【解決手段】 本発明は、耐熱性及び弾性を有し且つ一方向において互いに接離する雄型又は雌型の何れか一方に取り付けられるとともに、該雄型及び該雌型によって画定される成型空間内に配置される本体部を備え、該本体部は、前記成型空間内に露出する成型面を有し、該成型面は、前記雄型又は前記雌型の何れか一方の前記成型空間を画定する面のうち、少なくとも前記一方向と直交又は交差する方向において成型品と並ぶ領域を覆う。
型締することによって成型品を成型するための成型空間を画定する雄型及び雌型のうちの少なくとも何れか一方に取付可能な成型補助具であって、弾性及び耐熱性を有する本体部を備え、該本体部は、前記雄型及び前記雌型のうちの少なくとも何れか一方に取り付けられた状態で、前記成型空間を画定する面のうちの成型品を取り外す方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部の面となる成型面を有する成型用の成型補助具。
前記本体部には、外面上で開口する凹部が形成され、前記凹部は、前記雄型のコアであって、前記雌型に向けて延びるコアを挿入可能である請求項2に記載の成型用の成型補助具。
前記本体部の前記凹部は、前記コアの外側面に対応する内周面と、前記コアの先端が当接する突当面と、前記内周面及び該突当面のそれぞれに連続し且つ前記内周面側から該突当面側になるにつれて内径が小さくなる湾曲面とによって画定される請求項3に記載の成型用の成型補助具。
型締することによって成型品を成型するための成型空間を画定する雄型及び雌型を備える成型用の金型装置であって、前記雄型及び前記雌型のうちの少なくとも何れか一方に取り付け可能である成型補助具を備え、該成型補助具は、弾性及び耐熱性を有する本体部を備え、該本体部は、前記雄型及び前記雌型のうちの少なくとも何れか一方に取り付けられた状態で、前記成型空間を画定する面のうちの成型品が取り外される方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部の面となる成型面を有する成型用の金型装置。
前記本体部には、外面上で開口する凹部が形成され、前記凹部は、前記雄型のコアであって、前記雌型に向けて延びるコアを挿入可能である請求項6に記載の成型用の金型装置。
前記本体部の前記凹部は、前記コアの外側面に対応する内周面と、前記コアの先端が当接する突当面と、前記内周面及び該突当面のそれぞれに連続し且つ前記内周面側から該突当面側になるにつれて内径が小さくなる湾曲面とによって画定される請求項7に記載の成型用の金型装置。
型締することによって成型品を成型するための成型空間を画定する雄型及び雌型を備える金型装置を用いる成型方法であって、前記雄型と、前記雌型と、弾性及び耐熱性を有する成型面を含む成型補助具とによって前記成型空間を画定する成型空間形成工程と、前記成型空間内で成型した成型品を離型する離型工程とを備え、前記成型空間形成工程では、前記成型面が前記成型空間を画定する面のうちの成型補助具から成型品が取り外される方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部となるように前記雄型と、前記雌型と、前記成型補助具とを配置し、前記離型工程では、前記成型補助具を弾性変形させて前記成型面を前記成型品から離間させる成型品の成型方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、
図15に示す金型装置6では、成型品Mからコア600及びキャビティ610を取り外すために、コア600の外面や、キャビティ610の内面(凹部を画定する面)に勾配を設けることが必要となるため、成型品Mの成型に用いられるコア600の外面や、キャビティ610の内面の形状が制限される。
【0013】
また、
図16、及び
図17に示す金型装置6では、成型品Mからコア600及びキャビティ610を取り外すために、コア600や、キャビティ610を割型とする必要があるため、成型品Mの成型に用いられるコア600や、キャビティ610の形状が割型とすることができる形状に制限される。
【0014】
このように、従来の金型装置6では、成型品Mから雄型60及び雌型61から取り外せるようにする必要があるため、成型品Mの成型に用いられる雄型60や、雌型61の形状の設計の自由度が制限されていた。
【0015】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、成型品の形状が制限されることを抑えることができる成型用の成型補助具、及び成型用の金型装置、並びに成型品の成型方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の成型用の成型補助具は、型締することによって成型品を成型するための成型空間を画定する雄型及び雌型のうちの少なくとも何れか一方に取付可能な成型補助具であって、弾性及び耐熱性を有する本体部を備え、該本体部は、前記雄型及び前記雌型のうちの少なくとも何れか一方に取り付けられた状態で、前記成型空間を画定する面のうちの成型品を取り外す方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部の面となる成型面を有する。
【0017】
かかる構成によれば、本体部の成型面が成型空間を画定する面のうちの前記離型方向に対する側面の少なくとも一部となるため、該成型面には、成型空間内で成型した成型品が密接する。
【0018】
前記成型補助具では、本体部が弾性を有するため、成型面を弾性変形させることができる。従って、前記成型補助具では、成型面を弾性変形させて成型品から離すことができるため、本体部(成型面)が成型品に引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品から取り外される。そのため、前記成型補助具は、成型品の形状に拘わらず本体部を成型品から取り外すことができる。
【0019】
本発明の成型用の成型補助具において、前記本体部は、前記雄型に取付可能であり、且つ前記離型方向に対する前記雄型の側面を覆うようにしてもよい。
【0020】
かかる構成によれば、本体部が前記離型方向に対する雄型の側面を覆うため、成型面には、成型品のうちの雄型側で成型する部分が密接する。
【0021】
また、前記成型補助具では、成型面を弾性変形させて成型品から離すことができるため、本体部(成型面)は、成型品における雄型側で成型する部分に引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品から取り外される。従って、前記成型補助具は、成型品のうちの雄型側で成型する部分の形状に拘わらず本体部を成型品から取り外すことができる。
【0022】
そして、本発明の成型用の成型補助具において、前記本体部には、外面上で開口する凹部が形成され、前記凹部は、前記雄型のコアであって、前記雌型に向けて延びるコアを挿入可能であってもよい。
【0023】
かかる構成によれば、本体部に形成される凹部がコアを挿入可能であるため、凹部にコアが挿入されると、本体部が変形し難くなる。そして、凹部からコアが引き抜かれると、本体部を容易に変形させることができる状態になる。従って、前記成型補助具では、成型品の成型時に本体部の変形を抑え、成型品の取り外し時に本体部を変形させ易くすることができる。
【0024】
この場合、前記本体部の前記凹部は、前記コアの外側面に対応する内周面と、前記コアの先端が当接する突当面と、前記内周面及び該突当面のそれぞれに連続し且つ前記内周面側から該突当面側になるにつれて内径が小さくなる湾曲面とによって画定されてもよい。
【0025】
かかる構成によれば、成型面に作用する外力によって本体部(凹部を画定する部分)がコアに押し付けられたときに、該コアから本体部に作用する反力が一か所に集中することが抑えられる。従って、前記成型補助具では、本体部が破損することを抑えることができる。
【0026】
本発明の成型用の金型装置は、型締することによって成型品を成型するための成型空間を画定する雄型及び雌型を備える成型用の金型装置であって、前記雄型及び前記雌型のうちの少なくとも何れか一方に取り付け可能である成型補助具を備え、該成型補助具は、弾性及び耐熱性を有する本体部を備え、該本体部は、前記雄型及び前記雌型のうちの少なくとも何れか一方に取り付けられた状態で、前記成型空間を画定する面のうちの成型品が取り外される方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部の面となる成型面を有する。
【0027】
かかる構成によれば、本体部の成型面が成型空間を画定する面のうちの前記離型方向に対する側面の少なくとも一部となるため、該成型面には、成型空間内で成型した成型品が密接する。
【0028】
前記金型装置では、成型補助具の本体部が弾性を有するため、該本体部の成型面を弾性変形させることができる。従って、前記金型装置では、成型面を弾性変形させて成型品から離すことができるため、本体部(成型面)が成型品に引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品から取り外される。そのため、前記金型装置は、成型品の形状に拘わらず本体部を成型品から取り外すことができる。
【0029】
本発明の成型用の金型装置において、前記本体部は、前記雄型に取付可能であり前記成型面は、前記離型方向に対する前記雄型の側面を覆うようにしてもよい。
【0030】
かかる構成によれば、本体部が前記離型方向に対する雄型の側面を覆うため、成型面には、成型空間内で成型した成型品における雄型側で成型する部分が密接する。
【0031】
また、前記金型装置では、成型面を弾性変形させて成型品から離すことができるため、本体部(成型面)は、成型品における雄型側で成型する部分に引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品から取り外される。従って、前記金型装置は、成型品のうちの雄型側で成型する部分の形状に拘わらず本体部を成型品から取り外すことができる。
【0032】
本発明の成型用の金型装置において、前記本体部には、外面上で開口する凹部が形成され、前記凹部は、前記雄型のコアであって、前記雌型に向けて延びるコアを挿入可能であってもよい。
【0033】
かかる構成によれば、本体部に形成される凹部がコアを挿入可能であるため、凹部にコアが挿入されると、本体部が変形し難くなる。そして、凹部からコアが引き抜かれると、本体部を容易に変形させることができる状態になる。従って、前記金型装置では、成型品の成型時に本体部の変形を抑え、成型品の取り外し時に本体部を変形させ易くすることができる。
【0034】
この場合、前記本体部の前記凹部は、前記コアの外側面に対応する内周面と、前記コアの先端が当接する突当面と、前記内周面及び該突当面のそれぞれに連続し且つ前記内周面側から該突当面側になるにつれて内径が小さくなる湾曲面とによって画定される ようにしてもよい。
【0035】
かかる構成によれば、成型面に作用する外力によって本体部(凹部を画定する部分)がコアに押し付けられたときに、該コアから本体部に作用する反力が一か所に集中することが抑えられる。従って、前記金型装置では、本体部が破損することを抑えることができる。
【0036】
本発明の成型品の成型方法は、型締することによって成型品を成型するための成型空間を画定する雄型及び雌型を備える金型装置を用いる成型方法であって、前記雄型と、前記雌型と、弾性及び耐熱性を有する成型面を含む成型補助具とによって前記成型空間を画定する成型空間形成工程と、前記成型空間内で成型した成型品を離型する離型工程とを備え、前記成型空間形成工程では、前記成型面が前記成型空間を画定する面のうちの成型補助具から成型品が取り外される方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部となるように前記雄型と、前記雌型と、前記成型補助具とを配置し、前記離型工程では、前記成型補助具を弾性変形させて前記成型面を前記成型品から離間させる。
【0037】
かかる構成によれば、成型空間形成工程では、成型面が成型空間を画定する面のうちの成型補助具から成型品が取り外される方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部となるように雄型と、雌型と、成型補助具とを配置するため、本体部の成型面が成型空間を画定する面のうちの離型方向に対する側面の少なくとも一部となるため、該成型面には、成型空間内で成型した成型品が密接する。
【0038】
そして、離型工程では、成型補助具を弾性変形させて成型面を成型品から離間させるため、成型補助具(成型面)が成型品に引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品から取り外される。従って、前記成型方法は、成型品の形状に拘わらず成型補助具を成型品から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0039】
以上のように、本発明の成型用の成型補助具、及び成型用の金型装置、並びに成型品の成型方法によれば、成型品の形状が制限されることを抑えることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の一実施形態に係る成型用の成型補助具(以下、成型補助具とする)について、添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0042】
本実施形態に係る成型補助具は、溶融した材料(例えば、樹脂材料)を加工して成型品とする樹脂成型を行うための金型装置の一部を構成する部品として用いられるものである。そのため、本実施形態では、成型補助具を備える金型装置について説明を行う。また、本実施形態では、射出成形を行うことを前提として以下の説明を行うが、成型補助具、及び金型装置は、コンプレッション成型や、トランスファー成形等に用いてもよい。
【0043】
図1に示すように、金型装置1は、型締することによって成型品を成型する成型空間Dを画定する雄型2及び雌型3を備える。また、金型装置1は、雄型2及び雌型3から成型品を取り外すための離型機構4を備える。そして、金型装置1は、雄型2又は雌型3の少なくとも何れか一方に取り付けられる成型補助具5を備える。
【0044】
本実施形態では、雄型2と雌型3とが接離する方向である接離方向をY軸方向として、以下の説明を行うこととする。また、本実施形態では、Y軸方向と直交する方向(雌型3の後述するキャビティ30の隔壁体300が互いに離間する方向)をX軸方向とし、Y軸方向及びX軸方向のそれぞれに直交する方向をZ軸方向として説明を行う場合がある。
【0045】
雄型2は、Y軸方向に延びるコア20と、該コア20が取り付けられる雄側型盤ユニット21とを有する。
【0046】
図3に示すように、コア20は、Y軸方向において雌型3に向けて延びるコア本体200を有する。また、コア20は、コア本体200と一体的である台部201を有する。
【0047】
コア本体200は、Y軸方向に先端と該先端とは反対側の基端とを有する。コア本体200は、先細りであり、さらに、先端が丸みを帯びている。
【0048】
コア本体200の外面には、Y軸方向における一方の端面である先端面200aと、Y軸方向に対する側面である外側面200bと、先端面200aと外側面200bとに連続する曲面200cとが含まれる。
【0049】
先端面200aは、成型補助具5における後述する凹部504の突当面504bに当接する。外側面200bには、基端側から先端側になるにつれて外周が小さくなるテーパー面が含まれる。
【0050】
曲面200cは、外側面200b側から先端面200a側になるにつれて外周が小さくなるように湾曲する。すなわち、曲面200cは、丸みを帯びている部分である。
【0051】
台部201は、コア本体200の基端と一体的である。台部201の外周は、コア本体200の基端の外周よりも大きい。
【0052】
図1に示すように、雄側型盤ユニット21は、コア本体200が固定(台部201が固定)される雄側型盤210と、Y軸方向において該雄側型盤210との間に間隔をあけて配置され、且つ該雄側型盤210を外部の機器(本実施形態では、型締機)に取り付けるための雄側取付盤211とを有する。また、雄側型盤ユニット21は、雄側型盤210と雄側取付盤211とに取り付けられるスペーサ212を有する。
【0053】
雄側型盤210は、板状である。また、雄側型盤210は、雌型3側に配置される第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。
図4に示すように、雄側型盤210では、X軸方向における両端が、Z軸方向における両端よりも長い。すなわち、本実施形態に係る雄側型盤210では、X軸方向における両端が短辺となり、Z軸方向における両端が長辺となる。
【0054】
雄側型盤210は、Y軸方向に延びる開閉ピンP1を挿通する複数の貫通穴210aが形成されている。本実施形態に係る雄側型盤210には、四隅のそれぞれに貫通穴210aが形成されている。
【0055】
また、雄側型盤210は、離型機構4の後述する突上ピン401を挿通する複数の挿込穴210bが形成されている。本実施形態に係る雄側型盤210は、四隅のそれぞれの近傍の領域に対して挿込穴210bが形成されている。
【0056】
さらに、雄側型盤210には、短辺のそれぞれから中央部に向けて延びる凹みによって構成される逃部210cが形成されている。
【0057】
そして、雄側型盤210は、中央部に形成されるコア20の台部201が配置される配置部210dを有する。配置部210dは、雄側型盤210の第一面に形成される凹みで構成されている。本実施形態に係る雄型2では、コア20の台部201が配置部210d内に配置された状態で雄側型盤210に固定されている。
【0058】
図2に示すように、雄側取付盤211は、板状である。雄側取付盤211は、雄側型盤210側に向けて配置される第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。
【0059】
そして、雄側取付盤211には、第一面から第二面に亘って貫通する突上穴211aが形成されている。
【0060】
本実施形態に係る雄側型盤ユニット21では、二つのスペーサ212がX軸方向において間隔を空けて配置されている。そのため、雄側型盤ユニット21では、スペーサ212によって、雄側型盤210と、雄側取付盤211との間に空間が確保されている。
【0061】
図1に示すように、雌型3は、該コア20を収容可能な収容凹部を画定するするキャビティ30と、Y軸方向において雄側型盤ユニット21が付き合わされる雌側型盤ユニット31と、を有する。また、本実施形態に係る雌型3は、成型空間D内に溶融した材料を充填するための充填構造32を有する。
【0062】
本実施形態に係るキャビティ30は、割型である。より具体的に説明する。
図6に示すように、キャビティ30は、複数(本実施形態では、二つ)の隔壁体300を有する。
【0063】
隔壁体300は、Y軸方向において雌側型盤ユニット31に当接する当接面300aと、X軸方向において雌側型盤ユニット31に対向する対向面300bと、を有する。
【0064】
また、隔壁体300は、収容凹部を画定するための凹部形成面300cを有する。隔壁体300は、X軸方向において互いに接離可能に構成されている。そして、隔壁体300は、X軸方向において互いに接近して突き合わされると、それぞれの凹部形成面300cが連続するように構成される。
【0065】
雌側型盤ユニット31は、キャビティ30を収容可能な雌側型盤310と、該雌側型盤310を外部の機器(本実施形態では、射出機)に取り付けるための雌側取付盤311とを有する。
【0066】
雌側型盤310は、雄型2側に向けて配置される第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。雌側型盤310には、雄型2側に開放する凹状の収容部310aが形成されている。また、雌側型盤310には、第二面から収容部310aに連通する取付穴310bが形成されている。本実施形態における取付穴310bは、段付穴である。そのため、取付穴310bは、雌側型盤310の第一面側の内径が雌側型盤310の第二面側の内径よりも大きい。なお、本実施形態では、取付穴310bのうちの雌側型盤310の第一面側の部分を大径穴とし、取付穴310bのうちの雌側型盤310の第二面側の部分を小径穴とする。
【0067】
さらに、本実施形態に係る雌側型盤310には、Y軸方向において貫通穴210aと対応する位置に非貫通の穴(第一面側のみに開口する穴)である受穴310cが形成されている(
図2参照)。
【0068】
雌側取付盤311は、雌側型盤310(雌側型盤310の第二面)に重ね合わされる第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。雌側取付盤311は、第一面を雌側型盤310の第二面に重ね合わされた状態で該雌側型盤310に固定されている。
【0069】
また、雌側取付盤311には、取付穴310bと対応する位置に連通穴311aが形成されている。そのため、雌側取付盤311の連通穴311aは、取付穴310bに連通する。なお、連通穴311aは、雌側取付盤311の第一面から雌側取付盤311の第二面に亘って貫通する。
【0070】
さらに、本実施形態に係る雌側取付盤311では、第二面に対して環状のロケートリングRが取り付けられている。ロケートリングRは、内部が連通穴311aと連通するように配置されている。そのため、本実施形態に係る雌側取付盤311では、ロケートリングRの内部と、連通穴311aとに射出機が挿入される。
【0071】
成型空間Dは、雌側型盤310の取付穴310bに挿入されるスプルーブッシュ320を備える。スプルーブッシュ320には、溶融した材料を外部から成型空間D内に流通させるための流通路320aが形成される。
【0072】
また、スプルーブッシュ320は、雌側型盤310の取付穴310bに挿入されると、取付穴310bに挿入する方向における一方の端部が隔壁体300の間に介在するように構成される。より具体的に説明する。スプルーブッシュ320は、雌側型盤310に挿し込む挿込部320bと、該挿込部320bから延出するとともに、収容凹部内に配置される進出部320cと、を有する。
【0073】
取付穴310bは、上述のように、大径穴と小径穴とを含むため、挿込部320bは、Y軸方向における一端側(進出部320c側)の外径がY軸方向における他端側の外径よりも小さくなっている。
【0074】
進出部320cは、隔壁体300が互いに付き合わされると、該進出部320cの側面が全周に亘って該隔壁体300に密接する。また、進出部320cは、隔壁体300が互いに付き合わされると、先端側の端面が隔壁体300の凹部形成面300cと連続するように構成される。すなわち、本実施形態に係る雌型3では、進出部320cの先端側の端面と、隔壁体300の凹部形成面300cとが協働してコア20を収容可能な凹部を画定する。
【0075】
本実施形態に係るスプルーブッシュ320では、流通路320aがY軸方向で挿込部320bと進出部320cとを貫通するように構成される。より具体的に説明する。スプルーブッシュ320は、挿込部320bの端面に形成される凹状の当部320dと、該当部320dから進出部320cの先端側の端面に亘って貫通するスプルー320eとを有する。
【0076】
図1に示すように、離型機構4は、コア20を成型品から取り外すための突出ユニット40と、キャビティ30を成型品から取り外すためのガイドユニット41とを有する。
【0077】
図2に示すように、突出ユニット40は、雄側型盤210上(雄側型盤210と雌側型盤310との間)に配置されるストリッパー400であって、Y軸方向において、雄側型盤210に対して相対的に移動可能であるストリッパー400を有する。また、突出ユニット40は、前記ストリッパー400を雌側型盤310に向けて突き上げる突上ピン401を有する。
【0078】
さらに、突出ユニット40は、雄側取付盤211上に配置される押上板であって、突上ピン401を押し上げる押上板402と、該押上板402上に配置されるとともに、突上ピン401が挿通される固定板403と、該固定板403を雄側取付盤211に向けて(雌側型盤310から離れる方向に向けて)付勢する付勢部材404とを有する。
【0079】
ストリッパー400は、板状である。また、ストリッパー400は、雌型3に対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。そのため、ストリッパー400は、第二面が雄側型盤210の第一面と対向するように配置される。
【0080】
図5に示すように、ストリッパー400では、Z軸方向における両端が、X軸方向における両端よりも長い。すなわち、本実施形態に係るストリッパー400は、X軸方向における両端が短辺となり、Z軸方向における両端が長辺となる。
【0081】
ストリッパー400には、Y軸方向において貫通穴210aと対応する位置に挿通用連通穴400aが形成される。挿通用連通穴400aは、ストリッパー400の四隅のそれぞれに形成されている。従って、本実施形態に係る金型装置1では、雄側型盤210の貫通穴210aと、ストリッパー400の挿通用連通穴400aと、雌側型盤310の受穴310cとのそれぞれに対して開閉ピンP1が挿通されている。
【0082】
さらに、ストリッパー400には、短辺のそれぞれから中央部に向けて延びる凹みによって構成される逃部400bが形成されている。ストリッパー400の逃部400bは、Y軸方向において、雄側型盤210の逃部210cと対応する位置に形成されている。
【0083】
そして、雄側型盤210の中央部には、コア本体200が挿通される挿通穴400cが形成されている。そのため、本実施形態では、ストリッパー400を雄側型盤210から離れる方向に移動させることによって、挿通穴400cからコア本体200が外れた状態にすることができる。
【0084】
さらに、ストリッパー400には、X軸方向において隔壁体300を案内する案内溝400dが形成されている(
図1参照)。また、ストリッパー400では、X軸方向における一端側とX軸方向における他端側とのそれぞれに案内溝400dが形成されている。すなわち、ストリッパー400には、一対の案内溝400dが形成されている。
【0085】
突上ピン401は、雄側型盤210の挿込穴210bのそれぞれに挿通されている。すなわち、本実施形態に係る突出ユニット40は、四本の突上ピン401を有する。
【0086】
これに伴い、固定板403には、突上ピン401を挿通するための四つの固定穴403aが形成されている。
【0087】
図7に示すように、ガイドユニット41は、雌側型盤310から雄側型盤210に向けて延び且つ基端部が雌側型盤310に固定されるガイドピン410であって、先端部が基端部よりもコア20から離れるように傾斜するガイドピン410と、該ガイドピン410が挿通される被ガイド部411であって、隔壁体300に固定される被ガイド部411と、を有する。さらに、本実施形態に係るガイドユニット41は、被ガイド部411のストリッパー400からの脱落を防止する脱落防止部材412を有する。
【0088】
ガイドピン410は、雄側型盤210の逃部210c、及びストリッパー400の逃部400b内を通るように配置される。従って、本実施形態に係る金型装置1では、雄型2と雌型3とを接離させるに伴い、ガイドピン410が雄側型盤210や、ストリッパー400に干渉することが防止されている。
【0089】
被ガイド部411と、脱落防止部材412とは、X軸方向において並ぶように配置される。そのため、ガイドユニット41では、X軸方向において被ガイド部411が互いに離間するようにスライドすると、該被ガイド部411が脱落防止部材412に当接する。
【0090】
成型補助具5は、雄型2及び雌型3のうちの少なくとも何れか一方(本実施形態では、雄型2)に取り付けられる。そして、成型補助具5は、雄型2及び雌型3が型締された状態において、成型空間D内に配置される。
【0091】
そのため、本実施形態に係る成型補助具5は、外面が成型空間Dを画定する面の一部を構成する。すなわち、成型補助具5の外面が成型品の成型に用いられる。
【0092】
より具体的に説明する。成型補助具5は、
図8に示すように、成型空間D内に配置される本体部50を備える。また、成型補助具5は、本体部50を雄型2に取り付けるための取付部51を有する。
【0093】
本体部50は、コア本体200の周囲を取り囲む側部500と、Y軸方向においてコア本体200の先端面200aと並ぶ先端部501と、側部500と先端部501とに連続する隅部502とを有する。
【0094】
側部500の外面は、外方に膨らむ。より具体的に説明すると、側部500の外面は、周方向全周に亘って外方に膨らむ。
【0095】
先端部501の外面は、Y軸方向において、スプルーブッシュ320の流通路320aに対応する位置に配置される。先端部501厚みは、側部500の最大厚みよりも小さくなるように設定されている。
【0096】
隅部502の外面は、側部500側から先端部501側になるにつれて、外周が小さくなるように構成されている。すなわち、隅部502の外面は、丸みを帯びている。
【0097】
本体部50は、雄型2及び雌型3のうちの少なくとも何れか一方(本実施形態では、雄型2)に取り付けられた状態で、成型空間Dを画定する面のうちの成型品を取り外す方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部の面となる成型面503を有する。
また、本体部50には、外面上で開口する凹部504が形成されている。なお、本実施形態における離型方向は、雄型2と雌型3とを離間させる方向に対応している。
【0098】
本実施形態に係る本体部50では、該本体部50の外面によって成型面503が構成されている。成型面503(本体部50の外面)には、Y軸方向に対する外側面となる側部外面503a(側部500の外面)と、Y軸方向における先端部の端面である先端面503b(先端部501の外面)と、側部外面503aと、先端面503bとに連続する隅部外面503c(隅部502の外面)とが含まれる。
【0099】
本実施形態に係る成型補助具5では、上述のように、凹部504がコア20を挿入可能に構成されている。すなわち、取付部51は、凹部504である。本実施形態では、取付部51を凹部504として以下の説明を行うこととする。
【0100】
凹部504は、成型面503から外れた位置で開口する。また、凹部504を画定する面には、コア本体200の外側面200bに対応する内周面504aと、コア本体200の先端面200aに対応する突当面504bと、コア本体200の曲面200cに対応する湾曲面504cとが含まれる。
【0101】
凹部504は、コア20に対して着脱可能である。より具体的に説明する。凹部504では、内周面504aの内周が開口側になるにつれて拡がっている。そのため、本実施形態に係る金型装置1では、Y軸方向において成型補助具5をコア本体200から離れる方向に移動させると、該成型補助具5がコア本体200から抜き取られる。
【0102】
湾曲面504cは、内周面504a側から突当面504b側になるにつれて、内周が小さくなるように構成されている。
【0103】
本実施形態に係る金型装置1の説明は、以上の通りである。続いて、金型装置1を用いる成型品の成型方法の説明を行う。
【0104】
本実施形態に係る成型方法は、型締することで成型空間Dを形成する雄型2及び雌型3を備える金型装置1を用いる成型方法である。そして、本実施形態に係る成型方法は、前記雄型2と、前記雌型3と、弾性及び耐熱性を有する成型面503を含む成型補助具5とによって前記成型空間Dを形成する成型空間形成工程と、前記成型空間D内で成型した成型品を離型する離型工程とを備える。
【0105】
また、成型方法は、成型空間形成工程を行った後に、成型空間D内に溶融した材料を充填して、該材料を固化させて成型品とする成型工程を備える。
【0106】
成型空間形成工程では、前記成型面503が前記成型空間Dを画定する面のうちの成型補助具5から成型品が取り外される方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部となるように前記雄型2と、前記雌型3と、前記成型補助具5とを配置する。本実施形態では、成型補助部材の凹部504にコア本体200を挿入する。
【0107】
これに伴い、コア本体200の先端面200aと凹部504の突当面504bとが当接し、コア本体200の曲面200cと凹部504の湾曲面504cとが当接し、さらに、コア本体200の外側面200bと凹部504の内周面504aとが当接する。
【0108】
そして、型締機によって、雄側取付盤211を雌側取付盤311に接近させる。これに伴い、コア20とキャビティ30とが雌側型盤310に接近する。これに伴い、キャビティ30の隔壁体300は、雌側型盤310に接近するに伴って互いに接近して付き合わされる。
【0109】
より具体的に説明する。雄側型盤210が雌側型盤310に接近すると、該雄側型盤210によって被ガイド部411が雌側型盤310に向けて押し上げられる(雌側型盤310に接近する)。このとき、被ガイド部411は、ガイドピン410によって、互いに接近する方向に案内される。これに伴い、隔壁体300が互いに接近する方向にスライドする。
【0110】
そして、隔壁体300が互いに付き合わされると、進出部320cの側面には、該隔壁体300が密接する。これにより、進出部320cの先端側の端面と、隔壁体300の凹部形成面300cとが連続し、収容凹部が画定される。このとき、収容凹部内には、成型補助具5が取り付けられたコア本体200が配置された状態になっている。
【0111】
成型工程では、溶融させた材料が充填構造32によって成型空間内に供給される。本実施形態では、スプルーブッシュ320の流通路320aを通じて成型空間D内に材料が充填される。そして、材料を固化させて成型品とする。
【0112】
離型工程では、型締機によって、雄側取付盤211を雌側取付盤311から離れる方向に移動させると、キャビティ30が雌側型盤310の収容部310a内から取り出される。さらに、
図9に示すように、雄側取付盤211を雌側取付盤311から離れる方向に移動させると、ガイドピン410によって被ガイド部411が互いに離れる方向に案内され、これに伴い、隔壁体300が互いに離間する方向に移動する。このようにして、
図10に示すように、成型品Mが雌型3(キャビティ30)から取り外される。
【0113】
そして、押上板402を雄側型盤210に向けて移動させると、該押上板402によって突上ピン401が押し上げられる。これに伴い、突上ピン401によってストリッパー400が雌側型盤310に向けて押されると、
図11に示すように、該ストリッパー400によって成型品Mがコア本体200から離れる方向に押されるため、成型品Mとともに成型補助具5がコア本体200から取り外される。そして、成型補助具5を弾性変形させて成型面503を成型品から離間させる。すなわち、本体部50の成型面503を弾性変形させて成型品Mから離すことによって、成型補助具5を成型品Mから取り外す。
【0114】
以上のように、成型補助具5を備える金型装置1では、本体部50の成型面503が成型空間Dを画定する面のうちの離型方向に対する側面の少なくとも一部となるため、該成型面503には、成型空間D内で成型した成型品Mが密接する。
【0115】
しかしながら、本体部50が弾性を有するため、成型面503を弾性変形させることができる。従って、成型補助具5を備える金型装置1では、成型面503を弾性変形させて成型品Mから離すことができるため、本体部50(成型面503)が成型品Mに引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品Mから取り外される。そのため、成型補助具5を備える金型装置1は、成型品Mの形状に拘わらず本体部50を成型品Mから取り外すことができる。
【0116】
本実施形態では、本体部50が離型方向に対する雄型2の側面(本実施形態では、雄型2のコア20の側面の略全体)を覆うため、成型面503には、成型空間D内で成型した成型品Mにおける雄型2側で成型する部分が密接するが、成型面503を弾性変形させて成型品Mから離すことができるため、本体部50(成型面503)が成型品Mにおける雄型2側で成型する部分に引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品Mから取り外される。従って、成型補助具5を備える金型装置1は、成型品Mのうちの雄型2側で成型する部分の形状に拘わらず本体部50を成型品Mから取り外すことができる。
【0117】
さらに、本実施形態に係る成型補助具5を備える金型装置1では、本体部50に形成される凹部504がコア20を挿入可能であるため、凹部504にコア20(コア本体200)が挿入されると、該コア20によって本体部50が内側から支えられるため、本体部50が外部から作用する外力によって変形することを抑えることができる。そして、離型時において、凹部504からコア20が引き抜かれると、本体部50内に空間が形成されるため、本体部50を変形させて成型面503を成型品Mから離すことができるようになる。
【0118】
そして、本体部50の凹部504は、コア20の外側面200bに対応する内周面504aと、コア20の先端が当接する突当面504bと、内周面504a及び該突当面504bのそれぞれに連続し且つ内周面504a側から該突当面504b側になるにつれて内径が小さくなる湾曲面504cとによって画定され、さらに、湾曲面504cには、コア本体200の曲面200cが当接する。
【0119】
そのため、成型面503に作用する外力によって本体部50(凹部504を画定する部分)がコア20に押し付けられたときに、該コア20から本体部50に作用する反力が一か所に集中することが抑えられる。従って、成型補助具5を備える金型装置1では、本体部50が破損することを抑えることができる。
【0120】
そして、成型品Mの成型方法では、成型面503が成型空間Dを画定する面のうちの成型補助具5から成型品Mが取り外される方向である離型方向に対する側面の少なくとも一部となるように雄型2と、雌型3と、成型補助具5とを配置するため、本体部50の成型面503が成型空間Dを画定する面のうちの離型方向に対する側面の少なくとも一部となるため、該成型面503には、成型空間D内で成型した成型品Mが密接する。
【0121】
しかしながら、離型工程では、成型補助具5を弾性変形させて成型面503を成型品Mから離間させるため、成型補助具5(成型面503)が成型品Mに引っ掛かったり、擦れたりすることなく成型品Mから取り外される。従って、成型方法は、成型品Mの形状に拘わらず成型補助具5を成型品Mから取り外すことができる。
【0122】
以上のように、本実施形態に係る成型補助具5、及び金型装置1、並びに成型方法によれば、成型品Mの形状が制限されることを抑えることができる。
【0123】
なお、本発明に係る成型補助具5、及び金型装置1、並びに成型方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0124】
上記実施形態において、本体部50の成型面503には、成型品Mのアンダーカットを形成する領域が含まれるが、この構成に限定されない。例えば、
図12に示すように、本体部50の外面は、Y軸方向において真っ直ぐに延びていてもよい。
【0125】
より具体的に説明すると、本体部50の側部外面503aは、Y軸方向において真っ直ぐに延びていてもよい。この場合においても、本体部50の成型面503には、抜き勾配が設けられていないが、本体部50の成型面503を弾性変形させて成型品Mから離すことによって、成型補助具5を成型品Mから取り外すことができる。
【0126】
上記実施形態において、成型補助具5は、雄型2(コア20)に取り付けられることを前提としていたが、この構成に限定されない。例えば、成型補助具5は、雌型3(キャビティ30)に取り付けられてもよい。
【0127】
より具体的に説明すると、成型補助具5は、本体部50が雌型3に取付可能であり、離型方向に対する雌型3の側面を覆うように構成されていてもよい。この場合、本体部50は、雌型3のキャビティ30が画定する収容凹部に取り付けられる。
【0128】
この場合、本体部50の成型面503は、該本体部50の内周面504aによって構成される。また、本体部50の成型面503(内周面504a)は、
図13に示すように、成型品Mのアンダーカットを形成する領域が含まれていてもよい。すなわち、本体部50の内周面504aが外側に向けて湾曲していてもよい。さらに、本体部50の成型面503(内周面504a)は、
図14に示すように、本体部50の内周面504aがY軸方向において真っ直ぐに延びるように形成されていてもよい。
【0129】
上記実施形態に係る金型装置1は、雄型2(コア20)のみに成型補助具5が取り付けられていたが、この構成に限定されない。例えば、金型装置1は、雄型2と雌型3とのそれぞれに個別の成型補助具5が取り付けられていてもよい。
【0130】
上記実施形態では、雄側型盤ユニット21が型締機に取り付けられていたが、この構成に限定されない。すなわち、上記実施形態では、Y軸方向において、雌側型盤ユニット31に対して雄側型盤ユニット21を移動させていたが、雄側型盤ユニット21に対して雌側型盤ユニット31を移動させてもよいし、雄側型盤ユニット21と雌側型盤ユニット31とを移動させてもよい。すなわち、雄側型盤ユニット21と雌側型盤ユニット31とは、Y軸方向において相対移動するように構成されていればよい。
【0131】
上記実施形態では、成型空間D内に溶融した材料を充填するための構造を雌側型盤ユニット31が有していたが、この構成に限定されない。例えば、成型空間D内に溶融した材料を充填するための構造を雄側型盤ユニット21が有するようにしてもよい。すなわち、上記実施形態では、雌側取付盤311が射出装置に取り付けられていたが、この構成に限定されない。例えば、雄側取付盤211が射出装置に取り付けられていてもよい。
【0132】
上記実施形態において、キャビティ30は、二つの隔壁体300に分割されていたが、この構成に限定されない。例えば、キャビティ30は、三つ以上の隔壁体300に分割されていてもよい。なお、雌型3に成型補助具5が取り付けられる場合は、キャビティ30を割型としなくてもよい。
【0133】
上記実施形態において、取付部51は、本体部50に形成される凹みによって構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、取付部51は、本体部50から延びる延出部によって構成し、該延出部をコア本体200に挿入するようにしてもよい。この場合、本体部50を中実とすることができる。
【0134】
上記実施形態において、成型補助具5は、成型空間内に配置されるコア20全体を覆うように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、成型補助具5は、筒状に形成され、内部にコア20を挿通するように構成されていてもよい。
【0135】
すなわち、成型補助具5は、雄型2又は雌型3の何れか一方の成型空間Dを画定する面のうち、少なくとも前記一方向と直交又は交差する方向において成型品Mと並ぶ領域を覆うように構成されていればよい。
【0136】
かかる構成によれば、離型を行う際に、本体部50を弾性変形させることで該本体部50の成型面503外面を成型品Mから離すことができるため、本体部50の成型面503に成型品Mのアンダーカットを成型する面が含まれていても、成型品Mのアンダーカットから該成型補助具5を取り外すことができる。
【0137】
上記実施形態において、特に言及しなかったが、本体部50は、成型面503を弾性変形させて成型品Mから離すことによって、成型補助具5を成型品Mから取り外すことができるため、本体部50の外面(成型面503)には、凹凸で構成される模様であって、成型品Mに転写する模様を施すこともできる。
【0138】
上記実施形態では、成型品Mとしてグラスを成型することを前提に成型補助具5、及び金型装置1、並びに成型方法についての説明を行ったが、成型する対象とすることができる成型品Mは、グラスに限定されない。