(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-39119(P2017-39119A)
(43)【公開日】2017年2月23日
(54)【発明の名称】フィルタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B01D 27/00 20060101AFI20170203BHJP
B01D 35/30 20060101ALI20170203BHJP
【FI】
B01D27/00
B01D35/30
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-119009(P2016-119009)
(22)【出願日】2016年6月15日
(31)【優先権主張番号】14/809,443
(32)【優先日】2015年7月27日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス ジー. ティル
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル マクレガー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー シー. グンジ
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ジェイ. マン
【テーマコード(参考)】
4D026
4D064
【Fターム(参考)】
4D026AB01
4D026AB11
4D026AB14
4D064CD03
(57)【要約】
【課題】改良されたフィルタカートリッジと、かかるフィルタカートリッジを基部に容易に固定するための方法とを提供すること。
【解決手段】本発明は、外径を有する少なくとも1つのラグを含む第1の連結部材を有するフィルタカートリッジと、ラグを受け入れるための少なくとも1つのチャネルを有する第2の連結部材を備える支持体とを備え、チャネルが、対応するチャネル壁と、閉鎖端部と水平軸線とを含む末端部分と、開放端部を有する傾斜部分を有し、末端部分がラグの外径よりも小さい断面領域を有するラグ保持部分を含む、フィルタアセンブリを提供する。また、本発明は、カートリッジを支持体に連結する方法を提供する。さらに、本発明は、フィルタアセンブリを使用する方法も対象とする。
【選択図】
図7B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタカートリッジと、支持体とを備えるフィルタアセンブリであって、
(a)前記フィルタカートリッジが、
閉鎖端部および開放端部と、
前記閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、
前記閉鎖端部と前記開放端部との間に介設された少なくとも1つのフィルタモジュールと、
前記開放端部に取り付けられた第1の連結部材であり、該第1の連結部材を貫通する中央管腔と、外面と、前記外面から延びる、外径を有する少なくとも1つのラグとを有する第1の連結部材とを備え、
(b)前記支持体が第2の連結部材を備え、前記第2の連結部材が、該第2の連結部材を貫通する中央管腔と、前記ラグを受け入れるための少なくとも1つのチャネルを有する側壁とを有し、前記チャネルが、対応するチャネル壁と、閉鎖端部および水平軸線を含む末端部分と、前記水平軸線から傾斜した傾斜部分であり、前記開放端部を有する傾斜部分とを有し、前記末端部分が、前記ラグの外径よりも小さい断面領域を有するラグ保持部分であり、前記ラグが前記断面領域を通過したときに抵抗を与える前記ラグ保持部分を含んでおり、
前記フィルタカートリッジが、前記ラグを前記チャネル内で、前記傾斜部分から前記ラグ保持部分を通して、前記末端部分内へ旋回させるようにして前記第1の連結部材と前記第2の連結部材とを相互に連結することにより前記支持体に係合可能であり、前記ラグ保持部分は、前記ラグが旋回して前記末端部分の外に出るのを防止するようになっている、フィルタアセンブリ。
【請求項2】
少なくとも2つの前記ラグと、少なくとも2つの前記チャネルとを有し、前記チャネルの各々が個々の前記ラグを受け入れる、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
前記第2の連結部材の前記中央管腔がテーパ付き断面領域を含む、請求項1または2に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の連結部材が、少なくとも1つの溝と該溝内における少なくとも1つの弾性リングとを含む外面を備えた円筒状端部を備え、
前記第2の連結部材の前記中央管腔が、内面を備えた垂直壁を有するテーパ無しの断面領域を含み、
前記第1の連結部材上の前記弾性リングが、前記垂直壁の前記内面に接触したとき圧縮され、前記弾性リングが、前記フィルタカートリッジを前記支持体に係合させたときに前記内面に接して封止する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記フィルタアセンブリを前記支持体に係合させる使用者は、前記ラグが前記ラグ保持部分を通過したときに抵抗の変化を感じ、もって前記フィルタアセンブリを前記支持体に適切に係合させていることを認識する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
入口と出口とを備えるフィルタ装置ハウジングであり、前記フィルタ装置ハウジング内に配置されて前記入口と前記出口との間に流体流路を提供する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記支持体に係合させた前記フィルタカートリッジを含むフィルタ装置ハウジングを具備するフィルタ装置であって、
前記フィルタカートリッジが前記流体流路を横切って存在する、フィルタ装置。
【請求項7】
フィルタカートリッジを支持体に係合させるための方法であって、
(a)閉鎖端部および開放端部と、前記閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、前記閉鎖端部と前記開放端部との間に介設置された少なくとも1つのフィルタモジュールと、前記開放端部に取り付けられた第1の連結部材であり、該第1の連結部材を貫通する中央管腔と、外面と、前記外面から延びる、外径を有する少なくとも1つのラグとを有する第1の連結部材とを備える前記フィルタカートリッジを、(b)内部を貫通する中央管腔と、前記ラグを受け入れるための少なくとも1つのチャネルを有する側壁とを有する第2の連結部材であり、前記チャネルが、対応するチャネル壁と、閉鎖端部および水平軸線を含む末端部分と、前記水平軸線から傾斜した傾斜部分であり、開放端部を有する傾斜部分とを有し、前記末端部分が、前記ラグの前記外径よりも小さい断面領域を有するラグ保持部分であり、前記ラグが前記断面領域を通過したときに抵抗を与えるラグ保持部分を含む、第2の連結部材を備える支持体に、係合させるステップと、
前記第1の連結部材と前記第2の連結部材とを相互に連結して、前記ラグを前記チャネル内で、前記傾斜部分から前記ラグ保持部分を通して、前記末端部分内へ旋回させるステップと
を含み、
前記ラグ保持部分は、前記ラグが旋回して前記末端部分の外に出るのを防止する、方法。
【請求項8】
前記フィルタカートリッジを前記支持体に適切に係合させていることを示す、前記ラグが前記ラグ保持部分を通過したときの抵抗の変化が感じられるまで前記フィルタカートリッジを前記支持体に係合させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記支持体に係合させた前記フィルタカートリッジを備えるフィルタアセンブリを、入口と出口とを有するフィルタ装置ハウジング内に配置して、前記入口と前記出口との間に流体流路を提供するフィルタ装置を提供するステップを更に含み、
前記フィルタカートリッジが前記流体流路を横切って存在する、請求項7または8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001]ABスタイルのフィルタカートリッジは、通常、垂直に取り付けられる用途のために設計される。フィルタカートリッジは、典型的には、円筒状であり、上端部が閉鎖されており、底端部における軸方向開口部と、濾過すべき液体が通過する管状フィルタメディア壁とを有する。カートリッジは「内側から外側への流れ」用または「外側から内側への流れ」用として設計され得る。
【0002】
[0002]多くのフィルタ用途に関して、交換可能であるフィルタカートリッジは、基部に固定されるとともに、入口と出口とを有する装置ハウジング内に組み付けられ、また、流体は、流体を出口からフィルタメディア壁に通し、出口に通すことにより濾過される。使用後、フィルタカートリッジは、基部から外されて交換される。
【0003】
[0003]しかしながら、さらに改良されたフィルタカートリッジと、かかるフィルタカートリッジを基部に固定するための方法とが求められている。
【0004】
[0004]本発明は、従来技術の欠点の少なくともいくつかの改善を実現する。本発明のこれらおよび他の利点は、以下の説明から明らかとなろう。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の一実施形態は、フィルタカートリッジと、支持体とを備えるフィルタアセンブリであって、
(a)前記フィルタカートリッジが、閉鎖端部および開放端部と、閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、閉鎖端部と開放端部との間に介設された少なくとも1つのフィルタモジュールと、開放端部に取り付けられた第1の連結部材であり、該第1の連結部材を貫通する中央管腔と、外面と、外面から延びる、外径を有する少なくとも1つのラグとを有する第1の連結部材とを備え、
(b)前記支持体が第2の連結部材を備え、この第2の連結部材が、該第2の連結部材を貫通する中央管腔と、ラグを受け入れるための少なくとも1つのチャネルを有する側壁とを有し、チャネルが、対応するチャネル壁と、閉鎖端部および水平軸線を含む末端部分と、水平軸線から傾斜した傾斜部分であり、開放端部を有する傾斜部分とを有し、末端部分が、ラグの外径よりも小さい断面領域を有するラグ保持部分であり、ラグがより小さい断面領域を通過したときに抵抗を与えるラグ保持部分を含んでおり、
フィルタカートリッジが、ラグをチャネル内で、傾斜部分から、ラグ保持部分を通して、末端部分内へ旋回させるようにして第1の連結部材と第2の連結部材とを相互に連結することにより支持体に係合可能であり、ラグ保持部分は、ラグが旋回して末端部分の外に出るのを防止するようになっている、フィルタアセンブリを提供する。好ましくは、フィルタカートリッジは、外面から延びる少なくとも2つのラグを有し、第2の連結部材の側壁は少なくとも2つのチャネルを有し、各チャネルは個々のラグを受け入れるためのものである。
【0006】
[0006]本発明の実施形態はまた、フィルタカートリッジを支持体に固定するための方法、フィルタアセンブリを使用して流体を濾過するための方法、およびフィルタアセンブリを備えるフィルタ装置を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明による、閉鎖端部および開放端部と、閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、開放端部に取り付けられた第1の連結部材とを含むフィルタカートリッジの側面図である。
【
図1B】本発明による、閉鎖端部および開放端部と、閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、開放端部に取り付けられた第1の連結部材とを含むフィルタカートリッジの縦断面図である。
【
図1C】本発明による、閉鎖端部および開放端部と、閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、開放端部に取り付けられた第1の連結部材とを含むフィルタカートリッジの上面図である。
【
図2】
図1Aおよび
図1Bに図示するフィルタカートリッジの開放端部に取り付けられた、第1および第2のラグを有する第1の連結部材の側面図である。
【
図3】本発明の実施形態による第1および第2のラグをそれぞれ受け入れるための第1および第2のチャネルを有する第2の連結部材を備える支持体の斜視図である。
【
図4】第1および第2の連結部材の相互の連結を側面図で示す。
図4Aは、チャネルに沿って摺動するラグを示す。
図4Bは、ラグがチャネルに沿って摺動するときの第1および第2の連結部材の位置を示し、ラグがラグ保持部分を通過したときと、ラグがチャネルの末端部分内にあるときのそれぞれの位置が同じ位置である。
図4Cは、チャネルのラグ保持部分を通過するラグを示す。
図4Dは、ラグがチャネルに沿って摺動するときの第1および第2の連結部材の位置を示し、ラグがラグ保持部分を通過したときと、ラグがチャネルの末端部分内にあるときのそれぞれの位置が同じ位置である。
図4Eは、チャネルの末端部分内におけるラグを示し、ラグ保持部分は、ラグが旋回してチャネルの外に出るのを防止する。
図4Fは、ラグがチャネルに沿って摺動するときの第1および第2の連結部材の位置を示し、ラグがラグ保持部分を通過したときと、ラグがチャネルの末端部分内にあるときのそれぞれの位置が同じ位置である。
【
図5】最初の図が、チャネルに進入した後(第1の連結部材と第2の連結部材とを互いに接触させた直後)のラグを示す、チャネルに沿って摺動するラグ、チャネルのラグ保持部分内を徐々に摺動するラグ、およびチャネルの末端部分内におけるラグを概略的に示す。
【
図6A】本発明の別の実施形態による、単一のラグを有する第1の連結部材から単一のラグを受け入れるための単一のチャネルを有する第2の連結部材の斜視図を示す。
【
図6B】本発明の別の実施形態による、単一のラグを有する第1の連結部材から単一のラグを受け入れるための単一のチャネルを有する第2の連結部材の断面図を示す。
【
図7B】本発明の実施形態による、フィルタカートリッジを含む装置ハウジングの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0014]本発明の実施形態によれば、フィルタカートリッジと、支持体とを備えるフィルタアセンブリであって、(a)前記フィルタカートリッジが、閉鎖端部および開放端部と、閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、閉鎖端部と開放端部との間に介設された少なくとも1つのフィルタモジュールと、開放端部に取り付けられた第1の連結部材であり、該第1の連結部材を貫通する中央管腔と、外面と、外面から延びる、外径を有する少なくとも1つのラグとを有する第1の連結部材とを備え、(b)前記支持体が第2の連結部材を備え、この第2の連結部材が、該第2の連結部材を貫通する中央管腔と、ラグを受け入れるための少なくとも1つのチャネルを有する側壁とを有し、チャネルが、対応するチャネル壁と、閉鎖端部および水平軸線を含む末端部分と、水平軸線から傾斜した傾斜部分であり、開放端部を有する傾斜部分とを有し、末端部分が、ラグの外径よりも小さい断面領域を有するラグ保持部分であり、ラグがより小さい断面領域を通過したときに抵抗を与えるラグ保持部分を含んでおり、フィルタカートリッジが、ラグをチャネル内で、傾斜部分から、ラグ保持部分を通して、末端部分内へ旋回させるようにして第1の連結部材と第2の連結部材とを相互に連結することにより支持体に係合可能であり、ラグ保持部分は、ラグが旋回して末端部分の外に出るのを防止するようになっている、フィルタアセンブリを提供する。好ましくは、フィルタカートリッジは、外面から延びる少なくとも2つのラグを有し、第2の連結部材の側壁は少なくとも2つのチャネルを有し、各チャネルは個々のラグを受け入れるためのものである。
【0009】
[0015]対応するチャネル壁は、平行で真っ直ぐな壁を含むことができる。
【0010】
[0016]本発明の実施形態はまた、フィルタカートリッジを支持体に固定するための方法、フィルタアセンブリを使用して流体を濾過するための方法、およびフィルタアセンブリを備えるフィルタ装置を含む。
【0011】
[0017]例えば、一実施形態においては、フィルタカートリッジを支持体に係合させる方法が提供される。この方法は、(a)閉鎖端部および開放端部と、閉鎖端部に取り付けられたハンドルと、閉鎖端部と開放端部との間に介設置された少なくとも1つのフィルタモジュールと、開放端部に取り付けられた第1の連結部材であり、該第1の連結部材を貫通する中央管腔と、外面と、この外面から延びる、外径を有する少なくとも1つのラグとを有する第1の連結部材とを備えるフィルタカートリッジを、(b)内部を貫通する中央管腔と、ラグを受け入れるための少なくとも1つのチャネルを有する側壁とを有する第2の連結部材であり、チャネルが、対応するチャネル壁と、閉鎖端部および水平軸線を含む末端部分と、水平軸線から傾斜した傾斜部分であり、開放端部を有する傾斜部分とを有し、末端部分が、ラグの外径よりも小さい断面領域を有するラグ保持部分であり、ラグが断面領域を通過したときに抵抗を与えるラグ保持部分を含む、第2の連結部材を備える支持体に、係合させるステップと、第1の連結部材と第2の連結部材とを相互に連結して、ラグをチャネル内で、傾斜部分からラグ保持部分を通して末端部分内へ旋回させるステップとを含み、前記ラグ保持部分は、前記ラグが旋回して前記末端部分の外に出るのを防止する、方法である。
【0012】
[0018]好ましくは、この方法は、フィルタカートリッジを支持体に適切に係合させていることを示す、ラグがラグ保持部分を通過したときの抵抗の変化が感じられるまでフィルタカートリッジを支持体に係合させるステップを含む。
【0013】
[0019]本発明の実施形態によるフィルタ装置は、入口と出口とを備えるフィルタ装置ハウジングであって、フィルタ装置ハウジング内に配置されて入口と出口との間に流体流路を提供する、支持体に係合させたフィルタカートリッジを含む、フィルタ装置ハウジングを備え、フィルタカートリッジは流体流路を横切って存在する。
【0014】
[0020]好適には、特にフィルタカートリッジをより少ない押し下げ力でまたは押し下げ力なしに基部に固定することができるので、フィルタカートリッジをより少ない力で設置および交換することができかつ/または従来のフィルタカートリッジよりも迅速に取り替えることができる。例えば、約427ニュートンの取付力を必要とする、従来の一般の方式と比較して、本発明の実施形態によるフィルタカートリッジを約314ニュートン(26%低減)の力で設置することができる。別の例では、カートリッジを取り替えるのに約9.5分かかる、従来の一般の方式と比較して、本発明の実施形態によるフィルタカートリッジを約3.5分で取り替えることができる。追加の利点は、フィルタカートリッジが正しく設置されていることを容易に確認できることである。所望により、フィルタハウジング内の多数の(例えば、6つの)ABスタイルのカートリッジを交換するために、単一の大きなフィルタカートリッジを提供することができる。
【0015】
[0021]本発明の構成要素の各々を以下により詳細に説明する。なお、類似の構成要素は類似の参照番号を付すこととする。
【0016】
[0022]以下により詳細に説明するように、本発明の実施形態は、支持体に流体密に固定された第1のカートリッジを備えるフィルタアセンブリを提供するものであり、第1の連結部材は回転動作により第2の連結部材に係合される。
【0017】
[0023]
図1Aおよび
図1Bは、閉鎖端部501と、開放端部502と、閉鎖端部と開放端部との間に介設されたフィルタモジュール450とを備えるフィルタカートリッジ1000の実施形態を示している。図示のこの実施形態において、カートリッジは、閉鎖端部と開放端部とをもたらすハウジング500であって、ハンドル510が閉鎖端部に取り付けられた(
図1Cにも示す)ハウジング500を含み、フィルタモジュールは、各々がエンドキャップを含む第1のフィルタ410と第2のフィルタ420とを含み、エンドキャップ401は閉鎖可能でありかつ/またはハウジング閉鎖端部501により閉鎖可能であり、エンドキャップ402が開放している。第1の連結部材100を貫通する中央管腔120を有する第1の連結部材100(ポリマー材料、例えばポリプロピレンを含むことが好ましい)は、(例えば、エンドキャップ402を介して)開放端部502に取り付けられる。第1の連結部材は、外面110’と、外面から延びる少なくとも1つのラグ101(
図1Aは3つのラグを示している)とを有する。ラグ101は、(
図4Aに「II」で表す)の外径を有する。
【0018】
[0024]第1の連結部材100は、肩部155と、少なくとも1つの溝(
図1Aおよび
図1Bは溝150Aおよび150Bを示している)とを含む凸部150を有し、溝は、弾性リングを受け入れるのに好適である。以下により詳細に述べるように、凸部は、第1の連結部材100と、第2の連結部材200を備える支持体275との間に流体密シールをもたらすのを補助することができる。好ましくは、
図2に示すように、凸部150は、それぞれの溝150Aおよび150B内に弾性リング151Aおよび151Bを有する。
【0019】
[0025]
図3は、第2の連結部材200(金属材料、例えばステンレス鋼を含むことが好ましい)を備える支持体275の実施形態を示しており、この第2の連結部材200は、これを貫通する中央管腔220を有するとともに、第1の連結部材のラグを受け入れるための少なくとも1つのチャネル201を有する側壁200’を有する(
図3は、3つのチャネルを示しており、
図6A、
図6Cは、1つのチャネルを示している)。図示のチャネル201は、対応する連続したチャネル壁と、閉鎖端部215Aと水平軸線Hとを有する末端部分215と、水平軸線Hから傾斜した傾斜部分A(
図5参照)であって、開放端部216を有する傾斜部分Aとを有する。末端部分215は、ラグの外径(
図4Aの「II」)よりも小さい断面領域(
図4Aに「I」で表された、チャネルの対応する壁間の空間)を有するラグ保持部分210を含む。以下により詳細に説明するように、ラグ101がチャネル211に沿って進む際に、ラグ保持部分は、ラグがラグ保持部分を通過したときに抵抗を与えて、第1の連結部材と第2の連結部材とが整列され、したがってフィルタカートリッジが支持体に適切に係合されることを示すことを使用者が認識できるようにする。加えて、ラグ保持部分は、ラグが(例えば、装置ハウジング内で利用されるときにフィルタアセンブリの逆加圧中に)旋回してチャネルの末端部分の外に出るのを防止する。
【0020】
[0026]
図4A〜
図4Fは、第1および第2の連結部材の相互の連結を示している。
図4A、
図4Cおよび
図4Eは、第1の連結部材を回転前進させるときにチャネル201に沿って摺動するラグ101、チャネルのラグ保持部分210を通過するラグ、およびチャネルの末端部分215内におけるラグをそれぞれ示しており、ラグ保持部分は、ラグが旋回してチャネルの外に出るのを防止する。チャネルの対応する壁間の距離「II」がラグの外径「I」よりも小さいので、ラグが旋回して末端部分215の外に出ることが防止され、作業者は、ラグがチャネルの傾斜部分からチャネルの末端部分へ通過したときの抵抗の変化からフィルタカートリッジと支持体とが適切に整列されていることを認識する。
【0021】
[0027]
図4B、
図4Dおよび
図4Fは、ラグがチャネルに沿って摺動するときの第1および第2の連結部材のそれぞれの位置を示しており、それぞれの位置は、ラグがラグ保持部分を通過したときと、ラグがチャネルの末端部分内にあるときとで同じ位置となっている。すなわち、
図4Bは、第1の連結部材と第2の連結部材との間の距離「A」を示しており、かつ
図4Dと
図4Fは共に、第1の連結部材と第2の連結部材との間の同じ距離「B」を示しており、距離「A」は距離「B」よりも大きい。
【0022】
[0028]
図4A、
図4Cおよび
図4Eに示す実施形態において、チャネルの傾斜部分の壁201Aおよび201Bは、連続した真っ直ぐな壁として互いに平行であり、末端部分における壁201Cおよび201Dは、連続した真っ直ぐな壁として互いに平行である。
【0023】
[0029]傾斜部分は、任意の適切な角度に設けることができる。例えば、
図5に示すように、傾斜部分は、水平軸線に対して約20°/160°の角度をなすことができるが、本発明はそのように限定されるものではない。典型的には、傾斜部分は、水平軸線に対して約20°/160°〜約40°/140°の範囲の角度をなす。
【0024】
[0030]前述のように、第1の連結部材100は、肩部155と、少なくとも1つの溝とを含む凸部150を有し、溝は、弾性リングを受け入れるのに好適であり、この構成は、第1の連結部材100と、第2の連結部材200を備える支持体275との間に流体密シールをもたらすのを補助することができる。
図4B、
図4Dおよび
図4Fに示す実施形態において、第2の連結部材は、肩部255と、封止領域250を提供する内面を備えた垂直壁と、リング151Aおよび151Bの非圧縮状態から(250の領域における)圧縮状態へのスムーズな移行を可能にして、流体密シールをもたらしつつ取付力を更に低減するテーパ付き断面領域を提供する中央管腔220とを有する。
【0025】
[0031]フィルタカートリッジを支持体に完全に係合させて、フィルタアセンブリを形成した後に、フィルタアセンブリは、入口と出口とを有するフィルタ装置ハウジング内に配置されて、入口と出口との間に流体流路を提供することができ、その場合、フィルタカートリッジは流体流路を横切って存在する。
【0026】
[0032]
図7Aおよび
図7Bは、入口701と出口702とを有する例示的なフィルタ装置を示している。
図7Bは、「外側から内側への」流れの構成を示しているが、本発明はそのように限定されるものではない。
【0027】
[0033]本発明の実施形態は、水性流体(例えば、水、ビール、ワイン、または他の水性流体)からまたは空気/ガス流から、例えばバクテリアおよび/または固体粒子などの望ましくない物質を除去するために流体を濾過することを含む。
【0028】
[0034]様々なフィルタおよびフィルタメディアが、本発明によるフィルタカートリッジおよびフィルタモジュールで使用するのに好適である(フィルタメディアが
図7Bに断面図で示されている)。好適なフィルタとしては、例えば、ULTIPLEAT(登録商標)フィルタ(Pall Corporation,Port Washington,NY)が挙げられる。フィルタカートリッジは、例えば軸方向に配置された、任意の数のフィルタおよび/またはフィルタモジュールを含むことができる。必要とされるならば、30インチの高さの、最大で6つのフィルタを交換するために、大表面積フィルタモジュールを利用することができる。フィルタモジュールは、その外径が30インチの高さの6つのフィルタカートリッジの外径に比べて大幅に低減されるように設計することができ、このことは、フィルタハウジングの直径も、高さが30インチの6つのフィルタカートリッジに必要な直径よりも小さく、それゆえ、ハウジングの設置面積が低減されることを意味する。
【0029】
[0035]典型的なフィルタモジュールは、第1および第2の軸方向端部と、第1の軸方向端部と第2の軸方向端部との間に延びる内部と、外部と、内部と外部との間のフィルタメディアの1つまたは複数の層とを含む。モジュールはまた、例えば、内部コア、外部に位置するケージ、および軸方向端部におけるエンドキャップなどの他の構成要素を含み得る(
図1Bに図示する実施形態は、内部コアと、フィルタモジュールの外面を取り囲むケージと、軸方向端部におけるエンドキャップとを示している)。モジュールは、例えばプリーツ型濾過膜などの、プリーツ型フィルタメディアを含み得る。典型的には、エンドキャップ、ケージ、および/またはコアは、存在する場合には、ポリプロピレンなどの射出成形プラスチックで構成される。
【0030】
[0036]モジュールは、1つまたは複数のフィルタ層を含み得る。フィルタ層は、1つまたは複数の様々な材料から作製してもよいが、一般には、例えばポリエーテルスルホンなどのポリマー材料から作製される。モジュールは、追加の要素、例えば前濾過材、支持材、間隔保持材、緩衝材および排水材のいずれかの1つまたは複数などを含み得る。典型的には、これらの材料は、例えばポリプロピレンなどのプラスチックから形成される。
【0031】
[0037]フィルタまたはフィルタ層は、任意の好適な細孔構造、例えば、細孔サイズ(例えば、米国特許第4340479号明細書で説明されている起泡点もしくはK
Lにより明らかになる、または毛管凝縮流動ポリメトリにより明らかになる)、細孔等級、細孔直径(例えば、米国特許第4925572号明細書で説明されている改良OSU F2試験法を使用して特徴づけられる場合)、あるいは流体がエレメントに通されるときに対象となる1つもしくは複数の材料の通過を低減するまたは通過を可能にする除去等級を有することができる。使用される細孔構造は、処理すべき流体の組成、および処理された流体の所望の流出レベルによって決まる。
【0032】
[0038]フィルタメディアは、任意の所望の臨界湿潤表面張力(CWST、例えば、米国特許第4925572号明細書で定義されている)を有することができる。当技術分野で知られている通り、例えば、米国特許第5152905号明細書、米国特許第5443743号明細書、米国特許第5472621号明細書、および米国特許第6074869号明細書に更に開示されているようにCWSTを選択することができる。典型的には、フィルタメディアは、約53ダイン/cm(約53×10
−5N/cm)よりも大きい、より典型的には約75ダイン/cm(約75×10
−5N/cm)よりも大きいCWSTを有する。湿式もしくは乾式酸化により、表面にポリマーをコーティングするかもしくは堆積させることにより、またはグラフト反応により(例えば、CWSTに影響を与えるように、表面電荷、例えば、正電荷もしくは負電荷を含むように、および/または表面の極性もしくは親水性を変えるように)メディアの表面特性を改質することができる。改質には、例えば、照射、極性または荷電モノマー、荷電ポリマーを用いた表面のコーティングおよび/または硬化、ならびに表面に官能基を結合させるための化学的改質の実施が含まれる。グラフト反応は、ガスプラズマ、蒸気プラズマ、コロナ放電、熱、ヴァンデグラフ起電機、紫外光、電子ビームなどのエネルギー源への、もしくは他の様々な形態の放射線への暴露により、またはプラズマ処理を使用した表面エッチングもしくは堆積により、活性化させてもよい。
【0033】
[0039]フィルタカートリッジは滅菌可能であることが好ましい。
【0034】
[0040]フィルタ装置ハウジングは、処理される流体と適合性のある任意の好適な剛性の不透過性材料から製造することができる。例えば、ハウジングは、ステンレス鋼などの金属からまたはポリマーから製造することができる。
【0035】
[0041]本明細書に引用された刊行物、特許出願、および特許を含む全ての参考文献は、あたかも、各参考文献が、参照により本明細書に組み込まれるべく個々にかつ具体的に示されており、またその全体が本明細書に明記されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
[0042]本発明を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)における「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」および「少なくとも1つ(at least one)」という用語ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈されるものとする。1つまたは複数の物品の列記が続く「少なくとも1つ」という用語(例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、列記された物品から選択される1つの物品(AもしくはB)または列記された物品の2つ以上の任意の組み合わせ(AおよびB)を意味すると解釈されるものとする。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」「含む(including)」、「包含する(containing)」は、別段の断りのない限り、制限のない用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」ことを意味する)と解釈されるものとする。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、その範囲内にある各個別の値を個々に参照する簡便な方法として役立つように意図されたものにすぎず、各個別の値は、あたかもそれが本明細書に個々に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施することができる。本明細書で提供するあらゆる例または例示的な言い回し(例えば、「など(such as)」)は、本発明をより良く明らかにするように意図されたものにすぎず、別段に主張しない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる言い回しも、請求項に記載されていない要素を、本発明の実施に不可欠であるものとして示すものとは解釈されないものとする。
【0037】
[0043]本発明を実施するための本発明者らに既知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。それらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形例を必要に応じて用いることを期待しており、また、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載されているものとは別の方法で実施されることを意図している。よって、本発明は、準拠法によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙された主題の全ての修正形態および均等物を含む。その上、全ての可能な変形例における上記要素の任意の組み合わせが、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【符号の説明】
【0038】
100…第1の連結部材、101…ラグ、110’…外面、120…中央管腔、150…凸部、150A…溝、150B…溝、151A…弾性リング、151B…弾性リング、152B…弾性リング、155…肩部、200…第2の連結部材、200’…側壁、201…チャネル、201A…壁、201B…壁、201C…壁、201D…壁、210…ラグ保持部分、211…チャネル、215…末端部分、215A…閉鎖端部、216…開放端部、220…中央管腔、250…封止領域、255…肩部、275…支持体、401…エンドキャップ、402…エンドキャップ、410…第1のフィルタ、420…第2のフィルタ、450…フィルタモジュール、500…ハウジング、501…ハウジング閉鎖端部、502…開放端部、510…ハンドル、701…入口、702…出口、1000…フィルタカートリッジ、H…水平軸線
【外国語明細書】