【実施例1】
【0009】
図1〜
図6には本発明に係る歯ブラシの植毛矯正具の第1実施例が示されている。なお、この実施例では歯ブラシ1の柄2の先端部に設けられた植毛部3を構成する植毛4を矯正する場合を例にして説明する。
【0010】
図1〜
図3に示されるように、実施例の歯ブラシの植毛矯正具10は、歯ブラシ取付フレーム12と、この歯ブラシ取付フレーム12に取り付けられるクリップ14と、このクリップ14に着脱可能に挟持される植毛矯正カバー16と、から構成されている。
【0011】
図1及び
図2に示されるように、前記歯ブラシ取付フレーム12はスチール製の帯状プレートをコ字状に折り曲げて形成されている。
図5に示されるように、この歯ブラシ取付フレーム12には歯ブラシ1の柄2の背面2Aが当接する第1ストッパー部20が形成され、歯ブラシ1を歯ブラシの植毛矯正具10にセットする場合に歯ブラシ1の柄2の背面2Aを第1ストッパー部20に当接させることにより位置決めできるようになっている。
【0012】
図1及び
図2に示されるように、前記歯ブラシ取付フレーム12には前記第1ストッパー部20と対抗してクリップ固定部22が形成されている。このクリップ固定部22には前記クリップ14が固定されている。
【0013】
図5に示されるように、前記歯ブラシ取付フレーム12の先端部には第2ストッパー部24が形成されている。歯ブラシ1を歯ブラシの植毛矯正具10にセットする場合に歯ブラシ1の柄2の先端面2Bが第2ストッパー部24に当接させることにより歯ブラシ1の挿入が阻止され位置決めを簡単に行えるようになっている。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、前記歯ブラシ取付フレーム12の基端部には歯ブラシ挿入部26が形成され、この歯ブラシ挿入部26から歯ブラシ1の植毛部を歯ブラシ取付フレーム12内に挿入できるようになっている。
【0015】
図1及び
図3に示されるように、前記クリップ14の弾性挟持体30は薄いスチールプレートを三角枠状に折り曲げて形成されている。この弾性挟持体30の挟持体固定片32は前記クリップ固定部22に接着等の適宜固定手段を介して固定されている。
【0016】
前記挟持体固定片32の一端部には第1挟持片部34が形成され、挟持体固定片32の他端部には第1挟持片部34と対抗して第2挟持片部36が形成されている。
この第1挟持片部34と第2挟持片部36は第1挟持片部34の先端部と第2挟持片部36の先端部が互いに接近するように常時付勢されている(
図3参照)。
【0017】
前記第1挟持片部34の外側面には第1指摘み体40が取り付けられ、前記第2挟持片部36の外側面には第2指摘み体42が取り付けられている。
【0018】
従って、前記第1指摘み体40の先端部と前記第2指摘み体42の先端部を強く摘まんで第1指摘み体40の先端部と第2指摘み体42の先端部を互いに接近させると、第1挟持片部34の先端部と第2挟持片部36の先端部が開き、第1指摘み体40と第2指摘み体42を摘ままないと第1指摘み体40の先端部と第2指摘み体42の先端部が互いに接近する。
【0019】
なお、この実施例では第1指摘み体40、第2指摘み体42はプレートで蝶の羽の形に模って形成されると共に図示はされないが蝶の羽の模様が描かれている(
図1参照)。
【0020】
図1及び
図4に示されるように、前記クリップ14の弾性挟持体30の内側には着脱可能な状態で前記植毛矯正カバー16が配設されている。
【0021】
図4に示されるように、この植毛矯正カバー16は可撓性を有する合成樹脂製シートを略U字にして形成されている。また、前記植毛矯正カバー16は透明な合成樹脂製シート体で形成されている。
【0022】
前記植毛矯正カバー16のカバー連結片44の一端部には第1植毛矯正カバー片46が垂直状態で立設形成され、カバー連結片44の他端部には第1植毛矯正カバー片46と対抗して第2植毛矯正カバー片48が垂直状態で立設形成されている。
【0023】
図1及び
図3に示されるように、前記植毛矯正カバー16を弾性挟持体30の内側に配設する場合、カバー連結片44は挟持体連結片32に対応させ、第1植毛矯正カバー片46は第1挟持片部34に対応させ、第2植毛矯正カバー片48は第2挟持片部36に対応させるようになっている。
【0024】
次に、実施例の歯ブラシの植毛矯正具10を使用して歯ブラシ1の柄2の先端部に設けられた植毛部3の植毛4を矯正する場合を例にして、歯ブラシの植毛矯正具10の作用を説明する。
【0025】
歯ブラシ1を使用して歯磨きが終わったら、一方の手の親指と人差し指で歯ブラシの植毛矯正具10のクリップ14の第1指摘み体40と第2指摘み体42を強く摘まんで第1挟持片部34と第2挟持片部36を広げる。
第1挟持片部34と第2挟持片部36を互いに広げると植毛矯正カバー16の第1植毛矯正カバー片46と第2植毛矯正カバー片48の間も広がる。
【0026】
そして、他方の手で歯ブラシ1の柄2を持って歯ブラシ1の先端部を歯ブラシ取付フレーム12の歯ブラシ挿入部26に対応させると共に歯ブラシ1の柄2の背面2Aを第1ストッパー部20に当接させながら歯ブラシ1を第1植毛矯正カバー片46と第2植毛矯正カバー片48の間に挿入する。
【0027】
歯ブラシ1の柄2の先端面2Bが歯ブラシ取付フレーム12の第2ストッパー部24に当接したら、第1指摘み体40と第2指摘み体42から指を離す。
これにより、前記第1挟持片部34と前記第2挟持片部36は弾性により互いに接近して、第1植毛矯正カバー片46は前記第1挟持片部34に押され、第2植毛矯正カバー片48は前記第2挟持片部36に押される。
【0028】
この結果、
図6に示されるように歯ブラシ1の植毛部3は両側から強い力で第1植毛矯正カバー片46と第2植毛矯正カバー片48に挟まれるので、歯ブラシ1を使用しない間は植毛部3の植毛4は両側から強い力で第1植毛矯正カバー片46と第2植毛矯正カバー片48に挟持された状態となるので植毛4は真っ直ぐに矯正される。
また、実施例の第1指摘み体40と第2指摘み体42は蝶の羽を模して形成されているので、歯ブラシの植毛矯正具10を歯ブラシ1にセットしている状態は恰も歯ブラシ1にきれいな蝶が止まっている印象を与え心を和ませることが可能となる。
【0029】
なお、第1植毛矯正カバー片46と第2植毛矯正カバー片48が歯ブラシ1の植毛部3の植毛4を両側から挟持する場合、挟持する強い力により歯ブラシ1が
図5矢印A方向に移動しようとしても歯ブラシ1の柄2の背面2Aはフレーム12の第1ストッパー部20に当接しているので歯ブラシ1は
図5矢印A方向に移動できず植毛部3は確実に挟持される。
【0030】
従って、歯ブラシの植毛矯正具10を使用して植毛部3を挟持することにより、歯ブラシ1の使用により外側に開いた植毛部3の植毛4を真っ直ぐに矯正できる。
【0031】
なお、植毛4が真っ直ぐに矯正されることにより、矯正された歯ブラシ1を使用して歯磨きすると植毛4の毛先が歯間の汚れを効率的に掃除できると共に歯垢をかき出すので虫歯予防に効果的である。
また、植毛4の毛先が真っ直ぐに矯正されると歯茎を効果的にマッサージすることができ歯槽膿漏の予防にも効果的である。
【0032】
しかも、植毛4の毛先が真っ直ぐに矯正されることにより新品の歯ブラシと同様の感覚で歯磨きを行うことができ、新品の歯ブラシを使用する場合と同じように新鮮な感覚で歯磨きを行うことができる。
【0033】
なお、歯ブラシの植毛矯正具10を洗浄する場合、植毛部3の植毛4を直接矯正する植毛矯正カバー16はクリップ14から容易に取り外すことができるので、植毛矯正カバー16を取り外して植毛矯正カバー16のみを洗浄すれば歯ブラシの植毛矯正具10全体を洗浄する必要がなく、簡単かつ効率的に洗浄できる。
また、植毛矯正カバー16を洗浄する場合、前記第1植毛矯正カバー片46、第2植毛矯正カバー片48の内側面には仕切り等の突起は設けられていないので洗浄残しすることなく洗浄できる。
しかも、実施例の前記植毛矯正カバー16は透明であるので、汚れている箇所を簡単に見つけることができて効率よく洗浄することができる。
【0034】
また、実施例の第1指摘み体40と第2指摘み体42は蝶の羽を模して形成されているので、歯ブラシの植毛矯正具10を一目見て蝶を想起させるデザインでデザイン的にも斬新で消費者の目を引き易く購買意欲を惹起させることができる。
さらに、歯ブラシの植毛矯正具10は構造がシンプルでコンパクトであるため、歯ブラシ1を使用しない時に歯ブラシ1に取り付けておいても嵩張らず、邪魔にならない。
【0035】
図7には第2実施例の歯ブラシの植毛矯正具50が示されている。なお、第1実施例の歯ブラシの植毛矯正具10と同一の構成は同一の符号を用いてその説明を省略する。
図7に示されるように、歯ブラシの植毛矯正具50の第1指摘み体52と第2指摘み体54は針金体で枠状に折り曲げて形成されている。
【0036】
従って、歯ブラシの植毛矯正具50は針金体で第1指摘み体52と第2指摘み体54を形成したので、第1実施例の歯ブラシの植毛矯正具10に比べて構成をシンプルにできるため提供価格を抑えることができる。
なお、他の構成、作用、効果は第1実施例の歯ブラシの植毛矯正具10と同一であるのでその説明は省略する。
【0037】
なお、実施例では前記弾性挟持体30を薄いスチールプレートで形成したが、弾性挟持体30は弾性であればスチールに限定されるものでなく、例えば合成樹脂材等の他の材料で形成してもよいことは勿論である。
【0038】
また、
図6で歯ブラシ1の植毛部3が植毛矯正カバー16で挟持されている状態図を示したが、この状態図は一例であり、植毛矯正カバー16を挟持する弾性挟持体30の挟持力をより強くすることにより
図6に示すよりも植毛矯正カバー16で前記植毛部3の植毛4を両側から強く挟持するようにしてもよいことは勿論である。
【0039】
なお、第1実施例では第1指摘み体40、第2指摘み体42はプレートで蝶の羽の形に模って形成されると共に蝶の羽の模様を描いた場合を示したが、前記第1指摘み体40、前記第2指摘み体42の形状や模様は実施例に限定されるものでないことは勿論である。