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特開2017-52280EMI遮蔽を備えた補強複合材料を提供するための方法および装置
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  • 特開2017052280-EMI遮蔽を備えた補強複合材料を提供するための方法および装置 図000003
  • 特開2017052280-EMI遮蔽を備えた補強複合材料を提供するための方法および装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-52280(P2017-52280A)
(43)【公開日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】EMI遮蔽を備えた補強複合材料を提供するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/34 20060101AFI20170224BHJP
   B29C 31/04 20060101ALI20170224BHJP
   B29B 7/42 20060101ALI20170224BHJP
   B29B 7/48 20060101ALI20170224BHJP
   B60K 37/00 20060101ALI20170224BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20170224BHJP
【FI】
   B29C43/34
   B29C31/04
   B29B7/42
   B29B7/48
   B60K37/00 A
   H05K9/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-203252(P2016-203252)
(22)【出願日】2016年10月17日
(62)【分割の表示】特願2013-532940(P2013-532940)の分割
【原出願日】2011年10月6日
(31)【優先権主張番号】61/390,410
(32)【優先日】2010年10月6日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】509257008
【氏名又は名称】インテバ・プロダクツ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(72)【発明者】
【氏名】ウェンゼル,エドワード・ジェイ
【テーマコード(参考)】
3D344
4F201
4F204
5E321
【Fターム(参考)】
3D344AA11
3D344AC04
4F201AB11
4F201AB25
4F201AE03
4F201AH17
4F201AH25
4F201BA01
4F201BA06
4F201BD02
4F201BK13
4F201BK25
4F201BK26
4F201BK33
4F201BK80
4F201BQ07
4F201BQ09
4F201BQ15
4F201BQ16
4F201BQ45
4F204AB13
4F204AD16
4F204AE03
4F204AH17
4F204FA01
4F204FB01
4F204FF05
4F204FG08
4F204FJ09
4F204FN11
4F204FN15
5E321AA01
5E321BB33
5E321BB34
5E321GG05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】EMI遮蔽を有する複合材ならびに複合材を提供する装置の提供
【解決手段】電磁障害遮蔽を備えた物品40を形成する方法であって、第1の溶融充填物を提供する第1の混合押出成形機24に第1の重合体を挿入するステップと、第2の混合押出成形機26に第1の溶融充填物を挿入するステップであって、第2の混合押出成形機26が第1の溶融充填物に複数の導電性繊維34を導入し、第2の混合押出成形機26が、第1の溶融充填物および複数の導電性繊維を備えた第2の溶融充填物を提供する、ステップと、圧縮型の少なくとも1つのダイの上に第2の溶融充填物を堆積させるステップと、物品を形成するために第2の溶融充填物に対して圧縮型を閉じるステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁障害遮蔽を備えた物品を形成する方法であって、
第1の溶融充填物を提供する第1の混合押出成形機に第1の重合体を挿入するステップと、
第2の混合押出成形機に前記第1の溶融充填物を押し出すステップであって、前記第2の混合押出成形機が前記第1の溶融充填物に複数の導電性繊維を導入し、前記第2の混合押出成形機が、前記第1の溶融充填物および前記複数の導電性繊維を含む第2の溶融充填物を提供する、ステップと、
圧縮型の少なくとも1つのダイの上に前記第2の溶融充填物を堆積させるステップと、
前記物品を形成するために前記第2の溶融充填物に対して前記圧縮型を閉じるステップと
を含む方法。
【請求項2】
複数の添加剤も前記第1の混合押出成形機に挿入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の添加剤および前記第1の重合体が前記第1の混合押出成形機のホッパーに挿入される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が、電磁障害遮蔽と一体になった前記物品を提供する導電特性を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
導電特性を有する前記複数の添加剤が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記内部コンポーネントが車両の計器パネルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記内部コンポーネントが車両の計器パネルである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の導電性繊維が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複数の添加剤も前記第1の混合押出成形機に挿入され、前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が、電磁障害遮蔽と一体になった前記物品を提供する導電特性を有し、導電特性を有する前記複数の添加剤が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記物品が車両の計器パネルである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の導電性繊維が、電磁障害遮蔽と一体になった前記物品を提供し、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択され、前記複数の導電性繊維が前記物品に構造補強を同じく提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の重合体混合押出成形機と、
前記第1の重合体混合押出成形機から溶融充填物を受け取るように構成された第2の重合体混合押出成形機と、
前記第2の重合体混合押出成形機に複数の繊維を提供するための繊維供給装置であって、前記第1の重合体混合押出成形機および前記第2の重合体混合押出成形機が、導電性の品質を有する繊維補強溶融充填物を提供する繊維供給装置と
を備えた、押出圧縮成形セル。
【請求項13】
前記繊維補強溶融充填物を受け取るように構成された圧縮型をさらに備えた、請求項12に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項14】
複数の添加剤も前記第1の混合押出成形機に挿入される、請求項12に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項15】
前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が、電磁障害遮蔽と一体になった物品を提供する導電特性を有する、請求項14に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項16】
導電特性を有する前記複数の添加剤が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される、請求項15に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項17】
前記複数の繊維のうちの少なくとも一部が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される導電性繊維であり、前記導電性繊維が、電磁障害遮蔽と一体になった物品を提供する、請求項12に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項18】
前記繊維補強溶融充填物を受け取るように構成された圧縮型をさらに備え、前記型が車両の内部コンポーネントとして使用するための物品を画定するように構成された、請求項17に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項19】
前記内部コンポーネントが車両の計器パネルである、請求項18に記載の押出圧縮成形セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2010年10月6日に出願した、参照によりその内容が本明細書に組み込まれている米国仮特許出願第61/390410号の利益を主張するものである。
【0002】
[0002]本発明の例示的実施形態は、一般に、複合材料、および特定の特性を備えた複合材料の製造方法に関する。さらに、本発明の例示的実施形態は、一般に、繊維補強熱可塑性重合体構造コンポーネントの製造にも関し、より詳細には、熱可塑性重合体構造コンポーネントのインライン混合、堆積および圧縮成形のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]典型的な電磁障害(EMI)遮蔽エンクロージャは、金属または高度に充填された重合体複合材のいずれかからなる。エンクロージャの内容物ならびにエンクロージャを取り囲んでいるコンポーネントの両方を漂遊電磁界から遮蔽するためには導電性媒体が必要である。一般的な金属エンクロージャには、鋼およびアルミニウムがある。重合体複合材は、通常、ステンレス鋼を含んだ射出成形熱可塑性繊維、炭素繊維および/またはニッケル被覆炭素繊維である。
【0004】
[0004]金属エンクロージャは、シートメタルを曲げ、かつ、溶接することによって形成することができ、あるいはアルミニウムを鋳造し、かつ、結合剤を含浸させてあらゆる多孔性を封止することによって形成することができる。形成されるシートメタルエンクロージャは、通常、輪郭および形状の点で限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005]したがって、EMI遮蔽を有する複合材ならびにこのような複合材を提供するための装置が提供されることが望ましい。さらに、EMI遮蔽を有する複合材から形成されたコンポーネントが提供されることが望ましい。さらに、このコンポーネントが押出圧縮成形プロセスから形成されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]一例示的実施形態によれば、重合体複合材から電気エンクロージャを製造する方法は、交互成形技術ならびに導電性ナノサイズ充填材技術を使用する。
【0007】
[0007]本発明の一例示的実施形態によれば、電磁障害遮蔽を備えた物品を形成する方法であって、この方法は、第1の溶融充填物を提供する第1の混合押出成形機に第1の重合体を挿入するステップと、第2の混合押出成形機に第1の溶融充填物を挿入するステップであって、第2の混合押出成形機が第1の溶融充填物に複数の導電性繊維を導入し、第2の混合押出成形機が、第1の溶融充填物および複数の導電性繊維を備えた第2の溶融充填物を提供する、ステップと、圧縮型の少なくとも1つのダイの上、または引き続いて圧縮型のダイの上に移すためのコンベヤの上に第2の溶融充填物を堆積させるステップと、物品を形成するために第2の溶融充填物に対して圧縮型を閉じるステップとを含む。
【0008】
[0008]他の例示的実施形態では、押出圧縮成形アセンブリが提供され、このアセンブリは、第1の重合体混合押出成形機と、第1の重合体混合押出成形機から溶融充填物を受け取るように構成された第2の重合体混合押出成形機と、第2の重合体混合押出成形機に複数の繊維を提供するためのアセンブリとを有しており、アセンブリおよび第2の重合体混合押出成形機は、導電性の品質を有する繊維補強溶融充填物を提供する。
【0009】
[0009]本発明の上で説明した特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面および添付の特許請求の範囲から、当業者には認識および理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
[0010]以下、本発明の実施形態について、単なる例にすぎないが、添付の図面を参照して説明する。
図1】[0011]本発明の一例示的実施形態による押出圧縮成形(ECM)セルの略図である。
図2】[0012]本発明の一例示的実施形態による、EMI遮蔽を備えた物品を形成する非制限の一方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0013]EMI遮蔽を備えた繊維補強成形構造コンポーネントを製造するためのインライン混合および押出圧縮成形装置が提供される。この装置によれば、第1の重合体溶融物を形成することができ、繊維補強重合体コンパウンドを形成するために、重合体溶融物と少なくとも1つの補強繊維を混合する第2の押出成形機にこの第1の重合体溶融物を供給することができ、この繊維補強重合体コンパウンドを圧縮型の上に堆積させることができ、かつ、補強構造コンポーネントをその中に成形することができる。
【0012】
[0014]以下の米国特許第6648402号、第6558146号、第6508967号および第6497775号が参照されており、これらの各々の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0013】
[0015]図1は、本発明の一例示的実施形態による押出圧縮成形(ECM)セル10の一例示的実施形態を示したものである。ECMは開放成形プロセスであり、この特徴により、特定の処理技法を使用して異なる重合体材料を結合することができ、および/または同じツールまたは型空胴内に挿入することができる。ECMセル10は、最終的には、ロボットまたは他の等価デバイス16によって、垂直圧縮プレス15内に配置されている圧縮型14に提供される溶融充填物12を製造する。圧縮型は、雌形の半分18および雄形の半分20を有することができ、それぞれ接触表面22を含む。雌形の半分および雄形の半分は、互いに整合するために相補形状をなしている。また、圧縮型は、重合体を所望の形状に成形し、かつ、形成するために一般的に使用される従来の型であってもよい。
【0014】
[0016]一実施形態では、混合押出成形機24、26は、溶融充填物を接触表面に直接堆積させることができるよう、3軸テーブル(図示せず)の上に移動可能に配置されているか、あるいは別法としては、ロボットを移動させて溶融充填物を溶融物捕捉コンベヤ(図示せず)から固定型に対して移すことも可能である。
【0015】
[0017]ECMアセンブリ10は、溶融充填物を第2の繊維/重合体混合押出成形機26に供給する第1の重合体混合押出成形機24をさらに含む。個々の押出成形機は、ボディ、入口端およびダイを備えた出口端を有する二重スクリュー押出成形機である。スクリューが回転して重合体溶融物を混合し、かつ、押出成形機の出口端に向かって移動させる。
【0016】
[0018]第1の混合押出成形機24の重合体溶融物は、重合体材料が供給されるホッパー30の使用を始めとする任意の数の技法によって第1の押出成形機に導入される重合体材料28から形成される。重合体材料は、しばしば、プラスチックペレットの形をしている。さらに、代替として、添加剤32をホッパー30に加えることも可能である。一実施形
態では、添加剤は、機械的な特性を改善するために、結合剤、熱安定剤、着色料、再研削材および他の充填材を含む。別法としては、ペレット28の重合体材料の中に添加剤を含めることも可能であり、あるいは別法として添加剤を全く含まずに重合体材料を加えることも可能であり、また、これらの添加剤は、第2の押出堆積混合デバイスを使用して含有される。さらに、一実施形態では、重合体材料から形成される物品がEMI遮蔽能力と共に一体形成されるよう、添加剤または添加剤の少なくとも一部は、電気的に導電性であるか、あるいは導電特性を有している。このような導電性添加剤の非制限の例は、ガラス、炭素、ステンレス鋼、導電性ナノサイズ充填材技術、ナノワイヤ、それらの等価物およびそれらの組合せからなるグループから選択される。さらに、上で言及した添加剤は、繊維構成で供給することができる。
【0017】
[0019]また、第2の混合押出成形機26も、入口端および出口端を有している。出口端は、繊維補強溶融充填物を形成/整形するための堆積ダイヘッド30をさらに含む。
【0018】
[0020]また、第2の混合押出成形機は繊維供給装置33を含む。この繊維供給装置は、連続繊維を第2の混合押出成形機に導入する手段を提供し、また、1つの繊維供給リールまたは複数の繊維供給リール34を含み、個々のリールには、所定の張力で巻かれた少なくとも1本の繊維が含まれている。この少なくとも1本の繊維は、ガラス、炭素、ステンレス鋼、等々であってもよい。さらに、一実施形態では、重合体材料から形成される物品がEMI遮蔽能力と共に一体形成されるよう、複数の繊維またはこれらの複数の繊維の少なくとも一部は、電気的に導電性であるか、あるいは導電特性を有している。このような導電性繊維の非制限の例は、上で言及した、ガラス、炭素、ステンレス鋼、導電性ナノサイズ充填材技術、ナノワイヤ、それらの等価物およびそれらの組合せからなるグループから選択することができる。
【0019】
[0021]繊維を第2の混合押出成形機に供給する代替手段には、それらに限定されないが、不連続(切断された)繊維を押出成形機フィードスロートに供給するためのロス・イン・ウェイト・フィーダ、ならび押出成形機バレル内では容易に切断することができない連続繊維を切断し、かつ、供給するためのインライン繊維切断装置がある。別法としては、繊維は、押出成形機バレルのスクリュー内で切断される構成の繊維である。
【0020】
[0022]これらの繊維は、所望の補強アプリケーションならびに形成される物品のEMI遮蔽能力を提供するために第2の混合押出成形機に導入される。
【0021】
[0023]第2の混合押出成形機は、切断部材およびアクチュエータを有する切断アセンブリをさらに含み、アクチュエータが起動されると、切断部材が動作して、溶融物がコンベヤベルト(図示せず)上の充填物12に切断され、それによりロボットまたは他の等価デバイス16は、その溶融充填物をピックアップし、かつ、圧縮型の一方の半分の上に堆積させることができる。次に、圧縮型によって、EMI遮蔽特性を有する複合材料から構築された物品40が形成される。物品40は、成形プロセスによって形成されるため、ほとんど任意の構成を有することができ、その一方で依然としてEMI遮蔽特性を有している。物品40の一非制限の構成は、車両の計器パネルまたは内部部分である。
【0022】
[0024]個々の押出成形機は、せん断および圧力と共に、最終的には圧縮型14のダイの上に配置される溶融充填物を構成する重合体複合溶融物を可塑化する発熱体を含むことができる。この発熱体(図示せず)は、押出成形機のスクリューの回転によって導入されるせん断熱と相俟って重合体溶融物を形成する。さらに、結果として得られるコンパウンドの補強繊維および/または導電性繊維の割合は、繊維供給装置によって提供される繊維の数を制御することによって変更することができる。したがって補強繊維および/または導電性繊維の割合は、重合体溶融物と共に混合される補強繊維の量を加減することによって変更することができる。補強繊維/充填材は、重合体複合材の提供と同時に、様々な割合でいずれか一方または両方の混合押出成形機に加えることができ、それにより最適化された機械的特性を備えた重合体複合材が最低コストで提供される。
【0023】
[0025]押出圧縮成形をインライン材料混合(ECM w/ILCまたはLFT-D-ILC圧縮)プロセス技術と共に使用することにより、必要なEMI遮蔽、機械的性能および難燃性のための特注処方複合材を製造することができ、その一方で高性能/コスト比率を提供することができる。
【0024】
[0026]したがってEMI遮蔽能力を備えて形成された物品を提供するための方法および装置が提供され、電気的に導電性の添加剤が第1の押出成形機または第2の押出成形機のいずれかに提供され、あるいは別法として第1および第2の押出成形機の両方またはそれらの任意の組合せに提供され、その結果として得られる溶融充填物が、電気的に導電性の材料を含み、またこれらの導電性材料から形成される物品がEMI遮蔽特性を備えるようになる。
【0025】
[0027]図2は、本発明の一例示的実施形態による、電磁障害遮蔽を備えた物品を形成する少なくとも1つの非制限の方法を示したものである。第1のステップ50で第1の重合体が第1の混合押出成形機に挿入され、第1の混合押出成形機によって第1の溶融充填物が提供される。第2のステップ52で第1の溶融充填物が第2の混合押出成形機に押し出され、ステップ54で第2の混合押出成形機によって電気的に導電性の複数の繊維が第1の溶融充填物に導入され、ステップ56で第2の混合押出成形機によって、第1の溶融充填物および複数の導電性繊維を備えた第2の溶融充填物が提供される。次にステップ58で第2の溶融充填物が圧縮型の少なくとも1つのダイの上に堆積される。電気的に導電性の物品が溶融充填物に導入されるため、EMI遮蔽能力を備えた物品を形成するために、ステップ60で圧縮型が第2の溶融充填物に対して閉ざされる。代替実施形態では、上で言及したように、重合体材料から形成される物品がEMI遮蔽能力を備えて一体で形成されるよう、ステップ50で電気的に導電性の添加剤が加えられ、あるいはステップ50で加えられる添加剤の少なくとも一部は、電気的に導電性であるか、あるいは導電特性を有している。これらの電気的に導電性の添加剤は、ステップ54で加えられる電気的に導電性の複数の繊維の代わりであっても、あるいはこれらの複数の繊維の追加であってもよい。
【0026】
[0028]以上、本発明について、一例示的実施形態を参照して説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更を加えることができ、また、等価物をそれらのエレメントの代用として使用することができることは当業者には理解されよう。さらに、特定の状況あるいは材料を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正を加えることも可能である。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図された最良のモードとして開示されている特定の実施形態に限定されないが、本発明は、特許請求の範囲の範疇に属するあらゆる実施形態を包含することが意図されている。
図2
図1
【手続補正書】
【提出日】2016年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の重合体混合押出成形機と、
前記第1の重合体混合押出成形機から溶融充填物を受け取るように構成された第2の重合体混合押出成形機と、
前記第2の重合体混合押出成形機に複数の繊維を提供するための繊維供給装置であって、前記第1の重合体混合押出成形機および前記第2の重合体混合押出成形機が、導電性の品質を有する繊維補強溶融充填物を提供する繊維供給装置と
を備えた、押出圧縮成形セル。
【請求項2】
前記繊維補強溶融充填物を受け取るように構成された圧縮型をさらに備えた、請求項1に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項3】
複数の添加剤も前記第1の混合押出成形機に挿入される、請求項1に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項4】
前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が、電磁障害遮蔽と一体になった物品を提供する導電特性を有する、請求項3に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項5】
導電特性を有する前記複数の添加剤が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される、請求項4に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項6】
前記複数の繊維のうちの少なくとも一部が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される導電性繊維であり、前記導電性繊維が、電磁障害遮蔽と一体になった物品を提供する、請求項1に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項7】
前記繊維補強溶融充填物を受け取るように構成された圧縮型をさらに備え、前記型が車両の内部コンポーネントとして使用するための物品を画定するように構成された、請求項6に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項8】
前記内部コンポーネントが車両の計器パネルである、請求項7に記載の押出圧縮成形セル。
【請求項9】
電磁障害の遮蔽機能を有する物品を形成する方法であって、
複数のペレットの形態の第1の重合体を第1の混合押出成形機に挿入するステップであり、前記第1の混合押出成形機が前記複数のペレットを加熱し第1の溶融充填物を提供するステップと、
第2の混合押出成形機に前記第1の溶融充填物を押し出すステップであって、前記第2の混合押出成形機が、連続繊維を前記第2の混合押出成形機に導入する繊維供給装置を介して前記第1の溶融充填物に複数の導電性繊維を導入し、前記第2の混合押出成形機が、前記第1の溶融充填物および前記複数の導電性繊維を含む第2の溶融充填物を提供する、ステップと、
圧縮型の少なくとも1つのダイの上に前記第2の溶融充填物を堆積させるステップと、
前記物品を形成するために前記第2の溶融充填物に対して前記圧縮型を閉じるステップと
を含む方法。
【請求項10】
複数の添加剤も前記第1の混合押出成形機に挿入される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の添加剤および前記第1の重合体が前記第1の混合押出成形機のホッパーに挿入される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が導電特性を有し、前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が前記電磁障害の遮蔽機能も一緒に前記物品に提供する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
導電特性を有する前記複数の添加剤が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記物品が車両の計器パネルである、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の導電性繊維が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択され、前記繊維供給装置が複数の繊維供給リールを含む、請求項9から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
複数の添加剤も前記第1の混合押出成形機に挿入され、前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が導電特性を有し、前記複数の添加剤のうちの少なくとも一部が前記電磁障害の遮蔽機能も一緒に前記物品に提供し、導電特性を有する前記複数の添加剤が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択され、前記複数の導電性繊維は前記ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択され、前記繊維供給装置は複数の繊維供給リールを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記物品が車両の計器パネルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の導電性繊維が、ガラス、炭素、ステンレス鋼およびそれらの組合せからなるグループから選択され、前記複数の導電性繊維が前記物品に構造補強も提供し、前記複数の導電性繊維が前記電磁障害の遮蔽機能も前記物品に提供し、前記繊維供給装置が少なくとも1つの繊維供給リールを含む、請求項9に記載の方法。
【外国語明細書】
2017052280000001.pdf