【解決手段】磁性体本体50は、基板20と、基板20の少なくとも一面上に配置されパターニングされた絶縁膜30及びパターニングされた絶縁膜30の間にめっきで形成されためっき層61を含むコイル部41、42と、を含む。めっき層61は基板20の一面に平行に測定された幅に比べて厚さが同一であるか、またはより大きい。
前記めっき層は、前記基板の表面から垂直で測定された厚さTpが200μm以上であり、前記めっき層の断面において前記めっき層の幅Wpに対する厚さTpの比であるアスペクト比(Aspect Ratio)が1.0以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコイル電子部品。
前記磁性体本体を形成する段階の前に、前記絶縁膜及びめっき層の上部に前記絶縁膜と異なる材料でカバー絶縁層を形成する段階をさらに含む、請求項7に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記めっき層は、前記基板の表面から垂直で測定された厚さTpが200μm以上であり、前記めっき層の断面において前記めっき層の幅Wpに対する厚さTpの比であるアスペクト比(Aspect Ratio)が1.0以上である、請求項7〜9のいずれか一項に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記めっき層を形成する段階の後に、前記めっき層の上部に異方めっきを行って異方めっき層を形成する段階をさらに含む、請求項12に記載のコイル電子部品の製造方法。
基板の一面上に絶縁膜を形成し、且つ前記絶縁膜にコイルパターンをパターニングし、前記パターニングされた絶縁膜の厚さを前記パターニングされた絶縁膜の間の空間より大きいか、または同一にする段階と、
前記パターニングされた絶縁膜の間にめっき層を形成する段階と、を含む、コイル電子部品の製造方法。
前記基板の表面から垂直で測定された前記絶縁膜の厚さをTp、前記基板の一面に平行に測定された絶縁膜の幅をWiとすると、絶縁膜の幅Wiに対する厚さTpのアスペクト比(Aspect Ratio、Tp/Wi)が10以上である、請求項14に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記めっき層は、前記基板の表面から垂直で測定された厚さTpが200μm以上であり、前記めっき層の断面において前記めっき層の幅Wpに対する厚さTpの比であるアスペクト比(Aspect Ratio、Tp/Wp)が1.0以上である、請求項14〜16のいずれか一項に記載のコイル電子部品の製造方法。
前記絶縁膜を形成する段階は、基板の両面に形成し、且つ前記絶縁膜にコイルパターンをパターニングし、前記パターニングされた絶縁膜の厚さを前記パターニングされた絶縁膜の間の空間より大きいか、または同一にする段階と、
前記基板の両面に形成されパターニングされた絶縁膜の間にめっき層を形成する段階と、
前記基板を貫通するようにビアを形成して基板の両面にそれぞれ形成されためっき層を互いに電気的に連結する段階と、を含む、請求項14〜19のいずれか一項に記載のコイル電子部品の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがあり、図面上において同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0013】
また、本発明を明確に説明すべく、図面において説明と関係ない部分は省略し、多様の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内において機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。
【0014】
なお、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0015】
コイル電子部品
図1は本発明の一実施形態によるコイル電子部品の内部コイル部が現れるように示す概略斜視図である。
【0016】
図1を参照すると、コイル電子部品100の一例として、電源供給回路の電源ラインに用いられる薄膜型インダクタが開示される。
【0017】
本発明の一実施形態によるコイル電子部品100は、磁性体本体50と、上記磁性体本体50の内部に埋設されたコイル部41、42と、上記磁性体本体50の外側に配置されて上記コイル部41、42と電気的に連結された第1及び第2外部電極81、82と、を含む。
【0018】
本発明の一実施形態によるコイル電子部品100において、「長さ」方向は
図1の「L」方向、「幅」方向は「W」方向、「厚さ」方向は「T」方向と定義する。
【0019】
上記磁性体本体50は、コイル電子部品100の外観を成し、磁気特性を示す材料であれば制限されず、例えば、フェライトまたは金属磁性体粉末が充填されて形成されることができる。
【0020】
上記フェライトは、例えば、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライトまたはLi系フェライトなどであってよい。
【0021】
上記金属磁性体粉末は、Fe、Si、Cr、Al及びNiからなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属であることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0022】
上記金属磁性体粉末の粒径は0.1μm〜30μmであってよく、エポキシ(epoxy)樹脂またはポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂に分散された形態で含まれることができる。
【0023】
上記磁性体本体50の内部に配置された基板20の一面にはコイル形状の第1コイル部41が形成され、上記基板20の一面と対向する他面にはコイル形状の第2コイル部42が形成される。
【0024】
上記第1及び第2コイル部41、42は電気めっきを行って形成することができる。
【0025】
上記基板20は、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)基板、フェライト基板または金属系軟磁性基板などで形成される。
【0026】
上記基板20の中央部は貫通されて孔を形成し、上記孔は磁性材料で充填されてコア部55を形成する。磁性材料で充填されるコア部55を形成することによりインダクタンス(Ls)を向上させることができる。
【0027】
上記第1及び第2コイル部41、42は、スパイラル(spiral)状に形成されることができ、上記基板20の一面と他面に形成された第1及び第2コイル部41、42は上記基板20を貫通して形成されるビア45を通じて電気的に接続される。
【0028】
上記第1及び第2コイル部41、42とビア45は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成されることができ、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)またはこれらの合金などで形成されることができる。
【0029】
インダクタの主な特性の一つである直流抵抗(Rdc)は、内部コイル部の断面積が大きいほど低くなる。また、インダクタのインダクタンスは磁束が通過する磁性体の面積が大きいほど高くなる。
【0030】
したがって、直流抵抗(Rdc)を減らし、インダクタンスを向上させるためには、内部コイル部の断面積を増加させ、磁性体面積を増加させる必要である。
【0031】
内部コイル部の断面積を増加させるための方法には、コイルの幅を増加させる方法及びコイルの厚さを増加させる方法がある。
【0032】
しかし、コイルの幅を増加させる場合、隣接したコイル間にショート(short)が発生するおそれが非常に大きくなり、実現できるコイルのターン数に限界が生じ、磁性体面積の縮小につながって効率が低下し、高容量製品の実現に限界がある。
【0033】
これにより、コイルの幅に対するコイルの厚さを増加させて高いアスペクト比(Aspect Ratio、AR)を有する構造の内部コイル部が求められている。
【0034】
内部コイル部のアスペクト比(AR)とは、コイルの厚さをコイルの幅で分けた値を意味し、コイルの幅の増加量よりコイルの厚さの増加量が大きいほど高いアスペクト比(AR)を実現することができる。
【0035】
しかし、従来では、めっきレジストを露光及び現像工程を通じてパターニングしてめっきするパターンめっき法を行ってコイル部を形成する場合、コイルの厚さを厚く形成するためにめっきレジストの厚さを厚く形成しなければならず、めっきレジストの厚さを厚くするほどめっきレジストの下部の露光が円滑でなくなり露光工程に限界があるためコイルの厚さの増加が困難であった。
【0036】
また、厚いめっきレジストがその形態を維持するためには一定の幅以上を有する必要があるが、めっきレジストを除去した後のめっきレジストの幅が隣接したコイル間の間隔になるため、隣接したコイル間の間隔が広くなって直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)の特性向上に限界があった。
【0037】
一方、先行技術文献の特許文献2には、レジスト膜の厚さによる露光の限界を解決するために露光及び現像して第1レジストパターンを形成した後、第1めっき導体パターンを形成し、第1レジストパターン上に再び露光及び現像して第2レジストパターンを形成した後、第2めっき導体パターンを形成する工程が開示されている。
【0038】
しかし、特許文献2のようにパターンめっき法だけを行って内部コイル部を形成する場合、内部コイル部の断面積を増加させるのに限界があり、隣接したコイル間の間隔が広くなって直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)の特性向上が困難である。
【0039】
また、一般に、高いアスペクト比(Aspect Ratio、AR)を有する構造のコイル部を形成するために等方性めっきによるめっき層上に異方性めっきを追加してこれを実現する方法が試された。
【0040】
このような異方性めっき方式は、シードパターンを形成した後で求められるコイルの残りの高さを異方めっきで実現するもので、上記方式による場合、コイルの形状が扇形状であるため均一性が落ち、その結果、直流抵抗(Rdc)の散布に影響を及ぼす。
【0041】
また、このような方式による場合、コイルの形状が曲がるようになるため、コイルパターンへの絶縁層の形成が容易ではなく、これにより、コイルパターン間の空間に未絶縁が発生して不良を誘発しかねない。
【0042】
よって、本発明の一実施形態は、厚さの散布が少ない等方めっきだけでも高いアスペクト比(AR)を得ることができるコイル部の構造を実現することができるようにした。
【0043】
図2は
図1のI−I'線に沿った断面図である。
【0044】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル電子部品は、磁性体本体50を含み、上記磁性体本体50は、基板20と、上記基板20上に配置されパターニングされた絶縁膜30、及び上記パターニングされた絶縁膜30の間にめっきで形成されためっき層61を含むコイル部41、42と、を含む。
【0045】
上記めっき層61は、厚さの散布が少ない等方めっきで形成され、1回のめっきで形成されることができる。
【0046】
上記めっき層61が1回のめっきで形成されるため、2回以上のめっきで形成する際に現れる少なくとも一つの内部界面、即ち、めっき層を2層以上で区画する少なくとも一つの内部界面が現れない。
【0047】
上記内部界面は、コイル電子部品において直流抵抗(Rdc)特性及び電気的特性の低下をもたらす可能性がある。
【0048】
したがって、本発明の一実施形態によると、上記めっき層61が1回のめっきで形成されるため直流抵抗(Rdc)特性及び電気的特性が向上することができる。
【0049】
但し、上記めっき層61は、これに制限されず、多様なめっき層で構成されることもできる。
【0050】
上記めっき層61は厚さの散布が少ない等方めっきで形成される。ここで、等方めっきとは、めっき層の幅と厚さがともに成長するめっき方法を意味し、幅方向と厚さ方向にめっきが成長する速度が異なる異方めっき方法と対比される技術である。
【0051】
また、上記めっき層61は、パターニングされた絶縁膜30の間に等方めっきで形成されるため、その形状が長方形であってよいが、工程偏差によって多少の変形はあり得る。
【0052】
上記めっき層61の形状が長方形であることから、コイル部の断面積が増加し、磁性体面積が増加することができるため、直流抵抗(Rdc)を減らし、インダクタンスを向上させることができる。
【0053】
また、コイル部の幅に対する厚さを増加させて高いアスペクト比(Aspect Ratio、AR)を有する構造を実現することができるため、コイル部の断面積を増加させ、直流抵抗(Rdc)特性を向上させることができる。
【0054】
本発明の一実施形態によると、上記磁性体本体50は、基板20上に配置されパターニングされた絶縁膜30を含む。
【0055】
一般的なコイル電子部品の場合、コイル部を基板上に形成した後、コイル部を覆うように絶縁膜を形成した。
【0056】
しかし、本発明の一実施形態によると、コイル部の厚さの差異を均一にして低い直流抵抗(Rdc)を実現し、コイル部が曲がらずに真っ直ぐ形成されてコイルパターン間のスペース内に絶縁層が形成されないという不良を減少させるために、めっき層61を形成する前に基板20上に絶縁膜30をパターニングする。
【0057】
具体的には、上記絶縁膜30が狭い幅と大きい厚さを有するようにパターニングし、パターニングされた絶縁膜30の間を等方めっき処理することにより、高いアスペクト比(Aspect Ratio、AR)を有するめっき層61を実現することができる。
【0058】
上記絶縁膜30は、感光性絶縁膜であり、例えば、エポキシ系の材料であってよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0059】
また、上記絶縁膜30は、フォトレジスト(Photo Resist、PR)の露光、現像を通じた工程で形成することができる。
【0060】
上記コイル部41、42を構成するめっき層61は、パターニングされた絶縁膜30によって磁性体本体50を成す磁性材料と直接接触しなくてよい。
【0061】
本発明の一実施形態による上記パターニングされた絶縁膜30、及びその間に配置されるめっき層61を形成する具体的な工程については後述する。
【0062】
本発明の一実施形態によると、上記磁性体本体50は、上記絶縁膜30及びめっき層61の上部に配置されたカバー絶縁層31をさらに含むことができる。
【0063】
上記カバー絶縁層31は上記絶縁膜30と異なる材料であってよい。
【0064】
また、上記カバー絶縁層31は、パターニングされた絶縁膜30及びその間のめっき層61を配置した後、上記絶縁膜30及びめっき層61の上部に形成するため、上記絶縁膜30とは互いに異なる材料及び形状で絶縁膜30及びめっき層61と境界が形成されて区分される。
【0065】
上記基板20の一面に形成された第1コイル部41の一端部は磁性体本体50の長さ(L)方向の一端面に露出し、基板20の他面に形成された第2コイル部42の他端部は磁性体本体50の長さ(L)方向の他端面に露出する。
【0066】
但し、必ずしもこれに制限されず、上記第1及び第2コイル部41、42のそれぞれの一端部は上記磁性体本体50の少なくとも一面に露出することができる。
【0067】
上記磁性体本体50の端面に露出する上記第1及び第2コイル部41、42のそれぞれと接続されるように上記磁性体本体50の外側に第1及び第2外部電極81、82が形成される。
【0068】
図3は
図2の「A」部分の一実施形態を拡大して示す概略図である。
【0069】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部41は、基板20上に配置されたベース導体層25、基板20上に配置され、上記ベース導体層25の間にパターニングされた絶縁膜30、上記パターニングされた絶縁膜30の間にベース導体層25を基礎にその上部にめっきで形成されためっき層61、及び上記絶縁膜30及びめっき層61の上部に配置されたカバー絶縁層31で構成される。
【0070】
上記ベース導体層25は、上記基板20上に無電解めっきまたはスパッタリング(sputtering)工法を行った後、レジストパターンを形成し、エッチング及びレジスト剥離工程を通じて形成されることができる。
【0071】
上記ベース導体層25の幅は、10μm〜30μmであってよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0072】
上記絶縁膜30の幅は、1μm〜20μmであってよく、厚さは特に制限されず、等方めっきによって形成されるめっき層61の必要な厚さに応じて決定されることができる。
【0073】
上記絶縁膜30を形成する方法は、特に制限されず、一般的な回路形成工法によって行われることができる。
【0074】
上記めっき層61は、厚さTpが200μm以上であり、アスペクト比(Aspect Ratio)(Tp/Wp)が1.0以上であることができる。
【0075】
上記めっき層61を厚さTpが200μm以上であり、アスペクト比(Aspect Ratio)(Tp/Wp)が1.0以上になるように形成することにより、高いアスペクト比(AR)を有する内部コイル部41、42を実現することができる。
【0076】
パターニングされた絶縁膜30の間に上記めっき層61を等方めっき方法によって形成することにより、めっきレジストの厚さによる露光の限界を克服し、めっき層61の全体の厚さTpを200μm以上に実現することができる。
【0077】
また、上記めっき層61のアスペクト比(Aspect Ratio)(Tp/Wp)は1.0以上であってよいが、本発明の一実施形態において、上記めっき層61の幅は上記ベース導体層25の幅と類似するため3.0以上の高いアスペクト比を実現することができる。
【0078】
このように、本発明の一実施形態によると、パターニングされた絶縁膜30の間にベース導体層25を基礎にその上部に等方めっきでめっき層61を形成するため、コイル部が曲がらずに真っ直ぐ形成されて、コイルパターン間のスペース内に絶縁層が形成されないという不良を減少させることができる。
【0079】
また、外側のコイルパターンと内側のコイルパターンとの厚さの差異を均一にすることができるため、内部コイル部の断面積を増加させ、直流抵抗(Rdc)特性を向上させることができる。
【0080】
図4は
図2の「A」部分の他の実施形態を拡大して示す概略図である。
【0081】
図4を参照すると、本発明の他の実施形態によるコイル部41は、基板20上に配置されたベース導体層25、基板20上に配置され、上記ベース導体層25の間にパターニングされた絶縁膜30、上記パターニングされた絶縁膜30の間にベース導体層25を基礎にその上部にめっきで形成されためっき層61、上記めっき層の上部に配置された異方めっき層62、及び上記絶縁膜30及び異方めっき層62の上部に配置されたカバー絶縁層31で構成される。
【0082】
上記めっき層61は幅方向の成長程度と厚さ方向の成長程度が類似した等方めっき層であり、上記異方めっき層62は幅方向の成長が抑えられ、厚さ方向の成長程度が遥かに大きい形状のめっき層である。
【0083】
上記異方めっき層62は上記めっき層61の上面上に形成される。
【0084】
このように、等方めっき層であるめっき層61上に異方めっき層62をさらに形成することにより、さらに高いアスペクト比(AR)を有する内部コイル部41、42を実現することができ、直流抵抗(Rdc)特性をさらに向上させることができる。
【0085】
上記異方めっき層62は、電流密度、めっき液の濃度、めっき速度などを調節して形成することができる。
【0086】
上記絶縁膜30及び異方めっき層62の上部に配置されたカバー絶縁層31は、上記異方めっき層62の上部の形状が円形または曲面状を有することにより異方めっき層62の表面形状に沿って形成されることができる。
【0087】
上記カバー絶縁層31の形成方法は、化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)または低粘度の高分子コーティング液を用いてディッピング(dipping)法などで形成されることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0088】
コイル電子部品の製造方法
図5aから
図5fは本発明の一実施形態によるコイル電子部品の製造方法を順に示す図面である。
【0089】
図5aから
図5cを参照すると、基板20を設け、上記基板20上にベース導体層25をパターニングする。
【0090】
上記基板20にビア孔(図示せず)を形成することができ、ビア孔は機械ドリルまたはレーザードリルを用いて形成することができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0091】
上記レーザードリルは、例えば、CO
2レーザーまたはYAGレーザーであってよい。
【0092】
具体的には、
図5aを参照すると、上記ベース導体層25は上記基板20上に無電解めっきまたはスパッタリング(sputtering)工法を行って形成した後、レジストパターン71を形成する。
【0093】
図5bを参照すると、上記ベース導体層25をパターニングするためにエッチング工程が行われる。
【0094】
次に、
図5cのように、レジストパターン71を剥離する工程を通じてパターン化されたベース導体層25を基板20上に形成することができる。
【0095】
上記ベース導体層25の幅は、10μm〜30μmであってよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0096】
続いて、
図5dを参照すると、基板20上にパターニングされた絶縁膜30を形成することができる。
【0097】
上記絶縁膜30は、パターニングされたベース導体層25の間の露出した基板20上に形成されることによりパターニングされることができる。
【0098】
上記絶縁膜30の幅は、1μm〜20μmであってよく、厚さは特に制限されず、等方めっきによって形成されるめっき層61の必要な厚さによって決定されることができる。
【0099】
上記絶縁膜30を形成する方法は、特に制限されず、一般的な回路形成工法によって行われることができる。
【0100】
また、上記絶縁膜30は、感光性絶縁膜であり、例えば、エポキシ系の材料であってよいが、必ずしもこれに制限されない。
【0101】
なお、上記絶縁膜30は、フォトレジスト(Photo Resist、PR)の露光、現像を通じた工程で形成することができる。
【0102】
次の工程で形成されるコイル部41、42を構成するめっき層61は、パターニングされた絶縁膜30によって磁性体本体50を成す磁性材料と直接接触しなくてよい。
【0103】
上記絶縁膜30は、厚さが200μm以上であるめっき層61を形成するための等方めっきのダムの役割を行うため、実際のその厚さは200μm以上で形成される。
【0104】
図5eを参照すると、上記パターニングされた絶縁膜30の間に等方めっき方法によってめっき層61を形成する。
【0105】
上記めっき層61は、厚さが200μm以上であり、アスペクト比(Aspect Ratio)(Tp/Wp)が1.0以上であることができる。
【0106】
上記めっき層61を厚さTpが200μm以上であり、アスペクト比(Aspect Ratio)(Tp/Wp)が1.0以上になるように形成することにより、高いアスペクト比(AR)を有する内部コイル部41、42を実現することができる。
【0107】
上記めっき層61をパターニングされた絶縁膜30の間に等方めっき方法によって形成することにより、めっきレジストの厚さによる露光の限界を克服し、めっき層61の全体の厚さTpを200μm以上に実現することができる。
【0108】
図5fを参照すると、上記絶縁膜30及びめっき層61の上部にカバー絶縁層31を形成することができる。
【0109】
上記カバー絶縁層31は上記絶縁膜30と異なる材料であってよい。
【0110】
また、上記カバー絶縁層31は、パターニングされた絶縁膜30及びその間にめっき層61を配置した後、上記絶縁膜30及びめっき層61の上部に形成するため、上記絶縁膜30とは互いに異なる材料及び形状であり、絶縁膜30及びめっき層61と境界が形成されて区分される。
【0111】
上記カバー絶縁層31は、スクリーン印刷法、スプレー(spray)塗布工程などの方法、化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)または低粘度の高分子コーティング液を用いてディッピング(dipping)法で形成することができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0112】
図5aから
図5fにはベース導体層25が開示されているが、その幅が図面と同一ではなく、実際はさらに小さくてよい。
【0113】
図6は本発明の一実施形態による磁性体本体を形成する工程を示す図面である。
【0114】
図6を参照すると、上記第1及び第2内部コイル部41、42が形成された基板20の上部及び下部に磁性体シート51a、51b、51c、51d、51e、51fを積層する。
【0115】
上記磁性体シート51a、51b、51c、51d、51e、51fは、磁性材料、例えば、金属磁性体粉末や熱硬化性樹脂などの有機物を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法でキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥してシート(sheet)状に製作することができる。
【0116】
複数の磁性体シート51a、51b、51c、51d、51e、51fを積層した後、ラミネート法または静水圧プレス法を通じて圧着及び硬化して磁性体本体50を形成する。
【0117】
上記説明を除き、上述の本発明の一実施形態によるコイル電子部品の特徴と重複する説明はここでは省略する。
【0118】
コイル電子部品の実装基板
図7は
図1のコイル電子部品が印刷回路基板に実装された形状を示す斜視図である。
【0119】
本発明の一実施形態によるコイル電子部品の実装基板1000は、コイル電子部品100が実装された印刷回路基板1100と、印刷回路基板1100の上面で互いに離隔するように形成された第1及び第2電極パッド1110、1120と、を含む。
【0120】
このとき、上記コイル電子部品100の両端面に形成された第1及び第2外部電極81、82がそれぞれ第1及び第2電極パッド1110、1120上に接触するように位置した状態で半田1130によって印刷回路基板1100と電気的に連結されることができる。
【0121】
上記実装されたコイル電子部品100の第1及び第2内部コイル部41、42は、上記印刷回路基板1100の実装面S
Mに対して水平に配置される。
【0122】
上記説明を除き、上述の本発明の一実施形態によるコイル電子部品の特徴と重複する説明はここでは省略する。
【0123】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。