を引くことができる。なお、増減のルールについて、アクセスの回数,頻度等を制限することで悪用,乱用を防止することができる。
【0037】
また、このサービスについては、客1が自分の酒類からなる食品の残量を他の管理コンピュータ7においてデータベースが作成されている客1に譲渡することによっても増減する。この譲渡については、ソーシャルネットワークサービス等で店2から客1に連絡されまたは客1から客1へ直接に連絡される。
【0038】
再度店2の店2aに入店した客1は、コンピュータネットワーク6を介してID,パスワード等のセキュリティを通過して管理コンピュータ7に接続して食品を注文することができる。
【0039】
客1の注文は、管理コンピュータ7から店舗コンピュータ5に伝送され、店舗コンピュータ5による計量装置4の制御によって食品の残量が提供量として量定され提供される。このとき、客1が他の種類の食品を注文することができ、その場合には管理コンピュータ7が売値から食品の残量に相当する量のこの種類の食品の提供量を換算して店舗コンピュータ5に指示をする。酒類以外の食品の注文については、調理人が切分け等の作業を行うことになる。
【0040】
この結果、客1が購入したボトルの酒類の残量を管理コンピュータ7に開設されたサイト8で確認することができ、確認するためのサイト8には他の種類の酒類や酒類以外の他の食品と無料で提供される食品とが表示され、客がボトルを購入したことに付随したメリットがあることが知ることができる。従って、顧客キャッチ力の高い新規なシステムとなる。
【0041】
また、店2の店舗2aでの飲食のための食品をボトル単位で販売するボトルキープ制を採用し購入されたボトルの未消費の残量を各ボトルで個別管理せずに保管用容器10で集合管理する食品販売形態を広域的な通信網として構築することができるため、最新の通信技術に充分に適応することができる。
【0042】
また、客1が前述のポイントシステム,仮想通貨システムの会員であれば、ポイント,コインを得ることを請求することができる。
【0043】
以上、図示した形態の外に、社会的構成として店2とスポンサー3との間に広告代理店を介在させることも可能である。
【0044】
さらに、食品以外の商品の販売システムと連係させることも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 客
2 店
2a 店舗
2b 本部
3 スポンサー
5 店舗コンピュータ
6 コンピュータネットワーク
7 管理コンピュータ
8 サイト
9 携帯用通信端末器
10 保管用容器