(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-42154(P2017-42154A)
(43)【公開日】2017年3月2日
(54)【発明の名称】マカ球根野菜路地定植栽培法
(51)【国際特許分類】
A01G 1/00 20060101AFI20170210BHJP
【FI】
A01G1/00 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-181181(P2015-181181)
(22)【出願日】2015年8月27日
(71)【出願人】
【識別番号】508179246
【氏名又は名称】大久保 利彦
(72)【発明者】
【氏名】大久保 利彦
【テーマコード(参考)】
2B022
【Fターム(参考)】
2B022AB20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】国産マカ栽培の栽培技術を拡充したマカ球根野菜路地定植栽培法を提供する。
【解決手段】従来の国内の植物栽培の栽培工程の全工程を経ないで、路地栽培適合条件を満たした圃場内に簡易なトンネル栽培を設け、マカ球根野菜路地定植栽培工程法に沿って、マカ圃場を決定し、マカの床作りから、苗作りまでのマカ専用育苗管理工程によりマカの定植を9月中に完了し、栽培工程に沿い9月からの管理「潅水方法・換気方法・防虫対策など」から始まり10月管理、11月管理、12月管理、1月管理、2月管理、3月管理の管理終了の工程に準ずることにより栄養・品質の高い国産マカを栽培したことを特徴とするマカ栽培・生産方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(イ)
図1のマカ露地栽培適合条件(E1)から路地での秋口から厳寒期の冬の環境条件を拡充するにあたり、従来圃場手入れしていた(E3)圃場(E2)(使用していた圃場であれば、土壌の地質、栽培していた作物の生育,圃場の地温、日当りなど圃場環境が容易にわかる。)はマカ栽培圃場に適合するか判断の一つである。次に雑草処理をしていた(E4)圃場であること(露地栽培での畑作業の難題は雑草の管理で、農作業の基本であり商品品質に影響が及ぼす。)
(ロ)防獣被害(E5)のある圃場(E2)は、防獣対策(E6)を施し手ある圃場(E2)であること。
(ハ)気候(E7)条件としては、冬の厳寒期の条件で雪が降るが3日位で溶け(E9)、厳寒期でもマイナス5℃以内(E10)であれば、水管理の作業潅水は手潅水散布(E11)でも可能(潅水装置を使用する場合は、土にではなく植物の根本に水が散布されて根の発育によい点滴潅水装置が望ましい)。
(ニ)雪が降り、厳寒期でマイナス5℃以上(E12)になる圃場はトンネル栽培(E13)を設け、トンネルには“使用資材一例”として寒冷紗やワリフ並びにビニールなどを設け、水管理の作業潅水は灌水装置(E14)を設け、装置は点滴装置(E15)を備える。
図1の管理工程に準ずることを特徴とするマカ球根野菜露地定植栽培法。
【請求項2】
(イ)マカ路地圃場内に、マカ圃場作り(
図2)のマカ定植栽培工程法に沿って、完熟堆肥(F2)使用を厳守(マカの根は細いので不完熟堆肥「未熟堆肥」を使用すると根に障害が出る)し、7月(F3)、8月(F4)、9月初旬頃(F5)に各1トンを10a(1反=300坪)目安に完熟堆肥(F2)を入れその月内堆肥投入後に耕転(F6)作業する。
(ロ)上記3ヶ月にわたり、路地圃場に完熟堆肥(F2)を入れ耕転(F6)し、微生物入りの土壌改良資材(F7)を入れる。土壌改良資材(F7)として、植物ミネラルを含む、放線菌、糸状菌類、一般細菌類の多い“使用資材一例”:製品名ミラクル酵素15k入り土壌改良資材(F7)10a当り30kg投入し耕転(F6)する。
(ハ)定植45日前(F8)に石灰(カルシウム)を施用しpHを6.0〜6.5(F9)に調整します。マカの養分吸収に耐えられるように地力維持(F10)の対応に完熟堆肥(F2)厳守で投入し定植30日前(F11)に雑草対策(F12)します。
(ニ)元肥(F13)に10a当り(1反=300坪)目安、“使用資材一例”:製品名ビッグハーベイ100号は加工動物質原料肥料(F14)を使用して低温時でも吸収されやすく長期肥効・緩効性タイプで肥料成分の流亡を防ぎ環境に優しい肥料です、10a当り(20kg袋×5袋)=100kg使用。
(ホ)元肥(F13)にミネラル肥料(F11)“使用資材一例”:製品名サン・ラ・テールは100%天然鉱物で微量要素も多く含み、ケイ酸とアルミナが複合状態になった粘土鉱物(pH6.2〜8.1)です。ケイ酸が土の保肥力を高め、活性のアルミナがチッソを吸着し、チッソの異常・過剰吸収を防ぎ、食味、日持ちが向上します。10a当り200kg(20kg袋×10袋)使用。
(ヘ)元肥(F9)に害虫肥料(F12)“使用資材一例”:製品名ニーム核油かす(含有成分N−6.3 P−1.3 K−3.2)で有機JAS規格適合資材です。10a当り60kg(20kg袋)使用。有効成分「アゼディラクチン」は害虫のホルモン系に作用して食欲を減退させるという作用で効果を発揮します。又害虫が耐性を生じないという特徴を持ちます。
(ト)“使用資材一例”加工動物質原料肥料(F14)・ミネラル肥料(F15)・害虫肥料(F16)を土壌耕起時に混和し、畝立て(F17)の高さは最低20cm位高く高畦仕上げとし、十分に潅水(F18)をする。
(チ)マルチ張り(F19)には“使用資材一例”:製品名オオクラFC50−5618フィルム巾150cm長さ200m/穴6列並列/色黒/厚さ0.03mmでマルチフィルムを張り、マカの苗穴(F20)を設ける。
(リ)マカの苗穴(F20)後、ビニール(F21)(0.05mm〜0.1mm)を20日位ベタ張りして、“使用消毒一例”太陽熱を利用した太陽熱消毒のやりかたで圃場消毒(F22)を行う。
図2の管理工程に準ずることを特徴とする請求項1記載のマカ球根野菜露地定植栽培法。
【請求項3】
(イ)別棟ハウス内でマカの苗作り(G1)を設ける。(
図3)からマカ専用育苗管理工程により、苗作り(G1)の播種は8月内に行う。播種開始日づけは、寒い地域(G3)の北海道・寒冷地・極寒地帯(G4)は8月15日頃より播種開始(G5)厳守し、温暖な地域(G6)の播種は8月22日〜28日(G7)厳守で始まり、東北(G8)の播種は8月20日〜25日(G7)厳守で行う。
(ロ)育苗用のプラグトレー(G10)は小さい穴で早く根を充実させる事により植える時にも植え傷みが少ない“使用資材一例”:288穴のプラグトレー(G10)などを使用する。
(ハ)プラグトレー(G10)に入れる播種培土(G11)は、“使用資材一例”:肥効の効果が40日以上ある、製品名タキイ「たねまき培土」(G11)などを用い。プラグトレー(G10)に播種培土(G11)を入れたプラグ床(G12)を給水(G13)し、1時間程置いてから、播種(15)し、うすく覆土(G16)し、水を与え、育苗が終わる迄ハウスに白もしくは黒の遮光幕(G18)30%を育苗が終わる迄張るように設ける。
(ニ)定植前の水管理(G19)はプラグ土乾燥(G20)する前に1日数回水をかける(G21)。
(ホ)育苗管理(G22)後、発芽(G23)は4〜5日で揃い播種後25日位で育苗終了(G25)しますが、防虫対策(G24)として育苗中に害虫が発生したら、害虫肥料(F12)“使用資材一例”:製品名植物保護活性液;彩葉(いろは)コート500mlを1500倍、動噴などで噴霧する。10a当り(1反=300坪)50l〜100l散布。冬季間使用時は、25℃のお湯使用。
図3の管理工程に準ずることを特徴とする請求項1、請求項2記載のマカ球根野菜露地定植栽培法。
【請求項4】
(イ)
図4の定植(H1)は播種後、9月25日〜30日(H2)内厳守で完了するように設ける。遅く定植(H1)すると、球の肥大に影響する事が有る。9月内に定植(H3)完了し、定植後は土壌乾燥状態を見ながら毎日(H5)1ヶ月(H6)潅水(H4)する。
(ロ)潅水(H4)と、ともに10日に一回防虫対策(H7)として消毒などをする。害虫対策として“使用資材一例”:製品名/植物保護活性液;彩葉(いろは)コート500mlを1500倍で噴霧する。10a当り(1反=300坪)50l〜100l散布。冬季間使用時は、25℃のお湯使用。
図4の管理工程に準ずることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3記載のマカ球根野菜露地定植栽培法。
【請求項5】
1.(イ)9月管理(J1)の定植後(J2)の潅水(J3)は土壌の乾燥状態を見ながら毎日(J4)1ヶ月以上(J5)潅水(J6)し、暖かい季節の月での潅水は手散布潅水も可能である。点滴潅水装置(J7)は緩やかな速度で、点滴状態で水がゆっくりとしみ込んでゆくので、作物の根はすくすく育ち、根にとって理想的な土壌環境を提供してくれ、水と肥料の吸収率が高まるなどの長所がある。
(ロ)9月管理(J1)での換気(J8)は、剥き出しの路地マルチ張りのままでも可能であるが、遮光や防雨、防虫を考慮してトンネルハウス(J9)を設け、トンネルハウス(J9)にトンネル被覆(J10)(“使用資材一例”:ネット状のポリエチレン不織布「ワリフ」など、特長は害虫の侵入を防ぎ、通気性があり、換気作業などが省け、潅水装置の設定もできる)を設ける。防虫対策(J11)は10日に1回(J12)予防(動噴であれば月2回)し、マカの根が傷むので除草(J13)は早めに行う。
2.(イ)10月管理(K1)の潅水方法(K2)は土壌の乾燥状態を見ながら毎日1回(K4)、1ヶ月以上(K5)、点滴潅水装置(K7)などで潅水(K6)する。
(ロ)10月管理(K1)での換気(K8)は遮光や防雨、防虫を考慮してトンネルハウス(K9)を設け、トンネルハウス(K9)にトンネル被覆(K10)(“使用資材一例”:ネット状のポリエチレン不織布「ワリフ」など、特長は害虫の侵入を防ぎ、通気性があり、換気作業などが省け、潅水装置の設定もできる)を設ける。防虫対策(K11)は10日に1回(K12)予防(動噴であれば月2回)し、マカの根が傷むので除草(K13)は早めに行う。
3.(イ)11月管理(L1)の潅水方法(L2)は土壌乾燥状態を見ながら5日に1回(L4)、1ヶ月以上(L5)点滴潅水装置(K7)などで潅水(L6)する。
(ロ)11月管理(L1)での換気(L8)は遮光や防雨、防虫を考慮してトンネルハウス(L9)を設け、トンネルハウス(L9)にトンネル被覆(L10)(“使用資材一例”:ネット状のポリエチレン不織布「ワリフ」など、特長は害虫の侵入を防ぎ、通気性があり、換気作業などが省け、潅水装置の設定もできる)を設ける。
防虫対策(L11)は10日に1回(L12)予防(動噴であれば月2回)し、マカの根が傷むので除草(L13)は早めに行う。
4.(イ)12月管理(V1)の潅水方法(V2)は土壌乾燥状態を見ながら、朝の早い時間に潅水し、5日に1回(V4)、1ヶ月以上(V5)点滴潅水装置(V7)などで潅水(V6)する。
(ロ)12月管理(V1)での換気(V8)は遮光や防雨、防虫を考慮してトンネルハウス(L9)を設け、トンネルハウス(V9)にトンネル被覆(V10)(“使用資材一例”:ネット状のポリエチレン不織布「ワリフ」など)並びにトンネル被覆(V10)のワリフ上などにビニール被覆(V11)を設け、12月の日中5℃以上の暖かい時はビニール被覆を外し日中換気(V12)し、夕方までに濡れた葉などを乾燥させ、夕方以降はビニールをかけて保温する(V13)。
防虫対策(V14)は10日に1回(V15)予防(動噴であれば月2回)し、マカの根が傷むので除草(L16)は早めに行う。
5.(イ)1月管理(B1)の潅水方法(B2)は土壌乾燥状態を見ながら、朝の早い時間に潅水し、10日に1回(B4)、1ヶ月以上(B5)点滴潅水装置(B7)などで潅水(B6)する。
(ロ)1月管理(B1)での換気(B8)は遮光や防雨、防虫を考慮してトンネルハウス(B9)を設け、トンネルハウス(B9)にトンネル被覆(V10)(“使用資材一例”:ネット状のポリエチレン不織布「ワリフ」など)並びにトンネル被覆(B10)のワリフ上などにビニール被覆(B11)を設け、1月の日中5℃以上の暖かい時はビニール被覆を外し日中換気(B12)し、夕方までに濡れた葉などを乾燥させ、夕方以降はビニールをかけて保温する(B13)。
防虫対策(B14)は10日に1回(B15)予防(動噴であれば月2回)し、マカの根が傷むので除草(B16)は早めに行う。
(ハ)1月のマカの球が下旬より肥大がはじまる(B17)。
6.(イ)1月管理(B1)の潅水方法(B2)は土壌乾燥状態を見ながら、朝の早い時間に潅水し、10日に1回(B4)、1ヶ月以上(B5)点滴潅水装置(B7)などで潅水(B6)する。
(ロ)2月管理(N1)での換気(N8)は遮光や防雨、防虫を考慮してトンネルハウス(N9)を設け、トンネルハウス(N9)にトンネル被覆(N10)(“使用資材一例”:ネット状のポリエチレン不織布「ワリフ」など)並びにトンネル被覆(N10)のワリフ上などにビニール被覆(N11)を設け、2月の日中5℃以上の暖かい時はビニール被覆を外し日中換気(N12)し、夕方までに濡れた葉などを乾燥させ、夕方以降はビニールをかけて保温する(N13)。
防虫対策(N14)は10日に1回(N15)予防(動噴であれば月2回)し、マカの根が傷むので除草(N16)は早めに行う。
(ハ)2月のマカの球が下旬より肥大がはじまる(N17)。
7.(イ)3月管理(M1)の潅水方法(M2)は土壌乾燥状態を見ながら、朝の早い時間に潅水し、10日に1回(M4)、1ヶ月以上(M5)点滴潅水装置(M7)などで潅水(M6)する。
(ロ)3月管理(M1)での換気(M8)は遮光や防雨、防虫を考慮してトンネルハウス(M9)を設け、トンネルハウス(M9)にトンネル被覆(M10)(“使用資材一例”:ネット状のポリエチレン不織布「ワリフ」など)並びにトンネル被覆(M10)のワリフ上などにビニール被覆(M11)を設け、3月の日中5℃以上の暖かい時はビニール被覆を外し日中換気(M12)し、夕方までに濡れた葉などを乾燥させ、夕方以降はビニールをかけて保温する(N13)。
防虫対策(M14)は10日に1回(M15)予防(動噴であれば月2回)し、マカの根が傷むので除草(M16)は早めに行う。
(ハ)3月のマカの球が下旬より肥大がはじまる(M17)。
図5、
図6、
図7、
図8、
図9、
図10,
図11の管理工程に準ずることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4記載のマカ球根野菜露地定植栽培法。
【請求項6】
(イ)
図12の収穫(Z1)は、マカ球の肌が良い収穫時期(Z2)3月20日(Z3)から始まり収穫の仕方は根こそぎ、全て抜き取る(Z4)3月25日頃迄目安に収穫(Z5)し収穫完了(Z6)する。
(ロ)収穫したマカは、清い水やオゾン水などで洗浄(Z7)を厳守し、マカ葉(Z9)をカットし、マカ球(Z10)と、選別(Z8)し、マカ葉(Z9)はそのまま洗浄した清潔なコンテナ選別(Z11)に入れて2日〜3日位陰干し(Z14)をする。
(ハ)マカ球(Z10)は、さらに1球当りのサイズ(2L・L・M・S・外)と重量(80g〜外のキズ選別)に厳しい規格選別(Z12)し、清潔なコンテナ選別(Z13)に入れて2日〜3日位陰干し(Z14)をする。
(ハ)出荷時にはコンテナに“使用資材一例”:製品名FLシート「生花鮮度保持シート」7規格サイズ1200mm×1000mmを敷き、マカ全体を包んで乾燥防止する。
国産マカ原料をマカ育苗から収穫、品質管理出荷まで高品質のマカが収穫されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5記載のマカ生産のマカ球根野菜ハウス定植栽培法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マカ路地栽培適合条件から始まりマカ圃場作り並びにマカ苗作りから、国内でのマカ栽培管理を厳冬の路地管理方式による国内でのマカ栽培・生産から収穫管理までを確立し品質の高い国産マカ栽培の栽培技術を拡充したマカ球根野菜路地定植栽培法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、栽培される本場のマカはボンボン高原とよばれ限定した地域で収穫されたマカをペルー原産マカと称する。南米ペルーの海抜4000メートル以上のアンデス地方が中心で気温差が激しく、日中は強烈な直射日光で、風が強く、年間を通じて平均気温は7℃以下と非常に厳しい気候で、夜は零下10℃迄下がるという温度差の厳しい自然環境の中でマカは育つ薬草植物です。また過酷な大地の栄養を丸ごと吸収してしまい一度栽培された圃場は5〜6年あらゆる作物も作れない。アンデス山脈という高地の厳しい条件下で生育し霜、長期間の干ばつや冷害といったあらゆる悪条件に耐え得る、生命力の強いマカは自然のみによって育まれ、また、自然環境の中土壌が肥え、亜鉛をはじめとするミネラルを豊富に含んだごく限られた土地でマカは栽培されている。
生育環境が整った条件を備えている圃場は多くなく、ごく一部の村々で栽培されているのが実情で、種蒔きから栽培収穫まで自然農法で栽培しています。
【0003】
そのために、次のような問題点があった。
(イ) 1990年に日本で初めて大阪万博「世界花の博覧会」時にマカが紹介されました。マカはアンデス山脈にある海抜4000m以上で外気温は−10℃〜15℃(平均5℃)と空気も少なくなります。温度の高低差・太陽の照射率が高い・霜が降りる・風が強い、こうした大変厳しい気象環境の中、土壌が肥え、ミネラルなどを豊富に含んだ、ごく限られた村々でマカは栽培され、一度栽培されると数年間は土地を不毛にしてしまい、5〜6年土地を休ませ家畜の堆肥が十分になじんだ頃(有機農法)から栽培が約7年頃から再開されているとの事です。
(ロ) マカの種が国内で入手された結果、国内栽培が出来るか各地にて栽培が試みられたが、全て失敗しました。 国内ではマカは作れないとの酷評で諦められ、国内栽培は断念されました。すなわち上記のような過酷な南米ペルー並びに南米の厳格な環境のなかで原産地の栽培されたマカの苗が、国内の農産物環境栽培知識だけでの栽培技術では、ことごとく原因不明の苗枯れなどまた生育しない難点にぶちあたり、日本国内でのマカ栽培は出来ないとの結論で、国内では栽培を断念せざるを得ない結果でした。
(ハ) 南米ペルー栽培現地では安易な化学肥料を使用した栽培で、南米ペルー地域ではあるがボンボン高原以外の所で作られた粗悪のマカが出回っているとのニュース報道やマカ取扱い業者からの苦情などがネットなどでも報じられている。化学肥料栽培で作られたマカは球が大きく、栄養も品質も形状も違うものである。しかし粉末にしたマカをぺルー産マカとして販売されていると現地では判断しにくいとの事、上記のボンボン高原以外のマカは形状が日本のカブのような大きくなった物であることから一目でマカでないことが判別出来るとの事から、専門の買い付け業者は被害を最小にとどまっているとの報道であり、又まがい物のマカの栄養分析にかけるとあきらかにボンボン高原の生育環境で収穫されたマカとは大きな分析栄養差がでることから、南米ペルー現地であっても、容易に限られた地域のボンボン高原の自然生育環境で収穫されたマカは栽培ができないことが証明されている。原産地:ペルーの農学者:ラモン・ソリス著「ボムボン高原のマカ」から抜粋。南アメリカ・ペルーの現地マカ分析表。[
図13]参照。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【0004】
従来の国内の植物栽培の栽培工程の全工程を経ないで、路地栽培適合条件(
図1)を満たした圃場内に簡易なトンネル栽培を設け、マカ球根野菜路地定植栽培工程法に沿って、マカ圃場(
図1)を決定し、マカの床作りから(
図2)、苗作り(
図3)までのマカ専用育苗管理工程によりマカの定植(
図4)を9月中に完了し、栽培工程に沿い9月(
図5)からの管理「潅水方法・換気方法・防虫対策など」から始まり10月管理(
図6)、11月管理(
図7)、12月管理(
図8)、1月管理(
図9)、2月管理(
図10)、3月管理(
図11)の管理終了の工程に準ずることにより栄養・品質の高い国産マカを栽培したことを特徴とするマカ栽培・生産を可能にしたことを特徴とするマカ球根野菜露地定植栽培法である。
【0005】
路地栽培適合条件(
図1)を満たした圃場内に簡易なトンネル栽培を設け、マカ球根野菜路地定植栽培工程法に沿って、マカ圃場(
図1)を圃場作り、“使用資材一例”その他複数の資材は試用試験を繰り返した。商品である堆肥、栄養肥料、害虫肥料なども有機栽培を基本として選択し、こだわりから得た有機土壌肥料資材を施し、完熟堆肥厳守(未熟堆肥は病原菌が生きているため、根の細いマカに育成時障害が出る)で100%天然鉱石の土壌改良資材、水溶性で吸収の良い加工有機質原料の加工動物質原料「MAM」(高級な動物性有機原料を溶解し、95%以上を水溶化したアミノ酸有液です)肥料はじめ有機JAS規格適合資材の害虫肥料など高度な資材を十分に活用し、圃場作り・苗作りから始まり栽培管理を厳冬のハウス管理方式のなかで国産マカ生産を見いだしたマカ球根野菜ハウス定植栽培方法で生産ができた。収穫量が多く、品質および栄養においては栽培地域のペルー産に劣らずその効用・効果ならびに成分組織においても品質が高く安全である。証明として、国産(福島県会津)マカの成分分析表を参照[
図14]。
日本マカ株式会社依頼「分析試験成績表」日本食品分析センター 2012年(平成24年)12月21日 第12121875001−02号
日本マカ株式会社は福島県会津産マカ販売会社として別会社設立した会社です。
[
図12]福島県会津マカ栽培圃場ハウス内と収穫した国産初マカ原料写真です。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
(イ) マカ露地栽培適合条件(E1)から路地圃場での栽培圃場を決定須要に設ける。
従来圃場手入れしていた(E3)圃場(E2)か、雑草処理をしていた(E4)圃場であるか、防獣被害(E5)のある圃場(E2)は、防獣対策(E6)を施し手ある圃場(E2)であることを適合条件圃場とする。
(ロ) 気候(E7)の適合条件として、雪が降るが3日位で溶け(E9)、厳寒期でもマイナス5℃以内(E10)であるか、雪が降り、厳寒期でマイナス5℃以上(E12)になる圃場はトンネル栽培(E13)などを設け、潅水装置を設けることにより、路地でのマカ栽培が実施できる。
(ハ) マカ圃場作り(F1)に当たり、完熟堆肥(F2)を7月から8月、9月の三ヶ月にわたり、各月1トンの完熟堆肥を投入し耕転させ、土壌改良資材を入れさらに耕転し、定植45日前(F8)にpH6.0〜6.5調整(F9)し地力維持(F10)のマカ圃場作り(F1)を設ける。
(ニ) 定植30日前(F11)に雑草対策(F12)して、元肥(F13)に加工動物原料肥料(F14)とミネラル肥料(F15)投入後害虫肥料(F16)を混和するように設け、畝立て(F17)高さ20cm位高くし、十分に潅水(F18)しマルチ張り(F14)を設け、マルチ上からビニールをベタ張りして、20日間ほど太陽熱を利用した太陽熱消毒を行い圃場消毒(F22)するように設ける。
(ホ) 苗作り(G1)の播種(G2)を蒔く季節時期と栽培地域と播種開始日を選択しプラグトレイ(G10)に播種培土(G11)を設け、プラグ土(G12)を設けた育苗(G17)に給水(G13)し、播種(G15)に薄く覆土(G16)した育苗(G17)にハウスに遮光幕(G18)を設け、育苗管理(G24)するように設け発芽(G22)をまつように設ける。
(ヘ) 定植(H1)は播種後から25日〜30日(H2)を厳守し9月中に定植完了(H3)するように設け、9月管理(J1)にはいるように設ける。
(ト) 管理は9月から始まり12月迄管理に入り、定植後(J2)の潅水(J3)と換気方法(J8)そして防虫対策(J11)を毎日の作業を月毎に守ように作業管理するように設ける
(チ) 1月管理(B1)に入ると1月下旬より肥大が始まる(B14)。3月管理(M1)に入ると潅水は10日に1回(M4)となり3月19日〜20日(M5)で完了し、収穫(Z1)作業の収穫時期(Z2)は3月20日はじまり(Z3)3月25日迄収穫(Z5)し収穫完了(Z6)となり、品質の高い国内マカ生産が収穫できる。
使用した特殊資材は使用資材一例:製品名の品名とその特徴と10a当り(1反=300坪)の使用をあげているが、これ以外の同等もしくはそれ以上の効果を発揮する資材もあり、地域によって入手困難のときは、限りなく使用一例の資材を参照として使用してもよい。限りなく有機農業に近い農法を重視することが国内マカの収穫成功の栽培技術です。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図13】原産地のマカ成分組織表 ペルーの農学者:ラモン・ソリス著「ボムボン高原のマカ」から抜粋。南アメリカ・ペルーの現地マカ分析表
【
図14】ミネラル成分分析表 ペルーの農学者:ラモン・ソリス著「ボムボン高原のマカ」から抜粋。
【
図15】日本マカ株式会社:福島県会津産マカ販売会社です。福島県会津産マカを分析依頼した日本食品分析センターからの分析試験成績書。