【解決手段】フレーム構造体1(100)は、有端状または無端状のテープ12(112)と、テープ12(112)を折り曲げてなる複数の折曲部23を、少なくとも1つの集約箇所Fで集約する集約手段を備える。集約箇所Fを頂部(A、B)に含む三次元フレーム構造がテープ12(112)により形成される。集約手段は、異なる方向からそれぞれ延びるテープ12(112)の一部を折り曲げながら同一の方向に案内する第2ジョイント部15(115)を含む。
前記ジョイント部は、平板状の基台部と、前記基台部の一面から高さ方向に沿って立設された平板状の壁部とを有するとともに、前記壁部がなす壁面に沿って前記テープを同一の方向に案内することを特徴とする請求項1に記載のフレーム構造体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係るフレーム構造体について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、曲げ剛性の異方性がある帯状のテープを折り曲げて三次元フレーム構造を形成するフレーム構造体について説明する。
【0014】
(1)第1実施形態
はじめに、
図1から
図6を参照して、第1実施形態に係るフレーム構造体1の構成及び動作について説明する。なお、第1実施形態では、有端状のテープ12を用いて三次元フレーム構造を形成する場合について説明する。
【0015】
(1−1.基本構造)
第1実施形態に係るフレーム構造体1は、
図1に示すように、帯状のテープ12と、テープ12同士を結束する結束部材13と、テープ12の一部を集約する第1ジョイント部14(集約手段)および第2ジョイント部15a〜15c(集約手段)と、テープ12を繰り出し可能に巻き取るための巻取部16(巻取手段)から略構成されている。
【0016】
テープ12は、有端状で長さ方向に沿って湾曲させることが可能な金属製の材質で構成されている。このテープ12は、はじめは巻取部16に巻き取られており、先端部21が巻取部16に係合可能に構成されている。まず、テープ12を繰り出し、
図1および
図2に示すように、稜線部22a〜22f(以下、総称して稜線部22ともいう。)と、折曲部23a〜23f(以下、総称して折曲部23ともいう。)と、底辺部24a〜24c(以下、総称して底辺部24ともいう。)を形成する。そして、先端部21を巻取部16に係合し、既に繰り出された先端部21から基端部25までの範囲のテープ12により、四面体の三次元フレーム構造を形成する。
【0017】
より具体的には、
図3に示すように、テープ12の先端部21を繰り出し方向C(矢印C方向)に繰り出して稜線部22a、折曲部23a、底辺部24a、折曲部23b、稜線部22b、折り曲げ部23cを形成する。同様に、繰り出し方向Cに繰り出して稜線部22c、折曲部23d、底辺部24b、折曲部23e、稜線部22d、折曲部23fを形成する。さらに、繰り出し方向Cに繰り出して稜線部22e、折曲部23g、底辺部24c、折曲部23h、稜線部22fを形成することにより、帯状の一本のテープ12により三次元フレーム構造を形成する。なお、折曲部23における曲率あるいは折り曲げ角度は任意(鋭角、鈍角、または直角)である。
【0018】
図1から
図3に示すように、底辺部24は、テープ12が1重に配置されており、稜線部22aと稜線部22f、稜線部22bと稜線部22c、稜線部22dと稜線部22eは、テープ12が2重に配置される。そして、四面体の頂上部Aの近傍と底面頂部Bの近傍の2箇所で結束部材13により結束して互いの稜線部22を平行に成型する。
【0019】
(1−2.第1ジョイント部)
図2および
図4に示すように、第1ジョイント部14は、テープ12により形成された四面体の頂上部Aに配置されており、並列に配置された2つのガイドローラ41a、41b(以下、総称してガイドローラ41ともいう。)と、ガイドローラ41a、41bをそれぞれ回動可能に連結する連結部材42とから構成されている。なお、
図4は、
図1で示す矢印D方向からの部分拡大平面図である。
【0020】
ガイドローラ41は、円柱形状を有しており、周面上にテープ12を巻回することにより折曲部23cと折曲部23fを形成する。
【0021】
連結部材42は、金属製の材質で構成されている。この連結部材42は、上面視すると三叉形状を有しており、ガイドローラ41の周面上でテープ12が摺動可能にガイドローラ41の回転軸と連結する軸連結部43と、巻取部16と連結する巻取連結部44とから構成されている。この軸連結部43と巻取連結部44により、2つのガイドローラ41と巻取部16とを連結する。
【0022】
(1−3.第2ジョイント部)
図2および
図5に示すように、第2ジョイント部15a〜15c(以下、総称して第2ジョイント部15ともいう。)は、テープ12により形成された四面体の底面頂部Bにそれぞれ配置されており、テープ12を厚み方向から挟持する一対の駆動ローラ51a、51b、51d、51e、51g、51h(以下、総称して一対の駆動ローラ51ともいう。)と、一対の駆動ローラ51をそれぞれ回動可能に支持する3つの摺動ガイド52a〜52c(以下、総称して摺動ガイド52ともいう。)から構成されている。
【0023】
一対の駆動ローラ51a、51b、51d、51e、51g、51h(ローラ対)は、円柱形状を有しており、周面上にテープ12を巻回することにより折曲部23a、23b、23d、23e、23g、23hをそれぞれ形成する。この一対の駆動ローラ51は、上面視すると上下方向に一対配置されるとともに、四面体の底面頂部Bに2つずつ配置されている。
【0024】
また、一対の駆動ローラ51は、モータ(図示省略)により回転駆動が可能であり、少なくとも一方が回転することによりテープ12の繰り出しおよび繰り込みを行う。
【0025】
摺動ガイド52は、四面体の底面頂部Bに1つずつ配置されており、側面視すると略逆T字形状を有する。一対の駆動ローラ51hと一対の駆動ローラ51aは摺動ガイド52aが、一対の駆動ローラ51bと一対の駆動ローラ51dは摺動ガイド52bが、一対の駆動ローラ51eと一対の駆動ローラ51gは摺動ガイド52cがそれぞれ回動可能に支持する。
【0026】
摺動ガイド52は、具体的には、台形平板状の基台部53と、基台部53の一面54から高さ方向Hに沿って立設された矩形平板状の壁部55と、を含んで構成されている。基台部53の他面56は、フレーム構造体1の載置面(水平面)に接している。第1実施形態では、高さ方向Hは、一面54の法線方向に一致している。
【0027】
続いて、第2ジョイント部15にテープ12が装着された場合の相互関係について説明する。壁部55の手前側に支持された一対の駆動ローラ51(実線で図示)は、テープ12の一部を挟持するとともに、壁部55がなす一方の壁面57に向けてテープ12を案内する。そして、摺動ガイド52は、壁部55に突き当たったテープ12を壁面57に沿って摺動させることでテープ12を頂上部Aの方向に案内する。
【0028】
これに対して、壁部55の奥側に支持された一対の駆動ローラ51(破線で図示)は、テープ12の一部を挟持するとともに、壁部55がなす他方の壁面58に向けてテープ12を案内する。そして、摺動ガイド52は、壁部55に突き当たったテープ12を壁面58に沿って摺動させることで、テープ12を頂上部Aの方向に案内する。
【0029】
つまり、第2ジョイント部15は、異なる方向(より詳細には、隣接する底辺部24の延在方向)からそれぞれ延びるテープ12の一部を、折曲部23にて折り曲げながら同一の方向に案内する。
【0030】
(1−4.フレーム構造の変形)
上述したように構成されたフレーム構造体1の三次元フレーム構造は、
図1から
図3に示すように、折曲部23a〜23hが第1ジョイント部14または第2ジョイント部15により集約され、集約された集約箇所Fの全てを頂部(頂上部Aまたは底面頂部B)とする四面体の三次元フレーム構造を構成している。そして、この三次元フレーム構造は変形することが可能である。なお、上述したように構成されたフレーム構造体1の「集約箇所F」は、機械的な固い結合でも緩い結合でもよい。
【0031】
上述したように構成されたフレーム構造体1は、一対の駆動ローラ51が回転することによりテープ12の繰り出しおよび繰り込みが可能であるため、繰り出しおよび繰り込みによりテープ12を移動、第1ジョイント部14および第2ジョイント部15の位置を移動することにより、三次元フレーム構造を所定の形状に変形することができる。たとえば、直稜四面体の形状、垂心四面体の形状、当面四面体の形状等、様々な四面体の形状に形成することができる。
【0032】
また、上述したように構成されたフレーム構造体1のテープ12は、曲げ剛性に異方性があるので、長さ方向に沿って容易に折曲可能である一方、幅方向に沿って折り曲げるのが難しい。つまり、テープ12を折り曲げまたは捻り曲げることにより、三次元フレーム構造を変形自在にすることができる。
【0033】
さらに、上述したように構成されたフレーム構造体1は、第2ジョイント部15の数を増加することにより、四面体のみならず、四角錐の形状、五角錐の形状、六角錐の形状等の様々な角錐の形状にも形成することができる。さらに、立方体を含む、五面以上を有する任意の立体にも形成することができる。
【0034】
次に、
図1から
図3、および
図6を参照して、第1実施形態に係るフレーム構造体1の組立、収納および展開方法について説明する。
【0035】
(1−5.組立方法)
はじめに、
図1から
図3を参照して、フレーム構造体1の組立方法について説明する。フレーム構造体1の組立方法は、まず、巻取部16に巻き取られたテープ12を
図3に示す繰り出し方向Cに繰り出して、稜線部22aから一対の駆動ローラ51aに巻回することによって折曲部23aを形成し、折曲部23aから底辺部24a、底辺部24aから一対の駆動ローラ51bに巻回することによって折曲部23bを形成し、折曲部23bから稜線部22b、稜線部22bからガイドローラ41aに巻回することによって折曲部23cを形成する。
【0036】
同様に、繰り出し方向Cに繰り出して、折曲部23cから稜線部22c、稜線部22cから一対の駆動ローラ51dに巻回することによって折曲部23dを形成し、折曲部23dから底辺部24b、底辺部24bから一対の駆動ローラ51eに巻回することによって折曲部23eを形成し、折曲部23eから稜線部22d、稜線部22dからガイドローラ41bに巻回することによって折曲部23fを形成する。
【0037】
さらに、繰り出し方向Cに繰り出して、折曲部23fから稜線部22e、稜線部22eから一対の駆動ローラ51gに巻回することによって折曲部23gを形成し、折曲部23gから底辺部24c、底辺部24cから一対の駆動ローラ51hに巻回することによって折曲部23hを形成し、折曲部23hから稜線部22fを形成し、基端部25が繰り出された巻取部16に先端部21を係合することにより四面体の三次元フレーム構造を形成する。
【0038】
図1および
図2に示すように、折曲部23cはガイドローラ41a、折曲部23fはガイドローラ41bの周面上にテープ12を巻回することにより形成し、ガイドローラ41が回動することによりテープ12がガイドローラ41の外周上を摺動する。
【0039】
また、折曲部23a、23b、23d、23e、23g、23hは、一対の駆動ローラ51の周面上にテープ12を巻回することにより形成し、一対の駆動ローラ51が回動することによりテープ12が一対の駆動ローラ51の外周上を摺動する。このため、巻取部16からテープ12の先端部21を繰り出してガイドローラ41や一対の駆動ローラ51に巻回することにより、容易に折曲部23を形成しながら基端部25を繰り出し続けて四面体の三次元フレーム構造を形成することができる。
【0040】
そして、テープ12が2重に配置されている稜線部22aと稜線部22f、稜線部22bと稜線部22c、稜線部22dと稜線部22eをそれぞれ結束部材13により結束して互いの稜線部22を平行に成型する。
【0041】
(1−6.収納方法)
次に、
図1から
図3、および
図6を参照して、第1実施形態に係るフレーム構造体1の収納方法について説明する。フレーム構造体1の収納方法の一例では、
図6に示すように、底辺部24a〜24cの両端から略等距離にある点を折り曲げ、三次元フレーム構造を縦方向(矢印E方向)に引き伸ばすことにより、四面体の三次元フレーム構造を縦長状に折り畳む。
【0042】
上述したように、テープ12の曲げ剛性には異方性があるため、
図1に示す底辺部24を折り曲げることができ、また、ガイドローラ41や一対の駆動ローラ51の周面上をテープ12が摺動するため、四面体の三次元フレーム構造を縦長状に変形し、筒状容器に収納することができる。
【0043】
また、フレーム構造体1の収納方法の他例では、底辺部24a〜24cの長さを短くして三次元フレーム構造を縦方向(
図6の矢印E方向)に引き伸ばすことにより、四面体の三次元フレーム構造を縦長状の三次元フレーム構造に変形する。
【0044】
さらに、フレーム構造体1の収納方法の他例では、上述した巻取部16の巻取ボタン(図示省略)を押圧することによりテープ12を巻き取り、四面体の三次元フレーム構造を巻取部16の内部に収納する。この収納方法の場合、上記した展開方法の場合と逆の手順に従って収納できる。
【0045】
なお、結束部材13を外し、ガイドローラ41や一対の駆動ローラ51の周面上に巻回されたテープ12を解いてから、一気にテープ12を巻き取ることも可能である。
【0046】
図1および
図2に示すように、折曲部23cと折曲部23fは、ガイドローラ41の周面上にテープ12を巻回することにより形成している。また、折曲部23a、23b、23d、23e、23g、23hは、一対の駆動ローラ51の周面上にテープ12を巻回することにより形成している。このため、ガイドローラ41や一対の駆動ローラ51の周面上に巻回されたテープ12を解くことにより、形成した折曲部23を含むテープ12を容易に巻取部16の内部に巻き取ることができる。
【0047】
(1−7.展開方法)
次に、第1実施形態に係るフレーム構造体1の展開方法について説明する。フレーム構造体1の展開方法の一例として、
図6に示すように、底辺部24a〜24cの両端から略等距離にある点を折り曲げ、四面体の三次元フレーム構造を縦長状に折り畳むことにより収納した場合は、テープ12の復元力により展開することができる。また、テープ12を巻き取ることにより四面体の三次元フレーム構造を巻取部16の内部に収納した場合は、上述した組み立て方法と同様に展開する。
【0048】
(2)第2実施形態
次に、
図7から
図10を参照して、第2実施形態に係るフレーム構造体100の構成及び動作について説明する。なお、第2実施形態では、無端状のテープ112を用いて三次元フレーム構造を形成する場合について説明する。
【0049】
また、第2実施形態は、上述した第1実施形態に係るフレーム構造体1の構成のうち、第1ジョイント部14と第2ジョイント部15の構成に改良を加えたものであり、その他の部分の構成は同様である。そこで、以下では、第1実施形態に係るフレーム構造体1と同等の構成等については説明を省略するものとし、第1実施形態に係るフレーム構造体1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0050】
(2−1.基本構造)
第2実施形態に係るフレーム構造体100は、
図7および
図8に示すように、無端状で長さ方向に沿って湾曲させることが可能な金属製の帯状のテープ112と、テープ112の一部を集約する第1ジョイント部114および第2ジョイント部115a〜115cから略構成されている。
【0051】
なお、上述した第1実施形態のフレーム構造体1は、結束部材13と巻取部16を備えている場合について説明したが、第2実施形態のフレーム構造体100では、結束部材13と巻取部16を省略して説明する。しかし、当然にフレーム構造体100においても結束部材13と巻取部16を備えていてもよい。
【0052】
フレーム構造体100は、複数の稜線部22と、複数の折曲部23と、複数の底辺部24a〜24cを形成することにより無端状のテープ112が多重に配置され、四面体の三次元フレーム構造を形成する。なお、折曲部23における曲率あるいは折り曲げ角度は任意である。
【0053】
(2−2.第1ジョイント部)
図8および
図9に示すように、第1ジョイント部114は、テープ112により形成された四面体の頂上部Aに配置されており、直列に配置された3つのガイドローラ141a〜141c(以下、総称してガイドローラ141ともいう。)と、ガイドローラ141a〜141cをそれぞれ回動可能に連結する連結部材142とから構成されている。
【0054】
ガイドローラ141は、円柱形状を有しており、上面視すると120度ずつ、すなわち等角度間隔で配置される。ガイドローラ141の周面上にテープ112を巻回することにより3つの折曲部23を形成する。
【0055】
連結部材142は、弾性を有する材質で構成されている。この連結部材142は、上面視すると環状形状を有しており、ガイドローラ141の外周上でテープ112が摺動可能にガイドローラ141の回転軸同士を連結する。
【0056】
(2−3.第2ジョイント部)
図7および
図10に示すように、第2ジョイント部115a〜115c(以下、総称して第2ジョイント部115ともいう。)は、テープ112により形成された四面体の底面頂部Bにそれぞれ配置されており、テープ112を厚み方向から挟持する一対の駆動ローラ151と、一対の駆動ローラ151(ローラ対)をそれぞれ回動可能に支持する3つの摺動ガイド152a〜152c(以下、総称して摺動ガイド152ともいう。)から構成されている。
【0057】
一対の駆動ローラ151は、円柱形状を有しており、周面上にテープ112を巻回することにより折曲部23を形成する。この一対の駆動ローラ151は、上面視すると前後方向に一対配置されるとともに、四面体の底面頂部Bに2つずつ配置されている。
【0058】
また、一対の駆動ローラ151は、モータ(図示省略)により回転駆動が可能であり、少なくとも一方が回転することによりテープ112の繰り出しおよび繰り込みを行う。
【0059】
摺動ガイド152は、具体的には、台形平板状の基台部153と、基台部153の一面154から高さ方向Hに沿って立設された矩形平板状の壁部155と、壁部155を挟む位置関係下に立設された2つの外側壁部156、156を含んで構成されている。基台部153の他面157は、フレーム構造体100の載置面(水平面)に接している。第2実施形態では、高さ方向Hは、一面154の法線方向に対して傾斜している。
【0060】
続いて、第2ジョイント部115にテープ112が装着された場合の相互関係について説明する。基台部153の短底辺側にある外側壁部156は、テープ112の一部を捻り曲げながら、一対の駆動ローラ151(短底辺側)に向けてテープ112を案内する。一対の駆動ローラ151は、テープ112の一部を挟持するとともに、壁部155がなす一方の壁面158に向けてテープ112を案内する。そして、摺動ガイド152は、壁部155に突き当たったテープ112を壁面158に沿って摺動させることで、テープ112を頂上部Aの方向に案内する。
【0061】
これに対して、基台部153の長底辺側にある外側壁部156は、テープ112の一部を捻り曲げながら、一対の駆動ローラ151(長底辺側)に向けてテープ112を案内する。一対の駆動ローラ151は、テープ112の一部を挟持するとともに、壁部155がなす他方の壁面159に向けてテープ112を案内する。そして、摺動ガイド152は、壁部155に突き当たったテープ112を壁面158に沿って摺動させることで、テープ112を頂上部Aの方向に案内する。
【0062】
つまり、第2ジョイント部115は、異なる方向(より詳細には、隣接する底辺部24の延在方向)からそれぞれ延びるテープ112の一部を、折曲部23にて折り曲げながら同一の方向に案内する。
【0063】
(2−4.フレーム構造の変形)
上述したように構成されたフレーム構造体100の三次元フレーム構造は、
図7および
図8に示すように、折曲部23が第1ジョイント部114または第2ジョイント部115により集約され、集約された集約箇所Fの全てを頂部(頂上部Aまたは底面頂部B)とする四面体の三次元フレーム構造を構成している。そして、この三次元フレーム構造は変形することが可能である。なお、上述したように構成されたフレーム構造体100の「集約箇所F」は、機械的な固い結合でも緩い結合でもよい。
【0064】
上述したように構成されたフレーム構造体100の三次元フレーム構造は、一対の駆動ローラ151が回転することによりテープ112の繰り出しおよび繰り込みが可能であるため、繰り出しおよび繰り込みによりテープ112を移動、第1ジョイント部114および第2ジョイント部115の位置を移動することにより、三次元フレーム構造を所定の形状に変形することができる。
【0065】
また、上述したように構成されたフレーム構造体1のテープ112は、曲げ剛性に異方性があるので、長さ方向に沿って容易に折曲可能である一方、幅方向に沿って折り曲げるのが難しい。つまり、テープ112を折り曲げまたは捻り曲げることにより、三次元フレーム構造を変形自在にすることができる。
【0066】
さらに、上述したように構成されたフレーム構造体100は、第2ジョイント部115の数を増加することにより、四面体のみならず、四角錐の形状、五角錐の形状、六角錐の形状等の様々な角錐の形状にも形成することができる。なお、立方体を含む、五面以上を有する任意の立体にも形成することができる。
【0067】
なお、上述した本発明の第2実施形態に係るフレーム構造体の組立、展開および収納方法についても上述した本発明の第1実施形態に係るフレーム構造体の組立、展開および収納方法と概ね同様の方法であるため説明を省略する。
【0068】
(3)作用効果
以上のようなフレーム構造体1、100は、有端状のテープ12または無端状のテープ112と、テープ12、112を折り曲げてなる複数の折曲部23を、少なくとも1つの集約箇所Fで集約する集約手段(第1ジョイント部14、114、第2ジョイント部15、115)を備える。そして、集約箇所Fを頂部に含む三次元フレーム構造がテープ12、112により形成され、集約手段は、異なる方向からそれぞれ延びるテープ12、112の一部を折り曲げながら同一の方向に案内する第2ジョイント部15、115を含む。
【0069】
このように構成することにより、第2ジョイント部15、115を介して折曲部23同士が集約されるとともに、テープ12、112が同一の方向に沿って多重に配置されるため、簡易な構成でありながら、集約箇所F(すなわち、底面頂部B)およびその周辺箇所にて十分な強度や剛性が得られる。
【0070】
また、テープ12、112の曲げ剛性の異方性により三次元フレーム構造を容易に変形可能な外力作用方向が存在することとなる。そして、この外力作用方向を利用することにより、フレーム構造体1、100の組立、収納および展開が簡便となるため、フレーム構造体1、100の運搬効率を向上させることができる。
【0071】
また、第2ジョイント部15、115は、平板状の基台部53、153と、基台部53、153の一面54、154から高さ方向Hに沿って立設された壁部55、155とを有し、壁部55、155がなす壁面57(58)、158(159)に沿って摺動させることでテープ12、112を同一の方向に案内してもよい。壁面57(58)、158(159)に沿って摺動させることでテープ12、112を円滑に案内することができる。
【0072】
また、第2ジョイント部15、115は、基台部53、153又は壁部55、155に固定された一対の駆動ローラ51、151をさらに有し、一対の駆動ローラ51、151は、テープ12、112の一部を挟持するとともにテープ12、112を壁面57(58)、158(159)に向けて案内してもよい。壁面57(58)、158(159)の近傍に固定された一対の駆動ローラ51、151を介して案内することで、テープ12、112の摺動時の挙動が安定する。
【0073】
また、三次元フレーム構造は角錐の形状を有し、第2ジョイント部15、115は、角錐の底面頂部Bに配置されていてもよい。基台部53、153の他面56、157側を水平面に向けて載置することで、フレーム構造体1、100を安定的に自立させることができる。
【0074】
(4)他の実施形態
以上、フレーム構造体1、100を図示して実施形態に基づいて説明したが、フレーム構造体1、100はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。以下、他の実施形態におけるフレーム構造体について説明する。
【0075】
上述した本実施形態に係るフレーム構造体1、100では、稜線部22の結束がそれぞれ2箇所である場合を図示して説明したが、平行に成型する稜線部22に対して少なくとも1箇所で結束されていればよく、強度の確保のため2箇所以上で結束されていてもよい。
【0076】
また、上述した第1実施形態に係るフレーム構造体1では、テープ12を繰り出しおよび巻き取る巻取部16は、四面体の頂上部に配置されている場合を図示して説明したが、フレーム構造体の重心を安定させるため、四面体の底面側に配置してもよい。
【0077】
さらに、上述した本実施形態に係るフレーム構造体1、100では、一対の駆動ローラ51、151は、モータ(図示省略)により回転駆動する場合について説明したが、一対の駆動ローラ51、151のうちの少なくとも一方がモータにより回転駆動するように構成してもよい。このように構成しても三次元フレーム構造を容易に変形することができる。
【0078】
そもそも、モータ(回転アクチュエータ)を設けなくともよく、この場合、手動によりテープ12、112の繰り出しおよび繰り込みを行う。
【0079】
そして、上述した本実施形態に係るフレーム構造体1では、複数の折曲部23a〜23hが第1ジョイント部14または第2ジョイント部15により集約され、集約された集約箇所Fの全てを頂部(頂上部Aまたは底面頂部B)とする四面体となっている場合について説明したが、折曲部23(23a〜23h)のいずれかが集約箇所Fに集約していなくてもよく、集約箇所Fの全てが頂部とならなくてもよい。なお、集約箇所Fは、上述したように、機械的に固い結合でも緩い結合でもよい。
【0080】
たとえば、複数の折曲部23のうち集約した2つの集約箇所Fと、複数の折曲部23のうち2つの箇所が集約していない非集約箇所とから四面体で構成されたフレーム構造体であってもよい。なお、「非集約箇所」とは、複数の折曲部23が集約されていない箇所、すなわち、折曲部23を1つのみ有する箇所である。
【0081】
また、頂部の総数(たとえば4つ)を超える個数(たとえば7つ)の集約箇所Fのうち、選択した4つを頂部とする四面体で構成されたフレーム構造体であってもよい。
【0082】
上述した第1実施形態に係るフレーム構造体1、第2実施形態に係るフレーム構造体100、他の実施形態に係るフレーム構造体は様々な用途で使用され得る。たとえば、空間演出、デザイン家具、舞台装置、建築、産業機械、宇宙産業等で使用することができ、用途は問わない。