【課題】施設において、インフラの整備のためのコストを従来よりも抑え、かつ、出力先として携帯情報端末を用いることなく、停電の際に緊急性の高い情報を報知できるようにする。
【解決手段】制御装置20は、緊急または非常に関する情報を入力信号スイッチ24の入力端子24hへ出力する。緊急または非常を示す合図が入力されると切換信号6K1を入力信号スイッチ24のUSBインタフェースボード24uへ出力する。入力信号スイッチ24は、通常は、入力端子24tから入力される通常映像信号6Tを出力端子24sからディスプレイ3へ出力するが、切換信号6K1が入力されたら、通常映像信号6Tに代えて入力端子24hから入力される緊急映像信号6Hを出力する。
前記切換信号出力手段は、メンテナンスを開始する旨を示す開始合図が前記制御部に入力されてから、当該メンテナンスを終了する旨を示す終了合図が前記制御部に入力されるまでの間は、前記第一の情報を出力するように切り換えるための信号を出力しない、
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の緊急情報表示支援ユニット。
第一の情報を入力する第一の入力手段、第二の情報を入力する第二の入力手段、切換えに関する切換信号を入力する第三の入力手段、前記第一の入力手段に入力された前記第一の情報および前記第二の入力手段に入力された前記第二の情報を、前記第三の入力手段によって入力された前記切換信号に基づいて選択的にディスプレイへ出力する出力手段、を有するスイッチと、停電の際に前記ディスプレイへ電力を供給するUPSと、ともに使用される表示制御装置であって、
緊急または非常に関する情報を前記第一の情報として前記第一の入力手段へ出力する、緊急情報出力手段と、
緊急または非常を示す合図が入力されると、前記第一の情報を出力するように切り換えるための信号を前記切換信号として前記第三の入力手段へ出力する、切換信号出力手段と、
を有することを特徴とする表示制御装置。
制御装置、UPS(Uninterrupted Power Supply)、およびスイッチを用いて、ディスプレイに表示する情報を制御する、表示制御方法であって、
第一の情報を入力する第一の入力手段と、第二の情報を入力する第二の入力手段と、切換えに関する切換信号を入力する第三の入力手段と、前記第一の入力手段に入力された前記第一の情報および前記第二の入力手段に入力された前記第二の情報を、前記第三の入力手段によって入力された前記切換信号に基づいて選択的にディスプレイへ出力する出力手段と、を有するスイッチを、前記スイッチとして使用し、
緊急または非常に関する情報を前記第一の情報として前記第一の入力手段へ出力する処理を前記制御装置に実行させ、
前記制御装置に緊急または非常を示す合図が入力されると、前記第一の情報を出力するように切り換えるための信号を前記切換信号として前記第三の入力手段へ出力する処理を前記制御装置に実行させ、
前記UPSに、停電の際に前記ディスプレイへ電力を供給させる、
ことを特徴とする表示制御方法。
第一の情報を入力する第一の入力手段、第二の情報を入力する第二の入力手段、切換えに関する切換信号を入力する第三の入力手段、前記第一の入力手段に入力された前記第一の情報および前記第二の入力手段に入力された前記第二の情報を、前記第三の入力手段によって入力された前記切換信号に基づいて選択的にディスプレイへ出力する出力手段、を有するスイッチと、停電の際に前記ディスプレイへ電力を供給するUPSと、ともに使用されるコンピュータを制御するためのコンピュータプログラムであって、
緊急または非常に関する情報を前記第一の情報として前記第一の入力手段へ出力する処理を前記コンピュータに実行させ、
緊急または非常を示す合図が入力された場合に、前記第一の情報を出力するように切り換えるための信号を前記切換信号として前記第三の入力手段へ出力する処理を、前記コンピュータに実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、情報提示システム5の全体的な構成の例を示す図である。
図2は、制御装置20のハードウェア構成の例を示す図である。
【0023】
図1に示すように、情報提示システム5は、通常情報配信装置1、緊急情報表示支援ユニット2、ディスプレイ3、通信回線40、第一の信号変換器41、および第二の信号変換器42などによって構成される。
【0024】
情報提示システム5は、病院、役所、または学校などの施設に備えられ、施設の中にいる人へ情報を提示するために使用される。以下、病院において情報提示システム5が使用される場合を例に説明する。
【0025】
通常情報配信装置1は、緊急性を要しない通常の情報、例えば、病院内の設備、開業時間、休業日、または病気の予防策などに関する情報をディスプレイ3へ配信する。
【0026】
具体的には、通常情報配信装置1は、これらの情報を表わす画像(文字列、図表、イラスト、写真、またはこれらの組合せ)の画像データを、所定の規格の映像信号に変換して出力する。以下、この信号を「通常映像信号6T」と記載する。また、この規格として、アナログRGB(Red Green Blue)、DVI(Digital Visual Interface)、またはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)などの規格が用いられる。「HDMI」は、登録商標である。
【0027】
通常情報配信装置1として、この規格の出力端子を有するパーソナルコンピュータが用いられる。
【0028】
通常情報配信装置1は、この出力端子を介して第一の信号変換器41に繋がれている。そして、通常映像信号6Tは、通常情報配信装置1から出力されると、第一の信号変換器41に入力される。
【0029】
第一の信号変換器41と第二の信号変換器42とは、通信回線40を介して接続されている。通信回線40として、有線または無線のイーサネット(登録商標)が用いられる。
【0030】
第一の信号変換器41は、この規格の映像信号を、イーサネット(登録商標)用のツイストペアケーブルで伝送できるようにパケットに変換する。そして、パケットを、通信回線40を介して第二の信号変換器42へ送信する。
【0031】
第二の信号変換器42は、パケットを第一の信号変換器41から受信し、この規格の映像信号に変換(復号)し、この規格の出力端子に繋がれた装置へ出力する。この出力端子には、緊急情報表示支援ユニット2またはディスプレイ3を繋ぐことができる。
【0032】
このような仕組みによって、通常映像信号6Tを通常情報配信装置1から緊急情報表示支援ユニット2またはディスプレイ3へ送信することができる。
【0033】
第一の信号変換器41および第二の信号変換器42として、インタフェースを備えるディスプレイエクステンダまたはKVM(Keyboard Video Mouse)エクステンダが用いられる。
【0034】
ディスプレイ3は、この規格の映像信号を入力し、この映像信号に基づいて画像を表示する。ディスプレイ3として、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、またはプラズマディスプレイなどが用いられる。従来は、ディスプレイ3は、緊急情報表示支援ユニット2を介さずに第二の信号変換器42から通常映像信号6Tを受信し、通常の情報を表示する。
【0035】
通常情報配信装置1、ディスプレイ3、通信回線40、第一の信号変換器41、および第二の信号変換器42は、病院に備えられた既存のものでよい。ただし、後述するように、ディスプレイ3と第一の信号変換器41との間に緊急情報表示支援ユニット2が設けられる。
【0036】
緊急情報表示支援ユニット2は、緊急または非常の際に、災害に関する情報または避難などの対応に関する情報のような緊急性を要する情報(以下、「緊急情報」と記載する。)をディスプレイ3へ配信する。
【0037】
緊急情報表示支援ユニット2は、制御装置20、入力信号スイッチ24、およびUPS(Uninterrupted Power Supply)25などによって構成される。制御装置20、入力信号スイッチ24、およびUPS25は、1つの筐体に収納されている。筐体の大きさは、ディスプレイ3よりも小さく、セットトップボックス程度である。そして、緊急情報表示支援ユニット2は、ディスプレイ3の背面に据え付けられて使用される。
【0038】
制御装置20は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20a、RAM(Random Access Memory)20b、ROM(Read Only Memory)20c、フラッシュメモリ20d、グラフィックボード20e、USB(Universal Serial Bus)インタフェースボード20f、無線LAN(Local Area Network)通信部20g、および携帯電話通信機20hなどによって構成される。
【0039】
グラフィックボード20eは、画面データが表わす画面(画像)をディスプレイで表示するための映像信号を生成する。つまり、画面データを映像信号に変換する。本実施形態では、グラフィックボード20eはディスプレイ3に繋がれており、ディスプレイ3に対応した映像信号に変換する。
【0040】
USBインタフェースボード20fは、USBの規格に対応した装置(いわゆる、USB機器)と通信を行う。本実施形態では、特に、入力信号スイッチ24およびUPS25と繋がれて使用される。
【0041】
無線LAN通信部20gは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11シリーズすなわち無線LANの規格に基づいて無線通信を行う。
【0042】
携帯電話通信機20hは、LTE(Long Term Evolution)またはW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)などの携帯電話の通信の規格に基づいて無線通信を行う。または、PHS(Personal Handy-phone System)の規格であってもよい。
【0043】
ROM20cまたはフラッシュメモリ20dには、緊急情報表示プログラム2Pが記憶されている。緊急情報表示プログラム2Pは、ディスプレイ3に、緊急でも非常でもない場合は通常の情報を表示させ、緊急または非常の場合に緊急性を要する情報を表示させるためのプログラムである。緊急情報表示プログラム2Pは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。
【0044】
制御装置20は、パーソナルコンピュータまたはタブレットコンピュータに緊急情報表示プログラム2Pをインストールすることによって、構成することができる。
【0045】
入力信号スイッチ24は、切換部、映像信号を入力する2つの入力端子、映像信号を出力する1つの出力端子、およびUSBインタフェースボード24uなどを備える。
【0046】
2つの入力端子のうちの一方は、第二の信号変換器42に繋がれており、もう一方は、制御装置20のグラフィックボード20eに繋がれている。以下、前者を「入力端子24t」と記載し、後者を「入力端子24h」と記載する。また、出力端子を「出力端子24s」と記載する。USBインタフェースボード24uは、制御装置20のUSBインタフェースボード20fに繋がれている。
【0047】
そして、切換部は、USBインタフェースボード24uを介して制御装置20から入力された信号に応じて、2つの入力端子24t、42hそれぞれに入力される映像信号のうちの一方のみを、出力端子24sから出力させる。
【0048】
通常は、入力端子24tから入力される映像信号(つまり、通常映像信号6T)が出力端子24sから出力されるように設定されている。
【0049】
UPS25は、制御装置20およびディスプレイ3が15分ほど動作するのに必要な容量のバッテリを備えている。容量は、これよりも多くてもよいし、少なくてもよい。ただし、容量を多くし過ぎるとバッテリが重くなり過ぎるので、緊急情報表示支援ユニット2をディスプレイ3に備え付けるのに耐え得る程度に留めるのが望ましい。容量を少なくし過ぎると、停電時の報知が十分にできなくなるかもしれないので、5分程度は制御装置20およびディスプレイ3が動作する程度は、容量があったほうがよい。そして、商用電源が停電になった際に、制御装置20およびディスプレイ3へ電力を供給する。停電の際に制御装置20への電力の供給が一時的に停止すると、制御装置20がリセットされてしまう。
【0050】
これを防止するために、UPS25として、常時インバータ給電方式のUPS(無停電電源装置)を用いるのが好ましい。この場合は、商用電源が正常にUPS25へ供給されている際も、制御装置20およびディスプレイ3への電力は、UPS25を介して供給される。UPS25は、常時インバータ給電方式のUPSでなくてもよい。特に、制御装置20の中にバッテリが備わっている場合は、電力の供給の一時的な停止の可能性が低いので、常時商用給電方式のUPSであってもよい。
【0051】
また、UPS25は、USBインタフェースボードを有しており、制御装置20のUSBインタフェースボード20fに繋がれている。そして、商用電源からの電力の供給が停止した際に、その旨を知らせる信号(以下「停電信号6E」と記載する。)を制御装置20へ出力する。
【0052】
図3は、制御装置20の機能的構成の例を示す図である。
図4は、コンテンツデータ61の例を示す図である。
図5は、フォーム7Fおよび緊急情報画面7Gの例を示す図である。
【0053】
次に、緊急情報表示プログラム2Pによる通常の情報と緊急情報との表示の切換えの仕組みなどについて説明する。
【0054】
緊急情報表示プログラム2Pによると、
図3に示すコンテンツ記憶部201、フラグ記憶部202、コンテンツ選定部203、画面データ生成部204、第一の切換指令部205、第二の切換指令部206、およびフラグ更新部207などの機能が実現される。これらの機能のうちの一部分をオペレーティングシステムによって実現してもよい。
【0055】
コンテンツ記憶部201には、
図4に示すように、コンテンツデータ61が予め複数、記憶されている。コンテンツデータ61には、次の事項が示される。
【0056】
「コード」は、コンテンツデータ61を他のコンテンツデータ61と区別するための識別子である。「コンテンツ」は、患者へ知らせる内容(コンテンツ)を表わすテキストデータである。「送信元」は、このコンテンツを、どの端末装置から指令があった場合にディスプレイ3に表示させるのかを、示している。
【0057】
さらに、コンテンツ記憶部201には、コンテンツデータ62が予め記憶されている。コンテンツデータ62は、「停電が発生しました。慌てず、職員の指示に従って下さい」のような、停電の発生の際に患者へ知らせるべきコンテンツである。
【0058】
フラグ記憶部202には、フラグ68が予め記憶されている。フラグ68は、通常の情報から緊急情報への切換えの機能のオン/オフを示す。フラグ68のデフォルトの値は「オン」である。
【0059】
ところで、緊急または非常の事態は、次の2つの発信元によって緊急情報表示支援ユニット2に通知される。
【0060】
1つ目の発信元は、UPS25である。上述の通り、UPS25は、商用電源からの電力の供給が停止すると、停電信号6Eを制御装置20へ出力する。
【0061】
2つ目の発信元は、病院の管理者の端末装置である。病院の管理者は、火災または地震などが発生したことを知ると、直ちに、端末装置(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータ)を操作し、電子メールを次のように作成する。
【0062】
コンテンツ記憶部201にコンテンツデータ61が用意されているコンテンツをディスプレイ3に表示させた場合は、管理者は、そのコンテンツのコードを電子メールのタイトルとして入力する。本文には、何も記入しなくてもよい。
【0063】
一方、用意されていないコンテンツを表示させたい場合は、管理者は、それを電子メールの本文として入力する。タイトルには、所定のコード(例えば、「111」)を入力する。以下、このコードを「自由文コード」と記載する。ただし、自由文コードは、いずれのコンテンツデータ61にも使用されていない。また、後述する、いずれの機能切換コードおよび復旧通知コードとも、重複していない。
【0064】
そして、制御装置20に割り当てられている携帯電話番号または電子メールアドレスへ宛てて、作成した電子メールを送信する。以下、この電子メールを「電子メール6M」と記載する。電子メール6Mは、SMS(Short Message Service)またはMMS(Multimedia Messaging Service)のメッセージとして制御装置20へ送信される場合もある。または、アップル社のiMessageなどのインスタントメッセージサービスのメッセージとして制御装置20へ送信される場合もある。後述する電子メール6N1および6N2についても、同様である。
【0065】
コンテンツ選定部203は、UPS25から停電信号6Eが入力された場合、および、無線LAN通信部20gまたは携帯電話通信機20hによって電子メール6Mが受信された場合に、ディスプレイ3に表示すべきコンテンツを、次のように選定する。
【0066】
停電信号6Eが入力された場合は、コンテンツ選定部203は、コンテンツデータ62に示されるコンテンツを、表示すべきコンテンツとして選定する。
【0067】
または、電子メール6Mが受信された場合は、コンテンツ選定部203は、コンテンツデータ61それぞれのコードを電子メール6Mのタイトルと比較する。そして、電子メール6Mのタイトルと一致するコードを有するコンテンツデータ61があれば、そのコンテンツデータ61に示される発信元が、電子メール6Mの発信元と一致するか否かをチェックする。そして、一致する場合は、そのコンテンツデータ61に示されるコンテンツを、表示すべきコンテンツとして選定する。または、電子メール6Mのタイトルが自由文コードと一致すれば、電子メール6Mの本文を、表示すべきコンテンツとして選定する。この場合は、予め設定された発信元から電子メール6Mが送信されてきた場合にのみ選定するのが、望ましい。
【0068】
ただし、フラグ68の値が「オフ」である場合は、コンテンツ選定部203は、コンテンツを選定しない。この場合は、次に説明する画面データ生成部204による処理および第一の切換指令部205による処理も、実行されない。
【0069】
画面データ生成部204は、コンテンツ選定部203によってコンテンツが選定されると、そのコンテンツを示す緊急情報画面7Gの画面データ6Gを生成する。例えば、
図5(A)のようなフォーム7Fの画面データを予め用意しておく。そして、選定されたコンテンツを表わす文字列が
図5(B)のように所定の欄に埋め込まれるように画面データを更新することによって、画面データ6Gを生成する。
【0070】
グラフィックボード20eは、画面データ6Gを映像信号に変換し、入力信号スイッチ24へ出力する。以下、この映像信号を、通常映像信号6Tと区別するために「緊急映像信号6H」と記載する。
【0071】
第一の切換指令部205は、画面データ6Gが画面データ生成部204によって生成されると、切換信号6K1を入力信号スイッチ24へ出力する。これにより、出力する映像信号の切換えの指令が入力信号スイッチ24に対して与えられる。
【0072】
なお、フラグ68の値が「オン」である場合に電子メール6Mまたは停電信号6Eが制御装置20に入力されたことを、切換信号6K1を出力する条件(トリガ)としてもよい。
【0073】
入力信号スイッチ24は、USBインタフェースボード24uから9切換信号6K1が入力されると、出力端子24sから出力する映像信号を、入力端子24tから入力される映像信号(つまり、通常映像信号6T)から、入力端子24hから入力される映像信号(つまり、緊急映像信号6H)へ切り換える。
【0074】
そして、ディスプレイ3は、入力信号スイッチ24から緊急映像信号6Hが入力されると、緊急映像信号6Hに基づいて、例えば
図5(B)に示したような緊急情報画面7Gを表示する。
【0075】
〔メンテナンス時〕
ところで、メンテナンスのために、UPS25への商用電力の供給を一時的に止めたり、電子メール6Mを制御装置20へ送信したりすることがある。すると、緊急または非常でないにも関わらず、緊急映像信号6Hがディスプレイ3へ送信され、緊急情報画面7Gがディスプレイ3に表示されてしまう。
【0076】
そこで、通常の情報から緊急情報への切換えの機能のオン/オフが、次の方法によって切り換えられる。
【0077】
管理者は、メンテナンスを開始する前に、電子メール6N1を端末装置によって作成する。電子メール6N1には、タイトルとして、メンテナンスを開始する旨を意味する所定の機能切換コード(例えば、「222」)が示される。そして、電子メール6N1を制御装置20へ宛てて送信する。
【0078】
制御装置20において、電子メール6N1が受信されると、フラグ更新部207は、電子メール6N1のタイトルに所定の機能切換コード(メンテナンスを開始する旨を意味するコード)が示されていれば、フラグ68の値を「オフ」に更新する。
【0079】
すると、その後、停電信号6Eが入力されまたは電子メール6Mが受信されても、フラグ68の値が「オフ」なので、コンテンツ選定部203はコンテンツを選定せず、画面データ生成部204は画面データ6Gを生成せず、第一の切換指令部205は切換信号6K1を出力しない。よって、ディスプレイ3には、通常の情報が引き続き表示される。
【0080】
メンテナンスが終了したら、管理者は、電子メール6N2を端末装置によって作成する。電子メール6N2には、タイトルとして、メンテナンスが終了した旨を意味する所定の機能切換コード(例えば、「333」)が示される。そして、電子メール6N2を制御装置20へ宛てて送信する。
【0081】
制御装置20において、電子メール6N2が受信されると、フラグ更新部207は、電子メール6N1のタイトルに所定の機能切換コード(メンテナンスが終了した旨を意味するコード)が示されていれば、フラグ68の値を「オン」に更新する。
【0082】
すると、その後、停電信号6Eが入力されまたは電子メール6Mが受信されると、上述の通り、コンテンツ選定部203、画面データ生成部204、および第一の切換指令部205によって処理が行われ、ディスプレイ3に緊急情報画面7Gが表示される。
【0083】
〔復旧時〕
緊急情報画面7Gをディスプレイ3に表示させた後、すぐに、災害が収まったり、病院への影響がないことが分かったりすることが、ある。このような場合は、緊急情報画面7Gを表示するのを止め、通常の情報を再び表示するのが望ましい。
【0084】
そこで、このような場合に、管理者は、電子メール6N3を端末装置によって作成する。電子メール6N3には、タイトルとして、通常に戻った旨を意味する復旧通知コード(例えば、「555」)が示される。そして、電子メール6N3を制御装置20へ宛てて送信する。
【0085】
制御装置20において、電子メール6N3が受信されると、第二の切換指令部206は、電子メール6N3のタイトルに所定の復旧通知コード(通常に戻った旨を意味するコード)が示されていれば、切換信号6K2を入力信号スイッチ24へ出力する。
【0086】
入力信号スイッチ24は、切換信号6K2が入力されると、出力端子24sから出力する映像信号を、入力端子24hから入力される映像信号(つまり、緊急映像信号6H)から、入力端子24tから入力される映像信号(つまり、通常映像信号6T)へ切り換える。
【0087】
そして、ディスプレイ3へ入力信号スイッチ24から通常映像信号6Tが再び入力されると、ディスプレイ3は、通常映像信号6Tに基づいて通常の情報を表示する。
【0088】
ところで、停電になると、UPS25のバッテリが枯渇するまで緊急情報表示支援ユニット2およびディスプレイ3が動作するが、枯渇すると、緊急情報表示支援ユニット2およびディスプレイ3がダウンする。
【0089】
その後、商用電源が復旧すると、再び緊急情報表示支援ユニット2およびディスプレイ3が動作し始める。緊急情報表示支援ユニット2は、再起動し、デフォルトの状態で処理を開始する。
【0090】
また、第二の切換指令部206は、再起動の際に、念のために切換信号6K2を入力信号スイッチ24へ出力する。これにより、より確実に、通常の情報がディスプレイ3に表示される。
【0091】
図6〜
図7は、制御装置20における全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0092】
次に、制御装置20が緊急情報表示プログラム2Pに基づいて実行する全体的な処理の流れを、
図6〜
図7を参照しながら説明する。
【0093】
制御装置20は、電源がオンになると、オペレーティングシステムを起動し、さらに、緊急情報表示プログラム2Pを起動する。そして、緊急情報表示プログラム2Pに基づいて次の通り処理を実行する。
【0094】
緊急情報表示プログラム2Pの起動後、制御装置20は、初期化の処理を行う(
図6の#71)。この処理において、特に、切換信号6K2を入力信号スイッチ24へ出力する。これにより、より確実に通常映像信号6Tが入力信号スイッチ24からディスプレイ3へ出力される。
【0095】
制御装置20は、停電信号6Eが入力されまたは電子メール(電子メール6M、6N1、6N2、または6N3)を受信するのを待つ(#72)。
【0096】
停電信号6Eが入力された場合は(#73でYes)、フラグ68の値が「オン」であれば(#74でYes)、制御装置20は、コンテンツデータ62に示されるコンテンツつまり停電用のコンテンツを、ディスプレイ3における緊急または非常の際の表示用のコンテンツとして選定する(#75)。
【0097】
または、電子メールを受信した場合は(#73でNo)、電子メールのタイトルと一致するコードを有するコンテンツデータ61があり(#76でYes)、かつ、フラグ68の値が「オン」であれば(#77でYes)、制御装置20は、そのコンテンツデータ61に示される発信元が、電子メールの発信元と一致するか否かをチェックする(#78)。そして、一致すれば(#79でYes)、そのコンテンツデータ61に示されるコンテンツを、表示すべきコンテンツとして選定する(#80)。
【0098】
または、電子メールのタイトルが自由文コードと一致し(#81でYes)、かつ、フラグ68の値が「オン」であれば(#82でYes)、制御装置20は、電子メールの発信元が所定の発信元であるか否かをチェックする(#83)。そして、所定の発信元であれば(#84でYes)、電子メールの本文を、表示すべきコンテンツとして選定する(#85)。
【0099】
そして、制御装置20は、ステップ#75、#80、または#85で選定したコンテンツを用いて画面データ6Gを生成し(
図7の#86)、画面データ6Gを緊急映像信号6Hに変換して入力信号スイッチ24へ出力する(#87)。さらに、切換信号6K1を入力信号スイッチ24へ与える(#88)。これにより、
図5(B)に例示したような、選定したコンテンツを示す緊急情報画面7Gがディスプレイ3に表示される。
【0100】
または、電子メールのタイトルに、メンテナンスを開始する旨を意味する機能切換コードが示される場合は(#89でYes)、制御装置20は、フラグ68をオフに切り換える(#90)。これにより、停電信号6Eが入力されまたは電子メール6Mが受信されても、切換信号6K1も緊急映像信号6Hも、入力信号スイッチ24へ出力されない。
【0101】
または、電子メールのタイトルに、メンテナンスを終了する旨を意味する機能切換コードが示される場合は(#91でYes)、制御装置20は、フラグ68をオンに切り換える(#92)。これにより、その後、停電信号6Eが入力されまたは電子メール6Mが受信されると、切換信号6K1および緊急映像信号6Hが入力信号スイッチ24へ出力されるようになる。
【0102】
または、電子メールのタイトルに復旧通知コードが示される場合は(#93でYes)、制御装置20は、切換信号6K2を入力信号スイッチ24へ出力する(#94)。これにより、入力信号スイッチ24からディスプレイ3へ通常映像信号6Tが出力され、通常の情報がディスプレイ3に表示されるようになる。
【0103】
本実施形態によると、既存の通常情報配信装置1、通信回線40、第一の信号変換器41、第二の信号変換器42、およびディスプレイ3に緊急情報表示支援ユニット2を組み合わせるだけで、出力先として携帯情報端末を用いることなく、停電の際に緊急性の高い情報を報知できるようにすることができる。よって、インフラの整備のためのコストを従来よりも抑えることができる。しかも、停電の際にも、施設の予備電源を使うことなく、緊急性の高い情報を報知することができる。
【0104】
本実施形態では、UPS25は、制御装置20およびディスプレイ3の両方に電力を供給したが、制御装置20に充電池が備わっている場合は、ディスプレイ3にのみ供給してもよい。そして、制御装置20は、停電の際、この充電池に蓄電されている電力を用いて処理を行えばよい。
【0105】
入力信号スイッチ24へは、UPS25から電力を供給してもよいし、USBケーブルを介して制御装置20から電力を供給してもよい。
【0106】
本実施形態では、制御装置20は、緊急または非常の発生を、停電信号6Eの入力または電子メール6Mの受信によって検知したが、携帯電話会社、公的機関、放送局、またはポータルサービス会社などが提供する災害通報を受信することによって検知してもよい。
【0107】
本実施形態では、制御装置20は、緊急情報を文字列で表現して提供したが、図表、イラスト、写真などによって表現される情報を提供してもよい。または、文字列、図表、イラスト、および写真などのうちのいずれかを組み合わせて表現したものを提供してもよい。または、動画像で表現したものを提供してもよい。通常の情報についても、同様である。
【0108】
電子メール6Mとして、SMSのメッセージを使用する場合は、タイトルを付すことができない場合がある。この場合は、本文の1行目にタイトルを記述し、2行目以降にコンテンツを記述すればよい。
【0109】
本実施形態では、
図1に示したように、緊急情報表示支援ユニット2およびディスプレイ3の組合せを1組だけ示したが、複数組、情報提示システム5に設けられていてもよい。この場合は、通常の情報が各組のディスプレイ3へ配信される。ディスプレイ3ごとに、通常の情報の内容を変えてもよい。この場合は、緊急情報表示支援ユニット2ごとに、それが設置される場所などに応じて、通常の情報または緊急情報の内容を変えてもよい。
【0110】
本実施形態では、ディスプレイ3へ通常の情報を通常情報配信装置1から配信したが、他の配信元および配信方法であってもよい。例えば、クラウドサービスなどから公衆回線を介して配信してもよい。または、通常情報配信装置1を直接、ディスプレイ3へHDMIケーブルまたはRGBケーブルで繋いで通常の情報を配信してもよい。
【0111】
本実施形態では、USBを用いて一部の信号のやり取りを行ったが他の公知の規格を用いて行ってもよい。
【0112】
その他、情報提示システム5、通常情報配信装置1、緊急情報表示支援ユニット2、制御装置20、ディスプレイ3の全体または各部の構成、処理内容、処理順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
前記緊急情報出力手段は、前記緊急または非常に関する情報を、前記複数のディスプレイのうちの当該緊急情報表示支援ユニットが取り付けられたディスプレイが設置されている場所に応じて出力する、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の緊急情報表示支援ユニット。
前記切換信号出力手段は、メンテナンスを開始する旨を示す開始合図が前記制御部に入力されてから、当該メンテナンスを終了する旨を示す終了合図が前記制御部に入力されるまでの間は、前記第一の情報を出力するように切り換えるための信号を出力しない、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の緊急情報表示支援ユニット。
前記スイッチは、第一の情報を入力する第一の入力手段と、第二の情報を入力する第二の入力手段と、切換えに関する切換信号を入力する第三の入力手段と、前記第一の入力手段に入力された前記第一の情報および前記第二の入力手段に入力された前記第二の情報を、前記第三の入力手段によって入力された前記切換信号に基づいて選択的にディスプレイへ出力する出力手段と、を有し、前記制御部には、緊急または非常に関する情報を前記第一の情報として前記第一の入力手段へ出力する、緊急情報出力手段と、緊急または非常を示す合図が入力されると、前記第一の情報を出力するように切り換えるための信号を前記切換信号として前記第三の入力手段へ出力する、切換信号出力手段と、を有
または、前記切換信号出力手段は、メンテナンスを開始する旨を示す開始合図が前記制御部に入力されてから、当該メンテナンスを終了する旨を示す終了合図が前記制御部に入力されるまでの間は、前記第一の情報を出力するように切り換えるための信号を出力しない。または、前記UPSは、停電の際に、さらに前記制御部へ電力を供給する。