特開2017-36691(P2017-36691A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-36691(P2017-36691A)
(43)【公開日】2017年2月16日
(54)【発明の名称】空気圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20170127BHJP
   F04B 41/02 20060101ALI20170127BHJP
   F04B 41/00 20060101ALI20170127BHJP
【FI】
   F04B39/00 106E
   F04B39/00 101Z
   F04B39/00 102Z
   F04B41/02 A
   F04B41/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-157561(P2015-157561)
(22)【出願日】2015年8月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000100872
【氏名又は名称】アイチエレック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】吉田 力
(72)【発明者】
【氏名】大澤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】堀 敬
(72)【発明者】
【氏名】香ノ木 秀和
【テーマコード(参考)】
3H003
3H076
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AB06
3H003AC02
3H003BA00
3H003BB00
3H003CB02
3H003CD04
3H003CE03
3H003CF06
3H076AA12
3H076AA33
3H076AA35
3H076BB01
3H076CC07
(57)【要約】
【課題】ステータを肉薄にした場合でも共振による騒音の発生を抑制することができる空気圧縮機を提供する。
【解決手段】クランクケース11と、前記クランクケース11に取り付けられる圧縮機構40と、前記圧縮機構40を作動させるためのモータ30と、を備え、前記モータ30は、回転軸31と、前記回転軸31に固定されたロータ32と、前記クランクケース11に固定されたステータ35と、を備え、前記ステータ35は、周方向に不等間隔で設けられた複数の固定部36において前記クランクケース11に固定されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケースと、
前記クランクケースに取り付けられる圧縮機構と、
前記圧縮機構を作動させるためのモータと、
を備え、
前記モータは、回転軸と、前記回転軸に固定されたロータと、前記クランクケースに固定されたステータと、を備え、
前記ステータは、周方向に不等間隔で設けられた複数の固定部において前記クランクケースに固定されていることを特徴とする、空気圧縮機。
【請求項2】
前記圧縮機構は、低圧用圧縮機構と高圧用圧縮機構とを備え、
前記低圧用圧縮機構及び前記高圧用圧縮機構は、前記回転軸を挟んで対向配置され、
前記複数の固定部のうちの少なくとも1つは、前記低圧用圧縮機構と前記高圧用圧縮機構とが対向配置された中心線上に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の空気圧縮機。
【請求項3】
前記複数の固定部のうちの少なくとも1つは、前記中心線と直交し、かつ前記回転軸を通過する線上に配置されていることを特徴とする、請求項2記載の空気圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気圧縮機に関し、特に、モータを作動させたときの騒音を抑制できる空気圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場などでは、現場毎に移動できる可搬型の空気圧縮機が使用されている。このような、可搬型の空気圧縮機の多くは、圧縮機構と、圧縮機構を駆動するモータと、圧縮空気を貯留するタンクとが一体に構成されている。これらを一体に構成するため、クランクケース内にモータの回転軸を回転自在に設け、この回転軸にクランク構造を直結させたものが使用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
従来の空気圧縮機では、例えば図6に示すように、モータのステータ35'はボルトBなどの固定手段でクランクケースに固定される。この例が示すように、ステータ35'の固定箇所は周方向に均等に配置されることが一般的であった。このような均等配置が選択されるのは、加工上・型製作上で手間がかからないためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−24603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のようにステータとクランクケースとの固定箇所を周方向に均等配置とした場合、固定箇所を節とした均一なモード振動が発生するため、モータの回転の基本周波数(及び次数倍の周波数)によってステータのモード振動が増幅され、騒音が発生する場合があった。
【0006】
近年の空気圧縮機は、インバータ制御によって駆動され、効率よく空気圧縮を行えるように電圧変動や負荷変動に応じて、モータ回転数が動的に変動する。このようにモータ回転数が動的に変動した結果、特定の回転数においてステータの共振によって振動が増大し、大きな騒音が発生することがある。
【0007】
しかも、可搬式の空気圧縮機では軽量化も重要な要素であり、ステータを肉薄にしたいという要求がある。ステータを肉薄にした場合、ステータの振動が抑制しにくいために上記したような騒音が発生しやすくなる。
そこで、本発明は、ステータを肉薄にした場合でも共振を抑制でき、騒音の発生を抑制することができる空気圧縮機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明は、クランクケースと、前記クランクケースに取り付けられる圧縮機構と、前記圧縮機構を作動させるためのモータと、を備え、前記モータは、回転軸と、前記回転軸に固定されたロータと、前記クランクケースに固定されたステータと、を備え、前記ステータは、周方向に不等間隔で設けられた複数の固定部において前記クランクケースに固定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記圧縮機構は、低圧用圧縮機構と高圧用圧縮機構とを備え、前記低圧用圧縮機構及び前記高圧用圧縮機構は、前記回転軸を挟んで対向配置され、前記複数の固定部のうちの少なくとも1つは、前記低圧用圧縮機構と前記高圧用圧縮機構とが対向配置された中心線上に配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の特徴点に加え、前記複数の固定部のうちの少なくとも1つは、前記中心線と直交し、かつ前記回転軸を通過する線上に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、前記ステータは、周方向に不等間隔で設けられた複数の固定部において前記クランクケースに固定されている。このような構成によれば、ステータの固定箇所が不均等であるため、振動の節以外の場所に固定箇所が配置されることとなり、低次のモード振動が発生しにくくなる。よって、ステータを肉薄にした場合でもモータの回転による共振を抑制でき、騒音の発生を抑制することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、前記複数の固定部のうちの少なくとも1つは、前記低圧用圧縮機構と前記高圧用圧縮機構とが対向配置された中心線上に配置されている。このように低圧用圧縮機構と高圧用圧縮機構との中心に固定箇所を設けることで、特に影響の大きい二次モードの振動を効果的に抑制することができる。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、前記複数の固定部のうちの少なくとも1つは、前記中心線と直交し、かつ前記回転軸を通過する線上に配置されているので、より効果的に二次モードの振動を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】空気圧縮機の内部構造を示すために一部を断面で表示した平面図である。
図2】カバーを取り外した空気圧縮機の側面図である。
図3】クランクケースとモータとの固定箇所を示す図である。
図4】ステータの固定部のバリエーションを示す図である。
図5】ステータの固定部の更なるバリエーションを示す図である。
図6】従来のステータの固定部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0017】
本実施形態に係る空気圧縮機10は、可搬型コンプレッサであり、図1及び図2に示すように、クランクケース11と、クランクケース11に取り付けられる圧縮機構40と、圧縮機構40を作動させるためのモータ30と、圧縮機構40によって生成した圧縮空気を貯留するためのタンク45と、を備えている。
クランクケース11は、圧縮機構40を収容するためのものであり、ケース本体14と、ケース本体14の開口を覆うケースキャップ20と、を備えている。
【0018】
ケース本体14は、例えばアルミニウム等の金属材料からなる中空容器として形成されている。ケース本体14の前部には、開口が設けられ、この開口をケースキャップ20が覆っている。また、このケース本体14の両側には、圧縮機構40のシリンダ41c,42cが取り付けられている。また、このケース本体14の後部には、圧縮機構40の駆動源となるモータ30が取付けられている。具体的には、ケース本体14の後部には、周壁部15が突出して設けられており、この周壁部15の端部にモータ30のステータ35が取り付けられている。
【0019】
ケースキャップ20は、例えばアルミニウム等の金属材料からなる円盤状の部材である。このケースキャップ20には、外部に開口した吸気口が設けられている。
【0020】
上記したクランクケース11の内部は圧縮機構40に圧縮用の空気を供給するための給気室Sとなっている。この給気室Sは圧縮機構40のシリンダ41cの内部と連通しており、給気室Sの空気を使用して圧縮空気が生成される。具体的には、圧縮機構40の圧縮行程において、ピストン41bが上死点側に移動することで給気室S内に負圧が発生し、ケースキャップ20に設けられた吸気口を通じて外部の空気が給気室Sに取り込まれる。続く吸気工程において、ピストン41bが下死点側に移動し、シリンダ41cの圧縮室が負圧となって給気室S内の空気がシリンダ41c内に導入されて圧縮されるようになっている。
【0021】
モータ30は、ロータ32を環状のステータ35の内側に配置したインナーロータ型のDCブラシレスモータである。ロータ32及びステータ35は、例えば鋼板を積層して形成されている。本実施形態に係るステータ35は、例えば図4(a)に示すようなステータコア37にコイルを巻回して形成されている。具体的には、ステータコア37は、リング状の環状部37aと環状部37aの内側に等間隔で突出した歯部37bとを備えており、この歯部37bのそれぞれにコイルを巻回して形成されている。
【0022】
なお、モータ30の回転軸31は、ケース本体14に取り付けられた第1軸受12と、ケースキャップ20に取り付けられた第2軸受13とにより回転自在に支持されている。回転軸31にはロータ32が固定されており、モータ30が作動してロータ32が回転したときに、ロータ32と一体的に回転軸31が回転する。
【0023】
本実施形態に係る空気圧縮機10は、モータ30を大径化することにより、トルクアップと、低回転化が図られている。具体的には、従来の同等の機種においては、モータ30のサイズ(ロータ32の外径、厚さ)が約φ70×30mmであったのに対し、本実施形態に係る空気圧縮機10においては、モータ30のサイズを約φ90×20mmとしている。このようにモータ30を大径化したことにより、モータ30が薄型になっている。
【0024】
圧縮機構40は、上記したモータ30によって作動するものであり、ピストン41b,42bを往復動させることでシリンダ41c,42c内に導入された空気を圧縮する。本実施形態に係る圧縮機構40は、低圧用圧縮機構41と高圧用圧縮機構42とを備えた多段圧縮機構である。すなわち、給気室S内の空気は、まず低圧用圧縮機構41によって圧縮される。低圧用圧縮機構41によって圧縮された空気は、高圧用圧縮機構42に導入され、高圧用圧縮機構42によって更に圧縮される。このように二段階で圧縮された空気がタンク45に送られて貯留される。
【0025】
上記した低圧用圧縮機構41及び高圧用圧縮機構42は、図1及び図2に示すように、クランクケース11の両側に対向配置されている。すなわち、クランクケース11の片側に低圧用圧縮機構41が突出して取り付けられており、この低圧用圧縮機構41の反対側に高圧用圧縮機構42が突出して取り付けられている。
【0026】
低圧用圧縮機構41及び高圧用圧縮機構42は、それぞれモータ30の回転軸31に接続されたコンロッド41a,42aを備えている。このコンロッド41a,42aは、回転軸31に固定された偏心板を介して回転軸31に接続されており、回転軸31の回転運動を往復動に変換する。このコンロッド41a,42aの先端にはピストン41b,42bが取り付けられているため、モータ30の回転に伴いピストン41b,42bがシリンダ41c,42c内で往復動し、シリンダ41c,42c内の空気を圧縮する。
【0027】
ところで、上述したように、モータ30のステータ35はクランクケース11(詳しくはケース本体14の周壁部15)に取り付けられている。クランクケース11にステータ35を取り付けるときには、ボルトなどの留具をステータ35に貫通させ、ステータ35に貫通させた留具をクランクケース11に螺着させて固定する。留具で数箇所を固定することにより、クランクケース11にステータ35を取り付ける。この複数の留具の取り付け位置が、ステータ35の固定部36である。
【0028】
従来の取付方法では、図6に示すように、周方向に均等に配置されたボルトBでステータ35'を固定していた。このように固定箇所を均等配置としていたのは、クランクケース11、ステータ35'の加工上・型製作上で手間がかからないためである。また、一般的に強度を向上させるには、均等配置とした方が、応力に偏りが無くなり有利であるからである。しかしながら、固定箇所を均等配置とした場合、固定箇所を節とした均一なモード振動が発生しやすいため、モータ30の回転の基本周波数(及び次数倍の周波数)によってステータ35'のモード振動が共振により増幅され、騒音が発生する場合があった。
【0029】
この点、本実施形態においては、図3に示すように、ステータ35は、周方向に不等間隔で設けられた複数の固定部36においてクランクケース11に固定されている。このため、ステータ35の固定箇所すべてが節となるような振動は、高次モードの振動に限られるため、モータ30の回転による共振が発生しにくい。
【0030】
また、この複数の固定部36のうちの1つは、低圧用圧縮機構41と高圧用圧縮機構42の駆動方向に直交し、かつ回転軸31を通過する中心線C上に配置されている。本実施形態においては、低圧用圧縮機構41及び高圧用圧縮機構42のシリンダ41c,42cの軸が水平方向に配置されているため、ピストン41b,42bの往復動方向も水平方向となる。このピストン41b,42bの往復動方向に直交し、モータ30の回転軸31を通過する中心線C上(本実施形態においては、モータ30の回転軸31の中心を通過する鉛直線上)に少なくとも1つの固定部36が設けられている。
【0031】
このように低圧用圧縮機構41と高圧用圧縮機構42とが対向配置された圧縮機構40では、圧縮方向(この場合水平方向)及び圧縮方向と直交する方向(この場合垂直方向)において、最も振幅が大きくなるような振動を発生させるため、最も振幅が大きい箇所を固定することで、振動を抑制できる。
【0032】
上記したように、本実施形態によれば、前記ステータ35は、周方向に不等間隔で設けられた複数の固定部36において前記クランクケース11に固定されている。
【0033】
固有振動は、節の位置が等間隔で出現するので、隣り合う固定部36同士の間隔が広いところと、狭いところがあれば、全ての固定部36が節になることが無い。本実施形態は、固定部36を不等間隔で設けているため、隣り合う固定部36同士の間隔が広いところと、狭いところが存在しており、固定箇所すべてが節となるような固有振動が発生しにくい。
【0034】
よって、ステータ35を肉薄にした場合でも共振を抑制でき、騒音の発生を抑制することができる。
【0035】
ところで、本実施形態にかかる空気圧縮機10は可搬型コンプレッサである。この種の建築用の可搬型コンプレッサに共通する課題として、小型軽量化と低騒音化がある。本実施形態においては、小型軽量化のために圧縮機構40を密閉式のカバーで覆っていない。このため、運転時の作動音が問題になりやすいが、こうした機械であっても騒音の発生を抑制することができる。
【0036】
なお、低周波数のモード振動を発生しにくくするためには、ステータ35の形状を不均一にする方法も考えられるが、ステータ35の形状を不均一にした場合には作成コストが嵩んだり、軽量化の弊害となったりといった問題がある。この点、本実施形態によれば、ステータ35の固定箇所を不均等にすることで低次のモード振動を発生しにくくしているので、ステータ35の形状を不均一にする必要がない。よって、本実施形態に係るステータ35は、図3等に示すように、低圧用圧縮機構41と高圧用圧縮機構42とが対向配置された中心線Cを対称軸として線対称に形成され、肉厚も均一に形成されている。
【0037】
また、前記複数の固定部36のうちの少なくとも1つは、前記低圧用圧縮機構41と前記高圧用圧縮機構42とが対向配置された中心線C上に配置されている。このように低圧用圧縮機構41と高圧用圧縮機構42との中心に固定箇所を設けることで、特に影響の大きい二次モードの振幅を効果的に抑制するので、共振による騒音の発生を抑制することができる。
【0038】
なお、本発明の実施形態としては上記した態様に限らず、例えば図4及び図5に示すような態様としてもよい。図4(a)及び(b)は、固定部36が3箇所の例である。図4(c)〜(f)は、固定部36が4箇所の例である。図5(a)〜(e)は、固定部36が5箇所の例である。図5(f)〜(h)は、固定部36が6箇所の例である。図5(i)は、固定部36が10箇所の例である。これらの例が示すように、固定部36のバリエーションは種々のものが考えられ、ステータ35の固有振動数やモード振動数を考慮して適宜変更が可能である。
例えば、図4(c)、図4(e)、図5(e)、図5(g)、図5(h)、図5(i)が示すように、中心線C上に2つの固定部36を設けてもよい。
【0039】
また、図4(d)、図4(e)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(f)、図5(g)、図5(h)、図5(i)が示すように、複数の固定部36を、中心線Cを対称軸として線対称で配置してもよい。
【0040】
また、図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(f)、図5(a)、図5(e)が示すように、複数の固定部36を、中心線Cを対称軸として非線対称で配置してもよい。
【0041】
また、図5(a)〜(i)が示すように、ステータコア37の形状を異なる形状としてもよい。
【0042】
なお、低周波数帯で発生する二次の振動モードを想定すると、節が90度間隔で出現するため45度の位置における振幅が大きい。45度の位置に固定部を配置すれば、振動を抑制できるので、45度に均等配置しなくても、45度位置に1か所配置するだけで、二次の振動を抑制する効果が得られる。例えば、複数の固定部36のうちの少なくとも1つを、中心線Cと直交する線上(シリンダ41c,42cの軸方向の線上)に配置するようにすれば、より効果的に二次モードの振動を抑制することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 空気圧縮機
11 クランクケース
12 第1軸受
13 第2軸受
14 ケース本体
15 周壁部
20 ケースキャップ
30 モータ
31 回転軸
32 ロータ
35 ステータ
36 固定部
37 ステータコア
37a 環状部
37b 歯部
40 圧縮機構
41 低圧用圧縮機構
41a コンロッド
41b ピストン
41c シリンダ
42 高圧用圧縮機構
42a コンロッド
42b ピストン
42c シリンダ
45 タンク
S 給気室
C 中心線
B ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6