【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
喘息は、慢性的病的状態及び死亡の主な原因であり、罹患者は全世界で推定3億人、そ
して、この疾患に起因する死亡者は年間2, 50,000人である。大抵の国のあらゆる年齢の
人々が、この慢性疾患に罹患している。
【0003】
喘息は、喘鳴、息切れ、胸苦しさ(chest tightness)、及び咳の反復する発生をもたら
す気道過敏症を伴う、気道の慢性的な炎症性障害である。炎症反応の増大が、急性喘息の
病態生理の主要部分であり、定期的な予防的治療が重要である。
【0004】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、世界的に有病率が増大している深刻な呼吸器状態である。
インドでは、推定される患者数は、約1236万人である。COPDは現在、英国及び米国では死
因の第4位であり、2020年までには、疾患の世界的影響が第3位にランクされると予測され
る。
【0005】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全には可逆的でない気流制限を特徴とする予防可能かつ
治療可能な疾患状態である。気流閉塞は通常、進行性であり、かつ、主として喫煙によっ
て引き起こされる有害な粒子又は気体に対する肺の異常な炎症反応を伴う。COPDは、肺に
影響を与えるが、重大な全身的結果ももたらす。COPDは、粘液分泌過多、肺気腫、細気管
支炎を伴う。
【0006】
喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療及び/又は予防のための治療法としては、現在
、β
2-アゴニスト、抗コリン作用薬、及びステロイドなどの気管支拡張剤の使用が挙げら
れる。
【0007】
より具体的には、喘息、COPD、及び他の関連障害は、β
2-アゴニストを用いて治療され
ることが公知である。β
2-アゴニストは、気管支拡張剤効果を提供し、息切れの症状が軽
減されるからである。β
2-アゴニストは、即時的軽減のために短時間作用型であり得る、
又は喘息症状の長期予防のために長時間作用型であり得る。
【0008】
長時間作用型β
2-アゴニストは、肺機能を改善し、症状を緩和し、喘息及びCOPDを罹患
する患者における運動誘発性呼吸困難を防ぐ。長時間作用型β
2-アゴニストは、気道平滑
筋の長期にわたる弛緩を引き起こすことによって、気管支拡張を誘発する。長時間作用型
β
2-アゴニスト(LABA)は、長期にわたる気管支拡張に加えて、気道平滑筋細胞増殖及び炎
症メディエータ放出の阻害、並びに非平滑筋効果(例えば粘膜線毛輸送の刺激、呼吸器粘
膜の細胞保護、及び好中球の動員及び活性化の減弱など)などの他の効果を発揮する。
【0009】
更に、長時間作用型β
2-アゴニストの使用は、薬物投与の頻度を低下させる。現在利用
可能な長時間作用型β
2-アゴニスト(LABA)としては、サルメテロール及びホルモテロール
が挙げられる。
【0010】
β
2-アゴニストは、気管支収縮の症状緩和を提供することが公知であるが、喘息の別の
構成要素は、炎症性であり、ステロイドなどの別の治療を必要とする。吸入コルチコステ
ロイドの多くは、複数回投与計画で投与される必要がある。
【0011】
コルチコステロイドは、呼吸器障害の原因に関与する炎症細胞及び炎症メディエータに
対する阻害的効果を示す。コルチコステロイド/グルココルチコイドを用いる治療は、持
続型喘息のために現在利用可能な最も強力かつ有効な治療法のうちの1つであると考えら
れている。
【0012】
しかし、吸入コルチコステロイド(ICS)で治療した、かなりの割合の患者が、低用量か
ら中等量の吸入コルチコステロイド(ICS)の使用にもかかわらず、症候性のままであるこ
とが判明している。
【0013】
また、特に子供におけるこれらのコルチコステロイドの使用は、その副作用の可能性に
より、制限されている。子供及び十代の者では、これらの薬品は、成長を妨げる又は遅ら
せる可能性があり、また副腎の機能に影響を与える可能性がある。子供における別の潜在
的問題は、これらのコルチコステロイドが、水痘及び麻疹などの感染症を引き起こす可能
性があるということである。
【0014】
コルチコステロイドの使用に伴う他の副作用は、コルチコステロイドが、視床下部-下
垂体-副腎(HPA)軸の抑制を引き起こし、子供における骨成長に対する及び高齢者における
骨密度に対する有害作用、眼科合併症(白内障形成及び緑内障)、及び皮膚萎縮をもたらす
ということである。高齢の人々では、コルチコステロイドが、高血圧及び骨疾患のリスク
を増大させるようである。コルチコステロイドを使用することによる骨関連疾患は、特に
、高齢女性において起こる可能性が高い。
【0015】
したがって、低用量から中等量のICSの使用によって適切にはコントロールされていな
い喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療の際の治療的選択肢は、吸入コルチコステロイ
ド(ICS)の用量を増大させること、又は、吸入コルチコステロイド(ICS)の治療法をβ
2-ア
ゴニスト及び/又は抗コリン作用薬などの気管支拡張剤と組み合わせることである。
【0016】
現在利用可能なコルチコステロイドとしては、ベクロメタゾン、ブデソニド、フルチカ
ゾン、モメタゾン、シクレソニド、及びトリアムシノロンが挙げられる。
【0017】
抗コリン作用剤はまた、気管支拡張剤としても作用し、βアゴニストの潜在的な代替物
である。しかし、抗コリン作用薬は、喘息の管理のために、β2-アゴニスト(LABA)と共に
投与することもできる。抗コリン作用薬は、迷走神経又は神経筋接合部で受容体部位をめ
ぐってアセチルコリンと競合することによって作用する。これは、喘息刺激によって誘発
される反射の伝達を予防する。
【0018】
β2-アゴニストの応答性は、老齢期に減退するので、抗コリン作用薬の使用は、高齢の
患者において利点を提供する。さらに、抗コリン作用薬は、β2-アゴニストの使用に不耐
性である患者に使用することが好都合であろう。
【0019】
さらに、抗コリン作用薬はまた、夜間性喘息、同時に不可逆性気道閉塞を伴う慢性喘息
、内因性喘息を患う患者に、また、より長期間の喘息を罹患する患者にも使用することが
できる。
【0020】
気管支拡張剤と吸入コルチコステロイドとの併用療法は、喘息などの呼吸器障害に罹患
した患者において、高用量の吸入コルチコステロイド単独と比較すると、肺効率(pulmona
ry efficiency)を改善し、炎症性反応を軽減し、症状緩和を提供するが、具体的な気管支
拡張剤と吸入コルチコステロイドの選択も、固定用量合剤の製剤において非常に重要な役
割を果たすことができる。
【0021】
さらに、この併用療法は、治療法を単純化し、費用を軽減し、また、呼吸器障害のコン
トロールを提供する。投与頻度を最低限まで低下させることは、治療法に対する患者アド
ヒアランスを改善するために喘息管理を単純化する際の重要なステップである。
【0022】
現在、長時間作用型βアゴニスト(LABA)と吸入コルチコステロイド(ICS)とのいくつか
の認可された合剤が存在する。喘息及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のための、これら
の認可された合剤のいくつかは、サルメテロール/プロピオン酸フルチカゾン(Advair dis
kus、Advair HFA)、及びフマル酸ホルモテロール脱水物/ブデソニド(Symbicort)である。
【0023】
長時間作用型βアゴニスト(LABA)と吸入コルチコステロイド(ICS)との利用可能な合剤
の多くは、1日2回投与しなければならない。
【0024】
患者コンプライアンス視点から見ても、これらの治療では、患者が様々な投薬計画、様
々な頻度の投与などに従うことが求められる。
【0025】
コンプライアンスを改善するための試みは、薬剤包装を単純化すること、有効な薬剤リ
マインダーを提供すること、患者教育を改善すること、及び同時に処方される薬剤の数を
制限することに狙いを定めている。
【0026】
US7008951は、炎症性疾患又は閉塞性気道疾患の治療における、同時、連続的、又は異
時投与のための、100:1から1:300の比のインダカテロールとコルチコステロイドとを含む
医薬組成物を開示している。
【0027】
US7622483は、インダカテロールとステロイドとを含む合剤を開示している。
【0028】
US6800643は、100:1から1:300の比のインダカテロールとコルチコステロイドとを別々
に又は共に含む医薬品を開示している。
【0029】
US7622484は、炎症性疾患又は閉塞性気道疾患の治療における同時投与のための、3:1か
ら1:7の比のインダカテロールとフランカルボン酸モメタゾンとを含む、吸入可能な形の
組成物を開示している。
【0030】
US6030604は、グルココルチコイドとβ-2アゴニストとを含む乾燥粉末組成物を開示し
ている。
【0031】
WO0178745は、ホルモテロールとプロピオン酸フルチカゾンとの組み合わせを含有する
組成物を開示している。
【0032】
US7172752は、予め決定されたかつ一定の比のβ2-アゴニストと糖質コルチコステロイ
ドとの合剤を含む吸入粒子を開示している。
【0033】
WO02083113は、薬理学的に適した流体中にホルモテロールとステロイド性抗炎症剤とを
含む医薬組成物を開示している。
【0034】
WO2004028545は、線維症の治療における、長時間作用型β2-アゴニストと糖質コルチコ
ステロイドとの合剤を開示している。
【0035】
US2005053553は、併用量のホルモテロールとフルチカゾンとを含む計量された乾燥粉末
の吸入による投与のための方法を開示している。
【0036】
US2005042174は、β2-アゴニストの用量のインダカテロールと、抗コリン作用剤と、抗
炎症性ステロイドとを含む合剤を開示している。
【0037】
US2009088408は、抗コリン作用薬と、コルチコステロイドと、ベータミメティクス(bet
amimetics)との医薬組成物、並びに呼吸器疾患の治療における該医薬組成物の使用を開示
している。
【0038】
WO2006105401は、呼吸器疾患、炎症性疾患、若しくは閉塞性気道疾患の予防又は治療に
おける同時又は連続的投与のための、コルチコステロイド及び長時間作用型βアゴニスト
と組み合わせた抗コリン作用薬を開示している。
【0039】
長時間作用型β2アゴニスト(LABA)と吸入コルチコステロイド(ICS)との合剤をさらに選
択することが重要である。どちらの薬物も、1日1回の投与が可能であるはずだからである
。長時間作用型β
2アゴニスト(LABA)が1日1回投与される必要があり、かつ吸入コルチコ
ステロイド(ICS)が1日2回投与される必要がある、又は逆であるような治療方法は、1日1
回治療という目的が達せられないので、有用とはならないであろう。
【0040】
しかし、上の従来技術はいずれも、インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾン
との、ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾン又はインダカテロールとシクレソ
ニドとの、並びにインダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンとチオトロピウムと
の合剤を具体的に開示していない。さらに、これらの従来技術はいずれも、インダカテロ
ールとフランカルボン酸フルチカゾンとの、ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカ
ゾン又はインダカテロールとシクレソニドとの、並びにインダカテロールとフランカルボ
ン酸フルチカゾンとチオトロピウムとの合剤を、呼吸器疾患、炎症性疾患、若しくは閉塞
性気道疾患の予防又は治療のために、1日1回投与することができることを言及又は開示し
ていない。
【発明を実施するための形態】
【0055】
(発明の詳細な説明)
気管支拡張剤(長時間作用型βアゴニスト(LABA)など)と吸入コルチコステロイド(ICS)
とを用いる薬物療法は、呼吸器疾患、炎症性疾患、若しくは閉塞性気道疾患(喘息及び慢
性閉塞性肺疾患(COPD)など)の予防又は治療のために推奨されている。
【0056】
さらに、気管支拡張剤(長時間作用型βアゴニスト(LABA)など)と吸入コルチコステロイ
ド(ICS)との投与に応答する、又は該投与によって予防される、寛解する、若しくは消失
する状態の予防のために1日1回投与することができる組成物を製剤化する必要性が存在す
る。
【0057】
本発明に従って使用される気管支拡張剤は、β-アゴニスト及び/又は抗コリン作用薬で
あり得る。本発明によれば、βアゴニストは、1種以上の、短時間作用型βアゴニスト、
長時間作用型βアゴニスト、又は超長時間作用型βアゴニストを含むことができる。本発
明の好ましい実施態様では、βアゴニストは、インダカテロール又はホルモテロールを含
む。
【0058】
本発明による具体的な好ましい医薬組成物としては、以下が挙げられる:
-ホルモテロールを含むβ
2-アゴニストと組み合わせた、フルチカゾン(特にフランカルボ
ン酸フルチカゾン)を含むコルチコステロイド。
-ホルモテロールをからなるβ
2-アゴニストと組み合わせた、フルチカゾン(特にフランカ
ルボン酸フルチカゾン)からなるコルチコステロイド。
-インダカテロールを含むβ
2-アゴニストと組み合わせた、フルチカゾン(特にフランカル
ボン酸フルチカゾン)を含むコルチコステロイド。
-インダカテロールからなるβ
2-アゴニストと組み合わせた、フルチカゾン(特にフランカ
ルボン酸フルチカゾン)からなるコルチコステロイド。
-インダカテロールを含むβ
2-アゴニストとチオトロピウムを含む抗コリン作用薬と組み
合わせた、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)を含むコルチコステロイド
。
-インダカテロールからなるβ
2-アゴニストとチオトロピウムからなる抗コリン作用薬と
組み合わせた、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)からなるコルチコステ
ロイド。
-インダカテロールを含むβ
2-アゴニストと組み合わせた、シクレソニドを含むコルチコ
ステロイド。
-インダカテロールからなるβ
2-アゴニストと組み合わせた、シクレソニドからなるコル
チコステロイド。
【0059】
一実施態様では、インダカテロールは、マレイン酸塩として提供される。
【0060】
上記組成物においては、フルチカゾンは、フルチカゾンのエステル、特に、フランカル
ボン酸エステル又は吉草酸エステル又はプロピオン酸エステルとして提供することができ
る。
【0061】
本発明はまた、本発明による医薬組成物を調製する方法、及び、呼吸器疾患、炎症性疾
患、若しくは閉塞性気道疾患における該組成物の使用も包含する。
【0062】
驚いたことに、フランカルボン酸フルチカゾンと組み合わせたインダカテロールは、呼
吸器障害の緩和を提供しつつ、同時に与薬の頻度を低下させることが判明した。
【0063】
本発明は、呼吸器疾患、炎症性疾患、若しくは閉塞性気道疾患を予防又は治療しつつ、
同時に与薬の頻度を低下させるための、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾ
ン)と組み合わせてインダカテロールを含む、吸入のための新規の合剤を提供する。
【0064】
インダカテロールは、化学的には(R)-5-[2-[(5,6-ジエチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン
-2-イル)アミノ]-1-ヒドロキシエチル]-8-ヒドロキシキノリン-2(1H)-オンとして公知で
あり、超長時間作用型β2-アゴニストである。さらに、インダカテロールは、より長い作
用持続時間を示す。
【0065】
本明細書では、用語「インダカテロール」、「フルチカゾン」、「シクレソニド」、及
び「チオトロピウム」は、広義で使用され、「インダカテロール」及び「フルチカゾン」
それ自体だけでなく、任意の医薬として許容し得る塩、医薬として許容し得る溶媒和化合
物、医薬として許容し得る水和物、医薬として許容し得る鏡像異性体、医薬として許容し
得る誘導体、医薬として許容し得る多形体、医薬として許容し得るプロドラッグなども含
まれる。
【0066】
フルチカゾンは現在、フランカルボン酸塩及びプロピオン酸塩として利用可能である。
フランカルボン酸フルチカゾンは、従来のコルチコステロイドの使用によって通常もたら
される潜在的な副作用を実質的に克服する新規のコルチコステロイドである。さらに、フ
ランカルボン酸フルチカゾンは、ヒトグルココルチコイド受容体に対して、プロピオン酸
フルチカゾンの結合親和性と比較すると1.7倍高い結合親和性を示す。
【0067】
フランカルボン酸フルチカゾンは、15.1時間という排出半減期と共に、より長い作用持
続時間を有する。インダカテロール及びホルモテロールは、約24時間を超える、より長い
作用持続時間を有し、かつ、より早い作用の発現を示す。
【0068】
本発明者らは、フルチカゾンが、フランカルボン酸エステルの形で提供されるのがよい
と考えている。フランカルボン酸フルチカゾンは、鼻炎の症状を罹患する患者のための鼻
腔内治療薬として開発されている、グルココルチコイド受容体に対する親和性が増強され
た、合成のフッ化コルチコステロイドである。
【0069】
さらに、フランカルボン酸フルチカゾンは、グルココルチコイド受容体に対して、また
、炎症誘発性転写因子である核内因子κB(NF-κB)、活性化タンパク質-1(activation pro
tein-1)、及び腫瘍壊死因子によって誘導されるインターロイキン-8サイトカイン産生に
対して、フランカルボン酸モメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレ
ソニドなどの臨床的に使用される他のコルチコステロイドよりも大きい効力を有する。
【0070】
フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とインダカテロールは、主に、喘息
の2つの異なる構成要素に作用し、相補的作用を示す。喘息に通常伴われる慢性的な炎症
が、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)によって管理されるのに対し、気
管支平滑筋における異常などの喘息の他の特徴は、インダカテロールによって改善される
。
【0071】
したがって、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とインダカテロールと
の組み合わせは、喘息及びCOPD患者に対する1日1回投与という利便性を有する新規の合剤
を提供する。
【0072】
さらに、インダカテロールのおかげで合剤の作用が速やかに開始されることによって、
治療における患者の信頼度を高め、続いて治療法に対するコンプライアンスを改善するこ
とができる。
【0073】
したがって、本発明は、好ましくは1日1回投与のための、インダカテロールとフルチカ
ゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とを含む医薬組成物を提供する。
【0074】
別の実施態様によれば、本発明は、好ましくは1日2回投与のための、インダカテロール
とプロピオン酸フルチカゾンとを含む医薬組成物を提供する。
【0075】
別の実施態様によれば、本発明は、好ましくは1日1回投与のための、インダカテロール
とフルチカゾンのエステルとを含む医薬組成物を提供する。
【0076】
さらに、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とインダカテロールとの合
剤は、フランカルボン酸フルチカゾンがインダカテロールの活性を増大させるのに役立ち
、同時にインダカテロールがフランカルボン酸フルチカゾンの有効性を改善するのに役立
つというような相乗的活性を示す。
【0077】
本発明によれば、インダカテロールは、約20mcgから1200mcgの量で存在することができ
る。
【0078】
本発明によれば、フルチカゾンのエステルは、約0.5mcgから800mcgの量で存在すること
ができる。
【0079】
本発明の別の実施態様によれば、該医薬組成物は、医薬として許容し得る1種以上の賦
形剤と共に、インダカテロールとフルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とを
含むことができる。
【0080】
驚いたことに、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)と組み合わせたホル
モテロールが、呼吸器障害の緩和を提供しつつ、同時に与薬の頻度を低下させることが判
明した。
【0081】
本発明は、呼吸器疾患、炎症性疾患、若しくは閉塞性気道疾患を予防又は治療しつつ、
同時に与薬の頻度を低下させるための、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾ
ン)と組み合わせてホルモテロールを含む、吸入のための新規の合剤を提供する。
【0082】
ホルモテロールは、化学的にはフマル酸(±)-2-ヒドロキシ-5-[(1RS)-1-ヒドロキシ-2-
[[(1RS)-2-(4-メトキシフェニル)-1メチルエチル]-アミノ]エチル]ホルムアニリド二水和
物として公知であり、選択的な長時間作用型β2-アゴニストである。ホルモテロールは、
1〜3分以内の迅速な作用の発現を示し、これによって即時性の治療反応の実現が助けられ
る。さらに、ホルモテロールは、より長い作用持続時間を呈する。
【0083】
フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とホルモテロールは、主に、喘息の
2つの異なる構成要素に作用し、相補的作用を示す。喘息に通常伴われる慢性的な炎症が
、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)によって管理されるのに対し、気管
支平滑筋における異常などの喘息の他の特徴は、ホルモテロールによって改善される。
【0084】
したがって、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とホルモテロールとの
組み合わせは、喘息及びCOPD患者に対する1日1回投与という利便性を有する新規の合剤を
提供する。
【0085】
したがって、本発明は、好ましくは1日1回投与のための、ホルモテロールとフルチカゾ
ン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とを含む医薬組成物を提供する。
【0086】
別の実施態様によれば、本発明は、好ましくは1日2回投与のための、ホルモテロールと
プロピオン酸フルチカゾンとを含む医薬組成物を提供する。
【0087】
さらに別の実施態様によれば、本発明は、好ましくは1日1回投与のための、ホルモテロ
ールとフルチカゾンのエステルとを含む医薬組成物を提供する。
【0088】
さらに、ホルモテロールのおかげで合剤の作用が速やかに開始されることによって、治
療における患者の信頼度を高め、続いて治療法に対するコンプライアンスを改善すること
ができる。
【0089】
さらに、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とホルモテロールとの合剤
は、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)がホルモテロールの活性を増大さ
せるのに役立ち、同時にホルモテロールがフルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカ
ゾン)の有効性を改善するのに役立つというような相乗的活性を示す。
【0090】
本発明によれば、ホルモテロールは、約0.5mcgから40mcgの量で存在することができる
。
【0091】
本発明によれば、フルチカゾンのエステルは、約0.5mcgから800mcgの量で存在すること
ができる。
【0092】
本発明の別の実施態様によれば、該医薬組成物は、医薬として許容し得る1種以上の賦
形剤と共に、ホルモテロールとフルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)とを含
むことができる。
【0093】
驚いたことに、シクレソニドと組み合わせたインダカテロールが、呼吸器障害の緩和を
提供しつつ、同時に与薬の頻度を低下させることが判明した。
【0094】
本発明は、呼吸器疾患、炎症性疾患、若しくは閉塞性気道疾患を予防又は治療しつつ、
同時に与薬の頻度を低下させるための、シクレソニドと組み合わせてインダカテロールを
含む、吸入のための新規の合剤を提供する。
【0095】
シクレソニド、すなわち非ハロゲン化コルチコステロイドは、肺内でエステラーゼによ
って酵素的に加水分解されて、その活性な代謝産物である脱イソブチリルシクレソニド(
これは著しい抗炎症活性を示す)となるプロドラッグである。さらに、シクレソニドは、
全身的作用がごくわずかであるので、より優れた安全性プロフィールを示す。
【0096】
シクレソニドは、その親油的性質及び脂質結合特性のおかげで、より長い作用持続時間
を呈する。インダカテロールは、約24時間を超える、より長い作用持続時間を有し、かつ
、より早い作用の発現を示す。
【0097】
シクレソニドとインダカテロールは、主に、喘息の2つの異なる構成要素に作用し、相
補的作用を示す。喘息に通常伴われる慢性的な炎症が、シクレソニドによって管理される
のに対し、気管支平滑筋における異常などの喘息の他の特徴は、インダカテロールによっ
て改善される。
【0098】
さらに、インダカテロールのおかげで合剤の作用が速やかに開始されることによって、
治療における患者の信頼度を高め、続いて治療法に対するコンプライアンスを改善するこ
とができる。
【0099】
したがって、シクレソニドとインダカテロールとの組み合わせは、喘息及びCOPD患者に
対する1日1回投与という利便性を有する新規の合剤を提供する。
【0100】
したがって、本発明は、好ましくは1日1回投与のための、インダカテロールとシクレソ
ニドとを含む医薬組成物を提供する。
【0101】
さらに、シクレソニドとインダカテロールとの合剤は、シクレソニドがインダカテロー
ルの活性を増大させるのに役立ち、同時にインダカテロールがシクレソニドの有効性を改
善するのに役立つというような相乗的活性を示す。
【0102】
本発明によれば、インダカテロールは、約20mcgから1200mcgの量で存在することができ
る。
【0103】
本発明によれば、シクレソニドは、約20mcgから800mcgの量で存在することができる。
【0104】
本発明の別の実施態様によれば、該医薬組成物は、医薬として許容し得る1種以上の賦
形剤と共に、インダカテロールとシクレソニドとを含むことができる。
【0105】
上で論じた通り、具体的なβ
2-アゴニスト、抗コリン作用剤、及び吸入コルチコステロ
イド(ICS)の選択は、固定用量合剤の製剤において非常に重要な役割を果たす。
【0106】
本発明者らはまた、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)と、インダカテ
ロールと、チオトロピウムとの併用療法が、気道の疾患、具体的には喘息及び又は慢性閉
塞性肺疾患(COPD)などの、呼吸器疾患、炎症性疾患治療、及び/又は閉塞性気道疾患の予
防又は治療のために有効であることも発見した。
【0107】
さらに、フルチカゾン(特にフランカルボン酸フルチカゾン)と、インダカテロールと、
チオトロピウムとの合剤は、作用の速やかな開始、及び閉塞性又は炎症性気道疾患のコン
トロールの改善、又はこれらの疾患の増悪の減少を提供する。
【0108】
該合剤の別の利点は、本発明によって、単一の医薬品を用いる閉塞性及び炎症性気道疾
患の治療が容易になることである。
【0109】
さらに、この併用療法は、現在複数の吸入器を使用しなければならない患者に対して、
単一の吸入器の使用による前記併用療法の施与を提供する。この施与は、1日2回投与する
べきであるプロピオン酸フルチカゾンと比較して、チオトロピウムと共に1日1回の投与が
可能なフランカルボン酸フルチカゾンを使用する場合に、特に好都合である。この施与は
、複数の吸入器の間で当惑する可能性がある高齢の患者、また、心臓疾患、関節炎などの
いくつかの他の病的状態も患い、かつ他の複数の薬剤を与えられているような高齢の患者
の場合に、特に重要である。
【0110】
したがって、本発明は、1日1回投与のための、フランカルボン酸フルチカゾンと、イン
ダカテロールと、チオトロピウムとを含む医薬組成物を提供する。
【0111】
別の実施態様によれば、本発明は、1日2回投与のための、フランカルボン酸フルチカゾ
ンと、インダカテロールと、チオトロピウムとを含む医薬組成物を提供する。
【0112】
さらに別の実施態様によれば、本発明は、1日1回投与のための、フルチカゾンのエステ
ルと、インダカテロールと、チオトロピウムとを含む医薬組成物を提供する。
【0113】
喘息に通常伴われる慢性的な炎症は、フルチカゾンによって管理される。
【0114】
本発明に従って使用される抗コリン作用薬は、チオトロピウムであり得る。一実施態様
では、チオトロピウムは、臭化チオトロピウム、特に臭化チオトロピウム一水和物である
。
【0115】
臭化チオトロピウムは、ムスカリンM1、M2、及びM3受容体と拮抗する抗コリン作用性の
気管支拡張剤である。チオトロピウムは、化学的には(1α、2β、4β、5α、7β)-7-[(ヒ
ドロキシジ-2-チエニルアセチル)オキシ]-9,9-ジメチル-3-オキサ-9-アゾニアトリシクロ
[3.3.1.0
2,4]ノナンブロミド一水和物と記載される。チオトロピウムは、最高32時間とい
う、より長い作用持続時間を有する。チオトロピウムはまた、呼吸困難の改善を示し、救
援治療の必要性をなくす。
【0116】
運動継続時間の増大に関連する肺リハビリテーション(PR)と組み合わせたチオトロピウ
ムは、COPD患者における肺リハビリテーション(PR)単独と比較すると、呼吸困難及び健康
状態の臨床的に有意義な改善をもたらす。
【0117】
さらに、チオトロピウムは、肺機能、呼吸困難、増悪率、及び健康状態の効果に関して
、COPDを罹患する患者の治療において、イプラトロピウムよりも強力である。
【0118】
本発明は、フランカルボン酸フルチカゾンと、チオトロピウムと、インダカテロールと
を含む医薬組成物を提供する。
【0119】
本発明によれば、フルチカゾンのエステルは、約0.5mcgから800mcgの量で存在すること
ができる。
【0120】
本発明の別の実施態様によれば、チオトロピウムは、約2.25mcgから30mcgの量で存在す
ることができる。
【0121】
本発明によれば、インダカテロールは、約20mcgから1200mcgの量で存在することができ
る。
【0122】
本発明の一実施態様によれば、該医薬組成物は、医薬として許容し得る1種以上の賦形
剤と共に、インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロールとチオ
トロピウムを含むことができる。
【0123】
本発明の医薬組成物は、気道への薬物の送達のために使用される任意の適切な方法によ
って投与することができる。したがって、本発明の組成物は、定量噴霧式吸入器(MDI)、
乾燥粉末吸入器(DPI)、ネブライザー、鼻内スプレー、点鼻薬、吸入粉末として投与する
ことができる。
【0124】
本発明による様々な剤形は、該剤形を製剤化するのに適した1種以上の医薬として許容
し得る担体/賦形剤を含むことができる。
【0125】
定量噴霧式吸入器は、本発明によれば、限定はされないが、HFC/HFA噴射剤、共溶媒、
充填剤(bulking agent)、不揮発性成分、緩衝剤/pH調整剤、界面活性剤、保存剤、錯化剤
、又はこれらの組み合わせなどの、医薬として許容し得る1種以上の賦形剤を含むことが
できる。
【0126】
噴射剤は、共溶媒(1種又は複数)と混合した場合に、治療有効量の医薬品を溶解するこ
とができるような均一な噴射剤系となるものである。HFC/HFA噴射剤は、毒物学的に安全
でなければならず、かつ、加圧されたMDIを介して医薬品が投与されるようにするのに適
した蒸気圧を有しなければならない。
【0127】
本発明によれば、HFC/HFA噴射剤は、1種以上の1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134
(a))及び1,1,1,2,3,3,3,-ヘプタフルオロプロパン(HFA-227)、ジフルオロメタン(HFC-32)
、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143(a))、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、
及び1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、並びに当業者に公知であり得る他のこうした噴射
剤を含むことができる。
【0128】
共溶媒は、所望される量で製剤中で混和可能であり、かつ添加される場合に該医薬品が
溶解可能であるような製剤を提供する、任意の溶媒である。共溶媒の働きは、製剤中の医
薬品及び賦形剤の溶解度を高めることである。
【0129】
本発明によれば、共溶媒は、1種以上の以下のものを含むことができる:C
2〜C
6脂肪族ア
ルコール、例えば、限定はされないが、エチルアルコール及びイソプロピルアルコールな
ど;グリコール、例えば、限定はされないが、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、及びオキシエチレンとオキシ
プロピレンとのブロック共重合体など;並びに他の物質、例えば、限定はされないが、グ
リセロール、ポリオキシエチレンアルコール、及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルな
ど;炭化水素、例えば、限定はされないが、n-プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペン
タン、イソ-ペンタン、ネオ-ペンタン、及びn-ヘキサンなど;並びにエーテル、例えば、
限定はされないがジエチルエーテルなど。
【0130】
本発明の定量噴霧式吸入器を介する投与のためのエアロゾル溶液組成物中には、溶液調
合物を安定化する、また定量噴霧式吸入器の弁機構の性能を改善するために働くことがで
きる適切な界面活性剤を用いることができる。
【0131】
本発明によれば、界面活性剤は、1種以上の以下のものを含むことができる:イオン性及
び/又は非イオン性界面活性剤、限定はされないが、ステアリン酸の塩、例えばステアリ
ン酸マグネシウムなど;又はエステル、例えばパルミチン酸アスコルビル、ミリスチン酸
イソプロピル、及びトコフェロールオレイン酸エステルなど;トリオレイン酸ソルビタン
、レシチン、ミリスチン酸イソプロピル、チロキサポール、ポリビニルピロリドン;ポリ
ソルベート、例えばポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリソルベート40など;ビタ
ミンE-TPGS;並びにヒドロキシステアリン酸マクロゴール、例えば15-ヒドロキシステアリ
ン酸マクロゴールなど;Myvacet 9-45及びMyvacet 9-08のようなアセチル化モノグリセリ
ド;ポリオキシエチレンエーテル、オレイン酸エチル、トリオレイン酸グリセリル、モノ
ラウリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、グリ
セリルモノリシノラート、セチルアルコール、ステリルアルコール、塩化セチルピリジニ
ウム、ブロックポリマー、天然油、ポリビニルピロリドン;ソルビタン脂肪酸エステル、
例えばトリオレイン酸ソルビタン、ポリエトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル(例えばト
リオレイン酸ポリエトキシ化ソルビタン)など;オレイン酸ソルビマクロゴール(sorbimacr
ogol)、合成アムホテンシド(amphotenside)(トリトン(triton))、オクチルフェノールホ
ルムアルデヒド濃縮生成物のエチレンオキシドエーテル;レシチンなどのリン脂質;ポリエ
トキシ化脂肪、ポリエトキシ化オレオトリグリセリド、及びポリエトキシ化脂肪アルコー
ル。
【0132】
界面活性剤はまた、油、例えば、限定はされないが、トウモロコシ油、オリーブ油、綿
実油、及びヒマワリ種子油、液体パラフィンのような鉱油、オレイン酸など;また、レシ
チンなどのリン脂質、又はトリオレイン酸ソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル
、又はTween 20、Tween 60、Tween 80、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、PVP、クエン
酸、PFDA(パーフルオロ-n-デカン酸)のような膨大な種類の当技術分野で公知のものから
選択することもできる。
【0133】
不揮発性成分は、溶媒の蒸発後に残されるであろうすべての懸濁又は溶解された成分で
ある。
【0134】
本発明によれば、不揮発性成分は、1種以上の単糖、例えば、限定はされないが、グル
コース、アラビノース;二糖、例えば、限定はされないが、ラクトース、マルトース;オリ
ゴ糖及び多糖、例えば、限定はされないが、デキストラン;多価アルコール、例えば、限
定はされないが、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール;塩、例え
ば、限定はされないが、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナト
リウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸カルシウム、及び塩化カルシウムを含むことができる。
【0135】
本発明の定量吸入組成物には、適切な充填剤を用いることができる。
【0136】
本発明によれば、充填剤は、単糖、二糖、多糖、及び糖アルコール、例えば、アラビノ
ース、グルコース、フルクトース、リボース、マンノース、スクロース、トレハロース(t
erhalose)、ラクトース、マルトース、デンプン、デキストラン、又はマンニトールを含
めた1種以上の糖類を含むことができる。
【0137】
本発明の定量吸入組成物には、適切な緩衝剤又はpH調整剤を用いることができる。
【0138】
本発明によれば、緩衝剤又はpH調整剤は、1種以上の有機又は無機酸、例えば、限定は
されないが、クエン酸、アスコルビン酸、塩酸、硫酸、硝酸、又はリン酸を含むことがで
きる。
【0139】
本発明のエアロゾル溶液組成物には、製剤を病原性細菌による汚染から保護するために
、適切な保存剤を用いることができる。
【0140】
本発明によれば、保存剤は、1種以上の、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、安息香酸
ナトリウムなどの安息香酸塩、及び、当業者に公知であり得る他のこうした保存剤を含む
ことができる。
【0141】
本発明のエアロゾル溶液組成物には、錯体結合を形成することが可能である適切な錯化
剤を用いることができる。
【0142】
本発明によれば、錯化剤は、限定はされないが、1種以上のEDTAナトリウム又はEDTA二
ナトリウムを含むことができる。
【0143】
本発明の医薬組成物は、乾燥粉末吸入器(DPI)によって投与することができる。
【0144】
本発明による乾燥粉末吸入に適した、医薬として許容し得る賦形剤は、限定はされない
が、糖、例えば、グルコース、ショ糖、ラクトース、及びフルクトース;デンプン又はデ
ンプン誘導体;オリゴ糖、例えば、デキストリン、シクロデキストリン、及びそれらの誘
導体;ポリビニルピロリドン、アルギン酸、チロース、ケイ酸、セルロース、セルロース
誘導体(例えばセルロースエーテル)、糖アルコール、例えば、マンニトール又はソルビト
ール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど、ラクトース、ラクチトール、デキストレ
ーツ(dextrates)、デキストロース、マルトデキストリン、糖(単糖、二糖、多糖を含めて
);糖アルコール、例えば、アラビノース、リボース、マンノース、スクロース、トレハロ
ース、マルトース、デキストランのうちの1種以上を含むことができる適切な担体から選
択することができる。
【0145】
本発明の医薬組成物は、噴霧によって投与することができる。
【0146】
噴霧療法は、使用が容易であり、かつ調整又はそれほどの労力を必要としないので、他
の吸入療法に勝る利点を有する。この療法はまた、経口投与される薬品よりもはるかに迅
速に作用する。
【0147】
ネブライザーについては、本発明による組成物は、適切なビヒクル中に、等張化剤(ton
icity agent)、pH調節剤、キレート剤、張性調節剤(tonicity adjusting agent)、界面活
性剤、緩衝剤などの適切な賦形剤を含むことができる。
【0148】
使用することができる等張性調節剤(isotonicity-adjusting agent)は、限定はされな
いが、1種以上の塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウム、及びそれ
らの混合物を含むことができる。他の等張性調節剤としては、限定はされないが、マンニ
トール、グリセロール、及びデキストロース、並びにそれらの混合物も挙げることができ
る。
【0149】
pHは、薬理学的に許容し得る酸を添加することによって調整することができる。この目
的のために、薬理学的に許容し得る無機酸又は有機酸を使用することができる。使用する
ことができる好ましい無機酸の例としては、限定はされないが、1種以上の塩酸、臭化水
素酸、硝酸、硫酸、及びリン酸、又はこれらの組み合わせが挙げられる。使用することが
できる特に適切な有機酸の例としては、限定はされないが、1種以上のアスコルビン酸、
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸、及びプロ
ピオン酸、又はこれらの組み合わせが挙げられる。使用することができる好ましい塩基の
例としては、限定はされないが、1種以上のアンモニア水溶液、炭酸アンモニウム、ホウ
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウム、又はこれらの組み合わせが挙げ
られる。
【0150】
本明細書による錯化/キレート剤は、限定はされないが、1種以上の、エデト酸(EDTA)又
はその公知の塩の1種、例えばEDTAナトリウム又はEDTA二ナトリウム二水和物(エデト酸ナ
トリウム)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0151】
本発明の医薬組成物中には、適切な界面活性剤又は湿潤剤も使用することができる。本
発明によれば、界面活性剤は、限定はされないが、1種以上の、ポリソルベート、例えば
、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリソ
ルベート65、ポリソルベート85、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、Span 20、Span 40
、Span 60、Span 80、Span 120;ラウリル硫酸ナトリウム;ポリエトキシ化ヒマシ油;ポリ
エトキシ化硬化ヒマシ油、ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、ラウリル
ジメチルアミンオキシド、ドキュセートナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロ
ミド(CTAB)、ポリエトキシ化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、オクトキシノ
ール、N,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
ブロミド、ポリオキシル10ラウリルエーテル、Brij、胆汁酸塩(デオキシコール酸ナトリ
ウム、コール酸ナトリウム)、ポリオキシルヒマシ油、ノニルフェノールエトキシレート
、シクロデキストリン、レシチン、塩化メチルベンゼトニウム、カルボン酸塩、スルホン
酸塩、石油スルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、オ
レフィンスルホン酸塩、硫酸アルキル、硫酸塩、硫酸化天然油脂、硫酸化エステル、硫酸
化アルカノールアミド、アルキルフェノール、エトキシ化及び硫酸化、エトキシ化脂肪族
アルコール、ポリオキシエチレン界面活性剤、カルボン酸エステル、ポリエチレングリコ
ールエステル、無水ソルビトールエステル及びそのエトキシ化誘導体、脂肪酸のグリコー
ルエステル、カルボン酸アミド、モノアルカノールアミン縮合物、ポリオキシエチレン脂
肪酸アミド、第四級アンモニウム塩、アミド結合を有するアミン、ポリオキシエチレンア
ルキル及び脂環式アミン、N,N,N,Nテトラキス置換型エチレンジアミン2-アルキル1-ヒド
ロキシエチル2-イミダゾリン、N-ココ3-アミノプロピオン酸/ナトリウム塩、N-獣脂3-イ
ミノジプロピオン酸二ナトリウム塩、N-カルボキシメチルnジメチルn-9オクタデセニル水
酸化アンモニウム、n-ココアミドエチル(cocoamidethyl)n-ヒドロキシエチルグリシンナ
トリウム塩などを含むことができる。
【0152】
本発明によれば、緩衝剤は、限定はされないが、クエン酸/ホウ酸硫酸水素ナトリウム(
sodium hydrogensulphate borate)緩衝液、リン酸塩(オルトリン酸水素ナトリウム、リン
酸水素ジナトリウム)、トロメタモール、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸ナトリ
ウム脱水物、クエン酸一水和物、リン酸二水素ナトリウム脱水物、無水リン酸水素二ナト
リウム、又は同等の従来の緩衝液などの、1種以上の有機又は無機酸を含むことができる
。
【0153】
複数回投与容器には、抗菌性の保存剤を添加することができる。
【0154】
本発明による組成物は、含有される製剤の気道への適用を可能にする適切な手段を備え
た適切な容器内に提供することができる。
【0155】
DPIを介した投与を目的とする吸入用粉末は、ゼラチン又はHPMCのカプセル内に、又は
ブリスター内に封入することもできるし、該乾燥粉末を、単回投与又は複数回投与乾燥粉
末吸入装置中に、保管薬として含有させることもできる。
【0156】
或いは、DPIに使用するための吸入用粉末を、適切な液体ビヒクルに懸濁させ、適切な
噴射剤又はそれらの混合物と共にエアロゾル容器に詰めることができる。
【0157】
さらに、DPIに使用するための吸入用粉末は、適切なガス流中に分散させて、エアロゾ
ル組成物を形成することもできる。
【0158】
本発明によるMDI組成物は、プレーンな(plain)アルミニウム缶又はSS(ステンレス鋼)缶
内に詰めることができる。いくつかのエアロゾル薬物は、MDI缶及び弁の内部表面すなわ
ち壁に付着する傾向がある。このことによって、MDIを作動させるごとに、患者が、所定
の量よりも著しく少ない量の活性な薬剤しか得られなくなる可能性がある。容器の内部表
面を適切なポリマーでコーティングすることによって、この付着問題を軽減することがで
きる。適切なコーティングとしては、フルオロ炭素共重合体、例えばFEP-PES(フッ素化エ
チレンプロピレンとポリエーテルスルホン)、及びPFA-PES(パーフルオロアルコキシアル
カンとポリエーテルスルホン)、エポキシ、並びにエチレンが挙げられる。或いは、缶の
内部表面を、陽極酸化処理、プラズマ処理、又はプラズマコーティングすることができる
。
【0159】
前記医薬組成物が、本発明によれば、抗コリン作用薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー
薬、若しくはロイコトリエンアンタゴニスト、又はそれらの医薬として許容し得る塩、溶
媒和化合物、互変異性体、誘導体、鏡像異性体、異性体、水和物、プロドラッグ、若しく
は多形体から選択される1種以上の活性剤(1種又は複数)をさらに含むことができることは
、当業者に十分に認識されている可能性がある。
【0160】
本発明はまた、本発明による組成物を製造するための方法を提供する。
【0161】
本発明は、定量吸入組成物を調製する方法であって、医薬として許容し得る担体又は賦
形剤と活性剤及び噴射剤とを混合することと、予め圧着された缶内に該組成物を提供する
ことを含む前記方法を提供する。
【0162】
本発明は、乾燥粉末吸入組成物を調製する方法であって、医薬として許容し得る担体又
は賦形剤と活性剤とを混合することと、乾燥粉末吸入器を介して投与されることとなる組
成物を提供することを含む前記方法を提供する。
【0163】
本発明はまた、吸入用液剤/懸濁剤リパルス(repulse)を調製する方法であって、ビヒク
ル中に薬物、任意にキレート剤、浸透圧剤、及び任意の他の適切な成分を溶解する/分散
させることと、適切なpH調整剤を使用してpHを調整することとを含む前記方法も提供する
。
【0164】
本発明はまた、慢性閉塞性肺疾患及び喘息を治療するための、哺乳類、例えばヒトにお
ける治療のための方法であって、本発明による治療有効量の医薬組成物の投与を含む前記
方法も提供する。治療の方法は、本発明による医薬組成物が、治療有効量で1日1回投与さ
れることを特徴とすることができる。
【0165】
本発明は、1種以上の気管支拡張剤(長時間作用型βアゴニスト(LABA)など)と吸入コル
チコステロイド(ICS)の投与に応答する、又は該投与によって予防される、寛解する、若
しくは消失する障害又は状態の治療における使用のための、1種以上の気管支拡張剤(長時
間作用型βアゴニスト(LABA)など)と吸入コルチコステロイド(ICS)とを含む医薬組成物を
提供する。
【0166】
以下の実施例は、本発明の例示を目的とするに過ぎず、本発明の範囲を多少なりとも制
限することを意図しない。
【実施例】
【0167】
(実施例1)
【表1】
方法:
1)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、部分量のHFAと共にホモジナイ
ズした。
2)ステップ1で得られた懸濁液を混合容器に移し、そこに残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0168】
(実施例2)
【表2】
方法:
1)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、ラクトース及び部分量のHFAと
共にホモジナイズした。
2)ステップ1で得られた懸濁液を混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0169】
(実施例3)
【表3】
方法:
1)PVPをPEG及び部分量のHFAに溶解した。
2)ステップ1で得られた溶液を、混合容器に移した。
3)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、部分量のHFAと共にホモジナイ
ズした。
4)ステップ3で得られた懸濁液を前記混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた
。
5)得られた懸濁液全体を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した
。
【0170】
(実施例4)
【表4】
方法:
1)グリセロールをエタノールに溶解し、所要量のHClを加えた。
2)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、ステップ1で得られた溶液に溶
解した。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0171】
(実施例5)
【表5】
方法:
1)所要量のHClをエタノールに加えた。
2)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、ステップ1で得られた溶液に溶
解した。
3)得られた溶液を、混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0172】
(実施例6)
【表6】
方法:
1)所要量のクエン酸を、エタノールに加えた。
2)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、ステップ1で得られた溶液に溶
解した。
3)得られた溶液を、混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0173】
(実施例7)
【表7】
方法:
1)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、部分量のラクトースと共に篩に
かけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物(cosift)を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレ
ンドした。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0174】
(実施例8)
【表8】
方法:
1)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、部分量のラクトースと共に篩に
かけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0175】
(実施例9)
【表9】
方法:
1)インダカテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、部分量のラクトースと共に篩に
かけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0176】
(実施例10)
【表10】
方法:
1)ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、部分量のHFAと共にホモジナイズ
した。
2)ステップ1で得られた懸濁液を、混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0177】
(実施例11)
【表11】
方法:
1)ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、ラクトース及び部分量のHFAと共
にホモジナイズした。
2)ステップ1で得られた懸濁液を、混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0178】
(実施例12)
【表12】
方法:
1)PVPをPEG及び部分量のHFAに溶解した。
2)ステップ1で得られた溶液を、混合容器に移した。
3)ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを部分量のHFAと共にホモジナイズし
た。
4)ステップ3で得られた懸濁液を前記混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた
。
5)得られた懸濁液全体を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した
。
【0179】
(実施例13)
【表13】
方法:
1)グリセロールをエタノールに溶解し、所要量のHClを加えた。
2)ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンを、ステップ1で得られた溶液に溶解
した。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0180】
(実施例14)
【表14】
方法:
1)所要量のHClをエタノールに加えた。
2)ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンをステップ1で得られた溶液に溶解し
た。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0181】
(実施例15)
【表15】
方法:
1)所要量のクエン酸をエタノールに加えた。
2)ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンをステップ1で得られた溶液に溶解し
た。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0182】
(実施例16)
【表16】
方法:
1)篩にかけたラクトースを、ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンと共に篩に
かけた。
2)ステップ(1)で得られた混合物をブレンドした。
【0183】
(実施例17)
【表17】
方法:
1)篩にかけたラクトースを、ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンと共に篩に
かけた。
2)ステップ(1)で得られた混合物をブレンドした。
【0184】
(実施例18)
【表18】
方法:
1)篩にかけたラクトースを、ホルモテロールとフランカルボン酸フルチカゾンと共に篩に
かけた。
2)ステップ(1)で得られた混合物をブレンドした。
【0185】
(実施例19)
【表19】
方法:
1)インダカテロールとシクレソニドを、部分量のHFAと共にホモジナイズした。
2)ステップ1で得られた懸濁液を混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0186】
(実施例20)
【表20】
方法:
1)インダカテロールとシクレソニドを、ラクトース及び部分量のHFAと共にホモジナイズ
した。
2)ステップ1で得られた懸濁液を混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0187】
(実施例21)
【表21】
方法:
1)PVPをPEG及び部分量のHFAに溶解した。
2)ステップ1で得られた溶液を混合容器に移した。
3)インダカテロールとシクレソニドを、部分量のHFAと共にホモジナイズした。
4)ステップ3で得られた懸濁液を前記混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた
。
5)得られた懸濁液全体を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した
。
【0188】
(実施例22)
【表22】
方法:
1)グリセロールをエタノールに溶解し、所要量のHClを加えた。
2)インダカテロールとシクレソニドをステップ1で得られた溶液に溶解した。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0189】
(実施例23)
【表23】
方法:
1)所要量のHClをエタノールに加えた。
2)インダカテロールとシクレソニドを、ステップ1で得られた溶液に溶解した。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0190】
(実施例24)
【表24】
方法:
1)所要量のクエン酸をエタノールに加えた。
2)インダカテロールとシクレソニドを、ステップ1で得られた溶液に溶解した。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0191】
(実施例25)
【表25】
方法:
1)インダカテロールとシクレソニドを部分量のラクトースと共に篩にかけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0192】
(実施例26)
【表26】
方法:
1)インダカテロールとシクレソニドを部分量のラクトースと共に篩にかけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0193】
(実施例27)
【表27】
方法:
1)インダカテロールとシクレソニドを部分量のラクトースと共に篩にかけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0194】
(実施例28)
【表28】
方法:
1)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及び臭化チオトロピウムを、部分
量のラクトースと共に篩にかけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0195】
(実施例29)
【表29】
方法:
1)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及び臭化チオトロピウムを、部分
量のラクトースと共に篩にかけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0196】
(実施例30)
【表30】
方法:
1)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及び臭化チオトロピウムを、部分
量のラクトースと共に篩にかけた。
2)次いで、ステップ1の共篩物を、残りの量のラクトースと共に篩にかけ、ブレンドした
。
3)次いで、ステップ2のブレンドをカプセルに充填した。
【0197】
(実施例31)
【表31】
方法:
1)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びチオトロピウムを、部分量の
HFAと共にホモジナイズした。
2)ステップ1で得られた懸濁液を、混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0198】
(実施例32)
【表32】
方法:
1)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びチオトロピウムを、ラクトー
ス及び部分量のHFAと共にホモジナイズした。
2)ステップ1で得られた懸濁液を、混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加えた。
3)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0199】
(実施例33)
【表33】
方法:
1)PVPを、PEG及び部分量のHFA134A又はHFA227に溶解した。
2)ステップ1で得られた溶液を混合容器に移した。
3)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びチオトロピウムを、部分量の
HFAと共にホモジナイズした。
4)ステップ3で得られた懸濁液を、前記混合容器に移し、この容器に残りの量のHFAを加え
た。
5)得られた懸濁液全体を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した
。
【0200】
(実施例34)
【表34】
方法:
1)グリセロールをエタノールに溶解し、所要量のHClを加えた。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びチオトロピウムを、ステップ
1で得られた溶液に溶解した。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0201】
(実施例35)
【表35】
方法:
1)所要量のHClをエタノールに加えた。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びチオトロピウムを、ステップ
1で得られた溶液に溶解した。
3)得られた溶液を混合容器に移し、この容器にHFAを加えた。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0202】
(実施例36)
【表36】
方法:
1)無水クエン酸とグリセロールをエタノールに溶解した。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びチオトロピウムを、ステップ
(1)で得られた溶液に溶解した。
3)ステップ(2)で得られた溶液を、メインの混合容器に移し、この容器でHFA134aの全量と
混合した。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0203】
(実施例37)
【表37】
方法:
1)無水クエン酸をエタノールに溶解した。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びチオトロピウムを、ステップ
(1)で得られた溶液に溶解した。
3)ステップ(2)で得られた溶液を、メインの混合容器に移し、この容器でHFA134aの全量と
混合した。
4)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0204】
(実施例38)
【表38】
方法:
1)レシチンをエタノールに溶解した。
2)チオトロピウムとインダカテロールを、部分量のHFAと共にホモジナイズし、混合容器
に移した。
3)フランカルボン酸フルチカゾンを、レシチン及びエタノールと共にホモジナイズした。
4)ステップ(3)で得られた懸濁液を、メインの混合容器に移し、この容器に残りの量のHFA
を加えた。
5)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0205】
(実施例39)
【表39】
方法:
1)オレイン酸をエタノールに溶解した。
2)チオトロピウムとインダカテロールを、部分量のHFAと共にホモジナイズし、混合容器
に移した。
3)フランカルボン酸フルチカゾンを、オレイン酸及びエタノールと共にホモジナイズした
。
4)ステップ(3)で得られた懸濁液を、メインの混合容器に移し、この容器に残りの量のHFA
を加えた。
5)得られた懸濁液を混合し、再循環させ、予め圧着されたアルミニウム缶に充填した。
【0206】
(実施例40)
【表40】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム二水
和物、及びフマル酸ホルモテロールを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾
過し、主要バルクを得た。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、ポリソルベート80、及び注射用水を、圧力容器に収集
し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封(fill seal)アンプルに2.0mlで充填した
。
【0207】
(実施例41)
【表41】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム二水
和物、及びフマル酸ホルモテロールを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾
過し、主要バルクを得た。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、ポリソルベート80、及び注射用水を、圧力容器に収集
し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0208】
(実施例42)
【表42】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム二水和物、無水リン
酸水素二ナトリウム、及び臭化チオトロピウムを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィ
ルターで濾過し、主要バルクを得た。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、及びポリソルベート80、並びに注
射用水を、圧力容器に収集し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0209】
(実施例43)
【表43】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム二水和物、無水リン
酸水素二ナトリウム、及び臭化チオトロピウムを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィ
ルターで濾過し、主要バルクを得た。
2)フランカルボン酸フルチカゾン、インダカテロール、ポリソルベート80、及び注射用水
を、圧力容器に収集し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0210】
(実施例44)
【表44】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム二水
和物を、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾過し、主要バルクを得た。
2)インダカテロール、シクレソニド、ポリソルベート80、及び注射用水を、圧力容器に収
集し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0211】
(実施例45)
【表45】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム二水
和物を、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾過し、主要バルクを得た。
2)インダカテロール、シクレソニド、ポリソルベート80、及び注射用水を、圧力容器に収
集し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0212】
(実施例46)
【表46】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム二水和物、無水リン
酸水素二ナトリウムを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾過し、主要バル
クを得た。
2)インダカテロール、フランカルボン酸フルチカゾン、ポリソルベート80、及び注射用水
を、圧力容器に収集し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0213】
(実施例47)
【表47】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム二水和物、無水リン
酸水素二ナトリウムを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾過し、主要バル
クを得た。
2)インダカテロール、フランカルボン酸フルチカゾン、ポリソルベート80、及び注射用水
を、圧力容器に収集し、オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0214】
(実施例47)
【表48】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム二水
和物、及びフマル酸ホルモテロールを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾
過し、主要バルクを得た。
2)プロピオン酸フルチカゾン、ポリソルベート80、及び注射用水を、圧力容器に収集し、
オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0215】
(実施例48)
【表49】
方法:
1)塩化ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム二水
和物、及びフマル酸ホルモテロールを、注射用水に溶解し、滅菌グレードフィルターで濾
過し、主要バルクを得た。
2)プロピオン酸フルチカゾン、ポリソルベート80、及び注射用水を、圧力容器に収集し、
オートクレーブによる滅菌にかけ、スラリーを得た。
3)ステップ(2)で得られたスラリーを、ステップ(1)で得られた主要バルクに加えた。
4)重量を注射用水で補い、LDPEフォーム充填密封アンプルに2.0mlで充填した。
【0216】
本明細書に開示する本発明に対して、本発明の趣旨を逸脱せずに様々な置換及び改変を
行うことができることは、当業者に容易に理解されるであろう。したがって、本発明を好
ましい実施態様及び任意選択的特徴によって具体的に開示してきたが、本明細書に開示す
る概念の改変及び変更が当業者によって行使され得、こうした改変及び変更が、本発明の
範囲内にあると考えられることを理解するべきである。
【0217】
本明細書で使用される表現及び用語は、説明のためのものであり、限定するものとみな
されるべきではないことを理解するべきである。「含まれる」、「含む」、又は「有する
」及びそれらの変更形態の使用は、本明細書では、以降に列挙される項目及びその等価物
、並びに追加的項目を包含することを意味する。
【0218】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「t
he」には、文脈によってそうではないと明確に指示されない限り、複数的言及が含まれる
ことに留意しなければならない。したがって、例えば、「単数形の(an)賦形剤」への言及
には、単一の賦形剤及び2種以上の異なる賦形剤などが含まれる。
マレイン酸インダカテロール及びフランカルボン酸フルチカゾンを含む;又はフマル酸ホルモテロール及びフランカルボン酸フルチカゾンを含む;又はマレイン酸インダカテロール及びシクレソニドを含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の医薬組成物を含む加圧された定量噴霧式吸入器。
マレイン酸インダカテロール、フランカルボン酸フルチカゾン、及びチオトロピウムを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の医薬組成物を含む加圧された定量噴霧式吸入器。
前記組成物が、共溶媒、酸化防止剤、界面活性剤、充填剤、及び滑沢剤から選択される賦形剤を任意に更に含み、前記賦形剤が、糖類及び/又は糖アルコールを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載の医薬組成物を含む加圧された定量噴霧式吸入器。
吸入用液剤/懸濁剤としての使用のために製剤化され;任意に、医薬として許容し得るビヒクル中に提供される、湿潤剤、浸透圧剤、pH調節剤、緩衝薬、及び錯化剤から選択される賦形剤を更に含む、請求項1から10のいずれか一項記載の医薬組成物を含む加圧された定量噴霧式吸入器。
呼吸性、炎症性、若しくは閉塞性気道疾患の予防又は治療のための1日1回投与用の医薬品の製造における、エタノール、PEG、グリセロール、ポリビニルピロリドン、又はこれらの組合せから選択される可溶化剤;噴射剤;並びに
(i) 0.5〜800mcgの範囲の量のフランカルボン酸フルチカゾン、又は20〜800mcgの範囲の量のシクレソニドと組み合わせた20〜1200mcgの範囲の量のマレイン酸インダカテロール、又は0.5〜40mcgの範囲の量のフマル酸ホルモテロール(フマル酸ホルモテロールとシクレソニドとの組合せを含まない);
(ii) 20〜1200mcgの範囲の量のマレイン酸インダカテロール、又は0.5〜40mcgの範囲の量のフマル酸ホルモテロール、及びフランカルボン酸フルチカゾン、及び20〜800mcgの範囲の量のシクレソニドから選択されるコルチコステロイド(フマル酸ホルモテロールとシクレソニドとの組合せを含まない);並びに、2.25〜30mcgの範囲の量の抗コリン作用薬チオトロピウム;
(iii) 0.5〜800mcgの範囲の量のフランカルボン酸フルチカゾン、又は20〜800mcgの範囲の量のシクレソニドと組み合わせた20〜1200mcgの範囲の量のマレイン酸インダカテロール;
(iv) 0.5〜800mcgの範囲の量のフランカルボン酸フルチカゾンと組み合わせた20〜1200mcgの範囲の量のマレイン酸インダカテロール、及び2.25〜30mcgの範囲の量のチオトロピウム;又は
(v) 0.5〜800mcgの範囲の量のフランカルボン酸フルチカゾンと組み合わせた0.5〜40mcgの範囲の量のフマル酸ホルモテロール
を含む加圧された定量噴霧式吸入器の使用。