特開2017-36722(P2017-36722A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017036722-断熱性内燃機関 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-36722(P2017-36722A)
(43)【公開日】2017年2月16日
(54)【発明の名称】断熱性内燃機関
(51)【国際特許分類】
   F02B 77/11 20060101AFI20170127BHJP
   F02F 1/00 20060101ALI20170127BHJP
   F02F 1/24 20060101ALI20170127BHJP
   F02B 53/00 20060101ALI20170127BHJP
   F02B 55/08 20060101ALI20170127BHJP
   F02F 1/10 20060101ALI20170127BHJP
【FI】
   F02B77/11 A
   F02F1/00 E
   F02F1/24 C
   F02B53/00 J
   F02B55/08 A
   F02F1/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-172328(P2015-172328)
(22)【出願日】2015年8月14日
(71)【出願人】
【識別番号】515240522
【氏名又は名称】船橋 将志
(72)【発明者】
【氏名】船橋 将志
【テーマコード(参考)】
3G024
【Fターム(参考)】
3G024AA01
3G024AA21
3G024BA12
3G024CA01
3G024DA24
3G024HA00
3G024HA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来の内燃機関は始動直後の冷えている状態では効率が悪く。一刻も早く適温まで温める事が必要とされる。
【解決手段】レシプロ式エンジン、ロータリーエンジンなど内燃機関の外部空間と接する表面に、断熱材料18を備える。断熱材料18は、熱伝導率の低い非金属材料とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料で構成されるレシプロ式エンジンのシリンダーブロック、シリンダーヘッド、ヘッドカバー、の外部空間と接する表面に断熱材料を備えることを特徴とする水冷式の内燃機関。
【請求項2】
金属材料で構成されるロータリー式エンジンのローターハウジング、サイドハウジングの外部空間と接する表面に断熱材料を備えることを特徴とする水冷式の内燃機関。
【請求項3】
少なくとも表面積の5割以上に断熱材料を備える構造を持つ、請求項1、請求項2に記載の水冷式の内燃機関。
【請求項4】
構造体としての機能の有無に関わらず、表面から外部空間への熱伝達、輻射熱を抑える機能を有する非金属材料で構成される断熱材料を表面に密着させて保持する請求項1、請求項2に記載の水冷式の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水冷式の内燃機関の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関は精密な機械であり、高い性能を発揮させるために、部品同士のクリアランスには最適な値がある。内燃機関を構成するほとんどの部品は金属で作られおり、燃焼ガスから発生する熱によってその部品の体積は膨張する。暖まった状態で最適なクリアランスとなるように常温では少し小さく作られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら以上の技術によれば、内燃機関を始動した直後はクリアランスが大きすぎるため、燃焼ガスの漏れや部品の摩耗が発生する。燃焼室の温度も極めて低く、冷却損失が大きい。本来の性能を発揮させるには内燃機関が温まるまで待たなければならない。
そこで、この発明は従来より素早く内燃機関を暖め、かつ熱エネルギーをなるべく逃がさない内燃機関を低コストで提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、第一発明は、内燃機関の外側の表面に断熱材料を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、既存の内燃機関の外側の表面に断熱材料を備えるので、内燃機関の表面から逃げる熱が減少し、内燃機関が従来よりも早く温まる。その結果、冷却損失が低減し、エネルギー効率を高めることができる。又、既存の内燃機関をそのまま利用するので莫大な開発費を伴うことなく実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の一実施形態を示すレシプロ式エンジンの断面図である。
図2】この発明の一実施形態を示すロータリー式エンジンの断面図である。
図3】従来技術のレシプロ式エンジンを示す断面図である。
図4】従来技術のロータリー式エンジンを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明のレシプロ式エンジンへの形態を、図1に示す。
レシプロ式エンジンを構成する部品で、外部空間と接するシリンダーブロック4、シリンダーヘッド8、ヘッドカバー10、は金属製であり、この部品は一般的に鋳鉄もしくはアルミで作られている。シリンダーブロック4、シリンダーヘッド8、ヘッドカバー10の外側の表面に断熱材料18を備える。断熱性能を高めるため断熱材料を表面に密着させ、保持する面積をなるべく広くとる。具体的な実施方法として高い断熱性を有する塗料を塗布する方法、樹脂やセラミックといった断熱性の高い材料をエンジン表面の形状に合わせてパネル状に成型し貼り付ける、などの方法が考えられる。両者とも断熱材の厚さは十分にとる。後者の場合は、繊維質の柔らかい断熱材料をパネル内側に設け多重構造とし、高い断熱性能とエンジン表面への優れた密着性を確保するのも有効な手段として考えられる。
【0010】
この発明のロータリー式エンジンへの形態を、図2に示す。
ロータリー式エンジンを構成する部品で、外部空間と接するローターハウジング15、サイドハウジング16は金属製であり、この部品は一般的に鋳鉄もしくはアルミで作られている。ローターハウジング15、サイドハウジング16の外側の表面に断熱材料18を備える。断熱性能を高めるため断熱材料を表面に密着させ、保持する面積をなるべく広くとる。具体的な実施方法として高い断熱性を有する塗料を塗布する方法、樹脂やセラミックといった断熱性の高い材料をエンジン表面の形状に合わせてパネル状に成型し貼り付ける、などの方法が考えられる。両者とも断熱材の厚さは十分にとる。後者の場合は、繊維質の柔らかい断熱材料をパネル内側に設け多重構造とし、高い断熱性能とエンジン表面への優れた密着性を確保するのも有効な手段として考えられる。
【0011】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、断熱材料18の働きで外部空間への熱伝達、熱の輻射を抑えることが出来る。ラジエターで冷やされる冷却水の温度はサーモスタットと呼ばれる部品であらゆる環境下でも一定に制御されている。それに対し、内燃機関表面からの放熱量は制御できない。制御不可能な放熱を遮断することにより従来よりも緻密に放熱量を制御できる様になる。その結果内燃機関の冷却損失の低減につながる。
「他の実施形態」
レシプロ式エンジンのヘッドカバーには、樹脂製のものもある。この場合、樹脂製のヘッドカバーが断熱性能を十分に有する場合、断熱材料は必要ない。
【符号の説明】
【0012】
1 スパークプラグ 2 吸気ポート 3 排気ポート
4 シリンダーブロック 5 クランク 6 ピストン 7 コンロッド
8 シリンダーヘッド 9 オイルパン 10 ヘッドカバー
11 カムシャフト 12 吸気バルブ 13 排気バルブ 14 ローター
15 ローターハウジング 16 サイドハウジング
17 ウォータージャケット 18 断熱材料
図1
図2
図3
図4