【解決手段】パーツフィーダ100は、トラック状のワーク搬送面24を有し、ワーク搬送面24上での位置を規制することなくワークWを搬送可能な搬送路20と、ワーク搬送面24に略平面状に周回する進行波を発生させる圧電素子とを備え、圧電素子が発生させた進行波により、ワーク搬送面24上のワークWを搬送するよう構成される。
前記ワーク搬送面に、前記搬送路の一端部側から他端部側に向けてワークを搬送するワーク搬送部と、前記搬送路の他端部側にあるワークを前記一端部側に戻すワーク戻し部とが形成されている請求項2記載のワーク搬送装置。
前記搬送路は、その中央に押さえ部材が固定される固定部分が形成されるとともに、当該固定部分の周辺部に、前記固定部分および前記ワーク搬送面よりも薄肉の低剛性部分を介して前記ワーク搬送面が形成されている請求項1〜4の何れかに記載のワーク搬送装置。
前記搬送路が、前記ワーク搬送部の幅方向の一方側にワークを寄せる整列領域と、前記整列領域よりも低位置にあり、前記整列領域から落下させたワークを受けて前記搬送路の一端部側に戻す不良ワーク搬送領域とを有する請求項3又は4記載のワーク搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年リニアフィーダでのワークの高速化が進んでおり、特許文献1,2に開示の構成でワークの搬送速度を上げるためには、リニアフィーダの振幅を大きくすることが考えられる。しかしながら、リニアフィーダの振幅を大きくすると、リニアフィーダ先端部の水平振幅が大きくなるので、リニアフィーダの先端部に設けられるインターフェース部と次工程設備との間の隙間を広げる必要があり、近年ワークの微細化が進んでいることとあいまって、次工程設備とリニアフィーダのインターフェース部とに間にワークが落下したり、ワークの詰まりが生じるおそれがある。
【0005】
そこで、板バネの共振で振動されるリニアフィーダの駆動部の周波数を上げ、変位振幅を小さくすることで、搬送速度を上げることが考えられる。しかしながら、一般的に300Hz程度である駆動部の周波数をこれ以上に上げると、人間の耳の感度が高い1kHz〜4kHzの周波数に近づき、騒音が大きくなり、問題になる可能性がある。また、板バネで共振させる構造では、300Hzを超え、1kHz以上になると、搬送路などが弾性変形して、ワークを正常に搬送できなくなる(搬送路(シュート)を均一に平行振動させるのが困難になる)。
【0006】
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、騒音を大きくさせることなく、微細化されたワークを次工程装置まで高速で搬送させることが可能なワーク搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以上のような問題点を鑑み、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち、本発明のワーク搬送装置は、トラック状のワーク搬送面を有し、当該ワーク搬送面上での位置を規制することなくワークを載置可能な搬送路と、前記ワーク搬送面に略平面状に周回する進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段が発生させた進行波により、前記ワーク搬送面上のワークを搬送するよう構成したことを特徴とする。
【0009】
ここで略平面には、ワークの厚み程度の段差が形成されたものも含む。
【0010】
このような構成であると、進行波発生手段がトラック状のワーク搬送面に進行波を発生させてワークを搬送できるので、特に超音波振動により進行波を発生させる構成であると、ワーク搬送面の水平振幅が0に近くなり、搬送路と次工程装置とを近接させることができるので、ワークが微細であっても、搬送路と次工程装置との間にワークが落下することや詰まることを抑制できる。また、進行波の周波数を上げたとしても、従来の板バネの共振を利用する構成のように騒音が大きくならず、略平面状に発生する進行波により、ワーク搬送面上でワークを高速で搬送させることができる。
【0011】
ワーク搬送装置としての適切な利用を可能にする構成としては、前記搬送路が、前記ワーク搬送面上のワークを排出するための排出部を有することが挙げられる。
【0012】
特に、異方向ワークをボウルフィーダ等にリターンさせることが可能な構成において、ボウル部品数やコストの増加を抑制するためには、前記ワーク搬送面に、前記搬送路の一端部側から他端部側に向けてワークを搬送するワーク搬送部と、前記搬送路の他端部側にあるワークを前記一端部側に戻すワーク戻し部とが形成されている構成とすることが好ましい。
【0013】
とりわけ、ワークを適切に搬送するためには、前記排出部の幅方向両端部および前記ワーク戻し部の幅方向両端部にそれぞれガイドが設けられる構成とすることが好ましい。
【0014】
さらに、ワーク搬送面に適切に進行波を発生させるためには、前記搬送路は、その中央に押さえ部材が固定される固定部分が形成されるとともに、当該固定部分の周辺部に、前記固定部分および前記ワーク搬送面よりも薄肉の低剛性部分を介して前記ワーク搬送面が形成されている構成とすることが好ましい。
【0015】
また、ワークを整列しつつ搬送させるとともに、異方向ワークなどの不良ワークを適切に処理するためには、前記搬送路が、前記ワーク搬送部の幅方向の一方側にワークを寄せる整列領域と、前記整列領域よりも低位置にあり、前記整列領域から落下させたワークを受けて前記搬送路の一端部側に戻す不良ワーク搬送領域とを有する構成であることが好ましい。
【0016】
また、搬送路と次工程装置との間で適切な距離を保てる範囲で、進行波によりワーク搬送面に発生する水平振幅を大きくし、ワークが微細であってもワーク搬送面上で跳躍しにくくするためには、前記ワーク搬送面に、その幅方向に延びるスリットが周方向に沿って複数形成されている構成とすることが好ましい。
【0017】
さらに、騒音が大きくなることを防止しつつ高速化を達成するためには、前記進行波発生手段が、超音波振動により進行波を発生させるよう構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明した本発明によれば、特に超音波振動により略平面状の進行波を発生させることで、ワーク搬送面を次工程装置に近接させて、ワークが微細であっても、搬送路と次工程装置との間への落下や詰まりを抑制できるとともに、騒音を大きくさせることなく、ワーク搬送面上でワークを高速で搬送させることができるワーク搬送装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図1,2に示すように、本発明の一実施形態に係るワーク搬送装置としてのパーツフィーダ100は、ワーク供給用のボウルフィーダ1と、ボウルフィーダ1に接続されたリニアフィーダ2とを備える。
【0022】
ボウルフィーダ1は、ワークWを収容可能なボウル本体10と、ボウル本体10の下部に配置されてボウル本体10をねじり振動により加振させるボウル駆動手段11とを含んで構成される。
【0023】
ボウル本体10は、上部が開口したほぼ部分逆円錐状の部材であり、その内周壁には螺旋状に上昇するボウル搬送路12が形成されている。ボウル駆動手段11によってボウル本体10がねじり方向に振動すると、ワークWはボウル搬送路12に沿ってリニアフィーダ2に向けて上方に搬送される。
【0024】
リニアフィーダ2は、一端部20a1がボウル搬送路12の終端部12aと接続されるとともに、トラック状のワーク搬送面24が形成された長円形状の搬送路20と、ワーク搬送面24に超音波振動により進行波を発生させる圧電素子21(
図3参照)と、搬送路20を下方から支持する支持台22と、搬送路20の他端部20a2側に設置された選別部23とを有する。
【0025】
搬送路20は、左右略対称の形状であり、中央に長円状の凹部20aを有する。凹部20aには、凹部20aよりも一回り小さい長円形状の押さえ板20bが収められており、押さえ板20bは、長手方向に並ぶ複数の止着具20eにより、
図3に示すワッシャー20dを介して凹部20aの底面20aa中央に固定される。これにより、
図3に示すように、凹部20aの底部20aaにおいて、押さえ板20bが固定された固定部分20gとワーク搬送面24との間の位置に、他の部分よりも薄く、固定部分20gおよびワーク搬送面24よりも剛性が小さい低剛性部分20cが形成される。また、凹部20aの周辺部であって、搬送路20の中央が押さえ板20bにより押さえられて盛り上がった部分がワーク搬送面24として利用される。このように、剛性の高い固定部分20gとワーク搬送面24とが低剛性部分20cにより接続されることで、後述する進行波を発生させた際に、ワーク搬送面24の外周側と内周側の振幅差を小さくでき、ワーク搬送面24が幅方向全体に変形することを防止できるので、ワーク搬送面24上でのワークWの斜め搬送を低減できる。なお、上記凹部20aの代わりにスリットを形成することで、搬送路20に低剛性部分20cを形成してもよい。
【0026】
また搬送路20は、一端部20a1側に設けられ、ボウル搬送路12の終端部12aに接続された進入部24a2と、他端部20a2側に設けられ、ワーク搬送面24を搬送されたワークWの少なくとも一部を図示しない次工程に向けて排出する排出部(排出トラック)24a3とを有する。
【0027】
ワーク搬送面24には、進入部24a2と排出部24a3との間で直線状に延びるワーク搬送部(上り側搬送面)24aと、排出部24a3近傍から外側に張り出しつつ湾曲する湾曲戻し領域24b1および湾曲戻し領域24b1から一端部20a1側に直線状に延びる直線戻し領域24b2を有するワーク戻し部(下り側搬送面、ワーク排出用のトラック)24bとが形成される。直線戻し領域24b2の終端は、ボウル本体10の上方に位置し、直線戻し領域24b2を搬送したワークWをボウル本体10内に落下させることができる。
【0028】
このようなワーク搬送面24は、全体が略平面状すなわち略水平面状であるとともに、上方が開放されており、面上での位置を規制することなくワークWを載置可能である。なお、超音波振動により進行波を発生するものとして従来より超音波モータが知られているが、超音波モータではロータはステータに対する相対位置が規制された状態でステータに圧接されつつ回転するものであり、本実施形態のパーツフィーダ100とは構成が全く異なる。またワーク搬送面24は、20kHz以上の超音波振動で、ワーク搬送部24aまたはワーク戻し部24bにおいて少なくとも2つ以上の上下方向のたわみ波を発生させることが可能な弾性体である。
【0029】
図3に示すように、進行波発生手段としての圧電素子21は、搬送路20においてワーク搬送面24が形成された部分の裏側に張り付けられている。圧電素子21は、搬送路20の長手方向に伸縮することでワーク搬送面24にたわみを発生させるものであり、ワーク搬送部24aおよび直線戻し領域24b2に長手方向に沿ってそれぞれ複数(本実施形態では4つずつ)設けられる。複数の圧電素子21は、
図4に示すように、アンプ21aに接続され、ワーク搬送部24aおよび直線戻し領域24b2においてそれぞれ振動モードの腹の位置に1/2波長間隔で張り付けられるとともに、極性を交互に入れ替えてある。また、周波数を同じにしつつ、空間的に波の位相が90°ずれた2つのたわみ定在波モード(
図5(a)に示す0°定在波モードと
図5(b)に示す90°モード)で効率良く加振するため、ワーク搬送部24aの圧電素子21と直線戻し領域24b2の圧電素子21との間にワーク搬送面24の搬送方向に沿って(n+1/4)λ(n=0又は整数)の隔たりがあり、両圧電素子21の配置が実質的に1/4波長ずれるように取り付けられている。なお、定在波とは、共振するとその場で単に上下に振動するものである。また、圧電素子21は一体もので、表面の電極の極性を交互に入れ替える構成であってもよく、極性が逆であってもよい。さらに、圧電素子21は、ワーク搬送部24aおよび直線戻し領域24b2に1つずつ設けられる構成であってもよく、またワーク搬送部24aまたは直線戻し領域24b2のどちらか一方にのみ設けられる構成であってもよい。またさらに、圧電素子21は、ワーク搬送面24の表裏にそれぞれ取り付けられてもよい。すなわち、上述した取付条件を満たせば2以上の圧電素子21がワーク搬送面24のどこに設けられてもよい。
【0030】
このような構成において、ワーク搬送部24aの圧電素子21とワーク戻し部24bの圧電素子21とで、位相調整部21bを介して時間的に位相を90°ずらした超音波の正弦波振動を与えると、空間的かつ時間的に90°ずれた2つの定常波が重ね合わされ、ワーク搬送面24自体が共振して弾性変形し、たわみ振動が進行波となる(循環方式)。進行波が発生したワーク搬送面24の一点Zでは、
図6に示すように、起算点t=0からt=3/4Tを経て楕円振動が生じる。また、ワーク搬送面24に生成された進行波によって、波の頂点の一点ZでワークWに力が働き、ワークWとワーク搬送面24との間に摩擦力eが発生することで、楕円振動の水平成分(水平振幅)の推進力により、進行波の進む方向(
図7に示す矢符d)と逆方向(
図7に示す矢符c)にワークWが搬送される。ワーク搬送面24でこのようなたわみ波の進行波が循環することで、ワークWはワーク搬送面24上を長円状に周回搬送される。このようにワーク搬送面24のみをたわみ振動させるので、前述のように搬送路20の中央部を固定してもワーク搬送面24のたわみ振動モードに影響を与えず、進行波が得られる。なお、ワーク搬送部24aの圧電素子21と、ワーク戻し部24bの圧電素子21とで、それらに与える正弦波の位相差を反転させることで(時間位相を反転(−90°))、逆方向にワークWを搬送させることができ、ワークWの詰まりが発生した場合などで、ワークWを一旦逆送させて詰まりを解除することができる。
【0031】
図1に戻って、ワーク搬送部24a、湾曲戻し領域24b1、直線戻し領域24b2、進入部24a2および排出部24a3の幅方向両端部には、遠心力によるワークWの落下や、直線戻し領域24b2からワーク搬送部24aへのワークWの進入を防ぐガイド25が設けられる。
【0032】
また、選別部23は、他端部20a2に設けられた湾曲戻し領域(カーブ)24b1よりも搬送方向上流側に設けられ、姿勢判別に利用されるセンサ23aと、姿勢判別の結果に基づいてエアを噴出させるエア噴出部23bとを有する。エア噴出部23bからエアを噴出することで、異方向と判別されたワークWをワーク搬送部24aからワーク戻し部24bに押し出し、搬送部24aから排除することができる。
【0033】
このようなパーツフィーダ100では、ボウルフィーダ1から供給されたワークWは、ワーク搬送部24aにおいて矢符xの向きに直線的に搬送され、湾曲戻し領域24b1の手前に配置された選別部23に到達する。センサ23aを利用した姿勢判別により正方向と判別されたワークWは慣性力によりそのまま真っ直ぐ進んで排出部24a3に移送され、次工程に供給される。一方、異方向と判別されたワークWは、エア噴出部23bから噴出されたエアにより経路が変更され、ワーク戻し部(リターントラフ)24bを経由して矢符yの方向に進み、ボウルフィーダ1に戻される。そのため、正方向と判別されたワークWは搬送部24aを進んで排出部24a3にて次工程に引き渡される一方、異方向と判別されたワークWは、ワーク戻し部24bを搬送してボウルフィーダ1のボウル本体10内に戻される。
【0034】
以上のように本実施形態のパーツフィーダ100は、トラック状のワーク搬送面24を有し、ワーク搬送面24上での位置を規制することなくワークWを搬送可能な搬送路20と、ワーク搬送面24に略平面状に周回する進行波を発生させる進行波発生手段としての圧電素子21とを備え、圧電素子21が発生させた進行波により、ワーク搬送面24上のワークWを搬送するよう構成される。
【0035】
このような構成であると、圧電素子21がトラック状のワーク搬送面24に進行波を発生させてワークWを搬送できるので、特に超音波振動により進行波を発生させる構成であると、ワーク搬送面24の水平振幅が0に近くなり、ワーク搬送面24に接続された排出部24a3を次工程装置に近接させることができるので、ワークWが微細であっても、搬送路20と次工程装置との間にワークWが落下することや詰まることを抑制できる。また、進行波の周波数を上げたとしても、従来の板バネの共振を利用する構成のように騒音が大きくなることなく、略平面状に発生する進行波により、ワーク搬送面24上でワークWを高速で搬送させることができる。さらに、進行波を進行させる方向を逆にすることで、ワークWを逆方向に搬送させることができるので、ワーク搬送面24上でワークWの詰まり等が発生した場合にワークWを一旦逆相させて詰まりを解消することができる。
【0036】
また、搬送路20は、ワーク搬送面24上のワークWを排出するための排出部24a3を有するので、ワーク搬送装置100として適切に利用できる。
【0037】
ここで、上記特許文献1,2に開示のパーツフィーダのように、メインのリニアフィーダと、メインのリニアフィーダから排除されたワークをボウルフィーダに戻すリターン用のリニアフィーダとを有する構成であると、2台のリニアフィーダを逆方向に設定するため、トラフ同士が互いに干渉しないようトラフの位置等を調整する必要があり、その調整に長い時間を要すると考えられる。また、各リニアフィーダにワーク搬送面を振動させる駆動部およびコントローラがそれぞれ必要となり、コストアップに繋がる。
【0038】
そこで、本実施形態のように、ワーク搬送面24に、搬送路20の一端部20a1側から他端部20a2側に向けてワークWを搬送するワーク搬送部24aと、搬送路20の他端部20a2側にあるワークWを一端部20a1側に戻すワーク戻し部24bとが形成されることで、長円形状であるワーク搬送面24の片側をリターントラフとして利用できるので、排除した部品を循環させるために別のリニアフィーダやリターントラフを用意する必要がなく、搬送路20の設置が容易で、部品数やコストの増加を抑制できる。
【0039】
とりわけ、排出部24a3の幅方向両端部およびワーク戻し部24bの幅方向両端部にそれぞれガイド25が設けられることから、ワークWがパーツフィーダ100の周辺に落下することを防止して、ワークWを適切に搬送することができる。
【0040】
さらに、搬送路20が、その中央に押さえ部材である押さえ板20bで固定される固定部分20gが形成されるとともに、当該固定部分20gの周辺部に、固定部分20gおよびワーク搬送面24よりも薄肉の低剛性部分20cを介してワーク搬送面24が形成されるように構成したことから、トラック状のワーク搬送面24に不要なたわみを生じさせることなく、固定部分20gを足場にして、適切に進行波を発生させることができる。
【0041】
特に、圧電素子21が、超音波振動により進行波を発生させるよう構成されることから、駆動音が人間の耳に聞こえず、無音化でき、騒音が大きくなることを防止しつつ高速化を達成できる。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0043】
例えば、本実施形態では、ワーク搬送面24の全体が同一平面上にあるが、
図8,9に示すパーツフィーダ101のように、ワーク搬送部24aの幅方向の一端部31aにワークWを寄せる整列領域としての整列トラフ部31と、整列トラフ部31よりも低位置にある不良ワーク搬送領域としての周回コース部32とが設けられる構成であってもよい。整列トラフ部31は、進入部24a2´、ワーク搬送部24aおよび排出部24a3´に亘って、ワーク搬送面24よりも高い位置で一端部31a側のガイド25に向けて下方に傾斜して形成される。これによりワークWは、
図9に示すように、整列トラフ部31の傾斜により一端部31a側によりガイド25に当接しつつ搬送されるので、ワークWを一列に整列させて次工程装置に供給することができる。周回コース部32は、ワーク搬送部24aの整列トラフ部31以外の部分およびワーク戻し部24bにより構成される。
【0044】
この構成では、ボウルフィーダ1のボウル搬送路12から整列トラフ部31にワークWが供給され、整列トラフ部31を搬送するワークWに対して、ワーク搬送部24aの長手方向中央部に設けられた選別部23のセンサ23aを利用して姿勢判別が行われる。異方向と判別されたワークWは、エア噴出部23bからのエアにより整列トラフ部31から周回コース部32に落とされる。周回コース51に排除された異方向のワークWは、ワーク戻し部24bを経てボウルフィーダ1のボウル本体10に戻される。正方向と判別されたワークWは、整列トラフ部31を他端部20a2側に進み、排出部24a3´から排出される。なお、進入部24a2´および排出部24a3´では、幅方向の一端部31a側にのみガイド25が設けられる。また、本変形例では、
図9に示すように、上記実施形態よりも、ワーク搬送面24と固定部分20gとの間にある低剛性部分20cを薄くして、剛性を低くしている。これにより、ワーク搬送面24の幅方向における外側と内側で上下方向のたわみ振幅差が一層小さくなり、ワークWが斜め搬送されることをより安定して低減できる。
【0045】
このように、搬送路30が、ワーク搬送部24aの幅方向の一方側である一端部31a側にワークWを寄せる整列領域としての整列トラフ部31と、整列トラフ部31よりも低位置にあり、整列トラフ部31から落下したワークWを受けて、搬送路30の一端部20a1側に戻す不良ワーク搬送領域としての周回コース部32とを有することから、ワークを一列で整列させつつ搬送でき、異方向のワークWをボウルフィーダ1に適切に戻すことができる。また、選別部23を湾曲戻し領域24b1の手前だけでなく、ワーク搬送部24aの複数箇所に設置することができ、姿勢判別処理を複数回行えるので、選別効率を上げることができる。
【0046】
なお、直線戻し領域部24b2をのぼり傾斜にし、直線戻し領域部24b2を搬送したワークWを整列トラフ部31の始端部に直接戻す構造としてもよい。これにより、ボウルフィーダ1が不要となる。これに加えて、整列トラフ部31から周回コース部32にワークWを回転させつつ落下させて、ワークWの姿勢を変更可能な構成にすることもできる。また、整列トラフ部31を下り傾斜にすることで、搬送速度を大きくする構成としてもよい。さらに、
図10に示すように、ワーク搬送部24aの全体を整列トラフ部31とするとともに、整列トラフ部31のエア噴出部23b近傍位置から周回コース部32にかけて押さえ板20b上を通るように架渡部材35を下り傾斜で架け渡し、異方向と判別されたワークWを整列トラフ部31からエアで架渡部材35上に飛ばして直接周回コース部32に移送させる構成としてもよい。これにより湾曲戻し部24b1を通過させる必要がなく、ワーク戻し部24bへのワークWの移送をショートカットできる。
【0047】
また
図11に示すように、ワーク搬送面24´に、その幅方向に延びるスリット8が周方向に沿って複数形成されている構成としてもよい。ワーク搬送面24にスリット8が形成されていない上記実施形態では中立軸Nが搬送路20の厚み方向中央に位置するが(
図6参照)、ワーク搬送面24´にスリット8が形成されることで中立軸Nが下がるので、
図12に示すように、進行波によりワーク搬送面24´に発生する水平成分(水平振幅)を搬送路20´と次工程装置との間で適切な距離を保てる範囲で大きくでき、ワークWにかかる水平方向の推進力を大きくして、ワーク搬送面24´上でワークWを跳躍させにくくすることができる。なお、このような構成において、ワーク搬送面24´に図示しないフィルムを貼り付け、ワークWがスリット8に落下しないようにしてもよい。
【0048】
さらに、上記実施形態では進行波を循環方式により発生させたが、これに限定されず、例えば、
図13に示すようにワーク搬送面24の両端20a1,20a2をそれぞれ位相差を変えて加振する従来既知の両端加振方式で進行波を発生させてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、ワークWの搬送または戻しのためにワーク搬送面24,24´の略全体を利用するが、ワークWの搬送のためにワーク搬送面24,24´の片側のみを利用する構成であってもよい。
【0050】
さらに、搬送路20,30の形状は平面視長円状に限定されず、平面視長方形状であってもよい。
【0051】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。