【解決手段】 直方体状の本体の内部に金属検出用のコイルが収納され、本体の表面が検出面22aとして設けられているサーチコイル22と、サーチコイルの周囲を囲むようにして配置されたシールド部材36,34とを具備する。
前記シールド部材は、サーチコイルの長手方向の両端それぞれが、ほぼ中央部において絶縁されて固定される2個の導体フレームと、各前記導体フレームの両端部近傍どうしを互いに連結する導体連結部材とを有し、
前記サーチコイルがシールド部材とともにユニット化されてなり、
該シールド部材とともにユニット化されたサーチコイルが、被検出物の移送方向に沿って延びる2本の機体フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の金属検出機。
該シールド部材とともにユニット化されたサーチコイルは、不導体である防振ゴムを介して各前記機体フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項2記載の金属検出機。
各前記導体連結部材は、円筒形の部材で構成されるとともに、その表面がサーチコイルの検出面と同一平面上に配置されることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の金属検出機。
各前記機体フレームを連結する部材間にベアリングが存在する場合、該ベアリングを機体フレームとの間が絶縁されてなることを特徴とする請求項2〜請求項6のうちのいずれか1項記載の金属検出機。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
図1に本実施形態にかかる金属検出機の側面図を示す。
本実施形態の金属検出機は、水平設置型と呼ばれるものであり、サーチコイルの検出面がほぼ水平面となるように配置され被検出物が水平方向に移動するものである。また、この金属検出機は、長尺な布を被検出物としており、布に金属片等が混入しているかまたは付着していることを検出するための装置である。
【0021】
金属検出機20は、布10の移送方向に沿って、幅方向(布10の移送方向と直交する水平面上の方向)両側に2本の機体フレーム24が設けられている。各機体フレーム24の下部には、それぞれ複数本の脚26が取り付けられており、機体フレーム24が床面から所定高さに位置するように設けられている。
【0022】
各機体フレーム24を連結するように、複数本のローラ28が設けられている。本実施形態では、各ローラ28には、駆動用のベルト31が架け渡されており、図示しない駆動装置によってベルト31が駆動することにより各ローラ28が回転する。ローラ28が移送方向に回転することによって布10が移送方向に移送される。
【0023】
各機体フレーム24を連結するように、サーチコイル22が設けられている。
サーチコイル22は、幅方向に長尺な直方体状であって、上面に布10が接触して金属を検出する検出面22aとして構成されている。なお、検出面22aには、布10が接触しなくてもよい。
サーチコイル22は、内部に収納されているコイルによる磁場が金属によって変化することにより、金属の有無を検出可能である。
【0024】
また、本実施形態では、サーチコイル22は、周囲からの電磁波の影響を低減させるためのシールド部材と一体化したサーチコイルユニット32として設けられている。
図2にサーチコイルユニットの平面図を、
図3に側面図を、
図4に正面図を示す。
【0025】
サーチコイルユニット32は、サーチコイル22と、サーチコイル22の幅方向(布10の移送方向と直交する水平面上の方向)両側に位置する2個の導体フレーム34と、各導体フレーム34の両端部近傍どうしを互いに連結する導体連結部材36とを有している。
【0026】
本実施形態では、例として、導体フレーム34としてステンレス製のパネルを採用している。また、導体連結部材36としては、ステンレス製の化粧管を採用している。
そして、導体連結部材36の上面は、サーチコイル22の検出面22aと同一平面上に位置するように配置される。このように、導体連結部材36をステンレス製の化粧管とし、且つサーチコイル22の検出面22aと同一平面とすることにより、この化粧管の上に検出対象の布10が接触して布10の移送のガイドとすることができる。
【0027】
なお、導体フレーム34としてのパネルを鉄製とし、化粧管と導体フレーム34との接続部分においてステンレス製の部材を介在させてもよい。
ステンレスは静電シールドとしての効果があり、鉄は磁気シールドとしての効果があるため、導体フレーム34を鉄製とし、化粧管との接続部分においてステンレス製の部材を介在させることにしてもよいのである。
【0028】
2個の導体フレーム34と2本の導体連結部材36がサーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成される。これにより、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0029】
図4に示すように、サーチコイル22の幅方向の両端部は、防振ゴム38を介して導体フレーム34に取り付けられている。
これにより、サーチコイル22自体がシールド部材と絶縁されるとともに、外部の振動がサーチコイル22に伝達しないようにできる。このため、サーチコイル22における誤動作の低減をさらに図ることができる。
【0030】
また、サーチコイル22の下面には、マッチングトランス(図示せず)用のカバー40が形成されている。
【0031】
図5にサーチコイルユニットと機体フレームの側面図を示す。この構成によれば、サーチコイルユニット32を、防振ゴム44を介して機体フレーム24に取り付けている。
このような構成により、サーチコイルユニット32が左右の機体フレーム24に流れる外乱によるノイズ電流と絶縁されるとともに、外部の振動がサーチコイルユニット32に伝達しないようにできる。このため、サーチコイル22における誤動作の低減をさらに図ることができる。ただし、サーチコイルユニット32は、機体フレーム24に対して一点アース(符号46)することが必要である。これにより、サーチコイルユニット32に帯電した静電気を一点アース46から逃がすことができ、電気的に安定させることができる。
【0032】
なお、サーチコイル22自体のアースは、サーチコイルユニット32のアースとは別個にとっている。具体的には、サーチコイル22に接続されるケーブル等の各種電線とともにコントロールボックス(図示せず)に対してアース線(図示せず)が接続されている。
【0033】
また、
図6に示すように、サーチコイルユニット32を、機体フレーム24との間に防振ゴムを介さずに取り付けてもよい。
この構成によれば、
図5に示したような一点アース46を設けることは必要ない。
【0034】
(第2の実施形態)
図7に金属検出機の第2の実施形態の平面図を示し、
図8及び
図9に側面図を示す。
なお、上述した第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態では、サーチコイルユニット32の周囲にもさらにシールド部材を設けている点が特徴となっている。
【0035】
すなわち、サーチコイルユニット32よりも布10の移送方向の上流側及び下流側であって、ローラ28よりもサーチコイル22寄りの双方の箇所に、機体フレーム24どうしを導通させるように連結する第2の導体連結部材42が設けられている。
【0036】
2本の機体フレーム24と2本の第2の導体連結部材42がサーチコイルユニット32の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成される。これにより、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0037】
また、第2の導体連結部材42としては、導体連結部材36と同様に、ステンレス製の化粧管とし、且つサーチコイル22の検出面22aと同一平面とするとよい。このように構成することにより、この化粧管の上に検出対象の布10が接触して布10の移送のガイドとすることができる。
なお、第1の実施形態と同様に、第2の導体連結部材42である化粧管は鉄製とし、化粧管と機体フレーム24との接続部分においてステンレス製の部材を介在させてもよい。
【0038】
第2の導体連結部材42としては、布10を移送を確実に行うべく、ローラを採用するとよい。
ローラの構造としては、ローラの軸42aを機体フレーム24に固定してベアリング等を介して布10に接触する部位を自由回転するようにしてもよい。
【0039】
なお、第2の導体連結部材42の上面に布10を配置するのではなく、
図9に示すように下面に布10を配置してもよい。この場合、第2の導体連結部材42の外側に配置されているローラ28には、上面に布10が接触するように配置する。
このように布10を配置することによって、布10に適度なテンションをかけることができる。
【0040】
次に、第1の実施形態及び第2の実施形態共通の構成として、ベアリングを絶縁することについて説明する。
図1、
図5〜
図6、
図8〜
図9のローラにおいては、回転軸の軸受として複数の金属球を内蔵するベアリング(
図1、
図5〜
図6、
図8〜
図9では図示せず)を用いることが一般的である。
しかし、ベアリングには、グリスの油膜が付着しており、ベアリングの回転によって電流が流れたり流れなかったりするといった電気的に不安定な状態が生じる。
【0041】
電気的に不安定なベアリングにサーチコイル22の漏れ磁界による高周波電流が流れると、二次的にサーチコイル22の磁界を乱すこととなり、誤動作の要因になってしまう。しかし、ベアリングを機体フレーム24と絶縁することにより、電気的に不安定な回路網ができてしまうことを防止して誤動作を生じさせないようにするのである。
【0042】
図10にベアリングの絶縁構造について示す。
ローラ28の回転軸29が、ベアリング49によって支持されている。ベアリング49は機体フレーム24の上面に取り付けられている。
ベアリング49の機体フレーム24への取付けは、ボルト50とナット51によって行われる。
【0043】
機体フレーム24の所定箇所には、上下に貫通するボルト貫通穴52が形成されている。ベアリング49にも上下に貫通するボルト貫通穴54が形成されており、機体フレーム24のボルト貫通穴52とベアリング49のボルト貫通穴54を連通してボルト50が挿入される。
また、機体フレーム24のボルト貫通穴52とベアリング49のボルト貫通穴54を連通する絶縁ブッシュ56が設けられている。
【0044】
絶縁ブッシュ56は、各ボルト貫通穴52,54の内壁面とボルト50との間を絶縁する筒状部と、ナット51と機体フレーム24との間を絶縁ずるフランジ部とを有している。
また、ベアリング49と機体フレーム24との間には、絶縁板58が介在している。このように、絶縁ブッシュ56と絶縁板58によってベアリング49を機体フレーム24と絶縁できるので、電気的に不安定な回路網の形成を防止して、誤動作の発生を低減できる。
【0045】
図11には、ベアリングの絶縁構造の他の実施形態を示す。
なお、
図11の構成は、ベアリングの取付け用のボルトの挿入方向を水平方向に向けただけであり、基本的な絶縁の方法は
図10と同様である。
すなわち、機体フレーム24の所定箇所には、水平方向に貫通するボルト貫通穴52が形成されている。ベアリング49にも水平方向に貫通するボルト貫通穴54が形成されており、機体フレーム24のボルト貫通穴52とベアリング49のボルト貫通穴54を連通してボルト50が挿入される。
また、機体フレーム24のボルト貫通穴52とベアリング49のボルト貫通穴54を連通する絶縁ブッシュ56が設けられている。
【0046】
絶縁ブッシュ56は、各ボルト貫通穴52,54の内壁面とボルト50との間を絶縁する筒状部と、ボルト50の頭部と機体フレーム24との間を絶縁するフランジ部とを有している。
また、ベアリング49と機体フレーム24との間には、絶縁板58が介在している。
このように、絶縁ブッシュ56と絶縁板58によってベアリング49を機体フレーム24と絶縁できるので、電気的に不安定な回路網の形成を防止して、誤動作の発生を低減できる。
【0047】
なお、
図10、
図11のようにベアリング部分を絶縁した場合であっても、ローラ28の回転軸29の幅方向のどちらか一方の端部は機体フレーム24と導通するように設けることがよい。これにより、ローラ28に生じた静電気を機体フレーム24に逃がすことができる。
なお、
図10のようにローラ28の一方の端部のベアリング部分を絶縁した場合、ローラ28の他方の端部における、ベアリング49と機体フレーム24との間には絶縁板58と同じ厚さの導体板(例えばアルミ板等)を配置するとよい。このようにすることで、ローラ28の高さを揃え、ローラ28の回転と布10の移送を安定して行うことができる。
【0048】
(第3の実施形態)
図12に第3の実施形態の平面図を示し、
図13に側面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、サーチコイルとシールド部材を一体化させたサーチコイルユニットを機体フレームに取り付けた構成であったが、本実施形態では、ユニット化されていない構成である。
【0049】
本実施形態では、サーチコイル22は、その幅方向の両端部が機体フレーム24の上面に防振ゴム44を介して取り付けられている。したがって、サーチコイル22は左右の機体フレーム24に流れる外乱によるノイズ電流と絶縁されるとともに、外部の振動がサーチコイル22に伝達しないようにできる。このため、サーチコイル22における誤動作の低減を図ることができる。
【0050】
なお、サーチコイル22自体のアースは、サーチコイル22に接続されるケーブル等の各種電線とともにコントロールボックス(図示せず)に対してアース線(図示せず)が接続されている。
【0051】
また、本実施形態のシールド部材は、各機体フレーム24と、布10の移送方向に沿ってサーチコイル22の上流側と下流側のそれぞれの箇所で各機体フレーム24を連結する2本の導体60とから構成される。各導体60と各機体フレーム24とは電気的に導通するように取り付けられる。
【0052】
2本の機体フレーム24と2本の導体60がサーチコイルユニット32の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成される。これにより、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0053】
また、導体60としては、ステンレス製の化粧管とし、且つサーチコイル22の検出面22aと同一平面とするとよい。このように構成することにより、この化粧管の上に検出対象の布10が接触して布10の移送のガイドとすることができる。
なお、第1及び第2の実施形態と同様に、導体60である化粧管は鉄製とし、化粧管と機体フレーム24との接続部分においてステンレス製の部材を介在させてもよい。
【0054】
(第4の実施形態)
図14に第4の実施形態の平面図を示し、
図15に側面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態も上記の第3の実施形態と同様に、サーチコイルとシールド部材とがユニット化されていない構成であるが、さらにローラが設けられている構成である。
【0055】
本実施形態では、導体60よりも移送方向の上流側と下流側のそれぞれにローラ28を設けている。ローラ28は、図示しない駆動装置によって駆動され、布10を移送する。
ローラについては、
図10及び
図11に示したようにベアリング部分を絶縁することが必要である。さらに、ローラ28の回転軸29のいずれか一方は、静電気を逃がすべく機体フレーム24と導通させるようにするとよい。
【0056】
(第5の実施形態)
図16に第5の実施形態の立面図を示し、
図17に側面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、サーチコイルとシールド部材とがユニット化されていない構成であって、且つ垂直設置型である。
垂直設置型では、サーチコイルの検出面が鉛直面となるように配置され被検出物である布10が鉛直方向に移動するものである。
【0057】
金属検出機20は、布10の移送方向に沿って、幅方向(布10の移送方向と直交する鉛直面上の方向)両側に2本の機体フレーム24が設けられている。
機体フレーム24の下端部を連結するように、ローラ62が設けられている。また、機体フレーム24の上端部には、水平方向に延びる梁63が設けられており、この梁63にローラ64が設けられている。
被検出物である布10は、梁63に沿って水平方向に移動し、ローラ64に架け渡されて移送方向が鉛直下向きとなり、サーチコイル22を通過した後、ローラ62に架け渡されて水平方向に移送方向が変更される。
【0058】
各機体フレーム24を連結するように、サーチコイル22が設けられている。
サーチコイル22は、幅方向に長尺な直方体状であって、側面に布10が接触して金属を検出する検出面22aとして構成されている。
【0059】
また、サーチコイル22の上方及び下方には、機体フレーム24を連結する導体60が複数本設けられている。本実施形態では、サーチコイル22の上部近傍とサーチコイル22の下部近傍にそれぞれ1本づつ導体60が、各機体フレーム24に取り付けられたアーム68の先端に取り付けられている。アーム68は、機体フレーム24からサーチコイル22の検出面22a方向に向けて突出して設けられている。また、アーム68も導体で形成されているため、導体60と各機体フレーム24とは電気的に導通するように取り付けられる。
【0060】
2本の機体フレーム24と2本の導体60がサーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成される。これにより、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0061】
なお、サーチコイル22自体のアースは、サーチコイル22に接続されるケーブル等の各種電線とともにコントロールボックス(図示せず)に対してアース線(図示せず)が接続されている。
【0062】
本実施形態では、さらに各導体60よりもそれぞれ上方の位置及び下方の位置において機体フレーム24の側面どうしを連結する補強用パイプ70が設けられている。
この補強用パイプ70も電気的に導通可能な材質にすることにより、上記の導体60と同じように、シールド部材を構成する。
すなわち、2本の機体フレーム24と2本の補強用パイプ70がサーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成される。これにより、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を受けることなく、金属の検出を行える。
【0063】
本実施形態では下側の導体60と下側の補強用パイプ70の間にクロスガイダー72が設けられている。
クロスガイダー72が設けられていることにより、布10の張力を維持し、皺の発生などを防止できる。
【0064】
なお、本実施形態のように垂直設置型の場合であっても、サーチコイルとシールド部材とをユニット化したサーチコイルユニットを機体フレームに取り付ける構成を採用してもよい。
【0065】
(第6の実施形態)
図18に第6の実施形態の平面図を示し、
図19に側面図を示し、
図20に正面図を示す。また、
図21はサーチコイルの断面図であり、
図22はサーチコイルのシャーシの側面図である。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、シールド部材を構成する導体がサーチコイルの正面側及び後面側の両側面に沿って取り付けられている構成であって、且つ水平設置型である。
【0066】
サーチコイル22は、幅方向に長尺な直方体状であって、上面に布10が接触又は非接触で近接して金属を検出する検出面22aとして構成されている。
サーチコイル22の正面側側面(被検出物の移送方向上流側)と後面側側面(被検出物の移送方向下流側)には、サーチコイル22の幅方向の長さよりも長尺な導体74がそれぞれ絶縁板124を介して取り付けられている。導体74としては、コンパクトな構成にすべく、筒状ではなくサーチコイル22の側面に密着(絶縁板124を介して)できる平板状のものが好ましい。
【0067】
導体74は、例えばL字状のアングルを採用することができる(以下L字アングル74と称する場合もある)。また、絶縁板124としては、厚さ2mm程度の薄いベークライト板などを採用することができる。L字状のアングルの一方の面は、絶縁板124を介してサーチコイル22の正面側又後面側の側面に絶縁性のあるプラスチックボルト76等によって固定される。L字状のアングルの他方の面の下面は防振ゴム44を介して機体フレーム24に固定される。
【0068】
また、導体74の幅方向の長さは、サーチコイル22の幅方向の長さよりも長くなっている。そして、導体74の端部どうしは導体管126によって連結されている。導体管126としてはステンレス製パイプなどを採用することができる。また、導体74と導体管126は、金属製のボルト77によって固定されているので、導体74と導体管126は導通が確保される。
このような構成により、サーチコイル22の周囲は、導体74と導体管126によりロの字状に取り囲んで連結されてシールド部材が構成されるが、このシールド部材はサーチコイル22とは絶縁されている。
【0069】
ただし、導体74の端部は、防振ゴム44を介して機体フレーム24に取り付けられている。このため、導体74と機体フレーム24とは絶縁されている。 そこで、導体74と機体フレーム24とは一点アース(符号46)する必要がある。これにより、導体74と導体管126に帯電した静電気を一点アース46から逃がすことができ、電気的に安定させることができる。
なお、サーチコイル22のアースは、導体74と導体管126のアースとは別個にとっている。具体的には、サーチコイル22に接続されるケーブル等の各種電線とともにコントロールボックス(図示せず)に対してアース線(図示せず)が接続されている。
【0070】
本実施形態では、サーチコイル22の周囲は、導体74と導体管126によりロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成される。これにより、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。また、サーチコイル22と導体74との間は絶縁板124を介し、プラスチックボルト76によって固定されているので、きわめてシンプルな構成によってこのような作用効果を得ることができる。
【0071】
サーチコイル22は、
図22に示すような、上面が開口した断面コの字状のシャーシ45によって側面及び底面が保持される。
シャーシ45の両側面には、ベークライト等の絶縁板124を介して、金属製のL字アングル74の一方の面がプラスチック等の絶縁ボルト61と絶縁ナット65によって取り付けられる。このL字アングル74の他方の面には、防振ゴム44が設けられている。
このため、サーチコイル22はL字アングル74に対しては絶縁されている。
【0072】
シャーシ45の側面には、長手方向に沿って長尺な収納溝69が形成されている。収納溝69には、L字アングル74を取り付けている絶縁ボルト頭部61aが収納される。このため、L字アングル74の取付け位置はシャーシ45に長手方向に沿って移動させることができる。
また、シャーシ45の底面には、長手方向に沿って長尺な断面円形の収納孔87が形成されている。これは、サーチコイル22に接続される同軸ケーブル等のケーブル類を収納可能となるように形成されている。
【0073】
なお、本実施形態では、サーチコイル22の周囲を、導体74と導体管126によりロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材として構成したものについて説明したが、導体74どうしを連結するのは、導体管に限定するものではない。
例えば、導体板によって導体74の両端部どうしを連結してもよい(図示せず)。この場合、導体板をサーチコイル22の底面より下方に配置することができるので、サーチコイル22の長さを導体74の長さと同じ長さにすることもできる。
また、導体板ではなく、L字アングルによって導体74の両端部どうしを連結してもよい(図示せず)。
【0074】
(第7の実施形態)
図23に第7の実施形態の平面図を示し、
図24に正面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、第6の実施形態の構成に加えさらに化粧管を取り付けた構成であって、且つ水平設置型である。
【0075】
サーチコイル22の正面側側面(被検出物の移送方向上流側)と後面側側面(被検出物の移送方向下流側)には、サーチコイル22の幅方向の長さよりも長尺な導体74がそれぞれ絶縁板124を介して取り付けられている。絶縁板124としては、上記の実施形態と同様に、厚さ2mm程度の薄いベークライト板等を採用することができ、導体74も、上記の実施形態と同様にL字状のアングルを採用することができる。L字状のアングルの一方の面は、サーチコイル22の正面側又後面側の側面に絶縁性のあるブラスチックボルト76等によって固定される。L字状のアングルの他方の面の下面は防振ゴム44を介して導体フレーム34に固定される。導体フレーム34の下部に機体フレーム24が配置されている。
【0076】
導体74の端部どうしは、ステンレス製パイプ等の導体管126によって連結されている。このため、サーチコイル22の周囲は、導体74と導体管126によりロの字状に取り囲んでシールド部材が構成される。このとき、導体74は絶縁板124を介してサーチコイルに取り付けられ、導体管126はサーチコイル22とは隙間を開けて配置されているため、導体74及び導体管126によって構成される。シールド部材はサーチコイル22とは絶縁されている。
【0077】
さらに、布10の移送方向に沿ってサーチコイル22の上流側と下流側のそれぞれの箇所で、各導体フレーム34を連結する2本の導体78が設けられている。各導体78と各導体フレーム34とは電気的に導通するように取り付けられる。
【0078】
本実施形態では、2個の導体フレーム34と2本の導体78がサーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成されるとともに、上記のように2本の導体74と2本の導体管126によってサーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、二重にシールド部材が構成される。
このような構成により、サーチコイル22は、さらに周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0079】
導体78としては、ステンレス製の化粧管とし、且つサーチコイル22の検出面22aと同一平面とするとよい。このように構成することにより、この化粧管の上に検出対象の布10が接触して布10の移送のガイドとすることができる。
なお、他の実施形態と同様に、導体78である化粧管は鉄製とし、化粧管と導体フレーム34との接続部分においてステンレス製の部材を介在させてもよい。
【0080】
なお、第6の実施形態と同様、導体74どうしを連結するのは、導体管に限定するものではない。
例えば、導体板によって導体74の両端部どうしを連結してもよい(図示せず)。この場合、導体板をサーチコイル22の底面より下方に配置することができるので、サーチコイル22の長さを導体74の長さと同じ長さにすることもできる。
また、導体板ではなく、L字アングルによって導体74の両端部どうしを連結してもよい(図示せず)。
【0081】
(第8の実施形態)
図25に第8の実施形態の平面図を示し、
図26に側面図を示し、
図27に正面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、サーチコイルをセミシールド化した構成であって、且つ水平設置型である。本実施形態の場合、後述する支持部及びカバー部が特許請求の範囲でいうシールド部材に該当する。
【0082】
サーチコイル22の幅方向の両端部には、サーチコイル22の正面側と後面側のそれぞれにおいて上方に向けて延びる支持部80が設けられている。支持部80としては、ステンレス製のパネルなどを採用することができる。
サーチコイル22の検出面22aの上方には、サーチコイル22の上方を覆うカバー部82が設けられている。カバー部82は、4本の支持部80の上端部に四隅が固定される。カバー部82としては、通常はサーチコイルと同じ
図22のシャーシを用いているが、ステンレス製のパネルなどを採用することもできる。
【0083】
なお、各支持部80の下面には、防振ゴム44が設けられており、各支持部80は防振ゴム44を介して図示しない機体フレームとは絶縁されて固定される。
【0084】
被検出物は、サーチコイル22の検出面22aと、カバー部82との間の隙間内に進入し、金属の有無が検出される。
【0085】
サーチコイル22の検出面22aには、高周波の磁界が形成されており、サーチコイル22の周囲に漏れ磁界が存在する。本実施形態では、サーチコイル22の幅方向両端部に導体である支持部80を配置し、検出面22aの上方に導体であるカバー部82を配置したことにより、サーチコイル22をセミシールド化することができる。このため、周囲の電磁波の影響によるサーチコイル22の周囲の漏れ磁界の変動を少なくすることができ、安定した検出が行える。
【0086】
(第9の実施形態)
図28に第9の実施形態の正面図を示し、
図29に側面図を示し、
図30に底面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、サーチコイルをセミシールド化した構成であって、且つ垂直設置型である。本実施形態の場合、後述する支持部及びカバー部が特許請求の範囲でいうシールド部材に該当する。
【0087】
垂直設置型では、サーチコイル22の検出面22aがほぼ鉛直面となるように配置され被検出物である布10が鉛直方向に移動するものである。
サーチコイル22の幅方向の両端部には、サーチコイル22の上面側と下面側のそれぞれにおいて前方に向けて延びる支持部80と支持部84が設けられている。支持部84としては、ステンレス製のパネルなどを採用することもできる。
サーチコイル22の検出面22aの前方には、サーチコイル22の前方を覆うカバー部86が設けられている。カバー部86は、2本の支持部80と2本の支持部84の先端部に四隅が固定される。カバー部86としては、通常はサーチコイル22と同じ
図22に示すシャーシを用いているが、ステンレス製のパネルなどを採用することもできる。
【0088】
なお、各支持部84の下面には、防振ゴム44が設けられており、各支持部84は防振ゴム44を介して図示しない機体フレームとは絶縁されて固定される。
【0089】
被検出物は、サーチコイル22の検出面22aと、カバー部86との間の隙間内に進入し、金属の有無が検出される。
【0090】
サーチコイル22の検出面22aには、高周波の磁界が形成されており、サーチコイル22の周囲に漏れ磁界が存在する。本実施形態では、サーチコイル22の幅方向両端部に導体である支持部80及び支持部84を配置し、検出面22aの前方に導体であるカバー部86を配置したことにより、サーチコイル22をセミシールド化することができる。このため、周囲の電磁波の影響によるサーチコイル22の周囲の漏れ磁界の変動を少なくすることができ、安定した検出が行える。
【0091】
(第10の実施形態)
図31に第10の実施形態の側面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、第8の実施形態に示したセミシールド化したサーチコイルに化粧管を組み合わせた構成である。
【0092】
セミシールド化されたサーチコイル22の支持部80は、防振ゴム44を介して第1ブラケット88に取り付けられている。
また、機体フレーム24には、第2ブラケット89が取り付けられている。セミシールド化されたサーチコイル22は、第1ブラケット88が第2ブラケット89に取り付けられることにより、機体フレーム24に固定される。本図では、第2ブラケット89に対して第1ブラケット88が傾斜して取り付けられているため、セミシールド化されたサーチコイル22は、機体フレーム24に対し、検出面22aが傾斜して取り付けられている例を示している。
【0093】
セミシールド化されたサーチコイル22の被検出物(布10)の移送方向の上流側及び下流側には、導体90が配置されている。導体90としてはステンレス製の化粧管とするとよい。
各導体90は、機体フレーム24の上面に配置された各スタンド92a,92bに取り付けられる。本実施形態では、布10の移送方向上流側のスタンド92aは、布10の移送方向下流側のスタンド92bよりも高くなるように配置される。
【0094】
導体90を布10のガイドとするために、傾斜しているサーチコイル22の検出面22aの傾斜角度に合わせ、上流側の導体90と下流側の導体90はそれぞれ異なる高さとなるように各スタンド92a,92bに取り付けられる。そして、上流側の導体90の上面と、検出面22aと、下流側の導体90の上面が同一平面となるように配置される。
各導体90は、U字状の固定金具94によってそれぞれのスタンド92a,92bに固定される。
【0095】
なお、スタンド92a,92bは導電性の高い材質を使用し、各導体90と各スタンド92a,92bは電気的な導通がとられている。固定金具94も導電性の部材を用いている。
このように構成することにより、本実施形態では、2本の機体フレーム24と2本の導体90がセミシールド化されたサーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで連結され、シールド部材が構成される。これにより、セミシールド化されたサーチコイル22は、さらに周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0096】
また、本実施形態では、導体90よりも移送方向の上流側と下流側のそれぞれにローラ96を設けている。ローラ96は、図示しない駆動装置によって駆動され、布10を移送する。
ローラについては、
図10及び
図11に示したようにベアリング部分を絶縁することが必要である。さらに、ローラ96の図示しない回転軸のいずれか一方は、静電気を逃がすべく機体フレーム24と導通させるようにするとよい。
なお、ローラ96の回転に起因するサーチコイル22の誤作動は、ローラ96がサーチコイルから離れるほど影響が少なくなる。このため、ローラ96とサーチコイル22との距離が大きく離れている場合には、ローラ96の絶縁については施さなくてもよい場合もある。
【0097】
(第11の実施形態)
図32に第11の実施形態の平面図を示し、
図33に第11の実施形態の側面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、第8の実施形態に示したセミシールド化したサーチコイルをさらにシールド部材と一体化したサーチコイルユニットとした構成を採用している。
【0098】
セミシールド化したサーチコイル22は、
図25〜
図27に示したものと同一の構成であり、ここではその構成については詳述しない。
サーチコイルユニット98は、セミシールド化したサーチコイル22と、セミシールド化したサーチコイル22の幅方向の両側に位置する2個の導体フレーム130と、各導体フレーム130の両端部近傍どうしを互いに連結する導体連結部材132とを有している。
【0099】
本実施形態では、例として、導体フレーム130としてステンレス製のパネルを採用している。また、導体連結部材132としては、ステンレス製の化粧管を採用している。
そして、導体連結部材132の上面は、サーチコイル22の検出面22aと同一平面上に位置するように配置される。このように、導体連結部材132をステンレス製の化粧管とし、且つサーチコイル22の検出面22aと同一平面とすることにより、この化粧管の上に検出対象の布10が接触して布10の移送のガイドとすることができる。
【0100】
なお、上述した各実施形態と同様に、導体連結部材132である化粧管は鉄製とし、化粧管と導体フレーム130との接続部分においてステンレス製の部材を介在させてもよい。
【0101】
2個の導体フレーム130と2本の導体連結部材132がセミシールド化されたサーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで連結されることにより、セミシールド化されたサーチコイル22は、さらに周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0102】
また、セミシールド化されたサーチコイル22の幅方向の両端部は、防振ゴム44を介して導体フレーム130に取り付けられている。
これにより、セミシールド化されたサーチコイル22自体がシールド部材と絶縁されるとともに、外部の振動がセミシールド化されたサーチコイル22に伝達しないようにできる。このように、サーチコイル22は二重にシールドされ、サーチコイル22における誤動作の低減を二重シールドにより図ることができる。
【0103】
なお、上述してきたセミシールド化したサーチコイル22の実施形態においては、カバー部82,86はサーチコイル22の検出面22aに対向する側だけでなくサーチコイル22の側面も覆うような形状であってもよい。
この場合、カバー部82,86の側面には、布10が進入できるような大きさの穴を形成するとよい。そしてカバー部82,86自体がサーチコイル22に固定されるので、この場合には支持部80は不要となる。
【0104】
(第12の実施形態)
図34に第12の実施形態の背面図を示し、
図35に第12の実施形態の部分断面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、サーチコイルを検反機に取り付けた構成である。
【0105】
検反機110は、布等の被検査物に対して検査員による目視検査を行う装置であり、背面側に照明装置112を配置し、照明装置112の前面に布を移送させていくものである。
【0106】
検反機110の照明装置112は、所定の間隔をあけて配置された上下方向に延びる2本の検反機フレーム114の間に配置されている。2本の検反機フレーム114の上端部は横方向に延びる横フレーム116によって連結されている。検反機フレーム114は導電性材料で構成されている。
【0107】
サーチコイル22は、照明装置112の上方において、上下方向に延びる2本の検反機フレーム114の間に、防振ゴム44を介して取り付けられる。
具体的には、サーチコイル22の幅方向の両端部には、上下方向に延びる検反機フレーム114の内側面に向けて防振ゴム44がそれぞれ2個ずつ設けられており、各防振ゴム44に設けられたボルト118等によってサーチコイル22の幅方向両端部が上下方向に延びる検反機フレーム114の内側面に固定される。
【0108】
サーチコイル22の上方及び下方には、上下方向に延びる検反機フレーム114を連結する連結部材116が設けられている。各連結部材116は、鉄製などの導電性材料で構成されており、2本の検反機フレーム114とともに、サーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで構成される。
このような構成により、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0109】
なお、サーチコイル22の検出面22aは、検反機110の表面パネル122と同一平面となるように配置されてもよいし、サーチコイル22の検出面22aが検反機110の表面パネル122よりも前方に5mm程度突出するように構成してもよい。
【0110】
(第13の実施形態)
図36に第13の実施形態の背面図を示し、
図37に第13の実施形態の部分断面図を示す。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態は、第6の実施形態に示した構成のサーチコイルとシールド部材を検反機に取り付けた構成である。
【0111】
本実施形態における検反機110は、上下方向に延びる2本の検反機フレーム114の間に、照明装置112及びサーチコイル22が設けられている点では、第12の実施形態と同様である。
サーチコイル22の下面側側面と上面側側面には、それぞれ導体74が絶縁板124を介して取り付けられている。絶縁板124としては、厚さ2mm程度の薄いベークライト板などを採用することができる。
【0112】
導体74は、例えばL字状のアングルを採用することができる。L字状のアングルの一方の面は、サーチコイル22の下面側又上面側の側面に絶縁性のあるプラスチックボルト等によって固定される。
また、導体74の幅方向の長さは、サーチコイル22の幅方向の長さよりも長くなっており、導体74の端部どうしは導体枠100によって連結されている。
このような構成により、サーチコイル22の周囲は、導体74と導体枠100によってロの字状に取り囲んで連結されることにより、シールド部材が構成される。これにより、サーチコイル22は、周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0113】
サーチコイル22は、照明装置112の上方において、上下方向に延びる2本の検反機フレーム114の間に、防振ゴム44を介して取り付けられる。
具体的には、サーチコイル22の幅方向の両端部には、上下方向に延びる検反機フレーム114の内側面に向けた防振ゴム44と、下方に向けた防振ゴム44がそれぞれ設けられており、各防振ゴム44に設けられたボルト等によって検反機フレーム114に固定される。
【0114】
各検反機フレーム114には、内側(互いに対向する方向)に突出する突起部113が設けられている。サーチコイル22は、その両端部の防振ゴム44のうち下向きに配置された防振ゴム44が突起部113の上面に配置されて取り付けられる。
【0115】
サーチコイル22の上方及び下方には、上下方向に延びる検反機フレーム114を連結する連結部材120が設けられている。各連結部材120は、鉄製などの導電性材料で構成されており、2本の検反機フレーム114とともに、サーチコイル22の周囲をロの字状に取り囲んで構成される。
このような構成により、サーチコイル22は、さらに周囲の電磁波の影響を少なくし、金属の検出を行える。
【0116】
(第14の実施形態)
本実施形態では、制御盤140の配置について、
図38〜
図39に基づいて説明する。
なお、
図38〜
図39に示すサーチコイルユニット32は、第1の実施形態で説明したものと同一であるので、サーチコイルユニット32についての説明は省略する。また、その他の構成要素についても上述してきた構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
【0117】
制御盤140は、布の搬送制御を実行すべくシーケンサ等が内蔵されている。
また、サーチコイルユニット32は、布10内に金属片等を検出した場合には、制御盤140へ制御信号を出力する。制御信号としては、1ショットのトリガパルスであってもよい。制御盤140は、サーチコイルユニット32の制御信号を受信すると、布10の搬送を停止したり、又はその他の制御を実行することができるように設けられている。
【0118】
図38は、一般的な制御盤140の取付方法について示したものである。
サーチコイルユニット32は、機体フレーム24の上面に配置しており、機体フレーム24は脚26によって所定高さに設けられている。
【0119】
また、布10を搬送するローラ28は、ベルト31を介してモータ142の駆動によって回転する。
モータ142は、脚26から水平方向に延びる載置部144aと、機体フレーム24から下方に延びる支持部144bとからなるモータ設置部144に配置されている。
【0120】
配電盤(図示せず)から制御盤140への配線は脚26に沿って配線されており、制御盤140はモータ設置部144の下方の脚26に取り付けられている。
そして、制御盤140からモータ142への配線も脚26に沿って配線されている。
【0121】
図39は、制御盤140の取付方法について、
図38に対してノイズ対策を採用したところを示している。
図39では、制御盤140を機体フレーム24又は脚26から離れた位置に設けることで、ノイズの影響を減らすようにしている。
さらに、モータ142とモータ設置部144との間には、絶縁板146を介在させている。
【0122】
また、脚26及び制御盤140からはそれぞれ独立してアースを取るようにする。
さらに、モータ142のアースも脚26及び制御盤140から独立して別個に取るようにする。モータ142のべルト31については、不導体のものとする。
【0123】
このように、サーチコイルユニット32を設置する機体フレーム、脚部、モータ、制御盤等についてもその構成について上述の構成を採用することで、電磁ノイズによる誤動作を防止できる。