特開2017-38863(P2017-38863A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-38863(P2017-38863A)
(43)【公開日】2017年2月23日
(54)【発明の名称】車椅子主輪用の汚れ拭き取り具
(51)【国際特許分類】
   A61G 5/00 20060101AFI20170203BHJP
   A61G 5/02 20060101ALI20170203BHJP
【FI】
   A61G5/00 503
   A61G5/02 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-163852(P2015-163852)
(22)【出願日】2015年8月21日
(71)【出願人】
【識別番号】515230486
【氏名又は名称】有限会社米生物産
(74)【代理人】
【識別番号】100128794
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 庸悟
(72)【発明者】
【氏名】米澤 生久
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡単・安価な構成で、拭き取り部材が、車椅子の主輪の外周面に適切に接触できて効果的に汚れを除去でき、その拭き取り部材を容易に出し入れできて簡単に用いることができる車椅子主輪用の汚れ拭き取り具を提供すること。
【解決手段】拭き取り部材20を、車椅子の主輪11の外周面12に主輪11の走行方向へ沿って面として接触させ、主輪11の汚れを拭き取ることができる状態に保持するように、車椅子に装着され、拭き取り部材20における前端面21及び前方先端部の下面22に当接する前端面保持部31及び前方先端部の下面保持部32を備えると共に、拭き取り部材20の主輪11の巾方向への移動を規制する側壁部34を備えることで、下面開口部35が設けられている拭き取り部材用収納ボックス30に、拭き取り部材20が収納されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拭き取り部材を、車椅子の主輪に該主輪の走行方向へ沿って面として接触させ、該主輪の汚れを拭き取ることができる状態に保持するように、
前記車椅子に装着され、前記拭き取り部材における前端面及び前方先端部の下面に当接する前端面保持部及び前方先端部の下面保持部を備えると共に、該拭き取り部材の前記主輪の巾方向への移動を規制する側壁部を備えることで、下面開口部が設けられている拭き取り部材用収納ボックスに、
前記拭き取り部材が収納されていることを特徴とする車椅子主輪用の汚れ拭き取り具。
【請求項2】
前記拭き取り部材用収納ボックスが、前記拭き取り部材における後端面及び後方先端部の下面に当接する後端面保持部及び後方先端部の下面保持部を備えることを特徴とする請求項1に記載の車椅子主輪用の汚れ拭き取り具。
【請求項3】
前記拭き取り部材が、タオルであって棒状のおしぼり状に巻かれて構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車椅子主輪用の汚れ拭き取り具。
【請求項4】
前記拭き取り部材用収納ボックスの上面が開閉できるように上面蓋が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車椅子主輪用の汚れ拭き取り具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、拭き取り部材を、車椅子の主輪の外周面に該主輪の走行方向へ沿って面として接触させ、該主輪の汚れを拭き取ることができる状態に保持する車椅子主輪用の汚れ拭き取り具に関する。
【背景技術】
【0002】
車椅子は、室内と室外とを行き来するように利用されるものであり、タイヤ(特に主輪)が汚れると、車椅子の使用者自身とその衣服や、床など、室内を汚すことになるため、汚れたタイヤをきれいにする必要が生じる。特に主輪は大きく、その汚れを除去にするためには、雑巾などによる拭き取り作業など、多大の手間と労力がかかっている。
【0003】
これに対しては、本体の取り付け部、挿入ロック部と、タイヤを清掃する砂落とし用のブラシ、拭き取り用の布と、それらを接続するクッションアームや角度調節部、砂受けカゴから構成される、小型軽量の車椅子用タイヤクリーナー(特許文献1)が、先に提案されている。この構成によれば、クッションアームが、砂落とし用のブラシや拭き取り用の布をタイヤに接触させる機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−83107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
車椅子主輪用の汚れ拭き取り具に関して解決しようとする問題点は、先に提案されている車椅子用タイヤクリーナーでは、クッションアームや角度調節部という構成を必須要件とし、構成が複雑になっているため、より安価に製造することが難しく、より簡単に用いることが難しいことにある。
そこで本発明の目的は、簡単・安価な構成で、拭き取り部材が、車椅子の主輪の外周面(タイヤの接地外周面)に適切に接触できて効果的に汚れを除去でき、その拭き取り部材を容易に出し入れできて簡単に用いることができる車椅子主輪用の汚れ拭き取り具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる車椅子主輪用の汚れ拭き取り具の一形態によれば、拭き取り部材を、車椅子の主輪の外周面に該主輪の走行方向へ沿って面として接触させ、該主輪の汚れを拭き取ることができる状態に保持するように、前記車椅子に装着され、前記拭き取り部材における前端面及び前方先端部の下面に当接する前端面保持部及び前方先端部の下面保持部を備えると共に、該拭き取り部材の前記主輪の巾方向への移動を規制する側壁部を備えることで、下面開口部が設けられている拭き取り部材用収納ボックスに、前記拭き取り部材が収納されている。
【0007】
また、本発明にかかる車椅子主輪用の汚れ拭き取り具の一形態によれば、前記拭き取り部材用収納ボックスが、前記拭き取り部材における後端面及び後方先端部の下面に当接する後端面保持部及び後方先端部の下面保持部を備えることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明にかかる車椅子主輪用の汚れ拭き取り具の一形態によれば、前記拭き取り部材が、タオルであって棒状のおしぼり状に巻かれて構成されていることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明にかかる車椅子主輪用の汚れ拭き取り具の一形態によれば、前記拭き取り部材用収納ボックスの上面が開閉できるように上面蓋が設けられていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる車椅子主輪用の汚れ拭き取り具によれば、簡単・安価な構成で、拭き取り部材が、車椅子の主輪の外周面(タイヤの接地外周面)に適切に接触できて効果的に汚れを除去でき、その拭き取り部材を容易に出し入れできて簡単に用いることができるという特別有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る車椅子主輪用の汚れ拭き取り具の形態例を示す側面図である。
図2図1の形態例の正面図である。
図3図1の形態例が装着された車椅子の全体形状を示す側面図である。
図4図1の形態例が装着された車椅子の全体形状を示す正面図である。
図5】本発明に係る車椅子主輪用の汚れ拭き取り具の装着位置が異なる他の形態例を示す側面図である。
図6図5の形態例の正面図である。
図7図5の形態例が装着された車椅子の全体形状を示す側面図である。
図8図5の形態例が装着された車椅子の全体形状を示す正面図である。
図9】上面蓋の他の形態例を示す正面図である
図10】車椅子の走行ストッパの形態例を示す背面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る車椅子主輪用の汚れ拭き取り具の形態例を添付図面(図1図8)に基づいて詳細に説明する。本発明の車椅子主輪用の汚れ拭き取り具は、拭き取り部材20を、車椅子10の主輪11の外周面12にその主輪11の走行方向へ沿って面として接触させ、その主輪11の汚れを拭き取ることができる状態に保持するものである。
【0013】
30は拭き取り部材用収納ボックスであり、車椅子10に装着され、拭き取り部材20における前端面21及び前方先端部の下面22に当接する前端面保持部31及び前方先端部の下面保持部32を備えると共に、その拭き取り部材20の主輪11の巾方向への移動を規制する側壁部33、34を備えることで、下面開口部35が設けられているものである。なお、この拭き取り部材用収納ボックス30は、側壁部33の側で車椅子10に装着・固定され、側壁部34の側は外側に位置している。
【0014】
この拭き取り部材用収納ボックス30によれば、拭き取り部材20を簡単・適切に収納することができる。すなわち、簡単・安価な構成で、拭き取り部材20が、車椅子10の主輪11の外周面12(タイヤの接地外周面)に適切に接触できて効果的に汚れを除去でき、その拭き取り部材20を容易に出し入れできて簡単に用いることができる。
【0015】
さらに詳細には、車椅子10の利用者が主輪11を自ら回転させる場合、或いは車椅子10を補助者よって走行させる場合のいずれであっても、順方向の回転である前方へ主輪11を回転させる場合、その主輪11の回転動作につられ、拭き取り部材20が前方へ押され、その際に、拭き取り部材20は、拭き取り部材用収納ボックス30の前端面保持部31及び前方先端部の下面保持部32によって適切に受けられ、脱落しないと共に、主輪11の外周面12と拭き取り部材用収納ボックス30との間に食い込むことがない。同時に、拭き取り部材20が、主輪11の回転による前方へ引き摺られる力を前端面保持部31によって受けられることで圧迫され、その拭き取り部材20が、主輪11の外周面12に押し付けられて適切に圧接することになる。これによれば、拭き取り部材20によって、主輪11の外周面12に対する拭き取りによるクリーニングが適切な圧力によって好適になされることになる。
【0016】
また、拭き取り部材用収納ボックス30が、拭き取り部材20における後端面26及び後方先端部の下面27に当接する後端面保持部36及び後方先端部の下面保持部37を備えてもよい。これによれば、拭き取り部材20が、逆方向の回転である後方へ主輪11を回転する主輪11の回転動作につられて後方へ押されても、脱落しないと共に、主輪11の外周面12と拭き取り部材用収納ボックス30との間に食い込むことがなく、且つ前述したように、拭き取り部材20によって、主輪11の外周面12に対する拭き取りによるクリーニングが適切な圧力によって好適になされることになる。
【0017】
本形態例では、拭き取り部材20が、タオルであって棒状のおしぼり状に巻かれて構成されている。棒状のおしぼり状とは、ハンドタオルなどの布を、そのまま或いは場合によっては複数折りに折り畳んだものを巻き物のように丸めて形成される形態のことである。これによれば、適度に硬さや弾性を有すると共に、主輪11の外周面12に適度に接触できる軟らかさを有する適切な拭き取り部材20になっている。
【0018】
また、拭き取り部材20としては、タオルに限定されるものではなく、使い捨ての不織布、さらに布材に限定されず、紙やプラスチックの素材から成るもの、スポンジ状のものなど、また、水に濡れたもの(濡れタオルなど)に限定されず、乾いた状態、水以外の液体(クリーニング用の液剤など)に濡れたものなど、既知の技術を適宜選択的に用いることができることは勿論である。
【0019】
図1〜4に示した形態例では、拭き取り部材用収納ボックス30が、車椅子10の手すり部14の下側に設けられた車椅子の側板15にボルト・ナットよって装着されている。
これによれば、車椅子10の適切な位置に、拭き取り部材用収納ボックス30を簡単に装着できると共に、手すり部14に近接するため、車椅子10の使用者が拭き取り部材20の出し入れを容易に行うことができる。
【0020】
図5〜8に示した形態例では、拭き取り部材用収納ボックス30が、車椅子の縦フレーム16にU字状ボルト17によって装着されている。
これによっても、車椅子10の適切な位置に、拭き取り部材用収納ボックス30を簡単に装着できる。また、拭き取り部材用収納ボックス30が車椅子10の後方に装着されることになるため、車椅子10の使用者を介護する補助者が、車椅子10の操作と共に拭き取り部材20の出し入れを容易に行うことができる。
【0021】
また、本形態例では、拭き取り部材用収納ボックス30の上面が開閉できるように上面蓋38が設けられている。この上面蓋38は、上面蓋のストッパ39によって閉じた状態にロックすることができる。上面蓋38は、拭き取り部材用収納ボックス30に収納された拭き取り部材20を押えることができる。このため、拭き取り部材20を、主輪11の外周面12に対して適切に圧接することが可能であり、拭き取りによるクリーニングを適切に行うことができる。
【0022】
なお、拭き取り部材用収納ボックス30の各部材(前端面保持部31、前方先端部の下面保持部32、側壁部33、34、後端面保持部36、後方先端部の下面保持部37)は、拭き取り部材20を適切に保持できるものであれば、その形態は特に限定されるものではない。例えば、その各部材は、通常の箱体を形成する板状の材料に限定されることはなく、格子状や柵状の部材、網目状の部材、或いは有孔板などによって形成されていてもよい。格子状などの部材や凹凸がある部材によれば、拭き取り部材20が滑らないように、より適切に保持できる。
【0023】
また、図9に示すように、拭き取り部材用収納ボックス30の上面蓋38が、外側の側壁部34に蝶番によって装着され、内側が開閉する形態であってもよい。これによれば、内側が開くため、車椅子の使用者が操作し易い利点がある。さらに、図9に示すように、上面蓋38が、外側の蝶番へ向って傾斜するように装着されていてもよい。その傾斜した分についてコンパクトに構成できると共に、その上面蓋38によって拭き取り部材20を圧迫し易くなり、拭き取り部材20を主輪11の外周面12へ適切に圧接できる。これによれば、拭き取り部材20による拭き取り効果を向上できる。
【0024】
また、本形態例では、図10に示すように、主輪11の回転を、主輪11のスポーク13に当接して阻止するように、主輪ストッパ40が設けられている。
これによれば、車椅子10の使用者を介護する補助者が、車椅子10の運転操作と共に、車椅子の駐車操作を容易に行うことができる。
【0025】
さらに、ブラシ50(図7参照)を、拭き取り部材用収納ボックス30の後方側に設けても良い。これによれば、拭き取り部材20によって主輪11の外周面12を拭き取る前に、その外周面12をブラッシングすることができ、効果的に汚れを取ることができる。
【0026】
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【符号の説明】
【0027】
10 車椅子
11 主輪
12 外周面
13 スポーク
14 手すり部
15 車椅子の側板
16 車椅子の縦フレーム
17 U字状ボルト
20 拭き取り部材
21 前端面
22 前方先端部の下面
26 後端面
27 後方先端部の下面
30 拭き取り部材用収納ボックス
31 前端面保持部
32 前方先端部の下面保持部
33 側壁部
34 側壁部
35 下面開口部
36 後端面保持部
37 後方先端部の下面保持部
38 上面蓋
39 上面蓋のストッパ
40 主輪ストッパ
50 ブラシ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10