を測定する冷水温度センサ32と、冷水タンク5内の水を成形金型Mに供給する冷水供給ライン6と、成形金型Mを冷却した水を冷水タンク5に戻す冷水戻しライン7と、冷水戻しライン7内の水を冷却する冷却ユニット3および熱交換器8と、熱交換器8に、外部から冷却水を供給する冷却水ライン4と、冷却水ライン4内の冷却水温度T
前記制御部は、前記第2温度が前記第1温度以上である場合に、前記冷却ユニットを動作させるとともに、前記切替手段を前記第2位置に位置させることを特徴とする、請求項2または3に記載の温度調節システム。
前記制御部は、前記冷却ユニットの動作が停止している状態で、前記切替手段を、PID制御に基づいて、前記第1位置と前記第2位置との間で移動させることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の温度調節システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、上記特許文献1に記載されるような冷却装置において、さらなる省エネルギー化を図ることが検討される。
【0006】
そこで、本発明の目的は、より省エネルギー化を図ることができる温度調節システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、第1冷却媒体を貯留する貯留部と、前記貯留部内の前記第1冷却媒体の温度である第1温度を測定する第1温度検知手段と、前記貯留部内の前記第1冷却媒体を対象物に供給する第1供給ラインと、前記対象物を冷却した前記第1冷却媒体を前記貯留部に戻す戻しラインと、前記貯留部内の前記第1冷却媒体、または、前記戻しライン内の前記第1冷却媒体を冷却する冷却ユニットおよび熱交換器と、前記熱交換器に、前記第1冷却媒体を冷却するための第2冷却媒体を供給する第2供給ラインと、前記第2供給ライン内の前記第2冷却媒体の温度である第2温度を測定する第2温度検知手段と、前記冷却ユニットの動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第2温度が前記第1温度よりも低く、かつ、前記第1温度と前記第2温度との差が所定値を超過している場合に、前記冷却ユニットの動作を停止させる、温度調節システムである。
【0008】
このような構成によれば、貯留部内の第1冷却媒体、または、戻しライン内の第1冷却媒体を冷却するための第2冷却媒体の温度(第2温度)が、第1冷却媒体の温度(第1温度)よりも低く、かつ、第1温度と第2温度との差が所定値を超過している場合に、冷却ユニットの動作を停止させる。
【0009】
これにより、第2冷却媒体の温度(第2温度)が、第1冷却媒体の温度(第1温度)に対して十分に低いときに、熱交換器のみで、貯留部内の第1冷却媒体、または、戻しライン内の第1冷却媒体を冷却できる。
【0010】
その結果、第1冷却媒体を冷却ユニットで冷却する場合と比べて、より省エネルギー化を図ることができる。
[2]本発明は、前記冷却ユニットおよび前記熱交換器が、前記戻しライン内の前記第1冷却媒体を冷却し、前記熱交換器が、前記第1冷却媒体が流通する高温側流路と、前記第2冷却媒体が流通する低温側流路とを備え、前記戻しラインが、前記高温側流路に接続される冷却ラインと、前記熱交換器を迂回するバイパスラインと、前記冷却ラインを開放し、前記バイパスラインを閉鎖する第1位置と、前記バイパスラインを開放し、前記冷却ラインを閉鎖する第2位置との間を移動可能な切替手段とを備え、前記制御部が、前記第2温度が前記第1温度よりも低く、かつ、前記第1温度と前記第2温度との差が所定値以下である場合に、前記冷却ユニットを動作させるとともに、前記切替手段を前記第1位置に位置させる、上記[1]に記載の温度調節システムを含む。
【0011】
このような構成によれば、第2冷却媒体の温度(第2温度)が第1冷却媒体の温度(第1温度)よりも低く、かつ、第1温度と第2温度との差が所定値以下である場合、切替手段を第1位置に位置させて、第1冷却媒体を冷却ラインに導入する。
【0012】
これにより、冷却ユニットと熱交換器とを併用して、戻しライン内の第1冷却媒体を冷却できる。
【0013】
その結果、戻しライン内の第1冷却媒体を短時間で冷却することができる。
[3]本発明は、前記貯留部内の前記第1冷却媒体を前記第1供給ラインに供給する第3供給ラインをさらに備え、前記冷却ユニットおよび前記熱交換器が、前記第3供給ライン内の第1冷却媒体を冷却することにより、前記貯留部内の前記第1冷却媒体を冷却し、前記熱交換器が、前記第1冷却媒体が流通する高温側流路と、前記第2冷却媒体が流通する低温側流路とを備え、前記第3供給ラインが、前記高温側流路に接続される冷却ラインと、前記熱交換器を迂回するバイパスラインと、前記冷却ラインを開放し、前記バイパスラインを閉鎖する第1位置と、前記バイパスラインを開放し、前記冷却ラインを閉鎖する第2位置との間を移動可能な切替手段とを備え、前記制御部が、前記第2温度が前記第1温度よりも低く、かつ、前記第1温度と前記第2温度との差が所定値以下である場合に、前記冷却ユニットを動作させるとともに、前記切替手段を前記第1位置に位置させる、上記[1]に記載の温度調節システムを含む。
【0014】
このような構成によれば、第2冷却媒体の温度(第2温度)が第1冷却媒体の温度(第1温度)よりも低く、かつ、第1温度と第2温度との差が所定値以下である場合、切替手段を第1位置に位置させて、第1冷却媒体を冷却ラインに導入する。
【0015】
これにより、冷却ユニットと熱交換器とを併用して、第3供給ライン内の第1冷却媒体を冷却できる。
【0016】
その結果、第3供給ライン内の第1冷却媒体を短時間で冷却することができる。
[4]本発明は、前記制御部が、前記第2温度が前記第1温度以上である場合に、前記冷却ユニットを動作させるとともに、前記切替手段を前記第2位置に位置させる、上記[2]または[3]に記載の温度調節システムを含む。
【0017】
このような構成によれば、第2冷却媒体の温度(第2温度)が第1冷却媒体の温度(第1温度)以上である場合、切替手段を第2位置に位置させて、第1冷却媒体をバイパスラインに導入する。
【0018】
これにより、第1冷却媒体を、熱交換器を迂回して流すことができる。
【0019】
その結果、熱交換器に供給される第2冷却媒体の温度が高い場合には、熱交換器を使用せず、冷却ユニットによって、第1冷却媒体を冷却することができる。
[5]本発明は、前記制御部が、前記冷却ユニットの動作が停止している状態で、前記切替手段を、PID制御に基づいて、前記第1位置と前記第2位置との間で移動させる、上記[2]〜[4]のいずれか1つに記載の温度調節システムを含む。
【0020】
このような構成によれば、冷却ユニットの動作が停止している状態で、PID制御に基づいて、切替手段を第1位置と第2位置との間で移動させ、冷却ラインに導入される第1冷却媒体の量を調節する。
【0021】
これにより、冷却ユニットの動作が停止しているときに、熱交換器を用いて、効率よく第1冷却媒体を冷却できる。
[6]本発明は、前記熱交換器が、液体と液体との間で熱交換する熱交換器であり、前記第2冷却媒体が、外部から供給される水である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の温度調節システムを含む。
【0022】
このような構成によれば、外部から供給される水の温度が、第1冷却媒体の温度に対して十分に低いときに、その水を用いて、第1冷却媒体を冷却できる。
【0023】
その結果、より一層、省エネルギー化を図ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、第1冷却媒体を冷却ユニットで冷却する場合と比べて、より省エネルギー化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1実施形態>
図1は、本発明の温度調節システムの第1実施形態としての冷却システムを示す概略構成図である。
【0027】
温度調節システムの一例としての冷却システム1は、
図1に示すように、対象物の一例としての成形金型Mを冷却する冷却システムである。冷却システム1は、循環ユニット2と、冷却ユニット3と、第2供給ラインの一例としての冷却水ライン4と、制御部31(
図2参照)とを備える。
【0028】
循環ユニット2は、貯留部の一例としての冷水タンク5と、第1供給ラインの一例としての冷水供給ライン6と、戻しラインの一例としての冷水戻しライン7と、熱交換器8とを備える。
【0029】
冷水タンク5は、第1冷却媒体の一例としての水を貯留するタンクである。冷水タンク5は、給水管5Aと、フロートスイッチ5Bと、第1温度検知手段の一例としての冷水温度センサ32とを備える。
【0030】
給水管5Aは、冷水タンク5に外部から給水するための配管である。給水管5Aの下流端部(水の流れ方向における下流端部。以下の説明において同じ。)は、冷水タンク5の上端部に接続される。なお、給水管5Aの上流端部(水の流れ方向における上流端部。以下の説明において同じ。)は、図示しない工業用水などの水源に接続される。
【0031】
フロートスイッチ5Bは、給水管5Aの下流端部に接続される。フロートスイッチ5Bは、冷水タンク5内の水位が所定の水位未満になるとオンされる。これにより、給水管5Aから冷水タンク5に給水される。また、フロートスイッチ5Bは、冷水タンク5の水位が所定の水位以上になるとオフされる。これにより、給水管5Aから冷水タンク5への給水は停止される。
【0032】
冷水温度センサ32は、プローブの先端が冷水タンク5内に臨むように、冷水タンク5の壁に配置されている。冷水温度センサ32は、冷水タンク5内の水の温度(第1温度の一例としての冷水温度T
1)を測定する。冷水温度センサ32は、後述する冷水温度表示器35(
図2参照)に電気的に接続されている。
【0033】
冷水供給ライン6は、冷水タンク5内の水を成形金型Mに供給するための配管である。冷水供給ライン6の上流端部は、冷水タンク5に接続されている。また、冷水供給ライン6の下流端部は、成形金型Mの入口M1に接続されている。冷水供給ライン6は、ポンプ9を備える。
【0034】
ポンプ9は、冷水供給ライン6の途中に介在されている。ポンプ9は、冷水タンク5内の水を成形金型Mに送る。
【0035】
冷水戻しライン7は、成形金型Mを冷却した水を、冷却ユニット3を経由して、冷水タンク5に戻すための配管である。冷水戻しライン7の上流端部は、成形金型Mの出口M2に接続されている。また、冷水戻しライン7の下流端部は、冷水タンク5に接続されている。冷水戻しライン7は、冷却ユニット3よりも上流側に配置される上流側ライン10と、冷却ユニット3よりも下流側に配置される下流側ライン11とを備える。
【0036】
上流側ライン10は、成形金型Mを冷却した水を、冷却ユニット3の蒸発器21(後述)に送るための配管である。上流側ライン10の上流端部は、成形金型Mの出口M2に接続されている。また、上流側ライン10の下流端部は、冷却ユニット3の蒸発器21の被冷却側の入口21Aに接続されている。
【0037】
下流側ライン11は、冷却ユニット3の蒸発器21を通過した水を、冷水タンク5に送るための配管である。下流側ライン11の上流端部は、冷却ユニット3の蒸発器21の被冷却側の出口21Bに接続されている。また、下流側ライン11の下流端部は、冷水タンク5に接続されている。下流側ライン11は、冷却ライン12と、バイパスライン13と、切替手段の一例としての三方弁14とを備える。下流側ライン11は、途中で、冷却ライン12とバイパスライン13とに分岐される。冷却ライン12およびバイパスライン13は、三方弁14を介して合流する。
【0038】
冷却ライン12は、下流側ライン11内の水を熱交換器8に導入するための配管である。冷却ライン12は、熱交換器8の上流側に配置される上流部分12Aと、熱交換器8の下流側に配置される下流部分12Bとを備える。
【0039】
上流部分12Aの上流端部は、冷却ライン12とバイパスライン13との分岐部分に接続されている。上流部分12Aの下流端部は、熱交換器8の被冷却側流路8E(後述)の入口8Aに接続されている。
【0040】
下流部分12Bの上流端部は、熱交換器8の被冷却側流路8Eの出口8Bに接続されている。下流部分12Bの下流端部は、三方弁14に接続されている。
【0041】
バイパスライン13は、下流側ライン11内の水を、熱交換器8を迂回して冷水タンク5に供給するための配管である。バイパスライン13の上流端部は、冷却ライン12とバイパスライン13との分岐部分に接続されている。バイパスライン13の下流端部は、三方弁14に接続されている。
【0042】
三方弁14は、冷却ライン12とバイパスライン13との合流部分に配置されている。三方弁14は、後述する冷水温度表示器35(
図2参照)に電気的に接続されている。三方弁14は、冷却ライン12を開放し、バイパスライン13を閉鎖する第1位置の一例としての冷却位置と、バイパスライン13を開放し、冷却ライン12を閉鎖する第2位置の一例としてのバイパス位置との間を移動可能である。
【0043】
熱交換器8は、冷却ライン12の途中に介在されている。熱交換器8は、例えば、対向流型の熱交換器である。詳しくは、熱交換器8は、下流側ライン11内の水が流通する高温側流路の一例としての被冷却側流路8Eと、外部からの冷却水が流通する低温側流路の一例としての冷却側流路8Fとを備える。熱交換器8は、被冷却側流路8E内を流れる水と、冷却側流路8F内を流れる水とが、互いに反対方向に流れるように構成されており、被冷却側流路8E内を流れる水と、冷却側流路8F内を流れる水との間で熱交換されるように構成されている。熱交換器8の冷却能力は、例えば、30kW以上であり、例えば、50kW以下である。また、熱交換器8の冷却能力は、冷却ユニット3の冷却能力を100%としたときに、例えば、100%以上であり、例えば、105%以下である。
【0044】
冷却ユニット3は、熱交換器8よりも上流側において、冷水戻しライン7の途中に介在されている。冷却ユニット3は、例えば、公知の冷水機(チラー)であり、循環ライン23と、蒸発器21と、凝縮器22と、バイパスライン24とを備える。
【0045】
循環ライン23は、例えば、ハイドロフルオロカーボンなどの冷媒を、蒸発器21の冷却側と、凝縮器22の被冷却側との間で循環させる配管である。循環ライン23は、圧縮機25と、膨張弁26とを備える。
【0046】
圧縮機25は、冷媒の流れ方向において、蒸発器21の下流側、かつ、凝縮器22の上流側に配置されている。圧縮機25は、蒸発器21において気化された冷媒(気体)を、圧縮して、凝縮器22へ送る。
【0047】
膨張弁26は、冷媒の流れ方向において、凝縮器22の下流側、かつ、蒸発器21の上流側に配置されている。膨張弁26は、凝縮器22において液化された冷媒(液体)を、減圧する。
【0048】
蒸発器21は、膨張弁26によって減圧された冷媒(液体)を気化させることにより、冷水戻しライン7内の水を冷却する。
【0049】
凝縮器22は、圧縮機25によって圧縮された冷媒(気体)を、後述する冷却水ライン4内の冷却水で冷却することにより、凝縮する。
【0050】
バイパスライン24は、蒸発器21を通過した冷媒を、凝縮器22を迂回して循環させるための配管である。
【0051】
冷却水ライン4は、第2冷却媒体の一例としての冷却水を、熱交換器8の冷却側、および、凝縮器22の冷却側に導入する配管である。冷却水ライン4は、供給部4aと、接続部4bと、排出部4cとを備える。
【0052】
供給部4aの上流端部は、図示しない工業用水などの水源に接続されている。供給部4aの下流端部は、熱交換器8の冷却側流路8Fの入口8Cに接続されている。供給部4aは、第2温度検知手段の一例としての冷却水温度センサ33とを備える。
【0053】
冷却水温度センサ33は、供給部4aの途中において、熱交換器8の入口8Cの近傍に配置されている。冷却水温度センサ33は、供給部4a内の冷却水の温度(第2温度の一例としての冷却水温度T
2)を測定する。冷却水温度センサ33は、後述する冷却水温度表示器34(
図2参照)に電気的に接続されている。
【0054】
接続部4bの上流端部は、熱交換器8の冷却側流路8Fの出口8Dに接続されている。接続部4bの下流端部は、凝縮器22の冷却側の入口22Aに接続されている。
【0055】
排出部4cの上流端部は、凝縮器22の冷却側の出口22Bに接続されている。排出部4cの下流端部は、例えば、図示しない排水設備などに接続されている。
【0056】
図2は、
図1に示す冷却システムの制御部のブロック図である。
【0057】
制御部31は、冷却ユニット3の圧縮機25、循環ユニット2のポンプ9および三方弁14の動作を制御する。
図2に示すように、冷水温度表示器35と、冷却水温度表示器34と、制御基板36と、シーケンス回路37とを備える。
【0058】
冷水温度表示器35は、冷水タンク5の近傍に配置されている。冷水温度表示器35は、冷水温度センサ32、制御基板36および三方弁14に電気的に接続されている。冷水温度表示器35は、冷水温度センサ32で測定された冷水温度T
1を表示するとともに、その温度を制御基板36に送信する。また、冷水温度表示器35には、作業者の操作により、任意の設定値(冷水温度設定値T
0)を入力することができる。冷水温度表示器35は、入力された設定値も制御基板36に送信する。
【0059】
冷却水温度表示器34は、冷却水ライン4の供給部4aの近傍に配置されている。冷却水温度表示器34は、冷却水温度センサ33および制御基板36に電気的に接続されている。冷却水温度表示器34は、冷却水温度センサ33で測定された冷却水温度T
2を表示するとともに、その温度を制御基板36に送信する。
【0060】
制御基板36は、例えば、RAMやROMなどのメモリや、CPUなどを備える回路基盤として構成される。例えば、RAMには、冷水温度T
1、冷水温度設定値T
0、冷却水温度T
2が一時的に記憶される。ROMには、冷水温度T
1を制御するための温度制御プログラムが格納される。CPUは、温度制御プログラムを実行する。
【0061】
シーケンス回路37は、冷水温度表示器35および制御基板36に電気的に接続されている。シーケンス回路37は、リレースイッチなどを備え、冷水温度表示器35を介して、三方弁14を駆動させる。
【0062】
図3は、
図1に示す冷却システムの冷水温度制御のフロー図である。
【0063】
次いで、
図1〜
図3を参照して、冷却システム1の冷水温度制御について説明する。なお、以下の説明において、冷水温度設定値T
0は、例えば、5℃とする。冷却システム1は、冷水タンク5内の冷水温度T
1が冷水温度設定値T
0になるように調整する。
【0064】
冷却システム1が作動されると、制御基板36のROMに格納されている温度制御プログラムが、制御基板36のCPUにより実行される。
【0065】
すると、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも低く、かつ、冷水温度T
1と冷却水温度T
2との差が所定の設定値(停止設定値Δt)以下である場合(S1:NO、S2:NO)、三方弁14は、シーケンス回路37により、冷却ユニット3の圧縮機25が運転中である(S3:YES)と判断された場合に、冷却位置に位置される(S4)。
【0066】
停止設定値Δtは、例えば、5℃以上、好ましくは、10℃以上、例えば、15℃以下に設定される。
【0067】
より具体的には、停止設定値Δtが10℃と設定されており、冷水温度T
1が、例えば、10℃であり、冷却水温度T
2が、例えば、3℃である場合、冷却ユニット3の圧縮機25が運転している状態で、三方弁14が冷却位置に位置される。
【0068】
また、冷却システム1が作動されると、冷却ユニット3の圧縮機25、および、循環ユニット2のポンプ9が作動される。なお、この説明では、冷却水ライン4内には、外部からの冷却水が常に流されているものとする。外部からの冷却水は、供給部4aを介して熱交換器8の冷却側に供給された後、接続部4bを介して、冷却ユニット3の凝縮器22の冷却側に供給される。
【0069】
冷却ユニット3の圧縮機25が作動されると、冷却ユニット3の冷媒が、循環ライン23内を循環する。
【0070】
また、循環ユニット2のポンプ9が作動されると、冷水タンク5内の水は、ポンプ9により、冷水供給ライン6を介して、成形金型Mの入口M1に供給される。これにより、成形金型Mは、入口M1に供給された水によって冷却される。成形金型Mに供給された水の温度は、成形金型Mの温度にもよるが、例えば、13℃まで上昇する。その後、成形金型Mを冷却した水は、成形金型Mの出口M2、および、冷水戻しライン7の上流側ライン10を介して蒸発器21の被冷却側の入口21Aに供給される。
【0071】
すると、蒸発器21の被冷却側の入口21Aに供給された水は、冷却ユニット3の冷媒との熱交換により冷却され、蒸発器21の被冷却側の出口21Bを介して、冷水戻しライン7の下流側ライン11に排出される。冷水戻しライン7の下流側ライン11に排出された水の温度は、例えば、10℃である。
【0072】
冷水戻しライン7の下流側ライン11に排出された水は、三方弁14が冷却位置に位置していることにより、冷却ライン12の上流部分12aを介して、熱交換器8の被冷却側の入口8Aに供給される。
【0073】
すると、熱交換器8の被冷却側の入口8Aに供給された水は、熱交換器8において冷却水との熱交換により冷却され、熱交換器8の被冷却側の出口8Bを介して、冷却ライン12の下流部分12bに排出される。冷却ライン12の下流部分12bに排出された水の温度は、例えば、7℃である。冷却ライン12の下流部分12bに排出された水は、冷水戻しライン7の下流側ライン11を介して、冷水タンク5に戻される。
【0074】
なお、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも高い場合(S1:NO、S2:YES)、三方弁14は、シーケンス回路37により、バイパス位置に位置される(S5)。
【0075】
具体的には、冷水温度T
1が、例えば、10℃であり、冷却水温度T
2が、例えば、15℃である場合、冷却ユニット3の圧縮機25が運転している状態で、三方弁14がバイパス位置に位置される。
【0076】
この場合、冷水戻しライン7の下流側ライン11に排出された水は、バイパスライン13、および、冷水戻しライン7の下流側ライン11を介して、熱交換器8を迂回し、冷水タンク5に戻される。
【0077】
また、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも停止設定値Δtを超過して低い場合、すなわち、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも低く、かつ、冷水温度T
1と冷却水温度T
2との差が停止設定値Δtを超過している場合(S1:YES、S2:NO)、冷却ユニット3の圧縮機25が停止される(S6)。
【0078】
具体的には、停止設定値Δtが10℃と設定されており、冷水温度T
1が、例えば、15℃であり、冷却水温度T
2が、例えば、3℃である場合、冷却ユニット3の圧縮機25が停止される。
【0079】
すると、三方弁14は、冷却ユニット3の圧縮機25が停止中である(S3:NO)と判断され、循環ユニット2のポンプ9が運転中である(S7:YES)と判断された場合に、シーケンス回路37によるPID制御に基づいて、冷却位置とバイパス位置との間で移動される(S8)。
【0080】
この場合、冷却ユニット3の圧縮機25が停止されているので、循環ライン23内における冷媒の循環が停止している。そのため、蒸発器21の被冷却側の入口21Aに供給された水は、蒸発器21では冷却されない。
【0081】
そして、蒸発器21で冷却されずに冷水戻しライン7の下流側ライン11に排出された水は、三方弁14の移動により、一部が、冷却ライン12の上流部分12aを介して、熱交換器8の被冷却側の入口8Aに供給され、残部が、バイパスライン13、および、冷水戻しライン7の下流側ライン11を介して、熱交換器8を迂回して、冷水タンク5に戻される。
【0082】
熱交換器8の被冷却側の入口8Aに供給された一部の水は、熱交換器8において冷却水との熱交換により冷却され、冷却ライン12の下流部分12b、および、冷水戻しライン7の下流側ライン11を介して、冷水タンク5に戻される。
【0083】
つまり、PID制御によって三方弁14の位置を調整することにより、熱交換器8に供給される水の量を調整し、熱交換器8における水の冷却度合いを調整する。
【0084】
この冷却システム1によれば、
図3に示すように、冷水戻しライン7内の水を冷却するための熱交換器8に供給される冷却水の温度(冷却水温度T
2)が、冷水タンク5内の水の温度(冷水温度T
1)よりも低く、かつ、冷水温度T
1と冷却水温度T
2との差が停止設定値Δtを超過している場合(S1:YES)に、冷却ユニット3の動作を停止させる(S6)。
【0085】
これにより、冷却水温度T
2が、冷水温度T
1に対して十分に低いときに、熱交換器8のみで、冷水戻しライン7内の水を冷却できる。
【0086】
その結果、冷水戻しライン7内の水を冷却ユニット3で冷却する場合と比べて、より省エネルギー化を図ることができる。
【0087】
また、この冷却システム1によれば、
図3に示すように、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも低く、かつ、冷水温度T
1と冷却水温度T
2との差が停止設定値Δt以下である場合(S1:NO、S2:NO)、三方弁14を冷却位置に位置させて(S4)、蒸発器21から排出された水を冷却ライン12に導入する。
【0088】
これにより、冷却ユニット3と熱交換器8とを併用して、冷水戻しライン7内の水を冷却できる。
【0089】
その結果、冷水戻しライン7内の水を短時間で冷却することができる。
【0090】
また、この冷却システム1によれば、
図3に示すように、冷却水温度T
2が冷水温度T
1以上である場合(S1:NO、S2:YES)、三方弁14をバイパス位置に位置させて(S5)、蒸発器21から排出された水をバイパスライン13に導入する。
【0091】
これにより、蒸発器21から排出された水を、熱交換器8を迂回して流すことができる。
【0092】
その結果、熱交換器8に供給される冷却水の温度(冷却水温度T
2)が高い場合には、熱交換器8を使用せず、冷却ユニット3によって、水を冷却することができる。
【0093】
また、この冷却システム1によれば、
図3に示すように、冷却ユニット3の動作が停止している状態(S3:NO)で、PID制御に基づいて、三方弁14を冷却位置とバイパス位置との間で移動させ(S8)、冷却ライン12に導入される水の量を調節する。
【0094】
これにより、冷却ユニット3の動作が停止しているときに、熱交換器8を用いて、効率よく水を冷却できる。
【0095】
また、この冷却システム1によれば、熱交換器8が、液体と液体との間で熱交換する熱交換器であり、冷却水が、外部から供給される水である。
【0096】
そのため、外部から供給される冷却水の温度(冷却水温度T
2)が、冷水タンク5内の水の温度(冷水温度T
1)に対して十分に低いときに、その冷却水を用いて、冷水戻しライン7内の水を冷却できる。
【0097】
その結果、より一層、省エネルギー化を図ることができる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の温度調節システムの第2実施形態を示す概略構成図である。
【0098】
第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0099】
第1実施形態では、冷却システム1は、対象物の一例としての成形金型Mを冷却する機能のみを有している。
【0100】
対して、第2実施形態では、温度調節システム41は、対象物の一例としての成形金型Mを冷却する機能に加えて、成形金型Mを加熱する機能を有する。
【0101】
第2実施形態の温度調節システム41は、
図4に示すように、第1循環ユニット42と、第2循環ユニット43と、冷却ユニット3と、熱交換器8と、冷却水ライン4とを備える。
【0102】
第1循環ユニット42は、貯留部の一例としての冷水タンク5と、供給上流ライン44と、戻し下流ライン45と、冷却上流ライン46と、冷却下流ライン47とを備える。
【0103】
冷水タンク5は、第1実施形態の冷水タンク5と同様に構成されている。
【0104】
供給上流ライン44は、冷水タンク5内の水を第2循環ユニット43の循環タンク49(後述)に供給するための配管である。供給上流ライン44の上流端部は、冷水タンク5に接続されている。また、供給上流ライン44の下流端部は、循環タンク49の上下方向略中央に接続されている。
【0105】
戻し下流ライン45は、第2循環ユニット43のバッファタンク50(後述)内の水を、冷水タンク5に戻すための配管である。戻し下流ライン45の上流端部は、バッファタンク50の上端部に接続されている。また、戻し下流ライン45の下流端部は、冷水タンク5に接続されている。
【0106】
冷却上流ライン46は、冷水タンク5内の水を、冷却ユニット3の蒸発器21に供給するための配管である。冷却上流ライン46の上流端部は、冷水タンク5に接続されている。また、冷却上流ライン46の下流端部は、蒸発器21の被冷却側の入口21Aに接続されている。冷却上流ライン46は、ポンプ48を備える。
【0107】
ポンプ48は、冷水上流ライン46の途中に介在されている。ポンプ48は、冷水タンク5内の水を蒸発器21に送る。
【0108】
冷却下流ライン47は、蒸発器21を通過した水を、供給上流ライン44に供給するための配管である。冷却下流ライン47の上流端部は、蒸発器21の被冷却側の出口21Bに接続されている。また、冷却下流ライン47の下流端部は、供給上流ライン44の途中に接続されている。冷却下流ライン47は、冷却上流ライン46とともに第3供給ラインを構成する。冷却下流ライン47は、第1実施形態の下流側ライン11と同様に、冷却ライン12と、バイパスライン13と、切替手段の一例としての三方弁14とを備える。
【0109】
第2循環ユニット43は、循環タンク49と、バッファタンク50と、供給下流ライン51と、戻し上流ライン52とを備える。
【0110】
循環タンク49は、冷水タンク5から供給される水を貯留するタンクである。循環タンク49は、ヒータ54を備える。
【0111】
ヒータ54は、循環タンク49内に配置されている。ヒータ54は、成形金型Mを加熱する場合に作動し、循環タンク49内の水を加熱する。
【0112】
バッファタンク50は、循環タンク49の上端部に接続されている。バッファタンク50は、循環タンク49内の水の一部を貯留する。
【0113】
供給下流ライン51は、循環タンク49内の水を成形金型Mに供給するための配管である。供給下流ライン51の上流端部は、循環タンク49に接続されている。また、供給下流ライン51の下流端部は、成形金型Mの入口M1に接続されている。供給下流ライン51は、供給上流ライン44とともに、第1供給ラインを構成する。供給下流ライン51は、ポンプ53を備える。
【0114】
ポンプ53は、供給下流ライン51の途中に介在されている。ポンプ53は、循環タンク49内の水を成形金型Mに送る。
【0115】
戻し上流ライン52は、成形金型Mを冷却した水を、循環タンク49に戻すための配管である。戻し上流ライン52の上流端部は、成形金型Mの出口M2に接続されている。また、戻し上流ライン52の下流端部は、循環タンク49に接続されている。戻し上流ライン52は、戻し下流ライン45とともに、戻しラインを構成する。
【0116】
冷却ユニット3は、第1実施形態の冷却ユニット3と同様に構成されている。
【0117】
熱交換器8は、第1実施形態の熱交換器8と同様に構成され、冷却下流ライン47の冷却ライン12の途中に介在されている。
【0118】
冷却水ライン4は、第1実施形態の冷却水ライン4と同様に構成され、冷却水を熱交換器8の冷却側、および、凝縮器22の冷却側に導入する。
【0119】
次いで、
図3および
図4を参照して、第2実施形態の温度調節システム41の冷水温度制御について説明する。なお、以下の説明において、冷水温度設定値T
0および停止設定値Δtは、第1実施形態と同じである。また、第2実施形態では、制御部31は、冷却ユニット3の圧縮機25、第1循環ユニット42のポンプ48および三方弁14、第2循環ユニット43のポンプ53およびヒータ54の動作を制御する。
【0120】
温度調節システム41で成形金型Mを冷却する場合、第2循環ユニット43のヒータ54は、停止されている。
【0121】
そして、第1実施形態の冷却システム1と同様に、制御基板36のROMに格納されている温度制御プログラムが、制御基板36のCPUにより実行される(
図2参照)。
【0122】
すると、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも低く、かつ、冷水温度T
1と冷却水温度T
2との差が停止設定値Δt以下である場合(S1:NO、S2:NO)、三方弁14は、シーケンス回路37により、冷却ユニット3の圧縮機25が運転中である(S3:YES)と判断された場合に、冷却位置に位置される(S4)。
【0123】
そして、第1循環ユニット42のポンプ48が作動されると、冷水タンク5内の水は、ポンプ48により、冷却上流ライン46を介して、蒸発器21の被冷却側の入口21Aに供給される。
【0124】
すると、蒸発器21の被冷却側の入口21Aに供給された水は、冷却ユニット3の冷媒との熱交換により冷却され、蒸発器21の被冷却側の出口21Bを介して、冷却下流ライン47に排出される。
【0125】
冷却下流ライン47に排出された水は、三方弁14が冷却位置に位置していることにより、冷却ライン12の上流部分12aを介して、熱交換器8の被冷却側流路8Eの入口8Aに供給される。
【0126】
すると、熱交換器8の被冷却側流路8Eに供給された水は、熱交換器8において冷却水との熱交換により冷却され、熱交換器8の被冷却側流路8Eの出口8Bを介して、冷却ライン12の下流部分12bに排出される。すなわち、冷却ユニット3および熱交換器8は、冷却上流ライン46および冷却下流ライン47内の水を冷却することにより、冷水タンク5内の水を冷却する。冷却ライン12の下流部分12bに排出された水は、供給上流ライン44の途中に供給され、一部が冷水タンク5に戻されるとともに、残部が循環タンク49に供給される。すなわち、冷却上流ライン46および冷却下流ライン47は、冷水タンク5内の水を供給上流ライン44に供給する。
【0127】
なお、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも高い場合(S1:NO、S2:YES)、三方弁14は、シーケンス回路37により、バイパス位置に位置される(S5)。
【0128】
この場合、冷却下流ライン47に排出された水は、バイパスライン13を介して、熱交換器8を迂回し、供給上流ライン44の途中に供給される。
【0129】
また、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも停止設定値Δtを超過して低い場合、すなわち、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも低く、かつ、冷水温度T
1と冷却水温度T
2との差が停止設定値Δtを超過している場合(S1:YES、S2:NO)、冷却ユニット3の圧縮機25が停止される(S6)。
【0130】
すると、三方弁14は、冷却ユニット3の圧縮機25が停止中である(S3:NO)と判断され、循環ユニット2のポンプ9が運転中である(S7:YES)と判断された場合に、シーケンス回路37によるPID制御に基づいて、冷却位置とバイパス位置との間で移動される(S8)。
【0131】
この場合、冷水タンク5内の水は、第1実施形態と同様に、蒸発器21では冷却されず、熱交換器8のみによって冷却される。
【0132】
そして、循環タンク49内の水は、第2循環ユニット43のポンプ53が作動されることにより、供給下流ライン51を介して、成形金型Mの入口M1に供給される。これにより、成形金型Mは、入口M1に供給された水によって冷却される。その後、成形金型Mを冷却した水は、成形金型Mの出口M2、および、戻し上流ライン52を介して、循環タンク49に戻される。
【0133】
なお、循環タンク49内の水は、一部が、バッファタンク50および戻し下流ライン45を介して冷水タンク5に戻され、残部が、成形金型Mと循環タンク49との間で循環される。
【0134】
また、温度調節システム41で成形金型Mを加熱する場合には、循環タンク49内の水は、ヒータ54で加熱されて、加熱媒体として、成形金型Mと循環タンク49との間で循環される。
【0135】
第2実施形態の温度調節システム41においても、
図3に示すように、冷却水温度T
2が冷水温度T
1よりも低く、かつ、冷水温度T
1と冷却水温度T
2との差が停止設定値Δt以下である場合、三方弁14を冷却位置に位置させて、水を冷却ライン12に導入する。
【0136】
これにより、冷却ユニット3と熱交換器8とを併用して、冷却上流ライン46および冷却下流ライン47内の水を冷却できる。
【0137】
その結果、冷却上流ライン46および冷却下流ライン47内の水を短時間で冷却することができる。
【0138】
また、第2実施形態の温度調節システム41においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<変形例>
上記した第1実施形態および第2実施形態では、冷水温度センサ32によって測定された、冷水タンク5内の水の温度、すなわち冷水温度T
1を基準として、三方弁14および圧縮機25の動作を制御している(
図3、S1およびS2参照。)。
【0139】
対して、変形例では、
図5に示すように、作業者の操作により冷水温度表示器35に入力される任意の設定値、すなわち冷水温度設定値T
0を基準として、三方弁14および圧縮機25の動作を制御することもできる(S10、S11)。この場合、冷水温度設定値T
0は、第1温度の一例である。
【0140】
この変形例によれば、変動する冷水温度T
1を基準とする場合と比べて、一定の冷水温度設定値T
0に基づいて制御するので、温度調節システムの動作制御の簡略化を図ることができる。