特開2017-33794(P2017-33794A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-33794(P2017-33794A)
(43)【公開日】2017年2月9日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20170120BHJP
   H01R 4/18 20060101ALI20170120BHJP
【FI】
   H01R4/48 C
   H01R4/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-153480(P2015-153480)
(22)【出願日】2015年8月3日
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 康行
【テーマコード(参考)】
5E085
【Fターム(参考)】
5E085BB01
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD13
5E085EE02
5E085EE05
5E085EE07
5E085FF01
5E085FF05
5E085FF13
5E085JJ35
5E085JJ38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作業性の向上が望め、電線の切れが生じるおそれのないバスバー接続コンタクト
【解決手段】後端で電線に接続する接続部10と、前端で板状導体に嵌合する本体部20とを備える前後方向に延びるコンタクト1であって、本体部20はバスバーを正規嵌合位置まで挿入するための挿入口21と、バスバーを正規嵌合位置で上下面より挟持するための挟持部30と、バスバーを正規嵌合位置まで案内する切り溝22とを備え、挟持部30は下面に固定部と、上面にばね部とを備え、固定部は本体部20の下面前端より延びて後方へ180度屈曲し、ばね部は本体部20の上面前端より延びて後方へ180度屈曲する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後端で電線に接続する接続部と、前端で板状導体に嵌合する本体部とを備える前後方向に延びるコンタクトであって、
前記本体部は前記板状導体を正規嵌合位置まで挿入するための挿入口と、前記板状導体を正規嵌合位置で上下面より挟持するための挟持部と、前記板状導体を正規嵌合位置まで案内する切り溝とを備えるところに特徴を有するコンタクト。
【請求項2】
前記本体部は箱型であって、前記挿入口は前記本体部の前面に備わり、前記切り溝は前記本体部の側面に備わるところに特徴を有する請求項1記載のコンタクト。
【請求項3】
前記挟持部は下面または上面に固定部と、上面または下面にばね部とを備え、前記固定部と前記ばね部との間で前記板状導体を挟持するところに特徴を有する請求項1または2記載のコンタクト。
【請求項4】
前記固定部は前記本体部の下面または上面の前端より延びて後方へ180度屈曲し、前記ばね部は前記本体部の上面または下面の前端より延びて後方へ180度屈曲するところに特徴を有する請求項3記載のコンタクト。
【請求項5】
前記固定部または前記ばね部の前記板状導体に接する面に凸部が備わり、正規嵌合状態で前記凸部が前記板状導体の対応する位置に嵌り、抜け止めが防止されるところに特徴を有する請求項3または4記載のコンタクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池接続用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池と、制御ユニットとの間を電気的に接続する手段として、蓄電池のバスバーに直接電線をはんだ付けあるいは溶接する方法、または電線の先端に取り付けられた端子をねじでバスバーに締め付ける方法が知られている。
はんだ付け、あるいは溶接方法によれば、部品点数は少なくできるのだが、電線を基板にダイレクトにはんだ付けするので、作業性の向上が難しく、品質の安定も困難である。また、電線の屈曲によりはんだ付け部付近の心線が折れたり、切れたりするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、電線のバスバー接続手段において、作業性の向上が望め、電線の折れや切れが生じるおそれのない、電線をバスバーに接続するためのコンタクトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るコンタクトは、(1)後端で電線に接続する接続部と、前端で板状導体に嵌合する本体部とを備える前後方向に延びるコンタクトであって、前記本体部は前記板状導体を正規嵌合位置まで挿入するための挿入口と、前記板状導体を正規嵌合位置で上下面より挟持するための挟持部と、前記板状導体を正規嵌合位置まで案内する切り溝とを備えるところに特徴を有するものである。
【0006】
この発明によれば、板状導体にコンタクトが挟持接続するので、作業性の向上が望め、電線の折れや切れが生じるおそれのない、板状導体接続用のコンタクトが得られる。板状導体は、たとえば銅合金の圧延材料から形成されるようなバスバーを含むものである。
【0007】
好ましくは、本発明に係るコンタクトは、(2)前記本体部は箱型であって、前記挿入口は前記本体部の前面に備わり、前記切り溝は前記本体部の側面に備わるところに特徴を有する(1)記載のものである。
【0008】
この発明によれば、コンタクト本体部は箱体で挿入口と、切り溝が備わるので、切り溝に沿って挿入することで、コンタクトは板状導体に嵌合される。
【0009】
好ましくは、本発明に係るコンタクトは、(3)前記挟持部は下面または上面に固定部と、上面または下面にばね部とを備え、前記固定部と前記ばね部との間で前記板状導体を挟持するところに特徴を有する(1)または(2)記載のものである。
【0010】
この発明によれば、ばね部で板状導体を固定部に向けて押圧する態様で挟持するので、挟持部と板状導体との間で安定した電気的機械的接続が得られる。
【0011】
好ましくは、本発明に係るコンタクトは、(4)前記固定部は前記本体部の下面または上面の前端より延びて後方へ180度屈曲し、前記ばね部は前記本体部の上面または下面の前端より延びて後方へ180度屈曲するところに特徴を有する(3)記載のものである。
【0012】
この発明によれば、ばね部は本体部の上面あるいは下面前端より後方へ屈曲して延びるので、板状導体に挿入するときスムーズな作業がおこなえる。
【0013】
好ましくは、本発明に係るコンタクトイは、(5)前記固定部または前記ばね部の前記板状導体に接する面に凸部が備わり、正規嵌合状態で前記凸部が前記板状導体の対応する位置に嵌り、抜け止めが防止されるところに特徴を有する(3)または(4)記載のものである。
【0014】
この発明によれば、固定部あるいはばね部に凸部が備わるので、コンタクトが板状導体に挿入され正規嵌合位置に達した状態でその位置に係止される。これにより、抜け止め作用がえられる。また位置決め作用も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施形態に係るコンタクトの外観斜視図である。
図2図2は、図1のII−II断面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るコンタクトの正面図である。
図4図4は、同コンタクトの展開図である。
図5図5は、同コンタクトとブスバーとの嵌合前の状態を示す外観図である。
図6図6は、同コンタクトによる回路基板とブスバーとの嵌合状態を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について図面にしたがって説明する。図1は、本発明の実施形態に係るコンタクトの外観斜視図である。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、本発明の実施形態に係るコンタクトの正面図である。図4は、同コンタクトの展開図である。図5は、同コンタクトとブスバーとの嵌合前の状態を示す外観図である。図6は、同コンタクトによる回路基板とバスバーとの嵌合状態を示す外観図である。説明中の指示方向は、特に断りのない場合は図中の方向定義に従う。
【0017】
<コンタクト> 本発明の実施形態に係るコンタクト1は、銅合金などの金属圧延材料の曲げ加工によって得られる。接続信頼性、耐久性を考慮して表面をスズあるいは金でめっき処理をしてもよい。
【0018】
本実施形態に係るコンタクト1は、図1に示されるように、前方に箱体状の本体部20、後方に電線に接続する接続部10を備えている。本体部20は、バスバー40に接続する部分であって、前面に挿入口21と、側面に切り溝22、22とを備えている。
【0019】
挿入口21は、図1図3に示されるように、本体部20の前面中段に幅いっぱいに形成され、側面で切り溝22、22に連なる。挿入口21は、その奥部で挟持部30を形成する。
【0020】
挟持部30は、図2に示されるように、上下方向からの挟持構造で、下面に固定部310と、上面にばね部320とを備えている。
【0021】
固定部310と、ばね部320との間には、図2図3に示されるように、バスバー4
0を挟持するための隙間が形成されている。また、固定部310には正規嵌合位置まで挿入されたブスバー40をその位置に固定し、抜け止め係止するための係止部311が備わる。係止部311は凸状の突起物でバスバー40の対応する位置にはスリット410が形成されている。
【0022】
固定部310と、ばね部320との間の隙間は、図3に示されるように、切り溝22の溝位置とほぼ高さ方向が同じである。これにより、バスバー40に挿入されたコンタクト1は、切り溝22をガイドとしてバスバー40の奥部に挿入され正規嵌合位置に至る。
【0023】
コンタクト1は、図4に示されるように、展開形状に切り出され圧延材料の成形品である。本体部20は、箱体を形成する各面、および挟持部30を形成する固定部310、ばね部320が所定に端部に備わる。切り溝22は側面に切り欠きとして形成される。
【0024】
固定部310は、図4に示されるように、下面前縁から延出する切り出し片が180度後方に折り曲げられて形成される。固定部310には上方に凸状の係止部311が形成されている。係止部311は裏面からの叩き出しによって形成してもよく、ここに切り欠きを入れて切り起こしで形成してもよい。
【0025】
ばね部320は、上面前縁から延出する切り出し片が180度後方に折り曲げられて形成される。ばね部320は、凸状に形成され頂部を備え、頂部によって挟持するバスバー40に押圧を加える。
【0026】
<バスバーとコンタクト接続> バスバー40には、図5に示されるように、スリット410が形成されている。
【0027】
コンタクト1は、図6に示されるように、バスバー40を上下面から挟持する態様で挿入される。コンタクト1は、バスバー40の縁部から挿入される。挿入口21が縁部にあたり、ばね部320を押し上げつつ、コンタクト1は奥部へ進む。固定部310の上面は、バスバー40の下面を摺動しながら進み、ばね部320の下面は、バスバー40上面を摺動しながら奥部へ進む。
【0028】
コンタクト1は、図6に示されるように、正規嵌合位置で固定部310の凸状の係止部311がバスバー40のスリット410に係止する。係止によってコンタクト1の位置決めと同時に、コンタクト1の抜け止めが働く。
【0029】
<効果> 本実施形態に係るコンタクト1は、バスバー40を上下面から挟持して電気的機械的接続を得る。これにより、作業性がよく、電線の切れ、折れが抑制されたバスバー接続手段が得られる。
【0030】
本実施形態に係るコンタクト1は、バスバー40に形成されたスリット410に正規嵌合位置で対応する凸状の係止部311が備わる。これにより、位置ずれの抑制、抜け止め構造を備えたバスバー接続コンタクトが得られる。
【0031】
本実施形態に係るコンタクト1は、本体部側面に切り溝22が備わる。これにより、切り溝22に案内されてバスバー40の奥部に挿入されるバスバー接続コンタクトが得られる。
本実施形態に係るコンタクト1は、回路基板50側にもバスバー40側と同じコンタクト1を備えてもよい。これにより、接続方向を問わないバスバー基板間接続コンタクトが得られる。
【0032】
本実施形態に係るコンタクト1は、挟持部30に固定部310と、ばね部320とを備える。これにより、ばね弾性により押圧された電気的接続状態が得られる。
本実施形態に係るコンタクト1は、ばね部320に頂部が備わる。これにより、押圧力が頂部に集中するバスバー接続コンタクトが得られる。
【0033】
〈他の実施形態〉本発明は、本実施形態に限定的に解釈されるものではない。発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 コンタクト
10 接続部
20 本体部
21 挿入口
22 切り溝
30 挟持部
310 固定部
311 係止部
320 ばね部
40 バスバー
410 スリット
50 回路基板
60 コネクタ
70 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6