【解決手段】車載装置1は、タッチパネル11と、タッチパネル11が接触操作された場合、接触操作された接触位置を検出し、また、タッチパネル11にオブジェクト画像を表示する制御部20とを備え、制御部20は、オブジェクト画像の表示領域に対応する領域に2箇所の接触位置を検出し、検出した2箇所の接触位置の少なくともいずれか一方の状態が所定の態様で変化した場合、接触位置の状態の変化に応じて、オブジェクト画像を立体的に傾けて表示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0009】
図1(A)は、本実施形態に係る車載装置1(表示装置)の正面図である。
車載装置1は、車両のダッシュボード等に搭載される装置である。車載装置1は、後述するように、車両の現在位置を検出する自車位置検出を行う機能、地図上に車両の現在位置を表示する車両位置表示を行う機能、目的地までの経路を探索する経路探索を行う機能、及び、地図を表示して、地図上に目的地までの経路を表示し目的地までの経路を案内する経路案内を行う機能等を備える。
【0010】
図1(A)に示すように、車載装置1は、制御基板や、インターフェイスボード、電源回路等を収納する筐体10を備える。筐体10の正面には、タッチパネル11が設けられる。筐体10の正面において、タッチパネル11の下方には、パネル15が設けられる。パネル15の中央部には、CD(Compact Disc)や、DVD(Digital Versatile Disk)等のメディアを載置するトレイの出し入れが可能な挿入口14が設けられる。また、パネル15には、電源スイッチ12や、各種指示入力を行う入力スイッチ13、トレイの出し入れを指示するイジェクトスイッチ16等の操作スイッチSが設けられる。
【0011】
以下の説明では、
図1(A)の矢印で示すように、車載装置1を正面視したときに左に向かう方向を「左方向」とし、右に向かう方向を「右方向」とし、上に向かう方向を「上方向」とし、下に向かう方向を「下方向」とする。
【0012】
図1(B)は、車載装置1の斜視図である。
以下の説明では、
図1(B)の矢印で示すように、車載装置1の奥行き方向において、正面側に向かう方向を「前方向」とし、裏面側に向かう方向を「後方向」とする。
【0013】
図2は、車載装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車載装置1は、制御部20と、記憶部21と、操作部22と、GPSユニット24と、相対方位検出ユニット25と、ビーコン受信ユニット26と、FM多重受信ユニット27と、メディア制御部28と、音声処理部29と、タッチパネル11と、を備える。
【0014】
制御部20は、CPUや、ROM、RAM、その他周辺回路等を備え、車載装置1の各部を制御する。制御部20は、例えば、CPUが、ROMが記憶する制御プログラムを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により、車載装置1の各部を制御する。
【0015】
記憶部21は、不揮発性メモリーを備え、各種データを記憶する。記憶部21は、地図データ211を記憶する。地図データ211は、道路の形状の描画に係る道路描画データや、地形等の背景の描画に係る背景描画データ、行政区画等の文字列の描画に係る文字列描画データ等の地図の表示に係る描画データを含む。また、地図データ211は、交差点等の道路網における結線点に対応するノードに関する情報を有するノード情報や、ノードとノードとの間に形成される道路に対応するリンクに関する情報を有するリンク情報等の経路の探索、及び、経路の案内に係る情報を含む。
【0016】
操作部22は、操作スイッチSを備え、操作スイッチSに対する操作を検出し、操作に対応する信号を制御部20に出力する。制御部20は、操作部22から入力された信号に基づいて、操作に対応する処理を実行する。
【0017】
GPSユニット24は、図示せぬGPSアンテナを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両の現在位置と進行方向とを演算により取得する。GPSユニット24は、取得結果を制御部20に出力する。
【0018】
相対方位検出ユニット25は、ジャイロセンサと、加速度センサとを備える。ジャイロセンサは、例えば振動ジャイロにより構成され、車両の相対的な方位(例えば、ヨー軸方向の旋回量)を検出する。加速度センサは、車両に作用する加速度(例えば、進行方向に対する車両の傾き)を検出する。相対方位検出ユニット25は、検出結果を制御部20に出力する。
【0019】
ビーコン受信ユニット26は、車両が走行する道路に設けられた電波ビーコンや光ビーコンが発する道路交通情報に係る電波を受信し、受信した電波に基づいて道路交通情報を生成し、生成した道路交通情報を制御部20に出力する。道路交通情報は、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)情報であり、渋滞に関する情報や、道路の交通規制に関する情報等を含む。
【0020】
FM多重受信ユニット27は、FM多重放送波を受信して、道路交通情報を抽出し、制御部20に出力する。より詳細には、FM多重受信ユニット27は、FM多重専用チューナと、多重エンコーダと、を備えている。FM多重専用チューナは、FM多重放送を受信すると、FM多重信号を多重エンコーダに出力する。多重エンコーダは、FM多重専用チューナから入力されたFM多重信号を復号して道路交通情報を取得し、制御部20に出力する。
【0021】
制御部20は、ビーコン受信ユニット26、又は、FM多重受信ユニット27から道路交通情報が入力された場合、タッチパネル11に、道路交通情報を含むポップアップ画像をポップアップにより表示する。
【0022】
メディア制御部28は、挿入口14を介して筐体10に挿入されたCDや、DVD等のメディアを収納し、収納したメディアを駆動するドライブを備え、メディアから読み出した情報に基づいて音声データを生成し、制御部20に出力する。制御部20は、メディア制御部28から入力された音声データに基づいて音声信号を生成し、音声処理部29に出力する。
【0023】
音声処理部29は、D/Aコンバータや、ボリューム回路、アンプ回路、スピーカー等を備え、制御部20の制御で、制御部20から入力された音声信号をD/Aコンバータによりデジタル/アナログ変換し、ボリューム回路により音量レベルを調整し、アンプ回路により増幅して、図示しないスピーカーから音声として出力する。
【0024】
タッチパネル11は、表示パネル111と、タッチセンサ112と、圧力検出センサ113と、を備える。
【0025】
表示パネル111は、液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の表示装置である。制御部20は、表示パネル111に表示する画像の画像データをフレームメモリーFMに展開し、フレームメモリーに展開した画像データに基づいて、表示パネル111を駆動して、表示パネル111に画像を表示する。
【0026】
タッチセンサ112は、タッチパネル11が接触操作された場合、接触操作された位置(以下、「接触位置」という。)を示す信号を制御部20に出力する。接触操作とは、手指の先等の指示体によりタッチパネル11の所定の位置が接触されて行われる操作をいう。なお、静電容量式のタッチパネル等では、当該タッチパネルに対する指示体の物理的な接触がない場合であっても、指示体が当該タッチパネルに近接したときに操作を検出するものがあるが、このような方法により検出される操作も本実施形態の接触操作の概念に含まれる。制御部20は、タッチセンサ112から接触位置を示す信号が入力された場合、入力された信号に基づいて、表示パネル111の表示領域の任意の位置を座標によって表すための所定の座標系における、接触位置の座標(以下、「接触位置座標」という。)を検出する。制御部20が、タッチセンサ112からの入力に基づいて、接触位置に係る接触位置座標を検出する処理は、「タッチパネルが接触操作された場合、接触操作された接触位置を検出する」処理に相当する。
【0027】
圧力検出センサ113は、タッチパネル11の接触位置が接触操作されている間、当該接触位置における接触操作の押下圧力を示す信号を制御部20に出力する。制御部20は、圧力検出センサ113から押下圧力を示す信号が入力された場合、入力された信号に基づいて、接触位置における接触操作の押下圧力を検出する。本実施形態では、制御部20は、接触位置における接触操作の押下圧力を、圧力レベルlv0〜圧力レベルlv3の4段階のレベルのいずれかとして検出する。圧力レベルlv0は、押下圧力が最も小さいレベルであり、圧力レベルlv3は、押下圧力が最も大きいレベルであり、圧力レベルlv0から圧力レベルlv3へ向かって、押下圧力の度合いが段階的に大きくなる。
【0028】
なお、
図2は、本願発明を理解容易にするために、車載装置1の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、車載装置1の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0029】
車載装置1は、車両の現在位置を検出する自車位置検出を行う機能、地図上に車両の現在位置を表示する車両位置表示を行う機能、目的地までの経路を探索する経路探索を行う機能、及び、地図を表示して、地図上に目的地までの経路を表示し、目的地までの経路を案内する経路案内を行う機能を備える。
【0030】
自車位置検出に際し、制御部20は、GPSユニット24及び相対方位検出ユニット25からの入力、及び、地図データ211に基づいて、車両の現在位置を検出する。なお、車両の現在位置を検出する方法はどのような方法であってもよく、また、検出に際し、車速を示す情報等の本実施形態で例示する情報以外の情報を用いてもよい。また、車両位置表示に際し、制御部20は、地図データ211に基づいて、検出した現在位置を中心とした所定のスケールの地図をタッチパネル11に表示すると共に、検出した車両の現在位置を地図上に表示する。また、経路探索に際し、制御部20は、地図データ211に基づいて、検出した現在位置から、ユーザに設定された目的地に至る経路を探索する。また、経路案内に際し、制御部20は、目的地までの経路を地図上に表示すると共に、検出した車両の現在位置を地図上に表示し、目的地に至るまでの経路を案内する。
【0031】
ところで、車載装置1の制御部20は、タッチパネル11に、オブジェクト画像OGを表示する機能を有する。オブジェクト画像OGは、ユーザに、所定の情報を通知することを目的としてタッチパネル11の所定の表示領域に表示される画像である。制御部20は、タッチパネル11に地図を表示している場合、地図に重ねてオブジェクト画像OGを表示する。
以下、まず、オブジェクト画像OGについて、2つの例を挙げて説明する。
【0032】
<オブジェクト画像OGの1つ目の例>
図3は、オブジェクト画像OGの例であるガイド地点リストG1を示す図である。
ガイド地点リストG1は、目的地までの経路上に存在するガイド地点を、車両の現在位置に近い方から順番に簡易なリスト形式で表示する画像である。ガイド地点とは、交差点や、高速道路・有料道路への入り口等、目的地までの経路において、車両が当該経路を走行する際に、運転手が車両の走行を注意すべき地点のことである。
【0033】
経路案内中、制御部20は、所定の事象をトリガーとして自動で、又は、所定の手段によりガイド地点リストG1の表示の指示があったときに、地図データ211に基づいて、目的地までの経路上に存在するガイド地点に関する情報を取得する。次いで、制御部20は、取得したガイド地点に関する情報に基づいて、ガイド地点リストG1の画像データを生成し、生成した画像データを、フレームメモリーFMの所定の展開領域に、地図の画像データに重ねて展開することにより、ガイド地点リストG1を、タッチパネル11の所定の表示領域に表示する。
【0034】
<オブジェクト画像OGの2つ目の例>
図4は、オブジェクト画像OGの例である道路施設表示画像G2を示す図である。
道路施設表示画像G2は、高速道路や、有料道路(以下、「高速道路等」という。)に存在するインターチェンジ、サービスエリア、パーキングエリア等の施設や構造物(以下、「施設等」という。)を、車両の現在位置に近い方から順番に簡易なリスト形式で表示する画像である。
【0035】
車両の走行中、制御部20は、車両が高速道路等を走行中か否かを監視する。制御部20は、車両が高速道路等を走行中の場合、所定の事象をトリガーとして自動で、又は、所定の手段により道路施設表示画像G2の表示の指示があったときに、地図データ211に基づいて、走行中の高速道路等に存在する施設等に関する情報を取得する。次いで、制御部20は、取得した施設等に関する情報に基づいて、道路施設表示画像G2の画像データを生成し、生成した画像データを、フレームメモリーFMの所定の展開領域に、地図の画像データに重ねて展開することにより、道路施設表示画像G2を、タッチパネル11の所定の表示領域に表示する。
【0036】
以上、オブジェクト画像OGについて、2つの例を挙げて説明したが、オブジェクト画像OGは例示した画像に限られない。すなわち、オブジェクト画像OGは、タッチパネル11の所定の表示領域に表示される画像であればよい。
【0037】
このように、車載装置1は、タッチパネル11に、オブジェクト画像OGを表示する機能を有する。そして、車載装置1は、タッチパネル11の特性を利用した以下の方法で、オブジェクト画像OGを表示し、オブジェクト画像OGの表示の方法に多様性をもたせ、ユーザの利便性を向上する。以下、オブジェクト画像OGの表示に関する車載装置1の動作について詳述する。
【0038】
図5は、オブジェクト画像OGの表示に関する車載装置1の動作を示すフローチャートである。
図5のフローチャートの開始時点では、制御部20は、地図データ211に基づいて、車両の現在位置を中心とした所定の縮尺の地図をタッチパネル11に表示しているものとする。
【0039】
図5に示すように、車載装置1の制御部20は、所定の事象をトリガーとして自動で、又は、ユーザの指示に基づいて、タッチパネル11に、地図に重ねて対応するオブジェクト画像OGを表示する(ステップSA1)。
【0040】
図6(A)は、ステップSA1の処理によって、地図に重ねて表示されたガイド地点リストG1(オブジェクト画像OG)の一例を示す図である。
図6(A)で例示するガイド地点リストG1は、説明の便宜を考慮し、その内容を単純化し模式化している。以下では、適宜、
図6(A)のガイド地点リストG1(オブジェクト画像OG)が、ステップSA1の処理によりタッチパネル11に表示されたものとして、説明を行う。
【0041】
なお、制御部20は、接触位置座標と、フレームメモリーFMの各ドットの座標との対応関係を管理しており、接触位置座標を、フレームメモリーFMのドットの座標に変換する機能を有する。また、制御部20は、フレームメモリーFMにおいて、オブジェクト画像OGを展開した領域を管理しており、所定の接触位置に接触操作が行われた場合、接触位置と、オブジェクト画像OGの表示領域との位置関係を認識できる。
【0042】
オブジェクト画像OGの表示後、制御部20は、オブジェクト画像OGの外周に沿った1箇所の接触位置の移動があったか否かを監視し(ステップSA2)、当該移動があった場合(ステップSA2:YES)、オブジェクト画像OGを後述する立体的表示処理の対象として決定する(ステップSA3)。
【0043】
図6(B)は、オブジェクト画像OGの外周に沿った1箇所の接触位置の移動の説明に利用する図である。
図6(B)の例では、オブジェクト画像OGの外周に沿った1箇所の接触位置の移動は、位置P1を起点として、位置P1→位置P2→位置P3→位置P4→位置P1の順に、オブジェクト画像OGを囲むように変移する接触位置の移動である。
【0044】
なお、オブジェクト画像OGの外周に沿った1箇所の接触位置の移動の起点は、
図6(B)で例示した位置に対応する位置に限らずどの位置であってもよい。また、接触位置の移動方向も、
図6(B)で例示した接触位位置の移動方向に対応する方向に限らずどの方向であってもよい。すなわち、オブジェクト画像OGの外周に沿った1箇所の接触位置の移動は、1箇所の接触位置が、オブジェクト画像OGを囲むように、オブジェクト画像OGの外周に沿って移動するものであれば、その形態を問わない。
【0045】
ユーザは、
図6(A)のガイド地点リストG1(オブジェクト画像OG)について、当該ガイド地点リストG1を後述する立体的表示処理の対象とすることを望む場合、
図6(B)に示すように、例えば、自身の人差し指の指先により位置P1を接触操作した後、指先とタッチパネル11とが接触した状態を維持しつつ、指先を位置P1→位置P2→位置P3→位置P4→位置P1へと移動させる。
【0046】
このように、1のオブジェクト画像OGについて、後述する立体的表示処理の対象とすることを望む場合、ユーザは、当該1のオブジェクト画像OGに対応する所定の操作を行えばよい。このため、複数のオブジェクト画像OGがタッチパネル11に表示されている状態であっても、ユーザは、特定のオブジェクト画像OGを、後述する立体的表示処理の対象とすることができる。
【0047】
なお、「オブジェクト画像OGの外周に沿った1箇所の接触位置の移動」は、「1箇所の接触位置の第1の態様での移動」に相当する。そして、オブジェクト画像OGの後述する立体的表示処理の対象とする「1箇所の接触位置の第1の態様での移動」は、例示したものに限らない。ただし、オブジェクト画像OGが偶発的に後述する立体的表示処理の対象となることを防止するため、例示した移動のように、ユーザが意図的に行った操作に基づく接触位置の移動であることが望ましい。
【0048】
また、立体的表示処理の対象としたオブジェクト画像OGについて、立体的表示処理の対象となったことをユーザが認識できるように、オブジェクト画像OGの外周を太線で表示する等の所定の装飾を施すようにしてもよい。
【0049】
ステップSA3で、オブジェクト画像OGを後述する立体的表示処理の対象として決定した後、制御部20は、立体的表示処理の対象としたオブジェクト画像OGの表示領域(以下、「オブジェクト画像表示領域」という。)に、2箇所の接触位置が検出されたか否かを監視する(ステップSA4)。
【0050】
図6(C)は、ステップSA4の処理の説明に用いる図である。
図6(C)の例の場合、ステップSA3において、制御部20は、ガイド地点リストG1(オブジェクト画像OG)の表示領域A1に、2箇所の接触位置(例えば、接触位置P5、及び、接触位置P6)が検出されたか否かを監視する。
【0051】
ユーザは、例えば、
図7に示すように、人差し指と、親指とを広げた状態で、人差し指の指先と、親指の指先で、オブジェクト画像表示領域を接触操作することにより、制御部20に2箇所の接触位置の検出を行わせる。
【0052】
オブジェクト画像表示領域に、2箇所の接触位置が検出された場合(ステップSA4:YES)、制御部20は、動作モードを、立体的表示モードへと移行する(ステップSA5)。立体的表示モードとは、立体的表示処理の対象となったオブジェクト画像OGについて、ユーザによる所定の操作に応じて、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示する動作モードである。なお、本実施形態では、立体的表示モードへの移行に際し、2箇所の接触位置に対する接触操作を必要とする。これは、例えば、タッチパネル11に表示されたアイコンを接触操作してアイコンを選択する操作等、1箇所の接触位置に対する接触操作と、立体的表示モードへの移行のための接触操作とを区別するためである。
【0053】
立体的表示モードへ移行後、制御部20は、2箇所の接触位置のそれぞれの接触位置座標を検出する(ステップSA6)。
【0054】
次いで、制御部20は、ステップSA6で取得した2箇所の接触位置の接触位置座標に基づいて、後に詳述する回動軸の軸方向を決定する(ステップSA7)。以下、ステップSA7の処理について詳述する。
【0055】
図8は、ステップSA7の処理について説明するため、オブジェクト画像表示領域と、当該領域における2箇所の接触位置とを示す図である。
図8において、矢印で示す上下左右方向は、タッチパネル11の上下左右方向(
図1(A)参照)に対応する方向である。
図8に示すように、オブジェクト画像表示領域に、座標(X1、Y1)の接触位置P7と、座標(X2、Y2)の接触位置P8が存在しているものとする。なお、タッチパネル11の表示領域の任意の位置を座標によって表すための所定の座標系は、x軸が、タッチパネル11の左右方向に対応する方向に延びる軸であり、y軸が、タッチパネル11の上下方向に対応する方向に延びる軸である。
【0056】
図8の例の場合、ステップSA7において、制御部20は、接触位置P7と接触位置P8とのx軸方向(左右方向)の離間距離L1(|X1−X2|)を算出し、さらに、接触位置P7と接触位置P8とのy軸方向(上下方向)の離間距離L2(|Y1−Y2|)を算出する。
【0057】
次いで、制御部20は、接触位置P7と接触位置P8とのx軸方向の離間距離(以下、「x軸方向離間距離」という。)と、接触位置P7と接触位置P8とのy軸方向の離間距離(以下、「y軸方向離間距離」という。)とを比較し、x軸方向離間距離の方が大きい場合は、後述する回動軸の軸方向を上下方向として決定し、x軸方向離間距離の方が大きくない場合は、後述する回動軸の軸方向を左右方向として決定する。
図8の例では、x軸方向離間距離(|X1−X2|)の方が、y軸方向離間距離(|Y1−Y2|)よりも大きく、制御部20は、回動軸の軸方向を上下方向として決定する。
【0058】
このように、ステップSA7において、制御部20は、2箇所の接触位置の左右方向における離間距離と、上下方向における離間距離とを比較し、左右方向の離間距離が大きい場合、回動軸の軸方向を上下方向として決定し、左右方向の離間距離が大きくない場合、回動軸の軸方向を左右方向として決定する。ユーザは、回動軸の軸方向を上下方向としたい場合は、2箇所の接触位置について、左右方向の離間距離を上下方向の離間距離よりも大きくし、一方、回動軸の軸方向を左右方向としたい場合は、2箇所の接触位置について、上下方向の離間距離を左右方向の離間距離よりも大きい。
【0059】
次いで、制御部20は、立体的表示処理を実行する(ステップSA8)。
【0060】
図9は、立体的表示処理の詳細を示すフローチャートである。
なお、以下の
図9を用いた説明では、説明の便宜のため、ステップSA8において、回動軸の軸方向が上下方向として決定されているものとする。
図9に示すように、制御部20は、圧力検出センサ113からの入力に基づいて、2箇所の接触位置のそれぞれの押下圧力を検出する(ステップSB1)。
【0061】
次いで、制御部20は、2箇所の接触位置のうち、押下圧力が大きい方の接触位置を特定する(ステップSB2)。
【0062】
次いで、制御部20は、押下圧力が大きい方の接触位置の押下圧力に基づいて、オブジェクト画像OGの表示状態を変化させる(ステップSB3)。以下、ステップSB3の処理について詳述する。
【0063】
図10は、ステップSB3の処理の説明に利用する図である。
図10において、
図10(A)は、立体的表示処理が行われる前にタッチパネル11に表示されたオブジェクト画像OGを示す図である。
図10(A)の例では、オブジェクト画像表示領域における2箇所の接触位置は接触位置P9、及び、接触位置P10である。また、
図10(A)で例示するオブジェクト画像OGには、左右方向に並ぶ5つの文字「あ」によって構成される文字列「あああああ」が表示される。
以下、
図10(A)に示すオブジェクト画像OGを、「通常オブジェクト画像」と表現する。
【0064】
ステップSB3において、ステップSB2で押下圧力が大きいとして特定した接触位置が接触位置P10であり、接触位置P10における押下圧力の圧力レベルが「圧力レベルlv1」の場合、制御部20は、オブジェクト画像OGの状態を、
図10(B)に示す状態とする。
以下、
図10(B)に示すオブジェクト画像OGを、「第1オブジェクト画像」と表現する。
【0065】
詳述すると、制御部20は、回動軸(本例では、回動軸の軸方向は上下方向)の位置を、オブジェクト画像OGの左辺、右辺のうち、2つの接触位置のうち、押下圧力が大きくない方の接触位置の側の辺に対応する位置に設定する。
図10(B)の例では、制御部20は、符号J1で示すように、回動軸の位置を、オブジェクト画像OGの左辺に設定する。
【0066】
次いで、制御部20は、回動軸を中心として、接触位置P10の側(押下圧力が大きい方の接触位置の側)が奥行き方向における後方向(
図1(B)参照)に対応する方向(以下、単に「後方向」と表現する。)に変移するように、オブジェクト画像OGを仮想回動角度θ1だけ立体的に傾けて表示する。
なお、仮想回動角度は、第1オブジェクト画像、後述する第2オブジェクト画像、及び、後述する第3オブジェクト画像について、回動軸を中心とした見た目上の回動角度の違いを説明するために、オブジェクト画像OGが3次元空間に存在すると仮定した場合における回動軸を中心とした回動角度を便宜的に表す角度である。
【0067】
図10(B)において、枠W1は、通常オブジェクト画像(
図10(A))の表示領域を示す枠である。
図10(B)に示すように、第1オブジェクト画像は、回動軸を中心として通常オブジェクト画像が立体的に傾けて表現された画像であるため、第1オブジェクト画像の表示領域の面積は、通常オブジェクト画像の面積よりも小さい。具体的には、第1オブジェクト画像の表示領域の面積は、通常オブジェクト画像の面積よりも、
図10(B)において斜線で示す領域Z1の分、小さくなる。これにより、領域Z1については、地図が表示された状態となり、タッチパネル11に表示される地図(ユーザが視認可能な地図)の面積を拡大することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0068】
さらに、
図10(A)と
図10(B)との比較で明らかなとおり、第1オブジェクト画像が有する情報は、通常オブジェクト画像が有する情報と同一であり、通常オブジェクト画像と比較して欠損していない。具体的には、第1オブジェクト画像は、通常オブジェクト画像が情報として有する文字列「あああああ」と同じ情報を有する。これは、第1オブジェクト画像について、通常オブジェクト画像を立体的に傾けることによって表示することにより可能となるものである。
【0069】
このように、制御部20は、タッチパネル11に対するユーザの所定の操作に応じて、通常オブジェクト画像を第1オブジェクト画像へと変移させることにより、通常オブジェクト画像が有する情報を欠損させることなく、タッチパネル11において地図が表示される領域を拡大する。
【0070】
また、ステップSB3において、ステップSB2で押下圧力が大きいとして特定した接触位置が接触位置P10であり、接触位置P10における押下圧力の圧力レベルが「圧力レベルlv2」の場合、制御部20は、オブジェクト画像OGの状態を、
図10(C)に示す状態とする。
以下、
図10(C)に示すオブジェクト画像OGを、「第2オブジェクト画像」と表現する。
【0071】
詳述すると、制御部20は、第1オブジェクト画像の場合と同様、回動軸の位置をオブジェクト画像OGの左辺に設定する。次いで、制御部20は、回動軸を中心として、接触位置P10の側(押下圧力が大きい方の接触位置の側)が後方向に変移するように、オブジェクト画像OGを仮想回動角度θ2だけ立体的に傾けて表示する。仮想回動角度θ2の値は、仮想回動角度θ1の値よりも大きい。この結果、
図10(C)に示すように、回動軸を中心とした見た目上の回動角度が第1オブジェクト画像よりも大きい第2オブジェクト画像が表示された状態となる。
【0072】
図10(B)と、
図10(C)との比較で明らかなとおり、第2オブジェクト画像に係る仮想回動角度θ2は、第1オブジェクト画像に係る仮想回動角度θ1よりも大きいため、第2オブジェクト画像の表示領域と通常オブジェクト画像の表示領域との差分の領域Z2の面積は、第1オブジェクト画像の表示領域と通常オブジェクト画像の表示領域との差分の領域Z1(
図10(B))よりも大きい。従って、第2オブジェクト画像が表示されている場合、第1オブジェクト画像が表示されている場合と比較して、タッチパネル11において地図が表示される領域が大きい。また、第2オブジェクト画像は、第1オブジェクト画像と同様、通常オブジェクト画像が有する情報と同一の情報を有し、欠損がない。
【0073】
また、ステップSB3において、ステップSB2で押下圧力が大きいとして特定した接触位置が接触位置P10であり、接触位置P10における押下圧力の圧力レベルが「圧力レベルlv3」の場合、制御部20は、オブジェクト画像OGの状態を、
図10(D)に示す状態とする。
以下、
図10(D)に示すオブジェクト画像OGを、「第3オブジェクト画像」と表現する。
【0074】
詳述すると、制御部20は、第1オブジェクト画像の場合と同様、回動軸の位置をオブジェクト画像OGの左辺に設定する。次いで、制御部20は、回動軸を中心として、接触位置P10の側(押下圧力が大きい方の接触位置の側)が後方向に変移するように、オブジェクト画像OGを仮想回動角度θ3だけ立体的に傾けて表示する。仮想回動角度θ3の値は、仮想回動角度θ2の値よりも大きい。この結果、
図10(D)に示すように、回動軸を中心とした見た目上の回動角度が第2オブジェクト画像よりも大きい第3オブジェクト画像が表示された状態となる。
【0075】
図10(C)と、
図10(D)との比較で明らかなとおり、第3オブジェクト画像に係る仮想回動角度θ3は、第2オブジェクト画像に係る仮想回動角度θ2よりも大きいため、第3オブジェクト画像の表示領域と通常オブジェクト画像の表示領域との差分の領域Z3の面積は、第2オブジェクト画像の表示領域と通常オブジェクト画像の表示領域との差分の領域Z2(
図10(C))よりも大きい。従って、第3オブジェクト画像が表示されている場合、第2オブジェクト画像が表示されている場合と比較して、タッチパネル11において地図が表示される領域が大きい。また、第3オブジェクト画像は、第1オブジェクト画像と同様、通常オブジェクト画像が有する情報と同一の情報を有し、欠損がない。
【0076】
ここで、
図9のフローチャートに示すように、接触位置における押下圧力の検出(ステップSB1)、及び、接触位置における押下圧力に基づいてオブジェクト画像OGの状態を変化させる処理は、立体的表示処理が行われている間、継続して連続的に行われる。従って、
図10の例において、オブジェクト画像OGは、接触位置P10における押下圧力の圧力レベルの変化に応じて、第1オブジェクト画像、第2オブジェクト画像、及び、第3オブジェクト画像の間で連続的に切り替わる。例えば、接触位置P10における押下圧力の圧力レベルが、圧力レベルlv1→圧力レベルlv2→圧力レベルlv3へと変化した場合、圧力レベルの変化に応じて、オブジェクト画像OGは、第1オブジェクト画像→第2オブジェクト画像→第3オブジェクト画像へと連続的に切り替わる。また例えば、接触位置P10における押下圧力の圧力レベルが、圧力レベルlv3→圧力レベルlv2→圧力レベルlv1へと変化した場合、圧力レベルの変化に応じて、オブジェクト画像OGは、第3オブジェクト画像→第2オブジェクト画像→第1オブジェクト画像へと連続的に切り替わる。
【0077】
これを踏まえ、ユーザは、第1オブジェクト画像が表示された状態において、オブジェクト画像OGの表示領域の面積をより小さくして、タッチパネル11における地図が表示される領域をより大きくすることを望む場合、接触位置P9に対する接触操作の状態を変化させないことにより接触位置P9における押下圧力を変化させずに、接触位置P10に対する接触操作を強めに行うことにより接触位置P10における押下圧力を増大させる。これにより、第1オブジェクト画像が、第2オブジェクト画像へと切り替わり、ユーザの要望が満たされることとなる。第2オブジェクト画像から第3オブジェクト画像への切り替えについても同様である。
【0078】
ここで、本実施形態では、接触位置における押下圧力の増大に応じて、オブジェクト画像OGに係る仮想回動角度が増大し、オブジェクト画像OGの見た目上の傾きがより増大する。すなわち、ユーザが2箇所の接触位置のうちの一方を強く押せば押すほど、オブジェクト画像OGが、強く押された接触位置の側に大きく傾いた状態となる。このため、ユーザの操作と、表示されるオブジェクト画像OGの状態とに一体性が生まれ、ユーザの操作性がよく、また、ユーザがオブジェクト画像OGを立体的に傾ける際に、どのような操作をすればよいのかをイメージしやすい。
【0079】
なお、ステップSB3において、接触位置の押下圧力に応じて、オブジェクト画像OGの状態を変化させる際、制御部20は、例えば、以下の処理を実行する。例えば、制御部20は、通常オブジェクト画像の画像データを、所定の3次元座標系におけるポリゴンデータによって表す。次いで、制御部20は、既存の画像処理によって、所定の3次元座標系においてポリゴンデータを、回動軸を中心として押下圧力の圧力レベルに応じた回動角度だけ対応する方向に回動させた画像データを生成する。次いで、制御部20は、フレームメモリーFMに対して、既に展開されたオブジェクト画像OGの画像データに代えて、新たに生成した画像データを展開し、これにより、オブジェクト画像OGの状態を変化させる。なお、接触位置の押下圧力に応じて、オブジェクト画像OGの状態を変化させる方法は、例示した方法に限らず、どのような方法であってもよい。
【0080】
以上、回動軸の軸方向が上下方向であり、回動軸がオブジェクト画像OGの左辺に位置する場合を例にして、ステップSB3の処理を説明したが、回動軸が上下方向でオブジェクト画像OGの右辺に位置する場合、回動軸が左右方向でオブジェクト画像の上辺に位置する場合、回動軸が左右方向でオブジェクト画像の下辺に位置する場合も、ステップSB3で説明した処理と同様の処理が行われ、押下圧力の大きい方の接触位置の押下圧力に応じて、オブジェクト画像OGの状態が変化する。
【0081】
図11(A)は、
図6(A)に示すガイド地点リストG1が、立体的表示処理により傾いて表示された様子を示す図である。
図11(A)の場合、回動軸の軸方向は上下方向であり、回動軸の位置は、ガイド地点リストG1の左辺である。
図6(A)と
図11(A)との比較で明らかなとおり、
図11(A)では、情報の欠損を伴うことなく、地図が表示される領域(ユーザが視認可能な地図の表領域)が拡大して表示される。
【0082】
図11(B)は、
図6(A)に示すガイド地点リストG1が、立体的表示処理により傾いて表示された様子を示す図である。
図11(B)の場合、回動軸の軸方向は左右方向であり、回動軸の位置は、ガイド地点リストG1の下辺である。
図6(A)と
図11(B)との比較で明らかなとおり、
図11(B)では、情報の欠損を伴うことなく、地図が表示される領域(ユーザが視認可能な地図の表領域)が拡大して表示される。
【0083】
さて、ステップSB3において、接触位置における押下圧力に応じて立体的に傾いたオブジェクト画像OGを表示した後、制御部20は、接触位置における接触操作が解除されたか否かを判別する(ステップSB4)。ステップSB4において、制御部20は、2箇所の接触位置のうち、1箇所でも接触操作が解除された場合、接触位置における接触操作が解除されたと判別する。
【0084】
接触操作が解除された場合(ステップSB4:YES)、制御部20は、オブジェクト画像OGについて、立体的表示処理が行われる前にタッチパネル11に表示されていたオブジェクト画像OGを表示する(ステップSB5)。
図10の例では、第1オブジェクト画像(
図10(B))、第2オブジェクト画像(
図10(C))、又は、第3オブジェクト画像(
図10(D))が表示されている状態の場合、制御部20は、通常オブジェクト画像(
図10(A))を表示する。
【0085】
次いで、制御部20は、立体的表示モードへの移行を停止し(ステップSB6)、立体的表示処理を終了する。
【0086】
一方、ステップSB4において、接触操作が解除されなかった場合(ステップSB4:NO)、制御部20は、2箇所の接触位置のうち、押下圧力が大きい方の接触位置が、タッチパネル11の表面上を任意の方向に、所定距離以上、移動したか否かを判別する(ステップSB7)。
【0087】
図12は、ステップSB7の処理の説明に利用するため、オブジェクト画像表示領域における2箇所の接触位置P11、接触位置P12を示す図である。
図12において、接触位置P11よりも接触位置P12の方が、押下圧力が大きい場合において、制御部20は、例えば、接触位置P12が、所定距離よりも大きい距離LL離れた接触位置P12´へ移動した場合、ステップSB3において、2箇所の接触位置のうち、押下圧力が大きい方の接触位置が、タッチパネル11の表面上を任意の方向に、所定距離以上、移動したと判別する。
【0088】
制御部20は、押下圧力が大きい方の接触位置が、タッチパネル11の表面上を任意の方向に、所定距離以上、移動してない場合(ステップSB7:NO)、処理手順をステップSB1へ戻す。この場合、制御部20により、再び、接触位置における押下圧力の検出が行われて、押下圧力の大きい方の接触位置の押下圧力に応じて、適宜、オブジェクト画像OGが立体的に傾けて表示される。
【0089】
一方、制御部20は、押下圧力が大きい方の接触位置が、タッチパネル11の表面上を任意の方向に、所定距離以上、移動したことを検出した場合(ステップSB7:YES)、オブジェクト画像OGの状態を固定する(ステップSB8)。このステップSB8の処理後、制御部20は、接触位置に対する接触操作が解除された場合であっても、オブジェクト画像OGの状態を立体的表示処理が行われる前の状態に戻さず、オブジェクト画像OGの状態を固定して表示する。
【0090】
ユーザは、立体的表示処理により、立体的に傾いて表示された状態のオブジェクト画像OGについて、その状態を維持してオブジェクト画像OGを表示したいと望む場合、強く押下した方の接触位置に対する接触操作を、タッチパネル11の表面に沿って、所定距離以上、移動させる。これにより、接触位置の状態の変化、接触位置における押下圧力の変化にかかわらず、所定の仮想回動角度だけ立体的に傾いた状態を維持したままオブジェクト画像OGを表示させることができる。
【0091】
なお、「押下圧力が大きい方の接触位置によるタッチパネル11の表面上における任意の方向への所定距離以上の移動」は、「2箇所の接触位置の少なくともいずれか一方による第2の態様での移動」に相当する。そして、オブジェクト画像OGの表示の状態を固定するために行われる「2箇所の接触位置の少なくともいずれか一方による第2の態様での移動」は、例示したものに限らない。ただし、オブジェクト画像OGの状態が偶発的に固定されることを防止するため、例示した移動のように、ユーザが意図的に行った操作に基づく接触位置の移動であることが望ましい。
【0092】
ステップSB8の処理を実行した後、制御部20は、2箇所の接触位置に対して接触操作が行われた状態で、いずれか一方の接触位置の押下圧力について、低い圧力レベルから高い圧力レベルへと変化したか否かを監視する(ステップSB9)。例えば、
図12に示すように、2箇所の接触位置P11、接触位置P12が検出された状態において、接触位置P12における押下圧力が圧力レベルlv0から圧力レベルlv2へと変化した場合、ステップSB9で制御部20は、いずれか一方の接触位置の押下圧力が低い圧力レベルから高い圧力レベルへと変化したと判別する。
【0093】
いずれか一方の接触位置の押下圧力が低い圧力レベルから高い圧力レベルへと変化したことを検出した場合(ステップSB9:YES)、制御部20は、オブジェクト画像OGの表示の状態の固定を解除し(ステップSB10)、処理手順をステップSB1に戻す。
【0094】
ユーザは、オブジェクト画像OGの表示の状態の固定を解除することを望む場合、2箇所の接触位置を接触操作した状態で、いずれか一方の接触位置に対する接触操作により押下を段階的に強める。このような簡易な操作を意図的に行うことにより、ユーザは、オブジェクト画像OGの表示の状態の固定を解除することができる。
【0095】
以上、立体的表示処理を説明したが、立体的表示処理の内容は、上記で説明した内容に限られるものではない。
以下、立体的表示処理の別の例について、図を用いて説明する。すなわち、立体的表示処理は、上記で説明した方法ではなく、以下で説明する方法で行われてもよい。
【0096】
図13は、オブジェクト画像OGの1つである曲リスト画像G3を示す図である。
制御部20は、メディアが、複数の楽曲が記録されたものである場合に、メディアから必要な情報を取得して、トラックごとの楽曲名を一覧表示した曲リスト画像G3を表示する機能を有する。
【0097】
図13(A)は、立体的表示処理が行われる前にタッチパネル11に表示される曲リスト画像G3を示す図である。
【0098】
図13(A)に示す曲リスト画像G3が表示された状態のときに、
図13(B)に示すように、2箇所の接触位置P13、接触位置P14に対してユーザが接触操作を行ったとする。この場合において、接触位置P14の押下圧力の方が、接触位置P13の押下圧力よりも大きいとする。
【0099】
この場合、制御部20は、回動軸の軸方向を上下方向とし、回動軸の位置を接触位置P13と、接触位置P14の中心点Q1を通る位置とする。このように、本例では、制御部20は、軸方向が上下方向の回動軸について、その位置を、オブジェクト画像OGの左辺、又は、右辺とするのではなく、2箇所の接触位置の中心点を通る位置とする。
【0100】
次いで、
図13(B)に示すように、制御部20は、2箇所の接触位置の中心点を通る回動軸を中心として、押下圧力の大きい方の接触位置の押下圧力に応じて、曲リスト画像G3を立体的に傾けて表示する。さらに、制御部20は、立体的に傾ける前の曲リスト画像G3の表示領域と、立体的に傾けた後の曲リスト画像G3の表示領域との差分の領域に、曲に関する新たな情報を表示する。
図13(B)の例では、制御部20は、領域R1に、再生中の楽曲に関する情報を表示する。
【0101】
このような態様でオブジェクト画像OGの表示が行われるため、以下の効果を奏する。すなわち、立体的に傾ける前と、立体的に傾けた後とで、オブジェクト画像OGが表示された領域を変更することなく、ユーザにとって有益な情報を、オブジェクト画像OGに新たに付加することができる。特に、立体的に傾ける前の情報を欠損させることなく、新たな情報を付加することが可能となる。
【0102】
ユーザは、立体的に傾いたオブジェクト画像OGについて、その状態を維持したい場合は、
図13(C)に示すように、押下圧力が大きい方の接触位置を、任意の方向(
図13(C)では、矢印Y1に示す方向)に移動させる。制御部20は、上述した接触位置の移動を検出した場合、オブジェクト画像OGの状態を固定する。この結果、
図13(D)に示すように、ユーザが接触位置に対する接触操作を解除した場合であっても、オブジェクト画像OGが立体的に傾いた状態が維持される。このような処理が行われるため、ユーザは、オブジェクト画像OGについて、簡易で意図的な操作を行うことにより、オブジェクト画像OGの立体的な傾きに応じて新たに表示された情報が表示された状態を維持できる。
【0103】
以上説明したように、本実施形態に係る車載装置1(表示装置)は、タッチパネル11と、タッチパネル11が接触操作された場合、接触操作された接触位置を検出し、また、タッチパネル11にオブジェクト画像OGを表示する制御部20とを備える。制御部20は、オブジェクト画像OGの表示領域に対応する領域に2箇所の接触位置を検出し、検出した2箇所の接触位置の少なくともいずれか一方の状態が所定の態様で変化した場合、接触位置の状態の変化に応じて、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示する。
この構成によれば、制御部20は、タッチパネル11に2箇所の接触操作が行われた場合、それぞれの接触操作に係る接触位置を検出できること、及び、接触位置の状態の変化を検出できることを利用して、接触位置の状態の変化に応じて、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示することができる。このため、ユーザは、タッチパネル11に対して所定の操作を行うことにより、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示させることができる。すなわち、上記構成によれば、車載装置1は、タッチパネル11を備える構成を利用して、オブジェクト画像OGを表示することができる。
【0104】
また、本実施形態では、制御部20は、オブジェクト画像OGの表示領域に対応する領域で、1箇所の接触位置が第1の態様で移動したことを検出した場合、オブジェクト画像OGを、2箇所の接触位置の状態の変化に応じて立体的に傾けて表示する対象として決定する。
この構成によれば、ユーザは、特定のオブジェクト画像OGの表示領域に対応する領域に対して、1箇所の接触位置が第1の態様で移動する操作を行うことにより、当該特定のオブジェクト画像OGを、立体的表示処理の対象とすることができる。
【0105】
また、本実施形態では、制御部20は、オブジェクト画像OGの表示領域に対応する領域で、オブジェクト画像OGの外周に沿って1箇所の接触位置が移動したことを検出した場合、オブジェクト画像OGを、2箇所の接触位置の状態の変化に応じて立体的に傾けて表示する対象として決定する。
この構成によれば、ユーザが意図的に行った操作に基づいて、オブジェクト画像OGを立体的表示処理の対象とすることができ、オブジェクト画像OGが偶発的に立体的表示処理の対象となることを抑制できる。
【0106】
また、本実施形態では、制御部20は、接触位置の状態の変化に応じてオブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示している際に、2箇所の接触位置の少なくともいずれか一方が第2の態様で移動したことを検出した場合、オブジェクト画像OGの状態を、接触位置が第2の態様で移動したことを検出したときの状態で固定する。
この構成によれば、ユーザは、タッチパネル11に対して所定の操作を行って、オブジェクト画像OGの状態を固定させることができる。
【0107】
また、本実施形態では、制御部20は、タッチパネル11に地図を表示し、地図に重ねて、オブジェクト画像OGを表示する。
この構成によれば、地図に重ねて表示されるオブジェクト画像OGの表示に関して、ユーザの利便性を向上できる。
【0108】
また、本実施形態では、タッチパネル11は、接触位置における接触操作の押下圧力を示す信号を制御部20に出力する圧力検出センサ113を備える。制御部20は、圧力検出センサ113から入力された信号に基づいて、接触位置における接触操作の押下圧力を検出し、2箇所の接触位置の少なくともいずれか一方の押下圧力の変化に応じて、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示する。
この構成によれば、接触位置における押下圧力の状態に応じて、オブジェクト画像OGを適切に立体的に傾けて表示できる。
【0109】
また、本実施形態では、制御部20は、2箇所の接触位置のうち押下圧力が大きい方の接触位置の側が、当該接触位置の押下圧力の増大に応じて奥行き方向における後方向に変移するように、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示する。
この構成によれば、ユーザの操作と、表示されるオブジェクト画像OGの状態とに一体性が生まれ、ユーザの操作性がよく、また、ユーザがオブジェクト画像OGを立体的に傾ける際に、どのような操作をすればよいのかをイメージしやすい。
【0110】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0111】
例えば、上述した実施形態では、タッチパネル11が圧力検出センサ113を有し、制御部20は、圧力検出センサ113からの入力に基づく押下圧力に応じて、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示した。一方で、制御部20は、2箇所の接触位置の少なくともいずれか一方が第3の態様で移動したことを検出した場合、接触位置の移動に応じて、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示してもよい。例えば、制御部20は、2箇所の接触位置のうち一方の接触位置が、他方の接触位置を中心として、タッチパネル11の表面上を回動するように移動した場合に、その回動角度に応じた仮想回動角度で、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示してもよい。このように、接触位置における押下圧力ではなく、接触位置の移動に応じて、オブジェクト画像OGを立体的に傾けて表示することにより、タッチパネル11に圧力検出センサ113を設ける必要がなく、コストの削減等を図ることができる。
【0112】
また例えば、図で示したフローチャートの処理単位は、車載装置1の制御部20の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。制御部20の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、同様の処理が行えれば、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0113】
また上述した実施形態では、車載装置1が「表示装置」として機能したが、本発明は、車載された装置に限らず、タッチパネルを備える装置に広く適用可能である。