【課題】本発明の目的は、ZIFタイプのフラットケーブル用コネクタにおいて、フラットケーブルに異物があった場合に、異物により接触不良が生じるという問題を解消するフラットケーブル用コネクタを提供することである。
【解決手段】本発明のフラットケーブル用コネクタ100は、複数のコンタクト収容孔101aを有するハウジング101と、挿入時に所定位置に到達したフラットケーブル10を固定し、抜去時に固定を解除するアクチュエータ102と、複数のコンタクト収容孔101aのそれぞれに2枚以上収容されるコンタクト端子104A、104Bとを備え、複数のコンタクト収容孔101aのそれぞれに2枚以上収容されるコンタクト端子104A、104Bはそれぞれ独立して可動することを特徴とする。
前記複数のコンタクト収容孔のそれぞれに2枚以上収容されるコンタクト端子の一方には、前記アクチュエータが前記フラットケーブルを固定するときに係合するアクチュエータロック部が設けられ、前記コンタクト端子の他方には、前記アクチュエータロック部が設けられず、短く切断された部分が形成されることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブル用コネクタ。
前記一方のコンタクト端子に設けられた前記接触突起部と、前記他方のコンタクト端子に設けられた前記接触突起部は、前記フラットケーブルの挿入方向に対して、同じ位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブル用コネクタ。
前記一方のコンタクト端子に設けられた前記接触突起部と、前記他方のコンタクト端子に設けられた前記接触突起部は、前記フラットケーブルの挿入方向に対して、異なる位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブル用コネクタ。
前記一方のコンタクト端子に設けられた前記半田接合部と、前記他方のコンタクト端子に設けられた前記半田接合部は、前記コネクタ接触部に向かい異なる経路で接続されるように形成されることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブル用コネクタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ZIFタイプのコネクタでは、挿入時に力を加えることなく、フラットケーブルを挿入し、アクチュエータにより押し付けてフラットケーブルを固定するため、フラットケーブルにゴミ等の異物があった場合に、異物がワイピング等されて除去されることがない。このため、フラットケーブルに異物があった場合に、異物がフラットケーブルとコネクタのコンタクト端子との間に挟み込まれ、接触不良が生じるという問題があった。
【0004】
従って本発明の目的は、ZIFタイプのフラットケーブル用コネクタに従来からあった、フラットケーブルに異物があった場合に、異物が除去されることなく、フラットケーブルとコネクタのコンタクト端子の間に挟み込まれ、接触不良が生じるという問題を解消できるフラットケーブル用コネクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のフラットケーブル用コネクタは、複数のコンタクト収容孔を有するハウジングと、挿入時に所定位置に到達したフラットケーブルを固定し、抜去時に固定を解除するアクチュエータと、上記複数のコンタクト収容孔のそれぞれに2枚以上収容されるコンタクト端子であって、上記コンタクト端子のそれぞれには、上記フラットケーブルの電極が露出した部分であるコンタクト部に接触する接触突起部を有するコネクタ接触部と、回路基板に半田接続される半田接合部が形成され、上記複数のコンタクト収容孔のそれぞれに2枚以上収容されるコンタクト端子はそれぞれ独立して可動することを特徴とするコンタクト端子とを備えることを特徴とする。
【0006】
また、上記複数のコンタクト収容孔のそれぞれに2枚以上収容されるコンタクト端子の一方には、上記アクチュエータが前記フラットケーブルを固定するときに係合するアクチュエータロック部が設けられ、上記コンタクト端子の他方には、上記アクチュエータロック部が設けられず、短く切断された部分が形成されるものとしてもよい。
【0007】
また、上記一方のコンタクト端子に設けられた上記接触突起部と、上記他方のコンタクト端子に設けられた上記接触突起部は、上記フラットケーブルの挿入方向に対して、同じ位置に配置されるものとしてもよい。
【0008】
また、上記一方のコンタクト端子に設けられた上記接触突起部と、上記他方のコンタクト端子に設けられた上記接触突起部は、上記フラットケーブルの挿入方向に対して、異なる位置に配置されるものとしてもよい。
【0009】
また、上記一方のコンタクト端子に設けられた上記半田接合部と、上記他方のコンタクト端子に設けられた上記半田接合部は、上記コネクタ接触部に向かい異なる経路で接続されるように形成されるものとしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフラットケーブル用コネクタによれば、複数のコンタクト収容孔のそれぞれに2枚以上のコンタクト端子を収容し、収容される2枚以上のコンタクト端子がそれぞれ独立して可動するため、フラットケーブルのコンタクト端子に異物が存在した場合でも、一方のコンタクト端子が接触不良を起こしても、他方のコンタクト端子が接触する可能性が残り、異物が存在した場合の接触不良の可能性を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタにフラットケーブルを挿入した状態を示す斜視図であり、
図1(b)は、
図1(a)のIb−Ibに示す部分の断面図である。
【
図2】
図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタの一部を切り取った状態を示す斜視図であり、
図2(b)は、
図2(a)に示すフラットケーブル用コネクタの一部を切り取った部分の断面図である。
【
図3】
図3(a)は、形状の異なるコンタクト端子を使用した本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタの別の例の一部を切り取った状態を示す斜視図であり、
図3(b)は、
図3(a)に示すフラットケーブル用コネクタの一部を切り取った部分の断面図である。
【
図4】
図4(a)は、本発明のフラットケーブル用コネクタのアクチュエータの斜視図であり、
図4(b)は、アクチュエータの平面図であり、
図4(c)は、アクチュエータの正面図であり、
図4(d)は、アクチュエータの底面図であり、
図4(e)は、アクチュエータの側面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタにフラットケーブルを挿入しアクチュエータで固定した状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタにフラットケーブルを挿入しアクチュエータの固定を解除した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタの一方のコンタクト端子の形状を示す図であり、
図8(b)は、他方のコンタクト端子の形状を示す図である。
【
図9】本発明のフラットケーブル用コネクタのTDR法によるインピーダンス特性を示す図である。
【
図10】本発明のフラットケーブル用コネクタのS−パラメータの特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
尚、以下の説明における上下方向の概念は、添付の図面における上下に対応しており、各部材の相対的な位置関係を示すものであって、絶対的な位置関係を示すものではない。また、以下の説明において、便宜的にフラットケーブルが挿入される方向を「先端」と示し、フラットケーブルが挿入される方向の逆方向を「後端」と示し、左右方向とは、フラットケーブルが挿入される方向に対し直交する方向を「左右」を示すこととするが、絶対的な位置関係を示すものではない。
【0014】
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0015】
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ100にフラットケーブル10を挿入した状態を示す斜視図であり、
図1(b)は、
図1(a)のIb−Ibに示す部分の断面図であり、
図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ100の一部を切り取った状態を示す斜視図であり、
図2(b)は、
図2(a)に示すフラットケーブル用コネクタ100の一部を切り取った部分の断面図である。
【0016】
図1(a)乃至
図2(b)において、フラットケーブル用コネクタ100は、複数のコンタクト収容孔101aを有するハウジング101と、挿入時に所定位置に到達したフラットケーブル10を固定し、抜去時に固定を解除するアクチュエータ102と、ハウジング101の両側面に設けられ、フラットケーブル用コネクタ100を図示しない回路基板に固定する固定金具103と、複数のコンタクト収容孔101aのそれぞれに2枚を圧入により収容されるコンタクト端子104A、104Bとを備える。なお、ここでは、コンタクト収容孔101aのそれぞれに2枚のコンタクト端子104A、104Bが収容されるものとしたが、これには限定されず、2枚以上のコンタクト端子が収容されればよい。
【0017】
図5はフラットケーブル10の平面図である。
【0018】
図1(b)、
図5に示すように、フラットケーブル10は、先端側の
図1(b)に示す下側に被覆が外され内部の複数の電極が露出されたコンタクト部10aが形成され、フラットケーブル10の先端近傍の両脇には、係合突起部10bが形成される。なお、係合突起部10bは、ハウジング101に設けられた切り欠き部に係合するようにこれに合わせて形成される。このため、ハウジング101の切り欠き部に合う形状であれば、その他の形状でも構わず、また、ハウジング101に切り欠き部を設けず、係合突起部10bを設けなくても構わない。また、
図1(b)に示すように、フラットケーブル10の先端側のコンタクト部10aの裏側にはコンタクト部10aより広い面積を有する補強板10cが設けられ、フラットケーブル10とフラットケーブル用コネクタ100の接触を補強している。
【0019】
図1(a)乃至
図2(b)に示すように、ハウジング101は、フラットケーブル10が挿入される方向である先端側にアクチュエータ102が収容される開口部を有する。開口部の側壁には、後述するアクチュエータ102の両側面に設けられた軸部102aが挿入される軸受部101bが設けられる。アクチュエータ102は、この軸受部101bに挿入された軸部102aを中心に回転動作し、フラットケーブル10の固定と解除を行う。また開口部の後端側には、フラットケーブル10のコンタクト部10aに設けられた電極の数と同じ数のコンタクト収容孔101aが形成される。
【0020】
図4(a)は、本発明のフラットケーブル用コネクタ100のアクチュエータ102の斜視図であり、
図4(b)は、アクチュエータ102の平面図であり、
図4(c)は、アクチュエータ102の正面図であり、
図4(d)は、アクチュエータ102の底面図であり、
図4(e)は、アクチュエータ102の側面図である。
【0021】
図1(a)乃至
図2(b)、及び、
図4(a)乃至
図4(e)に示すように、アクチュエータ102には、先端側の中央に操作者がアクチュエータ102を回転動作させ、フラットケーブル10の固定と解除を行う操作部102bと、後端側の両側面に設けられた円柱形状の突起部である軸部102aとが設けられる。また、アクチュエータ102の後端側には、アクチュエータ102の固定解除時に、後述するコンタクト端子104Aのアクチュエータロック部104Adが挿入される複数の開口部102cと、開口部102cの後端側には、アクチュエータ102の固定時にアクチュエータロック部104Adが係合する係合部102dが設けられる。また、
図4(d)に示す底面側の開口部102cの間には、アクチュエータロック部104Adをガイドする複数の細長い突起部である櫛状突起部102eが形成される。
【0022】
図1(a)乃至
図2(b)に示すように、複数のコンタクト収容孔101aのそれぞれに収容されるコンタクト端子104A、104Bのそれぞれには、フラットケーブル10の電極が露出した部分であるコンタクト部10aに接触する接触突起部104Ab、104Bbを有するコネクタ接触部104Aa、104Baと、回路基板に半田接続される半田接合部104Ac、104Bcが形成される。これらのコンタクト端子104A、104Bは、独立して可動する。これにより、フラットケーブル10のコンタクト部10aの複数の電極のそれぞれについて、独立して可動する2本以上のコンタクト端子104A、104Bが接触することになる。従って、フラットケーブル10のコンタクト部10aにゴミ等の異物があった場合に、一方のコンタクト端子が異物により接触不良となっても、独立して可動する他方のコンタクト端子がフラットケーブル10のコンタクト部10aの電極に接触する可能性があるため、異物による接触不良を起こす可能性が低くなる。
【0023】
また、複数のコンタクト収容孔101aのそれぞれに2枚収容されるコンタクト端子のうちの一方であるコンタクト端子104Aには、コネクタ接触部104Aaの上方に伸びるアクチュエータロック部104Adが設けられる。アクチュエータロック部104Adは、アクチュエータ102の固定解除時に、アクチュエータ102に設けられた開口部102cに挿入され、アクチュエータ102の固定時に、アクチュエータ102に設けられた係合部102dに係合される。これによりアクチュエータ102は、固定時に
図1(a)乃至
図2(b)に示すように、フラットケーブル用コネクタ100の上面が平坦になるように固定される。
【0024】
また、他方のコンタクト端子104Bには、アクチュエータロック部が設けられず、短く切断された部分104Bdが形成される。これは、コンタクト端子全体の体積が大きくなると高周波での特性が悪化するため、他方のコンタクト端子104Bのみ形状を小さくして、高周波での特性を改善させるためである。
【0025】
この点について、
図9、
図10を使用して説明する。
図9は、本発明のフラットケーブル用コネクタ100のTDR法によるインピーダンス特性を示す図であり、
図10は、本発明のフラットケーブル用コネクタのS−パラメータの特性を示す図である。
【0026】
図9において、横軸は時間(s)を示し、縦軸はインピーダンス(Ω)を示す。TDR(Time Domain Reflectometry:時間領域反射)法は、ケーブルやプリント基板の配線などのインピーダンス特性を測定する手法である。TDR法により、伝送線路上の任意の位置におけるインピーダンス特性が分かるため、ケーブル、プリント基板、その他部品の性能を評価できる。
【0027】
図9に示すように、1.75GHz 200ps 10−90%において、インピーダンス特性が100Ω±15 200ps 10−90%の範囲内に入っており、本発明のフラットケーブル用コネクタ100は、1.75GHzで良好な性能を得られたことがわかる。なお、図示しないが同様の評価で、従来品であるコンタクト端子104Aと同形状の一枚差しのフラットケーブル用コネクタでは、1GHzまでしか性能が得られず、本発明のフラットケーブル用コネクタ100は、高周波特性が改善されていることがわかる。
【0028】
図10において、横軸は周波数(GHz)を示し、縦軸は減衰量(dB)を示す。インサーションロスとリターンロスは、高周波回路や高周波部品の特性を表す回路網パラメータであり、2つを合わせてS−パラメータとして使用される。−15dBにある点線は基準値であり、リターンロスがこれより低い値であれば、使用可能と評価される。
図10に示されるように、リターンロスが3GHz付近で基準値と交差しているため、本発明のフラットケーブル用コネクタ100が3GHz付近まで利用可能であることがわかる。
【0029】
なお、本実施形態では、高周波特性を改善するために、2種類の形状を有するコンタクト端子104A、104Bを使用したが、2つのコンタクト端子が独立して可動していれば、異物による接触不良を改善する効果が得られるため、同一形状のコンタクト端子を使用しても構わない。
【0030】
また、本発明のフラットケーブル用コネクタでは、ハウジングに設けられた収容孔に2枚以上のコンタクト端子を収容する構造なので、従来品のコンタクト端子1枚差しのフラットケーブル用コネクタのハウジングを共用できる。また、コンタクト端子1枚差しの場合に、1枚のコンタクト端子に2箇所の接触突起部を設け、異物の混入による接触不良を防止する方法も考えられる。しかしこの方法では、コンタクト端子が長くなり、また、一方の接触突起部に接触不良を起こした場合には、伝送特性が悪くなる、あるいは、バネ圧が弱くなり接触圧力を確保できないなどの問題が生ずる。従って、本発明のフラットケーブル用コネクタでは、従来品と比較してコンパクト化できると共に、上述の問題点を解消できるという効果を奏する。また、コンタクト端子の形状は、本実施形態の形状には限定されない。別の形状のコンタクト端子の例を
図3に示す。
【0031】
図3(a)は、コンタクト端子104A、104Bと形状の異なるコンタクト端子304A、304Bを使用した本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタの別の例300の一部を切り取った状態を示す斜視図であり、
図3(b)は、
図3(a)に示すフラットケーブル用コネクタ300の一部を切り取った部分の断面図である。
【0032】
図3(a)及び
図3(b)において、フラットケーブル用コネクタ300は、コンタクト端子304A、304Bを使用していることを除いて、フラットケーブル用コネクタ100と同じ構成を有している。同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0033】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、コンタクト端子104A、104Bでは、接触突起部104Ab、104Bbがフラットケーブル10の挿入方向に対して、同じ位置に配置されていたのに対して、コンタクト端子304A、304Bでは、接触突起部304Ab、304Bbがフラットケーブル10の挿入方向に対して、異なる位置に配置されていることが異なる。
【0034】
このように、フラットケーブル10のコンタクト部10aに接触する接触突起部304Ab、304Bbがフラットケーブル10の挿入方向に対して、異なる位置に配置されることにより、コンタクト部10aの電極の挿入方向の横方向だけでなく、縦方向にも接点の間隔を広げることができ、コンタクト部10aに異物が存在した場合に発生する接触不良の可能性をさらに下げることができる。
【0035】
以上のように、第1の実施形態のフラットケーブル用コネクタによれば、複数のコンタクト収容孔のそれぞれに2枚以上のコンタクト端子を収容し、収容される2枚以上のコンタクト端子がそれぞれ独立して可動するため、フラットケーブルのコンタクト端子に異物が存在した場合でも、一方のコンタクト端子が接触不良を起こしても、他方のコンタクト端子が接触する可能性が残り、異物が存在した場合の接触不良の可能性を下げることができる。
【0036】
また、接触突起部が、フラットケーブルの挿入方向に対して、異なる位置に配置されることにより、コンタクト部の電極の挿入方向の横方向だけでなく、縦方向にも接点の間隔を広げることができ、コンタクト部に異物が存在した場合に発生する接触不良の可能性をさらに下げることができる。
【0037】
また、従来の1枚のコンタクト端子に2箇所の接触突起部を設け、異物の混入による接触不良を防止する方法と比較して、コンパクト化できると共に、一方の接触突起部に接触不良が発生した場合に、伝送特性が悪くなる、あるいは、バネ圧が弱くなり接触圧力を確保できないなどの問題点を解消できるという効果を奏する。
【0038】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0039】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ600にフラットケーブル10を挿入しアクチュエータ102で固定した状態を示す斜視図であり、
図7は、本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタ600にフラットケーブル10を挿入しアクチュエータ102の固定を解除した状態を示す斜視図である。
図8(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル用コネクタの一方のコンタクト端子604Aの形状を示す図であり、
図8(b)は、他方のコンタクト端子604Bの形状を示す図である。
【0040】
図6乃至
図8(b)において、フラットケーブル用コネクタ600は、コンタクト端子604A、604Bを使用していることを除いて、フラットケーブル用コネクタ100と同じ構成を有している。同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0041】
図8(a)及び
図8(b)に示すように、コンタクト端子604A、604Bは、回路基板に半田接続される半田接合部604Ac、604Bcの形状が、半田接合部104Ac、104Bcの形状と異なる。半田接合部604Ac、604Bcは、コネクタ接触部604Aa、604Baに向かい異なる経路で接続されるように形成される。つまり、半田接合部604Acは、回路基板に半田接続される接点部から垂直に上方に伸びる形状を有しており、半田接合部604Bcは、回路基板に半田接続される接点部から横に伸びそこから上方に伸びる形状を有している。このため、半田接合部604Ac、604Bcは重ならない部分を介してコネクタ接触部604Aa、604Baに向かい接続される。
【0042】
このように、半田接合部604Ac、604Bcがコネクタ接触部604Aa、604Baに向かい異なる経路で、半田接合部604Ac、604Bcが重ならない部分を介して接続されるように形成されることにより、半田接続時に使用される半田フラックスが半田接合部604Ac、604Bcの間を毛細管現象により吸い上げられることがなくなる。半田フラックスが半田接合部の間に吸い上げられると、2本のコンタクト端子が独立して可動しづらくなる可能性があるが、このような形状とすることにより2本のコンタクト端子が独立して可動しやすくなる。
【0043】
以上のように、第2の実施形態のフラットケーブル用コネクタによっても、第1の実施形態のフラットケーブル用コネクタと同様の効果を奏することができる。
【0044】
またさらに、半田接合部が、コネクタ接触部に向かい異なる経路で接続されるように形成されることにより、半田接続時に使用される半田フラックスが半田接合部の間を吸い上げられることがなくなり、2本のコンタクト端子が独立して可動しやすくなる。
【0045】
以上のように、本発明のフラットケーブル用コネクタによれば、複数のコンタクト収容孔のそれぞれに2枚以上のコンタクト端子を収容し、収容される2枚以上のコンタクト端子がそれぞれ独立して可動するため、フラットケーブルのコンタクト端子に異物が存在した場合でも、一方のコンタクト端子が接触不良を起こしても、他方のコンタクト端子が接触する可能性が残り、異物が存在した場合の接触不良の可能性を下げることができる。
【0046】
また、接触突起部がフラットケーブルの挿入方向に対して、異なる位置に配置されることにより、コンタクト部の電極の挿入方向の横方向だけでなく、縦方向にも接点の間隔を広げることができ、コンタクト部に異物が存在した場合に発生する接触不良の可能性をさらに下げることができる。
【0047】
またさらに、半田接合部が、コネクタ接触部に向かい異なる経路で接続されるように形成されることにより、半田接続時に使用される半田フラックスが半田接合部の間を吸い上げられることがなくなり、2本のコンタクト端子が独立して可動しやすくなる。
【符号の説明】
【0048】
10 フラットケーブル
10a コンタクト部
10b 係合突起部
10c 補強板
100 フラットケーブル用コネクタ
101 ハウジング
101a コンタクト収容孔
101b 軸受部
102 アクチュエータ
102a 軸部
102b 操作部
102c 開口部
102d 係合部
102e 櫛状突起部
103 固定金具
104A、104B、304A、304B、604A、604B コンタクト端子
104Aa、104Ba、304Aa、304Ba、604Aa、604Ba コネクタ接触部
104Ab、104Bb、304Ab、304Bb、604Ab、604Bb 接触突起部
104Ac、104Bc、304Ac、304Bc、604Ac、604Bc 半田接合部
104Ad、304Ad、604Ad アクチュエータロック部
104Bd、304Bd、604Bd 短く切断された部分