(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-51712(P2017-51712A)
(43)【公開日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】人間工学的ロータリータッカー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/068 20060101AFI20170224BHJP
【FI】
A61B17/068
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-244242(P2016-244242)
(22)【出願日】2016年12月16日
(62)【分割の表示】特願2014-246445(P2014-246445)の分割
【原出願日】2010年4月15日
(31)【優先権主張番号】12/427,778
(32)【優先日】2009年4月22日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】509221098
【氏名又は名称】イージーラップ エル・ティー・ディー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】ライマー,オフェル
(72)【発明者】
【氏名】アルトマン,ニア
(72)【発明者】
【氏名】レヴィン,シャロム
(72)【発明者】
【氏名】レヴィン,アサフ
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン,イザック
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,アリク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC07
4C160CC12
4C160CC29
(57)【要約】
【課題】ロータリー鋲などの外科手術ファスナーをヘルニア治療などの組織に適用するためのデバイス及び方法を提供する。
【解決手段】ロータリー鋲を適用するためのタッカー10は、第1トリガーアッセンブリ14及び第2トリガーアッセンブリ16を有するハンドル12を備え、第1及び第2トリガーアッセンブリ14、16は、ハンドル12に連結された駆動シャフト20を通じて配置された関節付きアプリケーターアーム18に連結され、第1トリガーアッセンブリ14は、関節付きアプリケーターアーム18の遠位端22からロータリー鋲を適用するように動作し、第2トリガーアッセンブリ16は、関節付きアプリケーターアーム18の遠位端22を曲げるように動作し、ハンドル12の縦軸線Cは、駆動シャフト20に関して傾斜される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリー鋲(40)を適用するためのタッカー(10)であって、
第1トリガーアッセンブリ(14)及び第2トリガーアッセンブリ(16)を有するハンドル(12)を備え、
第1及び第2トリガーアッセンブリ(14、16)は、ハンドル(12)に連結された駆動シャフト(20)を通じて配置された関節付きアプリケーターアーム(18)に連結され、
第1トリガーアッセンブリ(14)は、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)からロータリー鋲(40)を適用するように動作し、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)を曲げるように動作し、
ハンドル(12)の縦軸線(C)は、駆動シャフト(20)に関して傾斜され、
第1トリガーアッセンブリ(14)は、駆動シャフト(20)に関して傾斜したトリガー(24)を備え、
トリガー(24)は、付勢デバイス(28)によって付勢されたギアホイール(25)から延び、
ギアホイール(25)は、一連のギアを通じて関節付きアプリケーターアーム(18)とかみ合い、トリガー(24)をハンドル(12)の方への握り締めは、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)の回転を生じ、
ハンドル(12)の縦軸線(C)は、駆動シャフト(20)に関して約7乃至25度で傾斜される、タッカー(10)。
【請求項2】
請求項1記載のタッカー(10)において、
遠位端(22)が第1方向に曲げられ、第1方向と垂直な第2方向に概ね堅いように形成された部分的環状切断部(34)を有し、部分的環状切断部(34)は、遠位端(22)に沿って互いから軸方向に離間されている、タッカー(10)。
【請求項3】
請求項2記載のタッカー(10)において、
各切断部(34)において遠位端(22)の縦軸線に垂直な付与された環状断面切断のために、各部分的環状切断部(34)は、遠位端(22)の断面の上半分及び下半分で180度以下の角度範囲にわたって延びる第1及び第2切断部(35、36)を備える、タッカー(10)。
【請求項4】
請求項3記載のタッカー(10)において、
第1及び第2切断部(35、36)は、切断部の残部に垂直な楕円形終端部(37)で終端する、タッカー(10)。
【請求項5】
請求項1記載のタッカー(10)において、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、少なくとも一つの引っ張りケーブル(41)で関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)に取り付けられる、タッカー(10)。
【請求項6】
請求項5記載のタッカー(10)において、
リンケージアッセンブリ(52)が第2トリガーアッセンブリ(16)と少なくとも一つの引っ張りケーブル(41)との間で枢動的に連結される、タッカー(10)。
【請求項7】
請求項1記載のタッカー(10)において、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、親指レバー(50)及び指レバー(51)を備える、タッカー(10)。
【請求項8】
請求項6記載のタッカー(10)において、
リンケージアッセンブリ(52)は、第2トリガーアッセンブリ(16)の動きでハンドル(12)に形成された凹部(67)の中に動くスプリング荷重付き部材(66)を有するリンク(58)を備える、タッカー(10)。
【請求項9】
請求項5記載のタッカー(10)において、
少なくとも一つの引っ張りケーブルは、二つの引っ張りケーブル(41、42)を備え、
一方の引っ張りケーブルは、遠位端(22)を曲げるために使用され、他方の引っ張りケーブルは、遠位端(22)をまっすぐにするために使用される、タッカー(10)。
【請求項10】
請求項2記載のタッカー(10)において、
環状切断部(62)の一部分は、スプリング(65)を形成し、スプリング(65)の力は、曲がった位置からまっすぐな位置にアプリケーターアーム(60)を動かす、タッカー(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ね、ロータリー鋲などの外科手術ファスナーをヘルニア治療などの組織に適用するためのデバイス及び方法に関し、特に、腹腔鏡や内視鏡処置に使用するためのそのようなデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの外科的処置は、組織結合を結合するため又は対象物を組織に固定するために、外科手術ファスナーを組織に適用することができる機器を必要とする。例えば、ヘルニア治療中には、外科的メッシュを基礎となる体の組織に固定することが望ましい場合がある。ヘルニア治療などの腹腔処置では、手術は、小さな切り口を通じて腹腔に実行され、内視鏡処置では、手術は、体の小さな切り口を通じて挿入される細い内視鏡管で実行される。腹腔鏡や内視鏡処置は、概ね、体内の奥深くに到達でき、切り口又はそれらが挿入されるチューブでシールを形成するように構成された長くて細い機器を必要とする。
【0003】
いくつかの手術手技は、組織の強化や修復を実施するためにメッシュを組織にあるいは組織を他の組織に固定する。そのような技術に適当なファスナーのタイプは、螺旋状のファスナーがメッシュ及び体の組織の中にねじ込まれる、組織貫通先端で終端する螺旋状コイル本体部分を有するコイルファスナーである。このタイプのファスナー例は、Cook Incに譲渡されたGianturcoに対する米国特許第5258000号に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5258000号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0188965号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
その開示が参照によって本明細書中に組み込まれたLevin及びAltmanに対する米国特許出願第12/022240号
(米国特許出願公開第2009/0188965号)は、ロータリー鋲を適用するためのトリガー作動構造タッカーを開示する。タッカーは、トリガーに連結された駆動シャフトを含む。トリガーを作動させると、駆動シャフトを回転させる。関節付きアプリケーターアームは、枢軸で駆動シャフトに枢動的に連結される。関節付きアプリケーターアームは、ロータリー鋲を保持するマガジンに連結された回転可能な出力シャフトを含む。マガジンは、枢軸の後に(枢軸に対して遠位に)配置される。クラッチ構造は、トリガーの最初の動きで、ストップに達するまで枢軸を中心に関節付きアプリケーターアームを枢動させる第1配向を有し、トリガーの継続的な動きによってクラッチ構造が、駆動シャフトが出力シャフトを回転するのを許容し、マガジンからロータリー鋲の適用を生じる、第2の配向を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下に詳細に説明されるように、ロータリー鋲などの外科手術ファスナーをヘルニア治療などの組織に適用するためのデバイス及び方法を提供することを求める。特に、本発明は、米国特許出願第12/022240号のデバイスを超えた改善を提供することを求める。
【0007】
従って、本発明の制限しない実施例に従って、ロータリー鋲を適用するためのタッカーであって、第1トリガーアッセンブリ及び第2トリガーアッセンブリを有するハンドルを備え、第1及び第2トリガーアッセンブリは、ハンドルに連結された駆動シャフトを通じて配置された関節付きアプリケーターアームに連結され、第1トリガーアッセンブリは、関節付きアプリケーターアームの遠位端からロータリー鋲を適用するように動作し、第2トリガーアッセンブリは、関節付きアプリケーターアームの遠位端を曲げるように動作し、ハンドルの縦軸線は、駆動シャフトに関して傾斜される、タッカーを、提供される。
【0008】
本発明の制限しない実施例に従って、遠位端が第1方向に曲げられ、第1方向と垂直な第2方向に概ね堅いように形成された部分的環状切断部を有し、部分的環状切断部は、遠位端に沿って互いから軸方向に離間されている。
【0009】
本発明の制限しない実施例に従って、各切断部において遠位端の縦軸線に垂直な付与された環状断面切断のために、各部分的環状切断部は、遠位端の断面の上半分及び下半分で180度以下の角度範囲にわたって延びる第1及び第2切断部を備える。
【0010】
本発明の制限しない実施例に従って、第1及び第2切断部は、切断部の残部に垂直な楕円形終端部で終端する。
【0011】
本発明の制限しない実施例に従って、トリガーは、付勢デバイスによって付勢されたギアホイールから延び、ギアホイールは、一連のギアを通じて関節付きアプリケーターアームとかみ合い、トリガーをハンドルの方への握り締めは、関節付きアプリケーターアームの遠位端の回転を生じる。
【0012】
本発明の制限しない実施例に従って、第2トリガーアッセンブリは、少なくとも一つの引っ張りケーブルで関節付きアプリケーターアームの遠位端に取り付けられる。
【0013】
本発明の制限しない実施例に従って、リンケージアッセンブリが第2トリガーアッセンブリと少なくとも一つの引っ張りケーブルとの間で枢動的に連結される。
【0014】
本発明の制限しない実施例に従って、リンケージアッセンブリは、第2トリガーアッセンブリの適当な動きでハンドルに形成された凹部の中に動くスプリング荷重付き部材を有するリンクを備える。
【0015】
本発明の制限しない実施例に従って、タッカーは、二つの引っ張りケーブルを備え、一方の引っ張りケーブルは、遠位端を曲げるために使用され、他方の引っ張りケーブルは、遠位端をまっすぐにするために使用される。
【0016】
本発明の制限しない実施例に従って、環状切断部の一部分は、スプリングを形成し、スプリングの力は、曲がった位置からまっすぐな位置にアプリケーターアームを動かす。
【0017】
本発明は、図面と関連して以下の詳細な説明からより完全に理解され、認められるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本発明の実施例に従って構成され作動される、タッカーの簡略図である。
【
図1B】本発明の実施例に従って構成され作動される、タッカーの簡略図である。
【
図1C】本発明の実施例に従って構成され作動される、タッカーの簡略図である。
【
図1D】本発明の実施例に従って構成され作動される、タッカーの簡略図である。
【
図2A】本発明の実施例に従って構成され作動される、
図1A−
図1Dのタッカーの内部構造の近接図である。
【
図2B】本発明の実施例に従って構成され作動される、
図1A−
図1Dのタッカーの内部構造の近接図である。
【
図3A】本発明の実施例にかかる、タッカーのアプリケーターアームの曲げ可能な遠位端の簡略図である。
【
図3B】本発明の実施例にかかる、タッカーのアプリケーターアームの曲げ可能な遠位端の簡略図である。
【
図3C】本発明の実施例にかかる、タッカーのアプリケーターアームの曲げ可能な遠位端の簡略図である。
【
図4】本発明の実施例にかかる、タッカーのアプリケーターアームの曲げ可能な遠位端の簡略図である。
【
図5A】本発明の実施例にかかる、引っ張りブロックに固定された引っ張りケーブルの簡略図である。
【
図5B】本発明の実施例にかかる、引っ張りブロックに固定された引っ張りケーブルの簡略図である。
【
図5C】本発明の実施例にかかる、引っ張りブロックに固定された引っ張りケーブルの簡略図である。
【
図6A】本発明の実施例に従って構成され作動される、関節付きアプリケーターアームの簡略図である。
【
図6B】本発明の実施例に従って構成され作動される、関節付きアプリケーターアームの簡略図である。
【
図6C】本発明の実施例に従って構成され作動される、関節付きアプリケーターアームの簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例に従って構成され作用するタッカー(tacker)10を示す
図1A−
図1Dに参照がなされる。
【0020】
タッカー10は、第1トリガーアッセンブリ14及び第2トリガーアッセンブリ16を有するハンドル12を含む。双方の第1トリガーアッセンブリ14及び第2トリガーアッセンブリ16は、駆動シャフト20を通じて配置された、関節付きアプリケーターアーム18に連結される。第1トリガーアッセンブリ14は、ロータリー鋲(tacks)(これらの図に示されていない)をアプリケーターアーム18の遠位端22から適用するのに使用される。これは、以下により詳細に説明されるように、(
図1C及び
図1Dを比較することによって示されるように)ハンドル12の本体の方にトリガー24を握り締めることによって達成される。第2トリガーアッセンブリ16は、以下により詳細に説明されるように、アプリケーターアーム18の遠位端22を上方(
図1A)又は下方(
図1B)に曲げるために使用される。
【0021】
ハンドル12の中央(縦)軸線Cは、
図1Aに見られるように、駆動シャフト20に関して(すなわち、曲がっていないままであるアプリケーターアーム18の近位部分に関して)約7乃至25度の範囲において角度A、好ましくは11度で傾斜される。ハンドル12の傾斜した形状は、タッカー10の重要な人間工学的特徴である。従来技術のタッカーは、ピストルグリップハンドを有し、そのハンドルの縦軸線は、駆動シャフトと整合又は平行であり、傾斜していない。従来技術のタッカーは、使用に対して扱いにくく、使用者を疲労させる。本発明の傾斜に関し、タッカー10は、従来技術のタッカーよりも使用に対して十分に快適である。他の人間工学的特徴は、駆動シャフト20に関してトリガー24が約7乃至25度の範囲において角度B、好ましくは16度で傾斜される。
【0022】
本発明の実施例による、タッカー10の内部構造を示す
図2A及び
図2Bに参照がなされる。
【0023】
トリガー24は、軸線26を中心にして回転するギアホイール25から延びる。ギアホイール25は、半径方向外方に延びると共に、コイルスプリングなどの付勢デバイス28によって付勢されたつかみ器具27を有する。ギアホイール25は、ギア30のシャフトであるウォームギアシャフト29とかみ合う。ギア30は、他のギア32の短いギアシャフト31とかみ合う。ギア32は、駆動シャフト20を通じて動くアプリケーターアーム18のギア歯付端部33とかみ合う。トリガー24をハンドル12の本体の方への握り締めは、ギアホイール25を回転させ、ウォームギアシャフト29及びギア30を回転させ、短いギアシャフト31及びギア32を回転させ、それによって、ギア歯付端部33及びアプリケーターアーム18を回転させる。アプリケーターアーム18の遠位端22の回転は、組織を突き刺すためにロータリー鋲40を遠位端22から外れて前進させる(ロータリー鋲40は、
図2A−
図2Bでは示されないが
図4に見られる)。
【0024】
トリガー24をハンドル12の本体の方への握り締めは、付勢デバイス28を伸ばす。トリガー24を解放すると、付勢デバイス28はつかみ器具27を引っ張り、それによって、トリガー24は、さらなる握り締め及び他のロータリー鋲の適用のために、そのノミナル(nominal)位置まで戻される。
【0025】
本発明の実施例による、アプリケーターアーム18の曲げ可能な遠位端22を示す
図3A−
図3C及び
図4に参照がなされる。
【0026】
遠位端22は、例えばレーザー切断などによって、それに形成された一連の部分的環状切断部34を有する、金属又はプラスチックなどの曲げられる材料で構成されている。切断部34は、遠位端22が第1方向(例えば、上下方向)に曲げられ、第1方向と垂直な第2方向(例えば、左右方向)に概ね堅い(曲げられない)ように形成される。切断部34は、遠位端22に沿って互いから軸方向に離間される。代表的な図示の実施形態では、各切断部34において遠位端22の縦軸線に垂直な付与された環状断面切断のために、部分的環状切断部34は、それぞれが、円筒形遠位端22の断面の上半分及び下半分で180度以下の角度範囲にわたって延びる第1及び第2切断部35、36を備える。第1及び第2切断部35、36は、切断部の残部(rest)に垂直な楕円形終端部37で終端する。これらの楕円形終端部37は、遠位端22の曲げ中において圧力軽減を提供する。
【0027】
図4に見られるように、一つ以上のロータリー鋲40は、アプリケーターアーム18の遠位端22のねじ付き部分38に配置される(
図4は、全長を示すのを回避するように切断されたアプリケーターアーム18を示す)。鋲40のコイルは、ねじ付き部分38のねじ山に収容される。アプリケーターアーム18が回転すると、鋲40は、ねじ山上で一つずつ遠位方向に前進し、アプリケーターアーム18の遠位端22から離れて移動し、組織(図示せず)の中にねじ込まれる。鋲40は、円形、正方形または長方形、五角形または他の形状及びそれらの組み合わせなどの様々な形状を有することができる。コイルスプリングなどの付勢デバイス39は、遠位端22に配置され、アーム18の端部の方へ鋲40を付勢する。
【0028】
引っ張りケーブル41及び42が、アプリケーターアーム18の遠位端22の上半分及び下半分にそれぞれ取り付けられる。引っ張りケーブル41及び42は、第2トリガーアッセンブリ16のオペレーターによって操作されて、上及び直線などのあらゆる所望の角度に関節付きアプリケーターアーム18を枢動する(本発明はこれに限定されないが、関節付きアプリケーターアーム18は、様々な角度に使用のために設計されることができる)。
【0029】
図5A−
図5Cに参照がなされる。引っ張りケーブル41及び42の各々の近位端は、引っ張りブロック43及び44にそれぞれ固定される(
図5A−
図5Cは、引っ張りブロック43を示し、引っ張りブロック44は、構成が同じである)。例えば、引っ張りケーブル41の近位端45は、引っ張りブロック43の丸い端部にわたって引っ張られ、プレート47のスロット46に固定される。プレート47は、引っ張りブロック43の上側に形成された歯とかみ合うプレート47の下側の歯が形成される。プレート47は、引っ張りブロック43のスプリング荷重付きピストン48に関連されている。このように、製造中、プレート47は、歯のかみ合い及びスプリング荷重付きピストン48のスプリング力のために、引っ張りブロック43にわたって移動されることができ、所望の位置で固定されることができ、従って、引っ張りケーブル41をきつく引っ張る。
【0030】
図2Aを参照すると、第2トリガーアッセンブリ16は、親指レバー50及び指レバー51を含み、その双方は、リンケージアッセンブリ52に接続される。親指レバー50は、弓形の溝53で摺動する。リンケージアッセンブリ52は、引っ張りブロック43及び44に枢動的に連結される。図示の実施形態では、リンケージアッセンブリ52は、それぞれが枢軸56及び57を中心に枢動する二つのリンケージアーム54及び55を含む。リンケージアーム54及び55の上端は、リンク58によって互いに枢動的に連結される。リンケージアーム54は、引っ張りブロック43及び44にピンで留められている。リンケージアーム55は、親指レバー50及び指レバー51に連結される。
【0031】
図2A(
図1B)を参照すると、上方位置にある親指レバー50及び指レバー51を示す。上方位置では、リンケージアーム55の上端は、前方(遠位方向)に押し出し、それによって、リンケージアーム54の上端を遠位方向に押し出す。これは、引っ張りブロック44を後方(近位方向)に動かし、引っ張りケーブル42を近位方向に引っ張ってアプリケーターアーム18の遠位端22をまっすぐにする(
図1B)。
図1Aは、下方位置にある親指レバー50及び指レバー51を示す。下方位置では、リンケージアーム55の上端は、後方(近位方向)に押し出し、それによって、リンケージアーム54の上端を近位方向に押し出す。これは、引っ張りブロック43を後方(近位方向)に動かし、引っ張りケーブル41を近位方向に引っ張ってアプリケーターアーム18の遠位端22を上方に曲げる。
【0032】
リンク58は、スプリング荷重付き部材66(例えば、丸い球状の両端を有するロッド)が提供される。親指レバー50及び指レバー51がそれらの下方位置に移動されると、スプリング荷重付き部材66は、ハンドル12の壁の中に又は壁に形成された凹部67と整合し、スプリング力のためにスプリング荷重付き部材66が凹部67の中にカチッと入る。部材66の端部は、親指レバー50及び指レバー51がそれらの下方位置から離れる方向に動くときに部材66が容易に凹部67から出て動くように丸められている。
【0033】
図1A−
図1Bの実施形態に示されたアプリケーターアームは、二つの引っ張りケーブルを使用して、上下の屈曲運動をもたらす。
【0034】
本発明の他の実施例による、アプリケーターアーム60の他の構成を示す
図6A−
図6Cに参照がなされる。この実施例では、一つの引っ張りケーブルだけが必要とされる。
【0035】
アーム60の遠位端は、例えばレーザー切断などによって、それに形成された一つ以上の部分的環状切断部62を含む。
図6A及び
図6Bは、一つの部分環状切断部62を有する実施例を示すが、
図6Cは、環状切断部62と同じ軸方向の位置にある付加的な環状切断部63を示す。
図6A−
図6Bの実施例では、環状切断部62は、180度以上の環状範囲にわたって延びる。
図6Cの実施例では、環状切断部62及び63は、180度以下の環状範囲にわたってそれぞれ延びる。環状切断部62及び63は、切断部の残部に垂直な楕円形終端部64で終端する。これらの楕円形終端部64は、アーム60の遠位端の曲げ中において圧力軽減を提供する。
【0036】
環状切断部62は、アーム60のシャフトの特定の材料量がスプリング65を形成するために残るように形成される。スプリング65はシャフトの部分であるので、スプリング65は、親指レバー50及び指レバー51がそれらの下方位置からそれらの上方位置まで動かされるときにシャフトをまっすぐに作動する。従って、アプリケーターアーム60は、一つの引っ張りケーブル(例えば、引っ張りケーブル41)によって上方に曲がるが、引っ張りケーブル42を必要としないでスプリング65によってまっすぐにされる。
【0037】
本発明は、特に図示され上述されたものによって制限されないことを当業者によって理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述の特徴のコンビネーション及びサブコンビネーションの双方、及び、上述の説明を読んで当業者に生じ、従来技術にはないそれらの変形及び変更を含む。
〔
態様1〕ロータリー鋲(40)を適用するためのタッカー(10)であって、
第1トリガーアッセンブリ(14)及び第2トリガーアッセンブリ(16)を有するハンドル(12)を備え、
第1及び第2トリガーアッセンブリ(14、16)は、ハンドル(12)に連結された駆動シャフト(20)を通じて配置された関節付きアプリケーターアーム(18)に連結され、
第1トリガーアッセンブリ(14)は、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)からロータリー鋲(40)を適用するように動作し、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)を曲げるように動作し、
ハンドル(12)の縦軸線(C)は、駆動シャフト(20)に関して傾斜される、タッカー(10)。
〔
態様2〕
態様1記載のタッカー(10)において、
ハンドル(12)の縦軸線(C)は、駆動シャフト(20)に関して約7乃至25度で傾斜される、タッカー(10)。
〔
態様3〕
態様1記載のタッカー(10)において、
第1トリガーアッセンブリ(14)は、駆動シャフト(20)に関して傾斜したトリガー(24)を備える、タッカー(10)。
〔
態様4〕
態様1記載のタッカー(10)において、
遠位端(22)が第1方向に曲げられ、第1方向と垂直な第2方向に概ね堅いように形成された部分的環状切断部(34)を有し、部分的環状切断部(34)は、遠位端(22)に沿って互いから軸方向に離間されている、タッカー(10)。
〔
態様5〕
態様4記載のタッカー(10)において、
各切断部(34)において遠位端(22)の縦軸線に垂直な付与された環状断面切断のために、各部分的環状切断部(34)は、遠位端(22)の断面の上半分及び下半分で180度以下の角度範囲にわたって延びる第1及び第2切断部(35、36)を備える、タッカー(10)。
〔
態様6〕
態様5記載のタッカー(10)において、
第1及び第2切断部(35、36)は、切断部の残部に垂直な楕円形終端部(37)で終端する、タッカー(10)。
〔
態様7〕
態様3記載のタッカー(10)において、
トリガー(24)は、付勢デバイス(28)によって付勢されたギアホイール(25)から延び、
ギアホイール(25)は、一連のギアを通じて関節付きアプリケーターアーム(18)とかみ合い、トリガー(24)をハンドル(12)の方への握り締めは、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)の回転を生じる、タッカー(10)。
〔
態様8〕
態様1記載のタッカー(10)において、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、少なくとも一つの引っ張りケーブル(41)で関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)に取り付けられる、タッカー(10)。
〔
態様9〕
態様8記載のタッカー(10)において、
リンケージアッセンブリ(52)が第2トリガーアッセンブリ(16)と少なくとも一つの引っ張りケーブル(41)との間で枢動的に連結される、タッカー(10)。
〔
態様10〕
態様1記載のタッカー(10)において、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、親指レバー(50)及び指レバー(51)を備える、タッカー(10)。
〔
態様11〕
態様9記載のタッカー(10)において、
リンケージアッセンブリ(52)は、第2トリガーアッセンブリ(16)の適当な動きでハンドル(12)に形成された凹部(67)の中に動くスプリング荷重付き部材(66)を有するリンク(58)を備える、タッカー(10)。
〔
態様12〕
態様8記載のタッカー(10)において、
タッカー(10)は、二つの引っ張りケーブル(41、42)を備え、
一方の引っ張りケーブルは、遠位端(22)を曲げるために使用され、他方の引っ張りケーブルは、遠位端(22)をまっすぐにするために使用される、タッカー(10)。
〔
態様13〕
態様4記載のタッカー(10)において、
環状切断部(62)の一部分は、スプリング(65)を形成し、スプリング(65)の力は、曲がった位置からまっすぐな位置にアプリケーターアーム(60)を動かす、タッカー(10)。
【手続補正書】
【提出日】2016年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリー鋲(40)を適用するためのタッカー(10)であって、
第1トリガーアッセンブリ(14)及び第2トリガーアッセンブリ(16)を有するハンドル(12)を備え、
第1及び第2トリガーアッセンブリ(14、16)は、ハンドル(12)に連結された駆動シャフト(20)を通じて配置された関節付きアプリケーターアーム(18,60)に連結され、
第1トリガーアッセンブリ(14)は、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)からロータリー鋲(40)を適用するように動作し、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)を曲げるように動作し、
ハンドル(12)の縦軸線(C)は、駆動シャフト(20)に関して傾斜され、
遠位端(22)が第1方向に曲げられ、第1方向と垂直な第2方向に概ね堅いように形成された部分的環状切断部(34)を有し、部分的環状切断部(34)は、遠位端(22)に沿って互いから軸方向に離間されている、タッカー(10)において、
環状切断部(62)の一部分は、スプリング(65)を形成し、スプリング(65)の力は、曲がった位置からまっすぐな位置にアプリケーターアーム(60)を動かす、タッカー(10)。
【請求項2】
請求項1記載のタッカー(10)において、
ハンドル(12)の縦軸線(C)は、駆動シャフト(20)に関して約7乃至25度で傾斜される、タッカー(10)。
【請求項3】
請求項1記載のタッカー(10)において、
第1トリガーアッセンブリ(14)は、駆動シャフト(20)に関して傾斜したトリガー(24)を備える、タッカー(10)。
【請求項4】
請求項1記載のタッカー(10)において、
各切断部(34)において遠位端(22)の縦軸線に垂直な付与された環状断面切断のために、各部分的環状切断部(34)は、遠位端(22)の断面の上半分及び下半分で180度以下の角度範囲にわたって延びる第1及び第2切断部(35、36)を備える、タッカー(10)。
【請求項5】
請求項1記載のタッカー(10)において、
第1及び第2切断部(35、36)は、切断部の残部に垂直な楕円形終端部(37)で終端する、タッカー(10)。
【請求項6】
請求項3記載のタッカー(10)において、
トリガー(24)は、付勢デバイス(28)によって付勢されたギアホイール(25)から延び、
ギアホイール(25)は、一連のギアを通じて関節付きアプリケーターアーム(18)とかみ合い、トリガー(24)をハンドル(12)の方への握り締めは、関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)の回転を生じる、タッカー(10)。
【請求項7】
請求項1記載のタッカー(10)において、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、少なくとも一つの引っ張りケーブル(41)で関節付きアプリケーターアーム(18)の遠位端(22)に取り付けられる、タッカー(10)。
【請求項8】
請求項7記載のタッカー(10)において、
リンケージアッセンブリ(52)が第2トリガーアッセンブリ(16)と少なくとも一つの引っ張りケーブル(41)との間で枢動的に連結される、タッカー(10)。
【請求項9】
請求項1記載のタッカー(10)において、
第2トリガーアッセンブリ(16)は、親指レバー(50)及び指レバー(51)を備える、タッカー(10)。
【請求項10】
請求項8記載のタッカー(10)において、
リンケージアッセンブリ(52)は、第2トリガーアッセンブリ(16)の動きでハンドル(12)に形成された凹部(67)の中に動くスプリング荷重付き部材(66)を有するリンク(58)を備える、タッカー(10)。
【請求項11】
請求項7記載のタッカー(10)において、
少なくとも一つの引っ張りケーブルは、二つの引っ張りケーブル(41、42)を備え、
一方の引っ張りケーブルは、遠位端(22)を曲げるために使用され、他方の引っ張りケーブルは、遠位端(22)をまっすぐにするために使用される、タッカー(10)。
【外国語明細書】