【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、近年その美味しさが認められてきたハンドドリップ式コーヒー抽出に着目し、その方式が持つ問題を解決して誰もが簡単且つ確実に精度が高い味のコーヒーが抽出できるようにし、本当に美味しい本格的なコーヒーが手軽に飲めるようにするためのものである。ハンドドリップの問題点として挙げられるのは、専用の器具が必要であり手間がかかることと、抽出行為には知識と経験が求められ定量化することが難しいことである。本発明を導くために、ハンドドリップで美味しいコーヒーを抽出するための器具や具体的な過程を理解する必要がある。
【0007】
コーヒーを本格的にハンドドリップするためには、専用のドリッパーとお湯が注ぎやすい先端形状の注ぎ口のポットが必要である。ドリッパーはコーヒー挽き豆にお湯を浸透させコーヒー液を抽出して濾過するためのもので、コーヒー挽き豆の保持と抽出及び濾過機能を有する。代表的なものに布で出来た濾過袋を手で保持するものや、陶器やプラスチック製のホルダーで保持して紙フィルターで濾過するタイプのものがあるが、ここでは総称してドリッパーと呼ぶ。ポットはドリッパーにお湯を注ぐためのもので、注湯の際に豆に対して極力お湯の衝撃を与えないように且つまんべんなく注げるようになっており、
図2のように注ぎ口が細いポットPの先端をドリッパーD内のコーヒー挽き豆CBに対して近い距離に配置させ、まんべんなく全体に丁寧にお湯を注ぐことが可能となるように形状が工夫がされてる。注ぎ方は中心から外側に渦を描くようにする等が一般的であるが、目的はコーヒー挽き豆CBに対してお湯を全体にむら無く均一に浸透させることである。
【0008】
さらに、お湯を注ぐ際に重要なのは温度と時間である。ハンドドリップでのコーヒー抽出の適温は90℃前後であり、お湯の温度が高過ぎるとタンニンを多く抽出してエグ味が出てしまい、低すぎると旨味や甘味等、味が美味しく感じられるコクが十分に抽出されなくなる。そのため、ポットのお湯は沸騰後に少し時間を置くか、または別のポットに移して温度を下げる等の工夫が必要になる。抽出時間については、約3分を費やすのが良いバランスであり、時間が早過ぎると温度が低い時と同様にコクが十分に抽出されず、時間が長すぎると余計な雑味まで抽出してしまう。材質や形状や外気温にもよるが、ポット内の温度は時間の経過とともに下がり、3分程経過すると5度程度下がる。したがって、注湯開始時には90℃より少し高い95℃程度とし、3分後には90℃前後を目指すのが一つの目安となる。温度と時間のバランスによる味の変化は人によって好みがあるため絶対的なものではないが、90℃前後と約3分というのは経験上でバランスの良い味になるという一つの目安と言える条件であり、本発明における目標値とする。
【0009】
注湯で大切なことは、丁寧な注湯と適度な湯温を考慮した上で、初めてお湯が豆に触れる際の所作である。新鮮なコーヒー挽き豆にお湯が触れると炭酸ガスが大量に放出されるためコーヒー挽き豆が膨らみ、いくら丁寧に注湯してもどうしても豆に動きが生じてしまい、それが雑味の抽出につながりやすい。また、この時の注湯はコーヒー挽き豆にまんべんなくお湯をしっかりと浸透させるための蒸らしの行為でもあり、コーヒー挽き豆内に溶け出したコーヒー成分の溶液と周りのお湯との浸透圧の差によってエキスを抽出するハンドドリップにおいてとても重要なステップである。炭酸ガスの膨らみによる豆の流れの乱れを抑えるために、注湯前にコーヒー挽き豆を上から棒やヘラで押さえて挽き豆間の隙間を詰めたり、注湯時にお湯を点滴のように少しづつ垂らしてゆっくりまんべんなくお湯を浸透させるといった工夫が、手によるポットを用いての注湯には必要である。蒸らした後の本格抽出のための注湯にも細心の注意が必要で、コーヒー挽き豆全体にまんべんなくお湯が浸透して行くように、中心から外側へ渦を描くように極力低い位置から注湯しつつ、約3分を費やすようにゆっくりと時間をかける必要がある。こういった行為が本格的ハンドドリップの楽しみでもある反面、誰もが気軽にできなくなっている要因の一つでもある。
【0010】
そして抽出中に気をつけなければならない重要なことが、抽出したカップ等の容器内のコーヒーにドリッパー自体を浸からせないことである。いくら丁寧な注湯や湯温に細心の注意を払って最適な抽出を行っても、ドリッパー自体が抽出したコーヒー内に浸かってしまうと、不必要にエキスが抽出され過ぎ、雑味が出る原因となる。ドリップバッグ方式においては浸かってしまうタイプが多く、長く浸からせると味を濃くすることが出来るのは事実であるが、雑味も一緒に濃くなり本当に美味しいコーヒーとは言えなくなる。
【0011】
ここまでは、湯温と時間と注湯方法に気を配れば通常のハンドドリップで実現できることであるが、手による動作だけでは実現が難しいことがある。それはコーヒーの油脂分を効率よく抽出することである。コーヒーの油脂分は、旨味や甘味等のコクという形で味に現れ、トロ味という食感で口に感じ取れる。一般的によく用いられるペーパーフィルターでコーヒーを抽出すると、紙が油脂分を吸収してしまいコーヒーのコクやトロ味が減少する。既存のドリップ方式では布製のドリッパーを用いたネルドリップ式が高い油脂分抽出能力を有する。一度使用した布には既にコーヒー油脂分が染み込んでいるため、抽出の際に布に油脂分が染み込まずに通過し、外に抽出されやすくなるためである。また、ネルドリップのもう一つの利点は、ドリッパー自体が布であることにより、お湯を注いだ時の衝撃を袋が膨らむことで吸収するためコーヒー豆に衝撃が加わりにくくなり、これが余計な雑味を出さない効果を生み出すことである。このように、抽出にはドリッパーの材質に左右される要素が存在する。
【0012】
以上のことから、本発明の課題は次の通りである。いかにコーヒー挽き豆に衝撃を与えずに注湯するか、いかに湯温を調整するか、いかにお湯による抽出時間を3分程度に維持するか、いかに炭酸ガスによるコーヒー挽き豆の膨らみの動きを抑えるか、いかにまんべんなく豆にお湯をやさしく浸透させるか、いかにコーヒーの油脂分を取り出すか、いかにコーヒー挽き豆を抽出後のコーヒーに浸からせないようにするか、これらを再現することが誰にでも簡単に確実に行えるか、完成された器具がコンパクトで取扱が簡単であるかどうかである。これら全てを解決することが本発明を実現する上での焦点となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
通常のハンドドリップ方式が、ポットから直接ドリッパーD内のコーヒー挽き豆CBにお湯を注ぐのに対して、本発明ではポットからのお湯がコーヒー挽き豆CBに触れる前に、一旦お湯を整流する仕組みを取り入れる。具体的には
図3のように円錐又は角錐形の紙フィルターにお湯を注ぎ、この紙フィルターを通過して整流されたお湯でコーヒーを抽出する発想であり、本発明ではこの紙フィルターを整流フィルターRと呼ぶ。この整流フィルターRは、お湯を丁寧に注ぐことと適温に調整する役割を果たす。整流フィルターRを通過して出てくるお湯は、ポットからの注ぎ方が雑であっても、
図3のように必ず一定の速度と滑らかさを保つ。このことにより、丁寧にお湯を入れるという意識を持つ必要が無く、ただ注ぎさえすれば自然と丁寧にお湯が注がれることになる。湯温については、紙の熱伝導率を利用して調整する。紙製の整流フィルターに沸騰した100℃の熱湯を注ぐと、整流フィルターを通過する際に熱が奪われ温度が約5℃下がる。また、抽出に適切な時間である約3分の時間が経過すると、ポット内のお湯自体の温度も自然と約5℃下がる。つまり、抽出開始時の整流されたお湯は約95℃で豆に触れ始め、抽出完了時には約90℃で豆に触れ終わることとなり目標とする適温の条件をクリアする。ここで重要なのは、注ぐお湯の温度を沸騰直後の100℃と明確化することで、通常のハンドドリップのように適温となるような湯温の調整が不要になることである。
【0014】
そして注湯時の衝撃を減らすために、
図4のように整流フィルターRの先端をコーヒー挽き豆CBに直接当てるように配置すると、衝撃の無いお湯があたかもコーヒー挽き豆CBの中心部から湧きだすようなイメージで全体に浸透して広がって行く。
図5のように、ポットPの先端をコーヒー挽き豆CBに直接付けて注湯することは物理的に困難であり、この柔らかな浸透現象を手で作り出すのは現実的に難しく、まさに理想的な注湯が本発明の抽出器具により実現する。
【0015】
ドリッパーに求められる濾過機能にはネルドリップの良さを取り入れる。ネル袋Nは
図6(a)のように周囲に支えがなく開放されており外側に膨らむため、注湯時のコーヒー挽き豆CBへの衝撃が軽減される。
図6(b)のように不織布を用いて濾過袋Bを製作し、ネル袋Nのように膨らむことによる注湯時の衝撃の軽減を計る。それに加え、その形状を
図7のように下部を二次曲線Qで構成する形で熱圧着形成することにより、濾過袋B内で二次曲線の焦点Fにお湯の流れが集中する効果が得られ、濃厚な抽出のためのお湯の流れを作ることが出来る。さらに整流フィルターRの先端を
図8ように焦点F付近に配置することにより、注湯時のお湯が挽き豆に与える衝撃をほぼ無くすことが出来る。
図9に整流フィルターRの先端を濾過袋Bの焦点Fに配置した状態でのお湯の流れを示す。
図9(a)は整流フィルターRに注湯で溜まったお湯が、焦点Fから濾過袋B内にゆっくり広がり始める焦点からの対流C1の様子である。
図9の(b)は、濾過袋Bに溜まったお湯が焦点への対流C2となり、焦点から下向きの流れC3に集まって濾過袋Bを通過して袋外に滴下する様子である。整流フィルターRに注湯する度に濾過袋B内にC1,C2,C3の焦点を起点とするお湯の流れが生じるため、静穏な流れでありながらコーヒー挽き豆を繰り返し通過して行くことにより、雑味が出るのを抑えながらとても濃厚な抽出が可能となる。
【0016】
また、濾過袋Bの下部を二次曲線Q形状にすることによって袋の表面積が小さくなり通過する抽出液の量が抑えられることから、お湯が濾過袋Bの内部に留まる時間が長くなる。さらに、濾過袋Bの開口部に整流フィルターRを取り付けていることから、整流フィルターR内にお湯が溜まっている状態は濾過袋Bの開口部が塞がれていることとに等しい。その状態で濾過袋B内から抽出液が袋外に出ると袋の内圧が下がり、それによりさらにお湯が袋内に留まる時間が長くなる効果が加わる。ハンドドリップに最適な時間である約3分を手でポットによる注湯で実現するためには、通常のハンドドリップでは少しづつのお湯を手で加減しながら注湯量を調整する必要があるが、本発明の場合は上述の効果により、整流フィルターRにお湯を注げば濾過袋B内のお湯は通常のハンドドリップのドリッパーのように早く落ちず袋内に留まり、カップ一杯の目安150ccのコーヒーを抽出するのに結果的に自然と約3分を経過させることが実現できる。一回目の注湯時に濾過袋B内に溜まるお湯は豆を蒸らす行為そのもので、ハンドドリップで課題となる定量化の課題が、本発明の抽出器具により次々に解決されてゆく。お湯が留まる時間は、濾過袋Bの形状やコーヒー挽き豆の粗さで、ある程度の調整が可能である。
【0017】
更なる効果として、二次曲線Qの形状により内部体積が小さくなった濾過袋Bにコーヒー挽き豆CBを充填して整流フィルターRで上部から押さえつけると、
図10のようにコーヒー挽き豆CBが隙間なく固められた状態になるためその動きが制限され、注湯してもコーヒー挽き豆CBがほぼ動かず雑味の抽出が抑えられる。さらにこの状態で、
図11のようにコーヒー挽き豆CBがお湯に触れた際に発生する炭酸ガスによる圧力CPにより濾過袋Bが膨張し、上側からは注湯された整流フィルターR内のお湯の自重BPによって押さえられているため袋内の圧力が高まり、コーヒー挽き豆CBに微圧がかかる。通常のドリップでは浸透圧でコーヒーが抽出されるが、本発明の抽出器具の場合、この微圧によって抽出能力がさらに高まる上に、ネル布でないと袋外へ通過しにくいコーヒーの油脂分をこの微圧で袋外へ滲出させることが出来るため、この効果によりネルドリップによる抽出の際に得られるのと同様のコーヒーのコクとトロ味を引き出すことが可能となる。手でポットによる注湯を行うハンドドリップの時には障害となっていた炭酸ガスによるコーヒー挽き豆CBの膨らむ力が、本発明の構成の場合は逆に利点となり、手による抽出では成し得なかった、雑味を最大限に抑える抽出方法が確立できるものである。
【0018】
整流フィルターRは
図12のように濾過袋Bの開口部に設置するが、注湯時に発生するコーヒー豆の炭酸ガスにより
図13のように上に持ち上げられてしまい、膨らんだコーヒー挽き豆CBが濾過袋Bの外にこぼれてしまうため、整流フィルター折り代ROを
図14のように折り曲げて濾過袋Bの開口部の縁を挟む形で熱圧着する。これは内容物が溢れ出さないようにすると共に濾過袋Bの開口部の縁を補強することにもなるため、
図15のようにお湯を整流フィルターRにギリギリ一杯まで溜めてもしっかりした形状を保ち、安定した注湯が行える効果もある。また、整流フィルターRの形状が円錐又は角錐で、濾過袋Bと円錐又は角錐の母線が鋭角になっている状態は、炭酸ガスの力で整流フィルターRが浮き上がらないようにする視点で見た場合にも適した状態である。鋭角でない場合、整流フィルターR自体が上に持ち上がらなくても、
図15(c)のように整流フィルターRの中央部が炭酸ガスの力で下から上にめくり上げられてしまう。鋭角である効果で、炭酸ガスの力が整流フィルターRに加わっても水平方向に分散されてめくり上がりが防止出来る。
【0019】
特許文献1では、注湯口に帯状のカバーシートを設けることで被充填物がこぼれないことと袋内に蒸らし効果がもたらされるとある。本発明の抽出器具の整流フィルターRは濾過袋Bの開口部に設置して熱シールして封をすることになるため、濾過袋B内のコーヒー挽き豆CBがこぼれないことと袋内にもたされる蒸らし効果は同様の機能である。しかし、整流フィルターRは丁寧に注湯するためにお湯を整流することが第一の目的で円錐または角錐の形状をしており、単にこぼれない蒸らすというためのものではない。帯状のカバーシートではハンドドリップで重要な要素の一つである丁寧な注湯は実現できず、本発明の整流フィルターは特許文献1のカバーシートとは全く異なるものである。また特許文献2では、フィルターシートとカバーシートの縁辺が内面同士対向してシールされ、このシール部が袋本体の上部開口部の縁部となっていることを特徴としているが、本発明の整流フィルターは、整流フィルター折り代ROを折り曲げて濾過袋Bの開口部を挟み込んで熱圧着シールすることにより濾過袋B本体の上部開口部の縁部に厚みを持たせて強度が増す構造のため、お湯を注いでもしっかりとした形と強度を維持して注ぎやすくなり、特許文献2の構造とは全く異なるものである。
【0020】
ドリッパーに求められるコーヒー豆の保持機能は、使い捨てとコストを考慮して厚紙で製作し、本発明ではホルダーHと呼ぶ。ホルダーHに必要な要件は、濾過袋Bをカップ内に浸からないようにするためカップ上側に位置して安定させることと、設置に際して容易な手順と方法で行えることと、コンパクトに収納できることである。
【0021】
ホルダーHの基本形状は、コストを下げるために製作しやすさを考慮して簡単な構造とする。
図16(a)のように上面と底面の無い単純な直方体とし、その展開図は
図16(b)のようになりホルダー折り目HCで折り曲げてホルダーのりしろHOで接着して組み立てる。カップの上に安定して乗せるために、ホルダーHの底面側のカップ縁に接する四カ所に長穴形状の切り欠きCOを入れる。こうすることにより、カップ縁の四点で支えられ且つ切り欠きCOにより水平方向の動きが制限されて安定する。さらに安定性を向上させるために、直方体の短面の中心を
図17(a)のように内側に折りたたむ。この状態で
図17(b)のように直方体の形に戻すと、折り曲げた方向に戻ろうとする力が
図17(c)のように働き、これがカップの側面を挟む力SPとなり、この場合は口の小さいカップに適している。次に、
図18(a)の状態から
図18(b)のように短面の中心を外側に折って広げてから離すと、
図18(c)のように元の直方体に戻ろうとする力が働き、これがカップの側面を挟む力SPになり、この場合は口の大きなカップに適している。このように切り欠きCOでカップ縁に安定して乗るようにし、ホルダーHの形状の折りたたみの変化によってカップのサイズ変化に対応しながらカップ側面を挟み込んで安定させることが出来るため、シンプルな構造でありながらカップ大CL、カップ中CM、カップ小CSのサイズの変化にも柔軟に対応出来る。
【0022】
整流フィルターRを取り付けた濾過袋Bを、
図20のようにホルダーHの直方体の丁度中央に厚紙製のサポートアームAで固定してカップより上に位置するように配置すると、カップ内の抽出液に浸からない。サポートアームAの正面形状は
図20(b)の通りで、実線の切り目と点線の折り目から成り、濾過袋BとサポートアームAを熱シールまたは糊等で接着し、ホルダーHとサポートアームAを糊等で接着して固定する。サポートアームAにあるサポートアームたて折り目AVは、濾過袋Bが炭酸ガスで膨らむ状態の形状を補助することを目的とし、サポートアームリブ折り目AHはサポートアームリブARを形作るためのもので、
図20(d)のようにホルダーHの上部開口部の中央部が、お湯が浸透した濾過袋Bの重みで内側に反り曲がらないように補強するためのものである。この状態で
図21(a)のようにホルダーの短面折り目を内側に折り曲げ、
図21(b)のようにホルダーHの長面を濾過袋の膨らみに沿わせるように曲線を描くように曲げると、
図20(c)のように短辺の両サイドを合わせる形でホルダーHが濾過袋Bを挟みこむ状態に収納できるため、非常にコンパクトになる。
【0023】
「課題を解決するための手段」にこれまで記述してきた方法により、「発明が解決しようとする課題」で記述した既存の器具を使ってコーヒーを本格的にハンドドリップする際の問題点が全て解消される。特に整流フィルターRによる注湯の整流効果と炭酸ガスによる圧力効果は手で作り出すことは困難で、これらの効果によるコーヒーの抽出精度の向上は特筆に値する。また、シンプルで安定性の高いホルダー機能を有していながら湯温や抽出時間の定量化も同時に実現できたことにより、今までは成し得なかった、誰もが簡単確実に再現できる本格ドリップ機能付きの簡易型コーヒー抽出器具が成立するものである。